全国書店新聞
             

平成18年5月11日号

オープン懸賞の告示廃止/最高額1千万円の制限撤廃/公取委

公正取引委員会は4月27日付の官報でオープン懸賞告示の廃止を発表。同日付で施行した。オープン懸賞は取引に付随せず、誰でも応募できる懸賞で、現在の特賞は最高1千万円だが、廃止されれば上限はなくなり、無制限な金額の賞品が提供できることになる。
オープン懸賞の告示は平成8年に従来の景品最高額百万円を1千万円に引き上げており、10年を経過して制限そのものが廃止されたことになる。今回の廃止により、今後、オープン懸賞の景品額は規制されることなく、1千万円を超える高額な賞品を付けることが自由になる。
平成8年の景品規制緩和では、オープン懸賞最高額の見直しのほか、①一般懸賞の景品上限額を5万円から10万円に引き上げ、②共同懸賞の景品上限額は20万円から30万円に引き上げ、③事業者景品の制限撤廃が行われた。
今回のオープン懸賞告示廃止に当っては、3月1日から1カ月間、各方面からの意見募集を行った。廃止賛成の意見は「オープン懸賞には直接的な顧客誘引や取引付随性がない」「企業イメージやブランドを印象付ける目的で行われる企業広告なので、規制は必要ない」などが挙げられたのに対し、反対意見では「社会通念を超える高額な賞金が出現する」「射幸心をさらに拡大させる」「商品力と別の要素の競争は、消費者の正しい商品選択の機会を損なう」「公正な市場環境を整えるには一定のルールが必要」などの理由が寄せられた。

特殊指定廃止で質低下/教科書協会が反対声明発表

教科書特殊指定廃止の方針を示した公取委に対し、教科書会社でつくる社団法人教科書協会(会長=河内義勝東京書籍社長)は4月26日に「廃止反対」の声明文(別掲)を発表した。
教科書の特殊指定は、教科書発行業者による採択関係者への利益供与を「特定の不公正な取引方法」として禁止しているもので、教科書協会側は「これまで特殊指定があることで教科書の宣伝活動をルール化し、それ以外の努力や資金は内容の向上にあてられた」「教科書販売は自由競争になじまない」「時間をかけて議論すべきだ」と反対理由を説明している。
特殊指定を廃止した場合、教科書会社による売り込み合戦が過熱化することが懸念され、宣伝力のない小規模な会社の採択が困難なものになる可能性も心配される。
公取委は3月16日に教科書特殊指定廃止の手続きに入るとしたあと、4月17日まで国民からの意見を募集した。
〔声明文〕
教科書協会は、教科書業の「特殊指定」廃止に反対します
これまで教科書発行各社は、特殊指定を前提とした公正な取引環境の下で、たえず良質な内容の教科書を作ることに全力を傾けてきました。しかし、特殊指定が廃止された場合、内容の良否にかかわらず、宣伝力の差などで教科書が採択される恐れがあり、ひいては教科書の質の低下や寡占化を招くなど、国民の期待や要請に反することになることを強く危惧します。
教科書発行各社は、公正・中立を旨としながら、国の発展と国民の教育水準の維持・向上のために、良質で多様な教科書の発行を目指すことが責務であると考えています。教科書協会は、各発行者がその責務をまっとうしていくために、今後も特殊指定の堅持を強く求めます。

田中氏ら3氏に/春の黄綬褒章

4月29日の「みどりの日」に発表された春の叙勲で、教科書供給協会から以下の書店3氏が黄綬褒章を受章した。所在地・書店名は次の通り。
▽田中宏=北海道網走市・フジヤ書店
▽寶井俊夫=新潟県塩沢町・扇屋書店
▽丸岡才一郎=広島県広島市・廣文館

絵本・児童書20%オフで販売/第7回上野の森親子フェスタ

ゴールデン・ウイーク後半の5月3日・4日・5日と東京地方は3日間とも晴天に恵まれ、上野公園で開かれた「上野の森親子フェスタ」は多くの親子連れで賑わった。売上げは昨年を25%上回る3053万円。
この催し、2000年の「こども読書年」発足を記念して始まったもので、今年で7回目。主催は子どもの読書推進会議と出版文化産業振興財団。呼び物の「チャリティ・ブック・フェスティバル」には過去最多となる52社が絵本・児童書を中心に約3万冊を出展。読者謝恩価格として20%オフで販売した。
会場の中央噴水池広場には46のテントに出版社ごとに絵本・児童書が並べられ、講談社のおはなし隊キャラバンカーや特設イベントテントでは読み聞かせや紙芝居などが行われた。作家の志茂田景樹さんは連日、読み聞かせ、サイン会と大車輪の活躍。出版社ブースで行われた池田美代子、黒川みつひろ、いもとようこ、工藤直子らの人気作家サイン会にも長い列ができていた。公文教育研究会は大型テントで「ことば・かず・えいご」を楽しく学ぶKUMON幼児フェスタを展開した。
別会場の上野公園内・国立博物館平成館では3日に絵本作家・入江杏さんの「いのちを考えるえほん」、5日に直木賞作家・角田光代さんとジャーナリスト・永江朗さんによる対談「読むこと、書くこと」が行われた。

SJ十勝講演会/お客様との交流密に、今年で17回目の開催

北海道書店商業組合十勝支部、サン・ジョルディ十勝実行委員会は4月21日にサン・ジョルディの日記念講演会を開いたが、1989年以来、今回を含めて17年連続の開催となる。
日書連の呼びかけで始まったサン・ジョルディの日に対して、お客様に感謝し関係をより密にする絶好の機会として取り組んできた。入場希望者は開催1カ月前位から参加書店(十勝支部組合員書店)にお申込みをいただく。申込者が多い場合は抽選を行い、10日前に店頭で発表。入場招待券はお申込書店から配布する。こうすることでお客様に2回、3回とお店に足を運んでいただき、お客様とのコミュニケーションを密にする。もちろん、店頭には講師の本を目立つところに陳列する。
講演会参加料は無料、第1回目の時は参加者全員に「花」をプレゼントした。講演をしていただいた方からお花を渡す、写真、握手をするなどきめ細かい読者サービス。昨年の角田光代さんの時もサイン会を行い100名の長蛇の列ができた。書き手と読者をつなぐ場でもある。
講演会の告知も、後援をいただいているマスコミの協力をいただいて十勝管内35万人の人びとにご案内している。講演会が続いてきた秘密について実行委員長の有田さんが「十勝の人はロマンチストが多いから、書店の地域文化センターとして自負を持って続けてこれたのでしょうね」と笑顔で話してくれたのが印象的だった。また、時には講演者と2次会もあり主催者側も結構楽しんでいるようだ。(松山雄洋広報委員)

ジュンク堂が盛岡出店

ジュンク堂書店が、盛岡市に建設される商業ビルに出店することが明らかになった。売場面積は約2500平方㍍で、県内最大規模の書店となる。
ジュンク堂が出店するのは、盛岡市大通2丁目のダイエー盛岡店跡地に建設される6階建て商業複合ビル「MOSS」で、店舗は3階全フロアと4階の半分を占める。3階で一般書と専門書、4階でコミックの計70万冊を販売する予定で、近隣書店からは競争激化を懸念する声が上がっている。

生活実用書/注目的新刊

世の中の価値観が不確かなものになってくると、心の問題や宗教がクローズアップされてくる。般若心経の静かなブームはそんな時代の空気を反映しているのであろう。
井上宏生著『神さまと神社―日本人なら知っておきたい八百万の世界』(祥伝社新書035760円)は、身近にある神社と神道の世界をわかりやすく解き明かそうとしている。「知っているようで知らず、世話になっていないようで世話になっている、その摩訶不思議な世界が日本の神神の世界であ」るという。
確かに普段は無神論者と思い、無宗教な民族だと言われても、まあそんなものなのだろうと思っている。しかし、初詣や神前結婚式、町々に鎮守様を祀る日本人は本当に無宗教な民族なのだろうか。
神々の棲む杜と社などを考察する第一章・日本人と神様から、暮らしのなかの日本の神々、その系譜、代表的な神社の神々まで「ごくふつうの日本人の目で」見た神々の世界が語られていく。
奈良県桜井市の大神(おおみわ)神社は、神門や拝殿があって神殿を持たない。神様は拝殿の背後にある三輪山なのだ。自然崇拝から生まれた神々の姿の一つなのである。
玉依姫命(タマヨリヒメノミコト)は安産の神様だが、妊娠五ヶ月目の戌の日に安産の祈願をする。男の子は31日目、女の子は33日目にお参りする「初宮」。無事な成長を祈ると共に、本来はその子が氏子の一員になったことを意味していた。その後の七五三も神様にお祈りするのである。
そのほか、二拝して二回柏手を打ち手を合わせて祈り、また一拝する参拝の方法や、玉串拝礼の順序などもイラストで紹介されている。神々が深く日常に関わっていることを、改めて自覚させられる。
宮元健次著『神社の系譜なぜそこにあるのか』(光文社新書251700円)も日本人は無宗教ではなく、日日の中で無意識に神道を信じているのではないかと語る。ここでは怨霊の神々から、王権、大和朝廷、氏族の守護神や人を神として祀った社に分けて、神社の建てられた場所の配置に注目する。夏至・冬至・春分・秋分の日の出と日
の入りの線上にあるという、その自然暦の視点から神社の系譜をたどっていく。
日頃忘れがちな民族としてのルーツを考えさせられる。
(遊友出版斎藤一郎)

日書連の動き

4月4日TIBF出展者説明会並びに「絵本ワールド」事務局打合せに大川専務理事が出席。
4月5日大阪府立高校対象「日書連マーク」推進説明会に長尾専門委員が出席。再販研究事務局会議に大川専務理事が出席。
4月6日書店経営実態調査委員会。中央公論新社創業120周年記念の集いに丸岡会長が出席。
4月7日4月度公正取引協会月例懇談会に下向公取協副会長など5名の役員が出席。
4月10日「本の川柳」事務局による予備選考会。
4月12日日書連通常総会議案書検討正副会長委員長会議。
4月13日書協新人研修会に丸岡会長が講師として出席。活字文化議員連盟総会に丸岡会長と大川専務理事が出席。
4月14日出版物小売業公正競争規約一部変更で公聴会が開催され、井門公取協会長など7名の役員が出席。全国中小業者団体連絡会業界懇談会に下向理事が出席。
4月17日「本の川柳」本選考会にSJの日舩坂事務局長が出席。
4月18日雑協公取協総会祝賀会に下向副会長など役員が多数出席。
4月19日読進協常務理事会に丸岡会長が出席。九州雑誌センター取締役会に丸岡会長など関係役員が出席。第45回全出版人大会役員・顧問会に丸岡会長が出席。日書連各種委員会(消費税問題等、増売、読書推進、共済会運営、書店経営実態調査、組織強化、共同購買・福利厚生、流通改善、取引改善、再販研究、環境改善検討ワーキング、情報化推進、指導教育、広報)。主婦の友社村松社長との意見交換会。河出書房新社若森社長との意見交換会。
4月20日日書連4月定例理事会。日書連共済会緊急理事会。日書連正副理事長会。第5回次世代メディアコンテンツ店舗活性化研究会に鈴木専門委員が出席。
4月21日第2回ISBNマネジメント委員会に井門副会長など5名の関係委員が出席。JPIC役員会に丸岡会長が出席。
4月24日出版平和堂委員会に大川専務理事が出席。
4月25日日本出版インフラセンター業界向け報告会に志賀副会長ほか関係役員が出席。
4月26日流対協と取引改善委員会との意見交換会。
4月28日「絵本ワールド」事務局会議に大川専務理事が出席。

組合改革提言を総会で報告/中学生フェアを拡大開催へ/北海道理事会

北海道書店商業組合は、4月18日に札幌の組合事務所で4月度定例理事会を開催した。
志賀理事長から日書連2月理事会の報告がなされ、審議の中で特に「日書連共済の清算方法は業界発展のために活かす方法を模索」していくことを確認した。松山暫定広報委員長より、全国書店新聞のTRCの記事に関する道組合員の意見を解決するため、日書連2月広報委員会に出席した経過と議論について報告があり、「日書連山口広報委員長が来道して関係組合員と話し合うこと」で解決することになったと述べた。この問題に関し志賀理事長から「口頭で編集責任者に道組合員の意見を伝え、解決するよう要請した。道広報委員会の意見は道組合理事会の意思である」旨の特別発言があった。
改革委員会からは、道組合改革提言は6月12日までにまとめて総会に報告、その一環として6月の通常総会の日に能勢仁先生を招いて講演会を開催するとして了承された。
久住副理事長から第3回中学生フェア(「本屋のオヤジのおせっかい中学生はこれを読め!」)について説明があり、書店の思いなどを集めた本を出版し、全道の中学校に寄贈したいと報告。さらに拡大して通年の売場作りの呼びかけがあり、これを了承した。
なお、通常総会は6月13日にセンチュリーロイヤルホテルで開催することを承認した。
(中尾邦幸広報委員)

店先で「1箱古本市」/書店、喫茶店など15店共同開催/東京・根津

文京区と台東区にまたがる谷中、根津、千駄木。その中心を通る不忍通り界隈には個性的な新刊書店、古本屋、図書館やカフェ、雑貨屋、ギャラリーが軒を並べ、誰が名付けたか「本と散歩が似合う街/不忍ブックストリート」。4月29日に行われた第2回「1箱古本市」をのぞいてみた。
この古本市、谷中、根津、千駄木エリアの書店、雑貨店、ギャラリー、カフェ15軒の軒先を借り、出品者百人が読み終わった本を1箱ずつ持ち寄って販売するもので、昨年に続いて2回目。
不忍通りに面した往来堂書店前にもダンボール7箱が並べられたが、祭日とあって午前11時から掘り出し物を物色する客で賑わった。実行委員会では「不忍ブックストリート」のイラスト・マップを用意し、15カ所すべて回るとプレゼントがもらえるスタンプラリーも。地図を片手に裏通りを探索し、スポットを探す若い客の姿が目に付いた。
あいにく、この日は午後から天気が崩れたため、終了時間を2時間繰上げ、午後3時で撤収。往来堂書店笈入(おいり)店長は「出品者は公募したが、昨年の75人から百人に増えた。その分、売上げも客数も多かったと思う。店は軒先を貸すだけだが、街全体の宣伝
につながったのではないか」と、イベントの手応えを語ってくれた。

移転

◇光和コンピュータ
光和コンピュータと光和テクノシステムは5月30日に統合し、光和コンピュータとなる。代表取締役は柴崎和博、専務取締役に寺川光男、常務取締役に友野雅志の各氏。事業拡大と業務効率化のため本社を5月8日から左記に移転した。
新住所=〒101―0032千代田区岩本町3―1―2岩本町東洋ビル℡03・3865・1981、FAX03・3865・1922

参考図書

■『2006出版指標 年報』
全国出版協会・出版科学研究所から2005年の出版統計をまとめた出版データブック『2006出版指標 年報』が発売された。わが国の出版統計として出版物年間販売額、販売部数、出版点数、返品率、平均価格等、多数のデータを掲載。業界の最新動向も詳しくレポートする。書籍・雑誌の分野別統計データと出版トレンド分析には定評があり、出版マーケティング必携の書。
主な内容は①1950年~2004年までの主要出版統計(発行・販売データ)、②分野別書籍・雑誌の出版統計・傾向分析、③1946年~2004年までの年間ベストセラー、④再販関係、出版社・取次・書店の動き、各社決算など業界の主な動き、⑤読書調査、商業統計、ABC雑誌部数、書店出店状況、出版物輸出入、出版社・書店売上高、文学賞受賞一覧など関連資料、⑥電子書籍などの関連ビジネス解説、その他関連業界の統計資料を掲載。B5判414頁、頒価1万2千円。
お申し込み・お問い合わせは出版科学研究所まで。電話03・3269・1379番。

DVD付テニス本/新星出版社

新星出版社は60分のDVDが付いたスポーツ・ステップアップDVDシリーズ『テニスパーフェクトマスター』を出版した。A5判192頁、定価本体1400円。テニス技術書でDVDを付けた本は初。
監修・モデルは元全日本チャンピオンの石井弘樹氏。フォアハンド、バックハンド、ボレー、サーブなどテニスの基本的な動きとラケットワークを連続写真と映像で表現。正面、後ろ、横と異なるアングルやズームアップ、スローなど映像の特色を生かして基本技術を解説する。
DVDが付いた同シリーズの既刊は『野球バッティング編』『同ピッチング編』『卓球』の3冊。以後『サッカー』『バドミントン』などを刊行していく。

宙出版、米国に進出

中堅マンガ出版社、宙出版は北米マンガ市場に本格的に進出するため、3月中旬、ロサンゼルスに現地法人オーロラ・パブリッシング(資本金20万ドル、北脇信夫代表)を設立。4月28日の開設披露にはディストリビューター(流通業者)、リテーラー(販売業者)、現地メディア、ロスでMANGA出版を続けるトーキョー・ポップ社、ハリウッド映画関係者など百人を超す出席者があった。
北脇CEOは「日本のMANGAをアメリカで、そしてアメリカから新作マンガを世界へ」と設立趣旨を語り、日本作品の翻訳出版からスタートし、北米コンテンツの漫画化、北米編集者、漫画家による新作開発へ成長するビジネスプランを説明した。

Z-UPネットを開発/小規模書店活性化モデルに/日販

日販は小規模書店の支援プロジェクトとして売場を雑誌&コミック+αで活性化していく「Z―UPネットワーク」を推進していくことになった。具体的には、店舗診断に基づく商品・レイアウトの提案、SAシステムの提供、売上げと施策に連動した商品供給、ローコストオペレーションのノウハウを提供していく。
「Z―UPネットワーク」のスタートにあたっては、まずPOSデータを活用した小規模書店向けサービス実験を行うべく、新型POS「CS―POS/Z」を開発。6月より首都圏の小規模書店の協力を仰ぎ、「CS―POS/Z」を月額9千円でレンタルし、実験を行っていく。この結果を見ながら、全国展開を目指す。
日販にはトリプル・ウインで培ってきたSCM契約による満数出荷、店舗オペレーション、MDによる売場提案のノウハウ、多様なSAシテスムがあるが、これらを小規模書店向けにアレンジして、「商品供給・売場作り・SA」を生かす戦略。全国の既存売場の維持・活性化及び雑誌販売の利益追求による新たな収益源の創出を通して、小規模書店の活性化モデルを業界全体に提案していくことが最終的な狙い。

本屋のうちそと

黄金週間、Oh!美しき響きよ!但しこの国の上流階級であられる正社員とか公務員の方々にはネ。私、下流階級の弱小書店にはそんなこと言ってらんない週間よ!世間が休みでもいつも通り働く私。しかし今の日本、仕事が有るだけまだ良いのよ。正社員がリストラで減り、パート・アルバイトに派遣・契約社員の多い我が田舎町では、お客「ウチの会社、28日から10連休なんだけど、その間の給料当然出なくて手取り減るから、5月の給料は3割減なんですョ」Oh!なんと悲惨な黄金週間よ。取次の流通作業現場も多分同じだろうな。生活費が減るのにどうして本や雑誌など買ってくれようか。TVではマドンナ国会議員が「規制緩和と構造改革で景気は回復した」と言うけれど、国は低金利を10年も続け、銀行は国民から借りている預金に対して支払うべき利息を支払わず、そのお金で不良債権を処理し、あげく今春、大手銀行の利益はサイコーです、と言われてもね。お金の回って来ない下流階級は止む無くサラ金に手を出し、しかしそのサラ金に銀行は庶民から集めた預金を高々と貸し出し更なる利益を得ている。二重の取立てかよ。
金利が上がり始め、成長率と金利、どっちが上ヨと言い合っているが、竹中大臣の言うように金利が成長率を下回ることは有り得る。しかしそれは低賃金の労働力を求めて工場が日本から中国へ、中国からインドへと永遠にさまよい続けることを前提とする。規制無き経済は国民を幸せにする?(海人)