全国書店新聞
             

令和2年8月15日号

経営環境改善運動継続を/面屋理事長が訴える/大阪組合総会

大阪府書店商業組合は7月18日、大阪市北区の尼信ビルで令和1年度通常総会を開催し、組合員109名(委任状含む)が出席した。面屋龍延理事長(清風堂書店)は、日書連が重要課題として取り組む、粗利益拡大によって経営環境改善を目指す運動の経過を報告。「今の粗利益では本を売って生活できない」と改めて強い危機感を示し、運動を継続することの重要性を訴えた。
総会は深田健治副理事長(ブックスふかだ)の司会で進行し、冒頭あいさつで面屋理事長がコロナ禍で総会開催に至った経緯を「定款に書面での議決について明文化されていないことから皆様の出席を得て開催することになった」と説明。正副議長に冨士原純一常務理事(富士原文信堂)、坂口昇常務理事(梁川書店)を選任して議案審議。令和1年度事業報告、収支決算書、令和2年度事業計画案、収支予算案、理事定数を削減する定款変更などすべての議案を原案通り承認可決した。
令和1年度事業報告を総括した面屋理事長は、「コロナ禍の状況を潜り抜け、次に生き抜いていくことが大切」と話した。
各事業報告では、読書推進委員会から、「本の帯創作コンクール(帯コン)」は1万625点の応募があり、109点が受賞作品に選ばれたこと、2019年度「読書ノート」は126校に4万9736冊を送付したことの報告があった。また、新型コロナウイルスの感染状況に鑑みて、11月に開催を予定していた帯コンの表彰式と展示会を中止するとした。ただし、受賞作品の決定と表彰は行う。
経営活性化・書店環境改善委員会は、昨年7月24日のキャッシュレス説明会に書店65名、在阪取次5社8名が出席したと報告した。
令和2年度事業計画案については面屋理事長が説明。カミュの『ペスト』から「絶望に慣れることは絶望そのものより更に悪い」との言葉を引用し、「現状の粗利益では書店は本を売って生活できず、後継者に店を任せることもできない。私は書店環境改善実務者会議の座長として日書連会長とともに出版社や取次各社を訪問し、書店を続けるためには粗利益が30%必要と訴え続けてきた」と、日書連が取り組む書店経営環境改善運動を説明した。
また、新型コロナウイルス対策で、小学館、KADOKAWA、ポプラ社、増進堂受験研究社などが書店支援のため報奨金などの形で還元を行っていることや、全国書店再生支援財団が組合加盟書店1店舗あたり5万円の支援金を支給することを紹介。「日書連が粗利益改善の運動を続けてきたことで、出版社も考えて、コロナ禍で書店支援施策を実行してくれているのではないか。運動を続けることが大事」と強調した。
定款の一部変更では、組合員数の減少に伴い、理事定数を現行の「30人以上35人以内」から「25人以上30人以内」に変更する。
閉会にあたり戸和繁晴副理事長(トーワブックス)は、今年の帯コンについて「今まで1次審査を行っていた担当者が持病の悪化で辞退したため、我々が子どもたちの作品を手に取って1次選考を行う。9月に1次選考の委員を募集する。地元の子どもの作品を再認識する良い機会」と述べ、選考への参加を呼びかけた。(石尾義彦事務局長)

新型コロナウイルス対策支援金申請受付は終了しました

日書連と全国書店再生支援財団が、全国の組合加盟書店に元気を出してもらおうと1店舗あたり5万円を支給する「新型コロナウイルス対策支援金」の申請受付は、7月31日(金)消印分で締め切りました。

返品現地処理早期実現めざす/返品運賃値上げが経営圧迫/北海道総会

北海道書店商業組合は6月23日、札幌市西区の組合事務所で第44回通常総会を開催し、書面44名を含む組合員48名が出席。今回は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から書面による参加を呼びかけ本人出席は最小限とし、多くの組合員は書面で議決権を行使した。役員改選では志賀健一理事長(丸善ジュンク堂書店)を再選。志賀理事長は返品現地処理の早期実現に意欲を示した。
総会は寺下徹副理事長(図書館ネットワークサービス)の司会進行で始まり、志賀理事長があいさつ。日書連の粗利益改善を目指す運動について「出来る限り共闘して目標達成を目指したい」と述べた。
返品現地処理の問題については、「昨今の返品運賃の値上げは、広大な面積の北海道の書店経営を圧迫している。返品現地処理によって負担軽減につなげたい。1日も早い実現を目指す」と意気込みを語った。
続いて村上正人副理事長(マルイゲタ)を議長に議案審議に入り、令和1年度事業報告、収支決算報告、令和2年度事業計画案、収支予算案など第1号議案から第8号議案まですべての議案を原案通り承認した。
任期満了に伴う役員改選では、正副理事長が全員重任となった。
[北海道組合役員体制]
▽理事長=志賀健一(丸善ジュンク堂書店)
▽副理事長=村上正人(マルイゲタ)寺下徹(図書館ネットワークサービス)中尾邦幸(マル五中尾書店)
(事務局・髙橋牧子)

読書週間書店くじ実施要項

▽実施期間令和2年10月27日(火)より11月9日(月)まで。書籍・雑誌500円以上購入の読者に「書店くじ」を進呈
▽発行枚数110万枚。書店には1束(500枚)3571円(税別)で頒布
▽申込方法と申込期限注文ハガキに必要事項を記入し、束単位で所属都道府県組合宛に申し込む。締切は8月20日(厳守)
▽納品と請求方法くじは取引取次経由で10月20日前後までに納品。代金は取引取次より請求
▽当せん発表12月5日(土)。日書連ホームページ並びに書店店頭掲示ポスターで発表
▽賞品総額1309万円
当せん確率は9・7本に1本
1等賞=図書カード
又は図書購入時に充当1万円33本
2等賞=同1000円110本
3等賞=同500円3300本
4等賞=図書購入時に充当100円
11万本
▽賞品引き換え取り扱い書店で立て替え。図書カードの不扱い店または図書カードが品切れの場合は、買い上げ金額に充当
▽引き換え期間読者は12月5日より令和3年1月10日まで。書店で立て替えた当せん券は同1月31日までに「引換当せん券・清算用紙」(当せん発表ポスターに同封)と一緒に日書連事務局まで送付
▽PR活動全国書店新聞に実施要項を掲載。日書連ホームページ(http://www.n-shoten.jp)で宣伝。「読書週間書店くじ」宣伝用ポスターは日書連ホームページよりダウンロード(郵送はしません)

インボイス制度説明会/経済産業省開催検討を要請/財務省・国税庁から講師派遣

2019年10月から実施された消費税率の引上げと軽減税率制度の実施に伴い、2023年10月1日から消費税の適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス制度)が導入される。これは、軽減税率対象品目を取り扱っていない事業者も含め、多くの業種の事業者の消費税額の計算や取り交わされる請求書等に関するものであることから、すべての事業者が制度の内容を理解する必要がある。また、様々な業種・業界団体から、政府に対して「準備や検討を開始する必要があるため説明会を行ってほしい」との声が寄せられている。
こうした点を踏まえ、経済産業省、財務省、および国税庁は、「消費税の適格請求書等保存方式の導入に関する周知等について」と題する文書を、日書連など各事業者団体に送付。希望があれば、各団体の理事会や研修会、講習会に財務省・国税庁等から講師を派遣するので、こうした機会を利用して説明会の開催を検討してほしいと協力を依頼した。
講師を派遣する説明会・研修会は、原則として全国単位の団体が主催する会員事業者(特に経理担当者)向けが対象だが、傘下団体(地域ブロック単位の団体)が主催する同様の説明会・研修会にも派遣可能な場合がある(要相談)。
新型コロナウイルス感染症の対応や感染防止の観点から、現時点での開催が困難な場合、開催時期・実施方法については各団体の状況に応じて検討してほしいとしている。オンラインでの開催や少人数・複数回の開催も相談に応じる。
説明する内容は、消費税のインボイス制度の概要と留意点など。消費税の軽減税率制度に関する質疑等にも対応する。派遣依頼は、制度開始に向けて随時受け付けている(申込期限は設けていない)。派遣は平日9時から17時までの間。それ以外の日程を希望する場合は事前の相談が必要。
また、国税庁ホームページで制度に関する詳細なパンフレットが公表されている。会員企業に対して、メールや理事会、研修会、講習会等の機会を通じて共有し、関心を高めてほしいと協力を求めている。
問い合わせ・申し込みは、経済産業省商務情報政策局コンテンツ産業課(担当=松島弘和)まで。電話03(3501)9537電子メール: