全国書店新聞
             

平成15年7月21日号

読書ノート30名が達成

昨年秋に発足した神奈川県読書推進会の本年度第1回会議が横浜市西区の神奈川新聞社で開かれ、ステージアップ読書ノート運動、夏の推薦図書感想文コンクールなどの取り組みが報告されるとともに、新たな事業として県児童福祉審議会に「優良図書」を推薦することが紹介された。
開会にあたって読書推進会水木初彦会長(神奈川新聞社社長)は、「推進会の活動は読書の価値を復興する十字軍。
神奈川県からは推薦図書を応援してほしいと申し出があった。
神奈川県の子どもたちが、もっと本を読むように力を合わせていきたい」とあいさつ。
続いて神奈川県書店商業組合中村宣勝理事長は「この会は小学館相賀社長の発案による読書ノートの運動を広めるために組織した。
読書は人間形成に欠かせない営み。
殺伐とした世の中に読書で潤いを。
神奈川県から全国に読書運動を発信していきたい」と述べた。
1年間の取り組み報告では、神奈川組合池本副理事長が読書ノートについて、百冊達成者が昨年秋で63名、今年3月に130名、今秋には200名が到達するのではないかと予測。
達成者には会長名による表彰状と書店くじを進呈していると報告した。
また、県児童福祉審議会の推薦図書については、6月に県青少年課から正式な推薦依頼があり、読書推進会として優良図書を選定、神奈川県に推薦することになった。
このほか、神奈川新聞社が主催する「夏休み読書感想文コンクール」は今年で20回目。
8社24点の課題図書から部門別に最優秀賞3点を選ぶ。

春の書店くじ清算はお早めに

今春実施した「春の書店くじ」で、各書店にお立て替えいただきました1等1万円、2等千円、3等5百円、4等百円の当選券清算締切りは7月31日までとなっています。
まだ清算受付がお済みでない書店は、清算用紙に必要事項を明記の上、お早めに「日書連書店くじ係」へ郵送してください。

東北ブロック大会

第55回書店東北ブロック大会が7月11日、東京・千代田区のホテルグランドパレスで開かれた。
今年の当番県は秋田組合だが、同大会が当番県外で開かれるのは初めてで、東北ブロック以外の開催も初。
出版社145名、販売会社・輸送24名、東北6県の書店57名が出席した。
総会は午後1時半、秋田組合・山内功氏(おびきゅう)の司会で始まり、藤原直会長があいさつ。
藤原会長は「書店を取り巻く環境は改善されているとは言えない。
書店というビジネスモデルが崩れ去り、成り立たない時代になっているのではないか。
大手出版社まで赤字というのは、不況のせいばかりではない。
ブロック大会が出版業界が良くなる話し合いの糸口になり、今後の書店経営に一石を投じる会になればありがたい」と、述べた。
来賓あいさつで日書連萬田会長は最近の日書連の取り組みについて「書店の減少が止まらず、ピーク時の6割程度になった。
組織委員会を中心に組合の役割の理解を求めているが、もっと目に見えるメリットが必要。
新しい仕組みを立ち上げるきっかけを作りたい」と述べたほか、再販問題については「当面存置の決着から2年半が過ぎ、著作物再販協議会、再販ラウンドテーブルなどの議論が気になる。
消費者に理解いただけるかどうかは業界努力にかかっている。
具体的な議論と周辺整備を進めたい。
貸与権協議会には、書店を排除しないビジネスモデルとするべく注文を付けている。
業界のインフラ整備に全力を上げる」とした。
藤原会長を議長に議事に入り、発売日問題では■雑誌全国同日発売、■週刊誌の土曜発売中止、■発売日違反の厳重な措置--などの提案を承認した。
各県提出議案の審議では、青森組合から「ポイントカードは値引きとして出版社にきちんとした対応を求めたい」と問題提起があり、ブロック会とし-て要望することを承認した。
出版社をまじえた大会第2部は「出版の源流より考える東北の書店」というテーマで、秋田の出版社、無明舍出版の「あんばい・こう」氏が「地方の文化と出版の現在」を、講談社の重村博文販売促進局長が「業界の問題点、2つのアプローチ」を特別講演。
このうち、社員4人で創業30年、これまで秋田、東北をテーマに700点を出版してきたあんばい氏は、「固定票、浮動票は予測できるから5年かけて3000部売るのが地方出版社。
官公庁の入札に参加するためISOの取得を準備している」などと地方出版社の状況を説明した。
また、重村局長は新刊追加発注を抑え、返品を大幅に削減した枚方市・水嶋書房の実践を紹介しながら、「追加発注をいかに調整するかが決め手だ。
講談社文庫も入荷を減らして実売は11%増えた。
返品対策は後ろ向きなものではなく、資金に余裕を生み、キャッシュフローがよくなる」と強調した。

ISBNの取得を代行

スタートアップ21委員会(井門照雄委員長)は7月7日午後、書店会館で会合を開き、沖縄県でスタートしている地方出版物のネット販売に関連して、地方出版物を発行していながら、ISBNがないため全国に流通できない自治体や公益法人のISBN取得を代行する事業を開始することを決めた。
沖縄の出版物データベースは県内出版社7社の出版物がインターネット経由で注文できるが、これらの書籍は県組合に在庫し、書店に7掛けで卸している。
また、県外からの注文は組合が受注し、送料読者負担で出荷している。
一方、地方自治体、公益法人やNPO、ミュージアムなどの非営利団体は、これまで貴重な地方出版物を出版してもISBN番号を取得していないため、全国の流通網に乗ることができなかった。
日書連は日本図書コード管理センターと話し合った結果、これら諸団体のISBN取得を手伝うことにし、同センターと業務委託を結んだ。
今後、1件登録に対し5千円から8千円の業務委託費が支払われ、ISBN登録促進と県組合の財源になることが期待される。
当面、沖縄、鹿児島の2県でテストを開始する。
先頃発表されたトーハンの「新雑誌定期購読システム」については、委員会として「取引取次により差が生まれるのは好ましくない」とする考え方で一致。
取次各社で足並みを揃えられないか、取協に申し入れる方針を確認した。
共有書店データベースについては、ダイヤモンド・コンピュータ、一橋企画、ユーザー会、日書連からなる運営委員会を発足させることになり、日書連から井門委員長、組織強化・冨永信副委員長、情報化・高橋元理副委員長の3名を推薦することになった。

井狩春男の必殺まるす固め

☆…切っておいたケイタイを開けてみると、留守電が7本も入っていた。
6本は韓国のテレビ局の人からだった。
至急連絡を取りたい。
折り返し電話を欲しいと番号が。
これから取材に来るという話ではないかと思った。
めんどうくさい、絶対に断ろうと思って、電話を入れると案の状だった。
韓国では、ただ今写真集が大変なブームだそうだ。
日本の91年の『SantaFe』あたりから始まり、92年、93年と急角度で騒がれ、94年の年間216冊(ヘア・ヌードだけ)も出てピークを迎えたあの頃と似て、今や盛りであるそうな。
「井狩さんは韓国では有名なんです」。
オットー、うれしいことを言ってくれると思ったものの、ひょっとしてエロじじいとしてか?などという考えが頭をよぎった。
話は横道にそれるが、以前ネットで、井狩は変態であると書かれたらしい。
バカだねー。
オイラ、変態を目指しているのだよ。
まだまだ、変態の裾野までも行ってない。
魅力的な変態の域に達した人たちに対し、井狩を認めることは失礼である。
もっとガンバルからね。
韓国のテレビ局は、小生に日本でブームになった頃の話と、現在の状況を聞きたいといってきた。
予定どおり断ったあと、91年2月に出た樋口可南子の『waterfruit』(朝日出版社)のカバー写真を思い出していた。
全裸で鏡の前に立ち、キレイなキレイな背中と、見事にハレあがったお尻を見せている。
背中が美しい女性など少ない。
『waterfruit』を神田の三省堂書店1階の新刊売り場で見つけた時は、目が点になった。
その頃は、ビニールなどに入っていなかった。
堂々と平積みされていた。
頁を開いて、ヘアが写っているもので、ハッとした。
発禁になる!今のうちに買っちゃおう!と思った。
今、韓国では10年以上前の井狩に似た男どもが写真集を買いあさっているのだろうか。
変態の初心者たち……。
状況をもっと詳しく聞いておけばよかったと後悔した。
☆…『ハリ・ポタ』の第5巻日本語版は、今年は間に合いません。
来年の5月頃(?)。

読書推進など意見交換

書店関東ブロック会は7月6日午後2時から熱海市の熱海さくらや旅館で総会を開き、関東6県の理事長など18名が出席した。
今年の総会は埼玉組合が設営。
鈴木喜重ブロック会長は「活字文化の危機、日本文化の衰退が指摘される中で、関東ブロックは結束して読書運動に取り組みたい。
前向きに意見交換していこう」と呼びかけた。
日書連萬田会長も読書環境の整備に触れ「文化庁調べによれば1カ月に1冊も本を読まない不読書の割合は東京23区が18%、関東は2番目に低い28%だった。
全国的な不読書率は4割で、国語力の低下と読書環境整備が出版業界の課題。
今年の大きなテーマの一つとして取り組んでほしい」と述べた。
鈴木会長を議長に進めた議案審議では、千葉組合からコミック・レンタルの実験店について「レンタル店への商品を取次から供給することには疑問がある」と問題提起があり、萬田会長も「レンタルとセルの価格差をつける、販売開始時期をコントロールするなども議論しては」と指示があった。
このほか、各県組合から以下のような取組みと課題が報告された。
〔茨城〕ヤマダ電機はじめ他産業が出版物のポイントカードを餌に電気製品を売っている。
出版社に粘り強く働きかけたい。
万引き問題は茨城県の教育長、県警に対策強化を働きかけている。
〔栃木〕11月の総会へ向け、賦課金、入会金の見直しを検討している。
返品を共同で行っているが、業者、運賃を再検討したい。
学校図書館の入札で22%引きという大幅な値引きがある。
〔群馬〕6月12日に電子辞書と日書連MARCの説明会を行い好評だった。
今月は伊勢崎で説明会を開く。
TRC対策になればと期待されている。
〔埼玉〕組合員は昭和61年の565店をピークに、今期は295店と半分に減った。
昨年も22店脱退し、運営面で厳しい。
県立図書館の共同納入も予算が年々減り、一時期の40%減。
共同受注拡大で乗り切っていきたい。
〔千葉〕万引きは県青少年課、警察に条例強化をお願いしている。
幕張のアジア経済研究所に組合で出店した。
返品用段ボールを組合で斡旋している。
山本一力の講演会は千葉テレビ、千葉新聞などの宣伝で立ち見も出る盛況だった。
〔神奈川〕川崎にあおい書店1千坪の出店がある。
昨年から始めた読書ノートは、100冊達成が昨年140名、今年も170名表彰した。
神奈川図書の倒産で、当面組合事務所を神奈川教販に置くことになった。

春の書店くじ当選者20名に特賞5万円

今春行われた「春の書店くじ」特賞当選者は以下。
札幌市白石区・福井麻紀(文教堂書店)、岩見沢市・三島出(アイブック岩見沢店)、名取市・小林富美(八文字屋書店)、多賀城市・佐藤悦子(タケダ書店)、日立市・五島達也(やまとや)、牛久市・野島幸枝(ぶっくらんど新洋堂)、取手市・中里正典(教文館)、伊勢崎市・秋田尚也(煥乎堂)、所沢市・菅原美穂(芳林堂書店所沢店)、さいたま市桜区・増子聡、杉並区・高田智里(ブックマート日の出)、静岡県・川島信行(谷島屋メイワン店、四日市市・藤田康平(書店文学堂笹川店)、天王寺区・小川留美子(旭屋)、尼崎市・金田雅子(文学堂書店)、和歌山県・鳴戸善男(南紀書房)、呉市・西野鐘根(広書房)、島根県・森山真由美(今井書店センター店)、松山市・乗松幸子(いよてつ高島屋書籍売場)、小倉北区・田中友樹

井沢元彦氏が歴史学ぶ楽しさ語る

愛媛県書店商業組合は6月25日、松山市コミュニティーセンターで日本縦断「世界本の日=サン・ジョルディの日」記念文化講演会を小学館の協賛を得て開いた。
講師は作家の井沢元彦氏。
当日は好天に恵まれ、開演午後6時には420名の聴衆が集まった。
井門照雄理事長あいさつのあと、井沢氏は「日本史の楽しみ方」をテーマに講演。
歴史を学ぶ楽しさ、さらにその中にわれわれ現代人に対する警鐘が示されており、先人たちの知恵を上手に生かすことの重要性について話した。
90分にわたる講演は大変な好評を博し、講演会終了後に行われた著書の販売・サイン会には長い列ができ、盛況のうちに終了した。
(光永和史広報委員)

新理事長に西尾文士氏

香川県書店商業組合(松本一雄理事長)は7月1日午後4時より高松市「ニューフロンティアホテル」で平成15年度定時総会を開き、組合員43名(委任状含む)が出席。
役員改選で新理事長に西尾文士氏(西尾誠文堂)を選出した。
松本理事長はあいさつで「全国的に組合員減少が続くなか、宮脇書店FC店の加入協力を宮脇社長に要請、10店増員が実現した」と報告。
「今後とも県下全書店へ働きかけ組合員の増員を目指したいので、さらなる協力を」と訴えた。
松本理事長を議長に議事を進行。
事業報告では①情報ネットワーク化を進めるため組合ホームページを活性化させ、組合員のインターネット環境整備を推進②雑誌発売日の励行違反摘発実施③ポイントカード問題への積極的取り組みを報告。
また、本年度事業計画案、収支予算案、賦課金徴収方法が政本専務理事より提案報告され、満場一致で承認可決された。
役員改選では、かねてより辞意を表明していた松本理事長、松浦弘副理事長が今期限りで退任することになり、選考委員5名による指名推薦の結果、理事14名、監事2名を選出。
西尾氏を新理事長に選出した。
終了後、中央会会長より組合創立15周年を記念して退任した松本、松浦両氏に表彰状が授与され、監事を退任した津山勝氏に組合から記念品を贈呈。
中央会、取次を交えて和やかに懇親会が行われた。
(政本公男広報委員)〔香川組合新役員〕▽理事長=西尾文士(西尾誠文堂)▽副理事長=宮脇富子(宮脇書店)高橋朝則(高橋弘文堂)吉本基翁(吉本弘文堂)▽専務理事=政本公男(員外理事)

弥富理事長が正式に退任表明

佐賀県書店商業組合は6月28日午後2時から嬉野町・大正屋で移動理事会を開催。
7月下旬に開催予定の第21回通常総会について話し合った。
冒頭、弥富啓治理事長は「この会に臨席している篠塚周城顧問が県議会議長に就任し、今年度をもって顧問を退任される」と報告。
お祝いとお礼の言葉を述べるとともに、自らも体調不良を理由に今期をもって理事長を退任することを正式に表明した。
また、有岡副理事長も今期で副理事長を退くことを表明した。
理事長代理として日書連に出席している岩永副理事長の理事会報告のあと、県組合総会について審議、7月27日午前11時より佐賀市「若楠会館」で開催することを決定し、役員改選、定款の変更などの重要議案について長時間討議。
また、日書連から選出の要望があった情報化委員長は高田敬晴氏(武雄市・ブックマート日の出)に決定した。
(近藤甲平広報委員)

「雑誌発売日、首都圏並みに」

新潟県書店商業組合(西村俊男理事長)は6月25日、柏崎市の割烹大橋屋で第19回通常総会を開き、組合員80名(委任状含む)が出席した。
総会は斉藤専務理事(北光社)の司会で進行、西村理事長(文信堂書店)を議長に議案審議に入り、平成14年度事業報告、決算報告、そして役員定数変更等の定款変更を原案通り承認可決した。
引き続き任期満了に伴う役員改選に入り、西村理事長はじめ役員全員の留任を可決した。
続いて平成15年度事業計画案、予算案などを原案通り承認可決。
このうち首都圏よりも遅れている週刊誌類の発売日を首都圏と同じになるように、さらに強固な運動を展開するとの方針が満場一致で採択された。
議事終了後、従業員永年勤続表彰式を行い、従業員を代表して勤続35年の豊岡政泰氏(萬松堂)が理事長より表彰状ならびに金一封を手渡された。
豊岡氏は「35年間、楽しいこと、つらいことがたくさんありました。
いい経験もしました。
書店人として本当によかった。
これからも頑張ります」とスピーチ、会場から大きな拍手が起こった。
続いて藤原直日書連副会長が最近の出版業界の動向、ポイントカード問題を講演。
組合員より熱心な質疑があり、藤原副会長は一つひとつ丁寧に答えた。
総会終了後、大正時代から営業を続けているという割烹大橋屋の本館に移動。
版元、取次、業界関係者14名を交え懇親会を行った。

「千曲川」テーマに

長野県書店商業組合は創立95周年特別記念として文化講演会を長野、上田の2会場で開催。
長野県立歴史館の市川健夫館長が「千曲川その歴史と文化」と題して講演した。
長野会場は6月28日午後6時から長野市・ホテル国際、上田会場は7月5日午後2時から上田市・しんきんイベントホールで行われた。
両会場とも200名が来場。
会場ではメモをとるなど熱心な聴衆が数多く、大盛況のうちに終了した。
なお、記念出版として7月下旬、郷土出版社より『定本千曲川』が発売される。
(宮原洋一)

平野新理事長が新時代へ抱負語る

徳島県書店商業組合(堀部豊重理事長)は6月27日午後5時より徳島駅前のホテルグランドパレスで第15回通常総会を開催した。
組合員43名(委任状含む)が出席し、総会の成立が報告された後、あいさつに立った堀部理事長は激しさを増す出店、万引き、ポイントカード、組合員の減少問題等について語り、組合員の結束の重要性を訴えた。
このあと堀部理事長を議長に選出し、平成14年度事業報告、収支決算報告、平成15年度事業計画案、収支予算案を審議し、原案通り承認した。
続いて今期をもって退任する堀部理事長が4期8年の思い出を語り、組合員の協力に謝辞を述べた。
新理事長に選出された平野惣吉氏(平惣)は退任する堀部氏、重村副理事長の2人に永年にわたる組合活動への貢献に謝意を表明。
新時代に向けての抱負を語り、組合員に協力を要請して閉会した。
(林健二広報委員)

紀伊國屋1170億円で首位

日経流通新聞は7月10日付で第31回日本の専門店調査(2002年度)を発表した。
これによると、2002年度の有力専門店466社の総売上高伸び率は前年比3・2%で2001年度の4・4%を下回り、昨年に引き続き伸びは鈍化した。
その中でも価格戦術に加え、収益力を向上させる仕組み作りに秀でた企業が上位に名を連ねた。
2002年度調査では21業種中、増収増益だったのは10業種で、前回調査より3業種減った。
全体の増益率は前回の10・0%から1・1%に鈍化。
カジュアル衣料と時計・めがねが増収増益から減収減益に陥ったことが響いた。
半面、装飾・服飾雑貨や家電製品は減益から増益に転じた。
家電など一部業種で事業再構築の成果が出る一方で、デフレ下の事業モデルを確立できていない業種もあり、業種間で事業再構築の進展度の差が現れたと同紙は分析している。
書店部門を見ると、紀伊國屋書店が売上高1170億円で、初めて首位の座を丸善から奪取した。
神戸、横浜など大型店を含む5店舗の新店効果で2・4%増収。
逆に丸善は1・4%減の1142億円で2位に落ちた。
昨年9月にブックストア談を買収した文教堂は5・2%増の503億円で3位。
売上高経常利益率、従業員1人当たり年間売上高、売場面積3・3㎡当たり年間売上高、年間新設店舗数(FC含む)の上位書店は別表の通り。
売上高経常利益率はヴィレッジヴァンガードが8・5%、従業員1人当たり年間売上高は戸田書店が5000万円、売場面積3・3㎡当たり年間売上高は三省堂書店が523万円、年間新設店舗数はブックバーンが61店で、それぞれトップだった。

京都組合の先進的取り組み学ぶ

兵庫県書店商業組合は7月8日、京都市中京区の京都府書店商業組合会議室で移動理事会を開いた。
冒頭、京都組合の中村晃造理事長が歓迎あいさつ。
京都組合の歴史や自社ビルを入手するに至った経緯、京都在住の中小版元や地図・ガイド、共同購入品などの流通をスムーズにするために行っている取次業務など、京都組合独自の事業内容を詳しく説明した。
続いて報告した平成15年度の活動方針においても様々な事業を打ち出しており、なかでも3年前に近畿ブロックで行った「本屋さんへ行こうキャンペーン」を京都独自の形で現在も継続。
少予算で大きな成果をあげている同キャンペーンは兵庫組合としても関心の高い事業だ。
また、一昨年小学館から支援を受け導入された100台のパソコンは、組合員の6割が参加するメーリングリストでもわかるように書店のIT化を促進した。
京都市内300校の小中学校へも日書連マークを使用した情報BOX導入へ積極的に取り組み大きな成果をあげている。
出席した21名の理事は、近畿でも先頭を走っている京都組合の現状を目の当たりに見て大いなる刺激を受けた様子で、活発な質疑応答が行われた。
理事会終了後は懇親会を実施。
京都組合の計らいにより、割烹藤吉で京都情緒溢れる鴨川の納涼床を楽しんだ。
川面に櫓を組み、料理屋の2階部分に造られた「床」は高所にあるだけに敷居も高く、あまり経験のない兵庫組合の理事たちもしばし店の売上げを忘れ、旦那気分で風情を楽しんだ。
(中島良太広報委員)

グループ企業強化へ中間持株会社を設立

トーハンは、音楽・映像等のパッケージメディア市場の激しい環境変化に対応するため、中間持株会社「トーハン・メディア・ホールディングス」を7月31日に設立する。
これは、関係会社との連結経営を重視した企業戦略により、市場のニーズにこれまで以上に対応したグループ企業へと強化を図るもの。
マルチメディア分野の事業会社である東販商事とジャパン・メディア・サービスを統合して中間持株会社の傘下に置く。
これにより迅速な意思決定や機動的な戦略を打ち出し、グループとしての競争力を拡充する。
トーハン・メディア・ホールディングスは資本金1千万円(トーハン100%出資)、本社所在地は東京都港区新橋6-20-8。
なお、東販商事とジャパン・メディア・サービスについては、今年10月1日に合併し、単独の新社として中間持株会社の傘下に入る予定(社名未定、資本金1億5千万円)。

本の学校夏講座

鳥取県米子市の「本の学校」では8月5日から7日まで書店人教育「夏」講座を開講する。
今年で第9回を迎えた同講座は、これまでは2週間の日程で開催されていたが、今年から春、夏、秋の3回に分け、夏講座は「売場・棚の差別化」「生き残りへの取組み」をテーマに8講座を行う。
「棚の差別化」は、春講座の基本商品から一歩進めて、その店の特色となる文芸書、人文書、児童書、学参書を研修。
「生き残りヘの取組み」は、書店の役割を確信を持ってアピールする書店がその実践を披露する。
最終授業は甲川純一氏のデータ管理の手法。
受講生は機器を使用して研修する。
講師は文藝春秋・浅井淳氏、往来堂・笈入健志氏など8名。
受講料1万5千円。
問い合わせは本の学校郁文塾まで。
米子市新開2-3-100859-31-5001

参考図書

◇『書店の近代』平凡社新書から小田光雄氏の書き下ろし『書店の近代/本が輝いていた時代』(本体価格740円)が出版された。
江戸時代の蔦屋、須原屋に始まって、文明開化の窓口となった日本橋・丸善、ダダイスト、アナーキストが出入りした白山・南天堂、新宿文化の勃興をリードした紀伊國屋書店など25の書店風景、読者、作家とのかかわりを描く。
平民社の社会主義伝道行商書店や、売れ残った大量の円本を海外にまで捌いた帝国図書普及会など貴重なエピソードを紹介する。
◇『古本カタログ』東京都内約700店の古書店が加盟する、東京都古書籍商業協同組合による初めての新刊書が晶文社から出版された。
坂本真典写真、A5判152頁、本体1800円。
世界最古の印刷物『百万塔陀羅尼』とCDブック、桃太郎絵詞とハリー・ポッターなど、過去からやってきた古本と、いつか古書店に並ぶ未来の古本を見開きで紹介。
新鮮な驚きにあふれる過去の本と、未来に時代を彷彿とさせるであろう本を、古本屋の書架から採集したビジュアルブック。
今江祥智、恩田陸、岸本葉子、坪内祐三、山口昌男ほかによる「未来の古本」エッセイを収録する。

日書連のうごき

6月3日税制等対策特別委、同小委員会合同会議。
分野協常任理事会へ丸岡委員出席。
6月4日情報化推進委員会。
大阪屋友の会総会へ今西副会長出席。
6月5日出版物公取協、三省堂書店訪問。
森常務との懇談。
出版4団体サロンの会へ萬田会長出席。
6月6日中小小売商団体連絡会へ丸岡委員出席。
6月7日全国学校図書館協議会4賞表彰式典へ萬田会長出席。
6月9日出版平和財団総会へ白幡専務出席。
6月10日JPO・ICタグ研究委員会へ山口委員出席。
6月11日滋賀県組合情報化研修会へ志賀委員長他出席。
6月12日群馬県組合情報化研修会へ志賀委員長他。
全国公取協連合会総会へ影山専務出席。
6月13日情報化推進で全国SLA、児童図書出協を志賀委員長他で訪問。
6月16日消費税・総額表示説明会へ池本小委員会委員他出席。
6月17日国際子ども図書館を考える全国連絡会、子どもの読書推進会議へ舩坂委員他出席。
6月18日指導教育、増売・読書推進、組織強化・共同購買、共済会運営、流通改善、再販研究・公取協専門委、消費税問題、広報、情報化推進各種委員会開催。
絵本ワールド・取協との打合会。
図書コード運営委員会へ井門委員出席。
6月19日日書連定例理事会。
共済会、公取協理事会開催。
児童図書新刊セールで児童図書出協と懇談。
なぎさ会との懇談会へ萬田会長他出席。
6月23日JPIC万引対策打合会へ丸岡、大橋両委員出席。
6月24日図書普及株主総会へ萬田会長他出席。
岡山県組合情報化研修会へ志賀委員長他出席。
6月25日JPO総会へ萬田会長他。
新潟県組合総会へ藤原副会長。
鹿児島県組合地方出版データ打合会へ井門副会長出席。
大阪屋本社へ情報化問題で志賀委員長他。
財務省主税課を消費税表示問題で下向委員長他訪問。
6月26日貸与権連絡協議会へ鈴木副会長他出席。
6月27日再販レポート打合会へ大川局長出席。
6月30日雑誌土曜休配問題で取協との二者会談開催。

本屋のうちそと

配達先での話である。
高校1年生の箱入り娘に、突然夏休みにひとりで沖田総司の墓参りに行きたいと切り出されパニックになった。
話し合いの結果、母親がついて行くことで許可することにし、それに対して娘は、10メートル以上離れてついてくることを条件にしぶしぶ同意したという。
この高校生のささやかな計画は、親から巣立ち、自分を確立していく成長の過程の中に位置づけられるだろう。
沖田総司とデートするのに親が同伴ではいかにも格好悪いではないか。
おそらく親にとっては子どもとの適度な距離を考える機会を与えられたのだ。
これも同じ高校生を持つ親の話だが、勤務時間中に2時間ほど時間がほしいという。
高校野球の地区予選の応援に行っている息子を迎えに行くためだ。
高校生を駅や学校まで車で送り迎えする話には最近驚かなくなったが、試合終了後にそれぞれの生徒が親に連れられて帰る光景はグロテスクである。
定年間近の保育所所長Hさんは、最近の若い母親たちと付き合うのに疲れたという。
朝、「先生はプロだからおしめを取り替えて」と、おしめ付きで子どもを預けていく。
連絡帳に一言書こうものなら、自分の子育てを否定されたように、ながながとした手紙が返ってくるという。
保育所はサービス業なのだろう。
首をかしげたくなるような子育てと親子関係の一端だが、その中に内包された問題が蓄積し吹き出した時に、社会は震撼し親たちは狼狽する。
(どんこ水)

日本の近代美人画展を開催

東京・文京区の講談社野間記念館は、8月30日から10月19日までの秋季展で「清艶なる世界近代日本画にみる女性の美展」を開催する。
明治大正期の文展に端を発した近代美人画は、江戸時代の浮世絵の系譜をひくものと、写実的な筆致と綿密な時代考証によるものとが生まれてそれぞれに女性美を追及した。
当時隆盛を極めた近代美人画の粋を展示する。
主な展示作品は、土田麦僊「春」、鏑木清方「夏の旅」、中村大三郎「麗人」ほか。
同時展示として「日本のうたふるさとのうた」を開催する。
NHKが発表した「日本のうたふるさとのうた100曲」の絵画化を、講談社が50人の著名な日本画家に依頼。
平成7年の全国巡回展で大反響をよんだ。
展示作家は、平山郁夫、伊藤彬、川島睦郎、鈴木恒世、中村宗弘、北田克己ほか。
開館時間は10時~17時、入館料は大人5百円、中・高・大学生3百円、小学生以下無料。
月・火曜日休館(祝休日の場合は翌日)。