全国書店新聞
             

平成27年5月15日号

書店経営実態調査にご協力を

日書連では各都道府県書店商業組合加盟店を対象に「全国小売書店経営実態調査」を実施しています。書店経営の現状を把握し、今後の日書連活動の方向を見定める資料として役立てようというものです。本紙4月15日号に挟み込んだ調査票に記入の上、FAXで日書連事務局までお送りください。集計は5月末以降。調査にご協力くださいますようお願いいたします。

出版物への軽減税率の適用を求める集い/6月3日衆院議員会館で

文字・活字文化推進機構は6月3日午後2時、東京・千代田区の衆議院第一議員会館で「出版物への軽減税率の適用を求める集い」を開催する。活字文化議員連盟、子どもの未来を考える議員連盟共催。
各党代表あいさつや、読者、作家、日本新聞協会、日本書籍出版協会の代表らによる意見表明を予定している。
参加申し込み、問い合わせは、文字・活字文化推進機構まで。TEL03(3511)7305FAX03(5211)7285

読書活動優秀実践校など表彰/子どもの読書活動推進フォーラム

文部科学省と国立青少年教育振興機構は4月23日、東京・渋谷区の国立オリンピック記念青少年総合センターで「子どもの読書活動推進フォーラム」を開催した。同フォーラムは、4月23日「子ども読書の日」を記念し、子どもが積極的に読書活動を行う意欲を高めることを目的としている。
主催者を代表して文部科学省の山中伸一事務次官、来賓を代表して子どもの未来を考える議員連盟会長の河村建夫衆議院議員があいさつ。河村氏は「文化立国の根幹となる読書に子ども時代から親しんでもらうための活動を盛り上げていきたい」と述べた。
文部科学大臣表彰では、子ども読書活動優秀実践校135校、優秀実践図書館45館、優秀実践団体・個人55団体・名を表彰。受賞者を代表して栃木県宇都宮市立西が岡小の湯澤喜代子、石川県白山市立松任中の内木友美、埼玉県行田市立図書館の石川隆美、福井県ブランケットファミリーの早川恵子の各氏が事例発表し、「読書の魅力を広めるために」をテーマに対談した。また、作家の浅田次郎氏が「読むこと書くこと」と題して講演した。

日書連、6月18日に第27回通常総会

日書連は6月18日(木)午後1時、東京・千代田区の書店会館で第27回通常総会を開催し、平成26年度事業報告・決算報告、平成27年度事業計画案・予算案などを審議する。当日午前は定例理事会を開催する。
出版物小売業公正取引協議会の通常総会は5月28日(木)午前10時半、書店会館で開催する。

作家ら「有識者会議」設立/出版物への軽減税率求め提言

作家、学識者、出版界幹部ら19名で構成する「出版文化に軽減税率適用を求める有識者会議」(片山等座長=国士舘大教授)が設立され、4月22日に東京・新宿区の日本出版会館で開いた初会合で、2017年4月に消費税率が10%に引き上げられた際、出版物に軽減税率を適用するよう求める提言を採択した。
提言(別掲)は、生活必需品である食料品への軽減税率適用が検討されていることや欧州など多くの先進国の事例に触れながら、「書籍・雑誌等の出版物は『心の糧』であり、生きていく上で欠かせない必需品」で、特に「子どもたちにとって読書体験は人格形成の基本を構築していく上で不可欠」と出版物の重要性を強調。さらに、「出版物は健全な民主社会を構成するための知的インフラであり、知力、技術力、国際競争力の源でもある」として、軽減税率の適用を求めている。
日本書籍出版協会(書協)、日本雑誌協会(雑協)、日本出版取次協会(取協)、日本書店商業組合連合会(日書連)、日本出版インフラセンター(JPO)、読書推進運動協議会(読進協)の出版6団体で構成する軽減税率専門委員会(高橋明男委員長=講談社)の倫理(線引き)ワーキンググループ(高沼英樹座長=光文社)と流通ワーキンググループ(永井祥一座長=JPO)での検討内容を踏まえ、有識者会議がまとめた。
倫理(線引き)WGではガイドラインを作成し、書店で区分陳列され、成人マークや18禁マークが付き、小口シール止めした雑誌など青少年に悪影響を与えそうな出版物は非適用の方針としている。
今後、この提言をもとに、国会議員への働きかけを進め、出版社各社の媒体を通じて国民の理解を求めていく。
[有識者会議委員]
▽有識者委員=浅田次郎(日本ペンクラブ会長)、内館牧子、姜尚中、樹林伸、里中満智子、篠弘(日本文藝家協会理事長)、田原総一朗、弘兼憲史、村山由佳、柳田邦男、片山等(国士舘大学法学部教授、出版ゾーニング委員会委員長)、曽我部真裕(京都大学大学院法学研究科教授)、山田健太(専修大学文学部教授)
▽出版団体委員=相賀昌宏(書協理事長)、石﨑孟(雑協理事長)、小峰紀雄(読進協会長)、肥田美代子(出版文化産業振興財団理事長)、藤井武彦(取協会長)、舩坂良雄(日書連会長)
〔提言〕
私たちは、2017年4月に予定されている消費税率10%への引き上げに際し、出版文化に軽減税率を適用することを求めます。
現在、生活必需品である食料品への軽減税率適用が検討されております。食が
「身体の糧」であるのと同様に、書籍・雑誌等の出版物は「心の糧」であり、生きていく上で欠かせない必需品です。わけても子どもたちにとって読書体験は人格形成の基本を構築していく上で不可欠なものです。加えて、出版物は健全な民主社会を構成するための知的インフラであり、知力、技術力、国際競争力の源でもあります。
ヨーロッパの国々や多くの先進国では、出版物に軽減税率が適用されています(イギリスでは税率ゼロ)。各国は、出版物をその国の文化の持続的発展や国民の知的水準を維持・向上させる上で必要な存在と位置づけ、国民が容易にかつ低価格で手に入れることが可能なように制度として保障しているのです。
憲法25条では、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と規定されています。最低限度の健康的な生活に食料品が不可欠であるように、出版物は最低限度の文化的生活に必要不可欠です。
出版物への軽減税率適用は、必ず実現すべきものと考えます。

1等から4等までを決定/第19回「春の書店くじ」抽せん会

第19回「春の書店くじ」の抽せん会が5月7日午前11時半から東京・千代田区の書店会館で開催され、日書連役員、出版社、取次、関係会社の立会いのもと、当せん番号を決定した。
抽せん会は日書連読書推進委員会・西村俊男委員長の司会で進行。冒頭であいさつした舩坂良雄会長は、景気回復で賞与が上がり、連休中の行楽での買い物金額も上がったというニュースを紹介して、「本を買おうかというところまではまだ厳しいようだが、一般的な景気が上向いてきたことはうれしく思っている。お客様に本を買っていただき、書店くじを差し上げるこの事業を、業界の販売促進のために今後も続けていきたい」と述べた。
抽せんは、0から9までの番号を記した10個のボールを抽せん箱に入れ、中からボールを1個取り出す方法により実施。日本書籍出版協会・中町英樹専務理事、日本雑誌協会・高橋憲治事務局長、日本出版取次協会・松尾靖事務局長、読書推進運動協議会・岩田玄二事務局長、日本図書普及・平井茂常務取締役が1番から5番までの抽せん箱を担当し、1賞から3等賞までの当せん番号を決定。最後に舩坂会長が4等賞の番号を引いて、全当せん番号を決めた。
書店くじの引き換え期間は、5月23日の当せん番号発表から6月30日まで。

帯コン課題図書18点を選定/大阪組合

大阪府書店商業組合(面屋龍延理事長)は4月11日に大阪市北区の大阪組合会議室で定例理事会を開催した。主な審議・報告事項は以下の通り。
〔総務・財務・再販委員会〕
第33回総代会関連事項を議論し、理事会推薦理事候補を承認した。また、4月3日に行われた監査報告を審議のうえ承認した。
〔読書推進委員会〕
第11回大阪こども「本の帯創作コンクール」(帯コン)の課題図書選定会議が4月3日に開催され、大阪府SLA・藤田会長、大阪市SLA・桐山会長、学校図書館協議会、児童文学館、大阪組合から面屋理事長、戸和実行委員長が出席。課題図書18冊を選定した。
また、大阪読書推進会4月期実行委員会が4月9日に行われ、取次担当者、朝日新聞社、大阪組合から面屋理事長、戸和実行委員長、萩原副理事長、堀副理事長が出席。読書ノートと帯コンの作業日程を確認し、売上増についての方策を議論した。
〔広報・ホームページ委員会〕
4月16日の朝日新聞での読書ノート後期達成者と募集の公表に連動して、組合ホームページでも読書ノートについての記事をアップすると説明があった。
(石尾義彦事務局長)

豊後高田市立図書館を視察/大分組合青年部

大分県書店商業組合青年部の3名が4月26日、豊後高田市立図書館を視察のため訪問した。
視察では、はじめに栗屋文世館長から、スクリーンを使った丁寧な説明を受けた。豊後高田市立図書館は、平成25年4月にTRCが市の指定管理者に任命され、新図書館がオープン。その基本理念は①現在を知る空間②過去を訪れる空間③未来を考える空間――というもの。図書館のスタッフは6名で、4名は司書の資格をもっている。
栗屋館長は、TRC社員から、定年後大阪の図書館に派遣社員として勤め、平成25年より新図書館の館長に就任。図書館と書店は競合するのではなく共存しあう関係であるのが理想で、そのための努力をしていると語っていた。
この後、館長の案内で館内を視察。IT技術の導入による近代的な運営方法で、貸出・返却・検索・予約を利用者自身が容易に行えることに目を見張った。本棚が低く見通しがきく造りになっているのも工夫の一つだと感じられた。
青年部では今年の目標の1つとして佐賀県訪問(武雄市図書館、伊万里市民図書館やICT教育現場の視察)を計画しており、今回の視察は、本を巡る状況の知見を得る有意義な時間となった。
(大分組合青年部・大隈智昭)

九州選書市は9月8日開催/福岡理事会

福岡県書店商業組合(都渡正道理事長)は4月21日、福岡市中央区の福岡県教科図書で定例理事会を開催し、17名が出席した。
4月16日に開催された日書連4月理事会の報告では、『全国小売書店経営実態調査』の返信と、「書店くじ」への参加を呼びかけた。また、2月3日~4日に宮崎市で行われた九州ブロック会の報告があり、九州各県の書店組合、九州雑誌センター、テジマ、天龍運輸が出席して情報交換したと説明した。
読書推進では、北九州支部の10法人19書店で4月21日から5月6日まで、「サン・ジョルディin北九州」を開催すると報告した。参加店は独自のポスター展示やプレゼントの配布等によって店頭フェアを実施、それを写真に撮りコメントを添えて支部の事務局に送付する。選考委員による審査を6月に行い、優秀店を表彰する。
今年で4回目となる「九州選書市2015」を9月8日(火)10時~14時、福岡市中央区のホテルニューオータニ博多で開催することを了承した。今後は実行委員会で企画・運営を進める。(加来晋也広報委員)

総会議案事項について審議/北海道理事会

北海道書店商業組合(志賀健一理事長)は、4月21日午後2時45分から、札幌市中央区の北海道建設会館で定例理事会を開催した。
理事会では、志賀理事長、高橋千尋副理事長から、4月16日に行われた日書連理事会の報告が行われたのち、北海道組合の活動について審議。第39回通常総会における平成26年度事業報告及び平成27年度事業計画について、各事業担当理事を決定し、原稿の締切期限を4月30日とした。また、平成26年度収支決算報告及び平成27年度収支予算案について、事務局より説明して審議した。このほか、5月理事会の日程を5月19日から12日に変更することを承認した。
(事務局・髙橋牧子)

吉田理事長が中学校で講演/書店の仕事の魅力を紹介/滋賀県彦根市

滋賀県彦根市立中央中学校(西澤徹校長)は2月17日、「働く人に学ぶ」と銘打ったキャリア授業を実施。講師の一人として滋賀県書店商業組合の吉田徳一郎理事長が同校1年生延べ40名を前に「書店について」をテーマに話した。
生徒の希望する職種で働く人を招き話を聞くというもので、書店は一番、二番を争う人気職種だったという。書店をはじめ銀行、調理師、看護師、警察の関係者ら10名が講師を務めた。
吉田理事長は「商品知識、流通、店舗運営などを知りプロになるために10年は必要」とした上で、「書店は幅広いジャンルの本を扱うので、視野が広くなり、ものの見方が深くなる。お客様に喜んでいただき、より良い社会を形成するための一翼を担うことができる」と書店の仕事の魅力を説明。その社会的使命を果たすためには「幅広く学び、文化を大切にすることが大切」と強調した。そして「好奇心を持ち、自ら学び考える習慣を中学校生活の中で身につけてほしい」とアドバイスした。
吉田理事長の話を聞いた中学生の一人は「書店では幅広いジャンルの本が置いてあることや、図書の種類別の番号があることを学びました。吉田さんは何でも興味を持つことが大切と教えてくださいました。プロになるのに10年も必要と初めて知りました」と感想を述べた。

出版販売金額4・5%減少/増税の影響で過去最大の落ち込み/出版指標年報

全国出版協会・出版科学研究所が発行した『2015年版出版指標年報』によると、2014年の取次ルートを経由した出版物(書籍・雑誌)の推定販売金額は前年比4・5%減の1兆6065億円となった。内訳は、書籍が同4・0%減の7544億円、雑誌が同5・0%減の8520億円。消費税増税の影響で出版物への支出が抑制され、販売金額は1950年の統計開始以来最大の落ち込みを記録した。
〔ベストセラーの部数水準が低下/書籍〕
書籍の推定販売金額は7544億円、前年比4・0%減少し、8年連続のマイナスになった。4%以上の下落は09年の4・4%減以来。これまでミリオンセラーの続出や、文庫本など価格の安い本の需要が底堅いこともあって、書籍の売上は比較的堅調だった。しかし4月の消費税増税の影響は想像以上に大きく、読者の購買マインドの冷え込みで販売状況は急速に悪化、年後半になっても復調しなかった。
ミリオンセラーは、出版科学研究所の年間単行本総合ランキングではゼロ。集計対象外の実用書では唯一『長生きしたけりゃふくらはぎをもみなさい』(アスコム)が100万部に達した。2000年代以降、最低1作はミリオンセラーが登場しており、14年は上位作品にも勢いがなかったことがわかる。全体を牽引する売れ筋商品が乏しく、ベストセラー商品の部数水準も例年を大きく下回った。
推定販売部数は前年比4・8%減の6億4461万冊と、金額以上にマイナス幅が大きく、4%以上の下落は09年の4・5%減以来となった。増税後、読者の買い控え姿勢が文庫本などの廉価商品にもうかがえた。
金額返品率は前年比0・3ポイント増の37・6%。前年は0・5ポイント改善しており、取次各社は14年も新刊配本の引き締めを積極的に行ったが、増税による販売状況悪化がそれを上回る形になった。
新刊点数は7万6465点で前年比1・9%減。流通ルート別の内訳は、取次仕入窓口経由の新刊が同1・6%減の5万5162点、注文扱いの新刊が同2・6%減の2万1303点だった。新刊推定発行部数は同3・9%減の3億3561万冊で、文庫本、新書がともに6%以上の大幅減となったことが大きく影響した。
14年の書籍市場は、新トレンドや爆発的ヒットが不在で、各ジャンルとも苦戦を強いられた。特に文芸書は例年にない不振となり、本屋大賞受賞作『村上海賊の娘』(新潮社、上・下計101万部)や村上春樹の短編小説集『女のいない男たち』(文藝春秋、40万部)、池井戸潤の『銀翼のイカロス』(ダイヤモンド社、60万部)など一部人気作家の作品が売行きを伸ばしても、市場全体への波及には結びつかなかった。
文庫本は読者の消費減退が最も顕著に表れたジャンルで、百田尚樹、池井戸潤、湊かなえ、東野圭吾といった人気作家作品に売行きが集中し、その他の既刊本は伸び悩んだ。
14年の単行本ベスト10は以下の通り。
①人生はニャンとかなる!/水野敬也・長沼直樹/文響社②村上海賊の娘(上・下)/和田竜/新潮社③銀翼のイカロス/池井戸潤/ダイヤモンド社④忍耐の法/大川隆法/幸福の科学出版⑤新・人間革命(26)/池田大作/聖教新聞社⑥学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話/坪田信貴/KADOKAWA⑦まんがでわかる7つの習慣/フランクリン・コヴィー・ジャパン監修、小山鹿梨子漫画/宝島社⑧面倒だから、しよう/渡辺和子/幻冬舎⑨置かれた場所で咲きなさい/渡辺和子/幻冬舎⑩嫌われる勇気/岸見一郎・古賀史健/ダイヤモンド社
〔販売金額17年連続のマイナスに/雑誌〕
雑誌の推定販売金額は8520億円、前年比5・0%減で17年連続マイナスになった。内訳は、月刊誌が同4・0%減の6836億円、週刊誌が同8・9%減の1684億円。月刊誌は好調なコミックスの売上が含まれており、コミックスとムックを除いた定期誌の販売実績は約7%の下落となっている。
推定販売部数は前年比6・4%減の16億5088万冊と史上4番目の下落幅を記録。内訳は、月刊誌が同5・3%減の11億5010万冊、週刊誌が同8・9%減の5億78万冊で、週刊誌の不振が目立つ。
平均価格は前年比1・5%(8円)増の532円と値上がり傾向。月刊誌は同1・2%(7円)増の607円、週刊誌は同0・6%(2円)増の346円だった。
推定発行部数は前年比4・5%減の26億6832万冊、推定発行金額は同3・2%減の1兆4193億円と抑制されたものの販売は低迷し、金額返品率は同1・2ポイント増の40・0%と大幅に上昇した。
不定期誌の新刊点数は、増刊・別冊が前年比10・1%減の4193点、ムックが同1・4%減の9336点。定期誌の不振を補うためにムックの刊行強化が続いていたが、刊行点数の増加による販売効率の悪化を懸念して新刊点数を抑制する出版社も出てきた。
年間の創復刊点数は前年より1点増の87点で、3年連続で100点を下回った。創刊部数は同14・1%増。出版社の創刊意欲は減退しており、新企画は30代向け以上に集中している。
一方、休刊点数は前年より45点増の169点で、4年ぶりに大幅増となった。休刊部数は同196・1%増。インフォレストの『小悪魔ageha』などギャルファッション誌が軒並み休刊した。このため、雑誌の総発行銘柄数は同65点減の3179点となり、8年連続減少した。
電子書籍の市場規模は、インプレス総合研究所調べによると、13年度(14年3月期)で936億円で、前年比28・3%増。電子書籍の約8割を電子コミックが占める。電子雑誌77億円を加えた電子出版市場は1013億円となっている。

6氏に黄綬褒章/春の褒章

春の褒章で全国教科書供給協会から次の6名の方々が黄綬褒章を受章した。伝達式は5月15日、東京・千代田区の如水会館で行った。
▽備前昌信(長野・丸文塩尻書店)▽清水勲(山梨・清文堂書店)▽竹中清(和歌山・竹中書店)▽中村博明(岡山・中村文亀堂)▽山口拓哉(長崎・山口商会)▽太田信子(鹿児島・富浜書店)

読書週間ポスターのイラストを募集/読進協

読書推進運動協議会では2015年・第69回「読書週間」ポスター用のイラストを募集している。
読書週間のポスターは全国の小・中・高等学校、公共図書館、書店等に掲出されるもので、大賞を受賞したイラストがポスターの図柄に採用される。また各種雑誌に掲載する読書週間のPR広告にも使用する。大賞には賞状と賞金10万円を贈るほか、優秀賞3名に賞金1万円、入選10名前後に記念品の図書カードを贈呈する。イラスト募集は今年で19年目で、読進協では美術・デザイン系の大学・短大・各種学校や画材店等に要項を配布するなど、この企画を読書週間の標語募集と並んで普及活動の一環として位置づけている。
作品の応募締切は6月25日必着。応募要項の詳細は読進協「読書週間ポスターイラスト係」(℡03―3260―3071)またはホームページへ。

日書連のうごき

4月8日JPO運営委員会に柴﨑副会長が出席。
4月14日学校図書館整備推進会議幹事会。軽減税率専門委員会流通WGに柴﨑副会長が出席。
4月15日各種委員会。出版物への軽減税率適用を求める陳情で自民党・野田毅税調会長、細田博之幹事長代行、稲田朋美政調会長、維新の党・東徹総務会長代行、丸山穂高議員らを舩坂会長、面屋副会長、吉田理事が訪問。
4月16日九州雑誌センター取締役会に舩坂会長が出席。定例理事会。図書コード管理委員会に藤原副会長が出席。
4月20日第2回書店金賞の出版社説明会に小泉副会長、片岡理事が出席。
4月21日書店大商談会実行委員会に舩坂会長が出席。全国中小小売商団体連絡会。
4月22日出版文化に軽減税率適用を求める有識者会議に舩坂会長が出席。

「本屋が選んだ絵本」展示販売/サン・ジョルディフェスティバル名古屋

30回目となる「サン・ジョルディフェスティバル名古屋2015」が4月19日、愛知県名古屋市中区の名古屋テレビ塔1Fタワースクエアで開かれた。サン・ジョルディ名古屋実行委員会(愛知県書店商業組合、日本・カタルーニャ友好親善協会)主催、中日新聞社共催。
オープニングセレモニーで愛知組合の佐藤光弘理事長は「1995年に阪神・淡路大震災の被災者の方々を助けたいとリサイクル本のチャリティ販売を始め、19年間続けた。その間、1264万円を各団体に寄付した。一昨年から会場をオアシス21からテレビ塔下に変え、本の集まりが悪くなったこともあり、チャリティ販売は取り止めた。代わりに昨年は本屋大賞受賞作品の展示販売を行った。今年は、本屋さんが選んだ『子どもに読み聞かせたい絵本101冊』と銘打って、組合と児童書出版社が協力して展示販売する。組合でも販売している店舗があるので立ち寄っていただきたい」とあいさつした。
会場では、「本屋さんが選んだ『子どもに読み聞かせたい絵本101冊』」の展示販売をはじめ、絵本作家の宮西達也さんと鈴木のりたけさんの読み聞かせとサイン会、サン・ジョルディの日を日本に紹介した易経研究家の竹村亞希子さんのトークショーとサイン会を行った。展示・サイン本の売上げは198冊・25万40円だった。
このほか、JPIC読書アドバイザークラブ(JRAC)による読み聞かせコーナーとワークショップ、絵本作家・はんこ作家のこじましほさんの消しゴム教室、バラの販売を行った。
また、今回は特設会場で「大学生ビブリオバトルin名古屋テレビ塔」(愛知県書店商業組合主催)も開催し、大学生5人が「あなたに贈りたい本」をテーマに書評合戦を繰り広げた。

京都市図書館主催「子ども読書の日記念事業」に協力/京都組合

京都市図書館は4月11日から23日まで「子ども読書の日記念事業」を実施した。子どもたちが本と出会い、触れ合えるイベントの実施を目的に、京都市図書館の主催で毎年実施しているもの。期間中、市内の各市立図書館で職員やボランティアサークルなどによる絵本の読み聞かせや紙芝居のほか、パネルシアターや手遊び、人形劇など様々な催しが行われた。
催しの中核である京都市中京区の京都市中央図書館では、世界のバリアフリー絵本展と題し、障がいの有無にかかわらず、すべての子どもたちが一緒に楽しめるように工夫された絵本が展示されたほか、お気に入りの本を紹介し合う「ビブリオバトルティーンズ大会」なども開催された。
このほか4月18日には京都市中京区の京都市生涯学習総合センター(京都アスニー)で、詩人で絵本作家の谷川俊太郎氏を招いたトークライブが開催された。「言葉の力を育む」をテーマに、第一部はコーディネーターとの対話形式で、言葉には使われ方や感じ方が幼い子供と大人では違うことの不思議さがあり、その面白さを話した。また、会場の参加者も一緒になって、谷川氏の作品『かっぱ』の朗読を行った。
第2部では、市内の中学生が壇上に上がり、言葉の持つ意味と可能性などについて意見を交わした。谷川氏は、創作する際の視点として「詩を読んでくれた人が喜んでくれることが大切で、それを意識して創作していること」「詩を何度も見直して手を加えるため、一つの詩の完成に1ヵ月程度費やしていること」を語った。自身が詩に興味を抱くことになった経緯やエピソードも披露した。
最後に、会場の全員で作品『うそ』の朗読をして、会は終了した。
このトークライブでは、講演会の前後の時間に、京都府書店商業組合(中村晃造理事長)が谷川氏の作品の展示販売を担当した。この事業は、京都市が主体となる「子どもの読書活動推進のための懇談会」が後援しており、京都組合もこの懇談会のメンバーであることから、事業に協力するため毎年参加している。
(澤田直哉広報委員)

実売率アップ、読者ニーズ対応、店頭活性化に重点/全国トーハン会代表者会議

トーハンは4月22日、東京・文京区のホテル椿山荘東京で全国トーハン会代表者総会を開き、書店、出版社、トーハン関係者など計323名が出席。藤井武彦社長は「実売率を上げる」「読者ニーズへの対応強化」「店頭活性化プロジェクト」といった重点施策の取り組みで7%以上の増売を目指す方針を示した。
藤井社長は、店頭POSの実績が前年比93・9%だったことから、低落傾向に歯止めをかけ、前年並みに引き上げるには7%以上の実効性のある施策が必要と強調。今年度の基本方針について「返品率自体を目標とせず、TONETSネットワークを活用し、送品の質を高めながら一定の送品量を維持し、店頭の実売率を高める。その結果として返品率は下がることになる。個々の書店の売上げを伸ばすことで業界全体の売上げも伸ばせるよう進める」と述べた。
今年度の重点施策については①店頭の品揃えを充実させて実売率を上げる取り組み、②客注対応と複合化による読者ニーズへの対応強化、③集客と売上げに貢献するイベントを実施し、他チャンネルに流失した読者を店頭に呼び戻すための店頭活性化プロジェクト、④外販企画の取り組み――の4点を挙げ、「トーハンはエリア書店と一体となってともに歩み、大手ネット書店に偏らない、バランスのとれた出版文化の発展を図る。書店が地域の中で一段と存在感を増していくよう取り組む」と述べた。
続いて、トーハン会を代表して沖縄トーハン会の大城行治会長(大城書店)があいさつ。戦後70年の沖縄の歴史を語り、「沖縄トーハン会は他のトーハン会と切磋琢磨しながら頑張っていく」と述べた。
販売コンクール「全国トーハン会プレミアムセール2014」の表彰では、前期1位熊本など上位3会、後期1位東北岩手支部など上位3会、年間総合1位東北岩手など上位10会、販売貢献賞の中部、北陸、京都、パートナー特別賞のトーハン沖縄営業所を表彰した。
同セールの昨年の年間合計販売実績は、目標9億円に対して9億6700万円で、前年比109・7%、目標比107・4%だった。今年度の販売目標は10億円としている。
昨年に続き総合1位に輝いた東北トーハン会岩手支部の玉山哲支部長(東山堂)は、復興に向けた苦難の歩みを報告し、「震災の後、販売力だけは落としてはいけないと頑張ってきた。トーハンが外販営業部を作ってくれて助かった」と述べた。
営業方針と施策を説明した近藤敏貴副社長は、WOWOWやぴあとの共同キャンペーンを発表した。

訃報

白石勝氏(しらいし・まさる=元文藝春秋社長)
5月2日、白血病のため死去、75歳。葬儀は近親者のみで済ませた。後日お別れの会を行う予定。
「週刊文春」「文藝春秋」の編集長などを経て、1999年に同社社長、2004年に会長に就任。同年、日本雑誌協会の理事長にも就いた。