全国書店新聞
             

平成18年9月1日号

神奈川組合第29回通常総会/返品入帳改善求め決議/長谷川義剛理事長を再選

神奈川県書店商業組合は8月25日午後1時15分から横浜市の神奈川平和会館で第29回通常総会を開き、組合員199名(委任状含む)が出席。返品入帳問題の改善を求める決議(別掲)を採択した。役員改選では長谷川義剛理事長(長谷川書店)を再選した。
総会は岩下寛治副理事長(岩下書店)の司会で始まり、長谷川理事長があいさつ。「当面、組合運営上懸念されることは組織問題。平成17年4月に396名だった組合員が1年間で371名に減った。経営困難のための廃業だが、入帳や支払い問題で営業意欲を失い廃業した書店も多い。ナショナルチェーン系大型書店の過剰出店など、中小書店の経営環境はますます悪化の一途をたどっている」と述べ、事態改善に向けた組合活動を強く訴えた。
村上弘一常務理事(村上書店)を議長に進めた議案審議では、平成17年度事業報告、平成18年度事業計画案、決算・予算案などすべての議案を原案通り可決承認した。このうち事業報告と事業計画案は長谷川理事長が一括提案。①読書推進のため小学館の協力のもと始めた「読書ノート」を平成19年春の読書週間をもって終了する。当初3カ年計画で消化に努めてきたノートの残部が少なくなったため。②神奈川県子ども読書活動推進会議が主催する第2回「神奈川県読書活動推進フォーラム」が10月28日に横浜銀行本店ベルマーレホールで開かれる。特に今年は文字・活字文化振興法の具現化を目指した活動に取り組む――などの報告があった。このあと、返品入帳問題の改善を求める決議を提案し、満場一致で採択した。
役員改選では選考委員5名が理事40名、監事2名を指名推薦したのち第1回理事会を開き、長谷川理事長を再選した。副理事長も全員留任となった。2期目となる長谷川理事長は「9月に新しい首相が決まる。出版業界ではトーハン、日販とも若い社長が誕生した。時代は大きな変革期を迎えている。神奈川組合にも新しい改革派が現れることを望む。朝が来ない夜はない。一生懸命努力する」と所信を述べた。
来賓の日書連・丸岡義博会長は「全国小売書店経営実態調査の結果をもとに、マージン拡大、返品入帳改善、支払いサイト延長など書店経営環境改善に取り組んでいる。返品率を下げることでマージン拡大を目指したい。本日総会で決議されたが、返品入帳問題を改善しなければ中小書店の活路は開けない。活字文化を守るため、業界3者に読者および著者の観点を取り入れることも考えていきたい」とあいさつした。
総会終了後、中華街の中華料理店「華正楼」に会場を移し、出版社、取次などをまじえて懇親会を行なった。
〔神奈川組合役員〕
▽理事長=長谷川義剛(長谷川書店)
▽副理事長=山本裕一(信濃屋書店)井上俊夫(井上書房)堀護(宮崎台書店)平井弘一(平井書店)岩下寛治(岩下書店)
決議文
書店の中で取次との間の、取引問題の改善を求める声が出て久しい。取引問題のひとつに、返品入帖問題がある。
〆期迄に取次に返品した商品金額を、その期に差し引いて計算することは、社会的通念である。
取次が、きちんと入帖して、請求書を発行することを、日書連が取次各社に早急に文書で、申し入れることを強く求めるものである。

兵庫で図書カード詐欺

図書カード詐欺事件が8月に入ってから兵庫県神戸市、明石市などで連続して発生。兵庫組合は注意するよう呼びかけている。手口は、閉店前の煩雑時に2人組の男が来店し、まとまった金額の図書カードを注文する。1人が持参の封筒に入れるよう依頼し、もう1人は本を探すよう店員に依頼。レジ周りを手薄にしてから、「財布を忘れた」などと言って図書カードを入れた封筒を返す。その際、別に持参した同種の封筒とすり替えるというもの。

新販売システムを導入/店頭活性化めざす日書連企画

日書連は書店店頭の活性化を図るため「新販売システム」の導入を決めた。先般実施した「全国小売書店経営実態調査」で「書店マージンの拡大」「適正配本」を望む声が多く寄せられたことを受け、「受注生産」「満数配本」「完全売り切り(返品ゼロ)」を目指す。講談社の協賛を得て、「文字・活字文化の日」の10月27日より商品の販売を開始する。
この企画は「文字・活字文化の日」を記念して実施するもの。書店店頭活性化を図るとともに、地域密着型の書店が核となって新しい読者層の獲得に努めることが目的。事前に書店から注文を取り、総部数を決定してから製本。書店への配本については希望通りの満数配本で、完全に売り切って返品はゼロという、従来の手法にはなかった画期的な試みとなる。
また、この企画は書店自らの手で選んだ良書を普及させる読書推進運動でもある。活字離れ、国語力の低下が叫ばれる中、昨年「文字・活字文化振興法」が制定されたが、同法は知的で心豊かな国民生活、活力ある社会の実現にとって文字・活字文化の振興が果たす役割は大きいと指摘している。文字・活字文化ならびに情報発信の最前線にいる書店がこの機会をとらえ、知的で心豊かな国民生活の実現に向けて積極的な役割を担うためにも、同企画を成功に導き永く実施していきたいと日書連は考えている。
参加資格は日書連傘下組合員書店のみ。注文方法は往復ハガキまたはFAXで所属の都道府県組合に9月25日までに申し込む。発売日は10月27日。出荷条件、対象書籍など詳細については、9月4日の「新販売システム」導入企画発表会で発表する。また、全国書店新聞、日書連ホームページ、業界紙誌などでも内容の告知を行なう。

共済会給付

(18・7・19~18・8・23)
▼病気傷害相模原市松ヶ枝町25―15ブックス山田山田修一殿
豊島区長崎2―2―11創生社書店大野浩司殿
名古屋市西区浅間2―6―4押切堂書店大原堅二殿
高岡市御馬出町80高岡清文堂書店清水三郎殿
3口
京都市東区今熊野椥ノ森町11大新堂書店大井三郎殿2口
▼死亡弔慰名古屋市守山区西新7―5ミドリエン上田耕作殿
名古屋市西区浅間2―6―4押切堂書店大原堅二殿
柳井市中央2―7―28都野書店都野隆司殿5口

新会社法、書店活性化で講演/栗田・出版販売実務セミナー

書店経営研究会(郷田照雄会長)が主催する第27回出版販売実務セミナー(栗田出版販売ほか協賛)が8月23日、文京シビックセンターで開かれた。
冒頭、郷田会長が「業界自体が大きく変化している中で、根本的に変わらない部分もあるのではないか。どうしたらお客様に喜んでいただけるか、今一度原点に返って出版物を売ろうという気概を盛り上げないといけない」とあいさつ。続いて第1講で明日香出版社の石野誠一取締役相談役が「新会社法のもと中小書店で気をつけておくべきこと」をテーマに講演した。
石野氏は、「新会社法は、中小の会社に関して法を実態に合わせてきたというのがポイントだと思う。今後は有限会社が作れなくなったのに、有限会社についての本が店頭にまだ残っている。お客様のクレームもあるので、早急に他の本に変えたほうがいい」と前置きして説明に移った。
新会社法施行で株式会社への一本化が行なわれ、これまでの有限会社は自動的に「特例有限会社」に移行したが、石野氏は特例有限会社のメリットとして、取締役・監査役の任期が無期限であること、決算公告の義務がないことなどを挙げ、「この特例措置は一定期間の後になくなる可能性が高いのではないか」と考えを述べた。
留意点として「定款でいろいろな重要事項を定められるようになったので、時間があるときに定款の整備を進めてほしい。今後は資本金がいくらかということが信頼の目安になってくるのではないか。決算書や定款、謄本を求められることが多くなると思う。大事なことは書類にして残しておくことだ」と指摘した。
このほか、「実質1人会社(特殊支配同族会社)」の該当要件と、増税対策などについて説明した。
第2講は信水舎書店(成田市)の飯塚信義取締役店長が「町の書店をどう活性化するか~文庫3ケタ売る方法~」をテーマに講演した。飯塚氏は、最初は業務改善や経営理論に関心があったが、2000年頃にこれでは駄目だと思い他の方法を模索。その時読んだのが佐野眞一の『だれが「本」を殺すのか』で、岩手県・さわや書店の伊藤清彦店長の取り組みを知って感銘を受け、それから自分で読んだ本でこれはと思ったものを店で薦めるようになったと話した。
選書や取り組み方については、「基本的に他店でも売っている本は大して売れないので避けたほうがいい。本は『このミステリーがすごい!』や『本の雑誌』、「週刊ブックレビュー」などを見て好評だったものを読んでみて、POPや帯でアピールした。理想的なパターンは、単行本で読んで、文庫になったとき仕掛けること。入荷が難しい出版社というのは何社かあるが、営業の人と電話でしばしばケンカして、好きな本の話をしていくうちに仲良くなったりした」と手法を説明した。
飯塚氏は、最近は書店のお薦め本というのがはやっているが、本当に読んでいるのか疑問に思うものも多いと指摘。「若い書店員に多いのは、ジャンルが偏ること。幅広い本を読んでほしい。最近はお客さんから〝ここじゃないと売っていない〟〝この店は面白いと聞いてきた〟という声を聞くようになった。6年くらいでこういう風になり、少しずつでも浸透してきたのかなと思う」と結んだ。

大阪狭山市図書館の指定管理者にTRC

大阪狭山市が市立公民館、図書館の指定管理者の募集を公示、その入札結果が8月5日明らかになったが、TRCが選定された。最終的な選考基準は、会社の財政規模、資本金、総合的な会社への信頼度、知名度等ということのようだった。
今回の入札については、大阪組合の情報入手が遅くて、直接受注に参加できなかった。他府県の都市の図書館では、NPO法人等が
受注しているところもあるようなので、行政の各種情報入手の徹底が望まれるところだ。
なお、大阪狭山市での指定管理者による市立図書館の管理運営は来年4月から行われる予定。指定管理者に変わっても、施設の利用は基本的に従来通りという
ことだ。
(中島俊彦広報委員)

青年部活動、IT化などを推進/奈良組合総会

第22回奈良県書店商業組合定期総会が、7月29日午後4時より宇陀市の美榛苑で開催された。
猛暑の中参加した多数の組合員を前に、西本功理事長(ジャパンブック郡山)があいさつ。組合員減少など組合を取り巻く困難な状況について触れ、組合活動への理解を求めた。
総会は吉岡章氏(現代社)の司会で進行、議長に林田芳幸氏(啓林堂)を選出して議案審議を行った。県教職員組合互助券の事業が廃止されるなど経済的にきびしい状況ではあるが、事業計画案として青年部の活動促進、組合員書店のIT化推進などの事業をさらに進めていくことが提案されたほか、決算及び予算案等が提出された。議案は審議の後すべて全会一致で承認された。
総会終了後、同会場において全国情報化推進委員長会議に出席した林田芳幸氏(啓林堂)とJPO関西報告会に出席した庫本善夫(庫書房)からそれぞれの報告があった。その後、別室に会場を移して懇親会が行われた。なお、組合費長期滞納者1名を除名処分とした。
(庫本善夫広報委員)

7月期は1.5%減/映画化作品が人気集める/日販調べ

日販調べの7月期書店分類別売上調査は前年比1・5%減で、4カ月ぶりの前年割れとなった。
規模別では201坪以上、立地別では「その他(ビジネス街など)」が前年を上回ったほかは、全て前年比マイナスとなった。ジャンル別では、文庫(9・9%増)、コミック(4・9%増)、実用書(1・6%増)が前年をクリア。これら3ジャンルは前月から引き続き前年比プラスになっている。
コミックは、『DEATHNOTE』、『ハチミツとクローバー』(ともに集英社)が映画のヒットに伴い好調。『鋼の錬金術師』(スクウェア・エニックス)の新刊発売も重なって勢いを持続した。文庫は映画化した『ブレイブ・ストーリー』(角川書店)が好調だった。文芸書は直木賞・芥川賞作品が健闘するも及ばず7・1%の大幅減で、2年続けて前年割れになった。

訃報

今泉幹一郎氏
元青森県書店商業組合理事長、元日書連理事。8月22日に逝去した。82歳。通夜は25日、葬式は26日、弘前市百石町・弘安閣で営まれた。喪主は長男の昌一氏。昭和53年5月から平成9年まで日書連理事として活躍した。

全国小売書店経営実態調査報告

日書連が昨年末実施、5月にまとめた「全国小売書店経営実態調査」は7月1日号に報告書の概要を発表したが、さらに詳細なデータをという声に応えて、再度、完全な形で紹介する。
〔第1章書店の現状〕
1、本店・支店構成
本店86・6%支店12・6%無回答0・8%
①調査対象店は「本店」が86・6%と大半で、「支店」が12・6%である。
②ブロック別での違いは少なく、各ブロックとも8割以上が「本店」である。
③立地環境別にみると、SC内で「本店」の割合は43・7%と少なく、商店街で96・4%と多い。
④売場面積別では、規模が小さい店舗ほど「本店」の割合が多い。
2、開業年
明治以前9・0%大正6・1%昭和1~20年10・2%昭和21~30年17・7%昭和31~40年11・0%昭和41~63年29・0%平成12・1%その他0・7%
無回答4・1%
①戦後昭和21年以降の開業が69・8%を占め、中でも「昭和41~63年」(29・0%)の割合が多い。
②ブロック別にみると、関東ブロックでは「昭和41~63年」が37・9%を占めており、相対的に新しい店舗が多い。開業年の古い店舗が多い北信越ブロックでは、明治以前が21・9%を占める。
③立地環境別では、SC内や郊外の店舗は開業年が新しく、平成に入ってからの開業店舗が多い。逆にビジネス街の店舗では、明治以前の開業が25・0%と古い店舗の割合が多い。
④売場面積別では、規模が大きな店舗ほど開業年が新しい傾向にある。
3、立地環境
商店街42・2%住宅地17・8%駅ビル・駅前14・2%郊外11・2%SC内5・9%ビジネス街2・0%学生街2・0%その他4・0%無回答0・8%
①書店の立地環境は、「商店街」が42・2%で最も多く、以下「住宅街」(17・8%)、「駅ビル・駅前」(14・2%)、「郊外」(11・2%)の順である。
②ブロック別では、北海道ブロックと北信越ブロックに「商店街」の割合が多く、東京ブロックでは「駅ビル・駅前」が多い。
③売場面積別にみると、大型店は「駅ビル・駅前」、「郊外」、「SC内」での立地が多い。
4、売場面積
10坪以下17・3%11~20坪29・7%21~40坪23・2%41~60坪8・7%61~80坪5・4%81~100坪4・5%101~150坪
4・8%151~200坪
1・8%201~300坪
1・5%301~500坪
1・3%501~1000坪
0・4%1001坪以上0・1%無回答1・2%
①調査対象1店あたりの売場面積は「11~20坪」の店舗が29・7%で最も多く、次いで「21~40坪」(23・2%)、「10坪以下」(17・3%)の順となっており、40坪以下の店舗が全体の7割を占める。
5、兼業の有無
兼業76・9%専業19・3%無回答3・8%
①書籍・雑誌以外の商品を取扱う「兼業」店は76・9%である。
②ブロック別にみると、北海道ブロックと九州ブロックで「兼業」の割合が多く、東京ブロック、近畿ブロックで「兼業」の割合が少ない。
③立地環境別では、商店街や郊外で「兼業」の割合が多い。
④売場面積別では、小規模店で「兼業」の割合が少なくなっている。
6、兼業商品の種類
文房具44・0%教科書37・3%CD・ビデオの販売18・9%取次業務(宅配・DPE等)12・5%煙草12・2%雑貨10・0%お菓子・パン4・9%飲料品4・3%CD・ビデオレンタル
3・9%ゲーム・PCソフト販売3・9%学習教室1・6%古書1・0%喫茶・レストラン
0・7%薬局0・6%貸本0・2%その他12・8%①兼業店における書籍・雑誌以外の取扱商品・サービスは、「文房具」が44・0%で最も高く、以下「教科書」(37・3%)、「CD・ビデオの販売」(18・9%)、「取次業務(宅配・DPE等)」(12・5%)、「煙草」(12・2%)の順。
②ブロック別にみると、「文房具」や「教科書」の取扱いには地域差がみられ、「文房具」は北海道ブロックと北信越ブロックで高く、東京ブロック、近畿ブロックで低い。「教科書」は北海道ブロック、中国ブロックで高く、東京ブロックで低い。
③立地環境別でみると、郊外で取扱比率が高いのは「文房具」、「CD・ビデオの販売」「同レンタル」。
④売場面積別では、大型店ほど「CD・ビデオの販売」や「同レンタル」、「ゲーム・パソコンソフト販売」の取扱比率が高い。
7、売上げに対する兼業の割合
5%未満12・2%5~10%未満8・0%10~20%未満15・1%20~30%未満11・0%30~40%未満10・1%40~50%未満6・2%50~60%未満6・3%60%以上13・5%無回答17・6%①総売上に占める兼業割合50%以上の兼業依存率が高い店舗は19・8%、依存率10%未満の専業店に近い店舗は20・2%である。
②ブロック別でみると、東京ブロックは兼業依存率が低く、北海道ブロックは依存率が高くなっている。
③立地環境別や売場面積別では、あまり大きな違いがみられない。
8、電子機器の使用状況
ファックス93・2%パソコン71・8%コピー機66・6%ハンディターミナル
35・1%POSレジ34・4%その他3・3%無回答3・2%
①使用している電子機器は、「ファックス」が93・2%と最も高く、以下「パソコン」(71・8%)、「コピー機」(66・6%)などが主要なものだが、「ハンディターミナル」(35・1%)、「POSレジ」(34・4%)も3割程度の店舗で使用されている。
②立地環境別にみると、郊外は全般的に電子機器の使用率が高い。駅ビル・駅前やSC内では「ハンディターミナル」や「POSレジ」、ビジネス街では「パソコン」の使用率が高い傾向にある。
③売場面積別では、店舗規模が大きいほど電子機器の使用率は高い。
9、パソコンによる業務内容
書誌検索77・3%受・発注管理60・4%出版社・取次の在庫情報確認57・8%売上管理50・2%会計、経理40・4%販促物の作成33・8%定期改正33・6%顧客管理・予約管理
28・3%顧客との通信・連絡
26・4%在庫・商品管理24・7%ホームページ開設・運営22・3%返品管理19・9%店舗間の連絡事務
15・5%電子商取引9・5%その他3・2%無回答1・6%
①パソコンによる業務は「書誌検索」が77・3%と最も高く、続いて「受・発注管理」(60・4%)、「出版社・取次の在庫情報確認」(57・8%)、「売上管理」(50・2%)などが上位にある。
②ブロック別には、九州ブロックで「受・発注管理」、近畿ブロックで「出版社・取次の在庫情報確認」、北海道ブロックで「顧客との通信・連絡」がそれぞれ高くなっている。
③立地環境別では、SC内や郊外の店舗が、比較的幅広い業務でパソコンを使用している。
④売場面積別では、規模が大きい店舗ほどパソコンを様々な業務に使用している傾向がみられる。
10、商品催事、読書推進活動の実施状況
「書籍フェアやコーナー作り、POP等の売場演出などの商品催事」
積極的に行っている
16・0%時々行っている37・2%過去行ったことがあるが現在は行っていない
22・1%行ったことはない
22・2%無回答2・4%
①書籍フェアやコーナー作り、POP等の商品催事を「積極的に行っている」店舗は16・0%、「時々行っている」店舗は37・2%で、全体の53・2%が商品催事を実施している。
②ブロック別では、東北ブロックや関東ブロックで実施している店舗の割合が多い。
③立地環境別では、SC内、郊外、駅ビル・駅前での実施率が高い。
④売場面積別では、規模が大きい店舗ほど実施率が高い傾向にある。
「読み聞かせ会など自店独自の読書推進活動」
積極的に行っている
5・5%時々行っている5・8%
過去行ったことがあるが現在は行っていない
10・7%行ったことはない
75・7%無回答2・4%
①読み聞かせ会など自店独自の読書推進活動を「積極的に行っている」店舗は5・5%、「時々行っている」店舗が5・8%であり、実施率は全体の11・3%である。
②ブロック別では、四国ブロックでの実施率がやや高い。
③立地環境別では、郊外とSC内で実施率が高く、学生街やビジネス街、商店街では実施率が低い。
④売場面積別では、規模が大きい店舗ほど実施率が高くなっている。
〔第2章雇用・労働条件〕
1、営業時間
8時間未満3・1%8時間以上6・4%9時間以上12・0%10時間以上23・6%11時間以上22・4%12時間以上19・2%13時間以上6・9%14時間以上6・0%
無回答0・4%
①1日の営業時間は「10時間台」「11時間台」「12時間台」がそれぞれ2割前後と多い。
②立地環境別では、郊外での営業時間が長く、ビジネス街や学生街では短くなっている。
③売場面積別では、規模が大きくなるほど営業時間が長くなる傾向がみられる。
2、定休日
無休40・6%月1日6・6%月2日5・3%月3日1・7%週1日28・1%週2日2・6%定休日未定13・1%無回答2・0%
①定休日のない年中「無休」の店舗が40・6%を占めて最も多く、次いで「週1日」が28・1%である。
②ブロック別では、東北ブロックに「無休」の割合が多く、近畿ブロックでは少ない。
③立地環境別では、SC内や郊外に「無休」の割合が多く、ビジネス街や学生街では少なくなっている。
④売場面積別では、規模が大きくなるほど「無休」の割合が高くなる傾向がみられる。
3、従業員の構成
(サンプル平均値)専従役員1・3人家族従業員1・3人雇用従業員3・1人パート3・7人アルバイト6・2人
①今回の調査対象店において各種従業員のいる比率では、「家族従業員」が63・2%と最も高く、次いでパートタイマーが53・8%と高い。
4、平均勤務時間
経営者およびその家族10・1時間雇用従業員8・2時間パート5・3時間アルバイト4・6時間
5、平均賃金
〔平均初任給〕
高卒14万4793円短大・専門学校卒
15万5931円大卒17万5792円
アルバイト・パート平均時給751円
①平均初任給は高卒で14万5千円、短大・専門学校卒で15万6千円、大卒で17万6千円である。
②アルバイト・パートの平均時給は751円。
③東京、関東、東海の各ブロックで平均値が高い。
〔第3章経営の実態〕
1、書籍と雑誌の売上比率
書籍のみ0・7%書籍9対雑誌1
2・2%8対23・7%7対37・5%
6対46・6%5対57・1%4対613・5%3対721・3%2対8 17・5%1対9 11・4%雑誌のみ1・9%無回答6・6%
①書籍3対雑誌7の比率が最も多く21・3%、次いで2対8の売上比率が17・5%であり、雑誌の割合が6割以上を占める店舗は65・6%に達している。
2、書籍回転率
1回転未満3・5%1~2回転未満18・1%2~3回転未満19・5%3~4回転未満23・7%4~5回転未満15・6%5~6回転未満6・8%6~7回転未満5・9%
7回転以上6・8%
①書籍の年間回転率(年間売上高/在庫高)は3~4回転未満23・7%、2~3回転未満19・5%、1~2回転未満18・1%が多く、5回転未満の店舗が全体の約8割を占め、平均4・1回転である。
3、返品率
最近数カ月の書籍返品率
10%未満7・5%10~20%未満5・9%20~25%未満6・0%25~30%未満3・4%
30~35%未満11・8%35~40%未満8・9%40~45%未満14・9%45~50%未満4・0%50~60%未満7・0%60%以上7・8%無回答22・7%①最近数カ月の書籍返品率は40~45%未満が14・9%、30~35%未満が11・8%と多く、平均返品率は34・8%である。
最近数カ月の雑誌返品率
10%未満3・5%10~20%未満4・0%20~25%未満2・7%25~30%未満10・2%30~35%未満9・7%35~40%未満24・0%40~45%未満9・9%45~50%未満9・7%50~60%未満1・3%60%以上5・8%無回答19・3%①最近数カ月の雑誌返品率は35~40%未満が全体の24・0%と多く、平均返品率は29・9%である。
4、商品入荷状況
〔新刊書籍の入荷〕
希望通り入荷することが多い7・5%入荷するが希望数は入らないことが多い33・7%ほとんど入らないことが多い50・2%無回答8・5%
①新刊書籍全般の入荷状況では、「ほとんど入らないことが多い」とする店舗が50・2%と半数強に上り、最も多い。次いで「入荷するが希望数は入らないことが多い」(33・7%)となっており、「希望通り入荷することが多い」とする店舗は7・5%である。
②売場面積別では、規模が大きい店舗で「希望通り入荷することが多い」割合が多くなる傾向にある。
〔雑誌の入荷〕
希望通り入荷することが多い29・3%入荷するが希望数は入らないことが多い53・6%ほとんど入らないことが多い7・7%無回答9・3%
①雑誌の入荷状況では、「入荷するが希望数は入らないことが多い」という店舗が53・6%を占め、「希望通り入荷することが多い」は29・3%である。
②売場面積別では、規模が大きい店舗で「希望通り入荷することが多い」という割合が多い。
〔ベストセラーの入荷〕
希望通り入荷することが多い4・7%入荷するが希望数は入らないことが多い31・8%ほとんど入らないことが多い54・8%無回答8・7%
①ベストセラーの入荷状況は、全体の54・8%が「ほとんど入らないことが多い」としている。
②但し、201坪以上の店舗では、3割が「希望通り入荷することが多い」としている。
〔補充品の入荷〕
正確に早く注文通り入荷している19・6%入荷するが遅い56・3%品切れが多い13・6%無回答10・5%①補充品に関しては、全体の56・3%の店舗で「入荷するが遅い」と回答しており、「正確に早く注文通り入荷している」と回答した19・6%を大きく上回っている。
②売場面積別では、規模が大きい店舗ほど「正確に早く注文通り入荷している」とする割合が多い。
〔客注品の入荷〕
入荷するが遅い53・9%入荷日が不正確38・6%取次の客注有料システムが優先される24・0%取次より宅配が早い
17・6%正確に早く注文通り入荷する15・0%品切れが多い14・2%無回答5・9%
①客注品の入荷状況は「入荷するが遅い」が53・9%で半数を超える。次いで「入荷日が不正確」38・6%、「取次の客注有料システムが優先されている」24・0%となっており、「正確に早く注文通り入荷する」と回答した割合は15・0%である。
②売場面積別では「151~200坪」と「201坪以上」の店舗で「正確に早く注文通り入荷する」と回答する割合が多い。
〔補充品や客注品に対する出版社・取次の対応〕
責任をもって正確に対応してくれる36・4%対応してくれるが正確性に欠ける48・2%対応してくれない
3・7%無回答11・6%①「対応してくれるが正確性に欠ける」とする割合が48・2%と最も多く、「責任をもって正確に対応してくれる」(36・4%)を上回る。
5、在庫に占める常備寄託品・長期委託品の割合
10%未満33・2%10%台14・7%20%台13・9%30%台12・8%40%台3・4%50%台3・6%60%台3・0%70%台2・4%80%台2・1%90%台1・5%無回答9・3%
①在庫の中で常備寄託品・長期委託品の占める割合は、「10%未満」が最も多く33・2%を占め、40%台以上の店舗は少ない。
6、総売上高に占める外商の割合
10%未満30・0%10%台9・5%20%台8・3%30%台10・4%40%台5・4%50%台5・8%60%台6・9%70%台7・7%80%台6・0%
90%台4・7%100%1・4%無回答4・0%
①外商の売上高割合は、「10%未満」が30・0%と最も多い。
②立地環境別では、駅ビル・駅前、SC内、郊外の店舗に外商割合「10%未満」が多く、外商割合の低い傾向が認められる。
③売場面積別では、規模が大きい店舗ほど外商割合「10%未満」が多い。
〔第4章取引の実態〕
1、取次会社
取引している取次会社(主要3社を回答)
トーハン43・9%日販35・9%教科書供給所(県教販含む)33・7%大阪屋8・0%栗田8・0%日教販7・1%中央社4・5%太洋社4・3%協和1・3%その他6・3%
無回答2・0%
2、出版社・取次からの出版案内・情報の有用度
非常に役に立つ10・7%まあ役に立つ46・5%どちらともいえない
19・2%あまり役に立たない
14・1%全く役に立たない3・4%無回答6・1%
3、決算月における大量送品の有無
ある24・4%ない49・9%わからない20・8%無回答4・9%
4、決算月における返品入帳操作の有無
あると思う43・6%ないと思う21・7%わからない30・5%無回答4・2%
5、取次からの請求の厳しさ
非常に厳しくなった
17・0%前よりは厳しくなった20・4%変わらない58・4%無回答4・3%
〔第5章経営者の実態〕
1、経営者の年齢
20代0・5%30代2・7%40代12・5%50代29・9%60代30・8%70代以上21・8%無回答1・8%
2、経営形態
個人経営43・4%合名会社0・7%合資会社2・9%有限会社32・4%株式会社18・6%その他0・3%無回答1・7%
3、経営店舗数
1店80・5%2店7・6%3店1・8%4店1・4%5店以上3・1%無回答5・6%
4、経営状態の変化
良くなった0・8%やや良くなった3・6%変わらない7・6%やや悪くなった23・1%悪くなった62・5%無回答2・3%
①ここ数年間の経営状態の変化を聞いたところ、「悪くなった」62・5%、「やや悪くなった」23・1%と、全体の85・6%が悪くなったと感じている。
②売場面積別では、大型店ほど良くなった、やや良くなったと回答する割合が多くなる傾向にある。
5、悪化の原因
客数の減少84・2%大型店の出店44・7%立地環境の悪化40・0%ベストセラー・売れ筋商品の入荷難35・2%客単価の減少30・3%新刊書の入荷難29・7%新古書店の出店27・7%競合店の出店25・9%マージン不足20・9%コミックレンタル店・まんが喫茶の出店13・5%経費の増大13・0%借入金の増大9・6%万引き被害8・6%資金の調達難8・1%
市場無視の過剰送本
5・4%
ポイントカード実施店への客の流出5・3%増床・多店舗展開・売場拡大策の限界5・2%人材難4・9%売掛金の回収悪化
3・5%その他14・2%無回答0・5%①経営状態が「やや悪くなった」「悪くなった」と回答した書店にその原因を聞いたところ、「客数の減少」が突出して高く、84・2%に達している。
②次いで「大型店の出店」44・7%、「立地環境の悪化」40・0%などの環境面の変化の比率が高い。
6、書籍の支払いサイト
「書籍の支払いサイトを商品回転率に整合させて決めるべきとの考え」
その通りだと思う36・2%現行のままでよいと思う19・1%わからない34・9%無回答9・7%
①経営者の年齢別にみると50代、60代の経営者に「その通りだと思う」というものが多い。
②売場面積別では、規模が大きい店舗ほど「その通りだと思う」割合が多い。
7、適切な支払いサイト
45日3・9%60日30・5%75日14・8%90日31・8%120日14・9%無回答4・1%
①前項設問で「その通りだと思う」と回答した書店に適切な書籍の支払いサイトを聞いたところ、支払いサイト「90日」(31・8%)と「60日」(30・5%)の意見が多い。
8、活用している組合活動
全国書店新聞・組合広報紙誌46・2%日書連共済会33・3%書店くじ32・2%親睦24・2%情報交換23・8%雑誌袋・ポケッター等の共同購買19・0%研修会・講演会12・0%官公需などの協同納入
10・6%組合の互助会7・9%
読書推進活動6・7%組合ホームページ
4・0%日書連MARC3・6%協業2・3%その他3・1%無回答14・9%①組合活動で活用しているものを聞いたところ、「全国書店新聞・組合広報紙誌」が最も多く46・2%、以下「日書連共済会」33・3%、「書店くじ」32・2%、「親睦」24・2%、「情報交換」23・8%が上位である。
②ブロック別では、東京で「親睦」「情報交換」、東北で「書店くじ」「日書連共済会」が特に高い。
③売場面積別では、大規模店ほど「書店くじ」の活用が多くなっている。
9、日書連に望む対応
書店マージンの拡大
59・6%客注品の迅速確実化
51・4%出版物再販制の擁護
44・9%適正配本40・3%支払いサイトの延長
29・6%雑誌付録問題への対応
22・4%雑誌発売日の励行
18・3%雑誌全国同時発売の実現15・6%万引き問題への対応
15・5%価格の適正化12・6%読書推進活動の展開
11・0%情報化の推進10・2%書店人・従業員の教育・研修7・3%
協業化の促進4・0%
買切制への移行3・6%
その他4・3%
無回答7・6%
①今後の書店業界の発展を図るため日書連に望む対応を聞いたが、最も高いのは「書店マージンの拡大」(59・6%)で、以下「客注品の迅速確実化」(51・4%)、「出版物再販制の擁護」(44・9%)、「適正配本」(40・3%)、「支払いサイトの延長」(29・6%)が上位にある。
10、書店の生き残り策
地域密着化44・6%外商強化31・9%専門店化19・9%後継者の育成18・0%複合店化17・2%インターネット・ビジネス14・6%売場拡大・リニューアル9・4%協業化5・7%多店舗化3・3%その他5・0%無回答16・2%①書店が生き残るための考えを聞くと、「地域密着化」が最も高く44・6%、以下「外商強化」31・9%、「専門店化」19・9%の順となっており、「多店舗化」や「協業化」を挙げる書店は少ない。
〔調査の概要〕
都道府県書店組合に所属する組合員6949店を対象に12月5日現在で調査。郵送アンケート方式。回収総数2028票、回収率29・2%。

読みきかせらいぶらりい/JPIC読書アドバイザー・関匡子

◇2歳から/『おどります』/高畠純=作/絵本館1260円/ 2005.6
表紙の「おどります」のぞうさんの後姿がなんともかわいい。さらに中表紙のぶたがおどりますの次ページで”メケメケフラフラ”と豚が踊ります。踊る前と嬉々として踊る姿の落差が楽しい。次々に踊り手が変わり最後はみんなでご一緒に。メケメケフラフラのリズムが決め手。
◇4歳から/『あめのもりのおくりもの』/ふくざわゆみこ=作/福音館書店 1260円/2006.4
森に嵐がきて雷もなる中、ヤマネくんは雷嫌いのクマさんになないろ谷の満開のあじさいを届けようと飛び出します。なないろ川が溢れたためクマさんは心配で夢中で飛び出しヤマネくんを助けます。最後ページの絵が圧巻。おおきなクマさんとちいさなヤマネくんシリーズ4作目。
◇小学校低学年向き/『せかいでいちばんつよい国』/デビッド・マッキー=作/光村教育図書/1000円
昔、強い兵隊と大砲を持つ大きな国の大統領が自分たちと同じなら幸せなはずと戦争で世界中を征服しました。兵隊のいない小さい国が1つ残りましたが人々は大きな国の大統領を大歓迎。料理、遊び、昔話、歌など一緒に楽しみそれが大きな国にも広まり、戦も無く国が1つになりました。

ふるさとネットワーク/北信越ブロック編

〔新潟〕
上越市の高田本町商店街で10月28日、29日の両日、「越後・謙信SAKEまつり」が行なわれる。
上越市は16の酒蔵が存在する全国でも有数の地酒の産地であり、より多くの方に上越の酒を知ってもらおうとまつりを開催することとした。もともと新潟県は、冬の厳しさと雪解け水による恵まれた地下水により端麗辛口と評される良質酒の産地であるが、上越は「くびき杜氏」と呼ばれる杜氏を多く輩出してきた歴史を持つ。現在も秋になると100名を超える蔵人を全国の酒蔵に送り出している。
当日は、全酒蔵の飲み比べができ、利き酒士による講習会、市場に出回ることのない原酒の試飲などを行なう予定。また、100年以上の歴史を持ち「日本ワイン葡萄の父」と呼ばれる川上善兵衛翁が興した岩の原ワインやどぶろく、全国的にも珍しい地発泡酒の名立ラガーなども出展する。(熊田雅明広報委員)
〔富山〕
砺波市の県無形民族文化財、出町子供歌舞伎曳山の愛好家が参加する浄瑠璃教室が人形浄瑠璃因協会(大阪)の竹本綾春さん(89)の指導で開かれ、参加者10人が語りや三味線の腕を磨いた。
毎年4月に行なわれる子供歌舞伎曳山祭りは、210年以上の歴史を持つ伝統行事。三味線や語りに合わせ、曳山を舞台に地元の子供たち(小学1年生~6年生)が歌舞伎を演じる。
浄瑠璃教室は、子供歌舞伎曳山の担い手育成を目的に子供歌舞伎曳山振興会事務所と砺波商工会議所が毎年実施。平成5年から参加者が希望する題目について習う。
この日は、太棹三味線で「生写朝顔話宿屋の段」を稽古した。なお、演目は太閤記十段目・鎌倉三段記尼ヶ崎の段等を上演する。
(渋谷恵一広報委員)
〔石川〕
釣りバカ日誌シリーズは知らない人もいない松竹映画、またテレビでも超人気の番組ですが、今年5月から能登を中心にロケが行われ、いよいよ8月末から全国上映の運びとなった。石川県では全国の釣り人や一般の観光客に大勢訪れてもらおうとPRに力を入れています。題名は「釣りバカ日誌17・あとは能登なれハマとなれ」で、小生もテレビ化を待ち切れず映画を見に行こうかと思っています。
主役の西田敏之、三国連太郎さんのほか、石川県出身の料理の鉄人・道場六三郎さんも出演していますし、輪島市で毎年8月末行なわれる有名なキリコ祭りのシーンは、本番を凌ぐ迫力と言われ、1300人もの市民がエキストラとして出演したほどの力の入れ方だったそうです。是非みなさんも訪れて能登の魅力を満喫してください。
(横野浩広報委員)
〔長野〕
諏訪湖のほとりに赤彦記念館がある。島木赤彦は明治9年、旧高島藩士で教員を勤めた「塚原浅茅・さい」の四男として生まれた。長野県尋常師範学校卒業後、長野県内各地小学校を教員として勤めながら短歌の投稿などし、文才を認められて伊藤左千夫に師事。「氷牟呂」を創刊。左千夫の死後、斉藤茂吉に代わって短歌雑誌「アララギ」の編集発行人となった。写生短歌を追及、赤彦独特の歌風を確立。アララギ派の歌壇での主流的基盤構築に貢献した。著作には「馬鈴薯の花」「切花」「氷魚」「太虚集」「柿蔭集」「赤彦童謡集」「歌道小見」「万葉集の観賞及び其の批評」など、諏訪の生んだ日本の代表的歌人、島木赤彦の足跡を誕生から没年(大正15年)まで展示してあります。書店人として一度はご来館、業績と作品をご鑑賞下さい。(高嶋雄一広報委員)
〔福井〕
1945年7月19日、福井市は飛来した「B―29127機」によって中心部から半径1・2キロの範囲に100ポンド焼夷弾5651発、500ポンド集束焼夷弾3785発、100ポンド白焼弾30発を81分間に渡り爆撃。市は壊滅状態に。さらに市民の力で8割方復興した48年6月28日、福井地震が発生した。
福井市は復興途中の52年に「福井復興博覧会」を開催し、その後54年から街の発展を願い「ふくいまつり」をスタートさせた。市のシンボルとなっている不死鳥から「福井フェニックスまつり」の名称で、第53回の今年は8月5~7日の3日間開催された。メインは「民謡・YОSAKОIイッチョライ大会」「100万人のためのマーチング」「福井フェニックス花火」。特に花火大会はJR福井駅から徒歩15分という市の中心部を流れる足羽川での打ち上げということもあって街中で楽しめ大いに賑わった。(清水祥三広報委員)

新・アジア書店紀行/ノセ事務所代表取締役・能勢仁

〔第4回ベトナム・ホーチミン〕
ホーチミンについて
ホーチミン(旧サイゴン)はベトナムを代表する商業都市である。かつて仏領時代に「東洋のパリ」と称された街並みには、今でもフレンチコロニアル様式の建物が建ち並び、他の東南アジアの街とはひと味違う。ホーチミンの人口は538万人で、首都ハノイの倍に近く、東南アジア有数の街である。
1.スアントゥ書店ホーチミンで洋書を一番揃えた書店である。店頭にはBooksと大きく書かれ、その下にリーブルアンランゲージフランスとフォーリンランゲージブックストアが併記されている。ドンコイ通りのコンチネンタルホテルの向いにある路面店で、間口8間、奥行28間、224坪の大書店である。営業時間は午前8時~午後10時、店のレイアウトは売場を4分割して考えるとわかりよい。西北…英語、東北…フランス語、西南…ベトナム語、東南…中国語の配置である。売場はこれだけではない。中国書の右側約20坪のふくらみに文具売場がある。学用文具の他、万年筆、時計、ぬいぐるみ、化粧品等幅が広い。グリーティングカードは店中央部にある。中国書の奧にCD売場10坪。
書籍のインデックスは通常の総合書店と同じである。情報、経済、技術、心理、教育、政治、建築、医学、音楽、宗教、女性、児童、書道、歴史、旅行、ビジネス等。本の陳列は日本と同じ、棚差し陳列。ただし平積み陳列はない。
壁面はA4判で8段なので高く、上2段はとれない。量を誇る書店である。店内の棚は4段1・2㍍と低く、客管理はし易い。従業員は男15名、女20名、本レジ女2名、CD、文具レジ各1名女と多い。中高年男性社員の多いのが目立った。雑誌はない。
2.グェンフェ書店
この店はホーチミンを代表する書店の一つである。スアントゥ書店は外国書に特色があるが、グェンフェ書店の医学専門書は凄い。インデックスも詳細で、薬学、獣医学、リューマチ、胃学、ネフローゼ、伝染病、皮膚学、眼科、検眼、歯学、外科、整形外科、心臓学、肺疾患、産科、婦人科、陣痛、小児学、新生児学、麻酔学、神経学、神経外科、耳科学等の専門書がずらり揃えられている。
従業員の多いのにも驚く。店頭にスタッフ用タイムレコーダーが置かれてあり、数えてみたら82人分のカードがあった。欠勤は3人であった。多層階ということもあるが多従業員はベトナム書店の特色である。
1階売場…約200坪医学書、辞書、地理、歴史、哲学、文芸、詩、宗教、音楽、女性、家計、実用、ファッション、料理、技術科学、健康、万年筆、民芸品、花瓶、額、中央レジ付近で雑誌が50アイテム売られていた。
中2階…約40坪文具売場筆記具、ファイル、コピー用紙等
2階売場…約100坪コミック、小中高学参、大学入試、児童書、幼児学参、約20坪おもちゃ、ぬいぐるみ、約40坪陶器、額、ファンシーグッズ、DVD
3階売場…約40坪地図売場、バースデーカード、CD売場。右半分はCD売場である。この店の中で一番整然とした売場である。左半分は独立した地図売場、ベトナムでは地図は重要視されている。アオザイを着た女性が接客しているのはこの階だけ。
4階売場…約30坪こども塑像制作室48人分の椅子と長机があり、各人が好きな作品に取り組んでいる。若い男女もいて、必ずしも子供だけといえぬ。制作品を1~1・5万ドン(100~150円)で売ってくれる。
3.サイゴン書店
レロイ大通りに面している5階建ての堂々たるビルで、店は1、2階を使い、3階は事務所、倉庫、4、5階は文化教室となっている。ホーチミン市内の一翼をになう書店である。店の中央部にエレベーターがある。もちろん各階に行く階段はある。
この店の特色は3つある。1つは1階奧16坪のコンピュータ書売場で、市内一番の品揃えである。2つ目は時計、ミニカー、ガラス製品、掛け軸等の商品群の充実である。3つ目は教科書と連動した参考書の重厚な品揃えである。1、2階で約180坪。
4.PHVONGNAMブックストア
サイゴン書店と道を挟んでタワーSCがある。その2階にある書店である。約40坪の専門書店で、女性ばかり6名の店。扱いジャンルはベトナム文学、海外文学、こどもの本、料理、健康、辞書、社会、経済、園芸、デザイン、建築、歴史等である。分類のはっきりした書店で選書し易い。店頭に雑誌が45誌あった。
<ホーチミンの書店に共通する特徴>
書店も近代的で日本の書店と変わらない。ハノイの書店よりもモダンである。店内が明るく、品数も多く、インデックスもきちんとつけられている。
①本以外の商品を取扱う複合書店が多い。大型書店で特に力を入れている商品は万年筆、時計、ぬいぐるみ、ミニカー、骨董、陶器、ガラス製品、額等である。この他に文具、CD、おもちゃを大量に扱う。
②従業員の多いことである。5㍍置きに1人いるくらいに感じられる。
③棚中心の陳列である。平台は殆どない。
④通路幅が極端に狭い。50㌢以下の通路もあり、1人立てば通行できない。
⑤開店時間が8時と早い。閉店は21~22時が多い。
⑥店頭入り口には必ずセンサーが設置され、警備員(制服姿で軍人のよう)がいる。
⑦従業員は所定の場所に立って監視している。案内という風ではない。
⑧キャッシャーはどの店も座って対応している。
⑨ハノイは女性従業員が中心であったが、ホーチミンは男性従業員も多い。全体としては女6、男4の割合である。年齢的には若い人が殆ど。女性の中には中年女性もいたが、この人達はアオザイを着ている。
⑩陳列は日本的で、棚差しが中心である。これは商品量、アイテム数の多いことの証左である。ハノイの棚4段にオール平陳列(貧弱な感じがする)とは対照的である。
⑪総体的に語学書の多いことを感ずる。海外進出を希望する人の多い表れか?
⑫地図の売場を独立させ、大切にしている。地図を拡げて見せる陳列をしている書店が多い。

こどもの本BFに2万2千人が来場/トーハン

トーハンは「2006こどもの本ブックフェア」を7月下旬に京都、岡山、福岡の各会場で開催し、6月に開催した福岡会場とあわせ、全日程を盛況裏に終了した。4会場の入場者の合計は2万2508人にのぼった。
〔京都会場〕
7月23日から25日まで、京都市勧業館で開催。雨天にもかかわらず、初日から多くの来場者がつめかけた。会場には「朝の読書」コーナーや「恐竜ワールド」コーナーなどが設けられ好評を博した。読み聞かせ会は地元ボランティアを中心に行なわれ、さらに絵本作家・宮西達也氏のおはなし会&サイン会や〝紙芝居ピッポの会〟による紙芝居実演にも大勢のこどもが参加して賑わった。来場者は5954人。
〔岡山会場〕
7月28日から30日まで、岡山市コンベックス岡山で開催。郊外での開催にもかかわらず多くの読者が来場し、こどもの本に対する関心の高さがうかがえた。会場では「ドリームブックコレクション」シリーズや「かいけつゾロリ」シリーズなどを中心に、こどもたちが夢中になって本を選んでいる姿が見られた。イベントブースでは、宮西達也氏のおはなし会&サイン会、加藤武郎氏の紙芝居実演、地元ボランティアによる読み聞かせ等が行なわれ終日賑わった。来場者は4645人。
〔熊本会場〕
7月29日から31日まで、グランメッセ熊本で開催。今回は熊本放送主催のイベント「PKK夏休みこどもカーニバル」と初共催し、例年以上に多彩なイベントとなった。会場では「日本の絵本」「外国の絵本」コーナーや「恐竜ワールド」に人気が集まり、親子連れがじっくりと選書していた。1日3回の講演となった秋山風三郎氏のお絵描き教室は各回とも満席と大好評を博し、〝紙芝居文化の会〟による紙芝居実演も盛況だった。来場者は8126人。

平成18年「敬老の日におすすめする本」

読書推進運動協議会は、平成18年度「敬老の日読書のすすめ」リーフレットを作成した。各都道府県の読進協から寄せられた推薦をもとに選定した24点を掲載している。
▽『国家の品格』藤原正彦、新潮社▽『名画座時代―消えた映画館を探して―』阿奈井文彦、岩波書店▽『隠居学―おもしろくてたまらないヒマつぶし―』加藤秀俊、講談社▽『病気にならない生き方―ミラクル・エンザイムが寿命を決める―』新谷弘実、サンマーク出版▽『余韻を聞く』白州正子、世界文化社▽『発酵レストラン』小泉武夫、マガジンハウス▽『晩年の美学を求めて』曽野綾子、朝日新聞社▽『天命』五木寛之、東京書籍▽『人生、これからが本番―私の履歴書―』日野原重明、日本経済新聞社▽『ニッポンの食卓―東飲西食―』石毛直道、平凡社▽『万能川柳デラックス1000』仲畑貴志、毎日新聞社▽『高齢者のための筋力トレーニング』鈴木正之、黎明書房▽『八十四歳。英語、イギリス、ひとり旅』清川妙、小学館▽『道三堀のさくら』山本一力、角川書店▽『家族のゆくえ』吉本隆明、光文社▽『負けるのは美しく』児玉清、集英社▽『「晩学」のすすめ―六十歳から勉強しよう』野口靖夫、創元社▽『安徳天皇漂海記』宇月原晴明、中央公論新社▽『ハルカ・エイティ』姫野カオルコ、文藝春秋▽『えんぴつで奥の細道』大迫閑歩・伊藤洋、ポプラ社▽『温泉巡礼』石川理夫、PHP研究所▽『ハルとナツ―届かなかった手紙―』橋田壽賀子、日本放送出版協会▽『日本の花』柳宗民、筑摩書房▽『老楽力』外山滋比古、展望社

催し

◇楽樂ほんやさんシリーズ相談会in名古屋
9月10日(日)午後2時から、名古屋市中区の「名古屋会議室シャトル栄店」で開催。楽樂ほんやさんシリーズを導入していて分からない点がある方、新規導入を検討中の方、他社システムを利用中で比較したい方などを対象に、実際に操作を体験してもらいながら相談に応じる。午後2時~5時は概略説明と相談会、6時から懇親会を行なう。参加費無料。申込みは、書店名・名前・住所・電話番号と相談内容を記入して、FAX0742―71―7644まで。問い合わせは、℡0743―53―0877(庫書房・庫本善夫)へ。

中央社/売上0.6%減の268億円/新雑誌配本システムで返品減少

中央社は8月17日、板橋区東坂下の本社で平成17年度定時株主総会を開催。平成17年度決算諸案などを承認した。
今期の同社売上高は前期比0・6%減の268億円。内訳は雑誌149億8600万円、書籍64億8700万円、特品6億2100万円、その他45億4400万円、不動産収入1億6700万円。主力の雑誌売上げが4%減と低調に推移したことが響いた。しかし、江東区の倉庫業務から撤退し、全館を賃貸化したことで不動産収入は大きく増加した。
経費面では会計基準の変更に伴い賞与、事業所税の引当金を積み増したが、新雑誌配本システム稼動により配本適正化を図ったことなどから返品が0・2%減少。運賃を中心に経費を圧縮して販売管理費が2%減少した。営業利益は15・7%減の4億円、経常利益は売上割引の増加で32・4%減の1億6300万円。当期純利益は江東倉庫の改装費用を特別損失に計上したため33・2%減の1億4300万円となった。
前年と同基準にあてはめると販売管理費96・1%、営業利益93・4%、経常利益85・4%、税引前当期利益87・1%に相当する。
取締役改選では土屋博功社長、外山義朗常務、新谷喜代春、大谷敏夫、小暮豊博取締役が全員留任。秋山秀俊相談役は顧問に就任した。佐藤誠三市場開発部長、斉藤進特販部長、矢下晴樹取引部長の執行役員3氏も再選された。期末社員数は増減なしの117名。
1年間の新規出店は17店、337坪。廃業28店905坪。リニューアル14店250坪。

中央社損益計算書
(単位百万円)
売上高26、808
売上原価24、149
売上総利益2、659
販売費・管理費2、259
営業利益400
受入利息2
雑役239
営業外収益241
支払利息74
売上割引401
雑損2
営業外費用478
経常利益163
特別損益19
税引前当期純利益143