全国書店新聞
             

平成13年11月28日号

本屋さんのパソコン活用2

(製紙業界の紙型規格化と印刷業界・製本業でのコンピュータ化を背景に)1964年東販、電子計算機で雑誌配本・計算事務の機械化1974年日販、オンライン出版情報検索システム開発1970年代中頃ソフト会社や書店の外商・売掛金管理ソフトを開発販売1978年出版VAN開始と前後して、出版社=取次間の在庫照会や発注のEDI始まる1981年日販、ニッパンMARCを開発販売1982年東販が図書館流通センターと書籍情報磁気テープTRC−MARCを開発販売1983年東販、TONETS発表。
1984年より稼働1987年日販「書店総合SAシステム・NOCS」開発1989年日書連、BIRDネットを開発1993年ジュンク堂がJ・POSを開発1995年紀伊國屋書店が講談社と実売データ提供実験を開始1997年恭文堂、NET21で実売データを出版社に提供開始1998年ブックサービス、インターネット検索受注化〃文教堂、出版社に自社の販売情報を提供するBIG−NET稼働1999年日販インターネット書店「本やタウン開設」、日販ブッキング開設〃トーハンと凸版印刷が「KKデジタルパブリッシングサービス」設立〃トーハンes-Books設立。
電子商取引でセブンイレブンで受取り〃大阪屋「本の問屋さん」開始

3千名に特賞1万円

景品内容を大きく見直し新たなスタートをきった「読書週間書店くじ」の抽選会が11月21日夕、神楽坂の出版クラブで行われた。
抽選会は日書連の伊澤増売委員の司会で始まり、舩坂増売委員長が「今回から海外旅行を中止、図書カード・図書券一本に絞るとともに、当選本数を大幅に増やすなど、景品内容の見直しを図った。
今後は皆様の提案を取り入れ、さらに工夫してより良い書店くじとしていきたい」とあいさつした。
萬田会長は「読者に書店店頭にもっと足を運んでいただきたいとの思いを込め、今回から景品を図書カード・図書券に絞った。
書店くじは昭和26年に謝恩くじの名称でスタートし、時代に合わせて変化しながら実施してきた。
今後も良書普及・読書推進の観点からこの事業を続けていく」とあいさつした。
抽選会は書協の小峰副理事長、雑協の角川理事長、書協の渡邊理事長、取協の雨谷常務理事、日本図書普及の佐藤専務の5氏がボウガンで矢を放ち、次々に当選番号を決めていった。
このあと渡邊書協理事長が「景品で図書カード・図書券が大いに活用されたのは結構なこと。
読者も喜ぶだろう」と祝辞を述べ、角川雑協理事長が「書店くじが長く続いてきたことに敬意を表する。
これからも新しいことを加え、新刊書店活性化に役立ててほしい」とあいさつ、乾杯した。

催し

◇日本出版学会秋期発表会12月1日(土)午後1時から京都市下京区木津屋橋通の学芸出版社ホールで開催。
「仏教書出版のあゆみ」(法蔵館・西村七兵衛氏)、「アメリカの出版界から何を学ぶか」(タトル商会・賀川洋氏)の2つの講演と、「読書調査からみた『読書離れ』の考察」など6つの研究発表が行われる。

読み聞かせ機関誌

出版文化産業振興財団(JPIC)は11月22日、わくわく読み聞かせマガジン『この本読んで』を創刊した。
季刊・A4変型88頁。
読み聞かせ運動が盛んになる中で「他のサークルの人はどんな活動をしているの?」「どんな絵本がお薦めですか?」「もっと上手に読み聞かせるコツは?」の疑問に答え、交流を図るのが目的。
創刊号では、特集「やってみよう読み聞かせ」のほか、「あの作家に会いたい」「児童書店のカリスマ店長訪問」「全国読み聞かせ便り」などをの情報を満載している。
事前予約・定期購読を基本とし、当面、市販は行わない。
年間定期購読4200円(税込み)。

辺見じゅん書き下し

島根県の松江今井書店から辺見じゅんの書き下ろし『暁の超特急吉岡隆徳ものがたり』が出版された。
A5判上製150頁・本体価格1300円。
ロスアンゼルス・オリンピックで陸上百米決勝に出場、6位に入賞して「暁の超特急」の異名をとったスプリンター吉岡隆徳の生涯を描いた作品。
著者の辺見じゅん氏が島根県斐川町にある吉岡の旧居「アカツキハウス」を訪れた折、吉岡を語り継ごうという地元の人たちの熱心な活動に触れ執筆したもの。
挿絵、デザイナーも地元島根県の画家・デザイナーを起用している。
総ルビ付き。
島根県教育委員会推薦図書。

新会長に亀井忠雄氏

書店読売中公会の第17回総会が11月21日午後、新宿区のホテル・センチュリーハイアットで開催された。
会員総会では小林二郎会長(煥乎堂)が退任し、新会長に亀井忠雄氏(三省堂書店)が就任した。
引き続き取次各社幹部を交えて行われた総会で、小林前会長は「亀井さんにバトンタッチしてほっとした。
長い間お世話になり、心から御礼申し上げる」とあいさつ。
亀井新会長は「小林さんは見事に会長職をやってくださった。
読売中公会が業界の中で目立った存在となるよう、皆さんのご意見を伺いながら進めていきたい」とあいさつした。
読売新聞社渡邉恒雄社長はあいさつの中で最近の書籍離れの風潮に触れ、「テレビや映像の発展の影響もあろうが、携帯電話の害が大きい。
書籍文化を守るために、大学で読書の講義を入れ、企業も面接で読んでいることを試すくらいでないと。
書籍を読むほうが人格形成にはるかにいい。
子どもが本を読むようにしつけ、本が売れるようにならなければ日本はおしまいだ」と警鐘を鳴らした。
中央公論新社中村仁社長は「鈴木書店が今日、出版社に債権放棄を求める経営再建計画の説明を行った。
ダメージを受ける版元が多数出る。
いい活動をしている版元を店頭で盛り上げて本を売っていただきたい。
新社になって約3年、旧社は伝統を持っていてもフットワークがよくなかったが、新社になり成果が現れている。
店頭で売りやすい本をたくさん作っていく」とあいさつした。
取次を代表して日販菅徹夫社長は「世界と日本が大きく変わるとき、本の果たす役割は重い。
読売新聞社、中央公論新社はともに100年を超える伝統を継承してきた。
今後の企画力、商品力に期待している」と祝辞を述べた。

平成14年理事会日程

委員会理事会1月新年懇親会25日(金)2月20日(水)21日(木)3月休会4月17日(水)18日(木)5月23日(木)通常総会24日(金)6月19日(水)20日(木)7月17日(水)18日(木)8月休会9月18日(水)19日(木)10月移動理事会24日(木)11月20日(水)21日(木)12月18日(水)19日(木)

−無題−

(13・10・16〜13・11・20)▼病気傷害宇都宮市西1−4−2落合書店落合雄三殿40口松戸市小金原3−17−16ユーカリ書房前山登殿1口横浜市鶴見区鶴見中央5−15−6秋山書店秋山一郎殿6口江東区北砂3−14−22ヤマソウサイトウ斉藤政範殿3口葛飾区青戸1−19−5たんぽぽ館小松崎辰子殿2口豊橋市呉服町40豊川堂高須元治殿5口東筑摩郡波田町1511−3文成堂書店高嶋かつゑ殿1口京都市左京区山端川端町13愛松堂奥村書店奥村愛子1口京都市東山区三条通り東大路東入ブックスアリス西野達夫殿1口京都市伏見区淀本町173−24淀書房植村革次殿1口宮崎郡田野町甲2817−3大西ライオン堂大西国常殿8口▼死亡弔慰本吉郡志津川町十日町46文泉堂書店浅野義雄殿5口港区白金台5−13−26−305玄誠堂書店原悦二殿3口粕屋郡志免町志免307−1尾崎堂書店尾崎敏生殿3口南高来郡小浜町北本町903−3秋津屋書店伊藤泰子殿1口仙台市青葉区花京院2−2−68本のゴリラハウス都花京院店伏見博殿2口

万引き防止対策についてのお願い

近年、新古書店の増加に伴って、新刊書店におけるコミックの万引き被害が激増しております。
新古書店においては目玉商品であるコミックを読者から買い取ることで品揃えしており、人気の新刊コミックについては1冊150円、200円という破格な買い取り価格を宣伝して青少年から積極的にコミックの買い取りを行っています。
こうした新古書店の存在が、新刊書店における青少年の万引きを誘発することは、一度に20冊、30冊という大量の万引きが増えていること、複数名のグループによる青少年の万引きが増加していることでも裏付けられます。
このため、日書連では「万引き問題実態調査報告書」(平成12年10月)の発行や、ポスター、ステッカーの配布により、「万引きは犯罪であり、面白半分の万引きが青少年非行の第一歩になる」ことを世論に喚起し、書店には万引き防止機器を紹介して万引き防止に努めてまいりました。
同時に、新古書店が18歳未満の青少年から安易にコミックを購入しないよう、古物営業法の運用強化や各都道府県の青少年健全育成条例による規制を関係機関に求めてまいりました。
しかしながら、規制緩和の流れの中で、新たな規制の導入は困難というのが当局の示した見解でありました。
諸外国の書店やCD販売店では、出入り口に万引き防止センサーを設置して、商品の不正持ち出しを効果的にチェックしております。
出版業界においても、万引き被害の多いコミック本に製本段階でタグが挿入されれば、小売書店は安心して万引き防止装置を導入し、業界全体の万引き被害が減少することが予想されます。
万引き被害によって失われていた出版業界の逸失所得も出版業界に取り戻すことができます。
出版社には大変なご負担をおかけすることになり、恐縮には存じますが、何卒、書店の立場をご理解いただき、貴協会内に検討委員会を設置するか、出版文化産業振興財団を含む業界4団体の連絡委員会を設置して、早急に万引き防止のためのソースタギングの方法をご検討いただきたいと存じます。

大田BCの35周年祝い記念式典開く

東京都書店商業組合大田支部結成60周年、大田区立図書館共同納入のため設立した・大田ブックチェーン設立35周年を記念した式典が11月16日、大田区の大森東急インで開かれ、書店、出版社など総勢67名が出席した。
式典の席上、原田亮一大田支部長は「中小書店は今、大変つらい思いをしている。
雑誌を売る書店がこれ以上減少すれば、困るのは出版社。
組合活動に暖かい支援を」、原田秀之輔大田ブックチェーン社長は「本年度からTRCにアウトソーシングし、業務内容を一新することになった。
今後とも協力をお願いしたい」とあいさつした。
このあと来賓あいさつで東京組合の奥村副理事長は「35年前に共同出資の会社を作った大田ブックチェーンを見習って、われわれも協業化を推進している。
景気低迷の時代だからこそ互いに手を取り合って、どうやって生き残るか考えていきたい」、東京組合青年部の鈴木康弘会長は「非常に苦しいが、1冊を大切に売っていく姿勢を今後も持ち続けたい」と話した。

専務理事に山根氏

兵庫県書店商業組合は11月13日、神戸シーガル会館で11月定例理事会を開催、副理事長、専務理事、各委員会委員長を決めた。
理事会では先月の総代会で続投が決まった村田耕平理事長のあいさつに続き執行部の選出に入り、副理事長は三上一充(三上尚文堂)、大杉誠三(大杉広文堂)、大利信夫(大利昭文堂)の三氏が再任となった。
また、今年度から新たに専務理事を置くことになり、山根金造氏(巌松堂書店)を選出。
各種委員会の編成を別掲の通り決めた。
日書連報告・各支部報告では、■日書連から提供された東京都青少年条例、陳列区分のビデオを各支部に配布し、全組合員に回覧する、■万引きの事例報告があり、新古書店対策などとともに最重要課題として対処していく、■情報化推進のため組合員の情報化環境を再度調査する、■新規出店に関する組合への申請について取次に徹底していく−−などを意見交換した。
兵庫組合委員会編成▽総務・企画運営委員長=山根金造、▽財務・図書館事業委員長=大利信夫、▽広報・情報推進委員長=森井宏和(森井書房)、▽雑誌・発売日問題委員長=海野輝雄(光文堂書店)、▽取引・流通改善委員長、再販研究委員長=三上一充、▽出店問題・出版倫理委員長=村田耕平、▽共済会・増売委員長=大杉誠三、▽組織強化・読書推進委員長=坂田正美(甲南堂)(中島良太広報委員)

万引き対策呼びかけ

〔万引き対策〕増加する万引き対策として文教堂、紀伊國屋、三省堂など大手書店が万引き防止タグを製本時に組み込むよう出版業界に問題提起、20日に第一回会合が行われた。
この会合に出席した萬田会長は「日書連としても万引き防止のためのソースタギングを呼びかけたい」として、書協、雑協、取協、コミック版元大手5社に別掲の申入れを行うことを承認した。
〔スタートアップ〕井門委員長から10月22日に開催した学校図書館ネットワーク研修会の件が報告され、地元書店が納入できる管理ソフトを近く提案していくとした。
雑誌年間予約システムについては各取次と協議しており、雑誌社との話し合いも始めていく方針。
京都組合でテスト実施したパソコン装備は年内にも以後の展開を小学館と協議する。
〔発売日〕日書連は雑誌の全国同時発売を打ち出しているが、21日に出版社、取次の発売日本部委員を招いて勉強会を開いたことが安井副委員長から報告された。
東海ブロックからは、同一地区同時発売では発売日違反は根絶できないとしてスタンド業者に対する前渡し制度そのものの見直しを求める要望書が提出され、発売日本部委員会に働きかける方針を承認した。
〔増売運動〕船坂委員長から読書週間書店くじは前年実績の枚数を上回り、21日に抽選会が行われたこと、来春の春の書店くじは8百万枚発行することが報告された。
〔読書推進〕来年の世界本の日・サン・ジョルディの日に向けて実行委員会が組織された。
高須委員長はホームページを立ち上げ運動のPRを行う方針を説明。
文化講演会も全国十会場で開催する。
国会では「子ども読書活動推進法」の制定が審議されており、12月10日に憲政記念館で同法制定へ緊急フォーラムが開催される。
〔組織強化〕組織強化委員会は、各県組合で続く組合員の脱退理由、アウトサイダー店の把握、加入に向けた方策などを聞く実態調査を行った。
鈴木委員長は「組合加入のメリットが乏しい」という回答が多かったと説明し、加入メリットについて、さらに詳しい調査を行う方針を述べた。
〔経営取引〕不公正取引の事例で大阪から、デジキューブのゲームソフトがコンビニ版価格5980円、書店版6980円と異なる価格で販売されている指摘があった。
〔流通改善〕返品入帳の遅れについて日書連は4月から全国百店で入帳日数の定点観測を行ってきた。
藤原委員長はひとまず10月までの集計で調査をまとめ、12月に各取次と交渉、データをもとに入帳短縮化を働きかける。
〔情報化〕日書連ホームページのアクセス数について志賀委員長から10月は検索4万6千回、トップページは2万3千回と報告があった。
読者の注文を受注できるアドレス登録店は526店で、引き続きページビューと登録書店の拡大を図っていく。
〔広報〕来年4月から旬刊になる全国書店新聞の移行手続きについて今西委員長が説明。
ホームページ、eメールも活用して広報活動を充実していくと述べた。

新BIRDネットPOSデータ

ムック『東京ディズニーシーハンディガイド』講談社800円4-06-270618-0『あなたもチャレンジ中高年のためのパソコン講座NHK趣味悠々』日本放送出版協会1200円4-14-188328-X『福山雅治写真集MF』マガジンハウス819円4-8387-8339-6『世界戦記2002(第3巻)SportsGraphicNumberplusワールドカップカウントダウンシリーズ』文芸春秋781円4-16-008120-7『別冊miniplus』宝島社467円4-7966-2432-5『クッキン秋においしい献立』オレンジページ476円4-8730-3163-X7『もっと知りたい!陰陽師』宝島社800円4-7966-2440-68『HYPERHOBBYVOL.38』徳間書店648円4-19-720173-79『NorthAngler’sV.15』つり人社857円4-8853-6369-110『るるぶ東京横浜’02』JTB800円4-533-03957-X単行本『新・人間革命第10巻』聖教新聞社1238円4-412-01166-6『あいのり3』学研933円4-05-401539-5『声に出して読みたい日本語』草思社1200円4-7942-1049-3『ハリー・ポッターと賢者の石』静山社1900円4-915512-37-1『FINALFANTASYシナリオアルティマニア』デジキューブ1400円4-88787-010-8『吉澤ひとみ写真集よっすぃー』ワニブックス2300円4-8470-2676-47『あいのり21/2ラブワゴンの唄』学研1200円4-05-401538-78『プロジェクトXリーダーたちの言葉』文芸春秋1238円4-16-357670-39『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』静山社1900円4-915512-40-110『千と千尋の神隠し』徳間書店1500円4-19-861406-7文庫『冷静と情熱のあいだRosso』角川書店457円4-04-348003-2『冷静と情熱のあいだBlu』角川書店457円4-04-359901-3『PLATONICSEX』小学館476円4-09-402396-8『白い犬とワルツを』新潮社552円4-10-249702-1『魔界の刻印』早川書房540円4-15-030677-X『R.P.G』集英社476円4-08-747349-X7『ブリジット・ジョーンズの日記』ソニーマガジンズ700円4-7897-1737-28『どうにもならない五里霧中』富士見書房520円4-8291-1389-89『陰陽師』文芸春秋476円4-16-752801-010『人質カノン』文芸春秋476円4-16-754904-2実用書『ザ・ゴール』ダイヤモンド社1600円4-478-42040-8『カリスマ受験講師細野真宏の経済のニュースがよくわかる本銀行・郵貯・生命保険編』小学館1400円4-09-397461-6『マンション管理士試験予想問題集』住宅新報社1800円4-7892-2243-8『経済のニュースが面白いほどわかる本日本経済編』中経出版1400円4-8061-1288-7『〈私〉を変えるメイク革命』幻冬舎1429円4-344-90014-6『コンパクト・メディカ家庭の医学』小学館2500円4-09-304551-87『経済のことが面白いほどわかる本株と投資入門』中経出版1400円4-8061-1523-18『ディノスコレクション2001』扶桑社486円4-594-03196-X9『稼ぐ人、安い人、余る人』幻冬舎1400円4-344-90013-810『ディノスコレクション特別編集号』扶桑社371円4-594-03257-5

読み聞かせらいぶらりい

さよならのうたすずめのチュンに兄弟が生まれました。
有頂天になってこわいネコのゴンに思わず声をかけてしまいます。
にらまれ逃げたくなったチュンがとっさについた大うそは「さよならのうたが流行っているよ」。
でたらめに歌い続けるゴン。
こまったチュン。
語り手もゴンに習って即興の歌をどうぞ。
ちいさなやま「ちいさなやま」の筆者は日本画家です。
自然が失われゆく毎日。
丘のような山で、日が昇り、暮れゆく。
生物の息吹きが感ぜられます。
頁をめくる毎に溢れる緑。
画家から見た自然、生物が正確に描かれ虫かごのような絵本です。
今日は、何をしましたか。
1日の終わりに読める至福の1冊。
花になった子うし「どうーん」。
地球には、まだ1億万個を超える地雷が埋められています。
争いのなない地球を願って描かれた絵本。
地雷の探索に子牛が、一歩一歩。
そして…。
優しい絵と文。
英文の解説付きです。
反戦の大切さが心に染みる、晩秋の夜にゆっくり読む1冊。

業量の平準化が課題

東京都トラック協会の出版・印刷・製本・取次専門部会は11月19日、大久保のホテル海洋で第23回出版物関係輸送懇談会を開催。
輸送19名、出版社17名、印刷3名、製本3名、取次6名、日書連から奥村弘志雑誌発売日委員長、安井克典同副委員長が出席し、出版関係業界の現況について意見交換を行った。
懇談会では、荷主を代表して雑協の小田嶋進物流委員長(秋田書店)があいさつ。
「景気が低迷する中、出版物も1−9月期3・9%減で5年連続マイナス成長が決定的となった。
店頭に足を運んでもらう取り組みを続けたい」と述べた。
このあと、甲斐野豊副部会長(正運社運送店)が、6月27日に公布された自動車NOx・PM法の車種規制で、平成14年5月時点で政令案の猶予期間を超える関東地域の営業トラックは27万1千台のうち6万4千台となり、「最新規制適合車への買い替えコストは大きな負担になる」と訴えた。
また、瀧澤賢司部会長(ライオン運輸)は、輸送事業の抱える問題点について「運行車輛減少、運賃単価切り下げによる経費削減、おまけ付き雑誌、縮小模型入り雑誌など従来なかった形態の商品の出現による事故品発生率の上昇、さらに国・東京都によるディーゼル車の排出ガス規制が強化され、納品時間の厳守・配送品の質の高度化など輸送の質の向上が厳しく求められるようになったことが、経営悪化を増幅させている」と指摘。
さらに、9月23日(日、秋分の日)、24日(月、振替休日)を控えた22日(土)の業量が通常の2、3倍に膨らんだデータを示し、安全で良質な輸送を行うため「業量の平準化」を求めた。
懇談および質疑応答では印刷、製本、取次、書店の各代表が意見発表。
瀧澤部会長の「昔の書店は情があったが、最近の大型書店の店長は厳密に検品して、少しの遅れや傷も許してくれない。
『できなければ(他の業者に)代えるよ』と言われる」との発言を受け、日書連の安井雑誌発売日副委員長は「店長が輸送業者に事故品の買い取りを求めることなどは考えられないが、書店らしさが減っていることには危機感を感じている」と話した。

世界の老舗書店・有名店

香港の簡単な歴史をみてみよう。
香港は元来、中華帝国の一部であったが、19世紀半ば以降の中国とヨーロッパの接触の中で英領植民地として世界史の舞台に登場した。
英領植民地、香港は英中間の3条約を経て形成されたのである。
つまり香港は3次にわたり割譲面積が増えたのである。
3段階の歴史過程は以下の通り。
第1段階はアヘン戦争の終結条約である南京条約(1842年)で、香港島がイギリスに割譲された。
第2段階は第2次アヘン戦争の終結条約である北京条約(1860年)で、香港島対岸の九龍半島の先端部が割譲された。
第3段階は新開租借条約(1898年)で香港島周辺の235の島ならびに海面を99年間租借したのである。
以上が、香港が155年にわたってイギリスに統治された始まりの歴史である。
人口は678万人(2000年)、面積は1096平方(東京の半分)。
大部分は中国系住民で公用語は英語と中国語(実質的には広東語)で、返還後は中国語と英語である。
■商務印書館・スターハウス店香港でチェーン店数の一番多いのは商務印書館で、12店舗ある。
創業は1897年であるから100年以上の歴史がある。
出版社としても有名であり、信用度は極めて高い。
今回は商務印書館の中の最大店舗であるスターハウス店(星光行3F)を訪ねた。
女性店長の梁榮綜さんに店内を案内してもらった。
この店は本、文具、CD、喫茶、画廊がある。
ワンフロアーの総面積は約500坪で、本420坪、文具40坪、CD10坪、喫茶10坪、画廊20坪である。
この店の特色は圧倒的に商品量の多いことと、売場の広いことである。
香港一の売場である。
エスカレータで昇った正面に大きなレジカウンター(9)がある。
入口右側にはショーウインドウがあり、左翼には喫茶、画廊がある。
その他5坪程度の雑誌売場が独立している。
書店で雑誌を扱うのは珍しいケースである。
雑誌の種類は291誌(香港地元誌30誌を含む)であり、点数の多い雑誌はコンピュータ誌、服飾誌、くるま誌であった。
書籍売場に掲出されたメイン標識は次の通り。
美術、デザイン、ビジネス、学習補助、語学、辞書(社会人用)、コンピュータ、文学、レジャー、こどもの本、旅行書、新刊、ベストセラー、生活百科、自然科学、社会科学、人文科学、辞書、語学、中学参考書、コンピュータソフトである。
梁店長の話によれば目玉は店内中央に円形に陳列された新刊とベストセラーである。
その近くにバーゲン売場が設けられていた。
9折(10%オフ)である。
家永三郎自伝がこの中にあった。
売場を広くとっているのはコンピュータ書、絵画、デザイン、写真集である。
こどもの本の売場は店内の隅にあるが、さしたる演出はされていない。
木質のフローリングなので店内全体が落ち着いて見える。
各売場に椅子が用意されていて利用者が多い。
またサービスコーナーが店内に3ヶ所あり、担当者が読者対応していた。
総合書店であるが、アカデミックな本が幅を利かせているわけではなく知らずに店内を回遊してしまう。
専門書コーナー、一般書コーナー、実用書、美術書、こどもの本、参考書が融合している書店である。
■三聯書店・本店三聯書店本店は香港島・中環駅近くにある。
この店はチェーン6店の本部に相当する店で、間口5間、奥行13間の細長い店である。
3年前までは5フロア全部を使っていたが、現在は3階までの使用である。
エレベータ、エスカレータの設備はない。
3階売場は少し狭く、トータルでは約180坪の総合書店である。
三聯書店は保守的な感じの書店である。
石造りの店で建物は堅牢であるが、若者の来店が少ないように思われる。
それは店が楽しくないからであろうか。
商品の複合化がないので、メディア不足を感じてしまうのである。
三聯書店は出版もしており、三聯文庫を発行している。
日本の文庫と新書の間のサイズである。
内容は教養系文庫で、56点あった。
単行本の出版は文化、教育関連の本が多く自社出版の陳列段数は24段であった。
3階に陳列されている。
各階の商品構成は次の通り。
1階工商管理、流行小説、生活実用、寵物盆栽、美容健身、家居保健、食譜、命相風水、児童図書、児童有声書、数学、英文、語文、地図、旅遊、ベストセラー、生活哲学、生活指導、実用心理学、両性愛情、学習、思考法2階英文書のフロアである。
ビジネス、マネージメント、エコノミック、マーケティング、アカウンティング、アジアスタディ、ファイナンス、インベスト、語言学習3階医学書(中医、西医)、中国歴史、歴史、外国文学、民間文学、中国現代文学、中国哲学、芸術、宗教(仏教、道教、キリスト教、天主教、回教)語学

週刊売行き情報

創刊2周年を迎えた集英社新書『現代イスラムの潮流』『文明の衝突と21世紀の日本』が再び時流に乗った一方、新刊も好評で記念フェアと合わせ展開中です。
(文)(1)『ハリー・ポッターと賢者の石』静山社4‐915512‐37‐1……11冊
(2)『ルネッサンス』ダイヤモンド社4‐478‐32100‐0……9冊
(3)『HARRYPOTTER&THEPHILOSOPHER’STONE』BLOOMBURY0‐7475‐4955‐9……8冊
(4)『英語屋さんの虎の巻』集英社4‐08‐720113‐9……6冊
”『文明の衝突と21世紀の日本』集英社4‐08‐720115‐9……6冊
”『eメールの達人になる』集英社4‐08‐720119‐8……6冊
(7)『やがて中国の崩壊がはじまる』草思社4‐7942‐1089‐2……5冊
”『声に出して読みたい日本語』草思社4‐7942‐1049‐3……5冊
”『ジャック・ウェルチわが経営(上)』日本経済新聞社4‐532‐16400‐1……5冊
(10)『ジャック・ウェルチわが経営(下)』日本経済新聞社4‐532‐16401‐X……4冊
”『上海を制する者が世界を制す!』ダイヤモンド社4‐478‐23116‐8……4冊
”『〔図解〕わかる中国ビジネス』ダイヤモンド社4‐478‐23119‐2……4冊
”『日本経済生か死かの選択』徳間書店4‐19‐861429‐6……4冊
”『ハリー・ポッターと秘密の部屋』静山社4‐915512‐39‐8……4冊
(15)『製造業は不滅です』経済界4‐7667‐8233‐X……3冊
”『2002年日本経済21世紀型恐慌の最初の年になる!』東洋経済新報社4‐492‐39357‐9……3冊
(11月18日〜24日調べ)

週刊売行き情報

年末に向け、また道路工事による渋滞が多くなると思うとうんざり。
税金の無駄使いと言われないためにも、早い段階で特殊法人改革を具体的に進めてほしい。
(井)(1)『ハリー・ポッターと賢者の石』静山社4‐915512‐37‐1……10冊
(2)『ハリー・ポッターと秘密の部屋』静山社4‐915512‐39‐8……7冊
”『ドラゴンクエストIV導かれし者たち』集英社4‐08‐779137‐8……7冊
(4)『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』静山社4‐915512‐40‐1……6冊
(5)『ルネッサンス』ダイヤモンド社4‐478‐32100‐0……5冊
”『ジャック・ウェルチわが経営(上)』日本経済新聞社4‐532‐16400‐1……5冊
(7)『ジャック・ウェルチわが経営(下)』日本経済新聞社4‐532‐16401‐X……4冊
”『鳥頭紀行・くりくり編』角川書店4‐04‐883712‐5……4冊
”『早く肉をやめないか?』三五館4‐88320‐236‐4……4冊
”『後藤真希写真集』ワニブックス4‐8470‐2679‐9……4冊
”『美人画報ハイパー』講談社4‐06‐210899‐2……4冊
(12)『ことばの魔術師からの贈り物』ベストセラーズ4‐584‐18637‐5……3冊
”『なぜか「お金が貯まる人」の習慣』ぶんか社4‐8211‐0753‐8……3冊
”『言葉でわかる「話を聞かない男、地図が読めない女」のすれ違い』主婦の友社4‐07‐231900‐7……3冊
”『十津川警部帰郷・会津若松』講談社4‐06‐182216‐0……3冊
(11月18日〜24日調べ)

ふるさとネットワーク・岩手

私たちが普段使っている国語辞典のルーツは「言海」にあり、今も「大言海」として冨山房から刊行され続けていますが、これを編纂した大槻文彦は一関市に縁の深い人物でした。
完成までに16年を費やした「言海」は、イロハ順に並べられ百科事典的色彩が濃厚だったそれまでの辞書と異なり、50音順で文法をも載せた画期的で本格的な国語辞典として自費出版されたのでした。製作にまつわる苦労譚等については、高田宏著「言葉の海へ」に詳しいので略しますが、一関市博物館には「文彦と言海−本格的国語辞書の著者」コーナーを設けて各種「言海」の実物、資料を展示しています。
他には日本刀の原型、舞草(もくさ)刀、漢字とかなを用いた数字、和算、江戸時代の蘭学の中心人物、大槻玄沢のコーナーもそれぞれ独立して常設展示されています。
(栗原秀郎広報委員)

ふるさとネットワーク・宮城

日本最高、十億円!−−宮城県がメジャーに送り出したシアトルマリナーズのストッパー、大魔神こと佐々木投手の来期からの1年の年俸額である。
名取市・なとり幼稚園に通っていた頃から、早生まれなのに友達より頭一つ大きかった。
早産のため虚弱体質だったが、遊びにになると野生児振りを発揮。
乳製品メーカーに勤めていた父忠夫さんが「牛乳をいっぱい飲むと体が丈夫になるぞ」と話した影響か、水代わりに1日10本は飲んでいたという。
6年生の時には健康優良児に選ばれた。
ここで佐々木投手への熱き思いも結集、「宮城米贈る実行委員会」の13年度事業計画の概要を紹介すると、佐々木投手の1つの勝ち星(セーブを含む)に対して宮城米を贈呈少年野球教室(小学高学年)を開校する−−以上野球にかけた地元ファンの熱意の一端を紹介した。
(梅津理昭広報委員)

ふるさとネットワーク・山形

上京の都度利用している山形新幹線について考察してみました。
平成4年にミニ新幹線のパイオニアとして山形まで開業し、平成11年には新庄まで延伸しました。
福島から山形までの在来線のレールの幅を、狭軌(1067ミリ)から広軌(1435ミリ)に改良工事して、トンネル・鉄橋などはそのまま利用しています。
「つばさ」の愛称で、おおむね1時間に1本運行されており、最速で山形−東京間2時間33分とL特急運行時より半分の時間で到達します。
山形(新庄)を出発し、福島駅にて「やまびこ」と併結されて東京へと走ります。
ミニ新幹線の区間は踏切がそのまま。
従って最高スピードも時速130キロです。
電車最前部より観察すると、48カ所ある踏切はかなり危なさを感じます。
開業時には「ビックリ四十八」とあだ名されたのが実感できます。
(原田吉則広報委員)

ふるさとネットワーク・秋田

直径2メートルはあるだろうか。
アルミの釜の中に杜氏が腰までつかり、蒸しあがったばかりの米をスコップでかき出す。
蒸し米はベルトコンベヤーの台に広げ、手早く冷ます。
ホカホカの米は固くて弾力がある。
味はほとんどしない。
酒の原料に使う米は7度まで、米のでんぷんを糖分に変える麹用の米は40度まで冷ます。
台に広げた米に粉状の麹菌を振りかける。
仕込み蔵では、もろみ造りが始まる。
もろみは酵母を培養した酒母と麹、蒸し米、水を3段階に分けて、4日で仕込む。
1カ月かけて発酵させると、酒と酒かすになる。
杜氏の朝は早い。
5時に「もろみのつらを見て」発酵状態を確認。
その日の仕込みに入り、午前10時前に一段落する。
蔵元が50ほどある「美酒王国」秋田はいま、杜氏の高齢化、酒の消費低迷、独自のブランド開発など、転換期を迎えている。
(木村和一広報委員)

ふるさとネットワーク・青森

11月になると、津軽平野に広がるりんご園では主力品種である「ふじ」の収穫が最盛期を迎える。
そして県内のあちらこちらで、秋の収穫への感謝を込めた様々な祭りやイベントが行われる。
常盤村では「ときわいきいき祭り」が行われ、県産米の「つがるロマン」を使った恒例の日本一のジャンボおにぎり作りに挑戦。
本年もみごとに完成した。
また下田町では「日本一のしもだ鮭まつり」が行われた。
会場では恒例のサケつかみ捕りのほか、今年から始まった新イベント「サーモンレース」に人気が集まり、勢い余ってコースを飛び出すサケや、水しぶきに大きな歓声があがった。
そしてこの秋、青森県組合は加盟店を対象に、加盟店の実態と意識調査のアンケートを行った。
これがこれからの活動に実りをもたらすよう現在集計分析中である。
(岡田義哲広報委員)

ふるさとネットワーク・福島

観光立市を第一にめざす会津若松市では、各商店街が積極的に街並の改造に取り組んでおり、七日町通り、野口英世青春通りなど整備の進んだ街と鶴が城や御薬園、飯盛山などの観光スポットを結ぶ交通手段確保が重要となった。
そのため、まちなか周遊バス「ハイカラさん」の登場となり観光客に好評を得ている。
緑色と黄色に塗られたレトロ調の可愛らしいボンネットバスは市内1周50分、1日8便、1時間ごとに運行されている。
会津若松市は城下町のために道路は狭く一方通行が多く、縦の通りは、侵入した敵に備えて筋違いになっているために、小ぶりなバスは最適。
五十嵐恵美さんという23歳の、ガイドから転身した美人バス運転手も参加して華を添えている。
まちなか活性化の期待を一身に集めて、今日もハイカラさんが通る。
(佐藤良平広報委員)

ふるさとネットワーク・北海道

車が止まった。
間を縫うようにヒョコ、ヒョコと国道を横断するものが。
ネズミかな、向こう端に着きこちらをつぶらな瞳で見ている、エゾリスだった。
道路のその向こうには鉄道林、少し行くと野幌森林公園(北海道立)が広がっている。
この公園は札幌・江別・北広島の三市にまたがり2051ha(東京ドームの約450個分に相当)の広さを誇り100万都市の都心から30分とかからない世界的にみても珍しい森林公園。
春はミズバショウ等の花、夏は森林浴、秋は紅葉、冬は探鳥、歩くスキーなど自然の宝庫・道民の憩いの場でもあるが、以外と知られていない穴場だ。
初雪も降りいよいよ厳しい冬が待ち受けている。
リスは命をかけて一歩を踏み出した。
私はリスに書店業界を重ね、思いをはせて心にそっと共に「がんばろー」とつぶやいた。
(松山雄洋広報委員)

本屋さんのパソコン活用パート2(23)

◇IT幻想崩壊からの旅立ち「IT革命が不況を脱する特効薬」と騒がれ5年過ぎます。
PCが書店で使われだして10年になるでしょうか。
その間の書店業界の売上は、全体的には減少しパイの奪い合いでした。
「インターネットで豊富な情報が瞬時に得られる」と騒がれPCを購入しプロバイダーと契約した人がもう6千万人に迫ります。
結果、情報生活が豊かになったと実感できたでしょうか?この答えこそが書店のIT化の方向を案内(Inform)してくれます。
IT流行は「IT」の内容を自分で吟味しないで解説者の言葉から夢想し万能の神と考えた錯覚の賜物でした。
30年前、「デジタル思考とアナログ思考」を対比してアナログは時代遅れ、デジタルこそが経営を救う、とコンピュータに関連させて宣伝されました。
7年前からはデジタルだけでは偏るためアナロジー思考と併用すべき、と変ってきています。
別に「デジタル」や「アナログ」や「IT」が変ったのではなく、人間側の理解が夢想から事実に近寄ったにすぎません。
◇出版流通業界IT化の戦後史事実の積み重ね、変遷を辿ると実態が見えてきそうです。
年表1のように、取次が配本や社内業務にコンピュータを導入します。
次いで図書館の書誌検索や蔵書管理のコンピュータ化に伴って光学読取コード(MARC)が取次を中心にIT化されます。
なぜ取次かというと、コンピュータは高価で業界では取次くらいしか資力が無かったからでしょう。
MARCが出来ると在庫確認や受発注にコンピュータを使えますから、出版社の在庫・出庫管理や取次との受発注データのやり取りが電子化されます(EDI)。
同じするなら適正配本の為に書店の売実績や返品データとマッチさせる方が得策と、取次が書店POSシステムを開発し販売します。
おおよそこのようにIT化は進行してきました。
出版社=取次=書店のEDI化です。
書店軒数の30%で全体売上の60%のシェアがあるなら、この30%の書店がEDI化すると、その売上を中心に本の流通がシステム化さるでしょう。
販売データは従来のようにスリップではなく電送され売実績となり、それを元に次回の配本を決めていく、逆に書店からの電子注文数の積み上げを基礎に刷り部数が決められ配本される、いわゆるSCM(サプライ・チェーン・マネジメント)にも発展します。
刷り部数5千部の書籍はどうなるの?今でも小規模書店には新刊配本は殆どないので状況は大差ないかもしれません。
70年前迄は大半の本屋は「雑誌販売店で、配達販売だったじゃないか」と歴史の声が聞こえてきそうですが、本屋をやりたい夢もあれば生活もあります。
◇幻想の排除と、業界動向から書店ITを書店がITを導入さえすれば売上が伸びたり利益が増えるわけではありません。
前回の「業務管理のあらましとPC代替業務」の管理業務を記録したり、考え出した指標と現実のデータを近づけるべく業務を変更したり、個客嗜好を自店の客注分析やPOSデータの商品特性・販売機会特性で分析し、従来未入荷だった商品を発見、個客嗜好にマッチさせていくなど無数の工夫と作業が伴わねば、通帳の月末残はプラスになりません。
書店のIT化はそのための準備です。
書店経営の情報面だけのインフラです。
それをどう活用するかはPCやインターネットの操作法(PCスキル)ではなく、身の回りにある声や色やカタチや文字や映像の変化といった刺激から行動の指針を嗅ぎ取る能力、読書や他人の話を聞いて理解していける基礎知識や理解力といった情報リテラシー(Information&IntelligenceLiteracy)にあります。
いわば、読み・書き・情報処理でしょうか。
これは思い込みや偏見私見を排除してありのままに、自分の思考も含めた現実を見つめる姿勢で培われるようです。
店売の売上管理を表計算ソフトでしようとします。
どんな管理表を作るでしょうか?例えば、レジ分類別の冊数と売上金額を日別に入力し集計しシェアを出したとします。
雑誌が先月に比べて10%落ちた、コミックが5%上がったがこれは新刊の当たりがあったからだ、とか説明できます。
でも明日の売上増加のために何をすればよいのか具体的な業務改善の方策は出てくるでしょうか?レジ分類別管理は売れトレンドをジャンルで捉える有効性を持っていますが、具体的な販売策は答えてくれません(「本屋さんのパソコン入門1回」全国書店新聞1997年6月25日号参照)。
それよりも現在売れているジャンルの単品管理を在庫ベースで行い(「本屋さんのパソコン活用パート2」16回2001年9月26日号)、単品別の実売間隔から必要十分在庫数に調整する方が、明日の利益を生む具体的な行動(在庫の減少と不足商品の補充など)を示してくれます。
◇データ処理は自分で適正を判断して私も売上管理をレジ分類管理表でやってますが、何故その表で管理しようと決めたのか、振り返ってみました。
行き着いた処は、優良書店と云われる書店がやっていたのをマネした、でした。
でも自店でやってもそれで売上は上がりませんでした。
その表を記入することで仕事に対する意識が変わり、其の変化が日々の作業に変化を起こしたのでしょうし、売れる時代だっただけかもしれません。
要するにモノマネであって無批判に管理形態を取り入れて自己満足していただけです。
書店管理は多岐にわたりますし、その手法や作表法も多くあります。
それらツール一つひとつについて、自店での有効性と必要優先順位を自分で十分検査してPC化していく事が大切と思います。

公取委に新契約提出

3月に「当面存続」の結論が出た再販問題で、残されていた取次−小売の再販契約書改定案がまとまり、11月20日に公取委に提出されたことが22日に開かれた日書連理事会で報告になった。
新契約書では再販弾力運用のため、除外規定として新たに2項目が追加され、弾力運用の一人歩きが懸念されていたが、契約と同時に覚書きを交わすことで契約を明確化することになった。
取次−小売の再販契約で難航したのは、再販除外規定。
旧契約では再販を適用しない場合として■汚損本の処分、■官公庁の入札、の2項が規定されていただけだったが、出版社−取次の新契約に新たに2項目が追加されたことから、取次−小売の契約にも同様の項目が追加された。
追加されたのは■出版社が再販出版物の定価表示の変更措置をした場合、■出版社が認めた場合の定期刊行物・継続出版物の長期購読前金払い、大量一括購入、その他謝恩価格本等の割引−−という規定。
日書連では、新たな除外規定で弾力運用が一人歩きして暴走することを懸念、覚書きで■3項、4項を実施する場合は公平性が確保されるよう配慮し、事前に業界紙等に広報すること、■謝恩価格本販売で、それに参加しない書店の損害が生じた場合、返品入帳等を承諾すること、■契約で規定する謝恩価格本の販売は小売独自の判断で実施するものは含まないこと−−として拡大解釈ができないよう一定の歯止めをかけた。
理事会で報告を行った中村宣勝再販委員長は「事前の広報活動により、版元の謝恩価格本セールには誰でも参加できる。
また、周辺書店で販売に影響を受けた場合は、在庫商品を返品できるようになった。
小売り独自の謝恩価格本セールもできない」と説明。
理事会はこの報告を了承した。
また、3月の公取委の結論で「著作物再販制度の弾力的運用に関する協議会」設置が決まっていたが、同協議会の第1回会合が12月4日に開かれることになった。
出版業界からは相賀昌宏小学館社長が出席する。

本屋のうちそと

2月の本欄で紹介したTさんが92歳の生涯をとじた。
14年にわたる満州での憲兵時代の記録を綴った原稿は、まだ預かったまま本の形になっていない。
Tさんは死の床で「たのむはげな、たのむはげな」と何度も繰り返し手を握った。
人生の前半で犯した罪を、後半生をかけて償おうとした壮絶な人生を思うと、原稿を託された責任の重さを感じずにいられない。
法要の席上、友人でもあった住職が40数年前にTさんから「どうしたら罪を償えるか」と相談を受け、328人にのぼる「殺人」の告白におののいたこと。
僧職にも答えの出せなかった「罪の償い」に生涯をかけたこと。
今また始まった「新しい戦争」に、人としてどう向き合うかを問うていると語った。
原稿は、各地で行った講演のための下書きで、貧農出身の「自分」が立身出世のために憲兵を志し、罪もない中国人を拷問し殺してきた罪状が書きつらねられている。
生前、憲兵同期生からは「祖国に反逆した憲友に対する」公開質問状が届いた。
Tさんの罪責が憲兵仲間はもちろん、日本が「認めたくない」「隠したい」負の歴史につながるからなのだろう。
「五族協和・王道楽土」といった身勝手なスローガンのもとにつくられた「満州国」の「建国」から崩壊までを「鬼」として、後半生を「人」として死ぬために生きたTさんの人生から、私たちは何を学べるのか。
本は1月に霊前に奉られ、Tさんの長い旅は終わる。
合掌。
(どんこ水)

寄贈図書は132万冊

読書週間の行事として、昭和27年から矯正施設や福祉施設に本を届ける「読書のめぐみ」運動が今年50周年を迎えたのを記念して、11月19日午後6時から出版クラブ会館で記念式典と祝賀会が行われた。
同運動は東京出版協同組合の主唱で発足、昭和61年から日本出版クラブの参加で全国規模となったが、この間に寄贈した図書は合計132万冊。
記念式典では出版クラブ野間佐和子会長が「東京出版協同組合森田理事長の主導で初めは小さな灯が大きな輝きとなり、運動が大阪、京都、福岡と広がった。
読書の楽しみが一人でも多くの人に広がるよう続けていきたい」とあいさつ。
続いて東京出版協同組合森田理事長が50年んも経過を報告。
「読書は人間だけに与えられた特権。
貧富、境遇によって読みたくても読めない人に読書機会をという趣旨で始めた。
金森国会図書館長も運動に共鳴して協力してくれた。
その後、出版クラブの支援で軌道に乗った集品、配本と多くの交野協力に支えられた。
今年も4万冊寄贈したが、これまでに132万冊、定価に換算すると17億円の社会貢献をしたことになる」と述べた。
法務省矯正局鶴田局長、東京都福永副知事に今年度の目録を贈呈した後、森山法務大臣、東京都知事、大阪府知事、読書のめぐみ推進本部から協力出版社に感謝状を贈呈。
祝辞を述べた森山法務大臣は「昭和27年以来、施設に数多くの良書をいただいた。
図書は知識を吸収し、情操を豊かにし、社会復帰に大きな役割を果たす。
施設、収容者とも大いに感謝している」と関係者を励ました。

最優秀作に田口さん

ミヒャエル・エンデ『はてしない物語』日本語版刊行20年を記念した創作コンクールの表彰式とシンポジウムが11月10日午後、飯田橋のホテルグランドパレスで行われた。
同コンクールには7歳から86歳まで1285編の応募があり、最優秀には国際基督教大学2年田口かおりさんの「青い魔法」が選ばれた。
田口さんは受賞のあいさつで「幼い頃からエンデの作品を読んできた。
1995年にエンデが亡くなり呆然とした。
今回、応募作品を書いていて、再びエンデが戻ってきたようだ。
バスチアンやフッフールに会える。
そんな感じでした」と語った。
表彰式に続いて審査委員の赤川次郎、岩崎ひろみ、上田真而子各氏と哲学者の鶴見俊輔氏でシンポジウム「21世紀のものがたり」が行われた。
この日のシンポジウムの記録と小学生、中学生、高校生、専門学校・短大・大学生、一般各部門の最優秀作、優秀作は単行本として来年1月に出版される。