全国書店新聞
             

平成18年8月11日号

謝恩価格本フェア/今秋で第7回

書協は今秋の読書週間に向けて、第7回ネット謝恩価格本フェアの募集を開始した。
フェア実施期間は読書週間をはさんで10月12日から12月12日の2カ月間。発行後1年以上経過した児童書、実用書(ムック含む)、文芸書、人文書、辞事典、美術書を50%オフで販売する。手数料は昭和図書の入出庫・保管手数料として販売価格の10%、ブックサービス手数料として販売価格の25%を予定。
前回フェアでは出版社93社から1349点が出品され、9150冊、総額946万円を販売した。

上半期1.8%減に/雑誌4.6%の大幅減/出版販売額

今年1~6月の出版物販売額は書籍が前期比1・7%増の5082億円と健闘したものの、雑誌は月刊誌が3・9%減の4679億円、週刊誌は6・9%減の1331億円、雑誌合計で4・6%減の6010億円となり、上半期としては過去最大のマイナスを記録した。以下、出版科学研究所の『出版月報』7月号から上半期の出版概況を紹介する。
〔書籍〕
書籍は初版200万セットを刊行した『ハリー・ポッター』新刊や、文庫版『ダ・ヴィンチ・コード』などメガ・ヒット商品が貢献して、販売金額は前年を1・7%上回った。しかし教養新書ブームで定価700~800円の商品が売れたため、金額の伸びは部数の伸び(2・3%)を下回った。
教養新書は『国家の品格』202万部、『人は見た目が9割』70万部、『下流社会』80万部などベストセラーが続出して、長期間にわたって大部数が売れ続けている。
文庫では『ダ・ヴィンチ・コード』が契約販売制で初版各60万部を配本。7月までに合計8百万部を販売したほか、TVドラマ化、映画化などのメディアミックスで『功名が辻』『白夜行』『博士の愛した数式』などが売れた。
ジャンルを超えた動きでは、団塊の世代を狙った中高年市場の活況が目立ち、脳トレーニングやドリル、大人向け塗り絵などの「脳活性化」ものがヒットした。
書籍の新刊点数は2・7%増の3万9329点だが、取次窓口扱いの新刊点数は2・1%減の2万8517点となり、減少に転じている。
〔雑誌〕
月刊誌・週刊誌合計の推定発行金額は2・1%減で発行ベースで前年割れになっている。これに加えて金額返品率は1・7%上昇。月刊誌の返品率は書籍に近づきつつあり、1、3、4月期に書籍の返品率を上回ったほか、4月には返品率が40・7%を記録。40%の大台を超えた。
「雑誌の不振は商材の不足によるもの」と出版科研では見ている。昨年までなら女性誌や分冊百科などの新雑誌が数値を押し上げていたが、今年はそういう要素がなく、マイナス幅が拡大したという。本誌の不振を補うために不定期誌は増刊・別冊の新刊点数が2986点と2・1%増加。ムックも3798点、3・8%増と増加傾向にある。
上半期の創刊点数は77点となり前期比37点減。発行部数で32・3%の激減。休廃刊は前年並みの83点で、創刊点数を6点上回った。
週刊誌の発行状況は部数で5・0%減、金額で3・8%減。部門別では「児童」「女性」「その他」の落ち込みが目立つ。
分冊百科は創刊点数が14点で、前年比6点少ない。定期誌のみで見ると発行部数は17・6%減と2年連続の2桁減。02年から04年に点数が急増した反動が出ている。
月刊誌・週刊誌合わせたコミック誌の発行部数は5・4%減。月刊誌が7・1%減、週刊誌は4・0%減。子ども向け月刊誌は7・5%減、大人向け月刊誌も6・9%減。週刊、月刊ともにコミック誌の縮小が進んでいる。

読書週間書店くじ実施要領

▽実施期間平成18年10月27日(金)より11月9日(木)まで。書籍・雑誌500円以上購入の読者に「書店くじ」を進呈
▽発行枚数600万枚。書店には1束(500枚)3750円(消費税込)で頒布
▽申込方法束単位で注文ハガキに必要事項を記入し、所属都道府県組合宛に申し込む。
▽配布と請求方法くじは取次経由で10月25日前後までに配布。代金は取引取次より請求。
▽当選発表12月5日。日書連ホームページ並びに書店店頭掲示ポスターで発表
▽賞品賞品総額8680万円、9・8本に1本の当選確率
特等賞=英国7日間の旅60本
1等賞=図書カード1万円600本
2等賞=図書カード又は図書購入時充当1千円1800本
3等賞=同5百円1万2000本
4等賞=図書購入時に充当百円60万本
ダブルチャンス賞=図書カード1万円100本
▽賞品引換え特等賞は当選券を読者より直接日書連に送付。1、2、3、4等賞は取扱書店で立替え。図書カード不扱い店または品切れの場合は、お買い上げ品代に充当。ダブルチャンス賞は平成19年1月15日(当日消印有効)までに読者が直接日書連にハズレ券10枚を送付
▽引換え期間読者は平成18年12月5日より19年1月10日(消印有効)まで。書店で立替えたくじは平成19年1月31日までに「引換当選券・清算用紙(発表ポスターと同送)」と一緒に日書連事務局に送付
▽申込み書店特典組合経由の申込店から抽選で3店に英国7日間の旅無料随行員。

『しおりいらずの一気読み』06年読書週間標語

第60回を迎える2006年「読書週間」のシンボルマークと標語が決まった。今年の読書週間標語は「しおりいらずの一気読み」。文化の日を中心に10月27日(金)から11月9日(木)まで2週間実施される。第1回は昭和22年の開催。

実態調査を基に書店環境改善を推進/佐賀総会

佐賀県書店商業組合(岩永藤房理事長)は7月23日午前11時から、唐津市城内閣で第24回通常総会を開催。組合員45名(委任状含む)が出席した。
冒頭であいさつした岩永理事長は、「書店業界は以前は店に客があふれていて他業界から羨ましがられた時代があったが、今は本を売る以前に、どうしたら客に店に来てもらえるか考えなければならない大変な時代になっている。『国語力が日本を救う』といわれる今、本を読むことの大切さが求められている。我々ももっと本を売る努力をしなければならない。日書連でも、書店環境の改善を求めて環境改善ワーキング機関を設置し、実態調査の結果を基に流通改善、取引改善に取り組んでいる」と述べ、岩永理事長もその委員として懸案に取り組んでいることを報告した。さらに18年度の事業としてサン・ジョルディ文化講演会に取り組む意向を示した。
来賓あいさつでは篠塚周城顧問が「書店は地方文化の発信拠点として大変大事な役目を担っている。朝の読書運動、読み聞かせ運動などを通して本を読む環境作りを推進するとともに、本の情報を積極的に流すなど、本になじむ人が増えるよう努力してほしい」と述べた。
総会成立を溝口理事が宣言した後、江口理事を議長に選出して第1号~第5号議案の審議に移った。事業報告、事業計画案は高田副理事長が、決算報告、予算案については西田会計が報告し、承認された。
その他の議事の中で小野副理事長が日書連共済会の現在の動向について詳しく述べ、今後の継続が困難な見通しを説明した。また、情報化委員長の江口理事が日書連マークの推進について説明。「行政との交渉は組合で当たり、〝地域の書店〟と〝納品の速さ〟をポイントに説得するのが大切。福岡の中尾書店さんが実績があって詳しい。私も出来ることはサポートする」と述べた。
総会の締めくくりは古賀理事の音頭で大会スローガンを全員で斉唱し、高田副理事長の閉会の辞で午後12時20分に終了、その後直ちに懇親会を行なった。
(近藤甲平広報委員)

日書連マークの特別研修会開く/山形総会

山形県書店商業組合(五十嵐太右衛門理事長)は、7月26日に山形市やまがたグランドホテルで平成17年度通常総会を行ない、組合員41名(委任状含む)が出席した。
総会は米沢遠藤書店・遠藤副理事長の開会宣言で始まり、五十嵐理事長のあいさつの後、高陽堂書店・高橋副理事長を議長に1号議案から7号議案まで慎重に審議し可決された。
その後特別研修会として「日書連マークと学校図書館コンピュータシステム」が開催され25名が参加。教育システム・長尾社長が講演した。
(五十嵐靖彦広報委員)

組織率向上に取組む/滋賀総会

滋賀県書店商業組合(平柿宗敏理事長)は7月26日草津市「クサツエストピアホテル」で第23回通常総会を開き、組合員51名(委任状含む)が出席した。
総会は山田康義理事の司会で進行し、冒頭あいさつで平柿理事長は「書店にとって厳しい状況の続く中、組合にコンプライアンスが求められるほか、図書館指定管理者制度などに対処するための支部の法人化や、書店としてのスキルアップが求められている。また、組合員数の減少を考えると、賦課金の検討を含め組織率の向上に取り組む必要があり、対処していきたい。その他、文字・活字文化の普及に書店としての一助を発揮したい。その意味で広く他団体とも付き合っていくつもりだ。当組合もホームページを立ち上げ、広報をはじめいろいろな情報を掲載しているので、組合員の皆様からご意見を頂戴し、ともに組合活動を進めていきたい」と話した。
続いて加藤理事を議長に選出して議案審議を行い、平成17年度事業報告、収支決算報告、平成18年度事業計画案、収支予算案など、第1号議案から第7号議案まで全ての議案を原案通り可決承認した。
総会終了後、京都新聞社主催の第35回「お話を絵にする」コンクール選定図書の書店スリップコンクール表彰と懇親会を行なった。
(加藤務広報委員)

生活実用書/注目的新刊

姫野友美著『女はなぜ突然怒り出すのか?』(角川oneテーマ21B―81724円)という魅力のあるタイトルを見つけて、思わず手に取ってしまった。心療内科医の女性が著した本である。従って、女性の核心に迫り、男性の嘆きの理由をも明確に説いてくれるだろうと当たりをつけたのだが、実際その通りだった。第一章のタイトルからして、どうして女はいつもこうなんだ!―男をイライラさせる「女脳の秘密」、である。どうして「こう」なんだ、の「こう」に当てはまる男のアンケートBEST3は、①すぐ感情的になる②おしゃべり③わがまま、だったそうだがその解明がスタートなのだ。
女と男では脳の構造がかなり違うのである。間脳に前交連という左右の脳をつなぐ回線があって、これが女の方が太い。前交連は快・不快や怒りなど感情の連絡通路。太ければ感情の情報を多く流すことができ、表現が豊かになるのだが、時々処理能力の追いつかないことがあって、それがいきなりの大嵐となるらしい。左右の連絡橋が広いことは、情報が次から次へと言葉を発することができることであり、おしゃべりにつながっている。しかも男にとって辛いのは、しゃべるという価値感が脳構造の段階からして違っているからだ。女はしゃべるとドーパミン(快感ホルモン)が活性化する。最早、男には対抗する手段はない。
しかし、理由さえわかれば納得できる。そうすれば「別の生き物」の女と男が、家庭や職場でもっとわかりあえるだろうと著者は説いている。
鈴木由加里著『女は見た目が10割誰のために化粧をするのか』(平凡社新書333740円)。そんなことあるか、というのが大学講師の著者の立場。男の目を意識してなどと信じているオトーサンは考えを改めた方がいい。「女性たちが化粧やメイクに見出したい物語は自分らしさや積極性」だからだ。目には見えないが、女性を抑圧する「キレイ・イデオロギー」。そこから解放された時に、初めて楽しみになるだろう、と著者は言う。小学生のメイクから、美容整形など、様々な現象を取りあげた文化論。
竹内一郎著『人は見た目が9割』(新潮新書137)という本もあるし、女ばかりか誰もが見てくれを気にするのが現代なのかもしれない。
(遊友出版斎藤一郎)

中山理事長を再選/長崎総会

長崎県書店商業組合(中山寿賀雄理事長)は7月27日午前10時半から、諫早市「水月楼」で第19期通常総会を開催、組合員75名(委任状含む)が出席した。
総会は草野専務理事の司会で進行。中山理事長はあいさつで、閉店及び脱退の店が多くなり、本年度は8社の脱退と2社の入会で昨年より6社減少し、組合員数が百社を切って非常に厳しい時代だと述べた。このほか、日書連共済会と景品規約の件などの説明があった。
山内副理事長を議長に選任して議案審議に入り、事業報告は中山理事長、決算報告は草野専務理事が行い、辻監事が監査の結果適正であった旨の報告をして全員異議なく承認された。また、平成18年度事業計画案を中山理事長が、収支予算案を草野専務理事が説明して承認された。役員改選では、選考委員を選んで理事17名、監事2名を承認、中山理事長を再選した。
来賓として中央会の井上氏があいさつ。その後の懇親会ではテジマ運送の小川常務よりあいさつをいただき、無事に総会と懇親会を終了した。
(古瀬寛二広報委員)
▽理事長=中山寿賀雄(好文堂書店)▽副理事長=尾崎嘉生(長崎書店)山内俊雄(山内書店)辻田信(博文堂)▽専務理事=草野義広(くさの書店)▽監査=小嶌保之(住吉書店)辻清文(金明堂書店)
▽SA委員長=川崎孝(メトロ書店)▽雑誌発売日励行委員長=辻田信(博文堂)柴原伸八郎(ブックスマルシン)▽広報委員長=古瀬寛二(ながせや)

日書連のうごき

7月2日関東ブロック会に丸岡会長が出席。
7月3日「赤い鳥文学賞」贈呈式に石井総務部長が出席。子どもの読書推進会議総会に高須副会長と大川専務理事が出席。
7月4日リブロ出店問題で日販と意見交換、下向理事、大野理事ほか数名が出席。
7月5日絵本ワールド返品問題打合せ会に大川専務理事が出席。
7月6日東京国際ブックフェア開会式に丸岡会長が出席。全国情報化推進委員長会議。
7月7日読進協事業委員会。講談社との増売2者会談に井門、藤原両副会長が出席。活字懇並びに活字議員連盟に、丸岡会長、大橋副会長ら役員が出席。
7月11日再販研究委員会に丸岡会長、面屋副会長など役員が出席。
7月12日第4回JPО運営委員会に志賀副会長と大川専務理事が出席。全国団体講習会に石井総務部長が出席。出版倫理協議会に大橋副会長ら役員が出席。
7月13日東北ブロック大会に丸岡会長が出席。第60回読書週間標語選考委員会に石井総務部長が出席。第7回読売・吉野作造賞贈呈式に大川専務理事が出席。第1回組合情報ネットワークシステム検討委員会。活字文化・読書活動推進機構(仮称)設立準備に関する会議に大川専務理事が出席。
7月14日独占禁止法相談事例解説講演会に下向理事と岡嶋常任委員が出席。共同ネット全体会議に大川専務理事が出席。
7月19日日書連各種委員会(環境改善政策審議、増売、読書推進、書店経営実態、共済会、消費税、組織強化、共同購買・福利厚生、流通改善、取引改善、再販研究、環境改善ワーキング、広報、情報化、指導教育)。
7月20日日書連7月定例理事会。日書連共済会理事会。出版物小売業公取協理事会。
7月24日青森県学校図書館情報化研修会に長尾専門委員が出席。第13回出版関連業界電子タグ標準化委員会に大川専務理事が出席。雑誌発売日本部委員会に梅木委員が出席。
7月25日出版平和堂委員会に大川専務理事が出席。
7月26日読進協常務理事会に丸岡会長が出席。
7月27日JPIC定例理事会に丸岡会長と大川専務理事が出席。
7月28日公正取引協会7月度月例懇談会に丸岡会長ら役員が多数出席。
7月31日第30回出版ゾーニング委員会に大橋副会長が出席。

売上高0.91%マイナス/営業利益も9年連続赤字/日販『書店経営指標』

日販は全国593店舗の経営資料を収集分析した2006年版『書店経営指標』(B5判71頁、頒価1575円)を発行した。これによると、売上高前年比は0・91%減と9年連続の前年割れ。損益面では、売上総利益率は1・35ポイント減の24・30%と再び減少に転じた。営業利益率は前年比0・05ポイント改善したがマイナス0・06%で、これで9年連続の赤字となった。
調査店593店の売上高前年比は0・91%減と9年連続のマイナス成長。ただ、マイナス幅は2・02ポイント改善した(表1)。
売場規模別にみると、201坪以上が1・05%増だったほかは軒並みマイナス。特に20坪以下店は19・53%減と落ち込みが大きく、小規模店に厳しい結果に。立地別では住宅地3・19%減をはじめ軒並み前年割れになった。地域別では三大都市圏0・66%減、地方1・03%減とともにマイナス。業態別では専業は2・31%減だったものの、複合は0・81%増。売上増加率別の店舗数構成比をみると、増加率がプラスの店舗は39・1%で前年より3・1ポイント増加した。
損益面では、売上総利益率(粗利益率)は24・30%となり、減少傾向に歯止めがかかったかに見えた前年より1・35ポイント減少した(表2)。売上規模別では、「3億円以上5億円未満」で前年より1・38ポイント増加となったが、ほかはすべて前年を下回った。特に「5億円以上10億円未満」では6・97ポイントの大幅減少になった。
販売費及び一般管理費は前年比1・40ポイント減の24・36%。「販売費」は1・18ポイント増となったものの、「人件費」は1・13ポイント減、「設備管理費」は1・10ポイント減。
営業利益率はマイナス0・06%で前年より0・05ポイント増加したが、9年連続の赤字に。経常利益率は0・54%で、前年より0・03ポイント増加した。
財務体質の健全性を示す自己資本比率は高いほうがよいとされるが、前年より6・16ポイント大幅に低下して11・40%になった(表3)。支払い能力の目安となる流動比率は150~200%が理想的だが、前年より14・20ポイント大幅に悪化して117・84%になった。設備投資等の固定資産をどれだけ自己資本で賄っているかをみる固定比率は低いほうがよく100%以下が望ましいが、前年より125・36ポイント大幅に悪化して350・99%になった。
正規従業員の年間勤務日数は272日で、前年より2日減少した(表4)。年間勤務日数を従業員規模別にみると、「6~15人」で前年より5日減少したのが大きく影響している。
正規従業員の年間総労働時間は2279時間と前年より85時間減少した。一方、パート・アルバイトは1266時間と231時間増加した。業態別にみると、「専業」ではともに増加、「複合」では正規従業員は減少してパート・アルバイトは増加している。
従業員1人当たりの年間粗利益額を示す労働生産性は678万9千円で、前年を39万6千円下回った。従業員1人1時間粗利益額を示す人時生産性は前年を322円下回って3003円になったが、2年連続3千円台を維持した。粗利益額に占める人件費の割合を見る労働分配率は44・96%と前年より2・04ポイント低くなり、2年連続で50%台を下回った。
年間の売場1坪当たり店売売上高は216万4千円で、前年を1万9千円下回った。立地別では「商店街」で33万円減、「SC内」で9万4千円減だった。業態別では「専業」が前年より6万7千円増加したのに対し、「複合」は1万9千円減少した。両者の格差は前年の26万3千円から34万9千円に広がった。
〔調査店の内訳〕
〈年商別〉(%)
1億円未満9・5
1億~3億円未満19・0
3億~5億円未満12・7
5億~10臆円未満19・6
10億円以上39・2
〈地域別〉
三大都市圏206店舗
地方387店舗
〈業態別〉
専業361店舗
複合232店舗
〈収益別〉(%)
経常利益率3%以上
16・3
同1%~3%未満16・2
同0%~1%未満44・2
同0%未満23・3

本と遊ぼうこどもワールド/名古屋と鹿児島で開催

日販は7月21日から23日まで名古屋と鹿児島で「本と遊ぼうこどもワールド2006優良児童図書展示会」を開催した。名古屋には8834人、鹿児島は3280人が来場した。
【名古屋会場】
名古屋市公会堂の開会式で日販古屋社長は「普段あまり店頭にない絵本や児童書を数多く展示しました。ゆっくりご覧下さい。書店店頭の読み聞かせ『おはなしマラソン』は、これまで全国で600を超える書店が参加しています」とあいさつ。偕成社今村社長は「今、若いお母さんが子どものとき読んだ本を子どもたちに読んであげている。出版社も次の世代に手渡せる本を出版していく」と述べ、古屋社長、今村社長に東海日販会篠田世話人代表、中日新聞社鈴木出版開発局長、幼稚園児3名のテープカットで開場した。
会場では、中日新聞生活情報紙ショッパーと連携した「子どもに読み聞かせたい絵本特設コーナー」「東海ラジオ絵本の時間おはなしマラソンコーナー」など地域密着企画のほか、「赤ちゃんがはじめて出会う本」「ノンタン50周年」等を展示。書店員・ボランティア・日販社員による読み聞かせや、東海ラジオ蟹江篤子アナウンサーのトークライブ、『おまえうまそうだな』の宮西達也氏、『ダヤン』シリーズ池田あきこ氏の講演会・サイン会が開催された。
【鹿児島会場】
総合卸商業団地協同組合で開催。開会式で日販鶴田会長は「日販は7年前から書店の読み聞かせ『おはなしマラソン』を展開している。この会場でもよい本と出会っていただけると期待しています」とあいさつ。
あかね書房岡本社長は「昨年、文字・活字文化振興法が制定され、児童書に対する期待も大きくなっています」とあいさつ。かごしま近代文学館丸内館長、鹿児島日販会井之上社長、あかね書房岡本社長、読者代表、日販鶴田会長のテープカットで開場した。
鹿児島出身の椋鳩十コーナー、ウルトラマン・仮面ライダー・戦隊ヒーロー等の展示に、子どもたちは目を輝かせていた。ちびっこ広場ではボランティアによる読み聞かせ会が開催され、絵本作家どいかや先生サイン会、高畠純先生講演会・サイン会も行われた。

セミナー

◆クレーム対応セミナー
トーハン書店大学は9月6日午後1時からトーハン本社で「クレーム対応セミナー」を開催する。
プログラムは「クレームを恐れない!逃げ腰にならない」「クレーム応対でわかる会社のレベル」「クレーム応対の心構えと6大タブー」「怒りを鎮める魔法のことば」「ケース別に見るクレーム応対」「クレーム応対の徹底訓練」など。
講師はマネジメントサポート古谷治子氏。受講料は書店共助会加入店1名5千円。非加入店1万3千円。申し込みはトーハン・コンサルティング教育事業部。電話03・3267・8686番。

九州合同トーハン会/博多と熊本で隔年に開催

九州6県初の合同トーハン会が7月20日、福岡市のグランド・ハイアット福岡で開かれ、書店104名、出版社205名など317名が出席した。
合同総会は第1部で各県トーハン会総会、第2部で書店、出版社商談会を開催。第3部合同トーハン会で主催県の福岡県トーハン会山本太一郎会長(福岡金文堂)は「今後、博多と熊本で1年おきに合同総会を行うことになった」と各県会長会の決定を報告。このあと、販売集団としての九州トーハン会について「オール九州で200法人が登録されており、昨年のバリューアップコンクールでは6県で1億8600万円を販売し、13~14%のシェアを九州が占めている。沖縄と一部山口を加えれば15%を超える。厳しいと思うが外商力もつけていきたい」とあいさつした。
来賓のトーハン山﨑社長は「桶川SCMのインフラを使って、地域に密着した中堅・中小書店の増売に役立てることが今年度の大きな課題」と述べたほか、責任販売制について「業界ルールの中で一定の目標を定め、達成した場合には相応の成果をリターンする仕組みを打ち立てたい。商材、銘柄、販売方法、様々なメニューを用意して書店に選んでいただく形を考えている」と説明した。

人事

■取協平成18年度役員
(7月26日開催の臨時総会で役員改選)
▽会長=山﨑厚男(トーハン)
▽常務理事=古屋文明(日販)、三好勇治(大阪屋)、郷田照雄(栗田)、土屋博功(中央社)、森内日出美(日教販)、國弘晴睦(太洋社)、雨谷正己(協和)
▽理事=風間賢一郎(トーハン)、橋昌利(日販)、福眞峰穂(鉄道弘済会)、吉見壽文(東邦書籍)
▽監事=関貴司雄(明文図書)、山本和夫(公認会計士)

ブックレットを刊行/『中学生はこれを読め』/北海道新聞

2004年に北海道で始まったフェア「本屋のオヤジのおせっかい“中学生はこれを読め!”」が北海道新聞社から同名のブックレットとして刊行された。北海道書店商業組合編、A5判80頁、定価税込み525円。
北海道の書店員から寄せられた推薦文により「元気になれる本」「新しい自分に出会える本」「物語の世界にハマる本」「涙がこぼれる本」「人生の深さを知る本」120冊を紹介するとともに、巻末に中学生に読んでほしい500選リストをコメント付きで紹介。中学校の国語教師を長く務め、『タマゴマンは中学生』シリーズの著者坂本勤氏と旭川・こども冨貴堂福田洋子店長の対談「本をすすめる大人になろう」も掲載。中学生に「面白い本」を紹介したいという熱気にあふれた内容に仕上がっている。
マスコミがこのフェアを取り上げたため、リストを欲しいという中学校、図書館からの問合せが多いということで、北海道新聞では初版3千部を道内用に販売、道外向けに5千部の増刷を決めた。

日販王子まつり

「盛夏、ワッショイ!王子NEXT」第36回王子まつりが2日、日販王子流通センターで開催され、書店、出版社、近隣住民など1300人が来場した。
日販古屋社長は「王子流通センターは37年間使用しリニューアル工事が始まっている。主要設備は来夏には準備が終わり、08年に完成予定。4千坪増築し、建物・設備に百億の投資で書籍送品センターがレベルアップする。王子流通センターは、常にイノベーションを目指す使命があり、日販物流のDNA」と述べた。
日販労組田中委員長あいさつに続き、安西王子流通センター所長が「徹底した在庫管理を行う新しい流通センターで、従業員が誇りを持てる職場環境を作っていく」と述べて乾杯の音頭をとった。恒例のサンバは、東京外国語大ブラジル研究会に本場ブラジル人ダンサーが加わり、場内をパレード。新入社員アトラクションや模擬店、豊五太鼓演奏などで賑わった。

本屋のうちそと

穀雨ノ雨止ム事無ク、春霖ト成リシ晩春ノ候、店頭ノ雑誌ノ売上、甚ダ芳シカラズ、深ク思イ憂イシ日ノ午後、某出版社の営業の方が「雑誌の売上げ減でリストラになりまして」と挨拶に寄っていかれた。
「考えたらウチの家からは車でしか行けない場所に大型書店が出来てここ数年で、近所の徒歩か自転車で行けた本屋さんが全部閉店してしまいましたものね、これじゃあ気軽に雑誌を買うことも減ったでしょうし、結局私もリストラです」と言って帰られた。
この春から雑誌の売上げは良くない。税金の控除が無くなり税金が上がったのも原因の一つだろう。年金暮らしのお年寄りは特に大変だろう。厚生労働省のHPで「平成17年国民生活基礎調査の概況」を見ると平成16年の世帯平均所得は580万円。但し平均以下の世帯数は6割を越す。ちなみに1千万円以上の所得世帯は全体の15%。世帯平均所得は平成8年が661万円で、それ以降はずうっと下がりっぱなし。生活意識の状況では生活が「大変苦しい」と「やや苦しい」世帯が56%、子供のいる世帯では60%が「苦しい」としている。
で、平成16年の民間平均給与は439万円。さてさて、新聞購読者が減り雑誌が売れないこのご時世、株のインサイダー取引で大儲けしていた大手新聞社の給与は軽く1千万円を超え、大手出版社も又、である。自らの給与の半分以下の国民の為に如何様(いかよう)なる紙・誌面を作るのか。難しい詐欺用、いや作業だろう。(海人)