全国書店新聞
             

平成17年2月1日号

21名にフランスの旅/読書週間書店くじ

昨年秋の読書週間書店くじで、次の22名の方が特賞
当選の名乗りを上げた。5月にフランス旅行を実施する。カッコ内は発券店。
平成16年読書週間書店くじ特賞当選者
横手市・藤原祐子(BOOKSかねき)、さいたま市・安井英子(教文館)、所沢市・天野博基(早稲田書房)、和光市・清野泰子(ブックス・タンポポ)、柏市・酒井克之(木文堂)、横浜市・後藤綾子、川崎市・真篠好(有隣堂たまプラーザ店)、江東区・土田明子(書泉)、八王子市・遠山喜枝(三成堂南大沢店)、静岡市・出野利久(谷島屋新流通店)、東海市・早野真三(書房ジャンボ)、富山市・高瀬美智子(文苑堂藤ノ木店)、千曲市・高野栄子(長谷川書店)、大津市・堀敏彦、奈良市・梅本保子(ブックス北之庄)、交野市・猪野原誠(虎谷書店ロサヴィア店)、堺市・村上貞朗(フミヤ書店)、尼崎市・松尾孝(アイビー書房阪神尼崎店)、福岡市・日高晋三郎(紀伊国屋書店福岡天神店)、福岡県・吉川安子(熊川書店)、鹿児島県・大脇裕太郎(大崎書店)

ポイント問題解決急ぐ/国会議員の陳情も視野に

日書連は1月21日午前11時から箱根湯本の湯本富士屋ホテルで新年初理事会を開き、懸案になっているポイント・カードの対応をめぐり「同問題を放置していては拡大しかねない」として、引き続き出版社への陳情を行なうなど、早期解決を目指す方針を確認した。必要に応じ国会議員への働きかけも検討する。昨年年末から慌しさを加えているポイント・カードをめぐる動向については、岡嶋委員長が経過報告。公取委野口取引企画課長が11月1日付「文化通信」のインタビューで「中止要請は独禁法違反」という見解を示して以降、11月30日、1月18日と2回にわたり再販研究委員会と話し合いをもったが、議論は平行線のまま推移していると説明した。
さらに、萬田会長は「野口課長は出版社への陳情は独禁法違反だからやめろとしているが、われわれは民民契約に基づく運用を求めているだけ。独禁法上、問題ないことを確信している。1%のポイント・カードを認める、認めないの話で再販制度を天秤にかけるのはどうなのか。再販制は国会マターの問題で、事務当局がどうこう言って決まるものではない。ポイント問題は3年目を迎えており、放置すれば拡大しかねない。年内決着へ詰めていきたい」と、今後の方針を述べた。
報告を受けた理事会では
「各県組合で何をすべきか具体的行動を提起してほしい」「独禁法改正案が出るのを機会に、国会議員に陳情すべきだ」「独禁法改正委員会の委員を調べたい」「出版業界だけの議論では公取委にやられかねない。世論に訴えて味方につけてはどうか」「日書連の強い決意を内外に示そう」などの発言が相次いだ。
この結果、岡嶋委員長が「出版社訪問を今後も続けたい」と提起したほか、萬田会長は①公取委山木部長、野口課長には話し合いを申し入れる、②各県組合を通じて国会議員への働きかけを検討する――とする方針を示し、「不退転の決意でのぞむ」とする方針を拍手で承認した。

西村理事長に義援金330万円

新潟中越地震の被災書店に援助の手をと、日書連が呼びかけた義援金は1月17日までに330万円に達し、1月21日に開かれた日書連新年理事会の冒頭、萬田会長から新潟組合西村理事長に目録が手渡された=写真。義援金の分配は同組合に一任する。
西村理事長は「長岡の先の小千谷、山古志の被害が大きく、12月初旬、被災書店を回った。店舗が破壊され、外商だけ再開した書店もあるが、得意先がいなくなっている。小千谷で全壊した書店は、再開の意欲はあっても取り除くのに1千万円かかるという状況だ」と報告し、全国書店の支援に感謝と御礼を述べた。
一方、出版クラブが呼びかけているインド洋スマトラ沖地震の被災者支援については、日書連として30口、30万円を贈ることを承認した。

全国完全カード化10月実施了承

日書連は1月理事会で日本図書普及から説明のあった、今年10月1日から全国完全カード化スタートの方針を了承した。03年11月に山陰地区で始まり、現在までに東北、中国、四国の14県で実施済み。同社では①5百円カード発行、②読取機保守費無料化、③土日祝日も保守対応、④2台目以降の読取機を現行の半額にする――という。

日書連の決意を表明/箱根新年懇親会で萬田会長

日書連萬田会長は、1月21日に箱根・湯本富士屋ホテルで行われた出版販売新年懇親会であいさつし、日書連の今年の重点課題として①返品入帳、支払いサイト、正味など取引慣行の見直し、②ポイント・カードの年内解決――の2点をあげ、出版業界の理解と支援を求めた。
このうち、ポイント・カードの対応については「版元30社ほどに再販契約の内容を理解してほしいとお願いに上がった。これが独禁法違反だと言われている。(著作物再販制度は)独禁法適用除外で、合法的契約と位置づけられている。今後も出版社への要請は続ける。通常国会も始まっており、各県組合で国会議員の先生にも働きかけていきたい」と、日書連の固い決意を述べた。

景品規約見直し作業へ/書店経営実態調査の項目検討/1月理事会

〔公取協〕
出版小売業公取協の景品規約見直しが今年7月に迫っている。1月18日には公取委消費者取引課に呼ばれ、①総付景品7%、②期間制限年2回60日――の2点の見直しを求められたと、公取協影山専務理事が報告した。
現在の書店景品規約は平成14年7月に激変緩和措置のため、3年間の暫定ルールとして一般ルールより厳しい上乗せ規制が認められていた。6月をメドに公取委との話し合いを進める。規約改正専門委員として今西、丸岡、山口、堀、下向、岡嶋、柴崎、影山の8名を了承した。
〔組織強化〕
12月理事会で実施が決まった書店経営実態調査について、鈴木委員長は「支払いサイト、返品入帳日数も調べたい」と報告。同委員会を中心に実態調査特別委員を選ぶ。この報告の中で「90%、100%の二本立てだった入金報奨が、現状は100%支払いだけが対象になっている」と報告され、まず流通改善委員会で事実確認を行なうことになった。
〔スタートアップ〕
小学館の関連会社、ネットアドバンス社による会員制検索サイト「ジャパンナレッジ」の無料体験は年末の締め切りまでに200店の申し込みがあった。井門委員長からは必要に応じ第2次募集を行なうこと、登録料として10万円を同社に支払うことが報告された。
書店データベースの整備は宮城、愛媛に続いて静岡、山口両県もデータ整備中。年内にデータベースの完成を目指す。
〔流通改善〕
3月14日より鳥取、島根、山口3県の週刊誌発売日が2日目に繰り上がる問題で、2月1日に米子、7日に山口で説明会が持たれると報告になった。藤原委員長は「北海道、九州からも2日目発売の要望が出ており、文化に格差をつけないという観点から改善を図っていく」と、今後の方針を説明した。
〔指導教育〕
大店立地法が2000年6月の施行以来、初めて見直されることになり、経済産業省がパブリック・コメントを求めている。日書連も委員会として意見をまとめ、提出する。
〔情報化〕
2007年1月からISBNコード13ケタ化に伴い、OCR・Bフォントの読み取りは不可能になることを志賀委員長が説明。スリップへの2段バーコードの表示をめぐって議論しているところとした。
〔増売運動〕
4月の「春の書店くじ」募集に入っているが、申込み書店が年を追って減少している。舩坂委員長は「各県ごとに申込み書店の実績リストを渡した。これに基づいて、申込みを促進してほしい」と要請した。萬田会長は大型書店で不扱い、申込み減が目立つので、扱い書店数を増やしていきたいとした。
〔読書推進〕
高須委員長から第4土曜日は子ども本の日のキャンペーンについて、「98年秋に開始して、これまでに39組合、368店で実施した」と報告。今春も5月から7月にかけて秋田、山梨、和歌山、山口で予定していることを説明した。
朝の10分間読書は1万8286校と、2万校近くまで増加。毎日新聞の読書調査で、わずかながらも高校生の不読書率が減った。
〔消費税〕
近く「読者から見た消費税」をテーマに、主婦連和田元会長の研修会を計画している。

共済会給付

(16・12・16~17・1・19)▼病気傷害所沢市東町12―11鈴木書店鈴木靖通殿
世田谷区下馬4―2―10紅梅堂梅澤鈴夫殿3口
下京区烏丸通松原上ル大喜書店岡田大次郎殿
北九州市小倉南区守恒1―11―20精文堂有馬精一郎殿5口
長崎市本原町4―18芽だち書房渋江智恵子殿
▼病気傷害・死亡弔慰東筑摩郡波田町1511―3文成堂書店高嶋かつゑ殿2口
▼死亡弔慰仙台市青葉区上杉1―7―7興文堂書店菅原庚一殿3口
伊都郡高野町高野山781小堀商店小堀富雄殿
▼風害(倉庫)日立市久慈町3―5―10やまがた書店山縣一彦殿3口8万9千円
▼風害米子市安倍200―1今井書店安部店
永井伸和殿1口8万2千円
▼水害高松市朝日新町2―19宮脇書店卸センター宮脇富子殿1口60万円
▼その他被災(自動車飛込み)大船渡市大船渡町地の森33―11ブックポートネギシ千葉武司殿3口3万円
同(台風18号)京都市西京区山田猫塚町8―8村田書店村田弘武殿2口2万円
同(台風23号)日野郡日南町生山732本条書店本条忠夫殿1口1万円

読者への説明が重要/再販新年会で白石氏

出版再販研究委員会(朝倉邦造委員長)は1月24日午後6時から神楽坂の志満金で新年懇親会を開催、約50名が出席した。
祝辞を述べた雑協白石勝理事長は、デパートの書籍売場でポイント・カードが使えず憮然とした女性客を紹介して「再販がどういうものであるか読者は知らない。再販制度がなくなれば日本の文化は危うくなるという点を得心いくよう説明していくことが重要だ」と述べ、読者の理解が必要なことを強調した。
乾杯の発声を行なった日書連萬田会長は「現在の再販契約書は、担当者が公取委に日参して2年間かけて作ったもの。出版業界は三者が一体になってやっていかなければならない。他業界は景況感を実感している中で、出版業界は遅れをとっている。今年こそは積年のポイント・カードを含めた再販問題に決着をつけると同時に、新たな制度や仕組みを同じテーブルで胸襟を開いて話し合う年にしたい」と述べて乾杯した。

新年互礼会に2百人/大阪地区

大阪出版販売懇談会主催の新年互礼会が1月6日午後4時から北区のホテルモントレ大阪で行われ、出版社、販売会社、書店など2百人近くが集まった。
会場では「大阪子ども本の帯コンクール」課題図書の展示が行われたほか、晴れ着姿の女性によるピアノ演奏などもあり、好評だった。参加者は「今年こそ業績アップを図りたい」と願いながら、相互親睦を深めていた。(坂口昇広報委員)

12月は0.1%マイナス/児童書は5ヶ月連続プラス/日販調べ

日販経営相談センター調べの12月期書店売上げは対前年同月比99・9%となり、11月の99・8%に続いて2ヵ月連続で前年割れになった。
規模別では121坪以上店のみ2・6%増で、他のクラスは1~3%のマイナス。立地別では郊外店のみ3%のプラス。
ジャンル別では雑誌、児童書、文芸書、専門書の4ジャンルが前年をクリアした。雑誌は3・0%増で9月以来のプラス。文芸書は1・9%増で、年間を通して毎月前年を上回った。
児童書は22・9%増で、5ヵ月連続のプラス。映画のヒットで『魔法使いハウルと火の悪魔』(徳間書店)が好調だったほか、『うずらちゃんのかくれんぼ』など、クリスマス効果で絵本が好調だった。
客単価は1154・9円で前年同月比1・9%の増加。

ポイント問題、固い決意で臨む/出版販売新年懇親会で萬田会長

日書連が主催する第51回出版販売新年懇親会が1月21日午後5時半から箱根の湯本富士屋ホテルで開催され、出版社、取次、書店など総勢156名が出席した。懇親会では日書連・萬田貴久会長、出版社を代表して書協・朝倉邦造理事長、取次を代表して取協・鶴田尚正会長が年頭あいさつ。トーハン・小林辰三郎社長の発声で乾杯した。
〈現状打破し改革進める/日本書店商業組合連合会会長・萬田貴久〉
明けましておめでとうございます。本日は業界3団体代表、有力出版社、主要取次にお集まりいただき、心からお礼申し上げる。
懇親会に先立ち、今年第1回の理事会を開いた。景気は若干明るさが見えてきたが、長引く不況で廃業店の増加に歯止めがかからない。出版業界の取引慣行や取引条件の見直しを進めてほしいという意見が理事会では多数出た。
返品入帳の遅れもあり、支払いサイトを延ばしてという要望が出ている。正味も注文品は高正味になっており、一般流通品は低正味を設定するなど、バランスをとってほしい。
従来の改革はそれぞれの分野で行われたが、根幹では思い切った改革ができなかった。いま長いトンネルを経て、出版業界の中で改革論議が盛んに出始めている。先日の「新文化」に日販鶴田社長の提言があった。現状を的確に捉え具体的な策が示されており、ぜひ実行に移していかなければと思う。
今年は閉塞状況を打破していきたいと思う。交渉のテーブルには率先して参加していく。
ポイントカード問題では「文化通信」で公取委野口課長の主張が報道され、大変な論議を呼んだ。私は全国書店新聞1月1日号で問題の経緯について説明した。1月18日の再販研究委でも野口課長から説明があったが、落胆するような答しか返ってこなかった。そして、「次の話し合いの機会は持てない。再販は今後どういうことになるか分からない」と言われた。
昨日、公取委竹島委員長の講演があり、その懇親会で上杉事務総長に直訴し、部長、課長と一緒に話し合いの機会をお願いしたところだ。竹島委員長は、これからも業界と忌憚のない意見交換を進めていきたいと言っておられた。
これまで日書連は版元約30社に、再販契約書の内容を理解いただき、ポイントカード問題の解決をお願いしてきた。それが独禁法違反ということだが、再販契約書は合法契約であり、それに基づいた運用をしていただくことをお願いしてきた。今後も版元に要請していきたい。通常国会も始まった。各県組合で国会議員へ働きかけを強めようとの提案があり、理事会で決議した。今年の日書連の固い決意をご理解いただき、ご支援をお願いする。
〈三位一体で問題解決/日本書籍出版協会理事長・朝倉邦造〉
昨年はお陰さまで書籍は対前年比4%伸びたが、残念ながら雑誌はまだ低迷している。今年は書籍も雑誌も増売で大いに頑張っていきたい。
いま萬田会長から業界の問題点についてお話があったが、著作権の法制化、貸与権の問題、ICタグ、万引問題など、今年も問題が山積している。どれ一つ取ってみても版元だけでできる問題ではないし、書店、取次だけでできる問題でもない。今こそ三位一体となって一つひとつ話し合い協力しながら問題を解決していきたい。再販、ポイントカードについても、非常に大きな問題でなかなか解決できない。公取を相手に交渉しているが、書協としても雑協としても慎重に、そして積極的に問題を解決し、1冊でも多く本を売っていきたい。
〈出版市場拡大に努力/日本出版取次協会会長・鶴田尚正〉
出版販売新年懇親会は新年会の最後を締める会。これが終わったら本格的に仕事に取り組む環境ができる。業界紙で、小学生のお年玉調査が発表されていた。今年は平均2万4千円で、使い道は32%がゲームソフト。31%が貯金する。そして26%が本を買うという結果だった。貯蓄される31%の攻防が、出版マーケットをどうやって拡げていくかというベースになるのではないか。
そこで書店にお願いしたいのは、現場で商品管理、商品知識のプロ、接客のプロ、コスト管理のプロを育てていただきたいということだ。商品供給に関しては、やはり出版社のいい企画、特に雑誌をお願いする。新しい商品の発見は書店と一緒になって我々も頑張ってまいりたい。出版業界が31%のシェアを取るよう努力していきたい。

出版販売新年懇親会出席者

〔出版社〕
あかね書房・小名川耕二、秋田書店・村山光磨、朝倉書店・朝倉邦造、朝日新聞社出版本部・水沼裕明、朝日ソノラマ・金子凱彦、アシェット婦人画報社・池浦修一、岩波書店・後藤勝治、インフォレスト・遠藤剛、潮出版社・浮田信行、SSコミュニケーションズ・松原眞樹、旺文社・那須野富雄、オーム社・村上和夫、雄鷄社・五木田一太、角川書店・井上泰一、角川出版販売・田中樹生、河出書房新社・若森繁男、学習研究社・山田耕嗣、金の星社・斎藤健司、講談社・浜田博信、幸福の科学出版・中村嘉秀、光文社・前田正三、小峰書店・小峰紀雄、ごま書房・池田雅征、三省堂・中川裕二、集英社・今井鈴人、主婦と生活社・古川一夫、主婦の友社・依田俊之、小学館パブリッシング・サービス・小泉明允、祥伝社・渡辺起知夫、少年画報社・平本昭一、昭和図書・大竹靖夫、新星出版社・富永靖弘、新潮社・木島秀夫、女子栄養大学出版部・岩佐義彦、JTBパブリッシング・宮崎裕、聖教新聞社・高橋康隆、同・長谷川太作、青春出版社・山口稔、誠文堂新光社・永田秀夫、世界文化社・高橋友彦、税務経理協会・大坪嘉春、草思社・渡辺直之、大修館書店・青木三郎、第三文明社・松島健寿、ダイヤモンド社・市川十丸、筑摩書房・菊池明郎、中央経済社・中沢晋、中央公論新社・小林進、中経出版・安部毅一、東京大学出版会・大江治一郎、東京ニュース通信社・山崎雅浩、東洋経済新報社・樋口勇、徳間書店・長綱和幸、日本実業出版社・吉溪慎太郎、日本文芸社・西澤宗治、日本放送出版協会・荒川済、農山漁村文化協会・福田徹哉、白泉社・橋本幸夫、博文館新社・大橋一弘、ぴあ・北坂和浩、PHP研究所・北村民雄、福音館書店・塚田和敏、扶桑社・川庄篤史、双葉社・河奥更樹、二見書房・吉池茂、ブティック社・志村昌也、文藝春秋・名女川勝彦、平凡社・土岐和義、ベストセラーズ・吉冨達也、法研・土居国明、芳文社・伊東朋視、ポプラ社・遠藤正夫、マガジンハウス・吉田高、三笠書房・押鐘冨士雄、有斐閣・大場章正、リイド社・新納英也、リクルート・川瀬昭男
〔取次会社〕
トーハン・小林辰三郎、同・藤井武彦、日販・鶴田尚正、同・大野隆樹、同・橋昌利、大阪屋・高橋茂、栗田出版販売・亀川正猷、中央社・秋山秀俊、日教販・森内日出美、太洋社・國弘晴睦、協和出版販売・雨谷正巳、日本地図共販・小林定義
〔業界関係〕
日本図書普及・佐藤堅太郎、出版輸送・手嶋寛、AIU保険会社・佐藤護、出版ニュース社・清田義昭、新聞之新聞社・片山昂士、文化通信社・近藤晃治、新文化通信社・白本朋求

ふるさとネットワーク・九州ブロック編

〈福岡〉
上京しての楽しみは旧友と一献酌み交わすことである。昨今はどじょう鍋で一杯やろうということが多い。「伊せき」「飯田屋」もいいが、やっぱり「駒形どぜう」でグツグツと煮えたぎるどじょうを肴に菊正でやると、江戸の下町情緒を味わうことができる。友が苦笑しながら「お前も好きだなあ。本場の柳川もあろうに」というが、福岡県柳川にはうなぎはあるがどじょう鍋は見かけない。友に言われ、私もなぜ柳川鍋というか興味をもった。調べてみると、福岡の柳川産の土鍋を使ったから、江戸でどじょう料理を初めて出した店の屋号が「柳川屋」といったから、など諸説ある。講釈はともかくとして、落語「目黒のさんま」のオチ「さんまは目黒にかぎる」ではないが、「どじょうは江戸下町にかぎる」ということになりそうである。
(鹿子島慶正広報委員)
〈佐賀〉
佐賀市にある佐賀城址に、去年の8月、本丸御殿が復元され、佐賀城本丸歴史館として開館した。入口は国の重文の鯱の門で、天保9年の再建当時の姿を残している。門を入ると佐賀10代藩主鍋島直正が再建した本丸が、当時の絵図面などにより復元され、木造瓦葺平屋建の飾り気のない重厚な建物が完成していた。
藩主直正は藩の近代化に力を注ぎ、先進の文化と技術を取り入れ、強兵策をとる一方、藩士すべてに学問の機会を与え、藩校弘道館で学ばせ、人材育成にも力を注いだ。この藩校から、幕末、維新の激動の時代に活躍した多くの有能な人材を輩出。中でも大隈重信、副島種臣、江藤新平、佐野常民、島義勇、大木喬任は直正とともに佐賀の7賢人と呼ばれて功績を讃えられている。ここを訪れて佐賀が輝いていた時を再認識した。(近藤甲平広報委員)
〈長崎〉
長崎ランタンフェスティバルは長崎在住の華僑の人々が中国の旧正月(春節)を祝うため、長崎新地中華街を中心に行われていたものだが、平成6年より規模を拡大し、長崎全体のお祭りとして冬を彩る一大風物詩となりました。
期間中には、大小1万2千個ものランタン(中国風提灯)が所狭しと飾られ、長崎の“異国情緒”を一層醸し出し、魅惑の世界へといざないます。湊公園をはじめ各会場には、中国陶器を1万個組み合わせ作られた「龍と鳳凰」や孔雀などの大型オブジェが飾られます。また、多彩なイベントも繰り広げられ、中国獅子舞や雑技団の曲芸、ドラゴンコンテスト、龍踊りなどの披露などが行われます。
今年は2月9日(水)から2月23日(水)までの15日間にわたって開催されます。是非この期間に長崎にお出で下さい。(古瀬寛二広報委員)
〈熊本〉
水前寺公園の名で知られる水前寺成趣園は細川氏歴代を祀る出水神社の敷地内に1640年頃に造られた。細川忠利、光尚、綱利の3代にわたって造園された庭園で、桃山式池泉回遊庭園です。阿蘇の湧水で作られた池を中心にして東海道五十三次を模した見事な庭園で、国の名勝、史跡に指定されています。築山、浮石、松の木を配し、池のほとりには京都から移築した茶屋「古今伝授の間」が。「長寿の水」は石の水盤に流水されていますが、この水盤は元々は朝鮮の京城城門の柱の礎石だったといい、「袈裟」の銘が残っています。細川忠興公が大いに愛され、庭に置き日夕と賞玩されていたという貴重なもの。薪能(たきぎのう)は毎年8月第1土曜日夕刻に出水神社夏祭りの御神事として行われる能で、幽玄の世界は一幅の絵巻物といえます。(宮崎容一広報委員)
〈大分〉
天瀬町高塚の小高い丘に、高塚愛宕地蔵尊は門前市をなして、年中たくさんの善男善女の参詣で賑わう。何でも願い事を聞いてくれるというウワサが口コミで広がり、九州各地より参拝が続いている。水で手を清め、梵鐘を突く順番を待つ。ローソク線香をお供えして、樹齢1000年の御霊木大銀杏を横に見て石段をあがると、数百の地蔵が本堂裏、丘の斜面及びトンネル内に奉納安置されている。由来は約1200年前、聖武天皇の命を受け、諸国行脚の僧行基が同地に立ち寄り、一体の地蔵菩薩を自ら彫刻、安置した。天平21年、僧亡き後、御徳を慕って里の者が小さな御堂を建てて尊像を祀ったのが始まり。
各人願い事を便箋・半紙等に自分の年齢の数だけ書いて本堂の周囲に貼り、地蔵尊に祈願する。お参りした人の努力と精進で、試験合格・病気平癒・諸願成就の御利益があるようだ。
(金光直明広報委員)
〈宮崎〉
関之尾の滝の自慢は、なんといっても世界有数の甌穴(おうけつ)群。霧島山地の裾野から湧き出る清流が滝の上流600メートル、最大幅80メートルにわたって広がっています。
この亀の甲羅に似た模様。長い歳月をかけて出来た深い窪み(甌穴)。砂粒や小石を巻き込んだ急流が渦を巻いて、河床の軟らかい所を丸く削り込み、そこに落ちた石が水の流れによって回転し、この穴をより大きく広げています。その形状は今も進行中で、このような甌穴は世界でも珍しく、地質学上貴重なものです。
滝の両岸は、はるか霧島連峯をのぞむ緑深い自然の中で、散歩、テニス、プール、キャンプ、バンガローが楽しめます。緑に囲まれ、清流の音を聞きながらの食事(三平茶屋)は最高です。(今村栄広報委員)
〈鹿児島〉
鹿児島実業高校、第83回全国高校サッカー選手権大会で2度目の優勝!今回は単独優勝だけに喜びもひとしおです。それも国見高校、市立船橋高校という高校サッカー界の東西横綱を連破しての栄誉で、実力も高い評価をいただきました。県民の歓喜たるや最高潮で、地元KYTテレビの平均視聴率41・7%、松澤総監督涙のインタビューにいたっては51・5%という驚異的な数字。帰りの飛行機では「この便には、高校日本一、鹿児島実業高校サッカー部の皆さんが乗っておられます。優勝おめでとうございます」という粋なアナウンスが流れ、嵐のような拍手が起こり全身で感動した、と異口同音に語っていました。県民のみならず全国津々浦々の鹿児島関係者にも大きな感動と喜びを与えてくれた若い力の活躍に、心から感謝の念でいっぱいです。(濱田晴樹広報委員)
〈沖縄〉
夏川りみの「涙そうそう」は三線の伴奏で演奏。名曲「花」の作曲家・喜納昌吉(現参議院議員)も三線を演奏する。沖縄では三線を「サンシン」と呼ぶ。この三線がお土産品として注目されている。専門店では生産が間に合わないほどの人気ぶり。お土産品店でも三線を取り扱う店が増えてきた。琉球王朝の宮廷音楽は「古典」、庶民の間に根付いた音楽は「民謡」と呼ばれ、テンポの早い賑やかなカチャーシーは三線の伴奏で祝いの席でも演奏される。最近は書店の店頭でも「工工四」と呼ばれる楽譜と合わせ、教則本やカセットテープなどたくさんの種類が並ぶようになり、沖縄関係書のコーナーは観光客をもターゲットにしてますます元気になってきた。さて、今夜は泡盛でも飲みながら、三線の伴奏で「安里屋ユンタ」でも歌いますか。(安仁屋博一広報委員)

読みきかせらいぶらりい/JPIC読書アドバイザー・中村幸子

◇2歳から/『ねぇ ねぇ』長谷川義文=絵/内田鱗太郎=作/鈴木出版1100円/2004・9
「ねえねえ」たあくんは、この頃何でも聞きたがります。母さん、父さん、猫のみいみい、おばあちゃんにも。「どっちが好き」「どっちも」。身体に比べてダイナミックに描かれた顔はユーモラスです。家族みんなのないしょのやり取りが読む人の心をほのぼのとしてくれる絵本です。

◇4歳から/『パパとママのたからもの』A・ジェラーム=絵/S・マクブラットニィ=文/評論社1300円/2004・9
3匹のこぐまたちのパパとママは、寝るときにいつも「おやすみ、世界でいちばんかわいいこぐまたち」と言ってくれます。パパとママは、誰がいちばんかわいいんだろう。パパとママの温かさ一杯の答と表現、豊かに描かれたこぐまたちの絵が素晴らしく、しあわせな気持が伝わります。

◇小学校低学年向き/『雪むかえの村』西村繁男=絵/竹内もと代=文/アリス館1400円/2004.9
ナナはもうすぐ10歳になる女の子、父さんと母さんの生まれ故郷のゆきさと村へ、おばあちゃんと一緒に暮らすために引っ越して来ます。ナナは、不思議な「逢う雪ん祭」を体験します。ゆきさと村や雪の祭を楽しむ村人とナナの様子がファンタジックに描かれていて雪が暖かく感じます。

日書連のうごき

12月1日中小小売商連主催「中小小売商サミット」へ萬田会長他。ISBN問題で取協との懇談へ志賀委員他出席。
12月2日サミットで与党幹部との懇談会へ丸岡副会長他出席。情報化問題で志賀委員長他、出版社訪問。
12月3日情報化推進委員会開催。日販よい本いっぱい文庫贈呈式典へ白幡専務。文藝春秋忘年会へ萬田会長他出席。
12月8日JPО運営委員会へ志賀委員他出席。書籍データセンター問題で萬田会長他、トーハン上瀧会長を訪問。ポプラ社坂井社長来局、萬田会長他と懇談。
12月9日書協主催「再販関連説明会」へ岡嶋委員長他出席。SJ文化講演会の件で舩坂委員長他、出版社訪問。
12月13日出版クラブ主催「塩川正十郎の話」会へ萬田会長他出席。
12月15日増売、読書推進、組織強化、流通改善、指導教育、情報化、再販研究、消費税、広報、共済会運営、共同購買各種委員会開催。再販問題で衆議院議員会館、農文協坂本専務理事を訪問。JPO図書コードワーキンググループ委へ柴崎委員他。業界紙との懇談会へ萬田会長、今西委員長他出席。
12月16日日書連定例理事会。共済会、公取協各理事会。第4土曜日は子どもの本の日実行委へ高須委員長他出席。
12月17日出版再販研・拡大小委員会開催。
12月24日再販問題で岡嶋委員長他で大月書店を訪問。
12月28日書籍データセンター臨時株主総会へ白幡専務出席。
12月29日日書連・東京組合合同、仕事納の会へ丸岡副会長他出席。

北海道広報委が発足/現場の声反映目指し広域を5人でカバー

北海道書店商業組合広報委員会は1月11日午後2時より札幌で初めての委員会を開いた。
広報委員会は昨年11月、道理事会で高橋謙一氏(ブックメイトまるぜん)、高橋千尋氏(ザ・本屋さん)、中尾邦幸氏(マル五中尾書店)、村上正人氏(マルイゲタ)、松山雄洋氏(本のカナリヤ)を任命していた。北海道の広報委員会は広い地域での組合活動にとって重要な懸案事項であり、地方ごとに広報委員を選定した。
第1回広報委員会は道組合活性化の方針にもとづいて通信活動を強化するとともに、30歳代の書店人(会社役員・支店長)の懇談会を開き若い息吹や現場の組合員の意見要望を大いに反映しようなど、活発な論議が行われた。今後は、日書連の方針実践状況とともに、組合員の声を業界に反映していく重要な役割を担う。暫定的に広報委員会の責任者は松山雄洋氏があたることを決めた。
(松山雄洋広報委員)

業界の結束誓う/北海道合同新年懇親会

北海道書店商業組合は1月11日午後3時よりJRタワーホテル日航札幌で定例理事会を開催。地域文化振興のため雑誌発売2日目実現に向けて九州に引き続き北海道も行政とも協力しながら日書連、取協に要望していくことを確認した。また、ポイントカード問題、取次との取引条件などについても討議した。
引き続き5時から道組合、在札取協、出版金曜会合同新年懇親会が開催され、60名が出席した。会は伊澤崇氏の司会で進行、主催者挨拶は出版金曜会・網野正勝会長(博文館新社北海道出張所所長)、在札取協を代表して日販北海道支店・近藤隆史支店長、北海道書店商業組合・志賀健一理事長が行った。それぞれ今後も業界状況は良くないがお互い力を合わせて前向きに進んでいこうと挨拶。来賓の北海道新聞社・三浦寿美男出版局長の発声で乾杯した。和やかな懇親会に入り、情報交換しながら今年1年の業界の発展を祈り歓談した。

ノセさんの書店診断in山形/ノセ事務所・能勢仁

ノセ事務所の能勢仁氏は昨年7月から4ヵ月間にわたり山形県内16書店を訪問して臨店診断を行った。主催は山形県書店組合で、県中小企業団体中央会が支援した。各月とも2日間、4店舗診断のペースで行われ、総論は昨年11月21日付の本紙に報告されているが、今回は診断で気がついた店づくりのチェックポイントを3回にわたって報告してもらう。
〔第1回在庫について/大半の書店が在庫過多/意識したい適正金額、冊数〕
結論から申し上げるならば、各店とも在庫過多である。問題は在庫意識であって、自店の在庫が多いのか普通なのか、少ないのか無意識である店が多かったのが心配である。この点については重点指導したつもりである。指標として資料はトーハン「書店経営の実態」、日販「書店経営指標」である。
残念ながら、こうした業界資料が存在することを、担当者の半分は知らなかった。店長でも4店の店長は知らなかった。お願いごとになるが、経営者、店長は取次発表の公開資料を解説し、店に備えつけて欲しい。コピーでも構わない。羅針盤ともいうべき経営指標を常時店に置き、対比しながら各担当者が仕入れ販売に従事してもらいたいからである。さて、細かい問題点に移ってみよう。
〈1、雑誌の在庫〉
書籍の各ジャンルに比べて、雑誌は在庫金額、冊数を把握するのは難しい。一番正確な在庫金額は棚卸しの時の在庫高である。この金額を店長、担当者は記録し、その年度の基礎数字にして欲しい。
棚卸し後、その翌日から雑誌(ムックを含む、コミックを除く)の仕入れ金額、毎日の雑誌販売金額、返品金額を記録すれば、毎日の雑誌在庫金額が把握できる。
雑誌は店の基幹商品であるから、在庫商品がマーケットに合致しているかどうかで、販売貢献度が違ってくる。雑誌の平均的な商品回転率は9・7回転である。雑誌在庫金額1千万円の書店では、雑誌の年商は9700万円なければいけない。反対に雑誌年商6千万円の店であれば、雑誌の適正在庫は618万円となる。臨店した殆どの店は、雑誌については取次任せという感じであった。自分の店流の管理姿勢をもって欲しい。
〈2、コミックの在庫〉
コミックは雑誌に次ぐ稼ぎかしらであるから、在庫内容は売上げを作る重要な決め手になる。仕入れ担当者は、コミックを読む若い人が望ましいが、年配のおばさんでもデータをとる人なら十分通用する。書店で問題なことは、今在庫しているコミックが自分の店に来てくれる読者に相応しいかどうかである。自店ではこの作家の新刊なら100冊売れるとか、このマニアックな作家は5冊しか売れないという目利き仕入れが出来ないと、コミック棚は来店読者の期待に沿うことはできない。自店のターゲットは少女コミックなのか、青年なのか棚にアクセントをつけて欲しい。そしてコミック在庫冊数の上限を設けること。コミックの商品回転率は4・8回が平均である。
毎月5千冊コミックが売れる店は、年間6万冊の販売冊数になる。従って在庫冊数は1万2500冊が望ましい。コミックのよく売れる店は、強いジャンルの冊数を増やせば回転率がさらに上がることは考えられる。
〈3、文庫、新書の在庫〉
雑誌、コミックに次いで文庫も書店の主力商品である。今回の臨店で、どの店も文庫に力が入っている様子を見ることができた。しかし文庫棚のマンネリ化、平凡な陳列、販売の仕方に工夫のない店が多く失望した。その原因として、文庫が管理しやすい商品なので研究しないこと、陳列位置が決まっているので工夫をしていないことなどが上げられる。優良店は平台以外の面展示が多い。文庫の新刊を棚の面展示で表現している店があった。この店はPOPも多く、活気に満ちていた。
文庫の平均回転率は2・5回転である。毎月自店では文庫が何千冊売れるのか、どの版元の文庫が売れるのか、上位10社のデータはとること。全国的にティーンズ文庫は上げ潮である。
新書は部門別売上構成比では2%台と低い。しかし書店では文庫の隣りに陳列され優遇されている。今回の臨店でも同様であった。教養、ノベルズ、ハウツーの中で、どの店でも教養に力が入り、ノベルズが軽視?忘れられがちであった。特に耽美系は少なかった。店の立地、客層に会わせて棚構成することが大事である。
〈4、文芸書の在庫〉
ベストセラーの入手にどの店も頭を痛めていた。書籍は取次依存では入手できない。対版元ダイレクトの交渉である。取次情報のベストセラーだけがベストセラーではない。自店独自のベストセラーが一番美しい。エッセイ、評論、古典のロングセラーは入手に困らない商品である。読者の評価も高く、売上げもとれるはずである。臨店では文芸書はベストセラーに気を取られ過ぎていることを感じた。
〈5、実用書の在庫〉
郊外型の店を多く臨店したが、どの店もオーダーベスト商品、定番商品で棚が埋められ、面白味に欠けていた。魅力のある棚にするためには、特定ジャンルについて特化して、読者ニーズを掴むことが肝心である。ムックの実用書を棚で活用すべきだと痛感した。
〈6、学参、辞典の在庫〉
小中高のターゲットに従って在庫することが望ましい。中途半端な高校学参の陳列は無駄な在庫に近い。その理由は高学参は科目別陳列であるから、小スペースでは無理である。臨店した店で小学参を児童書脇に並べていた店があったが、これは正解。中学参は復習学参の充実していた店にお客様が多かった。辞書は新学期のままの店があった。時期に応じて売場の伸縮を図ることが肝心である。
〈7、専門書の在庫〉
臨店した中に専門書取り扱い店は少なかった。専門書は一坪で70~80万円も在庫する。従って常備寄託とか選択常備で棚揃えした方が資金効率はよい。
専門書の中でもトレンドジャンルと衰退ジャンルはある。それに応じて棚配分しないと在庫効率を悪くしてしまう。客注は棚を補う重要な機能である。商品回転率が一回転以下であれば、注文扱いで取り寄せた方が棚効率はよくなる。

2月7日に山形万引き防止研修会

山形県書店商業組合は、出版一六会の協力により2月7日午後2時半から山形市・ウェルサンピア山形で「書店万引き防止研修会」を開催する。講師は万引き防止キャンペーンを全国で展開している出版一六会事務局長の安部毅一氏(中経出版副社長)。
参加費はテキスト『万引き防止の完全対策』(中経出版刊)代金込み2千円。申し込みは山形組合事務局まで。電話023・623・1828番。

「おはなしマラソン」参加者5万4千人に/日販

日販は昨秋、読書週間の期間中に全国235書店で読み聞かせ会を開催、合計5243人が参加した。これにより「おはなしマラソン」の参加者は1999年10月のスタートから5年間で5万人を突破した。12月には4地区16書店で読み聞かせ会を開いて合計391人が参加しており、総計の参加者は5万4336人にのぼっている。
全国一斉に読み聞かせ会を行うキャンペーンは、春秋の読書週間にあわせて実施しており、今回で7回目。参加書店は過去最高となって、子ども3524人、大人1719人が参加する盛況だった。
12月の「おはなしマラソン」は関西・中国・四国・九州地区16書店で開かれ、子ども255人、大人136人が参加。クリスマスの絵本やパネルシアターを実演したり、クリスマスカードを作成した書店もあって、好評を博した。

第20回梓会出版文化賞に新曜社

年間を通して優れた書籍を出版している出版社に贈られる梓会出版文化賞は新曜社、同特別賞は凱風社、影書房に決まり、1月20日午後5時半から東京・紀尾井町の赤坂プリンスホテル別館で贈呈式が開かれた。
今年は同賞の20周年記念にあたるため、従来の梓会出版文化賞1社、同特別賞2社に加え、新聞6社・通信2社の学芸部文化部が選考する出版梓会新聞社学芸文化賞を常設するとともに、今年のみ第20回記念梓会出版文化賞特別賞を設定した。学芸文化賞は現代書館、東京堂出版、第20回記念特別賞は京都大学学術出版会、工作舎、青土社が受賞した。
式典では選考委員を代表して上智大学文学部新聞学科・植田康夫教授が総評を行い、本賞の新曜社について「人文科学を中心に多岐にわたるジャンルで、深い思索と刺激的な論考による多彩な知の成果を結実させている」と受賞理由を話した。
新曜社の堀江洪社長は「試行錯誤を重ねながら出版の末端に携わってきた。悔いもあるが、多くの著者、読者に支えられて今日がある。出版は精神をモノの形にして表す仕事。若い人たちは出版という仕事に誇りと情熱をもってほしい」と、同社36年の歴史を振り返りながら次世代の出版人にエールを送った。

催し

◆トーハン総研カルチャーフォーラム
2月25日(金)午後2時から4時まで、トーハン本社8階大ホールで開催。元NHKアナウンサーの鈴木健二氏が「今、読書が日本人を救う」をテーマに講演する。青森県立図書館館長を務めるなど幅広い地域振興運動を展開してきた鈴木氏が、本を読むことの大切さを訴える。講演と同題の著書がグラフ社から刊行されている。受講料5千円(税込)。
問い合わせはトーハン総研セミナー事務局、℡03―3268―0731、FAX03―3268―0756

参考図書/書店のユニークなブックカバーを紹介/出版ニュース社刊

全国の書店、古書店のブックカバー197点を集めた『カバー、おかけしますか』が出版ニュース社から発売された。B20取判・オールカラー156頁、定価2625円。
書皮友好協会が選ぶ書皮大賞受賞20点はじめ書店のユニークなブックカバーをテーマ別に紹介する。紀田順一郎、長谷川卓也氏らのエッセイも収録。見ているだけで楽しい本。

人事

★マガジンハウス
(12月15日付、○新任)
代表取締役社長
石﨑孟
取締役〔第一、第二編集局、雑誌開発室担当〕
淀川美代子
同〔第三、第四編終局、書籍出版局、雑誌開発室担当〕秦義一郎
同〔営業局、大阪支社担当〕吉田高
同〔広告局、企画制作局担当〕片桐隆雄
同〔総務局担当〕
○伊東秀雄
同〔経理局担当〕
○南昌伸
取締役最高顧問
木滑良久
監査役畑尾和成
※新井喜美夫監査役は退任し顧問に就任
★扶桑社
(1月4日付、○新任)
代表取締役社長
○片桐松樹
専務取締役井瀬賢二
常務取締役藤田敬二
同鈴木伸子
同平田静子
取締役溝賀主水
同久板順一朗
取締役〔非常勤〕[ニッポン放送常務取締役]
宮本幸一
同[エフシージー総合研究所常務取締役]奥田祥子
同[フジテレビジョン取締役]山田良明
常勤監査役江渡宗行
監査役〔非常勤〕[フジテレビジョン取締役]
嘉納修治
※中村守代表取締役社長と奥村傳常務取締役は退任

四国4紙で「朝の読書」広告特集/朝の読書推進協議会

朝の読書推進協議会は、四国エリアの朝の読書運動を推進するため、高知新聞、徳島新聞、愛媛新聞、四国新聞の各広告局とタイアップし、朝の読書広告特集企画を掲載している。
地方紙での特集企画は山陽新聞、西日本新聞に続いて3回目で、掲載は高知新聞1月24日付、徳島新聞1月31日付、愛媛新聞2月2日付、四国新聞2月3日付の各全1頁。内容は、各紙がそれぞれ県内の朝の読書実施校(小学校1校・中学校1校)を紹介し、県知事または教育長らが朝の読書をたたえるコメントを寄せる。広告面には、岩波書店・偕成社・河出書房新社・講談社・童心社・フォア文庫の会・福音館書店・ポプラ社の「朝の読書学級文庫セット」18企画を掲載している。

売上2.1%増の560億円/4期ぶりに増収増益/日経BP

日経BP社は1月24日、記者発表を行い、2004年の業績を報告した。売上高は560億円、2・1%増となり、3期連続減から4期ぶりに増収増益の決算となった。
売上げ内訳は広告275億円(3・5%増)、販売250億円(0・4%減)、その他33億円(9・7%増)。支出面はコスト管理を徹底したことにより、売上げ伸び率を下回る0・1%増の535億円。
この結果、営業利益24億5千万円(75・7%増)、経常利益25億7千万円(74・2%増)、税引前利益22億6千万円(95・0%増)といずれも大幅な増益を達成した。
河村社長は「パソコン誌はこの3年間で売上げが半分、利益は10分の1に減り、この傾向は今も続いている。今年は選択と集中により、これからの日経BPの柱を考えていく。そのためには基幹である専門技術情報をもう一回強くしなければいけない。雑誌、ネット、セミナー、イベントを有機的に結びつけるマグネット戦略で情報を発信していきたい」と、今年の課題を述べた。
新雑誌ではアメリカで180万部売れている女性向け生活ソリューション情報誌『リアルシンプル』日本版を秋口にも発売するべく、米タイム社とライセンス契約を結んだことを明らかにした。

本屋のうちそと

当店の商圏内に当店と同じ取次帳合による大書店の出店が相次ぎ、売上大幅減の我が店。最近、取次がいやにウチの財産を気にするなッと思っていたら、12月末の朝日新聞に「書店の倒産、負債の増加」の記事が。アラ、コレダッタノネー。ウチは身銭全部切っても払い切れない程の借金してまで店をやってはおりません(だから負け組なんだけどサ)。
同じ日の同新聞の「スーパー迷走、出店攻勢」の記事、大店法廃止の2000年、すでに購買力と総売り場面積とが飽和状態だったのではという皮肉。結果、ダイエーは産業再生機構が500億円の出資支援を決定、銀行等に4050億円の債権放棄を要請。「大きな会社はズルしやすい」借金チャラできず倒産した会社の方が多いのに。
数年前まで「ヒ・ミ・ツ?」だったわが国の借金も増税のためか堂々と新聞に載り始めた。共同通信の配信記事も「欧州並みの増税止む無し」調。欧州のような社会ねー。同日の朝日新聞『希望格差社会/筑摩書房』への書評「希望という言葉の価値のインフレが収まる、過渡期なのでは」エリートはエリートのまま貴族として再生産され、平民は平民のままという欧州型社会への移行期か。
しかし民主的な政府というものが、関与しなければすぐにも不平等になる社会を少しでも平等なものにしようとするものであるなら、国民に生きる希望や夢を与えられず、最後は「自己責任」で済まそうとする政府とは何者?「増税するなら未来くれ!」(海人)