全国書店新聞
             

平成24年1月15日号

日書連MARC研修会を開催/日書連九州ブロック会

日書連九州ブロック会は1月24日午後2時から福岡県福岡市の福岡県教科図書で「学校図書館への『日書連MARC』導入と今後の取り組みの研修会」を開催する。講師は中尾隆一(中尾書店社長、福岡教科図書社長)、大隈劭(おおくま書店社長、大分組合前理事長)の両氏。受講料は無料(交通費は各自負担)。

出版界の「絆」深化を/新年名刺交換会で出版5団体

2012年出版関係新年名刺交換会が1月6日正午から東京・新宿区の日本出版クラブ会館で開かれ、出版社、取次、書店など業界関係者500余名が出席。新年の門出を祝い、業界の再生と東日本大震災からの復興へ決意を新たにした。
〔柔軟な発想と行動力もって/出版クラブ野間会長〕
新年名刺交換会は東日本大震災の被災者に黙祷を捧げたあと、出版界は大震災を忘れないというメッセージを込めて岩手と福島の郷土芸能でスタート。日本書店商業組合連合会の大橋信夫会長(東京堂)、日本出版取次協会の山﨑厚男会長(トーハン)、日本出版クラブの野間省伸会長(講談社)、日本書籍出版協会の相賀昌宏理事長(小学館)、日本雑誌協会の石﨑孟理事長(マガジンハウス)の各氏が出版5団体を代表して登壇した。
野間会長は「日本出版クラブは〈大震災〉出版対策本部と手を携え、被災者の心の復興のため支援活動に積極的に取り組んできた。昨年末には被災地の遺児、孤児に図書カードのプレゼントを実施した。出版界は今までに経験したことのない経済環境の中に置かれ、出版クラブも今後の出版界にどんな形で貢献できるのかを問われている。常に維持員社のことを考え、提案していかねばならないと考えている。歴代会長が継続的に取り組んできた重責と諸先輩が築き上げた伝統を受け継ぎ、柔軟な発想と行動力をもってその発展に尽くしたい。今年は維持員社や地域の皆様との絆をさらに深め、皆様方の役に立つ出版クラブを目指す。お力添えをお願いしたい」と年頭あいさつ。ワイン乾杯で新年の門出を祝った。
出版5団体代表のあいさつは出版クラブ会報「出版クラブだより」に掲載され、当日配布された。このうち日書連の大橋会長のあいさつは以下の通り。
〔書店経営の環境改善へ強い決意/日書連大橋会長〕
□大橋会長挨拶(全文)
新年あけましておめでとうございます。
平素は日書連の諸事業に際し、格別なご高配を賜り厚く御礼を申し上げます。
昨年3月11日に発生しました東日本大震災では、義援金のご協力ありがとうございました。おかげ様で、314件・総額8947万9575円が集まり、被災書店に向けて送金することが出来ました。
さて、弊会が現在取り組んでおります多くの事業活動は一言で言うならば「書店経営の環境改善」にあります。その代表的なものの一つは、「送品・返品同日精算」の問題であります。この問題は、長い年月の中でいつの間にか、書店のキャッシュフローを大きく圧迫しているので、何とかこれを改善して欲しいという問題提起でもあります。ここ数年、この年頭挨拶で取り上げていますので、詳細は割愛させていただきますが、「返品入帳改善のお願い」から足掛け6年、「同日精算」という名称を使用してからでも3年半が経過してしまいました。昨年末には、大手取次会社2社様に早急なる問題解決に向けた検討をお願いしておきました。今年こそが改善案が提示されるものと、大いに期待しているところです。
「書店再生」に向けた取り組みは、現在の再販制度下において何が出来るのか、様々な角度から書店を元気付けるような諸施策を検討しているところであります。本件に関しましては、今年の早いうちに具体案を提示していきたいと考えています。
デジタルコンテンツ時代を迎えた中で、書店店頭を活性化する試みを展開しています。一つは、コミックの試し読みシステム「ためほんくん」です。デジタル画面の試し読みを通し、コミックの増売を図ろうというものです。本格稼働1年目の「ためほんくん」は、協賛出版社が14社、扱いコンテンツ数が2900点、導入店数が240店、導入台数が320台で推移しています。もう一つのウェイズジャパンとの提携による書店店頭での「電子書籍販売」については、本年1月31日にいよいよスタートさせる方向で最終準備に入っています。
それから昨年実施した地道な活動としましては、出版社に在庫情報の開示を求めるお願いです。対象は出版倉庫流通協議会加盟の倉庫会社に業務委託をしている出版社で、在庫情報を流していないと思われる476社への協力要請です。幸い同協議会では、平成18年5月に「出版社共同ネット」を開設していることから、同ネットへの加入を呼びかけた訳です。
私ども書店業を営むものとしましては、「読者と出会う1冊の本」がいかに大切かということを常日頃痛感しているところであります。ところが正確な情報が入らないために、読者に適切な応対が出来ず困惑することもしばしばです。倉庫で出番を待っている出版物があるにもかかわらず、読者との出会いが叶わない。その原因を探ってみますと、ネット環境での対応がなされていないことに起因していると気付いた次第です。
是非この点をご理解賜り、在庫情報を開示していない出版社におかれましては、今年の重点課題として前向きに検討くださるようお願い申し上げます。
ともあれ、解決しなければならない問題は山積していますが、英知を結集し、問題点を一つ一つクリアしていき、明日のあるべき書店像を追い求めていきたいと考えています。ご指導ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。

東野圭吾さんら7人、自炊代行業者を提訴/著作権侵害で電子化禁止求める

作家や漫画家ら7人が12月20日、書籍を裁断してスキャナーで取り込み電子化するスキャン事業者2社に対し、行為の差し止めを求める訴えを東京地方裁判所に提起した。
提訴したのは、浅田次郎、大沢在昌、永井豪、林真理子、東野圭吾、弘兼憲史、武論尊の各氏。被告は㈲愛宕(神奈川県川崎市)とスキャン×BANK㈱(東京都新宿区)。
20日午後2時より新宿区の日本出版クラブ会館で、永井豪氏を除く原告の6氏と弁護団7人が出席して記者会見が行われた。弁護団は、不特定多数の利用者から注文を受け、不特定多数の書籍をスキャンして電子ファイルを作成し納品する事業を著作者の許諾なく行うことは、著作権法の複製権侵害に当たると指摘。2011年9月に作家や漫画家122人と出版社7社がスキャン代行業者約百社に対し、電子ファイルの作成を許諾しない旨を伝える質問状を送付しており、被告2社は「今後も原告らの作品に注文があった場合は電子ファイル化を行う」と回答していることから、提訴に踏み切ったと説明した。
原告の浅田氏は「作品は血を分けた子どもも同然。それが見ず知らずの人にいいようにされ、あずかり知らぬところで利益を生んでいることに憤りを感じる。バラバラにされた本は正視に堪えず、業者に正当な論理は感じられない。この1年で業者の数が大変増えていることを危惧し、いま提訴しなければならないと考えた」と訴訟に至った経緯を説明。
大沢氏は「電子書籍は出版業界をプラスの方向に転ずるきっかけになるはずだと考える。海賊版の電子書籍が大量に流通するきっかけになりかねないスキャン代行事業を看過するわけにはいかない。悪貨が良貨を駆逐するようなことがないよう、きちんとした形で電子書籍事業が進められるようになってほしい」と危機感を表明。また、東野氏は「一冊の本は、いろいろな人が努力をして作られている。何かうまい商売を思いついたというように思ってほしくない。違法な商売がまかり通ることで、漫画家や小説家という職業が近い将来成立しなくなる恐れもある」と指摘した。

トーハン、日販調べ書店売上げ/年末年始は7~8%減

トーハン、日販調べの年末年始(12月29日~1月3日)の書店店頭売行動向は、トーハン調べで年末3日間が6・8%減、年始3日間が8・3%減、合計7・4%減。日販調べで年末9・1%減、年始8・3%減、合計8・8%減と、マイナスのスタートになった。
トーハン調べ(POS店1330店)によると、年末年始6日間のジャンル別動向は、書籍4・3%減、雑誌3・5%減、コミック22・1%減、MM(マルチメディア)12・7%減。コミックは年末23・9%減、年始20・0%減と、年末年始とも20%を超える大幅減となった。
日販調べ(1786店)の年末年始売上動向は、書籍5・8%減、雑誌11・8%減と、雑誌が低迷した。
書籍の内訳を見ると、プラスだったのは書籍コミック(2・5%増)だけで、あとは軒並みマイナス。文芸書は17・9%減、ビジネス書は11・7%減と2桁の大幅減になった。
雑誌はコミックが23・5%の大幅減となったほか、月刊・隔月刊誌4・4%減、ムック3・4%減と低調だった。一方、週刊・隔週刊誌は2・5%増と好調だった。

【特別寄稿】全国の書店さんを回って思ったこと②/神田村・東京出版物卸業組合、弘正堂図書販売社長・細野寛行

地方のある書店さんの店長さんから、神田村の取次はそれぞれ得意な版元に特化しているためか、商品力が桁違いに強く、商売のパートナーとして非常に心強いというお言葉をいただきました。
その書店さんは、ある大手出版社の文庫の入荷数は、非特約店だったので、数冊程度、タイトルによっては1冊も割り当てがありませんでした。神田村と取引を始めて、発売日に売れ筋のその文庫が平積みになったのを初めて見たそうです。今までお断りしていたお客様からの事前予約もまったく怖くなくなったと言っていました。
書店に勤務されている方にとって、「発売日に本が入荷するのか」というのは精神的なストレスをもたらす問題です。その書店さんは、この版元の文庫に限ってはその悩みが一切消えたそうです。いままで、お客様に未入荷の言い訳をしなければならない日々だったので、発売日が憂鬱だったそうです。今や、発売日は「カキイレドキ」で、1ヵ月の売上を支える日々になったと喜んでいました。
そして、最近特約店に加入することができ、取引している大手取次から潤沢に新刊が入荷されるようになりましたが、神田村との取引量は減っていません。むしろ発売日に商品がある信頼感から客数が増え、配本ランク以上の需要が増えたこと、またそれ以外の神田村からの取引商材の需要が増えたため、さらに神田村とのお付き合いは深くなっています。店長さんから、「商品力」と「人情」。小売業として理想的で気持ちのいい商売ができると感謝されました。商品の入荷が無ければ、販売力のある書店さんでも特約店にはなれません。
神田村との取引により、この店は品揃えがいいと評判になり、お客様の来店数が増え、大手取次さんの売上も上がっているはずです。神田村は大手取次に取って代わろうなんて思っていません。客注・補充注文を翌日お届けしています。これからも大手取次ができないことを地道にやって大手取次と一緒になって書店さんの魅力ある棚作りに協力していきたいと思っています。ぜひ、お問い合わせください。
問い合わせ先=弘正堂図書販売℡03―3291―2351

日書連のうごき

12月1日電子書籍対応部会。
12月2日文藝春秋忘年会に大橋会長が出席。
12月5日図書館サポート部会。書店再生委員会。
12月6日「S・Jの日」PR企画推進審査会。第2回「首都圏書店大商談会」委員会に石井事務局長が出席。
12月7日「電子出版コード管理研究委員会」準備会に藤原副会長が出席。
12月8日「再販関連」会員説明会に柴﨑副会長ほか役員が出席。
12月9日JPIC評議員選定委員会に大川専務理事が出席。日本児童図書出版協会忘年会に舩坂副会長が出席。
12月12日第5回「東京万引き防止官民合同会議」に大橋会長が出席。
12月13日第94回JPIC定例理事会に大橋会長ほか役員が出席。
12月14日児童図書増売三者合同企画説明会に書店再生委員会のメンバーが出席。各種委員会(指導教育、取引改善、流通改善、書店再生、広報、政策、地震対策本部、読書推進、組織)。第4回出版販売年末懇親会。
12月15日日書連定例理事会。
12月16日「ためほんくん」幹事会。「ためほんくん」配本問題で取協と意見交換。
12月17日岡山組合「ためほんくん」研修会に田江理事が出席。
12月21日全国中央会団体月例研修会に石井事務局長が出席。
12月22日公取協・月例懇談会に大橋会長が出席。
12月29日事務局仕事納め。

訃報

川瀬光和氏(元兵庫県書店商業組合理事長、元日書連理事)
1月4日に死去した。81歳。通夜は5日、告別式は6日に宝塚市のクレア宝塚ホールで営まれた。喪主は長男の裕弘さん。
昭和57年から63年まで同組合理事長を務め、平成元年の商業組合への改組などで多大な功績を残した。
(安井唯善広報委員)

電子書籍とためほんくんの勉強会開催/岡山組合

岡山県書店商業組合は12月17日、岡山メルパルクで電子書籍サービスと「ためほんくん」の勉強会を開催。組合員23名と、取次より3名が出席した。
開会に先立ち、今城副理事長は「最近本屋が集まる場所では、電子書籍と万引きの話しか出ない。今日の勉強会を機に、デジタル化について、積極的な気持ちで前向きに取り組んでほしい」とあいさつした。
勉強会は、始めにウェイズジャパンの小橋琢己執行役員が、「書店における電子書籍サービスについて」と題し、本屋が電子書籍に取り組むとはどういうことかを解説。続いてウェイズ社の概要やこれまでの活動、電子書籍サービスの流れなどを詳しく説明した。
続いて日書連ためほんくん部会の田江泰彦部会長が「ためほんくん」による店頭試し読みシステムについて解説。端末と機能の説明を聞き、リアル書店電子化の構図が少しずつながら理解できる勉強会となった。電子化に対する不安ばかりの中、店頭を活性化し、紙の本の売上げを伸ばしていこう、ハイブリッド型の書店を目指そうと気持ちを奮い立たせる勉強会であった。(荒木健策広報委員)

絵本ワールドinひょうごで即売会/兵庫組合

「絵本ワールドinひょうご2011」が12月3日と4日の両日、神戸市の神戸海皇女子学院大学にて開催された。
兵庫県書店商業組合(山根金造理事長)や県図書館協会、神戸新聞社などで構成する実行委員会が主催しているもので、今年で10回を数える恒例の絵本のイベントとなっている。
今回は、「佐賀のがばいばあちゃん」の島田洋七氏、絵本作家のたかいよしかず氏の講演会、サイン会や、各種団体による「紙芝居」「読み聞かせ」「人形劇」などのワークショップが開かれた。とりわけ、短大生による「立体紙芝居」、さわる絵本の会の「布絵本」が好評を博した。来場者は、初日が約1千5百名、2日目は約2千名にのぼった。
兵庫県組合は、「なんでも子どもの本ライブラリー」と称して絵本の展示即売会を担当した。大阪屋の支援のもと、前日の準備から、2日間の販売、撤収と、組合員のべ28名で運営。懐かしい絵本から最新版の子どもの本まで約7千冊を展示し、2日間で80万円弱の売上があった。
(安井唯善広報委員)

雑誌発売日繰上げなどで報告/佐賀理事会

佐賀県書店商業組合は11月24日午後2時から、佐賀市のアバンセにおいて理事会を開催した。
岩永理事長はあいさつの冒頭で、病気のため前月の理事会を開催できず迷惑をかけたと詫び、今は徐々に身体も回復しつつあり、日書連11月理事会に出席したと述べ、報告と協議事項に入った。
理事会では、書店組合加盟店が5千店を割り込み、佐賀県も2店の閉店で加盟48店となって、県内書店業界も予断を許さないこと、11月第3週より『女性セブン』の発売日が金曜日に繰り上げられたこと、『フライデー』の金曜日発売への繰上げ要請、雑誌の出版社直接年間購読の予約特典が過大すぎること、新古書店の出店の影響――について、報告と議論があった。
このほか日書連のポケッターと書店くじ、大震災出版復興基金の募金箱設置等について報告が行われた。
次に「ためほんくん」「電子書籍」に関する研修会を2月14日開催予定として進めることを内定した。「万引き防止ポスター」は、次回理事会で再度校正し、ポスター文面を確定することを決定。次の理事会は1月21日に開催することを決めて終了した。
(古賀嘉人広報委員)

埼玉組合/県に児童書など533冊を寄贈

埼玉県書店商業組合は12月13日、川島孝文理事長と山口洋事務局長が埼玉県福祉部こども安全課を訪問。同課の岡村和典課長、小林健太郎養護担当に平成23年度寄贈本として児童書や辞典など533冊の本を寄贈した。
岡村課長からは「昭和37年より約半世紀の長きにわたり毎年多くの本を寄贈していただき、県内福祉施設も大変感謝している。施設の子どもたちにとって本は何よりの贈り物」とのお礼をいただいた。また、小林養護担当からは「各施設では、本の寄贈により蔵書も充実し、大変喜んでいる」と施設の状況をお話いただいた。
寄贈本は、県内の児童養護施設、母子生活施設等にクリスマスに合わせて配本され、毎年各施設ならびに子どもたちより心温まる多くの礼状をいただいている。(山口洋事務局長)

中川文部科学大臣と懇談/学校図書館整備や納入問題で陳情/三重組合

三重県書店商業組合は11月27日、津市の都ホテル鈴鹿の間において、三重県選出の中川正春文部科学大臣に対し約1時間にわたり陳情・懇談を行った。
懇談には、組合から岡森理事長、鈴木理事、作田理事、別所理事が出席。ほかにトーハン名古屋営業部長の川島氏、ポプラ社の西山氏が出席した。
まず、平成23年で終了する文部科学省の「新学校図書館図書整備5か年計画」の延長を提言した。その根拠として、文科省の「全市町村における学校図書館図書標準の達成状況」より数値を提示。達成率は全国平均で小学校50・6%、中学校42・7%、三重県は小学校39・7%、中学校24・4%となっており、予算が書籍購入に使われる比率が低い現状を説明した。また、これに関連して、総務省の「住民生活に光をそそぐ交付金」との相違点を説明。今後文科省より「図書館充実的予算」が交付される場合は、総務省のように書籍購入を目的とし、一括交付金より除外されるよう要望した。
次に、公共および学校図書館の書籍購入は「地産地消」志向の策を講じてほしいと陳情。また再販商品である書籍に対して行政より発せられる入札・納入の矛盾も説明し、片山前総務大臣の特別講演「学校図書館と知の地域づくり」の冊子を基に、その正当性と必要性を訴えた。また別所理事より、教科書供給所としての立場から、教科書の電子化について紙の教科書の重要性を強く訴えるとともに、永年教科書供給に携わってきた地方書店の存続の必要性を伝えた。
大臣からは、「書店の方と直接懇談するのが初めてで、書店の抱える問題点を身近に感じることができ、大変参考になった。今後電子化の波が大きくなるであろうから、それに乗り遅れないよう努力してください」と励ましの言葉をいただいた。
この度の各々の陳情に対して明確な約束はされなかったが、すべての項目に深いご理解と関心を示されたことは大きな成果であった。終始気さくで親しみあるお人柄に出席者一同感動した。緊張しながらも和やかな1時間だった。
(三重県書店商業組合・岡森泰造理事長)

上田市書店協同組合が優良組合表彰/全国中央会から

長野県書店商業組合に所属する8店で活動している上田市書店協同組合(清水栄喜理事長アルプス書房)は、全国3万余の中小企業の組織である全国中小企業団体中央会より優良組合として表彰された。今年、長野県からは3組合が受賞し、書店協同組合組織としては全国初となる。
上田市書店協同組合は昭和49年に12店で発足し59年に法人化。現在は8店で地元市町村の図書館を始め、教育機関への共同販売、公共文化関係と協力し年に2、3回の文化講演会の開催などの活動を行っており、その功績が認められ今回の受賞となった。
また月に1回会員が一堂に集まり、地域活性化のための活動を目指して情報交換を行っている。
(渡辺学広報委員)

店頭に密着した施策進める/トーハン新春の会

2012年トーハン新春の会は6日午前10時半から東京・目白の椿山荘で開かれ、書店、出版社など総勢2324名が出席した。
冒頭あいさつで近藤敏貴社長は、取引先書店1330軒の年末年始6日間の売上状況について、「合計92・6%と前年を下回る結果となった。客単価は101・2%と若干上がったのに対し、来店客数は90・7%と10%近く減少した」と報告した。
近藤社長は、今年度の方針として、書店店頭の売上げアップと、マーケット全体の中での書店のプレゼンス向上の2つを掲げ、売上アップについては、店頭に密着した施策を進めるとして、TONETSVの「適在適書」システムの活用や、雑誌の返品改善に取り組むとともに、書店のニーズに合わせた複合パッケージの提案を通じて経営効率の改善を図る「&Partners」施策を推進していくと述べた。
書店のプレゼンス向上については、オープンネットワークや、電子書籍販売サイト「Digitale―hon」、図書館事業の諸施策を説明。出版社と構築するオープンネットワークの名称は「TONETSi(アイ)」と決定、今年度第2四半期のリリースを目途に開発を進めており、書店から開示された生の情報を分析し出版社に提供していくと述べた。また図書館事業について「地域の書店とともに学校・公共図書館に働きかけ、『知の地産地消』というべきコンセプトを具現化できるよう全力を尽くす」と語った。
来賓あいさつで紀伊國屋書店・高井昌史社長は、「再販制の下での買切り制度や時限再販などを積極的に導入し、書店正味の改善を実現するため業界の仕組みを変えていくことを検討する必要があるのではないか」と提言。またトーハンの施策について、「新しい商材や業態の開発に積極的に取り組むとのことで、書店にどんどんご提案いただきたい」と期待を寄せた。
特別ゲストの作家・曽野綾子氏のあいさつの後、トーハン・山﨑厚男会長、近藤社長、紀伊國屋書店・高井社長、講談社・野間省伸社長により鏡開きが行われ、野間社長の発声で乾杯した。

効率販売施策で営業力強化/栗田新春あいさつの会

「2012年栗田新春あいさつの会」は7日午後1時から東京・板橋区の本社新物流センターで開かれ、書店、出版社など241社・494名が出席した。
冒頭、栗田の郷田照雄社長があいさつ。「第74期決算は非常に厳しい数字となった。最大の問題は返品。書籍・雑誌合計38・9%で0・6ポイントの改善に終わった。同業他社が返品率改善で成果をあげている中で、この数字は反省しなければいけない。第75期は効率販売施策(KfS)として、①新刊商品の適切な配本(KMI)②自動発注システム(SSP)③書店店頭仕入在庫管理(SSM)④イン・ペナ契約の導入――を推進する。これらを中心に本業の強化、営業力の強化を目指す。OKCは軌道に乗りつつあり、今年はさらに改善を図る。本社機能の都心への移転については準備を進めており、決まり次第お知らせする」と述べた。また、業務提携している大阪屋の南雲隆男社長、大阪屋友の会連合会の田村定良会長を壇上で紹介した。
来賓の出版社を代表してマガジンハウスの石﨑孟社長は「雑誌の売上は1兆円を割り込んだと見られる。厳しい状況の中、雑誌作りの初心に帰って取り組まねばならない。読者に喜んでもらえる企画を提供できれば再び1兆円が見えてくる」と祝辞を述べた。
書店を代表して高島書房(福島県郡山市)の高島瑞雄社長は、出版業界からの被災地に対する支援に感謝の言葉を述べたあと、「福島は地震、津波、原発事故、風評の四重苦に加え、『風化』という被害に襲われようとしている。忘れさせないための努力を出版業界全体で末永くやってほしい。被災地の人たちはあの惨状を早く忘れたいと思っている。しかし、そうでない人たちは長く記憶に留め、支援してほしい。そうすることが日本全体の発展や繁栄につながると確信している」と訴えた。
郷田、石﨑、高島の3氏に南天堂書房の奥村弘志社長が加わり鏡開きのあと、奥村氏の発声で乾杯した。

学習指導要領改訂を商機に/日教販市会

第61回日教販春季展示大市会は、6日午前10時から四谷のスクワール麹町で開催された。
これまで2フロアに分けて行っていた市会を、今年は3階会場1箇所に集約。出版社各社のブース展示や、「中学校新指導要領実施に伴う中学学参店頭展開」をテーマに書店研修会が行われるなど、多数の来会者で賑わった。
午後1時からのセレモニーでは、日教販・河野隆史社長が年頭あいさつ。「昨年小学校の学習指導要領改訂が実施され、今年度は中学校の改訂と高1理数の前倒し改訂、その後高校の改訂と続き、ビジネスチャンスが継続していく状況だ。店頭では生徒だけでなく父兄にいろいろな場面でアピールしていくことが重要。新学期から入試までの1年間、お店の地域性や規模に合わせてさまざまな提案をしていきたい」と学参商戦への意気込みを語った。
電子書籍への対応では、NTTラーニングシステムとeラーニング分野で業務提携したことを説明。「本プラスデジタル教材」のコンセプトで、出版社のコンテンツをスマートフォンを活用して読者に提供し、書店と連携して本の販売に結び付けていくスキーム作りを目指していくとした。
日教販の経営課題については、営業力強化と返品率改善、物流業務の効率化を柱とする経営改革計画を実行し、安定した経営を実現することが最大の課題だとして、①販売促進ツール「促進君」の導入②返品業務について出版共同流通への参画実現による返品データの収集・活用――等の営業強化施策を実施していくと述べた。
続いて、来賓を代表して日書連・大橋信夫会長があいさつし、「日教販は、今後実施される中学・高校の指導要領改訂を新たなビジネスチャンスにつなげていかれるということで、大いに期待したい。そのためにも、業界挙げた努力が問われることになるが、これを乗り切って大いに力を示していきたい」と述べた。
この後、学習参考書協会・北口克彦理事長の発声で乾杯。福島日教販会・西猛副会長(福島県書店商業組合理事長)から河野社長に白河ダルマが贈呈され、来賓全員で片目を入れて新春の学参商戦を祝った。

書籍返品率改善へ改革推進/日販新春を祝う会

「本の力未来を築く」をキャッチフレーズに、日販の「2012年新春を祝う会」が6日午前10時から東京・港区のザ・プリンスパークタワー東京で開かれ、書店、出版社、取引先、日販グループ関係者ら総勢2082名が出席した。
あいさつした日販の古屋文明社長は「日販は2015年までに書籍返品率25%を達成するために取引制度改革を進めており、PARTNERS契約の締結店はMPDチャージ契約店と合わせると取引全体の売上の64・1%になった。契約店の書籍返品率はここ3ヵ年で42・2%から35・4%、書籍の売上伸長率は94・6%から98・6%といずれも非契約店よりも良い形で推移しており、PARTNERS契約の実効があがっている。これは単なる契約締結の結果ではなく、新刊申し込みサポートやリリーフAといった施策の効果が出ているもの。今後は書籍返品率25%の達成と買切制度を積極的に推進し、書店マージン30%を実現したい。被災地では本は生活必需品だという声が多く聞かれた。読者の求めるものを的確に供給するため取引制度改革の歩みをさらに進める」と述べた。
来賓の有隣堂・松信裕社長は「PARTNERS契約のシェアが増えているが、インペナ店が多いのは責任を持って販売しようとする書店の意欲の表れ。電子書籍が話題になっているが、電子出版だけで経営が成り立っているところはない。紙の本を売る業界の糟糠の妻である書店を大切にしてほしい」と述べた。
続いて被災地の書店を代表してヤマト屋書店の阿部博昭社長があいさつ。「石巻市は津波で大きな被害を受けた。当社は震災後、4店だけは再開できたが、2店は廃業した。しかし本が生活になくてはならないものということも実感した。今年は業界全体の復興元年と言われるよう力を合わせて頑張りたい」と話した。
このあと、日販の柴田克己会長と古屋社長、有隣堂の松信社長、ヤマト屋書店の阿部社長、集英社の堀内丸恵社長による鏡開きを行い、堀内社長の発声で乾杯した。

わが社のイチ押し企画/ポプラ社・一般書編集局・吉川健二郎

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申しあげます。
わが国は昨年、大震災と原発事故という未曾有の災害・事故に見舞われました。戦後の廃墟から高度経済成長を成し遂げ、物質的な繁栄を謳歌してきた私たちにとって、2011年3月11日は国家としての大きな転換点になったといっても過言ではないでしょう。
時計の針を戻すことの許されない私たちは、これからの世界を、そしてこれからの未来をどのように描けばよいのか?ひとつの指針として「幸福」というキーワードが浮かび上がりました。
昨年、GNH(国民総幸福量)を提唱する国家・ブータンのワンチュク国王夫妻が来日した際、多くの日本国民がふたりの姿に幸福のイメージを重ね合わせました。震災からまもなく一年を迎えるにあたって、あらためて「私たちにとって幸福とはなにか?」を読者の皆様と考えてみたい――小社はそうした思いを込めて、五木寛之さんの書き下ろしエッセイ「新・幸福論~青い鳥が去ったあと~」を刊行いたします。
アランやラッセル、寺山修司をはじめ、古今東西、数多くの「幸福論」が上梓されてきたことは、とりもなおさず時代や環境によって幸福が姿かたちを変容させてきたことを意味します。3月11日以後の世界において、未来に希望を描くために、どのような幸福論が求められているのか。五木さんは少年時代に戦争を体験し、戦後の日本が劇的に変貌していく様をつぶさに見つめてきました。『人間の関係』(小社刊)をはじめとする幾多の著書の中で、人間存在の礎となるべき言葉を紡いできた五木さんだからこその、深い思索に基づく「幸福」についてのメッセージの数々が、本書にはちりばめられています。
「幻想の幸福は終わり、現実の幸福を見つめる時がきた」――新しい幸福の〝かたち〟を、この一冊から考え始めていただければ、幸いです。

わが社のイチ押し企画/河出書房新社・営業第二部第二課・大沢直美

デビュー以来四十年にわたって常に現代の文学をリードし、いまなお新たな沃野を開拓しつづける作家・古井由吉による待望の自撰作品集、全八巻を三月より毎月刊行開始いたします。音、色、匂い、味、手触り、記憶、感情……小説の可能性の極限を追い求め、いまなお表現の境界を軽々と超えてゆく現代文学の第一人者・古井由吉。その膨大な作品群は現代文学の変容と未来を指し示す貴重な宝であるにもかかわらず、ながらく絶版となっていたものも少なくありません。今もなお自在の境地で孤高の歩みをつづける著者自ら厳選した珠玉の作品群を〝今〟に編み直します。
「杳子・妻隠」(一九七一年)はじめ、記念碑的作品を主に単行本単位で厳選し珠玉の十七作品を収録しました。各巻の巻末には現在活躍中の若手作家による「解説」を収録し、古井作品への現代的なアプローチをひらく新たな視点を提示していきます。全巻内容は、第一巻「杳子・妻隠/行隠れ/聖」(朝吹真理子解説)、第二巻「水/櫛の火」(平野啓一郎解説)、第三巻「栖/椋鳥」(角田光代解説)、第四巻「親/山躁賦」(佐々木中解説)、第五巻「槿/眉雨」(保坂和志解説)、第六巻「仮往生伝試文」(堀江敏幸解説)、第七巻「楽天記/忿翁」(島田雅彦解説)、第八巻「野川/辻/やすみしほどを(『やすらい花』より)」(町田康解説)。そして各巻に「月報」を投げ込み、各作品が生み出された半生のエピソードを今の視点から活写する待望の書き下ろし「半自叙伝」を収録しました。全巻予約読者特典として著者自筆サイン色紙を贈呈。第1回配本・第1巻は刊行記念特別定価2730円(税込)として刊行いたします。(※特価期限二〇一二年九月末日迄。以降は三七八〇円)なお、柄谷行人、清水徹、佐伯一麦、蓮實重彦、黒井千次、高橋源一郎、吉増剛造、綿矢りさら錚々たる方々から推薦の言葉を頂いております。是非、ご拡販賜りたくお願い申し上げます。

わが社のイチ押し企画/角川グループ・角川グループパブリッシング書籍グループ

あけましておめでとうございます。旧年中は格別なるご支援、ご協力を賜り誠にありがとうございます。
さて、2012年の新春弊社のイチ押し企画としてご紹介させていただくのは「角川つばさ文庫」です。2009年3月の創刊から今年で丸3年となる角川グループ合同の児童文庫レーベルです。創刊以来毎年販売実績が伸び、2011年度4月~11月までの販売実績は昨年度対比135%。子どもたちの認知度も高まっております。「角川つばさ文庫」は、子どもたち自らが読みたいと思ってもらえるような、読んで「楽しい」作品作りを心がけています。現代の子どもたちのトレンドにあった手に取りやすいカバー絵、読みやすい新訳、話題豊富なメディアミックス作品等が読者の心に響いたと思っております。
角川つばさ文庫のヒット作品をご紹介します。宗田理氏の「ぼくらシリーズ」はシリーズ累計50万部を突破!角川文庫で長年親しまれた作品をつばさ文庫で出したことにより、文庫読者の子ども世代から熱く支持されました。また、古典的な印象の海外名作も新訳、ポップなカバーで大人気。「ふしぎの国のアリス」「かがみの国のアリス」は累計30万部、「天才作家スズ」「怪盗レッド」シリーズなど角川つばさ文庫でしか読むことができないオリジナル作品も子どもたちの気持ちをがっちり掴んでいます。そして、2012年も話題作がいっぱい。2月には、東日本大震災で飼い主と離ればなれになった犬のお話「ロックとマック」、3月には角川グループの特徴であるメディアミックス作品「ももへの手紙」を刊行。親子の絆を描いた心温まるアニメーション映画をスクリーンと本で届けます。
角川グループ各社の特徴を活かした刊行書名には、今までの児童書にはなかった新しさ、楽しさがいっぱいあります。今年度も『角川つばさ文庫』をよろしくお願い申し上げます。

わが社のイチ押し企画/金の星社・出版部・阿部文

NHKのEテレ(教育)では、現在、「マテマティカ2」という算数教育番組が放送されています。これは小学校4・5・6年を対象に、年間を通して学習していく番組です。
監修は『直観でわかる数学』等の著書を持つ、工学院大学教授・畑村洋太郎先生。番組では、学校で学習する一連の内容について、子どもたち自身が試行錯誤を経て、正解にたどりつくまでの道筋を追体験しながら、直観的にわかるよう構成されています。
小社では、この番組と、先行番組である「はじめての算数マテマティカ」をもとに、図書館向けの書籍シリーズを刊行しました。書籍化にあたっては、「試行錯誤」「追体験」「直観的」といった番組のキーワードが十分活かされるよう編集しています。
例えば、「円」については、杭にひもでつながれた牛が牧草を食べていくと、食べた跡が円になることを示したり、「三角形の面積」については、三角の形をばらばらにし、四角にして比べやすくしたり、「割り算」については、みかんの数が割り切れない場合、皮をむいて、ふさで分けたりします。
また、すぐ解答に導かず、失敗するパターンも掲載し、新しく公式や図形の性質を学ぶ際にわくちょっとした疑問や、心の引っかかりがきちんと解消され、納得できるよう配慮されています。
今回のシリーズ「NHKマテマティカ見て、感じて、発見する算数」(全2巻)では、身近なもので追体験できるアイデアが番組そのままに盛りこまれ、算数嫌いの子どもも楽しく学習できるようになっています。
各巻タイトル『NHKマテマティカ初級編』『NHKマテマティカ中・上級編』。A4変型判上製、定価各2940円。
尚、番組は「はじめての算数マテマティカ」で第26回日本賞の外務大臣賞、「マテマティカ2」でアメリカ国際フィルムビデオフェスティバルのグランプリを獲得するなど、国内外で高い評価を得ています。

わが社のイチ押し企画/小峰書店・編集部・小林美香子

本年のわが社のイチ押しは、「かこさとしこどもの行事しぜんと生活」シリーズです!
600冊以上の絵本を作り、セツルメント活動で子どもたちとふれあってきた著者が、現代の子どもたちへと書き下ろした、イラスト満載の渾身の作品です。昨年12月に第1巻『1月のまき』が刊行となり、『12月のまき』まで、毎月1巻ずつ刊行予定です。
1月はとくに伝統的な行事が多い月。門松にお節料理、初夢…、行事にまつわる由来を子どもに尋ねられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そもそも、1月をどうして「正月」というのでしょうか?1月が「正しい月」で、それ以外が「正しくない月」?いえいえ。答えは『1月のまき』にありますが、少しお話ししますと…「正」には「あらたまる」「はじまる」という意味があり、「正月」は「年のはじめの月」をあらわしているのです。では、2月が他の月に比べて短いのはなぜ?これについては、『2月のまき』をご覧いただけたらと思います。
このシリーズでは、花や鳥などの日本の自然、季節ごとの遊び、ハロウィンやイースターなど西洋から入ってきた行事、そして、新暦、旧暦、閏についても紹介します。
科学絵本を数多く手がけてきた著者ならではの科学的な視点に加え、歴史的、民俗学的…と、あらゆる角度から、豊富なイラストや図表で行事をわかりやすく解き明かします。
行事には、古くから伝えられてきたものと、雛祭りや端午の節句のように、中国からの舶来文化が日本に元々あった習わしに結びつき、日本風に変えられて伝わってきたものがあります。行事は先人たちが力や知恵や心を総動員して生活を支えてきた証なのです。そこには、未来を生きるヒントがあるのではないでしょうか…。
著者は「わたしたちの先祖が、祭りやしきたりの中にこめた願いや心を子どもたちに伝えたい」といいます。今を生きる子どもたちへ贈る、生きた行事の絵本です。

セミナー

■日販マネジメントセミナー
日販は2月16日に東京・千代田区のホテルメトロポリタンエドモントで第48回「日販マネジメントセミナー」を開催する。今回は「苦境に打ち勝つ経営」をメインテーマにスポーツジャーナリストの二宮清純氏ら4名の講師を迎える。
▽日時=2月16日(木)午前10時10分~午後4時40分
▽会場=ホテルメトロポリタンエドモント(東京・千代田区)
▽講演テーマと講師
第1講「奇跡のリーダーシップ」(スポーツジャーナリスト・二宮清純氏)
第2講「ドラッカー経営思想の真髄」(ものつくり大学名誉教授/ドラッカー大学元代表・上田惇生氏)
第3講「3代目社長の体当たり経営改革」(ホッピービバレッジ代表取締役社長・石渡美奈氏)
第4講「震災を体験して語れるMEDIAPARKMIDORIの役割」(中央図書代表取締役社長・中畠健一氏)
▽会費=1名3万円(消費税込)(日本出版共済会加盟口数30口につき1名2万5000円を補助)
▽申込先=日販各支店、営業部および経営相談センター出版流通学院係
▽申込締切=2月9日

トーハン、電子書籍販売サイト開設/書店に5%の販売手数料

トーハンは2月に一般向け電子書籍販売サイト「Digitale‐hon(デジタルイーホン)」をオープンする。
同社は2009年4月に医療従事者向けに「Medicale‐hon(メディカルイーホン)」を開設。医療関連の記事・論文など約7万点のコンテンツを配信しているが、今回この機能を移行し、一般書を加えた全ジャンルに拡大するもの。オープン時の一般書のコンテンツ数は3000点。13年3月期までに3万点を目指す。
コンテンツはPDF形式で、まずパソコン向けに配信を開始し、今後米アップルのOS「iOS」や米グーグルのOS「アンドロイド」を搭載したスマートフォンにも対応する予定。
利用者はトーハン取引先書店で「e‐hon」「Digitale‐hon」両方の会員登録をする必要がある。登録料は無料。決済方法はクレジットカード。ニーズに合わせて紙でも電子でも購入できる。会員が電子書籍を買うと、その会員を獲得した書店に5%の販売手数料が支払われる。なお、「e‐hon」の会員数は101万人、加盟書店数は2900店(11年10月末現在)。
トーハンは同サイトでの電子書籍販売によって取引先書店を収益面で支援したいとしている。

減収減益の決算に/今期は経常黒字化めざす/栗田

栗田出版販売は12月22日、東京・板橋区の本社で第74期(10年10月~11年9月)定時株主総会を開催し、決算諸案を承認した。
売上高は442億円で前期比4・4%減となった。東日本大震災の影響もあったが、既存書店の売上減少が大きく影響した。人件費、発送費用など経費を削減したが、減収による減益を補えず、OKCへの業務移管費用もあり、営業利益は3億7000万円で同1億4000万円減。また、2億円の経常損失、1億6000万円の当期純損失を計上した。前期のような不動産売却益がなかったこととともに、本業での黒字を回復できず、減収減益の決算となった。
返品率は書籍43・4%で同0・9ポイント改善、雑誌35・4%で同0・1ポイント改善、合計38・9%で同0・6ポイント改善にとどまった。期中の新規出店は10店(このうちヤマダ電機3店)、増床と合わせて1416坪が増え、中止・廃業店は66店、2118坪が減り、差し引き56店、702坪減少となった。書店経営の厳しさと後継者不足で中小書店の転廃業が続いている。東日本大震災による被災書店の罹災商品は28件で約1億2000万円だった。
第75期は引き続き「本業の強化による収益率向上」を目標に黒字化に取り組む。OKCは11年秋に全面稼働しており、今後は安定稼働を維持しつつ品質向上とコスト削減に力を入れる。営業面では、返品減少と売上確保のため、効率販売施策KfS(KuritafollowingSystem)を展開する。従来からのKMI(新刊商品の最適送品)、SSP(自動注文システム)に加え、SSM(書店店頭仕入在庫管理)とイン・ペナ契約を導入。さらに人件費の大幅カットと物件費の見直しで経費削減を進め、経常黒字化を目指す。
役員人事では、山本高秀、下村賢一の両氏が取締役に新任した。○印は新任、◎印は昇任。
〔役員体制〕
代表取締役郷田照雄
取締役河本正美
同○山本高秀
同○下村賢一
監査役米沢明男
〔執行役員〕
社長(営業部門統括)
郷田照雄
専務執行役員(管理部門統括)河本正美
常務執行役員(総務部・取引部・システム部・関係会社担当)◎山本高秀
同(営業第一部・営業推進部担当)◎下村賢一
執行役員(営業第二部担当)塩沢衛
同(営業第三部・営業第四部担当)大沢浩幸
同(営業第五部・営業第六部担当)高梨秀一郎
執行役員書籍仕入部長(雑誌仕入部担当)森岡忠弘
執行役員(OKC担当)
森孝弘
同(ブックサービス担当)
川窪克誌
※柴原正隆取締役は退任し、㈱黒木書店代表取締役社長の専任となる。

信州の書店が選ぶ文庫フェア

長野トーハン会は第2回「信州の書店が選ぶIPPIN文庫フェア」を9月15日から11月9日まで開催した。
長野県を舞台にした文庫本を参加店で1冊ずつ選定。店頭活性化につながるよう積極的に展開し、販売活動を行った。オリジナルの統一帯に応募券を付け、抽選で図書カードを進呈した。
また、売上げの一部を東日本大震災で被災した栄村に寄与する予定。
(渡辺学広報委員)

人事

〔執行役員に松信健太郎氏/有隣堂〕
有隣堂は11月25日開催の定時株主総会並びに取締役会で次の通り役員を選任した。○印は新任
〈役員体制〉
代表取締役社長松信裕
専務取締役(官需営業部・オフィス営業部・書籍外商部担当・経営管理本部担当・労務担当)桑原康高
常務取締役(店舗事業本部担当)渡辺泰取締役(店舗事業本部長)小澤真二
常勤監査役○高木明郎
監査役遠山悌二郎
同吉川晋平
※猿渡二三夫常勤監査役は任期満了につき退任した。
〈執行役員〉
執行役員(オフィス営業部長)藤本和伸同(店舗事業本部店売事業部長)○松信健太郎同(経営管理本部本部長)○永井謙史
同(経営管理本部人事総務部長)進藤哲夫

「日経ビジネス」デジタル版の配信開始/日経BP社

日経BP社は12月19日から雑誌「日経ビジネス」に掲載するすべての記事をスマートフォンで読める新しいデジタル版サービス「日経ビジネスDigital」を開始した。
同誌はこれまでも雑誌紙面レイアウトをそのまま再現したPDF形式で記事提供を行ってきたが、今回のサービスではHTML5を採用し、スマートフォンに最適化したレイアウトを実現した。
コンテンツの配信は水曜日から順次行い、翌週月曜日に雑誌「日経ビジネス」を発売する。利用料金は、雑誌の予約購読者は月額500円(税込)、非購読者は年額2万3000円(税込)。2012年末までに約2万人、14年末までに約6万人の利用者を見込んでいる。
また、「日経エレクトロニクス」「日経コンピュータ」「日経パソコン」「日経アーキテクチュア」「日経ドラッグインフォメーション」の技術系5誌のデジタル版も立ち上げ、12年4月からサービスを開始する予定。
12月1日、東京・港区の本社で開かれた記者会見で、長田公平社長は「現在、ウェブサイトの10%がスマホによるアクセス。日経ビジネスの読者の30%がスマホを保有しており、いつでもどこでも日経ビジネスを読みたいという要望があった。紙の雑誌とデジタルは補完メディア。紙の雑誌かデジタルかではなく、電車ではスマホで読み、家庭では雑誌で読むなど、生活シーンによって使い分けてほしい。読者の利便性を高めることが目的」と話した。