全国書店新聞
             

平成28年5月15日号

「本屋が選んだ絵本」を販売/サン・ジョルディフェスティバル名古屋

「サン・ジョルディフェスティバル名古屋2016」が4月17日、愛知県名古屋市中区の名古屋テレビ塔で開かれ、800名の家族連れなどで賑わった。主催は愛知県書店商業組合と日本・カタルーニャ友好親善協会による同実行委員会と中日新聞社。
オープニングセレモニーで春井宏之委員長(愛知組合理事長)は「サン・ジョルディフェスティバル名古屋は今年で31回目を迎えた。スペイン本国でこの事業が認められ、日本・カタルーニャ友好親善協会の谷喜久郎会長がカタルーニャ州政府からサン・ジョルディ十字勲章を受章することになった。我々の業界の立場では、読書推進をきちんとやることが一番大切。本の中には感動や知識や経験があり、著者という人間がいる。社会的にいいポジションにいる50、60代の世代がきちんとものを言わないと世の中は変わらない。読書環境作りで、大人の責任を果たしていきたい」とあいさつした。
会場では、第2回「本屋さんが選んだ、子供に読み聞かせたい絵本101冊」の展示販売をはじめ、絵本作家の山本孝さん、服部美法さん、こじましほさんによる読み聞かせとサイン会を行った。展示・サイン本の売上げは99冊13万2965円だった。
このほか、昨年に続き「ビブリオバトルin名古屋テレビ塔2016」を行い、大学生が書評合戦を繰り広げた。
JPIC東海支部のパフォーマンスや古書組合とのコラボ企画、バラの花束販売なども行われた。

6氏に黄綬褒章/春の褒章

春の褒章で、全国教科書供給協会から次の6名の方々が黄綬褒章を受章した。伝達式は5月17日、文部科学省旧庁舎6階第二講堂で行われる。
▽田邉徳夫(東京・東部・トクエー堂)▽佐藤榮爾(秋田・カネエイ書店)▽井口晴一(新潟・若狭屋書店)▽石川昭(埼玉・紅雲堂書店)▽鈴木亮(静岡・天竜谷島屋)▽中谷安男(奈良・中谷宝文堂)

1等賞はじめ各当せん番号を決定/第20回「春の書店くじ」抽せん会

日書連が主催する第20回「春の書店くじ」の抽せん会が5月9日午前11時半から東京・千代田区の書店会館会議室で開催され、出版社、取次、関係会社、日書連役員の立会いのもと、1等賞「図書カード1万円」から4等賞まで各賞の当せん番号を決定した。読者への当せん番号発表は、5月25日(水)に日書連ホームページと書店店頭掲示ポスターにより行う。
抽せん会は日書連読書推進委員会・西村俊男委員長の司会で進行。冒頭であいさつした舩坂良雄会長は、4月14日に発生して以降甚大な被害をもたらしている熊本地震について言及し、「取次から支援が行われているが、営業ができない書店もあると聞く。まだ地震が続き予断を許さない状況だ。出版業界として今後どのように対応していくかをまとめ、協力して被災書店に対しできる限りの支援をしていきたい」と述べた。
抽せんは、0から9までの番号を記した10個のボールを抽せん箱に入れ、中からボールを1個取り出す方法により実施。日本書籍出版協会・中町英樹専務理事、日本雑誌協会・坂本隆専務理事、日本出版取次協会・松尾靖事務局長、読書推進運動協議会・宮本久事務局長、日本図書普及・平井茂常務取締役が1番から5番までの抽せん箱を担当し、1等賞から3等賞までの当せん番号を決定。最後に舩坂会長が4等賞の番号を引いて、全当せん番号を決めた。
書店くじの引き換え期間は、5月25日(水)の当せん番号発表から6月30日(木)まで。

大阪府教育委員会「PAGEONEの日」で子どもの読書推進/大阪組合が事業に協力

大阪府教育委員会は、2016年度の事業で、月に1回家庭や地域で読書を楽しむ日として「OSAKAPAGEONEの日」を設定。子どもたちの読書率向上を目指すキャンペーンを、大阪府書店商業組合など民間団体等と連携して展開する。
この事業の名称は「OSAKAPAGEONEプロジェクト」で、第3次大阪府子ども読書活動推進計画の一環として実施するもの。大阪の子どもの読書に関する指標が全国レベルと比べ低い状況にあることから、「OSAKAPAGEONEの日」を設けて読書活動を啓発。未就学児童と保護者の本を通じた交流の場づくりや、特に不読率が高い中高生が魅力的な本と出会うきっかけとなるキャンペーンを、民間団体等と連携して行う。
キャンペーンの展開にあたっては、事業の趣旨に賛同する団体で構成するプロジェクト推進委員会を組織する。「OSAKAPAGEONEの日」を設定・周知するとともに、府や市町村、公立図書館、学校、民間団体等が連携して、この日に読書に関するキャンペーンを行うほか、公民館や商業施設等を活用した「えほんのひろば」モデル事業を実施する予定。
プロジェクトではこのほか、「OSAKABOOKRECOMMEND」として、中高生に影響を与える大阪ゆかりの著名人が勧める本を、府のホームページ等で発信。また、中高生を対象に「OSAKAPAGEONE」のアイコンとなるブックカバーのデザインコンテストを実施する「OSAKABOOKCOVER」を行う。

日書連、6月23日に第28回通常総会

日書連は6月23日(木)午後1時、東京・千代田区の書店会館で第28回通常総会を開催し、平成27年度事業報告・決算報告、平成28年度事業計画案・予算案などを審議する。当日午前は定例理事会を開催する。
出版物小売業公正取引協議会の通常総会は5月26日(木)午前10時半、書店会館で開催する。

「京都ブックフェスティバル」初の開催/家族連れなど6千名が来場

京都府書店商業組合(三宅久嗣理事長)の若手組合員が中心となって、「世界本の日サン・ジョルディの日」の4月23日、24日の両日、京都市中京区の「ゼスト御池河原町広場」で第1回となる「京都ブックフェスティバル」を開催。バーゲンブックフェアや絵本の読み聞かせなどが行われ、家族連れなど6000名が来場して盛況だった。
主催は同実行委員会。洞本昌哉専務理事が実行委員長を務めた。京都府書店商業組合、日本書籍出版協会京都支部(杉田啓三支部長=ミネルヴァ書房)などが後援。「地元で本のイベントを行いたい」と集まった組合員有志と、出版文化発祥の地を自負する書協京都支部の思惑が一致。取次も協力して実行委員会を結成し、1月に本格始動。「世界本の日、サン・ジョルディの日に新しい出会いを創造し、出版文化発祥の京の地で、紙の本の素晴らしさを伝えたい」というコンセプトを掲げ、計画を練り上げた。
事前告知は書店店頭ポスター、チラシ、著者のツイッターやフェイスブックなどを活用。また、京都新聞、KBS京都放送など地元メディアの後援も取り付け、周知を図った。
今回参加した出版社は京都、滋賀の18社。海青社、化学同人、河原書店、京都新聞出版センター、京都大学学術出版会、晃洋書房、サンライズ出版、思文閣出版、淡交社、PHP研究所、ふたば書房出版局、法藏館、本願寺出版社、光村推古書院、ミネルヴァ書房、宮帯出版社、ユニプラン、臨川書店がワゴンを出展し、B本や汚損本を中心に割引販売を行った。買い物客には、再販制度維持を目的とした同制度弾力運用の一環であることを説明し、理解を得た。
売上げは2日間合計173万円。このうち組合出展バーゲン本等売上げは33万円だった。
会場では、JPIC読書アドバイザーによる絵本の読み聞かせ、今人舎・稲葉茂勝代表のトークショー「『絵本』を創ること、届けること」、京都組合のマスコットキャラクター「ブックン」の撮影会、絵本作家岡田よしたか氏、『京都寺町三条のホームズ』の著者望月麻衣氏、『マチネの終わりに』の著者平野啓一郎氏のサイン会などを行い、好評だった。また、サイン会終了後、図書館仕様のブッカー掛けを有料で行うサービスが人気を博し、書店の新しい商売に結び付く可能性も見えた。
次回開催への課題も見つかり、収穫のある2日間となった。
(若林久嗣広報委員)

山陽堂書店、SJの日ポスター展を開催/「本を贈りあう習慣、知って」

東京・港区の山陽堂書店は、4月23日の「サン・ジョルディの日」に本を贈りあう習慣を知ってもらおうと、「サン・ジョルディの日」のポスターを作成し、4月14日から5月12日までポスター展を開催した。
表参道交差点の一角にある山陽堂書店は、外壁に描かれた谷内六郎氏のモザイク画で親しまれている創業125年の老舗。2011年にリニューアルして店の2・3階にギャラリーを併設し、展示会やイベントを開いている。「サン・ジョルディの日」の展示を始めたのは昨年からで、山陽堂取締役の遠山秀子さんは「30年前、日本に『サン・ジョルディの日』がやって来た頃はまだ本屋が元気でした。今、この様な状況だからこそ『本を贈りあう日』の存在を改めて知ってもらいたいと思いました」と説明する。
ギャラリーでは昨年の読書週間に、雑誌『ブルータス』表紙の装画などで知られるイラストレーター・庄野ナホコさんが、「本」をテーマに絵の展示会を開催。今回のポスターは、その庄野さんの絵の中から5点をセレクトし、コピーライターの矢内そらんさんがサン・ジョルディの日を題材にキャッチコピーを作成。そして、プロを目指すイラストレーターのために開講している「山陽堂イラストレーターズ・スタジオ」の3名のスタッフが、講師のアートディレクター・長友啓典氏の指導の下にデザインを手がけ、ポスター10点が完成した。『恋の相談は、世界中の小説家に。』『あ、やっぱり同じところでくすっとなった!』など10のコピーを作った矢内さんは「テーマを『2人の愛』に限定するのではなく、『親子』『友人』『兄弟』など、対象を広くとらえて考えました」と話す。
ギャラリー2階でポスターを展示するとともに、3階でお店が薦める「大切な人に贈りたくなる本」を販売。メッセージコーナーを設けるなど〝誰かに本を贈りたくなる〟空間を演出した。遠山さんは、「『本』を身近に感じてもらえるポスター作りを試みました。すぐに効果が出るものではないですが、5年先、10年先に本を贈りあう文化が根付くようにと願っています」と話している。
(土屋和彦)

上野の森親子フェスタ/絵本・児童書の売上3166万円

子どもと本との楽しい出会いを作ることを目的に、絵本や児童書の販売や読み聞かせなどを行うイベント「上野の森親子フェスタ2016」が5月3日~5日の3日間、東京都台東区の上野恩賜公園で開催された。
子どもブックフェスティバルには84社が出展し、5万2千冊の絵本・児童書が勢揃い。3日間の売上は合計3166万2646円にのぼった。収益の一部は「大震災出版復興基金」を通じて東日本大震災と熊本地震の被災地へ拠出する。
また、会場内にはイベントブースやサイン会ブース、作家団体によるブースも設けられ、多くの作家が訪れた。サイン会やおはなし会、似顔絵コーナー、手作りワークショップは家族連れで賑わった。
講演会は、4日に東京都美術館で児童文学作家くすのきしげのりさん、ミュージシャン・マジシャン・翻訳家大友剛さん、5日に国立国会図書館国際子ども図書館で詩人アーサー・ビナードさんと翻訳家さくまゆみこさんを講師に招いて開催。合計513名が来場し、満員の盛況だった。
16回目となる今回は、子どもの読書推進会議(野間省伸代表)と日本児童図書出版協会(竹下晴信会長)、出版文化産業振興財団(肥田美代子理事長)が主催。主催3団体で運営委員会を設置し、子どもの読書推進会議顧問の小峰紀雄氏が運営委員長を務めた。後援には国立国会図書館、経済産業省、厚生労働省、文部科学省や書協、雑協、取協、日書連など、多数の省庁、関係団体が名を連ねた。

県立高校図書館への書籍納入問題を審議/神奈川理事会

神奈川県書店商業組合(筒井正博理事長)は3月2日、横浜市中区のかながわ労働プラザで定例理事会を開催した。
報告事項では、県教育委員会と青少年課との関係を密にし、アダルト関係の本の調査や協力体制を強化することや、今後は優良図書の推薦等でも話し合いの機会を多く持つ方向性が示された。
議事では、県立高校図書館の書籍納入問題について審議。県外の書店が納入している現状について県議会議員と話し合う機会を持ち、内情を説明、県内の書店が優先的に納入されるよう改善すべきという点で意見が一致したと報告があった。そのためには書店側もいっそう努力することを確認した。
(山本雅之広報委員)

書店組合総会スケジュール

◆佐賀県書店商業組合「第34回通常総会」
6月11日(土)午後3時、佐賀市の佐賀ワシントンホテルプラザで開催。

浅野純次氏が理事長に就任/高橋松之助記念財団

高橋松之助記念顕彰財団は3月14日に理事会及び評議員会を開催。朝倉邦造理事長の逝去に伴う新理事長の選定を行い、元東洋経済新報社社長で日本雑誌協会理事長を務めた、経済倶楽部理事の浅野純次氏が理事長に就任した。今年度の役員は左記の通り。
理事長(経済倶楽部理事)
浅野純次
常務理事(全国出版協会職員)原正昭
理事(全国出版協会顧問)
田中健五
同(文字・活字文化推進機構理事長)肥田美代子
同(全国出版協会理事)
柳楽節雄
同(全国出版協会理事長)
上瀧博正
監事(トーハン代表取締役社長)藤井武彦
評議員(光文社取締役会長)高橋基陽
同(集英社顧問)山下秀樹
同(元トーハン代表取締役社長)小林辰三郎

新会長に平林彰氏/取協総会

日本出版取次協会(取協)は4月21日、東京・千代田区の取協会議室で第64回定時総会を開催し、平成27年度事業報告、収支決算を承認。引き続き任期満了に伴う役員改選を行い、新会長に平林彰氏(日本出版販売社長)が就任した。藤井武彦前会長(トーハン社長)は常務理事に就いた。
平林会長は就任あいさつで、平成28年度事業計画のうち、出版流通インフラ整備を重点推進テーマとし、①発売日格差是正②出版物流(積載効率の改善)③再販制度④ITインフラ――の4つに取り組むと説明。発売日格差是正については、全国一斉発売の銘柄拡大や、電子・ネット時代に適合する発売日協約を検討していくと述べ、出版物流については、「納品時間指定等の緩和」「業量平準化」「自家配の共配化」に取り組むと説明した。
〔取協役員〕
会長(日本出版販売)
平林彰
常務理事(トーハン)
藤井武彦
同(大阪屋栗田)大竹深夫
同(中央社)風間賢一郎
同(日教販)渡部正嗣
同(協和出版販売)
磯田肇
理事(トーハン)川上浩明
同(日本出版販売)
安西浩和
同(日本雑誌販売)
齊藤隆巳
監事(鍬谷書店)鍬谷睦男
同(公認会計士)山本和夫

出版販売金額5・3%減/雑誌不振で過去最大のマイナス/出版指標年報

全国出版協会・出版科学研究所が発行した『2016年版出版指標年報』によると、2015年の紙の出版物(書籍・雑誌合計)の推定販売金額は前年比5・3%減の1兆5220億円となった。内訳は、書籍が同1・7%減の7419億円、雑誌が同8・4%減の7801億円。出版物販売金額のマイナスは11年連続で、減少幅は昨年の4・5%減を上回り過去最大を記録した。
〔文芸書が貢献し小幅減に留まる/書籍〕
書籍の推定販売金額は7419億円、前年比1・7%減少した。消費税増税で大幅減となった14年に対し小幅な落ち込みにとどまったが、マイナスは9年連続となった。年間を通して各ジャンルでヒット作が生まれ、特に文芸書の健闘が光った。その中心となったのが又吉直樹『火花』(文藝春秋)で、7月に芥川賞を受賞して累計240万部超の大ヒットを記録。又吉氏が各メディアで紹介した文芸書もヒットするなど、書籍全体の販売増に貢献した。また、経済格差の実態を膨大なデータで実証した『21世紀の資本』(みすず書房)が高価格ながら14万部のヒットとなるなど、多様な本が売れた。その中で、娯楽的な要素が強い文庫本は不振が目立った。
ミリオンセラーは、出版科学研究所の年間単行本総合ランキングでは唯一『火花』が達成。対象外となる実用書、児童書、ゲーム攻略本などでも年内で100万部に達したタイトルはゼロだった。
推定販売部数は同2・8%減の6億2633万冊で、文芸書以外でもビジネス書、ノンフィクション、児童書、学参など好調ジャンルが多かったものの、文庫本の低迷が足を引っ張る形になった。
金額返品率は37・2%で同0・4ポイント改善。大ベストセラーが出た影響で販売状況が改善したことや、取次各社が新刊配本の引き締めを継続的に行っていることが奏功した。
新刊点数は7万6445点で前年と同率。内訳は、取次仕入窓口経由の新刊が同1・7%減の5万4235点、注文扱いの新刊が同4・3%増の2万2210点だった。取次仕入窓口経由の減少は3年連続で、特に新書の減少が目立った。新刊推定発行部数は同3・3%減の3億2466万冊で、文庫本、新書がともに5%程度減少したことが影響した。
15年の書籍市場は、各ジャンルから話題書やヒットが多く登場した。特に活況を呈した文芸書では、『火花』をはじめ、芥川賞同時受賞の『スクラップ・アンド・ビルド』(文藝春秋)、直木賞受賞の『流』(講談社)、『サラバ!』(小学館)、本屋大賞受賞の『鹿の王』(KADOKAWA)など文学賞受賞作にヒットが続出。また、テレビドラマが大ヒットした『下町ロケット2』(小学館)や、ネット発の『君の膵臓をたべたい』(双葉社)などコンスタントに話題書が現れた。
ノンフィクションでは『置かれた場所で咲きなさい』(幻冬舎)が200万部に到達、『フランス人は10着しか服を持たない』(大和書房)が好調を続けるなど、自己啓発書は相変わらず高い人気を集めている。神戸連続児童殺傷事件の加害男性の手記『絶歌』(太田出版)は、出版の是非が問われるなど波紋を呼んだ。生活実用書は、『ひみつの花園』(グラフィック社)など大人の塗り絵がブームに。児童書は絵本や学習漫画、図鑑などが伸びて好調を持続し、特に絵本は『ママがおばけになっちゃった!』(講談社)やブロンズ新社の作品などヒット作が相次いだ。
15年の単行本ベスト10は以下の通り。
①火花/又吉直樹/文藝春秋②フランス人は10着しか服を持たない/ジェニファー・L・スコット/大和書房③家族という病/下重暁子/幻冬舎④智慧の法/大川隆法/幸福の科学出版⑤置かれた場所で咲きなさい/渡辺和子/幻冬舎⑥新・人間革命(27)/池田大作/聖教新聞社⑦一〇三歳になってわかったこと/篠田桃紅/幻冬舎⑧人間の分際/曽野綾子/幻冬舎⑨学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話/坪田信貴/KADOKAWA⑩鹿の王(上・下)/上橋菜穂子/KADOKAWA
〔18年連続減、過去最大の落ち込み/雑誌〕
雑誌の推定販売金額は7801億円、前年比8・4%減と18年連続の前年割れで、過去最大の落ち込みを記録した。内訳は、月刊誌が同7・2%減の6346億円、週刊誌が同13・6%減の1454億円。月刊誌は、コミックス、ムックを除く定期誌だけでは同7・9%減と、下落幅がさらに拡大する。
推定販売部数は同10・5%減の14億7812万冊と、1割以上のマイナスに。内訳は、月刊誌が同8・7%減の10億5048万冊、週刊誌が同14・6%減の4億2764万冊で、週刊誌の2桁減は初めて。
平均価格は同2・6%(14円)増の546円。月刊誌は同2・0%(12円)増の619円、週刊誌は同1・2%(4円)増の350円と値上がり傾向が続く。
推定発行部数は同7・9%減の24億5845万冊、推定発行金額は同5・5%減の1兆3414億円。金額返品率は同1・8ポイント増の41・8%で、売行きの悪化に対し供給調整が追いつかなかった。
不定期誌の新刊点数は、増刊・別冊が同6・7%減の3918点、ムックが1・1%減の9230点。前年に続き、宝島社や学研プラスなど大手出版社で点数の抑制傾向が続いている。1号あたりを1点とカウントした年間の付録添付誌数は、同4・6%減の1万2377点で、付録も抑制する動きが見られた。
年間の創復刊点数は同17点減の70点で、100点を下回ったのは4年連続。創刊部数は同46・5%減。50代以上女性向けライフスタイル誌『おとなスタイル』(講談社)などが創刊した。一方、休刊点数は同52点減の117点で、休刊部数は同44・7%減。
〔前年比31%増の1502億円/電子出版〕
出版科学研究所は15年から電子出版の市場規模を調査範囲に加え発表。これによると15年の電子出版市場規模は1502億円で前年比31・3%増、金額で同358億円増加した。内訳は、電子コミックが同30・3%増の1149億円、電子書籍が同18・8%増の228億円、電子雑誌が同78・6%増の125億円。紙と電子の出版市場を合わせると1兆6722億円、同2・8%減。電子出版の占有率は9・0%で、同2・4ポイント増加した。

日書連のうごき

4月7日上野の森親子フェスタ説明会に事務局が出席。JPO運営幹事会に事務局が出席。会計士による定期監査。
4月12日雑誌買切制度研究小委員会に藤原副会長が出席。
4月13日書店大商談会実行委員会に事務局が出席。JPO運営委員会に柴﨑副会長が出席。会計士による決算監査。
4月18日会計士による決算監査。
4月20日各常設委員会・部会を開催。
4月21日九州雑誌センター取締役会に舩坂会長が出席。2月定例理事会を開催。JPO図書コード管理委員会に藤原副会長が出席。
4月25日ためほんくん管理委員会に深田部会長が出席。
4月26日読書推進運動協議会常務理事会に舩坂会長が出席。全出版人大会役員会に舩坂会長が出席。
4月27日河村建夫議員懇談会に舩坂会長が出席。文化産業信用組合理事会に舩坂会長が出席。JPO運営幹事会に事務局が出席。

図書館サポート部会便り/日書連MARCをご利用ください

日書連が会員加盟書店のために独自作成した図書館納入用データである「日書連MARC」のリリースを開始してから、早14年が経過しました。現在ご利用頂いている全国の小中学校を中心としたユーザ数は、4000以上になっております。
MARC(機械可読式カタログ)データは、電算化に対応している公共図書館や学校図書館への納入には欠かせないものです。
主なデータとしては「日書連MARC」の他に、「TRCMARC」(図書館流通センター)、「トーハンMARC」(トーハン)、「NS―MARC」(日販)、「OPLMARC」(大阪屋栗田)、そして「国立国会図書館サーチ」のデータなどがあります。
販売会社が提供するMARCの場合、物流を伴う購入・利用が一般的ですが、「日書連MARC」ならば、それにとらわれない利用が可能です。(高島瑞雄部会長)

全国トーハン会代表者総会/雑誌、コミック対策を強化/定額読み放題サービスに懸念

トーハンは4月26日、東京・文京区のホテル椿山荘東京で全国トーハン会代表者総会を開き、書店、出版社、トーハン関係者ら326名が出席。トーハン・藤井武彦社長は「売場改善」「店頭客注増加施策」「店頭活性化プロジェクト」の3つの柱をブラッシュアップし、店頭売上げの拡大を目指す考えを示した。
総会の冒頭、藤井社長は平成27年度の売上高が総合98・5%、書籍101・2%、雑誌94・8%、コミック99・8%、マルチメディア100・3%になる見込みと報告。「エリア書店の柱の雑誌、コミックが前年割れとなり、危機感を強くしている。近年は電子化の影響が大きくなりつつある。リアルとネットの融合を進めながら、店頭に読者を呼び戻し、増売を実現したい」と述べた。
平成28年度は「売場改善」「店頭客注増加施策」「店頭活性化プロジェクト」の3施策に引き続き取り組み、店頭売上げの拡大を目指すとした。
また、新しい取り組みとして、研修施設「トーハンセミナーハウス」の利用を進め、新規出版社を育成・支援する「PI推進プロジェクト」を推進するとし、物流事故に対応する「コールセンター」を開設すると報告した。
出版業界全体の課題については、出版輸送の維持に向けた取り組みを進めなければならないと強調。4月11日から大阪南地区でトーハンと日販、大阪屋栗田の3社による共同配送を開始したと報告した。
電子雑誌の定額読み放題サービスへの対応については、NTTドコモのdマガジンが急成長していると指摘。「サービス自体に物申す立場にはないが、少なからず懸念を持っている。エリア書店での店頭販売に配慮し、ネットからリアルへの顧客誘導の機能を強めることが必要」と述べた。
出版物への軽減税率適用の実現に向けた取り組みについては、読書の重要性を世論に訴える活動や、有害図書の線引きを行う第三者機関の設置に言及した。
続いて山陰トーハン会・今井直樹代表幹事(今井書店グループ)があいさつ。本の学校について紹介し、「困難な時代ほど勉強し、プロを育てなければならない」と語った。
この後プログラムを変更して、熊本トーハン会・宮崎容一会長(宮崎一心堂)が熊本地震について報告した(発言要旨は別掲)。
販売コンクール「全国トーハン会プレミアムセール2015」の年間販売実績は、目標金額10億円に対して10億5700万円、前年比109・3%、目標比105・7%と目標を達成。東北トーハン会岩手支部が前期・後期・年間総合の3部門で1位に輝いた。
東北トーハン会岩手支部・玉山哲支部長(東山堂)は、年間総合で3年連続1位、東北トーハン会としても5年連続1位、販売実績が5年で5倍に成長したことを喜び、「販売力の向上こそが皆さんに報いることと自らを鼓舞してきた」と話した。
今年度の同セールの販売目標金額は10億9000万円、前年比3%増。
平成28年度営業方針・施策では、トーハン・近藤敏貴副社長が、雑誌対策として「配本改革」「予約支援サービス」「前号併売施策」、コミック対策として「コミック一気通巻の拡大」「『LINEマンガ』コラボ企画」を説明した。
懇親会では、熊本トーハン会・宮崎会長の被災書店への配慮の要望に対し、トーハン・近藤副社長が理解している旨発言した。

【「100%請求の手綱弛めて」熊本地震被災書店への配慮求める/熊本トーハン会・宮崎容一会長】
熊本地震が発生してから2週間が経過した。世間では「平成28年熊本地震」と命名されているが、実際は熊本と大分を中心に九州各県が怖い思いを今もしている。「九州地震」というふうに受け止めていただきたい。まだまだ終わりのない余震が続き、今日も後ろ髪をひかれる思いで東京のこの会場にやって来た。
地震発生後、お客様から頂戴した絵本を、地元書店の役割として被災地へ持参した。一部の方からは喜んでいただいたが、物資の支援の難しさも痛感した。個人的に被災地へ物資を持っていく人は多いが、欲しいのはあれだこれだ、本なら週刊少年ジャンプが欲しいなど、色んな声が出る。物資の支援は行政にお願いすべきと感じた。
書店は建物の倒壊、商品の崩落、停電・断水、従業員の家の全壊・半壊、そして車や避難所、公園での生活という状況で、多くで営業再開の目途がたっていないのが現状だ。
私の店のスタッフと電話で連絡がとれたとき、最初の言葉は「社長、水が欲しい。何でもいいから食べ物が欲しい」と泣き声だった。日頃は言葉少ない控えめなスタッフだから、事の重大さを改めて知った。
出版社は是非、九州の書店に足を運んでいただき、活気ある書店への再生のアシストをお願いしたい。
地震発生後、営業できない店がまだまだ多々ある。必然的にその店舗に関して売上はゼロだが、やがて容赦なく月末請求がやって来る。トーハンには、どうか月末請求の100%支払いの手綱をしばらく弛めていただきたい。本当の意味での支援をお願いしたい。
昨年のこの場で、東北トーハン会岩手支部の玉山支部長が、全国トーハン会プレミアムセール1位のスピーチを涙ながらに行った。自分の身近なところで地震が発生した今、あの時の玉山支部長の言葉と気持ちが身に染みて分かる。東日本大震災被災という大変な状況の中、プレミアムセールで1位を続けるのは凄いことだと改めて思う。
熊本トーハン会も早い復興を目指し、来年度プレミアムセールで1位のスピーチを行うことを目標に頑張っていきたい。

10月4日、東京ドームプリズムホールで開催/第7回書店大商談会

第7回書店大商談会は10月4日(火)午前11時~午後5時、東京・文京区の東京ドームプリズムホールで開かれることが決まった。主催は同実行委員会(矢幡秀治実行委員長=真光書店)。詳細は5月30日の記者会見で発表する。

日販、熊本地震で対策本部設置/被災55店舗中40店舗が営業再開

日販は4月27日、熊本地震発生を受けて本社および九州支店に対策本部を設置し、被災した取引先書店の復旧支援をグループ会社とともに実施していると発表した。
4月16日に九州支店(福岡県福岡市)に現地対策本部、4月18日に本社に災害対策本部を設置。以降、両本部合同のテレビ会議を随時開催し、ライフライン、取引先被害状況、商品配送状況等の現状確認とともに、物的・人的支援を進めている。
物的支援では、4月18日から水・食料・生活用品などの輸送を開始。人的支援では、4月21日から3クールに分けてグループ会社含め約100名規模の人員を現地に派遣し、清掃・什器撤去・商品仕分けなど被災書店の復旧作業を行っている。
4月27日現在、取引先の被災書店55店舗中、40店舗が営業を再開している。