全国書店新聞
             

平成17年10月1日号

低率景品スタンプは容認へ/小売公取協が規約改定案

出版物小売業公取協(井門照雄会長)は9月21日の理事会で懸案だった「出版物小売業における景品類の提供の制限に関する公正競争規約及び同施行規則」改訂案を承認。26日に公正取引委員会に提出した。改訂案が認定されれば、景品類の提供の制限7%と、年2回60日以内の期間制限は現行通りだが、景品類に該当する低率(1%)のトレーディングスタンプは通年提供できることになる。
出版物小売業の景品規約は前回、平成14年7月1日に改訂された際、附則で施行から3年以内に見直しを行うことが明記されており、今年6月末がその期限だった。
改訂にあたって公取委からは一般ルール並みの制限緩和が求められており、改訂案のとりまとめが遅れれば認定取り消しもありうると懸念されていた。このため、小売公取協7月理事会に影山専務理事私案が示され、各県支部からの意見が求められていた。
21日の理事会では影山専務理事が各県支部からあった回答と、東京支部、大阪支部の考え方を紹介。東京支部は期間制限は年2回60日以内の現行規約を存続してほしいとし、低率のポイントサービスは認められないと要望していることが報告された。
このあと、影山専務理事から改めて改訂案が提起され、①景品提供の期間制限は現状通り年2回60日以内とする、②商店街で行う景品類のトレーディングサービスの除外規定は存続する、③個店で行う景品類提供の低率(1%)のトレーディングスタンプは容認する――とする改訂案が説明された。
井門会長は低率のサービスを容認する背景として「値引きサービスでなく、景品にかかるサービス。提携カードの利用でポイントが付く現実が一方にあるなかで、1%でも駄目では消費者の納得が得られないのではないか」と説明した。
「低率の範囲を明確にしてほしい」という意見に、影山専務は「1%と明記する」と回答。しかし、「3年後には2%になるのではないか」「1%に封じ込めて欲しい」「書店がサービスできる体力をつけるのが先決だ」「本の定価が信頼できることを徹底する運動を」などの声が上がった。
この結果、「低率の景品にかかるトレーディングサービスを認めること以外は現行」とする改訂案を賛成多数で可決した。
26日には井門会長、影山専務らで公取委を訪問。取引部船橋部長に規約改訂案を提出し、協議に入る。今後、改訂案がまとまれば、公聴会などの手続きを経て規約改訂が認定されることになる。

読書週間のPOPをホームページで提供

10月27日から始まる読書週間のポスターイラストを使用した「POP」「しおり」のPDFデータを、読進協がホームページで提供している。
ポスターと同じ図柄に「本を読んでる君が好き」の標語、「2005第59回読書週間10/27~11/9」の文字がデザインされており、ハガキサイズで手持ちのプリンターから手軽に印刷できる。カラー、モノクロの2種ある。読進協のアドレスは以下。http://www.dokusyo.or.jp

昭和図書の説明を報告/ブックハウス神保町運営で/日書連

〔再販問題〕
神保町・北沢ビル1階に10月12日に開店する「ブックハウス神保町」の運営について、大橋副会長は9月22日の日書連理事会で昭和図書から受けた説明を報告した。これによると、同店は「出版社が共同して再販問題などの特定の課題に取り組む実験的な小売店舗」と位置づけられ、①児童書を中心にした新刊書籍、②在庫僅少本、③一定程度経過して1~5割引で販売する部分再販品、④半額で販売する謝恩価格本を扱う。謝恩価格本については2、3カ月ごとに商品を入れ替え、バーゲンブックのシールを貼るほか、ICタグの実験店舗にもなるという。
下向理事は「謝恩価格本の販売を常設するのは問題」、鈴木副会長は「再販制度が崩れる流れが加速するのではないか」と、懸念を示した。
〔経営実態調査〕
「全国小売書店経営実態調査」原案が高須委員長から示され、従来からの定点観測的な側面に、次のステップにつながる問題を加え項目を立てたとした。この原案に対して、組織強化委員会鈴木委員長から「中小書店の廃業が続き、業界慣行、取引システムを見直すため、アンケート調査を提起した。調査結果をもとに支払いサイト、正味問題を出版社、取次、書店で話し合っていくことが重要だ」と問題提起があった。これを受けて丸岡会長は、年内にも実態調査のとりまとめを急ぐようにと指示した。
〔情報化〕
日書連マークの普及について志賀委員長は、福岡、京都、名古屋など先進的地区を訪問して要望を聞くとともに、全国に情報提供し
ていきたいとした。
神奈川組合から要望のあった各書店の在庫オープン化については、「ネット書店も累積赤字を抱えている状態で、現状では困難だが研究課題にしていく」と説明した。
キーワードから関連書籍を検索する「連想検索」は国立情報学研究所が開発した検索サイト「ウェブキャット・プラス」。これを充実発展させるため、連想出版を立ち上げることになり、日書連も個人会員で出資を行った。

新年懇親会実行委員長に藤原副会長

来年1月に行われる出版販売新年懇親会実行委員会は、委員長に藤原直副会長(宮城)、委員として大野豊治(茨城)、小泉忠男(東京)、平野惣吉(徳島)、岩永藤房(佐賀)の4氏が決まった。

「万引きもうしません」と現金10万円届く

「許されぬことながら、昔、神保町を中心に万引きをしていたものです。良心の呵責に悩み、お返しする次第です。申し訳ありませんでした。もう二度と致しません」と、この夏、日書連事務局あてに匿名で現金10万円が郵送された。
日書連9月理事会では、この10万円を全国万引犯罪防止機構に寄付することにした。

ベルマーク方式を検討/読者サービス委から報告/9月理事会

〔読者サービス〕
8月24日に開かれた読者サービス検討委員会の模様を井門委員長が報告した。同日の委員会では、検討の前提として、書店には読者サービスのための原資がなく、広く出版業界に求めざるを得ないことで一致。図書カード読取機の利用も検討されたが、システム構築に4、5年は必要とするため、ベルマークの仕組みを考えてみたいと説明した。
提案の趣旨は出版社が書籍を発する際、定価に応じた点数を表示した上、1点1円で発行冊数分の金額を財団法人などに預託しておく。学校がこの点数を集めて、同じ金額の本と交換する仕組みができないかというもの。今後、メリット、デメリットを含めて研究していくことになった。
〔スタートアップ〕
小学館の関連会社「ネットラーニング」がインターネットを利用して書店従業員向け学習プログラムを提案してきた問題で、井門委員長は「書店従業員がネットワークを利用して1日10分程度自習できる。本の学校とも連携をとってプログラムを充実させていきたい」と、具体化に向けて着手することを表明。システム面は情報化委員会、学習内容は指導教育委員会で担当することを報告した。
〔流通改善〕
『東洋経済』『週刊ダイヤモンド』『文藝春秋』など読者直送の雑誌が書店店頭より早く届いている問題で藤原委員長は「雑誌発売日本部委員会に提起したところ、一部是正された」と報告した。
静山社『ハリー・ポッター』第5巻の総括は、同社木村マネージャー、販促会社ブックストラテジー豊田社長と7月25日に懇談したところ、①返品は5%として14万5千部になる、②追加注文はなく、再版していない、③在庫は河出興産に保管している、④第6巻は来夏発売予定だが、販売条件などの詳細は未定である――などが明らかになった。日書連として次回はぜひ買切り低正味を求めた。
〔指導教育〕
青森組合が「お客様データセンター」を設置して顧客情報を一元管理する計画を持っていることについて、大橋委員長は個人情報が外部に流出した場合、問題になるとして、用途の限定と慎重な取扱いを求めた。中小企業経営研修会は11月17日午後4時から書店会館で開催する。
〔消費税〕
小泉内閣は来年9月まで消費税率上げは行わないことを言明している。面屋委員長は「消費税率が2ケタ、10%になれば軽減税率もありうる。出版業界として廃止を求めるのか、消費税率上げ反対か、軽減税率を求めるのか定かでない。このあたりを検討して日書連の方針を提案していきたい」と述べた。
〔共同購買〕
財団法人中小企業災害補償共済福祉財団(略称=あんしん財団)と日書連の間で業務代理所契約が締結され、1人月額2千円で①ケガの補償、②設備の助成、③ゆとり健康のサービスが得られることになったと中山委員長が報告した。「ポケッター」2006年版は12万部強製作し、残り1万部となった。
〔読書推進〕
「第4土曜日は子どもの本の日」キャンペーンは、今秋実施する大分、三重、新潟の3県で全国を一巡したことになる。高須委員長は、今後、児童書販売研修会と読み聞かせを組み合わせて企画したいと提案し、児童出協、JPICと具体案を検討していく。
このほか、読売新聞社は書店で買った本や雑誌のレシートを送ると図書カードが当る「本屋さんへ行こう」キャンペーン、NHK衛星チャンネルでは古今東西の名作を紹介する「名作平積み大作戦」を包装していることが紹介された。
〔増売運動〕
「春の書店くじ」特賞当選者と行くスペイン旅行は11月24日出発。今年はサン・ジョルディの日キャンペーン20周年を記念して丸岡会長らが同行することになった。
〔広報活動〕
全国広報委員会議を10月13日午後1時より書店会館で開催すると山口委員長が報告した。1年間の優秀広報委員表彰などを行う。

共済会給付

(17・8・21~17・9・21)
▼病気傷害二本松市根崎1―3若松屋書店国岡英司殿2口
福島市大町7―20西沢書店西沢彰敏殿13口
中野区中野3―37―10大谷書店大谷文子殿2口
▼死亡弔慰香取郡小見川町小見川1271猿田書店猿田由蔵殿
▼死亡弔慰(交通事故)上北郡七戸町中野18―2三昭堂苫米地博明殿1口60万円
▼全焼昭島市松原町4―12―3伊藤書店伊藤寛殿1口3百万円
▼倉庫一部焼失揖斐郡揖斐川町三輪1188好文堂本店久保田洋殿3口75万円
▼水害川崎市高津区溝の口1―12―12文教堂溝の口本店嶋崎欽也殿1口10万1千円
▼地震春日市ちくし台1―5石橋書店石橋誠一殿1口18万5千円
唐津市西唐津2―6228―26日の出屋山田茂雄殿2口23万2千円
▼その他被災(屋上防水シート)八戸市番町26金入番町店金入忠清殿1口5万円

2ヵ月連続でプラスに/8月期は平均1・5%増加/日販調べ

日販経営相談センター調べの8月期書店分類別売上調査は、平均101・5%と7月期に続き2カ月連続
で前年同月をクリアした。
ジャンル別では雑誌、コミック、文庫、新書、専門書の5部門が前年をクリアした。立地別では商店街が98・8%で8カ月連続のマイナス。
コミックは107・5%で8カ月連続のプラス。映画化で話題の『NANA』(集英社)最新刊が好調。文庫は103・0%で2カ月連続のプラス。細木数子の六星占術シリーズ(ベストセラーズ)が好調。
新書は3カ月連続で前年クリア。『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』(光文社)が百万部を突破し、長いヒットを見せている。専門書は104・5%、3カ月連続プラス。株関連のビジネス書が貢献した。
客単価は5・9%増の1116・9円。

青少年保護条例改正で県と質疑応答/神奈川理事会

神奈川県書店商業組合は9月13日、トーハン神奈川支店で理事会を開いた。
開会に先立ち県青少年課・佐伯氏より10月施行の青少年保護条例改正についての協力要請があった。質疑応答では、「出版社のシール留めはどう処理するか」という質問に対して、「東京都では現状のシール留めを認めているが、神奈川県ではそれでは不十分との立場」と説明があった。「成人コーナーは1ヵ所にしなければならないか」との質問には「1ヵ所が望ましいが、店舗の状態によって、2、3ヵ所になってもよい」との回答があった。
理事会での討議内容は以下の通り。①くまざわ書店が横浜市長津田に160坪で出店予定②図書館総合展が11月30日から12月2日までパシフィコ横浜で開かれるが、TRCしか出展しないためTRCのワンマンショーになる危険性がある③10月29日に開催される「子ども読書活動推進フォーラム」に全面協力する。
(平井弘一広報委員)

地方中小書店の繁栄探る/能勢仁氏が実践的方策示す/青森組合セミナー

青森県書店商業組合は9月から11月の3ヵ月間、青森県中小企業団体中央会と共催で「地方の中小書店の実践的繁栄セミナー」を開催している。講師は能勢仁氏。テーマは「地方の中小書店の実戦的繁栄策の研究―地方の中小書店の新しいビジネスモデルの開発と共同化―」。
研修課題は①オーバーフロア状態のなかでの中小書店の生き残り策、繁栄策について、共通認識を持ち、知恵を共有し、実践する②中小書店の仕入れ力アップのために、「仕入れ・販売情報ネットワーク」を共同で構築する③中小書店の販売力、販売率アップのために、「お客様情報バンク」を共同で構築する④中小書店の返品率の低減、販売ロス減少、マージン率アップのための、「書店間の商品流通システム」を共同で構築する⑤中小書店が地域の情報センターや地域の交流サロンなど地域のコミュニティビジネスとしての機能を高めるために、異業種とのコラボレーションによる書店新業態を開発する。
第1回目は9月13日に青森市・アラスカ会館で開かれ、能勢氏は個店の確立と充実、顧客の拡大と維持、販売プロモーションなどについて話した。2回目は10月13日、3回目は11月14日に開催する。希望者には「臨店診断と指導」「交流会」を行う予定もある。
(黒滝恭一広報委員)

読書週間書店くじ実施要領

▽実施期間平成17年10月27日(木)より11月9日(水)まで書籍・雑誌500円以上購入の読者に「書店くじ」を進呈
▽発行枚数600万枚。書店には1束(500枚)3750円(税込)で頒布
▽申込方法束単位で返信用申込書に必要事項を記入し、所属都道府県組合宛に申し込む。お申し込みはお早めに
▽配布と請求方法くじは取次経由で10月25日前後までに配布。代金は取引取次より請求。
▽当選発表12月5日。日書連ホームページ並びに書店店頭掲示ポスターで発表
▽賞品賞品総額8680万円、9・8本に1本の当選確率
特等賞=オーストリア8日間の旅60本
1等賞=図書カード1万円600本
2等賞=同上または図書購入時に充当千円1800本
3等賞=同上5百円1万2000本
4等賞=図書購入時に充当百円60万本
ダブルチャンス賞=全国共通図書カード1万円100本
▽賞品引き換え特等賞は当選券を読者より直接日書連まで送付。1、2、3、4等賞は取扱書店で立て替え。図書カード不扱い店または図書カードが品切れの場合は、お買い上げ品代に充当。ダブルチャンス賞は平成18年1月16日(当日消印有効)までに読者が直接日書連にハズレ券10枚を送付
▽引き換え期間読者は12月5日より平成18年1月10日。書店で立て替えたくじは平成18年1月31日までに一括とりまとめて「引換当選券・清算用紙(発表ポスターと同送)」と一緒に日書連事務局まで送付
▽PR活動「読書週間書店くじ」宣伝用ポスター1店2枚。全国書店新聞、取次広報紙に記事掲載。日書連ホームページで宣伝

割戻金千円に減額提案/東京で全国地区委員長会議/日書連共済会

日書連共済会は9月21日午後4時半から東京・お茶の水の東京ガーデンパレスで全国地区委員長会議を開き、本部役員、共済会運営委員、組織強化委員、地区委員会代表者ら総勢42名が出席。収支改善策や加入促進策等について討議し、各地区の取り組みを報告した。
会議は大川専務理事の司会で進行し、丸岡会長があいさつ。「日書連共済会はいざというとき頼りになる存在ということを再認識していただきたい。現状のままでは資金繰りが苦しくなる一方。新規加入者獲得に向けて一層の努力をお願いしたい。保険業法等の一部を改正する法律が来年施行される。今後対応を検討する」と話した。また、組織強化委員会の鈴木委員長は「組合員の減少傾向は続いているが、共済会の存在が一定の歯止めになっている」とあいさつした。
続いて共済会運営委員会の木野村委員長が経過報告。「3期連続赤字決算と苦しい状況。昨年の地区委員長会議で継続会員の割戻金減額を提案し、了承していただいた。あらためて割戻金を『4年度目より1口千円、6年度目より1口2千円』から『一律千円』に減額することを提案する。財務内容を健全にして加入者からの信頼を高めたい」と理解と了承を求めた。
このあと木野村委員長を議長に議事に移り、伊澤副委員長が新年度募集の手順などを説明。続いて各地区代表者が加入促進策や問題点を報告。病気傷害の給付が「入院20日以上」であることの是非を木野村委員長が問うと、「時代の流れに合わない」との声が大勢を占め、具体的な日数としては「10日」「5日」を希望する意見が多かった。木野村委員長は「皆様の気持ちを重く受け止めて日数短縮を検討したい」と応えた。
地区委員長会議出席者
〔日書連本部〕
▽会長=丸岡義博
▽副会長=鈴木喜重、藤原直、高須博久、中山寿賀雄、面屋龍延、大橋信夫
▽専務理事=大川哲夫
〔共済会運営委員会〕
▽委員長=木野村祐助
▽副委員長=伊澤崇
▽委員=鶴谷祿郎、山本裕一、古澤隆、宮原洋一、中村晃造、西尾文士、河合正行
〔組織強化委員会〕
▽委員長=鈴木喜重
▽副委員長=鶴谷祿郎
▽委員=古澤隆、西本功、河合正行、岩永藤房
〔地区委員会代表〕
阿知良由紀美(北海道)鶴谷祿郎(青森)玉山慶彦(岩手)深瀬勝照(山形)塩川久治(宮城)小林政敏(福島)大野豊治(茨城)野沢恒雄(埼玉)村田正喜(千葉)山本裕一(神奈川)古澤隆(静岡)高須博久(愛知)後藤文献(岐阜)川口力(三重)治田正良(新潟)宮原洋一(長野)安部悟(福井)宇野壽晃(滋賀)金田喜徳郎(大阪)中村晃造(京都)前田修、久保繁弘(奈良)宇治三郎(和歌山)大杉誠三(兵庫)今井直樹(島根)吉田達史(岡山)西尾文士(香川)光永和史(愛媛)小野賢一(佐賀)中山寿賀雄(長崎)二階堂進(大分)藤堂信(宮崎)井之上博忠(鹿児島)山田親夫(沖縄)

移動

◇北海道書店商業組合
10月1日付で事務局を左記に移転した。
住所=〒060‐0807北海道札幌市北区北7条西6丁目1番地チュリス札幌第二202号
℡011‐738‐0157FAX011‐738‐0158

『全国書店名簿』発売

47都道府県書店商業組合に所属する書店の名簿『全国書店名簿』2005年度版が出来ました。B5判、311頁、定価5040円(税込)。今年8月現在の組合員総数は7005名。都道府県組合別に住所、代表者、電話・ファックス番号、取引取次を掲載しています。お求めは日書連事務局か取次仕入窓口で。

日書連の動き

9月1日鹿児島国際大学山本教授並びに日本福祉大学近藤助教授との意見交換会に丸岡会長ら7名が出席。情報化推進委員会。
9月2日「ブックハウス神保町」の出店説明会に丸岡会長ら5名の役員が出席。
9月5日「サン・ジョルディの日」キャンペーンの結果報告並びに継続協賛依頼でリクルートに、丸岡会長ら4名が出席。
9月6日増売・読書推進合同委員会。出版倫理協議会に大橋副会長ら担当委員が出席。第35回「野間読書推進賞」準備選考会に大川専務理事が出席。
9月8日「まちづくり三法」研修会(2日間)に、下向理事と大川専務理事が出席。出版物小売公取協として規約&細則の一部変更について下向副会長ら数名で内部打ち合わせ。
9月13日公正取引協会月例会委員懇談会に下向副会長、影山専務理事、大川事務局長が出席。
9月14日千葉組合通常総代会に丸岡会長出席。第5回JPО運営委員会に大川専務理事出席。
9月16日発売日本部委員会に藤原副会長ら担当委員が出席。出版物公取協として井門会長ら数名で内部打ち合わせ。
9月20日下向理事ら数名で昭和図書を訪問。
9月21日各種委員会(増売、読書推進、指導教育、再販研究、出版物公取協、日書連共済会、組織強化、共同購買、福利厚生、実態調査、流通改善、取引改善、消費税問題、広報、情報化推進)。「第四土曜日はこどもの本の日」実行委員会に高須副会長、舩坂常任委員、大川専務理事出席。ISBNマネジメント委員会に志賀副会長出席。日書連共済会全国地区委員長会議。
9月22日日書連9月定例理事会。出版物小売業公正取引協議会理事会。出版販売新年懇親会実行委員会。日書連共済会理事会。
9月26日出版物小売公取協として規約改訂理事会変更案を井門会長ら4名で舟橋取引部長に持参。出倫協・出版ゾーニング委員会に大橋副会長が出席。
9月27日サン・ジョルディの日実行委員会。取協書籍進行委員会と読書週間「書店くじ」打ち合わせ。朝日新聞社出版懇親の夕べに丸岡会長が出席。
9月28日全国中小小売商団体連絡会第2回幹事会に下向理事、大川専務理事が出席。
9月29日日本図書普及㈱役員会に丸岡会長ら役員が出席。日書連正副会長会議。全国万引犯罪防止機構第2回理事会並びに同臨時総会に大橋副会長が出席。

トーハン、日販創立56周年記念式典行う

◇トーハン
トーハンは9月16日、本社8階大ホールで創立56周年記念式を催し、あわせて永年勤続者として30年66名、20年31名、10年72名を表彰した。小林社長のあいさつ要旨は以下。
「平成17年度はマイナス成長からの脱却を本物にする試練の年であり、トーハン桶川SCMセンターが稼動する重要な年だ。桶川計画は、ハードとソフトを駆使して読者満足度を高めることで得意先書店の売上げを伸ばし、その結果トーハンの売上げも伸ばし、収益を確保する。さらに、桶川計画のもう一面はトーハンの企業風土を変革する。諸先輩は常に堅実経営を旨とし、そこから生れる強固な信頼感をベースに出版業界をリードしてきた。しかし、経済情勢も情報の流通状況も、活字文化の位置づけも大きく変わってしまったこの時代、書店店頭で読者の購買意欲を呼び起こすには従来の仕事を繰り返すだけでは追いつけない。堅実という美風は残しつつ大胆に変革し、新たなビジネスモデルを模索していくことが必要だ。平成4年に制定された企業理念『私たちは、質の高いサービスと情報・流通のネットワークを通して、人々の知的活動を支援し、豊かな社会の創造に貢献します』を忘れないでいただきたい。
トーハンが支援を進めて来た朝の読書運動は全国で2万校、742万人に広がっている。トーハンがその理念に共感し、強い信念を持って支援を続けてきたからこそ、読書の楽しさを子どもたちが知ったからこそ浸透してきた。桶川SCMセンターという強力なパワーを手にする今も、活字文化の縁の下の力持ちとして社会発展に貢献する真価が試される時だ。
皆さんの奮起と一層の活躍を心から期待し、トーハンを将来に向けて飛躍させ、我々自身も大きく成長していくことを誓い、創立記念のあいさつとする。
◇日販
日販は9月9日、日販本社5階会議室で創立56周年記念式典を行い、社長賞(2組)ほか、役員賞、特別協力賞、日販事業グループ優秀賞、日販事業グループ貢献賞の表彰を行った。鶴田社長あいさつ要旨は以下の通り。
「今期は中期経営計画ビー・イノベーターの最終年度である。この3年間、マーケットが求める業界構造改革実現を基本方針に施策を展開してきた。その中心となるwwwプロジェクトは数多くの取引先の参加を得て業界標準のSCMとして軌道に乗っている。
放漫な委託制度にメスを入れる責任販売制の考え方も現実味を帯びてきた。さらに無伝票返品システムの全アイテム稼動、三芳メディアセンター、東京ブックセンター開設、新人事制度確立、企業年金制度改革など、革新的な手を打つことができた。
一方、今期の業績は厳しい。元凶は返品増加に尽きる。特に問題なのは雑誌でインターネットの普及で多くの情報が無料で入手できる時代、雑誌の存在価値をどこに見出すか。加えて千坪を超える大型出店が相次ぎ、街の本屋を廃業に追い込んで、雑誌がますます売れなくなっている。雑誌市場が縮小するなら、フリーペーパーへの参入や、マガジンエキスプレスサービスに全社一丸となって取り組み、ネット流通での可能性の追求など、創意工夫していく必要がある。出版業界全体が縮小しているなら業界の枠組みにとらわれず、新たな商材や業態を定着させていく施策も必要だ。
来期からスタートする新しい中期経営計画では、シュリンクする出版市場への対応、業界内シェア拡大、新たな市場拡大が主要テーマになる。閉塞感にとらわれることなく、新しいビジネスチャンスを敏感に捉えものにしていく生き生きとした日販であり続けたい」

気になるあの人この書店/山本一力先生お気に入り・深川、門前仲町の本間書店

山本一力氏が「あかね空」で直木賞を受賞した平成14年、門前仲町の本間書店(本間守世社長)を夫婦で訪ねてきたのが、その受賞者本人だった。聞けば住まいは近くだと言い、本間書店とのつきあいが始まった。以来、氏の新刊が出るたび、版元に頼んで品切れを起こさないようケアし、作家と地元書店の2人3脚が続いている。(田中編集長)
今年の夏は江戸三大祭りの1つ、3年に一度の富岡八幡宮の大祭が行われた。江東区門前仲町の本間書店は富岡八幡宮のお膝元、深川仲町通り商店街に軒を並べ、親子3代で営む売場17坪の本屋だ。
本間書店の創業は昭和23年11月。シベリア抑留から復員し、日立製作所に復職した故・本間重夫氏が「女房にやらせた」のが本屋だった。守世社長の奥さん、陽子さんは重夫、ヒロ夫妻の3人娘の長女になる。守世社長の義父、重夫氏は、本間書店の並びにある和菓子の老舗「伊勢屋」の三男で、創業当初は戸板に本を並べたという。
守世社長は麻布で生まれ育った。学習院大学を卒業後、大学時代の書道部の後輩だった陽子さんと結婚し、会社勤めをやめて奥さんの実家の商売を継いだ。
本間書店の従業員は家族4人だけ。おばあちゃんのヒロさん(79歳)、本間夫婦、それに次男の智士さん(29歳)が店長。パート、アルバイトは使っていない。休日は第3日曜だけで、正月1日から営業する。時間帯により4人交代でレジに立つ。
同規模の書店に比べて、本間書店のコミック棚はレジ脇の3本程度と少ない。
それでも次男がコミックを担当するようになって、巻数ものを揃え、無駄な在庫が減り、売上げが増えた。「『筋肉マン』がブームになった頃、中小でコミックを増やした店は今になって店をたたんでいる。コミックよりは児童書を増やしていきたい」と本間社長。
店内は奥のレジに向かって左側が雑誌と実用書、右側が文庫、新書、書籍。レジの左右にコミックと学習参考書・ドリルがある。中央島の左側は雑誌の陳列。右側は文庫が著者別に並ぶ。棚の前に文庫が平で4列。棚下のストッカーにも文庫の在庫がのぞく。
山本一力の著書は平積みで最新刊の『峠越え』(PHP出版)はじめ、『お神酒徳利』(祥伝社)、『赤絵の桜』(文春)、『辰巳八景』(新潮社)が並び、手が届きやすい棚の中段に15種21冊。文庫コーナーでは『あかね空』(文春文庫)など5点が各10冊ほど平積みされていた。
『あかね空』で直木賞をとる前、山本一力は『損料屋喜八郎始末控え』を出しているが、ほぼ無名の存在で、知名度を高めようと子供を使い、書店で山本の本を置いていないか聞かせたなどという涙ぐましい努力をした。
本間社長は「地元、深川の作家」というPOPをつけて『あかね空』を並べた。深川を舞台にした人情味あふれる時代小説は土地柄に合ったのか評判を呼び、ハードカバーで千部売った。この間、著者の山本も積極的にサイン会をこなし、地方在住の後援者からあった大口の注文を本間書店に回して、感謝の気持ちを表した。本間社長は「とにかく、切らさないよう版元営業に働きかけた。ようやく浸透したのか各社とも新刊を初回50部は送ってくれる。それだけあれば次の重版まで間に合う」。
取材したのは「秋分の日」の休日で、午後7時にあがるから6時頃に来てと言われていた。レジに立つ本間さんの横で話を聞いたが、客が途切れない。「おばあちゃん、元気か。お宅にやめられちゃ困るんだから」と年配客が声をかけていく。時代小説を注文して、文庫本では入手できないかと聞いてくる。注文品があると、レジ脇でTS流通組合のホームページサイトから、いつでも発注できるようにしている。TSは発注2日後に在庫の有無がわかるからいい。聞かれると1週間ぐらいで入荷しますと答えている。
本間さんを見ていると自然体の人だと思う。外商、配達はしていない。教科書もない。支店は団地に出していたが撤退した。冨岡八幡宮の地元で観光客は多いが商店街に金を落としていかない。新しい深川みやげを開発したいと考えている。今年の大祭で『深川まつりガイドブック』を850部販売した。その辺にヒントがあるかもしれない。
剣道は2段の腕前だ。

ふるさとネットワーク/九州ブロック編

〔福岡〕
どこの街にも名物おじさんやおばさんがいるものである。89歳の高山亀雄さん(写真中央奥)は久留米では誰一人知らない人はいない。今は東京に支店を4つ出している現役の酒屋のオヤジである。店の名は「酒蔵有蕉」という。呑兵衛なら八重洲の店や赤坂の店へ行かれた人も多いと思う。我々筑後の人間は上京すると「有蕉」詣でをやる。東京で呑む「有蕉」の味は格別である。
高山さんは44回、老人ホームへ出かけ、うなぎや果物を持参し、日舞花柳流を披露し、180名の老人を慰めている。百歳以上の老人が今は2万人以上いる日本、世界一長寿の国とはいいながら、現役で斗酒なお辞せずという老人もそうゾロゾロはいない。齢90年にして老人ホームを見舞う。誠に敬服の至りである。「峰の嵐か松風か訪ぬる人の琴の音か駒ひきとめて立ち寄れば 爪音高き想夫恋」。(鹿子島慶正広報委員)
〔佐賀〕
唐津市鎮西町の玄界灘に面した入江の多い丘陵地に、肥前名護屋城跡がある。
豊臣秀吉が文禄、慶長の役に際し、出兵のための前線基地として、わずか数ヶ月で完成したといわれている。当時としては大阪城に次ぐ規模の本格的な城で、秀吉の命を受けて参集した全国の大名陣屋が約120余り城の周辺に集結、当時20万人ほどが滞在し、桃山時代の都市文化が勃興して大いに賑わったという。現在は石垣が残るのみで、建造物はまったく残っていない。まさに「夏草や兵どもがゆめの跡」である。
当時の様子は隣接している名護屋城博物館にある「肥前名護屋城図」屏風などでよくわかる。ここでは日本列島と朝鮮半島との交流史をメーンテーマとして掲げている。天主台に登ると、本丸北端にポツンと青木月斗の「太閤が睨みし海の霞かな」の句碑があった。
(近藤甲平広報委員)
〔長崎〕
新潮社が発行した『九州うまいもの県別大図鑑』の長崎県のトップに島原・姫松屋の具雑煮がなり、観光島原の名声を高めた。
そもそも島原の具雑煮とは、今からおよそ350年前(1637年)、島原の乱の時、一揆軍の総大将であった天草四郎が3万7千の信徒たちと籠城の際、農民たちに餅を兵糧として蓄えさせ、山や海からいろいろな材料を集めて雑煮を炊き栄養をとりながら約3ヵ月も戦った――これが、具雑煮のルーツとなり、これをもとに文化10年、初代が丸餅・鶏肉・蒲鉾・白菜・ゴボウ・焼き穴子など10種類以上の具が入っている具雑煮を開発し、以来200年間、昔ながらの味が受け継がれ、いま現在島原の郷土料理として有名です。
是非、島原にお出での際は、姫松屋の具雑煮をご賞味下さい。
(古瀬寛二広報委員)
〔熊本〕
熊本県水俣市の湯の児温泉。九州の地中海と呼ばれる不知火海に面した海の温泉地。景行天皇が発見されたという古い歴史を持つ。4月から11月にかけて行なわれる太刀魚釣りはここ湯の児温泉の名物。釣り糸を海にたらすだけで女性や子供でも、もちろん初めての方でも、ピチピチとした太刀魚を面白いように釣り上げることができる。
通称トノサマ釣りとも呼ばれ、男女、釣り経験関係なく楽しめるのが太刀魚釣りの特徴といえる。この夏は関東から来た家族5人で70匹を釣り上げたとか……。船上での太刀魚の新鮮な刺身もまた格別だったそう。泊った旅館で調理してもらったりお土産に持ち帰ることもできる。早朝もしくは夕方がいいようで、特に陽が昇る早朝が大漁だ。
交通手段は九州新幹線で新水俣駅で下車し、車で15分。全国の皆さん、是非お越しください。(宮崎容一広報委員)
〔大分〕
9月11日、大分市牧にある平和市民公園能楽堂にて観世流能「橋弁慶」を鑑賞した。本年は、大河ドラマ「義経」の影響で、源平ゆかりの演目が多い。謡曲を習い始めると鶴亀の次に練習するのが、この曲目である。能として演じられると、五条の橋の上での斬り合いが、華やかな最大の見せ場。牛若丸の小太刀にて、長刀を打ち落とされた武蔵坊弁慶が源義朝の子と知り、主従の誓いを交わし、九条の御所へ参る所で終わる。この日牛若丸の子方を演じた7歳の小早川康充君に会場やんやの喝采。東京でも大人気だそうだ。
大分県内は湯布院の夜能、竹田の薪能、宇佐の御神能が毎年恒例行事となり、芸術の秋を飾る。とりわけ宇佐八幡宮の能奉納は応永年間、山口県の大内氏による始まり、関ヶ原の戦後、細川忠興三斎公により再興され、約4百年間連綿として続く。奉納された能面・能衣装も数多くあり、神宮宝物館に展示されている。
(金光直明広報委員)
〔宮崎〕
「フローランテ宮崎」は四季折々の花と緑が美しく彩る花の文化の拠点施設。やすらぎに満ちた約5・1㌶の空間が広がっています。
春、夏、秋、冬の各季節ごとのテーマに沿った花と緑に関する体験型イベントの開催、4棟のガラスハウス、夢花館、花づくりの見本園、芝生の交流広場等々、ふれあいと観賞の場で見応え十分です。すぐ隣には噴水広場、オーシャンドームと続きます。花と緑の育て方の本棚もきれいに整備されています。
日頃のガーデニングや花草を育てる中で困っていることはありませんか?当園では疑問、質問の相談室もあります。情報収集の場の提供、交流の場の提供、憩い・レクリエーションの場の提供と、市民が主役の企画運営の場でもあります。
JR宮崎駅から車で10分。問い合せ先=電話0985‐23‐1510
(今村栄広報委員)
〔鹿児島〕
「ビールの夏」も終わり「焼酎の旨い秋」になりました。世間では「魔王」「森伊蔵」「村尾」が三本柱といわれ、プレミアも付き大人気のようですが、ドッコイ、生産量も少ない上、値段が高い。そこで「手に入らないので口にも入らない」という人に、とっておきの情報。
どこでも9月になると新焼酎を造るのですが、その中でも我が薩摩川内市の山元酒造「新焼酎」は絶品。去る9月21日の鹿児島トーハン会では土産として皆さんにお持ち帰りいただきました。
普段の焼酎は「お湯割り」「水割り」が主流ですが、それではもったいない。まずそのままたしなんでもらい、次にオンザロック、そしてお湯割りにしてもらえれば最高です。手軽な5合ビンが好評で1260円という値段がついていますが、私は980円で買える店を知っています。限定生産につき売切必至。
(濱田晴樹広報委員)
〔沖縄〕
沖縄県産本ネットワークという地元出版社32社で組織する団体がある。去る8月11日、那覇市内のホテルに於いて、沖縄県書店商業組合の主催する合同懇親会が開催され組合員、出版社40数名が集まった。
長年付き合ってきたはずの大切なビジネスの相手ではあるが、意外にお互いのことは知らないものだ。どんな人が本を作り、どんな人が本を売っているのか、お互いを知り、交流が盛んになれば書籍の増売にも結びつく。会が進むにつれて会話もはずんだ。酒を酌み交わしながら冗談も飛び出す。硬い専門書を出版している代表者が気さくな人だったり、気難しいジジイと思われていた書店の代表者がはつらつとした青年経営者だったり、想像とは違う人物との出会いは新鮮だ。
次回は、売り場の担当者レベルの交流会を開催しようと合同懇親会を締めくくった。
(安仁屋博一広報委員)

河出文庫の創刊25周年記念フェア/河出書房新社

河出書房新社は、河出文庫が創刊25周年を迎えたのを記念し、10月から全国書店で「河出文庫グランドフェア」を開催している。
同社では25周年に伴い、文庫のブックカバーを一新。雑誌『文藝』のアートディレクターを務める佐々木暁氏がデザインを担当しており、和紙のような風合いのテクスチャを複数使用した斬新なデザインとなっている。
ラインナップは、文芸書をさらに充実。星野智幸、鹿島田真希、綿矢りさ、中村航、羽田圭介など注目の文藝賞作家の受賞作を文庫化したほか、『文藝』で活躍中の角田光代、柴崎友香、リリー・フランキーらの作品も新たに登場、長年親しまれてきた澁澤龍彦や長野まゆみの作品も拡充している。
また海外文学は、ブローティガン、ジョイス、バロウズ、ケルアックなど現代文学の巨匠から最先端の作家までを紹介し、ミステリー・ファンタジー・SFなど幅広いジャンルの名作を収録。教養書も、『東京裁判』『満州帝国』など好評の図説シリーズ〈ふくろうの本〉の文庫化や、『古事記』『日本書紀』の現代語訳古典シリーズも充実させている。
なお、フェアでは河出文庫オリジナルグッズが抽選で当たる読者プレゼントを実施している。

人事

(8月30日付、◎昇任、○新任)
代表取締役会長
◎谷山尚義
代表取締役社長
◎山下秀樹
専務取締役・社長室、人事部、厚生部、総務部、経理部、総合管理部、資材部、制作部担当朝妻伸雄
常務取締役・広告部担当
青木晟
同・文芸編集部、文庫編集部、校閲室、新書編集部、学芸編集部、出版管理室担当秋山法夫
同・雑誌販売部、コミックス販売部、書籍販売部、デジタルマーケティング部、宣伝部、「読者サービス室」準備室、広報室担当
瀬戸裕康
同・編集総務部、第1~10編集部、児童書編集部、ライツ事業部、ジャンプ・コミック出版編集部担当
山路則隆
取締役・新書編集部、学芸編集部、出版管理室担当兼出版管理室部長
藤井健二
同・雑誌販売部、コミックス販売部、書籍販売部担当
福田収
同・第1・2編集部、児童書編集部担当片山道雄
同・第7~10編集部担当
大塚寛
同・デジタルマーケティング部、宣伝部、「読者サービス室」準備室、広報室担当大谷和之
同・第5・6編集部担当
三浦岱介
同・経理部、総合管理部担当兼経理部部長
柴田孝
同・広告部担当
奥脇三雄
同・社長室、人事部、厚生部、総務部担当兼社長室室長兼人事部部長
○馬締尚久
同・編集総務部、第4編集部、ジャンプ・コミック出版編集部担当兼編集総務部部長○堀内丸恵
同・ライツ事業部、第3編集部担当兼第3編集部部長
○鳥嶋和彦
同・非常勤相賀徹夫
役員待遇・第1・2編集部、児童書編集部担当兼第1編集部部長兼第2編集部部長兼児童書編集部長
○礒田憲治
同・資材部、制作部担当兼資材部部長○鈴木寿夫
同・文芸編集部、文庫編集部、校閲室担当兼文芸編集部部長兼文庫編集部部長兼校閲室部長○加藤潤
監査役長嶺安重
同須能紀文
同・非常勤相賀昌宏
同○加藤幸光
※取締役の狩野伸洋、中堀健、鶴谷浩三の各氏は退任し、狩野氏は一ツ橋綜合財団事務局次長、中堀氏は集英社ビジネス取締役、鶴谷氏は集英社インターナショナル取締役にそれぞれ就任した
☆栗田出版販売
(10月1日付)
〈組織改変〉
1.部課変更
①営業第二部を営業第二部、営業第三部に分割する。
②営業第三部を営業第四部と名称変更する。
③特販部を特販第一部・特販第二部に分割する。
④社長室、総務人事部、経理部を統合し総務部とする。
⑤営業推進部に書店支援課を新設する。
⑥情報システム部にシステム企画課を新設する。
⑦情報システム部のネットワーク開発課を廃する。
⑧書籍業務課と注文業務課を統合し書籍業務課とする。
2.管掌
①営業第二部は営業第一課を管掌する。
②営業第三部は営業第二課・営業第三課・営業第四課を管掌する。
③営業第四部は東海中部課・西部課・大阪支店・広島支店・九州支店を管掌する。
④特販第一部は特販第一課を管掌する。
⑤特販第二部は特販第二課・特販第三課・特販第四課を管掌する。
⑥総務部は社長室・総務人事課・財務経理課を管掌する。
〈役員管掌〉
代表取締役社長
亀川正猷
専務取締役・営業本部本部長郷田照雄
常務取締役・総務部・取引部管掌河本正美
取締役・営業本部副本部長、書籍仕入部・雑誌仕入部・営業推進部管掌
林保
同・営業本部副本部長、営業第一部・第二部・第三部・第四部管掌
林妙蔵
同・情報システム部管掌
柴原正隆
同・物流管理部・運輸管理部管掌丸山政良
同・特販第二部長、特販第一部管掌雪武史
同・非常勤・相談役
萩原保宏
〈人事異動〉○昇格
営業第一部長(営業第一部長代理)○森孝弘
営業第三部長(書籍仕入部長代理)○塩沢衛総務部長(総務人事部長)山本高秀
営業第二部長代理(営業第二部営業第一課長)
○森川正信
営業第四部長代理(営業第一部東北課長)
○川窪克誌
営業第四部大阪支店長・部長代理(営業第三部大阪支店長・部長代理)
坪山正文
特販第一部長代理兼特販第一課長(特販部特販第一課長)○森岡忠弘
書籍仕入部長代理(書籍仕入部書籍仕入調整課長)○高梨秀一郎雑誌仕入部長代理(営業第二部営業第三課長)
○大内浩幸
営業推進部長代理(営業第三部長代理)小出直之情報システム部長代理(情報システム部システム運用課長)○鴨田正美
物流管理部長代理(雑誌仕入部長代理)米川清一
☆三省堂書店
(9月16日付)
〈組織改正〉
[新組織の構成]
1.外商グループ、店売グループ、旗艦店グループ、経営戦略グループ、企画事業部、店舗開発室、内部監査室の体制とする。
2.企画事業部を新設する。企画事業部、店舗開発室、内部監査室は社長直轄とする。
3.各グループにグループ長を置く。
[外商グループ]
1.外商グループは外商推進室、各営業所及び各売店で構成する。
2.外商推進室は総括担当、洋書仕入担当、売店担当で構成する。
[店売グループ]
1.店売グループは各エリア及びFC店舗で構成する。
2.エリアは東東京、西東京、千葉、名古屋・関西、北海道の5エリア制とする。
3.SV(スーパーバイザー)は、店売グループ長の直轄とする。
4.AM(エリアマネージャー)は、同じく店売グループ長に直属する。
[旗艦店グループ]
1.旗艦店グループは、神田本店とMD販促室で構成する。
2.MD販促室はMD(マーチャンダイザー)、総括担当、分類コード担当、クラブ三省堂推進担当で構成する。
3.MD販促室は神田本店と連携し、かつ全社的な商品戦略、販売促進、商品管理指導等を推進する。
[企画事業部]
1.企画事業部は新規事業担当、ネット事業担当、システム営業担当、ASP事業担当で構成する。
2.企画事業部は他のセクションと共同し、次の事業の戦略立案と推進を行う。
ネット事業、FC事業、ASP事業(含むシステム営業)、その他の新規事業
文具・雑貨事業、洋書販売事業等
3.ASP事業担当は主に、書店向けシステム販売、版元向け売上データ販売、Web英会話を事業の柱とする。
[経営戦略グループ]
1.経営戦略グループは、経営戦略室、経理・財務室、人財開発室、総務室で構成する。
2.経営戦略室経理・財務担当と事務センターを統合し、経理・財務室を新設する。
3.情報システム室は経営戦略室と合体し、経営戦略室情報システム担当とする。
〈人事異動〉
取締役・旗艦店グループ長兼外商グループ長兼MD販促室長品田公博
同・店売グループ長兼北海道エリアマネージャー
持主俊介
理事・経営戦略グループ長、経理・財務室長兼内部監査室長西端忠光
同・経営戦略グループ次長兼総務室長茂木光則
同・店売グループ次長兼名古屋・関西エリアマネージャー手塚幸弘
同・旗艦店グループ次長兼神田本店長兼企画営業課リーダー佐藤英之
同・企画事業部長兼新規事業担当リーダー
児玉好史

読みきかせらいぶらりい/JPIC読書アドバイザー・加藤美穂子

◇2歳から/『いいおかお』さえぐさひろこ=文/アリス館1260円/2004・11
動物たちの「いいおかお」を集めた写真絵本。幼い子たちは、写真にあわせて、一生懸命同じ表情を作ろうとします。その様子がなんとも愛らしく、読んであげる方も、二重に心がなごみます。絵と違って、構えないで見られるのが、写真のメリット。親子で手に取りやすい絵本です。
◇4歳から/『うんちっち』ステファニー・ブレイク=作・絵/ふしみみさを=訳/PHP研究所1260円/2005・1
反抗期の子どもの心理を見事にとらえて共感を呼ぶ絵本。タイトル、色彩、内容と、三拍子そろって、子どもの心を強烈に引きつけ、どこで読んでもハズレません。久々の場外ホームラン級の絵本の登場です。思いっきり笑いとばした後の、子どもたちの表情の、なんと晴れやかなこと!
◇小学校低学年向き/『どうぶつさいばんライオンのしごと』竹田津実=作/あべ弘士=絵/偕成社1470円/2004・9
ヌーの母親を食べたライオンが裁判で無罪になるまでのやり取りの中から、ライオンには、自然界のバランスを保つため守り神としての仕事があったという、思いもよらなかった理由が明かされます。アフリカの草原を髣髴させる、スケールの大きい絵とストーリーで、読み応え十分です。

映画館運営に着手/日販

日販は、新たに映画館の運営事業に着手することを決定。渋谷でミニシアターを運営する㈲ユーロスペースが新館へ移転するにあたって施設設備を買い取り、内装をリニューアルした上で12月3日に劇場名を「シアターN渋谷」と変更してオープンする。
渋谷地区には現在11館のミニシアターがあり、今年末にはもう1館がオープン。日販は今後も渋谷地区での映画館の需要は続くと見ており、映画館の運営事業に進出することとした。
メインの上映作品は内外を問わず幅広いニーズと年齢層の趣向に応えられる秀作を選んで上映し、レイトショーでは、渋谷という立地を活かし、時流を捉えた作品や才能ある若手クリエイターの作品を上映するなど、様々な試みを行っていくとしている。

第10回家庭画報大賞に小澤さん/世界文化社

読者参加のクラフトコンテスト、第10回「家庭画報大賞」の表彰式が9月21日午前11時半から帝国ホテルで行われた。
今回は「夢と美を楽しむクラフト」をテーマに、素材や形態を限定せずクラフト全般にわたって募集を行い、2538作品が寄せられた。この中から、小澤登茂子さん(埼玉)の「麗江悠久」が大賞を受賞したほか、準大賞、審査員特別賞、ゲスト審査員賞、協賛社賞、優秀賞などに36作品が選ばれた。
表彰式であいさつした世界文化社・鈴木勤社長は「10年目として、雑誌コンセプトをそのままテーマに採用した。素晴らしい作品をお寄せいただき、厚く御礼申し上げる。大賞の小澤さんは、高齢にもかかわらず力強い作品で、バランスがよく見事だと思った。第11回は装いを新たにスタートする予定なのでご期待いただきたい。当社は来年創立60周年を迎えるが、これをきっかけに新しい世界文化社を作りたい。また『家庭画報』も平成19年で50周年。より内容を充実した編集をしたいと思っている」とあいさつ。続いて各賞の表彰と、ゲスト審査員の星野仙一氏のトークショーが行われた。
なお、今回の受賞作や歴代受賞作を展示した「家庭画報大賞展」が日本橋三越本店で開かれたほか、大丸大阪心斎橋店でも10月5日から10日まで開催される。

視聴期間限定DVDを書店ルートで販売/トーハン

トーハンは、デジタルメディアの技術開発会社であるヴィジョネア㈱と業務提携し、視聴期間を限定したDVD「ケータイDVD」を書店ルートで販売する。
「ケータイDVD」は、ヴィジョネアが開発した「DVDMAGIC」という技術を活用。携帯電話から専用のアドレスにアクセスしてパスワードを取得し、これを入力することで視聴できる。視聴期間は最初に映像を見た日から1週間で、課金すればさらに期間を延長することも可能。現在、「プロジェクトXベストセレクションDVD」の第1期3巻(本体各6百円)が販売されている。
トーハンは9月中旬から首都圏書店店頭でテスト販売を実施。順次常設店を拡大し、書店販売ルートの確立を図る。

催し

◇第3回「子どもの本まつりinとうきょう」
子どもの読書推進会議と出版文化産業振興財団の主催で10月8日から10日まで、台東区の上野恩賜公園で開催。
東京都書店商業組合などが協力するこのフェアには過去最高の35者41テントの出展が予定され、絵本・児童書、ヤングアダルト作品を多数取り揃えるほか、「子どものためのチャリティ・ブック・フェスティバル」では読者謝恩価格で販売する。また、人気絵本作家の「チャリティ直筆画販売コーナー」も設ける。
このほか、東京国立博物館平成館で以下の講演会・セミナーを開催する。
①8日午後12時半=岩波セミナー「ファンタジーの魅力を探る」児童文学者による基調講演と、JPIC読書アドバイザーの読み聞かせ・ブックトーク実践講座
②9日午前・午後=「調べるって楽しい体験!パソコンで調べ学習」(ポプラ社協賛)
③10日午後1時15分=座談会「呑兵衛の四方山ばなし(仮)」

◇講談社ノンフィクション賞、同エッセイ賞
第27回講談社ノンフィクション賞および第21回講談社エッセイ賞は以下の通り決定した。
ノンフィクション賞=奥野修司氏『ナツコ沖縄密貿易の女王』(文藝春秋刊)、中川一徳氏『メディアの支配者』上・下(講談社刊)。
エッセイ賞=アーサー・ビナード氏『日本語ぽこりぽこり』(小学館刊)。
贈呈式・祝賀会は10月24日(月)午後6時から東京・丸の内の東京會舘で行われる。
◇小学館児童出版文化賞
第54回小学館児童出版文化賞が、あさのあつこ氏の『バッテリー』全6巻(教育画劇刊)に決定した。
贈賞式は11月10日(金)午後5時半から、千代田区一ツ橋の如水会館で行われる。
◇日本自費出版文化賞の作品募集
全国の中小印刷会社の連合体「日本グラフィックサービス工業会」とNPО法人「日本自費出版ネットワーク」は、第9回日本自費出版文化賞の作品を募集している。
著者(個人・団体)が制作費用の全額または一部を私費で負担し、日本国内で1995年以降に出版され、主として日本語で書かれた書籍が対象。募集部門は地域文化、個人誌など6部門。大賞には賞状ならびに賞金30万円が贈られる。
募集要項と応募用紙は郵便はがき、FAX、インターネットで請求。応募締切は11月30日。結果は2006年6月上旬に朝日新聞紙上などで発表する。
問い合わせは日本グラフィックサービス工業会内、日本自費出版ネットワークまで。℡03―5623ー5411、FAX03―5623―5473。ホームページhttp://www.jsjapan.net/