全国書店新聞
             

平成26年11月15日号

5氏に黄綬褒章/秋の叙勲

秋の叙勲で全国教科書供給協会から以下の5名の方々が黄綬褒章を受章した。伝達式は11月14日、東京・千代田区の如水会館で行われた。
▽菅原久悦(秋田県・久七商店)▽中野雄藏(新潟県・中長書店)▽星野忠平(愛知県・星野書店)▽末廣裕幸(山口県・良文堂書店)▽日吉英夫(愛媛県・マスヤ書店)

所属組合員数4140店に/半年で84店減少/日書連組織委調べ

今年10月1日現在で各都道府県書店商業組合に加盟する組合員数の合計は、今年4月1日対比で84店、2・0%少ない4140店になったことが、日書連組織委員会(中山寿賀雄委員長)の調べで明らかになった。
この半年間における新規加入は全国で16店に対し、脱退は100店。加入数が脱退数を上回ったのは、滋賀、福岡、熊本、大分の4組合。増減なしが秋田、岩手、山形、栃木、山梨、富山、長野、鳥取、島根、岡山、愛媛、高知、佐賀、鹿児島、沖縄の15組合で、残る27組合は組合員が減少している。
各組合ごとに加入の内訳をみると、この半年間に新規加入があったのは、福岡の9店をトップに、大分が2店、東京、長野、滋賀、鳥取、熊本が各1店。残りの39組合は新規加入ゼロとなっている。
一方、脱退が最も多かったのは神奈川と大阪の各12店、次いで東京の10店がワースト3で、以下脱退の多い順に京都、兵庫各6店、北海道、愛知、新潟各5店、茨城4店、福島、群馬、福岡、長崎各3店となった。

書店936名来場の盛会に/商談成立金額は1億円突破/第5回書店大商談会

第5回「書店大商談会」が10月23日、東京・文京区の東京ドーム・プリズムホールで開催された。来場書店は前年比128名増の936名で、成立した商談も5008件、1億260万2979円(前年比104・7%)と、昨年の4052件、9796万8648円を大きく上回った。
この商談会は、8つの取次会で構成する「書店大商談会」実行委員会(実行委員長=奥村弘志・南天堂書房社長)が主催、日本書店商業組合連合会、東京都書店商業組合の後援で開催。
前年の約1・5倍の広さとなった会場には「一般書」「コミック」「児童書」「ビジネス書」「第3商材」の各コーナーを設置。出展社は前年比56社増加して233社が240ブースを出展、初出展は66社だった。総来場者は前年より430名多い2579名(書店936名、出展社1140名、取次324名、その他179名)。成立した商談は5008件、1億260万2979円と前年比4・7%増加し、過去最高を記録した。
15社が出展したコミックコーナーは、昨年と同様にサロン形式で運営。セミナー会場では2部構成で勉強会を開催し、1部では各社担当者がリレー形式で自社企画をPR。2部ではテーマ別ディスカッションとして①売り場におっさん(壮年層)を取り戻そう②BLの売り方入門③ワザあり販売実例集――の3つのグループに分かれ、販売方法や書店での事例紹介を行った。
セミナー会場ではこの他、メンタリストDaiGoさんによる講演会やパートワーク販売勉強会などを開催。児童書ブースではラッピングや店頭装飾の実演とクリスマス用の包装紙などが当たるスタンプラリーが行われ、サイン会ブースでは作家の東川篤哉さん、堂場瞬一さん、辻村深月さんのサイン会、児童書コーナー特設ブースでは絵本作家・原ゆたかさんのサイン会がそれぞれ行われた。

日書連増売企画・「書店金賞」取り組み事例/東京都北区・ブックスページワン

日書連が9月から4ヵ月間実施している、書店再生の実用書増売企画「食と健康の本『書店金賞』」。この増売に取り組む書店の実例を紹介する。
東京・北区のブックスページワンは、JR赤羽駅西口のイトーヨーカドー赤羽店6階で営業する約110坪のお店。東京組合書店再生委員会の委員長として運動に取り組む片岡隆社長は、『書店金賞』企画について「出版社12社から各1点のお薦め商品をエントリーしてもらい、賞を設けて3ヵ月間の売行き上位3点を発表、さらに増売を推進して店頭の活性化を図ることを意図した」と説明する。
同店では9月3日から、レジ近くの料理本が並ぶ一角で1セット36冊に店頭在庫を含めたコーナー展開を開始。10月以降はショッピングセンターの通路に面した場所に移動し、11月上旬までで約40冊を販売した。コーナーには、12点の書影とお薦めポイントを一覧にしたボードを掲示してフェアをアピール。実用書担当の伊藤秀樹さんは、「予めジャンルを決めて、まっすぐその場所に行って本を選ぶお客さんが増えているので、コーナーでまとめてやるのは訴える力がある。フェアとして打ち出したことで動き出した本もあった」と話す。

帯コン受賞作90点を決定/大阪組合

大阪府書店商業組合(面屋龍延理事長)は10月11日に組合会議室で定例理事会を開催した。主な審議・報告事項は以下の通り。
〔読書推進〕
第10回「大阪こども本の帯創作コンクール」(帯コン)について、10月4日に大阪読書推進会の三宅会長他が出席して受賞作品90点を選考した。
「帯コン」の集計結果は、応募総数1万2250点(課題図書5633点、自由6617点)、参加校252校(府内229校、府外23校)。表彰式は11月15日正午から、大阪市中央区のエルおおさか2階大ホールで開催。第2部として長谷川義史氏の絵本ライブと講演会を開催する。また受賞作品他約6百点の作品展示会を同10階で行う。
〔経営活性化・書店環境改善〕
日書連が目指している外商雑誌の買切による報奨金について、早期実現を要望する意見が出た。
〔事業増売〕
新井屋商事の販売用カレンダーの発注数と、小学館版「世界地図カレンダー」申込数について10月10日現在の報告があった。
(金田喜徳郎事務局長)

11月20日に書店経営研修会/紀伊國屋書店高井社長が講師に/東京理事会

東京都書店商業組合(舩坂良雄理事長)は11月4日、書店会館で定例理事会を開催した。各委員会の主な審議・報告事項は次の通り。
〔総務・財務〕
平成27年1月以降の理事会等の日程を決定した。
▽理事会=1月休会、2月3日(火)、3月3日(火)、4月2日(木)、4月25日(金)臨時理事会、5月休会。▽新年懇親会=1月14日(水)▽総代会=5月20日(水)
〔指導・調査〕
平成26年度書店経営研修会は、11月20日(木)午後3時から書店会館で、紀伊國屋書店の高井昌史社長を講師に招き「出版界の課題と紀伊國屋書店の取り組み」をテーマに開催する。
〔事業・読書推進〕
増売企画として、紀伊國屋書店・高井社長の著書「本の力」(PHP研究所)の拡販に取り組む。また、ぴあ「レシピフェア」他、集英社「冒険の森へ」他、徳間書店「鬼はもとより」他について、各出版社の担当者が企画説明を行った。
〔デジタル戦略推進〕
「BOOKSMART」の連動企画で、双葉社「モンスター文庫」2点を店頭で購入した読者に無料で電子版を提供する実験を10月末まで実施した。中間報告では電子版のダウンロード率が8%と高い数値が出ており、最終結果を検証して次回の企画展開に生かしたいと説明があった。

日書連のうごき

10月1日雑誌発売日本部委員会に藤原、西村両副会長、筒井、塩川、長﨑各理事が出席。
10月3日箱根・出版平和堂功労者顕彰会に舩坂会長が出席。
10月7日万防機構集団窃盗調査小委員会。
10月9日雑誌愛読月間キャンペーン総括会議。
10月10日軽減税率で西村康稔内閣府副大臣を舩坂会長、志賀理事が訪問。
10月14日改正学校図書館法とこれからの課題を考える集い。大阪屋東京支社を高島部会長が訪問。
10月15日公取連合会連絡会議に柴﨑副会長が出席。
10月17日JPO雑誌コード管理委員会。
10月21日読進協「若い人に贈る読書のすすめ」書目選定委員会。書店経営・販売研修会に舩坂会長、面屋副会長ほか広報委員会委員が出席。出版サロン会に舩坂会長が出席。
10月22日書店経営・販売研修会2日目。
10月23日書店大商談会に舩坂会長が出席。
10月27日高橋松之助記念賞贈呈式に舩坂会長が出席。
10月28日全国中小小売商団体連絡会。
10月29日春の書店くじオリエンテーリング。文化産業信用組合理事会に舩坂会長が出席。
10月30日児童図書出版協会と「心にのこる子どもの本」打合せ。出版再販研究委員会に舩坂会長、藤原、面屋、西村、小泉各副会長、井上、長谷川両理事が出席。
10月31日JPO出版権・書誌情報小委員会。『書店金賞』中間報告会に小泉副会長、片岡理事が出席。

「SJ図書カード」新学期に促進図る/富山総会

第27期富山県書店商業組合通常総会が8月26日に富山市電気ビルで開催され、組合員33名(委任状含む)が出席した。
総会は丸田茂理事長を議長に議案審議を行い、平成26年度事業報告・収支決算・役員改選・平成27年度事業計画・収支予算案など全ての議案を原案通り承認可決した。第28期事業計画は次の通りとなった。
①サン・ジョルディの日の推進企画として、組合員の販売促進でオリジナル図書カードを作成。実施時期を1ヵ月早めて新学期プレゼント用として利用促進を図る。②日書連が推進する、出版物への消費税軽減税率適用を求める「50万人署名」運動に引き続き協力していく。③第3回書店再生のためのロングセラー・実用書増売企画「食と健康の本『書店金賞』」フェアを実施し増売につなげていく。④日本児童図書出版協会加盟社が選りすぐった2014年度「心にのこる子どもの本秋・冬セール」セットを積極的に展開していく。⑤日書連や出版物公取協に出席し意見具申を行う。(澁谷英史広報委員)

震災20年事業を柱に活動/大河ドラマ連動企画が好評/兵庫総会

兵庫県書店商業組合(山根金造理事長)は10月21日、明石市のホテルキャッスルプラザで第26回通常総会を開催、組合員78名(委任状含む)が出席した。
総会は安井唯善専務理事の司会で進行、春名洋志副理事長の開会の辞に続いて山根理事長があいさつ。山根理事長は始めに、地元ゆかりの大河ドラマ「軍師官兵衛」放映にちなみ、関連書のブックフェア、講演会、足跡を訪ねるバスツアーの〝官兵衛三昧〟を実施し、多数の読者が参加したことを報告。次にサン・ジョルディの日イベントとして、兵庫県ゆかりの著名人50名に「大切な人」に贈りたい本を推薦してもらい冊子を作成、店頭で配布するとともにブックフェアを行い、地元メディアに取り上げられるなど成果があったと説明した。また、来年は阪神淡路大震災後20年にあたり、震災20年事業を活動の柱として、20年誌の発行、書籍フェア、講演会を企画し、多くのご支援に感謝の気持ちを表していきたいと決意を述べた。
続いて議長に中島良太副理事長を選出して議案審議。各委員会・各支部の事業報告並びに収支報告が行われ、全会一致で承認。特に県組合の会計が黒字に転換したことが評価された。森忠延専務理事の音頭でスローガンを斉唱し、大橋洋子副理事長の閉会の辞で総会を終了した。
会場を移して懇親会を開き、聖教新聞社関西支社・新井正人副支社長のあいさつ、日販神戸支店・重野美信支店長の発声で乾杯。参加版元のPRを交えながら和やかな懇親の場となった。(安井唯善広報委員)

ベストキャラクター賞、杏さんと綾野さんに/講談社広告賞

第36回「読者が選ぶ・講談社広告賞」の贈賞式が10月16日に東京・千代田区の帝国ホテルで開かれ、男性誌部門は味の素、情報誌・コミック誌・幼児誌部門は日本コカ・コーラ、女性誌部門はコーセーが大賞を受賞した。ベストキャラクター賞は女優の杏さんと俳優の綾野剛さんが選ばれた。
あいさつを行った講談社の野間省伸社長は「今年度決算は、昨年に届くかどうかというところで推移している。コミックは昨年に引き続き好調だ。書籍も含めて映像化、アニメ化する作品が年々多くなり、年内から来年にかけても多数ラインナップされている。男性誌は『週刊現代』『FRIDAY』などが堅調に推移。女性誌は誌面にとどまることなく、イベントの開催など多方面での試みを続けている。私たちが作りだすコンテンツを生活者に届ける手段は多岐にわたってきている。コンテンツの属性や受け手を考慮したうえで、最適なメディアを構築していきたい」と述べた。

指定管理者「必要ない」/愛知県田原市図書館館長、滋賀組合視察で答える

滋賀県書店商業組合(吉田徳一郎理事長)は9月6日、7日の2日間、研修旅行で愛知県を訪問した。愛知組合の活動事例を学ぶことと、田原市図書館の視察が目的。組合員18名が参加した。
愛知組合の活動事例については、同組合の春井宏之、近藤五三六両副理事長よりサン・ジョルディの日の取り組み、孫の日に本を贈るフェア、中小書店の商品仕入れなど、参考になる話を聞くことができた。
田原市図書館には愛知組合の高須大輔氏の案内で訪問した。同図書館は市民、書店とともにイベントを開催していることから、視察先に選んだ。
視察では最初に豊田高広館長が「図書館の設置及び運営上望ましく、地域の教育振興計画や子ども読書推進計画に基づいているか」という図書館の基準、また図書館の改革や今後の取り組みについて話した。
「田原市図書館と書店」については、市と教育委員会が読書環境を整備したいという姿勢を持っていることから、「生涯読書・生涯成長」を推進。①図書館利用者が希望書店を選んで本の発注ができる「本の注文用紙」を図書カウンターで受け付けている②図書館イベントでの書店の書籍販売③イベント「まちほん~田原まちじゅう本想い」を市民と書店と図書館で実施した――と説明した。
質疑応答で指定管理者について問われた豊田館長は「人口6万人の市は全国に62ある。その62市の図書館の中で当館は利用者数、貸出数2位の数字をあげており、経費対効果は十分に得られている。指定管理者は『はっきり必要がない』と答える」と明言。「私自身、自治体職員で、自治体の仕事と図書館を連携させることができる。たとえば、市の健康推進と『健康図書フェア』、市の看護師のための『看護図書の充実とレファレンス』など、市職員という関係で情報交換がスムーズにできるメリットがある」と話した。
(吉田徳一郎理事長)

定期購読キャンペーン/受注総数7万1117件に

雑誌愛読月間(7月21日~8月20日)の特別企画「定期購読キャンペーン」(雑協、取協、日書連共催)の総受注件数は、前年比27%増の7万1117件と初めて7万の大台に乗せた。同キャンペーンの底上げの動きについて、雑協は「店売が厳しさを増す中で、外商での読者掘り起こしが顕在化する流れを裏付けた」としている。
今年のキャンペーンは5817店が参加し、このうち予約獲得店は1944店と過去最高を記録した。参加出版社・対象誌も47社・134誌と過去最多となった。受注数最多書店は福島書店(大阪)で815件。予約獲得数最多誌は「日経TRENDY」(日経BP社)で3483件。上位10誌は以下の通り。
①日経TRENDY(日経BP社)3483件②LEE(集英社)2974件③with(講談社)2604件④NHK今日の料理(NHK出版)2395件⑤ゴルフダイジェスト(ゴルフダイジェスト社)2382件⑥日経エンタテインメント!(日経BP社)2304件⑦NHKきょうの健康(NHK出版)2090件⑧クロワッサン(マガジンハウス)2013件⑨暮しの手帖(暮しの手帖社)1641件⑩Safari(日之出出版)1626件

9月期は5・9%減/コミックは2・5%増/日販調べ

日販営業推進室調べの9月期分類別売上調査は、雑誌・書籍・コミック合計で対前年売上増加率が5・9%減(先月5・9%減)となった。
雑誌は7・2%減(同5・5%減)。月刊誌は妖怪ウォッチ関連の付録が付いた「コロコロコミック2014年10月号」(小学館)の売上が好調だったが、昨年好調だったティーンズジャンル誌の影響で、同6・7%減となった。
書籍は9・1%減(同6・0%減)。文芸書で『続終物語』(西尾維新、講談社)が売上を伸ばしたが、前年の半沢直樹関連を含む売上良好銘柄には届かず、15・5%減とマイナス幅が拡大した。
コミックは2・5%増(同6・4%減)。『ONEPIECE75』(尾田栄一郎、集英社)が発売され少年ジャンルのマイナス幅が縮小したことに加え、青年・少女ジャンルも好調で、プラスに転じた。

催し

□出版科学研究所・出版セミナー「光文社の女性誌とブランド戦略~ひたすら読者と共に~」
12月4日午後3時、東京・千代田区のスクワール麹町で開催。講師は光文社取締役会長・高橋基陽氏。4年連続の黒字決算という好業績を収めている光文社は、かつての業績低迷からいかにして驚異的なV字回復を遂げたのか。快進撃を続ける同社の女性誌とブランド戦略を話す。
定員120名。受講料5千円。問い合わせは出版科学研究所まで。℡03―3269―1379

『新・人間革命』第26巻/聖教新聞社、11月14日に発売

聖教新聞社は9月25日、東京・文京区の東京ドームホテルで、11月14日発売の『新・人間革命』第26巻と、潮出版社、第三文明社、鳳書院刊行の創価学会関連出版物の説明会を開催。東京・神奈川・埼玉・千葉の書店、取次など335名が出席した。日書連関係では、東京組合の舩坂良雄理事長、小泉忠男副理事長、柴﨑繁副理事長、本間守世副理事長、神奈川組合の筒井正博理事長、千葉組合の鈴木喜重理事長が来賓として出席した。
鳳書院の大塚春樹取締役は公明新聞に連載された東日本大震災のドキュメントを書籍化した『命みつめて』(本体1200円)、第三文明社の大島光明社長は創価学会の池田大作名誉会長とシドニー大学名誉教授のスチュアート・リース氏による『平和の哲学と詩心を語る』(同1600円)、潮出版社の南晋三社長は環境学者でローマクラブ共同会長のエルンスト・U・フォン・ヴァイツゼッカー氏と創価学会インタナショナルの池田大作会長による月刊「潮」連載対談を単行本化した『地球革命への挑戦』(税込1512円)などについて説明した。
聖教新聞社の上田康郎出版局長は、『新・人間革命』第26巻(本体1238円)の内容を説明。「今年は池田名誉会長が小説『人間革命』の執筆を開始して50周年。半世紀を刻む節目の年にあたる。例年にも増して拡販へのご協力をお願いしたい」と述べた。
書店を代表して、神奈川組合の筒井理事長は「出版不況と言われるが、『人間革命』をはじめとする池田名誉会長の述作の活動は、書店、出版関係者にとって勇気と希望の大きな源泉。第26巻の発刊を追い風に増売の大波を起こしたい」とあいさつした。
聖教新聞社の原田光治代表理事は「『新・人間革命』は第1巻刊行から16年間で累計発行部数2080万部を超え、小説『人間革命』全12巻および文庫版・ワイド文庫本を加えると4968万部。わが国の出版の中でも最大規模になっている」と報告。「文字・活字文化振興のため、書店、取次とともに今後も一段の努力を続ける」とあいさつした。
創価学会の原田稔会長は池田名誉会長のメッセージを代読し、書店に対する感謝の気持ちを述べた。

プレミアムセールに注力/全国10位以内目指す/中部トーハン会

中部トーハン会は10月16日、名古屋市中区の名古屋国際ホテルで第47回定例総会を開き、会員書店、出版社、トーハン関係者など総勢347名が出席した。
あいさつに立った高須博久会長(豊川堂)は「読書推進は永遠のテーマ」として、本を手に持って歩く運動、孫の日(10月の第3日曜日)の読書推進など、これまで行ってきた取り組みを紹介。「面白い本はたくさんある。出版社が作り、トーハンが運び、書店がお客様に声をかけて売る。皆が力を合わせて、今後とも出版界が健全に進んでいけるように頑張っていきたい」と述べた。
議事ではすべての議案を原案通り可決。役員改選では高須会長を再選した。新会長として事業方針を説明した高須会長は、「今年力を入れていくのはプレミアムセール。全体をブロックに分けて取り組み、店頭陳列の写真コンクールも実施する。全国10位以内を目指す」と抱負を述べた。
NHK出版の溝口明秀社長は「出版不況は、業界を構成している三者それぞれに責任がある。当社としては、ブランドの上にあぐらをかいてきたことを反省している」と述べ、「本は文化だが、一般的には消費財の1つでしかない。業界全体でコストを下げ、それを原資に読者に還元することに取り組まなければ、1兆円を割りかねない」と危機感を示した。
トーハンの藤井武彦社長は、外商部門の強化、「TONETSV」「TONETSi」による適切な商品供給、ブックライナーの店着短縮、複合化など、増売のための取り組みを説明した。

新刊SCMの構築進める/日販PARTNERSカンファレンス

日販は10月27日・東京・品川区の東京マリオットホテルで「PARTNERSカンファレンス2014」を開き、書店、出版社、日販関係者合わせて222名が出席した。
冒頭、平林彰社長があいさつに立ち、「1998年以降、出版業界はマイナス成長の『競争の時代』に入った。インターネット書店や電子書籍の台頭などで書店の売上が落ち、出版社も日販も苦しいという負の連鎖が続いている。雑誌の売上減少や店舗運営コストの増加などにより、書店の収益構造はさらに悪化している」と現状を分析。
書店の売上を上げるための施策については、「交差比率(商品回転率×粗利益率)を高めることが重要。商品回転率を高めるには、不稼働在庫を減らすことが必要で、日販は不稼働在庫が一目でわかるハンディターミナルを提供している。また、High‐Profit企画やPPI(PARTNERPUBLISHERSINCENTIVE)銘柄、雑貨やその他の商材も一緒に売ることで、全体の粗利益を高めていただきたい。返品率を改善し、流通コストを下げることで生まれた利益を書店に還元するPARTNERS契約をさらに拡大したい。今後は新刊のサプライチェーンマネジメントを構築していきたい。現在も、書店の仕入れの意思を反映する新刊供給システムであるアドバンスMDや、仕入れを代行するカテゴリーコントロール、リリーフA(エース)などのシステムを提供している」と説明した。
続いて、「書店マージンUPの取り組みについて」と題して、日販書籍部PPI促進課の円道秀治課長が、出版社との契約で発生したインセンティブを書店に還元する仕組みのPPI契約シェアの状況を報告。また、High‐Profit企画について、2014年9月時点の実施銘柄は5400点にのぼり、点数増加に伴い売上も増加していることを成功事例とともに報告した。
このあと、昨年実施した「書店員と読者が選ぶみんなの幻冬舎文庫イチばん面白い『幻冬舎文庫№1』決定戦!」について、幻冬舎営業局営業第一部の時田有希子部長と同・阿部江里課長、日販流通改革推進グループMDチームの河村学係長が説明。次に、PARTNERS契約書店の平柿文仙堂の平柿宗敏社長が取り組みを報告した。
最後に、日販マーケティング本部流通改革推進グループの萬羽励一部長が、新刊SCMの進捗状況と今後の展開を説明した。