全国書店新聞
             

令和4年2月1日号

書店収益改善理解広がる/経営基盤強化へ努力継続/矢幡会長、「出版クラブだより」に新年あいさつ

日本出版クラブは1月1日発行の会報「出版クラブだより」に出版業界5団体の新年あいさつを掲載した。日本出版クラブ・野間省伸会長(講談社社長)は「出版クラブは人と人との出会いの場」、日本書籍出版協会・小野寺優理事長(河出書房新社社長)は「本の魅力を伝える」、日本雑誌協会・堀内丸惠理事長(集英社会長)は「逆境をチャンスに変える今年は飛躍の年」、日本出版取次協会・平林彰会長(日販グループホールディングス会長)、日書連・矢幡秀治会長(真光書店社長)は「次への一歩」と題し、それぞれ出版業界発展を目指す決意を表明した。矢幡会長は、書店経営を続けるためには30%以上の粗利益が必要とお願いする活動、「読者還元祭」「本の日」をはじめとする読者推進運動、店頭ロス対策としての万引防止運動に積極的に取り組んでいく方針を示した。矢幡会長の新年あいさつは次の通り。
〔巣ごもり需要、影ひそめる/昨年もコロナの影響大きく〕
新年あけましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になりました。厚く御礼申し上げます。新型コロナウイルスの感染拡大は、昨年9月末頃よりかなり収まってきてはいるものの、第6波到来に不安をぬぐい切れない状態が続いています。ワクチンや治療薬によって、早く安心して生活ができるようになることを願っています。
我々書店にとっては、昨年も新型コロナの影響が大きい年でした。年初から9月末まで長い緊急事態宣言が続き、一時期の巣ごもり需要はすっかり影を潜め、本屋への足が遠のく大変厳しい売上げ状況が続いています。
私は会長2期目となりましたが理事会等の実施はできず、なかなか活動を前に進めることができませんでした。そのような中ではありますが、引き続き「30%以上の粗利益」をお願いしてきました。昨年はこれに答えていただくかのように、出版社、取次会社、一般社団法人出版文化産業振興財団(JPIC)と多くの方々に、いろいろな角度から施策を検討していただいております。今後は様々なところで成果を期待しつつ、我々も協力しながら書店経営の基盤が確固たるものとなるようにさらに努力してまいります。
〔「読者還元祭」軸に読書推進活動/拙速な教育デジタル化憂慮〕
一方、読書推進活動では、「本の日」の活動を支援してきました。数多の出版社、書店に協賛いただいて、1日店長、ブックカバー大賞、オンライントークイベント「ひろゆきと話そう。本のこと、自分のこと、未来のこと。」、図書カードキャンペーンなどを実施しました。特に図書カードキャンペーンでは日書連「秋の読者還元祭」とコラボレーションし、店頭ポスターだけでなく、店頭配布の「しおり」」からも応募できるようにしました。
また、多くの雑誌でキャンペーン告知に協力をいただきました。その結果、応募数が5万3千件となり、前回より25%増え、お客様が店頭に足を運んでいただく契機になっています。なお一層の拡大に向け、本年も皆様のご支援ご協力を宜しくお願いいたします。
このほか、読書推進を進める日書連としては学校教育のデジタル化が加速してきたことを憂慮し、拙速なデジタル化はやめるよう訴えてきました。3月には文部科学省審議官を訪問して意見書を提出しました。自分の頭の中で思考を深めることができるようになるためには、紙に書いた活字を読むことが一番であることをしっかりと主張しなければなりません。これは書店の利益よりも優先して取り組まなければならないことです。
〔万引防止対策で店頭ロス減らす/渋谷プロジェクトなど順調に推移〕
店頭のロス対策として取り組んできた万引防止活動では、インターネット上での盗品出品の監視、「ロス対策士」検定試験への協力、マイバッグマナーポスターの配布、渋谷プロジェクトの水平展開など順調に成果をあげつつあります。昨年同様、地道な防犯活動と並行して、ICタグの導入促進、損害賠償請求、二次処分市場との連携など万引防止出版対策本部の協力を得ながら、より強力に万引きの事前防止に努めていきます。
もちろん、組合加入促進、再販制の維持、軽減税率の実現、返品等輸送問題、雑誌発売日諸問題等、足元の課題にもしっかりと取り組んでまいります。
今年は書店にとって大きな転換期になるのではないか。いや、何としても良い転換期にしたい。動き始めている変化を協力しながらしっかり育てあげ、成果を結びたい。そして読書の大切さを訴えながら、紙の本に触れる人々を増やしていけるように。一年間、全力を尽くしてまいりますので、皆様のご支援を宜しくお願い申し上げます。

2021年の出版市場、紙+電子は3・6%増/3年連続のプラス

出版科学研究所は1月25日発売の「出版月報」1月号で、2021年の出版市場規模を発表した。紙+電子の推定販売金額は前年比3・6%増の1兆6742億円と3年連続でプラス成長となった。電子出版が同18・6%増と引き続き拡大し、紙の書籍も同2・1%増と15年ぶりに増加に転じた。電子出版の占有率は27・8%と前年から3・5ポイント上昇した。

日書連のうごき

12月1日JPO運営幹事会に事務局が出席。
12月6日JPIC特別委員会に春井副会長が出席。読書推進運動協議会標語選定委員会、全体事業委員会に春井副会長が出席。
12月8日図書館委員会(Zoom)。学校図書館図書等の整備・拡充を求める各界連絡会に春井副会長が出席。
12月14日JPO理事会に藤原副会長が出席。
12月15日子どもの本セール3者会議に春井副会長が出席。
12月16日政策委員会に矢幡会長、鈴木、藤原、柴﨑、渡部、春井、安永(Zoom)、光永、深田各副会長、髙島理事、小泉、葛西両監事が出席。定例理事会。読者還元祭記者発表会に矢幡会長、春井副会長が出席。本の日実行委員会に矢幡会長が出席。
12月17日文字・活字文化推進機構理事会に矢幡会長が出席。
12月20日出版倫理協議会に渡部副会長が出席。書店再生委員会(Zoom)。
12月21日全国中小小売商団体連絡会に事務局が出席。
12月22日文化産業信用組合理事会に矢幡会長が出席。全国万引犯罪防止機構理事会に矢幡会長が出席。
12月27日事務局業務終了。

「春の読者還元祭2022」実施要項

▽名称日書連主催「春の読者還元祭2022」
▽実施期間2022年4月20日(水)より5月5日(木)まで(読者応募は5月19日(木)まで有効)
▽参加資格日書連傘下組合加盟書店及び希望する書店
▽実施方法書籍・雑誌を一定金額(目安:税込500円)購入した読者や外商先に「キャンペーンしおり」または「雑誌カード」を進呈。掲載のQRコードから読者によるキャンペーン応募が必要
▽配布物「キャンペーンしおり」(1種類150枚)と「雑誌カード」(A5サイズ150枚)、店頭ポスター(A3)を封入したセットを、希望書店に1セット3300円(税込)で頒布。同封の店頭ポスターはキャンペーン告知用。QRコード掲載の応募ポスターは作成しない
▽申込方法と締切自主的な申込制。2月中旬に送付する注文ハガキに申込セット数を記入し、所属都道府県組合宛に申し込む。実施書店を告知するため、複数店舗分申込の場合はそれぞれの書店(支店)名を記入する。申込締切は3月1日(火)
▽納品方法と請求方法取引取次経由で4月中旬までに納品。代金は取引取次より請求
▽賞品総額300万円
「図書カードネットギフト」1000円
3000本当選者には、日本図書普及より直接、図書カードネットギフト1000円分を7月初旬までにメールで送信する
▽報奨金制度「しおり」を購入して150件以上応募者を集めた組合加盟書店に報奨金3300円(税込)を支払う(購入セット数に関わらず上限3300円。同日内の重複応募は1件と数える)
▽全組合加盟書店への「しおり」配布店頭活性化の一環として、全組合加盟書店にキャンペーンしおり20枚を4月下旬までに直送する。この20枚に対する費用は別途発生しない。なお、雑誌カードの配布はない
▽広報活動全国書店新聞に実施要項を掲載。日書連ホームページ(https://www.n-shoten.jp/)、公式Twitter(@shotenmatsuri)で告知。宣伝用ポスターは日書連ホームページよりダウンロードできる

コロナ対策を行いながらイベント実施できること期待/大阪組合・深田理事長が年頭所感

大阪府書店商業組合は1月1日発行の組合報「大阪組合だより」に深田健治理事長(ブックスふかだ)の年頭所感を掲載した。深田理事長は「コロナ対策を行いながらイベント実施できることを期待する」として、出版業界の諸課題解決に意欲を示した。
深田理事長は2021年を振り返って、年始から第3波、春に第4波、秋に第5波で新規感染者数も最大となり、その後は急速に減り様々なイベント制限も解除されたが、「BOOKEXPO」や「本の帯創作コンクール」表彰式などは中止になったと報告。「これからもコロナと付き合っていくために、お店も、イベントもしっかりとした感染対策を行いながら実施していく必要がある」と前置きして今年のイベント実施に期待を示し、日書連ホームページにも掲載されている「書店における新型コロナウイルス感染症感染拡大予防ガイドライン」に従った店舗運営を訴えた。
出版業界の大きな出来事として、楽天ブックスネットワーク(楽天BN)と日本出版販売(日販)の協業範囲拡大を挙げ、楽天BNと日販の物流における協業、そして図書館事業からの撤退、OPLマークの終了は「楽天BN帳合書店にとって非常に衝撃的なことだった」と指摘。大阪組合は10月の協業範囲拡大後、楽天BN帳合書店にアンケートを実施しているが、「この結果を楽天BNと日販に渡し、帳合書店の不安の解消と問題点の解決に進むよう協力をお願いした」と報告した。
楽天BNの図書館事業からの撤退とOPLマークの終了については、「各自治体図書館と、納品している書店にとって大きな問題。図書館の意向に合わせ迷惑をかけないよう協力をいただき、地元の書店が排除されることのないよう各地で話を進めてもらっているところ」として理解を求め、疑問な点があれば組合に相談してほしいと呼びかけた。
また、出版文化産業振興財団(JPIC)が出版業界全体の課題を業界3者と有識者で解決するため発足した特別委員会に、自身も日書連から委員として参加することになったと報告。「以前から課題となっている粗利益30%の問題も含め、街の中小書店の意見を取り上げてもらえるよう頑張る」と意気込みを示した。

「春夏秋冬本屋です」/「海原の羅針盤」/岩手・小原書店店長・小原玉義

「本屋さんに本をあげるなんて前代未聞かな」。当店に林真理子さんたちを連れて来てくれた大東高校・鈴木勝博前校長。今度はこの本と出合わせてくれた。
『いつだって本と一緒』(皓星社)。著者は、筋萎縮性側索硬化症と闘い58歳で亡くなった盛岡の書店員・岩橋淳さん。若い人に向けて、「岩手日報」紙上で14年の長きにわたり、273冊の読書案内を連載した。命を削りつつ紹介してくれた全ての記事が、鈴木前校長たち160名のクラウドファンディング支援により1冊の本となって蘇った。
当店を取り上げてくれた、大東高校生徒会誌『暁光』の特集「町に本屋さんのある幸せ」。3年前、鈴木校長とかわいらしい編集委員2名が取材・構成して作り上げた。この特集が岩橋淳さんの新聞連載最終回の言葉で始まるのだ。
「本との幸福な巡り会いは、いつの日か漕ぎ出す海原で、すぐれた羅針盤となるだろう。だから、若い人よ。精いっぱい感受性を磨き、本を読もう。出会うために」
そして編集委員はみんなに呼びかけた。
「生徒のみなさん、岩橋さんの言葉をかみしめてください。そして、本を読みましょう。我々が学ぶ町に本屋さんがあるということは、なんと『ありがたいこと』ではないか。本屋さんを中心に、私たちが暮らす町について考えましょう。町から本屋の文化の灯を消すな!」
最後に生徒たちと岩橋淳さんの言葉をかみしめて、今年度担当のエッセーを終わりたいと思う。

書店新風会2年ぶり新年懇親会に194名/初売り、会員書店の7割が前年上回る/地方総会は9月に山形で開催へ

全国各地方の有力書店で構成する「書店新風会」は1月12日、東京・新宿区のハイアットリージェンシー東京で新年懇親会と第56回新風賞贈賞式を開き、会員16社18名、出版社120社142名、取次4社4名など計167社194名が出席。今年度地方総会を9月15・16日、山形県鶴岡市の「ショウナイホテルスイデンテラス」で、八文字屋を幹事店に開催すると発表した。
新年懇親会は新型コロナウイルスの影響で昨年は中止。2年ぶりの開催となる今回は、「着座形式」「時間短縮」「酒類提供自粛」など感染予防対策を講じて開催した。
会は中島良太親睦委員長(三和書房)の司会で進行し、はじめにあいさつした大垣守弘会長(大垣書店)は、会員書店の年始の売上状況について、約7割の店は前年を上回り、2桁の伸びとなった店もある一方、3割の店は前年比80%台と報告した。
急激に進むデジタル化については「どうすれば我々が扱う紙の本を通じて社会貢献できるのか、議論する機会が増えてきた。文字・活字文化推進機構からもデジタルと紙の融合・両立について提言をいただき、考えさせられる1年だった」と振り返り、「地域の方々に知識・情報・文化を伝えるため、紙は我々にとって大事なツール。限りある資源の紙を扱うことについて、SDGsの観点から世界の将来にも目を向けて進めていく。各地域の書店が存続するために何をすべきか考え、出版文化を守りたい」と抱負を語った。
第56回新風賞はアンデシュ・ハンセン『スマホ脳』(新潮社)が受賞し、贈賞式で新潮社・伊藤幸人取締役と担当編集者の北本壮氏に賞状と盾を贈った。
伊藤氏は「昨年4月に40万部に到達した時点で、新風会会員書店をはじめ全国書店のトップの方々に手紙を出した。ノルウェーの研究で、小学校高学年の生徒の半分に紙の本、もう半分にデジタルデバイスで短編小説を読ませところ、紙の本を読んだ生徒の理解力が高く、とりわけ物語の展開について優るという結果が出た。これこそリアル書店に売っていただく本だという思いを強くし、手紙を書いた。多くの書店から賛同をいただき、それがきっかけでここまで来ることができた」と謝意を述べた。
北本氏は「初速の良い作品で、20数年の編集歴でこのようなスタートを切れたことはいまだかつてなかった。多くの書店が力を入れて販売してくださったおかげ」と受賞を喜んだ。
東山堂・玉山哲社長の発声で乾杯したあと、地方総会幹事店を務める八文字屋・五十嵐勇大社長があいさつ。最後に林田芳幸副会長(啓林堂書店)が「出版社は素晴らしい作品をたくさん出していただきたい。新風会会員書店はそれをお客様に届け続ける」と閉会の辞を述べた。

教育の急激なデジタル化に警鐘/文活機構・JPICシンポで酒井邦嘉教授

文字・活字文化推進機構と出版文化産業振興財団(JPIC)は12月17日、東京・千代田区の日本新聞協会大会議室でONLINEシンポジウム「教育の急激なデジタル化の問題を考える」を開催。第1回として「教育のデジタル化が子どもの脳に与える影響を考える」をテーマに、東京大学大学院教授の酒井邦嘉氏と国際ジャーナリストの堤未果氏が対談した。シンポジウムは読売新聞社が特別協力。進行を読売新聞専門委員の鈴木美潮氏が務めた。対談の概要を紹介する。
〔電子機器より紙の方が記憶しやすい〕
鈴木GIGAスクール構想による小中学生への端末配備がコロナ禍で前倒しになり、ほぼ完了した。当初想定していたデジタル教科書への完全移行の方針は見送られた。教育現場では、端末を使うことで子どもの身体に悪影響はないのか不安の声も多いようだ。酒井先生は脳科学の立場から言語学を研究し、手書きのメモの方がデジタル機器を使うよりも記憶が定着するという研究を発表し注目された。紙とデジタルでは教科書を読んだとき、脳の働きに差はあるのか。
酒井実験では、スマホ、タブレット、紙の手帳のグループに分け、スケジュールを書き留める課題を行った。書いた内容を想起する課題では有為の差はなかったが、一番早く書き終えたのは紙の手帳だった。また簡単な設問について、紙の手帳の方が、同じくペンで手書きするタブレットより成績が良かった。脳の活動を測定すると、メディアの使い方によって違いが見られ、記憶処理に関係する「海馬」という場所だけでなく視覚野や言語野の反応にも差が出て、脳の活動は紙の手帳を使った方が高いことが分かった。
我々は言葉だけで覚えているのではなく、「どこに書いてあったか」といった手掛かりを脳の中で再現して自分のアウトプットのために使う。紙媒体は手掛かりが多く、文字の場所や位置関係といった視覚情報を関連付けて記憶できる。デジタル機器ではそうした空間情報が少なく、全体が一様で各ページに個性がないので情報を関連付けて記憶することが難しい。
デジタル教科書も全く同じで、見た記憶はあるけれど、どこに何が書いてあったか思い出せないというのは教育の場合決定的に問題になる。一度読めばいいものなら問題ないが、学習では繰り返し読んだり、見直して分からないことに気付くということが大切なので、紙の効果は大きい。
デジタル機器で完結しがちになり、紙のノートに書いて自分でまとめるという使い方をしなくなるのも問題だ。人間の脳は、いろいろなことを同時に行うマルチタスク処理が自然にできる。例えば授業で先生の話を聞きながら黒板を見て、考えながらノートに写す。だが近頃、講義を熱心に聞いているのに全くノートを取らない学生がいるのに気づいた。原因は小学校の教育に遡るらしく、「まず先生の話を聞きましょう。ペンを置きましょう」と指導すると聞いて愕然とした。パフォーマンスだけ比較すれば、シングルタスクの方が1つに集中するから結果はいいが、複数のことを同時にできるマルチタスクができない人間になってしまう恐れがある。
鈴木問う力や考える力の話を進めていきたい。タブレットでは予めインストールされたアプリが生徒の理解度に沿って問題を出し、採点して、次にすべき学習も示してくれる。確かに個別最適化ではあるが、堤さんの本では「タブレットがないと、全部自分の頭で考えないといけない」という衝撃的な小学生の言葉を紹介している。自分の頭で考えることがなくなってきているのだろうか。
堤タブレットやGoogle検索はすぐ答えが出る。タブレットを使っている小学生と話をすると、デジタルは速くてすごく気持ちがいいという。だが教育は、すごく時間がかかって結果が出る部分もある。速く答えを出すことが良いという価値観が子どものうちに刷り込まれてしまうと、すぐ答えが出ないことにイラッとしたり、答えが出ないときに、なぜだろうと立ち止まって考える訓練ができなくなる。これがないと批判的な思考が育たない。また、すぐに答えが出せないクラスメートに対してもやはりイラッとしてしまう。横の多様性がなくなりスピードと正確性を競うだけの関係性がメインになってしまうと、大事なものを失っていくのではないか。
酒井多くの人が、効率という一つの価値観だけで、それをクリアすればいいかのように考えている。だが教育は無駄こそ命だ。同じ状況が繰り返し出てきたときに初めて脳は学習しようとする。今まで学んだ知識を引っ張り出し、自分の答えが果たして正しかったかと吟味し見直すプロセスが、学習や新しい未知の状況に対する適応力や判断力を高めていく。すぐに結果が出てしまったら吟味するチャンスがなくなる。
堤アメリカとヨーロッパの教育システムを取材してきたが、効率とスピードという新自由主義的な教育政策がメインになっていて、それがデジタル化でさらに加速している。1人の先生が「退屈というのも非常に大事だ」と言っていたのが印象的だった。子どもは、ふっと退屈したときに面白いものを見つけて遊びを考え、いろいろなことをやり始めるものだ。タブレット学習は効率化はされるが、子どもたちの想像力が入る隙間もなくなる。初等教育の子どもほど、退屈させることはかえっていいのではないかと思った。
鈴木酒井先生は紙こそ最先端だと話している。紙の教科書を使い、手で書いて覚え、学ぶことが、考える力を育んでいくために大事ということだろうか。
酒井手書きとキーボード入力について海外の研究がある。キーボードは速いため聞いたことを全部そのまま打ってしまう。自分で咀嚼する時間がないので、受け身になりがちになる。手書きの場合は全部を書き取れないので、要点を聞き落とさないようにしようとか、キーワードを書いたり矢印でつないだり、カッコを付けたりという工夫が自在にできて、それが次に自分で考えるヒントになる。その時間を生み出すのが書くことの効用だ。
〔紙とデジタルを併用し主体的に学習〕
鈴木紙とデジタルの併用でバランスの良い取り組みをしている学校もあると聞く。
堤東京の荒川区は、図書館を活用した学習を重視している。図書館で自分で本を探して、少し違うなと思ったらまた次の本へ、「なぜだろう?」と問い続けながら森の中を進んでいくような体験をする。荒川区はタブレットも早くに配布し、子どもはタブレットでも紙の本でも調べて上手にバランスを取っている。タブレットはあくまでもツールであり、必要なのは調べる力を付けるということだ。パッと答えが出るものはステレオタイプが生まれやすいし、実はフェイクニュースかもしれない。深掘りして調べる力はデジタル化が進むほど必要になる。
デジタル先進国のエストニアは、PISA(OECD生徒の学習到達度調査)で高い点をあげているが、その理由はデジタル化しているからではない。教育政策の柱として、生徒と先生の人間関係をすごく大事にしている。平等な教育の機会を重視し、PISAの点数は貧しい子と裕福な子のギャップが小さい。そして子どもの主体性をとても重視している。子どもが自分で問いを立てて探し、いろいろな体験をしながら答えにたどり着くというプロセスにより子どもの自己肯定感が育まれる。日本のデジタル庁もエストニアをモデルにしているが、そういった側面も見てお手本にしたらいいのではないか。
鈴木デジタル教材のほうが紙よりも学習効果が高いという実験結果が出ている教科や学習方法はあるのだろうか。
酒井知る限りではないが、実験というのは限られた参加者と設定で行うものなので、絞ればシングルタスクの方がマルチタスクよりもいい結果が出るのは当たり前だから、今後逆の結果が出ることも考えられる。問題はそれがどの程度一般化できるかだ。国が違えば再現しない場合もあるかもしれないし、人類にほぼ普遍的なところを突いているのであれば、当然日本人でも海外の人にも通用する。どういう結果であれ、それに流されず、考えて咀嚼することが大切だ。
堤私もデジタルの方が紙よりも学習効果が高いというのは見たことはない。何を目的に教育をデジタル化するのかで見方は違ってくる。PISAは世界の国の子どもたちの学力を標準化し数値化したものだが、果たして物差しにすべきだろうかという問いも出てきている。その子が持っている一番いいものや可能性を引き出してあげることが学ぶことの価値だとすれば、数値化に本当に意味があるのか。学力ではなく学習能力や想像力が大事だったり、私たちのステレオタイプや前提が変わってくると思う。学ぶとはどういうことか、教育の価値とは何かということに、世界中が今スタート地点に立たされているという意識を持ち、日本の子どもたちのために大切なものという優先順位を作っていけばいいと思う。

学校図書館の整備・拡充を求める/活字文化議連学校図書館議連後任会長に上川、塩谷氏

文字・活字文化推進機構と学校図書館整備推進会議は12月8日、東京・千代田区の衆議院第一議員会館で学校図書館図書等の整備・拡充を求める各界連絡会を開催。第5次学校図書館図書整備等5か年計画が今年度で終了するため、10月5日の各界連絡会でアピールを採択し、立法府等に要望を伝えていたが、次年度の予算を決定する時期となったため、来年度からの第6次学校図書館図書整備等5か年計画の実現に向けて、学校図書館蔵書の充実、新聞配備の拡充、司書配置の促進を改めて求めた。
主催者を代表してあいさつした文字・活字文化推進機構の山口寿一理事長(読売新聞グループ本社)は「文部科学省の調査から、自宅の蔵書数が多い子どもや新聞を読む習慣のある子どもは、全国学力調査の正答率が高くなることが分かった」と述べ、「自宅の蔵書数や新聞の購読は家庭の経済的な事情に左右される。すべての子どもに等しく本や新聞のある環境を提供するには学校図書館の充実が必要」と指摘。学校に司書を配置すると学校図書館の蔵書が充実する傾向があるとして、司書の配置を進めることの重要性を訴え、バリアフリー図書コーナーなど障碍者サービスの充実を図ることの重要性の項目も盛り込んだ要望書を、文科大臣と総務大臣に提出したと報告した。
来賓あいさつで、活字文化議員連盟・細田博之会長は、衆議院議長に就任したことを契機に会長を上川陽子衆議院議員(自民党)に引き継ぐと発表。また、昨年10月の衆院選を前に議員を引退した学校図書館議員連盟・河村建夫会長は、後任の会長の塩谷立衆議院議員(自民党)を紹介した。
上川氏は、第6次学校図書館図書整備等5か年計画について「学校図書館で子どもたちが本と新聞に親しむことができる環境の整備に向け、地方財政措置を拡充できるよう努力する」と抱負を述べた。塩谷氏は「河村会長は学校図書館の振興に尽力してきた。あとを引き継ぎ、学校図書館、活字文化の振興に頑張っていく」と意欲を語った。

岩手読書感想文コンクール表彰式/「夢や希望を大きく持って」菊池雄星投手、地元小中高生にエール

読書家として知られる岩手県出身のメジャーリーガー菊池雄星投手が全面協力する「菊池雄星文化プロジェクト第54回岩手読書感想文コンクール」の表彰式が12月18日、盛岡市のサンセール盛岡で開かれ、受賞者や保護者ら約80名が出席。米国からオンラインで出席した菊池投手は「夢や目標を大きく持ってほしい」とエールを贈った。
このコンクールは、岩手日報社、日報岩手書店会(加盟書店=さわや書店、東山堂、エムズ書店、一誠堂、リラパークこなり、かんの書店、伊東文具店)が毎年開いているもの。課題図書各出版社、岩手県書店商業組合が協賛。審査員は、岩手県出身の絵本作家・エッセイストの澤口たまみ氏、作家の平谷美樹氏、日報岩手書店会代表幹事で岩手県書店商業組合理事長の玉山哲氏(東山堂)ら8名が務める。
小学校111校、中学校40校、高校23校が参加し、計8212点から校内審査を経た540点の応募があった。表彰式では小学生から高校まで受賞した40名に賞状などを贈った。「菊池雄星特別賞」を受賞した5名にはサインボールを贈呈した。優れた取り組みの学校に贈られる「菊池雄星文庫賞」には4校が選ばれた。(小原玉義広報委員)

12月期は前年比16・0%大幅減/前年コミック活況の反動で/日販調査店頭売上

日本出版販売調べの12月期店頭売上は前年比16・0%減。前年のコミック活況が影響し、大幅なマイナスになった。2桁減はこれで3ヵ月連続。
雑誌は同7・1%減。月刊誌は、創刊100周年を迎える「文藝春秋2022年1月号」(文藝春秋)や「会社四季報2022年1集新春号」(東洋経済新報社)が牽引した。
書籍は同4・1%減。実用書と児童書が好調だったものの、その他のジャンルは前年を下回った。実用書は『コムドット写真集TRACE』(講談社)が売上を伸ばした。児童書は『鉄道DVDつき』(小学館)や「パンどろぼう」シリーズ(KADOKAWA)が牽引した。
コミックは同37・4%減。前年、「鬼滅の刃」最終巻や「鬼滅の刃23フィギュア付き同梱版」(集英社)などの関連商品が非常に好調だった影響もあり、11月(同27・5%減)に続いて前年を大きく下回った。雑誌扱いコミックは「ONEPIECE101」(集英社)、「呪術廻戦18」(集英社)が売上を伸ばした。書籍扱いコミックは『聖女の魔力は万能です7』(KADOKAWA)、『誰かこの状況を説明してください!~契約から始まるウェディング~6』(フロンティアワークス)が牽引した。

2022年本屋大賞/ノミネート10作品を発表

2022年本屋大賞(同実行委員会主催)のノミネート10作品が1月20日、発表された。一次投票で全国の書店員627名が投票し、上位10作品を選出した。二次投票を経て、4月6日に大賞作品、発掘部門、翻訳小説部門の結果を発表する。贈賞式は同日、東京・港区の明治記念館で開催する予定。ノミネート作品は次の通り(作品名50音順)。
・『赤と青とエスキース』青山美智子/PHP研究所
・『硝子の塔の殺人』知念実希人/実業之日本社
・『黒牢城』米澤穂信/KADOKAWA
・『残月記』小田雅久仁/双葉社
・『スモールワールズ』一穂ミチ/講談社
・『正欲』朝井リョウ/新潮社
・『同志少女よ、敵を撃て』逢坂冬馬/早川書房
・『星を掬う』町田そのこ/中央公論新社
・『夜が明ける』西加奈子/新潮社
・『六人の嘘つきな大学生』浅倉秋成/KADOKAWA

逢えない誰かに贈る絵本フェア

出版文化産業振興財団内の絵本・日本プロジェクト(高橋小織会長)は「第2回絵本専門士が選ぶ『逢えない誰かに贈る絵本』フェア」を企画し、全国書店にフェア実施を提案している。
同フェアは、別れと出会いの季節「春」に向けて「逢えない誰かに贈る絵本」をテーマに、絵本専門士107名が選んだ30作品から書店が自由に選書してコーナー展開する。実施時期は1月から春まで、各書店の都合に合わせて実施する。クリスマス商戦や年末年始の繁忙期を終え、春の参考書等の商戦がスタートするまでの比較的店頭に余裕のある時期の展開を想定している。
絵本専門士によって選ばれた絵本は、子どもたちだけでなく大人を対象にしたものも多く、通常の絵本コーナーとは異なった切り口での展開も可能。
対象作品リストなど詳細は次のURLから。https://www.jpic.or.jp/event/2021/11/18/112221.html

教育環境の変化を商機に/高校学習指導要領改訂に期待/日教販春季展示大市会

日教販は、第71回「日教販春季展示大市会」の動画を1月12日から31日まで配信した。新型コロナウイルス感染症の影響を鑑み昨年に続き行ったもので、同社の渡部正嗣社長や日書連・矢幡秀治会長、辞典協会・鈴木一行理事長、学習参考書協会・志村直人理事長のあいさつ、福島日教販会寄贈のダルマの目入れ式、特別講師による書店向け研修会、出版社&メーカー企画紹介、日教販ミニセミナー等のプログラムを同社ホームページの特設サイトで配信した。
日教販の渡部社長はあいさつのなかで、2021年9月期の業績について説明。売上高は前期比1・5%減の272億5700万円で、新規店の獲得やコロナ禍からの回復で書籍部門は増収となったが、教科書部門は前期に小学校向け指導書の売上が大幅に伸びた反動で減収。デジタル・配送部門は、NECと共同で推進する教育クラウド「OpenPlatformforEducation」(OPE)の稼働により、デジタル教科書、教材の売上が大きく伸長。不動産部門も堅調に推移した。経費面は、修理費の減少や貸倒引当金の戻し入れ等により、販売費及び一般管理費は同2・1%減の24億5000万円に抑制し、営業利益、経常利益とも前期比増益となったが、退職給付金制度の変更に伴う会計処理や繰越欠損金の解消に伴う税金負担の発生等により、最終利益は同23・2%減の2億2500万円になった。内部留保である繰越利益剰余金は同29・9%増の9億7800万円となり、自己資本比率は22・4%まで上昇した。
また、今年は高校生の学習指導要領改訂で引き続き大きな変化が見込まれる1年になるとして、同社が取り組む施策を説明。書店店頭部門では、YouTubeに開設した「日教販プロモチャンネル」でエンドユーザー向け動画を配信して購買意欲を高めるほか、戸田センター内のショースペース「NKLabo」で季節に応じた企画を展開。特約外商部門では、小中学校の教科書に出てくる本、新選児童図書目録、高校向けデジタル教材カタログなど、特約や書店外商部向けに各種ツールを用意した。物流部門では、昨年12月1日に戸田センター内の返品センターを八王子に移設。戸田センター物流倉庫の有効活用が可能となり、新学期シーズンのスムーズな作業を実現する環境を整備した。デジタル事業部門は、GIGAスクール構想の中でNEC製の端末が全国約5千の小中学校に導入され、日教販主導でOPEの利活用研修を教育委員会や学校向けに推進しており、引き続き出版社や特約とともにOPEとデジタル教科書、教材との円滑な連携を進めるとした。
各団体代表のあいさつで日書連の矢幡会長は書店の現状について、「昨年頭まではコミックの好調を受けて売上も順調だったが、その後はなかなか客足が伸びずコロナ前の厳しい状況に戻ってしまった。その中でも児童書、学習参考書の売上は比較的好調で、紙の本の力を改めて感じる」と述べ、日教販と教育関連出版社の協力に謝意を表した。
また、高校学習指導要領の大幅改訂による指導書等の売上増に期待を寄せるとともに、「改訂における教育の基盤となるのは論理的な思考であり、これを得るためには紙の本を読むことが必須だ」と紙の本の重要性を強調。教科書のデジタル化の動きが加速していることに危惧を示し、「デジタル化推進に反対するわけではないが、何から何までデジタル化する必要はない。慎重な対応を」と要請。デジタル教材の取引についても、「学校とのつながりや集金などの観点からこれまでと同様ぜひ我々書店を通していただきたい」と呼びかけた。
日書連の活動については、書店が経営を継続するための収益改善を最優先課題として取り組んでいくと説明。「出版物の身近な販売拠点である中小書店が生業として経営を続けられるよう、一層のご支援、ご協力をお願いする。我々も、子どもたちに良書を届け、学習参考書と辞典の販売に精励する」と述べた。
辞典協会の鈴木理事長は、「ネット社会の広がりや学校現場のデジタル機器の普及で、紙の辞典には逆風が吹いている。しかし紙の辞典には、一覧性が高いという長所や、学習の定着性が高いという効果がある。私どもと歩調を合わせてこれらの特徴を紹介し、売上増を狙っていただきたい」、学習参考書協会の志村理事長は、「新型コロナはICTを活用した学びへの加速をもたらした。従来の一斉一律の教育スタイルが崩れ、個別最適化された学びへと、大きな転換点にある。学力に合った参考書や問題集を使い、自分のペースで学習することが必要とされており、現在起こっている変化は大きなチャンスだ」と述べた

日教販役員人事

日教販は12月24日開催の定時株主総会ならびに取締役会で下記の役員体制を決定した。○新任。
代表取締役社長(全体統括販売促進部、特約外商部担当)渡部正嗣
取締役副社長(全体統括補佐管理企画部、子会社・関連会社担当)山脇研吾
取締役専務執行役員(教科書部、仕入部、デジタル事業部担当)小野田裕
取締役専務執行役員(業務改革推進室長情報システム部、物流管理部担当)
青木淳
取締役〔社外取締役・第一学習社代表取締役〕
松本洋介
取締役〔社外取締役・日本出版販売取締役副社長〕
安西浩和
監査役藤田博之
執行役員(物流管理部長)
服部健
同(販売促進部長)
山川知則
同(仕入部長)木築正人
同(管理企画部長)
浦上治明
同(情報システム部長)
神谷直樹
同(デジタル事業部長)
加藤幸彦
同(特約外商部長)
秋葉良浩
同(経営戦略室長)
服部治
同(教科書部長)
○上野敏秀

日販、マガジンエキスプレスサービスを終了/富士山マガジンサービスが引継ぐ

日本出版販売(日販)は1月16日、書店向け雑誌定期購読サービス「マガジンエキスプレスサービス」を終了しサイトを閉鎖した。新規・更新の申込みは同日で終了、代金を支払い済みの注文については契約期間満了まで対応する。
今後は、富士山マガジンサービス(富士山MS)がオンライン書店「Fujisan.co.jp」の雑誌定期購読サービスを日販に提供し、加盟書店からの受注や定期購読者の顧客管理を行い、出版社からの仕入や発送も富士山MSが担当する。これにより、従来のマガジンエキスプレスサービスで約500誌だった品揃えが約1万誌(バックナンバー含む)に拡大する。富士山MSは雑誌定期購読サービスについて、書店店頭での顧客台帳管理や商品配送といった事務処理を軽減することにもつながり、ローコストオペレーションの実現による販売基盤強化に貢献する、としている。

生活実用書・注目的新刊/遊友出版・齋藤一郎

フランク・ラポルト=アダムスキー著/森敦子訳/澤田幸男監修『腸がすべて』(東洋経済新報社1500円)は、自然療法士が教える腸活の方法。
腸の汚れを取り除けば免疫力の向上や、老化防止、がん予防、心の健康など良いことずくめの身体を持つことができる。
食べ物は3パターンに分けることができる。それは①消化の速い食品、②遅い食品、③どちらでもないものである。たとえば①は果物、トマト、かぼちゃなど。②は肉、魚、豆腐、海藻などで、8~10時間かけて消化される。③は油、酢、ナスやコーヒー、紅茶など。これらを混ぜて食べることが腸の汚れの原因という。トマトソースのパスタ、マルゲリータ・ピザなどは組み合わせNG。
巻末に腸活メニューのレシピ、食品分類表。
松生恒夫著『健康の9割は腸内環境で決まる』(PHP新書880円)も、腸の専門医が教える腸内環境の改善法。今、日本人の腸は悪化の一途を辿っている。救世主は大麦である。水溶性食物繊維が多く、分解されて酪酸になり、腸のエネルギー源になる。免疫力が向上し、ダイエット効果も高い。甘酒、味噌、鰹節などの発酵食品が一番で、日本には1500もの発酵食がある。積極的に取れば、万全である。”