全国書店新聞
             

平成14年1月30日号

ブックオフ

図書券の使用中止などを求め、日本図書普及が新古書チェーン「ブックオフコーポレーション」に対して起こした訴訟の判決が1月24日、東京地裁で行われた。
三村裁判長は、店舗内に「図書券の利用が可能」と掲示することは不正競争防止法に反するとして禁じ、ブックオフに50万円の支払いを命じた。
一方、店舗での図書券使用については、民法で代物弁済が認められており、不正競争行為の問題は生じないとした。
図書券は本来加盟料を払った新刊書店でしか扱えない仕組みだが、ブックオフは図書券で新古書を買えるようにし、店内に掲示。
受け入れた図書券は金券ショップで換金してきた。
これに対し、日本図書普及は図書券の取り扱い即時停止、店内の掲示撤去などを繰り返し申し入れてきたが折り合わず、昨年4月に訴訟を起こしていた。
今回の判決について、日本図書普及は「図書券の使用中止に至らなかったのは残念だが、不正競争防止法の主張は100%認められた。
50万円の支払い命令もくだり、勝訴と考えている」とコメントした。

昨年の出版販売額3・0%減に

2001年の出版物販売金額は前年比3・0%減の2兆3250億円となり、5年連続で前年を下回ったことが出版科学研究所の調べで明らかになった。
内訳は書籍が前年比2・6%減の9456億円、雑誌が3・3%減の1兆3794億円。
出版販売額の2兆3250億円台は1992年の水準に戻ったかたち。

ふるさとネットワーク

国際山岳年に当たる本年7月1日から1カ月間、富山県平村、岐阜県白川村の世界遺産「白川郷と五箇山の合掌造り集落」を舞台に、県内外の画家や造形作家、音楽家らによる「白川郷・五箇山芸術祭」が開催される。
富山県が提唱する「日本海学」の趣旨である「森林・山村地域の人と自然の共生」に賛同し、芸術活動を通じた交流を目指す300人近くの芸術家らが参加。
民俗資料館など合掌造り2棟を会場とし、若手芸術家の育成のほか、山村文化の紹介にも重点を置く。
全国から音楽家を公募するほか、色々な分野の新進作家から作品を募り、多彩なステージ・作品展・シンポジウムを予定している。
国道が拡幅し一部高速道路も開通するなど、昔は秘境五箇山と言われたのが一変して年中観光客で賑わっている。
皆様のご来県をお待ちしています。
(渋谷恵一広報委員)

ふるさとネットワーク

昨年11月に催した組合研修会。
講演会、取次担当者との話し合いが終了し、浴衣に着替えての懇親会が始まるとコの字型に並んだ宴会場のちょうど真ん中に一つの鍋。
これこそが、出席者からカニを始めとする美味コースよりもこれが楽しみだったと言わしめた角谷理事長持ちこみの大野上庄の「里芋の煮っころがし」である。
普通のそれとは違いこの里芋は煮くずれしないためその歯ごたえは心地良くしかも味付けも一味違うのである。
理事長の人柄の様なこの絶品は産地ならではの料理法でみりん、お酒そして醤油。
水を使わずしかも二度煮込みというのもこの里芋の魅力を存分に引き出しているのだろう。
これはこの時期の研修会でしかお目にかかれない。
以降の研修会の参加者が増え理事長の退任時期が遠のくのは間違いない。
(清水祥三広報委員)

世界の老舗書店・有名店

■ポルトガルについてポルトガルの歴史は古い。
独立したのは1143年であるから、鎌倉幕府以前に国家を成していた。
15〜16世紀の大航海時代には航海者バスコ・ダ・ガマを輩出し、世界をスペインと共に二分したわけである。
現在でも国外に450万人ポルトガル人がいる(フランスが一番多く100万人)。
人口1004万人(1999年)から考えるとポルトガル人が海外志向の民族であることがわかる。
国土は9万1千平方(日本の約4分の1)で、首都リスボンは人口81万人である。
パン、カステラ、コップ、シャボンなどの言葉は450年前に来日したポルトガル人がもたらした単語である。
ポルト市、レイリア市、アベイロ市、カスカイス市は長崎、徳島、大分、熱海と姉妹都市である。
ポルトガルを代表する「ファド」という演歌調のメロディーは日本人の心に訴えるものが多い。
■ブルホサ書店この書店はアモレイラスショッピングセンターの中にある書店である。
このSCは、リスボンの中心地エドゥアルド7世公園から西に約1、歩いて10分位のところにある大きなSCである。
ユニークな建物なので遠くからでもすぐにわかる。
ブルホサ書店は1階80坪、2階20坪の店である。
この書店で驚くのは什器が木製の貧弱なことである。
丸善、コクヨ、立山アルミ等のような金属製の什器はポルトガルではお目にかかれなかった。
すべて木製である。
これも家具調であれば高級感が出るのであるがそのような気配はない。
イギリス・ロンドンのチャーリング・クロス通りは書店街で有名であるが、そこにある書店は家具調の什器を使った店が多い。
ウォーターストーンズ書店などはその例である。
またロンドン・ピカデリーにある王室御用達書店“ハッチャーズ”の什器などは格調があり、書斎風書店の感すらある。
しかし本そのものは什器だけで売れるものではない。
品揃えで読者にアッピールすればよい。
今ポルトガルの教育事情は急激に改善されている。
第二次世界大戦後、1952年に成人識字率は約30%であった。
教育の立ち遅れが目立っていたが、74年以降教育体制が大幅に改革されて、教育の普及、特に初等教育に力が注がれた。
その結果現在の成人識字率は89・6%(95年)である。
僅か20数年で9割の人が字が読めるようになった。
その背景は教育制度だけではないとブルホサ書店を見て感じた。
ブルホサ書店の2階売場はこどもの本の売場であるが、絵本に交じって未就学参考書が並んでいる。
図形、ことば、かずの本が多いのである。
この店にはスタディという棚はないが、こどもの学習書が多いのに驚いた。
家庭教育への配慮である。
ユネスコ主催の小学生学力テストで、数学は、シンガポール、香港、韓国が常に世界のトップを競っている。
シンガポールの大衆書局の学参売場で問題集の平積み販売を見て、学力トップの謎が解けた。
母親たちが競って買っていたのである。
このことは本紙連載第3回シンガポール編で申し上げた。
ポルトガルの識字率の上昇は初等教育の重視と同時に、出版物による啓蒙も一役かっていたと思うのである。
ブルホサ書店の2階売場の陳列位置が低いのは、こどもたちに親しみを持たせる。
SC内なのでこども連れの母親が多い。
2階にはレジもなく、社員もいない。
精算は1階出口で行うのである。
2階に行く途中の壁面は専門書で一杯である。
階段売場といってよい程、風変わりな陳列であった。
結構お客様が階段途中で選書しているのである。
この状態は1階レジからは良く見える。
1階売場で特徴的な事はコンピュータ書に力の入っていることである。
パソコンソフトも300本以上陳列されていた。
雑誌類は一切ない。
レジは1階入口にあり、この風景は日本の書店と全く同じである。
若い男性社員2名が接客していた。
営業時間は10時〜23時、年中無休である。
■プレスセンター新聞、雑誌販売店である。
雑誌と書籍の流通ルートが全く違うために、書店は書籍専門店であって、雑誌は扱っていない。
雑誌はプレスセンターか街角スタンドで買う。
プレスセンターはビジネス街の中心にある。
エドゥアルド7世公園からバイシャ地区を結ぶリベルダーデ通りの真ん中にある。
銀行、航空会社、ホテル、会社の集まるリベルダーデはリスボンの中心地である。
プレスセンターで扱っている主要日刊紙はコレイオ・ダ・マニヤ他8紙、週刊紙はエスプレソ他3紙ある。
このプレスセンターでは外国の新聞も売っている。
ポルトガルの書籍出版点数(ユネスコ統計)は1994年6667点、96年7868点である。
プレスセンターは間口2間、奥行10間の細長い売場で、出入口は店頭1カ所である。
レジに男性1名がいるだけである。
新聞は入口周辺に集められ、奥の部分は雑誌売場である。
雑誌の種類が多いためか、陳列が重なっていた。
音楽誌、インテリア誌、自動車誌、写真誌が豊富であった。
外国雑誌もあり、スペイン、フランス誌が目にとまった。
日本、東洋の新聞、雑誌は見当たらなかった。
■カルモ古書店街リスボン市南部の繁華街黄金通り近くにカルモ教会がある。
この付近は坂道が多いが、このカルモ通りは神田・神保町のように古書店街である。
坂道に連続する古書店の風景は日本ではあまり見かけない。
どの店も床から天井まで本また本である。
1の隙間もない程、詰め込まれている。
店頭に出された本は1冊10円?(日本流にいえば)この売り方は日本と同じである。
古書店であるがウインドーに工夫を凝らしているのには感心した。
雑誌専門の古書店もある。
どの古書店も店主一人が座って店番をしている。
コンピュータを装備している店はなかった。
店舗面積は10坪から20坪くらいである。
■ベルトラン書店今回は訪問できず残念であった。
リスボン市南部シアード地区ガレット通りにある老舗書店である。
創業1732年の店で、美術書、文学書、地図、ガイドブックの充実した店として有名である。

◇2歳から

ヨッケリが、かごを持ってでかけます。
どこへ行くのかな?親方に言われてなしをとりに。
でも、なしはまだまだ落ちたくないようで、ヨッケリは、のんびり待つことにしました。
そこへ、いぬやこうしがやってきては……。
スイスのわらべうたが、リズミカルな日本語になりました。

◇4歳から

サリーは、本物のライオンがほしい女の子。
ある日、おかあさんがライオンのあかちゃんを連れてきました。
名前をハーバートとつけて一日中遊びました。
やがて、ハーバートはみんなに恐がられるほど大きくなってしまい、山の牧場に連れていかれたのですが、寂しくてたまりません。

◇小学校低学年向き

コオロギにとってたいせつなのは、黒いということ。
草はかがやく緑であること。
スプーンは?かぜは?りんごは?…そして、あかちゃんから小さな一人前になり、おとなになっていくあなたにとって、たいせつなのは何でしょう?アメリカで半世紀以上読みつがれている本です。

週間売行き情報

英語を始めるなら簡単に楽しく学びたいですよね。
「世界一簡単な英語の本」は卒業以来何年も学んでいない私にも、ちょっと欲しいなぁなんて思わせてくれます。
(文)(1)『世界がもし100人の村だったら』マガジンハウス4‐8387‐1361‐4……14冊
(2)『世界一簡単な英語の本』幻冬舎4‐344‐00140‐0……9冊
”『トヨタ式最強の経営』日本経済新聞社4‐532‐14923‐1……9冊
(4)『ルネッサンス』ダイヤモンド社4‐478‐32100‐0……8冊
”『ハリー・ポッターと賢者の石』静山社4‐915512‐37‐1……8冊
(6)『V字回復の経営2年で会社を変えられますか』日本経済新聞社4‐532‐14934‐7……6冊
(7)『論理力を鍛えるトレーニングブック』かんき出版4‐7612‐5957‐2……5冊
(8)『目下の恋人』光文社4‐334‐92353‐4……4冊
”『待つ女―浅田次郎読本』朝日新聞社4‐02‐257705‐3……4冊
”『メジャーリーグで覚えた僕の英語勉強法』幻冬舎4‐344‐00141‐9……4冊
”『キャノン高収益復活の秘密』日本経済新聞社4‐532‐14953‐3……4冊
”『ザ・ゴール』ダイヤモンド社4‐478‐42040‐8……4冊
(13)『梅原猛の授業仏教』朝日新聞社4‐02‐257710‐X……3冊
”『働くひとのためのキャリアデザイン』PHP研究所4‐569‐61941‐X……3冊
”『決断プロフェッショナル』光文社4‐334‐03122‐6……3冊
”『暴走する世界』ダイヤモンド社4‐478‐19043‐7……3冊
(1月20日〜26日調べ)

週間売行き情報

子供の学力低下が著しいと報じられていたが、大人がマンガを読んでいる世の中では向上はありえない。
大人が意識改革をしなければ、子供の未来はないだろう。
(井)(1)『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』静山社4‐915512‐40‐1……10冊
(2)『ハリー・ポッターと秘密の部屋』静山社4‐915512‐39‐8……8冊
”『遊戯王公式カードカタログザ・ヴァリュアブルブック4』集英社4‐08‐782047‐5…8冊
(4)『ハリー・ポッターと賢者の石』静山社4‐915512‐37‐1……6冊
(5)『世界一簡単な英語の本』幻冬舎4‐344‐00140‐0……5冊
”『21世紀の戦争』文藝春秋4‐16‐358190‐1……5冊
”『やりたいことは全部やれ!』講談社4‐06‐210837‐2……5冊
”『私はおっかなババアすっぴん《4』文藝春秋4‐16‐357710‐8……5冊
(9)『ラストチャンス日本再生唯一の機会』光文社4‐334‐97323‐X……4冊
”『陰陽師龍笛ノ巻』文藝春秋4‐16‐320610‐8……4冊
”『この世で一番の贈り物』PHP研究所4‐569‐61942‐8……4冊
”『東電OL症候群』新潮社4‐10‐436902‐0……4冊
(13)『単独発言99年の反動からアフガン報復戦争まで』角川書店4‐04‐883697‐8……3冊
”『ホーキング、未来を語る』角川書店4‐04‐898070‐X……3冊
”『利家とまつ(下)』NHK出版4‐14‐005373‐9……3冊
”『種まく子供たち小児ガンを体験した七人の物語』ポプラ社4‐591‐06826‐9……3冊
(1月20日〜26日調べ)

本屋のうちそと

商店街の中に、際立って活力ある店がある。
開店から一年だが、ひっきりなしに客が来る。
技術もそれなりにあるのだろうが、それだけではない。
消防団、保育園だのと、人と人の付き合いを大事にする。
祭りといえば店を休んで参加する。
そのために夏休みをずらしたり、苦労しながら町の付き合いに参加する。
この付き合いが人を集める。
ただこの業種は規制緩和に遅れている。
休みは横並び、料金も横並びを徹底させられている。
店を始めたばかりで休みたくない。
一年はがむしゃらに働き借金を早く返したいのに、組合の規定で月に一度は連休を取らなくてはならない。
これに従わないと厳重注意が来るとか。
蕎麦屋で最近は夜蕎麦と言うものが流行っている。
昼間は普通の蕎麦屋だが、夜は一杯飲めて、そこに集まる人々の輪が広がっていく。
インターネットがきっかけで、ホームページを開いてあげたりしているうちに、句会の人たちが集まり、会社を定年になった人、印刷関係の人、それを取り巻く人たちと知り合いが増えた。
定年になった人は大学時代に落研にいたとか、酒を飲みながらの一席。
なんだかんだと蕎麦屋には20〜30人くらいの人が集まり、商売として繁盛している。
何か新しいものを取り入れないと、人が集まってこない。
書店も昔ながらの商売をしていると読者から見放されるのではないか。
それとも読者はいるが求めている本がないのか。
時代の流れが速くて毎日押し流されているのか。
(とんぼ)

3月に『ヴァニラ』創刊

講談社は1月22日午後2時から文京区護国寺の本社に販売会社を集め、2002年上期雑誌新企画の説明会を行った。
説明会で同社浜田副社長は「出版業界の新年会はどの会場も今年こそ浮上しようという強い意気込みを感じた。
大方は流通の仕組みがこのままでは歯止めがかからず疲弊するという観点だった。
紀伊國屋の松原さんから雑誌は返品なし、買い切りの提言があったが、言いっ放しに終わらせず、可能性を探りたい。
もう一つは弾力運用をもっと広げてはという意見だが、値引き販売だけが弾力化ではない。
場所限定のセールでは実入りもない。
流通の秩序は必要だし、読者の混乱を招く方法は問題がある。
一部で行われているポイントカードは再販の精神を逸脱するもので、近く講談社の見解を文書で発表する。
読書推進の多いなうねりの中で、沖縄、名古屋で絵本ワールドが行われ、予想以上の賑わいだった。
地道な運動を続けていきたい」などと述べた。
上期の新雑誌は以下の通り。
◇『ヴァニラ』学園恋愛マンガを卒業した20代の女性向け月刊女性コミック誌。
オール新作、読み切り、オリジナル・キャラクター、ヴァニラちゃんの特製グッズが付録に付く。
創刊記念として3カ月間お試し定期購読キャンペーンを実施。
申し込み者の特典として抽選で3千名にスペシャルセレクションをプレゼント。
3月19日創刊、B5判・480円。
◇『ジョー&飛雄馬』昭和40年代の名作「明日のジョー」「巨人の星」を再編集した名作セレクション。
B5判中綴じ256頁、5月10日創刊、以後10日、25日の月2回刊。
定価350円。
読者全員サービス企画の特製パネルを用意。
◇『週刊日本の街道』パートワーク第8弾。
4月9日創刊、以後、毎週火曜発売。
定価560円、創刊号は「京都・若狭街道」を特集し、記念特価350円。
書店の事前POPコンクール、店頭装飾コンクールを行うほか、定期購読促進のため、全100巻コースには特製バインダー5個プレゼント。
10号までのお試し購読コースも用意。

ハリー・ポッター発行部数1千万部に

ハリー・ポッターシリーズ全3巻は、1月10日で発行部数1千万部を突破したことが静山社の発表で明らかになった。
各巻の発行部数は1月23日発行分まで含めて『賢者の石』446万部、『秘密の部屋』323万部、『アズカバンの囚人』270万部。
シリーズ第4巻『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』は今秋刊行予定。
また、売上げを寄付に回すとしたホグワーツ校指定教科書・『幻の動物とその生息地』、・『クィディッチ今昔』は昨年末までに・が22万5千冊、・が20万1千冊販売され、寄付総額は2億6910万円になった。
同教科書の販売は2003年1月末をもって終了。
以後の製本、配本はしない。

23誌で定期購読の拡大キャンペーン

講談社は『Grazia』『現代』『小説現代』『群像』の4誌で実施している定期購読者サービスを19誌追加して23誌に拡大、3月末発売の5月号から8月号まで定期購読拡大キャンペーンを実施する。
新しくキャンペーンに加わるのは『FENEK』『クロスワードin』『obra』『ウォーキングマガジン』『with』『MINE』『Style』『gli』『ViVi』『VOCE』『おともだち』『たのしい幼稚園』『テレビマガジン』『げんき』『NHKのおかあさんといっしょ』『ディズニーランド』『DISNEYFAN』の月刊誌17誌と、パートワーク誌『ユネスコ世界遺産』『再現日本史』の2誌。
キャンペーン期間中、対象誌巻末の申込書で書店に申し込めば、読者にはほぼ1冊分程度の図書カードがプレゼントされる。
書店には年間購読者の囲い込みができるのがメリット。

書店で定期購読受付け

日経BP社は1月21日午後4時から千代田区平河町の本社で記者発表を行い、2001年度の業績と、今年創刊する『日経ビジネスアソシエ』など新雑誌3誌を発表した。
昨年12月末締めの2001年度の同社の業績見通しは売上高が前年比3%減の643億円。
内訳は広告が312億円、販売280億円、その他51億円で、広告、販売とも3%の減少。
税引前利益は7%減少して51億円の見通し。
吉村久夫社長は「昨年は広告収入が四半期ごとに期を追って悪くなったにもかかわらず、3%減にとどまった。
税引前利益も前年並みの50億円台を確保した。
今年1−3月の広告費はさらに落ちているが、売上げは3%増の予算を立てた。
逆風の中だが、これまで異常に足と頭を使って目標を達成したい」と述べた。
新雑誌3誌のうち『日経ビジネスアソシエ』は市販誌だが、書店経由で定期購読の申し込みを受け、書店には定期獲得手数料を支払う仕組み。
この狙いについて吉村社長は「ベースは市販だが、実験としてお願いする。
書店にとってもコミッションをお支払いするのでマイナスにはならないと思う。
直販、市販、市販をベースにしたものと3つの方法で販売していく」と説明。
日経BP出版センター高橋文夫社長は「直販を30数年やってきて、市販は丸8年。
直販のノウハウを生かしながら市販もプラスにしたい。
日書連萬田会長も応援したいとしている。
このスキームが成功すれば他誌でも行うし、他社も活用できる。
新しいチャンネルとして工夫できるのではないか。
具体的な書店手数料は2月の書店説明会までに具体化する」と、意欲を述べた。
新雑誌は以下の通り。
◇『日経ビジネスアソシエ』次世代リーダーを目指す25歳から35歳の若手ビジネスパーソンに向けたビジネス情報誌。
経済、技術の動向、キャリアアップ、スキルアップに役立つ情報を解説する。
A4変型判、中綴じ180頁。
4月8日創刊。
定価税込み680円。
創刊号特価380円。
発行部数13万部を予定。
◇『日経ITプロフェッショナル』さらなるスキルアップを目指すITエンジニアに向けた実務情報誌。
年間予約購読誌。
5月27日創刊、年間購読料9800円。
3万部発行。
◇『日経マスターズ』大都市圏に住む定年を間近に控えた55歳以上の現役ビジネスマンなどシニア層が対象。
ライフスタイル、豊かな生活をエンジョイする社会参加などの実用情報を提供する。
6月24日創刊、年間購読料1万2千円、4万部発行。

−無題−

*雑誌の年間定期予約/店頭活性化策として歓迎/日書連*日書連は1月25日午前11時から箱根湯本の湯本士屋ホテルで1月定例理事会を開催。
講談社、日経BPなど各社から発表になった店頭での雑誌年間購読予約の試みについて「店頭活性化の新しい取り組み」(萬田会長)として評価。
雑協にも書店経由で雑誌の年間予約ができるよう検討を申し入れる方針を決めた。
理事会での主な審議は以下の通り。
〔スタートアップ〕出版社による雑誌の年間購読予約が増加、長期契約の場合は値引きサービスが行われ、店頭販売を圧迫している。
神奈川組合中村理事長の調査によると、直接購読の案内を行っている83社165誌のうち、49社81誌で割り引きサービスが実施されている。
スタートアップ委員会では年明けに講談社、小学館、日経BP、主婦の友社、集英社を訪問して雑誌年間予約の可能性を打診してきた結果、各社から相次いで店頭予約のシステムが発表された。
このうち、講談社は定期購読拡大キャンペーンとして5月号から8月号まで23誌で店頭予約を受け付けると発表。
日経BP社は創刊誌「日経BPアソシエ」で書店に販売手数料を払うこと、この結果次第で直販誌についても店頭予約を受け付ける意向があることなどが井門委員長から説明された。
これを受けて井門委員長は、書店で年間予約が申し込めるシステムの検討を雑協に申し入れ、取協とも検討を開始すると説明した。
萬田会長は「雑誌購読の新しい仕組みが拡がることを期待している。
読者にも店頭で雑誌予約ができることをPRしていく必要がある」と歓迎の意向を表明した。
〔再販問題〕「ポイント・カードによる実質的値引きは再販違反」という講談社、小学館の見解が1月30日にも示される見通しと中村委員長から報告があった。
ポイント・カードが値引きであれば、今後は再販契約書に従った規制が行われる。
3月31日で実施期間の切れる出版小売公正競争規約の件では、1月28日に現行規制の継続を求めるとする認定申請を公取委に提出する。
〔増売運動〕4月18日から始まる東京国際ブックフェアについて船坂委員長は「今年も本の取引を活発化させるため市会機能を強化していく」と説明。
バーゲンブックの販売とサン・ジョルディのPRも行うこと、あわせて春の書店くじの積極的参加を求めた。
〔読書推進〕昨年12月23、24日に沖縄で行われた「絵本ワールド」は2日間で700万円の売上げがあり、1月13日、14日に名古屋で行われた催しも1万2千人が来場、700万円弱の売上げで予想を越える成果があったことが高須委員長から報告された。
引き続き3月9日、10日の両日、仙台で同様の催しが行われる。
〔指導教育〕石川県で青少年条例の改正が行われ、東京都に続いて「区分陳列の義務化」が導入された。
石川組合では条例に沿った表示プレートを作成して組合員に配布したが、日書連としても店頭用ポスターを作成する方針を確認した。
〔流通改善〕返品入帳の短縮化について、日書連はトーハン、日販の両社に改善の道筋を示すよう文書回答を求めていたが、日販から「返品協業化計画の中で検討する」という回答があったことが報告された。
藤原委員長は日販の回答は不十分として再回答を求めたとし、萬田会長も「早期に決着をつけ、責任販売制の検討に入りたい」と述べた。
〔経営取引〕懸案となっている雑誌の荷傷み問題で、下向委員長は1月11日付で雑協に懇談を申し入れたことを報告した。
不公正取引の問題については、2月委員会に公取委と懇談する予定で、下向委員長は書店からの事例提供を求めた。
〔情報化推進〕小学館の支援により京都組合でパソコン導入実験が実施されてきたが、今後の全国展開について小学館は「箱ものの提供は再検討したい」という意向で、今後はソフト開発支援に切り替える方針を志賀委員長が説明した。
日書連HP「本屋さんへ行こう」は1月21日からリニューアルし、版元にバナー広告の提供を要請していく。

浦和支部新年会

埼玉県書店商業組合浦和支部(根岸秀夫支部長)は1月23日午後6時半から浦和市の満寿屋で新年例会を開催、27名が出席した。
佃茂明氏(佃文教堂)の司会で始まった新年会では根岸支部長が「昨年4月、飯塚支部長の後を継いだ。
業界は5年連続の売上ダウン、倹約、節約とデフレ・スパイラルの中にいる。
薄明りが見えるのは■ワールドカップの開催、■年末年始の好調、■読書推進運動の高まりだ。
四方八方に目を配ることで不況を乗り切っていこう」とあいさつ。
植村稔埼玉組合理事長は「瀬戸内寂聴氏を招いて昨年実施した文化講演会の成功は浦和支部の協力のおかげ」と感謝したあと、日書連の課題を紹介し、「大書店と中小書店で不公平感が強くなっている。
流通の仕組みを変えて、取次−小売の関係を改善し、共に成長していきたい」と述べた。
出席出版社から新年のあいさつがあったあと、日販平居俊一埼玉支店長の発声で乾杯を行った。

金沢で文化講演会

大河ドラマ「利家とまつ」のテレビ放映を記念して、石川県書店商業組合(森井清城理事長)は1月20日午後2時より金沢市の教育会館にで原作者で脚本家の竹山洋氏を招いて講演会「小説とドラマの利家とまつ」を開催した。
世界本の日=サン・ジョルディの日文化講演会の一環として開かれたもので、NHK出版が協賛。
加賀百万石の地元での開催とあって、2百名を越す聴衆で盛会となった。
竹山氏の講演は、単なる歴史解説でなく、「利家とまつ」の夫婦愛を中心に構成。
作品に関する苦労話や、脚本家として配役への心配りなど、普段は聞かれないエピソードをまじえての内容に感銘を受けた。
講演会のあと、「利家とまつ」(上下)の原作本を販売、著者のサイン会は大変な人気で、改めてNHK大河ドラマの力を実感した。
(横野浩広報委員)

1冊読めばスタンプ

神奈川県書店商業組合は1月24日午後2時から箱根湯本の南風荘で新年初理事会を開催した。
理事会の冒頭、中村理事長が当面する課題として■出版社の年間購読割引、■取次の集金攻勢、■読書ノート運動に言及。
出版社の年間購読割引については、156誌を調べたところ81誌で割引サービスが行われていた調査結果を報告した。
中村理事長は「書店店頭でも同様のサービスが受けられるよう出版社に訴えていきたい」と述べた。
また、「取次から100%支払わなければ品止めすると脅迫された」という訴えには、「100%払わなければ品止めは絶対ありえない。
信任金、抵当を入れているはずで、債務超過になっているかどうかではないか。
理論武装のための会計的な勉強会も必要だ」と述べた。
読書ノート運動は、小学館相賀社長が「ラジオ体操に出るともらったスタンプが励みになった」というヒントから、書店で小型の読書ノートを配布。
買った本、借りた本を問わず、読み終わったらスタンプを押し、100冊読めば賞状と記念品を進呈する運動。
小学館、神奈川新聞社の協賛も得てドラえもんのデザインで「ステージアップ読書ノート」5万部作成、4月23日のこども読書の日に向けて配布することを承認した。
理事会では池本常務理事が、小学館、神奈川新聞との打ち合わせを報告し、運動の推進母体として神奈川県に未設置の県読書推進運動協議会の結成も働きかけるとした。
中村理事長は「荒廃した社会に潤いを与えるのは読書。
読書人口を増やし、お客様の要望を聞く手段としても読書ノートは有効だろう。
図書館で読んだ本でもスタンプをおしてあげ、地域の読書活動のお役にたちたい」と狙いを説明した。

図書館の納入を研究

大阪府書店商業組合は1月19日午後2時から組合会議室で定例理事会を開催。
今西理事長はあいさつで「ここ数年の各取次決算書を見ると、買掛金(出版社への支払い残)は増加しているが、売掛金(書店の支払い残)は減ってきている。
書店への取り立ての厳しさが推測できる」と述べた。
5日に行われた大阪新年互礼会は土曜開催のせいもあり、出版社、書店の参加が少なかったと反省が述べられた。
レディスランチの会は参加者30名を想定して会場を確保していたが、95名の応募があり、会場の収容人員ぎりぎりとなった。
分担金長期未納者(S市、S書店)は種々の方法で督促したが、未だに払ってもらえない。
会計処理上いつまでも未収金でおいておけないので、5月総代会に除名処分の議案を上程する方向で手続きする。
事業委員会では近畿ブロック会と協力して、図書館納入について研究する。
パソコン講座は第2期講座が好評につき、追加募集をしたが、若干の空きがある。
インターネット発注の講座は小学館の社員が出席してくれる。
組合メーリングリストの登録は随時受付中。
支部活性化では支部の財政状況を理事会でも把握するため、支部会計報告書の提出を求めたが、まだ半数の支部は提出していない。
(中島俊彦広報委員)

文京支部新年会

東京都書店商業組合文京支部の新年会は1月22日午後6時から目白の椿山荘で開催され、支部員、出版社など77名が出席した。
冒頭で奥村弘志支部長(南天堂書房)は「これからの生き残り策は特色を持った書店でないとだめ。
取次から送られてくる本を売っているだけでは生き残れない。
一つひとつ吟味して自店のベストセラーを作るべきだ。
文京支部はシビックセンターに共同出店を行い、東京組合は大手出版社に新刊の見本提供をお願いしている。
流通改革は今後いろいろ行われるだろうが何より商品が勝負。
どう生き残っていくかをそれぞれが考え行動してほしい」とあいさつした。
出版社を代表して博文館新社・大橋一弘社長は「明治20年の創業から文京区と縁が深い。
ここには出版社、作家、印刷会社が集まり、書店のお陰で大きく伸びさせてもらった。
まさに文化発祥の地だ。
厳しい時代だが、明治の初期に帰って旋風を巻き起こしていただきたい」とあいさつ。
栗田出版販売・亀川正猷社長の発声で乾杯した。

紀伊國屋が同時出店

兵庫県書店商業組合は1月15日、新年第1回定例理事会を神戸シーガル会館で行った。
はじめに村田理事長より年末年始の売れ行き、地域動向の報告が行われ、新年の組合運営については組織活性化、支部活動について協力要請があった。
日書連報告では、青少年保護のため有害図書の陳列・販売についてより一層慎重な姿勢で対処すること。
返品入帖の件では、データ集計を基にトーハン・日販と交渉に入っていることなどの報告があった。
また、4月23日の「子ども読書の日」制定に関して地元神戸新聞1月4日付朝刊見開き2ページ広告に参画し、広告掲載したことなどを説明した。
支部報告では、紀伊国屋書店の神戸そごう別館及び西神そごう(3月14日同時オープン)への出店問題に話題が集中した。
また、2月の定例理事会は、場所を変更して兵庫池田会館で開催することとなった。
審議終了後、出席理事全員が新年への期待や抱負、近況報告を述べ大変盛り上がった理事会となった。
(中島良太広報委員)

1万2千人来場

「いらっしゃいませ」1月13日、14日の両日、名古屋国際会議場・白鳥ホールで「絵本まつり」(片桐栄子委員長)が開催され、絵本を求めて1万2千人が来場。
売上げも7百万円を達成しました。
私たち、愛知県組合の売り子部隊は揃いのハッピと特製アニマル・キャップで準備しましたが、二日間とも朝から人波が絶えず、レジでは間に合わず電卓片手に接客。
長い行列をこなしました。
催しの成功の要因として絵本作家との触れ合い、読書グループのワークショップ、原画パネル展や版元、取次らの献身的な応援の相乗効果で活字の持つ潜在的な魅力が見直されたのだろうか。
若い家族連れの姿も目立ちました。
会場での反省点は、本の配置や案内が不十分だったこと。
読書相談などとても無理。
書店人はやはり棚の商品と親戚にならなくてはお客様と仲良くなれないことを実感しました。
よく聞かれたのは、「岩波の本は」ぐりとぐら」「宇宙館」はじめ21世紀シリーズなど。
高須理事長が新年度に提案している読書推進事業、組合ホームページの立ち上げなど、「愛知丸」はグッドタイミングで出航しました。
次のチャンスは4月のサン・ジョルディ。
知恵を結集して頑張ります。
(碧南市・文化堂書店榊原壮一)

より入荷がスムーズに

京都府書店商業組合は、昨年4月にスタートした「小学館支援パソコン導入実験」の導入6カ月後の利用実態について11月に2回目のアンケート調査を行った。
これによると、9月に発表した導入3カ月後の調査に比べて、より有効にパソコンが活用されていることが明らかになった。
同事業を担当する指導教育委員会・辻本和樹委員長に調査結果からわかったことを報告してもらった。

京都組合PC導入調査

書店業で重要なのは、自店にあった本を探し、いかに早く必要数を仕入れるかですが、そのための手段としてはFAX、TEL、取次EDI、インターネットがあり、注文先としては取次と出版社の2つがあります。
書店さんは4つの手段と2つの注文先をうまく組み合わせ、その時に一番早く入荷する方法を試行錯誤しながら使われています。
今回の京都組合の実験は、支援されたパソコンでインターネットを活用して、書店から出版社へ注文し、今までよりどれぐらい安く、早く、確実に入荷するのかを実証することです。
今回実施した導入半年後のアンケートでは、この事を念頭において集計結果をまとめてみました。

回答もインターネットから

前回の書店さんからの要望を取り入れて、今回のアンケートはパソコンから回答できるようにしました。
ホームページ(HP)上にアンケートページをCGIで作成し、ほとんどの項目をマウスの操作だけで答えられるようにし、そのアドレスを書店さんにメールで連絡しました(念のためFAXも送信)。
パソコンでの回答はその都度組合と小学館へ転送されるようにしました。
予想に反しメールでの回答は57件にすぎませんでした。
これは丁度アンケート実施と同時期にPCウイルスが猛威を振るい、感染された書店さんが何店か出たのと、PCに最初から入っていたウイルス対策ソフトに不具合があることが同時に判明したからです。
本体を東芝で回収して修理する書店が27店もでて、完了までに2週間近く要してしまったからです。

「安い」

まず安い経費(通信費)での注文ですが、前回の調査時に“インターネットの通信費が心配で補充注文になかなか使用できない”という意見もあり、「s−bookの使用店は大幅に増加したがコミック、文庫等の補充注文についてはまだ一覧表が主流として残っている」と報告に書きました。
しかし今回は補充注文での使用店が11店増え、使用頻度でも週3回以上使用が46店から63店へと大幅に増えて、補充注文の主流がネット発注になりつつあることがうかがえます。
一方客注についても52店が週3回以上使用され確実に使用頻度が上がってきています。
出版社の注文HPの利用度については表を参照下さい。
その上HPで注文できる26社以外の出版社へメールで注文を出されている書店さんもあります。
このように活用範囲がどんどん広がり使用頻度が上がるのは、FAX、電話に比べて通信費の安さが一つの要因です。
もうすぐ定額常時接続(ADSL等)が普及し、費用の心配なしに使用できるようになると思います。

「早い」

次は“早く”ですが、これには入荷が早いのと注文作業時間の短縮があります。
入荷期間は前回調査で7日〜10日短縮と報告していますが、今回調査でもさらに1日、2日ですが前回より短縮されています。
作業時間短縮にはパソコン操作の習熟度アップが欠かせませんが、操作にも慣れて利用も増えたという方が前回よりも大幅に増加しました。
書籍検索が素早くできるなど利用項目も増えて、全体的な習熟度の向上がわかります。
しかし未だ使いこなせていない方も数名おられるので今後のフォローが必要です。
もう一つは出版社HPの操作方法の統一化と各社HPの統合です。
これが実現すればさらに作業時間は短縮するでしょう。

「確実に」

注文した本の正確な入荷予定日を知ることは最低限必要なことです。
HPのある26社については検索時に在庫確認でき、翌日には出庫日も確認できるので、何度か経験すれば正確な入荷予定日を掴むことができます。
また他の出版社にメールで注文した場合も多くは翌日までに返事をくれます。
前回と同様、メリットとして注文時に在庫確認ができる事を多くの方が上げておられます。
在庫を確認できる情報ネットワークが早く完成すれば良いのですが。
例えば取次全体(支店や多くの倉庫を含む)の在庫をネット上から1回の操作で確認できる、また出版社の在庫についても書誌検索の結果でわかるようになればと期待しております。

そして事前予約にも

今回ネット上でのカレンダーや企画商品の事前予約について意見を聞きました。
小学館「宇宙館」のネット上での事前予約が6店ありました。
予約締切りが早すぎるという意見と、他の多くの書籍、コミックにも広げて欲しいと要望がありました。
これは自店に必要な本を希望通り確保するための手段として積極的に活用したいとの気持ちだと思います。
日書連アクションプランにある「3週間前出版情報の活用で事前注文システム構築」の実現が期待されます。
中小書店の情報化推進の為に小学館さんで企画された事業ですが、情報化推進の目的は単なる書店業務の効率化だけではなく、書店さんの意識改革の手助けをすることで、今回のアンケート結果はこの点からみてもたいへん効果があったと報告できる内容で、多くの書店さんが積極的に自店の情報化推進をしようという気持ちが強く感じられるものでした。
中小書店にとって、本の選定には時間をかけますが、発注業務(在庫確認と注文作業)についてはできるだけ素早く完了すること(時間を掛けないで安くする)が大切です。
その為にも一度で在庫情報を確認できるネットワークの実現を期待しています。
アンケートの詳細な資料については京都組合HPに掲載いたします。

日書連主催「第48回出版販売新年懇親会」

日書連主催の第48回出版販売新年懇親会は1月25日午後5時半より神奈川県、箱根の湯本富士屋ホテルで開かれ、出版社、取次、書店など総勢159名が出席した。
懇親会では日書連・萬田貴久会長、出版社を代表して日本書籍出版協会・渡邊隆男理事長、取次を代表して日本出版取次協会・菅徹夫会長が年頭あいさつ。
萬田会長、渡邊理事長、菅会長に日本雑誌協会・浜田博信常務理事を加えた4名で鏡開きを行い、トーハン・金田万寿人社長の発声で乾杯した。
萬田、渡邊、菅3氏のあいさつの内容は以下の通り。

−無題−

〔出版販売新年懇親会実行委員会〕委員長=高須博久(愛知)委員=斎藤行雄(静岡)西村俊男(新潟)吉田達史(岡山)岡嶋成夫(東京)

新年懇親会出席者

〔出版社〕あかね書房・岡本雅晴、秋田書店・小田嶋進、アスキー・松本浩、岩波書店・後藤勝治、潮出版社・木村博、SSコミュニケーションズ・大原茂雄、旺文社・那須野富雄、オーム社・村上和夫、角川書店・田中樹生、河出書房新社・野沢慎一郎、かんき出版・斉藤龍男、学習研究社・糸久哲郎、佼成出版社・水島健雄、講談社・浜田博信、幸福の科学出版・中村嘉秀、光文社・須田昌夫、小峰書店・小峰紀雄、ごま書房・池田雅征、三省堂・池野年勝、集英社・鈴木寿夫、主婦と生活社・吉野宏美、主婦の友社・神田高志、小学館パブリッシング・サービス・小泉明充、祥伝社・藤岡俊夫、少年画報社・平本昭一、昭和図書・大竹靖夫、新星出版社・富永靖弘、新潮社・小松伸寛、実業之日本社・中野正文、女子栄養大学出版部・岩佐義彦、聖教新聞社・長谷川太作、青春出版社・山口稔、誠文堂新光社・山中建次郎、世界文化社・大塚茂、税務経理協会・加藤勝彦、草思社・渡辺直之、大修館書店・青木三郎、高橋書店・磯部武幸、ダイヤモンド社・大沼伸一、筑摩書房・菊池明郎、中央経済社・竹内伸介、中央公論新社・塩山健二、中経出版・安部毅一、東京ニュース通信社・吉田繁、東洋経済新報社・樋口勇、徳間書店・平野健一、二玄社・渡邊隆男、日本ヴォーグ社・雨宮吉雄、日本実業出版社・鈴木雅夫、日本放送出版協会・安藤正直、日本文芸社・西沢宗治、農山漁村文化協会・阿部伸介、白泉社・佐藤将、博文館新社・大橋一弘、ぴあ・林和男、評論社・竹下晴信、PHP研究所・北村民雄、福音館書店・佐藤克身、婦人生活社・伊藤信二、扶桑社・大島猛、双葉社・谷ヶ城五郎、二見書房・吉池茂、ブティック社・志村昌也、文化出版局・小島寿彦、文藝春秋・浅井淳、平凡社・土岐和義、ベストセラーズ・松村英彦、芳文社・伊東朋視、ポプラ社・小沼保衛、マガジンハウス・稲垣学、三笠書房・押鐘冨士雄、有斐閣・大場章正、読売新聞社出版局・滝口久二、リイド社・新納英也、リクルート・経明純〔取次会社〕トーハン・金田万寿人、同・藤井武彦、日販・菅徹夫、同・鶴田尚正、同・阿部洋一郎、大阪屋・高橋茂、栗田出版販売・亀川正猷、同・木村傑、中央社・渡邉裕、日教販・大藤耕治、太洋社・國弘晴睦、協和出版販売・雨谷正巳、日本地図共販・武田三男〔業界関係〕日本図書普及・倉園夏樹、文化産業信用組合・白鳥義胤、出版輸送・手嶋寛、AIU保険会社・佐藤護、出版ニュース社・清田義昭、新聞之新聞社・片山昂二、文化通信社・近藤晃治、新文化通信社・白本朋求(敬称略)

出版販売新年懇親会

昨年を振り返ると、再販の存置、雑誌コード体系の新たな決定など、将来にわたり影響を与える決定がなされた。
また、売上についてはパイが10年前に戻るという厳しい状況となった。
しかし、うれしいことに昨年10月度から次第に状況は上向きつつあり、この年末年始は前年クリアの書店が多く見られた。
「ハリー・ポッター」に「指輪物語」が加わり店頭は賑わってきているが、これらに続く新たなジャンルの創出をご列席出版社皆様に是非お願いしたい。
さきほど萬田会長から15項目のアクションプランのお話があったが、中身を拝見すると日書連の努力だけでは解決できないものもある。
こういった問題については、取協としても協力していきたいと思っている。
IT時代においては、他の業界に太刀打ちできるようなネットワーク、取引基準の構築ということも考えなくてはいけない。
取協においても新取引問題研究委員会でこうした問題に取り組んで行く。
業界三者が、また日書連と取協がざっくばらんに意見を戦わせて、出来ることから速やかに実行するというふうに、今年はやっていきたい。

出版販売新年懇親会

この会には何回も出席しているが、そのたびに再販問題のことばかり話してきた。
もう申し上げることもないが、ひとこと締めくくりとしてお話したい。
皆さんの力で再販は「当面存置」となった。
「当面」という言葉にこだわっている人が業界にはまだ多くいるが、再販は私たちにとって有意義な制度。
これを何としても守っていきたい。
守るも崩れるも、生かすも殺すも、われわれ出版業界の掌中にあるということを忘れてはならない。
イギリスで再販が崩れたのは、大手出版社2社が止めて、あとは右にならえとなったため。
出版社が放棄すると、再販制度は崩壊する。
また、書店が出版社が決めた定価制度を無視した場合も崩れる。
この二つの場合に、再販は崩壊する。
われわれがしっかりしていれば再販は崩れないのだ。
われわれがいかにこれを守っていくかに尽きる。
これまで議論のなかでさんざん言われてきた「制度疲労」という問題については、新しい時代に向かっていくためにも、それぞれの立場から一つひとつ問題点を改善していかねばならない。
萬田会長がさきほど説明したアクションプランも、業界三者がそれぞれの立場から取り組んでいく必要がある。
じっとしていては淘汰されていくという状況が始まっている。
厳しい時代だが、やらねばならないことはたくさんある。
児童書の世界では、読書推進運動を何年も前から続け、成果が出てきている。
昨年12月に「子どもの読書活動の推進に関する法律」が衆参両院で可決成立するなど、国をあげて子どもに読書をすすめる動きが進んでいる。
本というのは「説得商品」。
われわれが勧めていかないといけない。
ブックスタート、朝の読書が大きな広がりを見せているが、青少年から読書をすすめていくことがいかに大事か。
いずれ大きな成果となって出てくるのだから、業界あげて取り組みたい。
今年の東京国際ブックフェアは過去最大規模になる。
出版社もそれぞれ店を出して書店に近いことをやり、年々人気が出てきている。
まだまだやり方の上で考えねばならない点はあるが、今年はかなり賑やかなものになるだろう。
4月23日の「サン・ジョルディの日」は、かつて松信さんがスペインから日本に導入したもの。
熱心に取り組んできたが、もうひとつ根付かない。
4月23日は「世界本の日」でもあり、いろいろな行事が重なっている。
この日を1年で最大のお祭りにし、多くの国民が本を持ってプレゼントし合うような日にするため、業界で知恵を出し合っていきたい。