全国書店新聞
             

平成16年10月11日号

ポイントカード早期解決へ意思明示を/講談社、小学館などに要請

ポイントカードは値引きで再販契約違反との判断が出ているにもかかわらず、依然としてポイントカードによる再販出版物の値引きが止まらず、事態が進展していない。これを打開するため、日書連は10月6日、講談社、小学館、主婦の友社、中央公論新社、東洋経済新報社の5社を訪問し、値引き行為に対する対応を求める要請を行った。日書連訪問団は2グループに分かれ、今西英雄副会長、下向磐理事、長谷川義剛理事の3名が講談社・浜田博信相談役、小学館・相賀昌宏社長、主婦の友社・斎藤民樹取締役、また丸岡義博副会長、岡嶋成夫再販研究委員長、野澤恒雄理事、堀護常任委員の4名が中央公論新社・吉村治販売部長、飯田富美男販売部次長、東洋経済新報社・高橋宏社長、大西良雄取締役営業局長、樋口勇営業局次長兼雑誌販売部長を訪問し、会談をもった。さらに、このあと書店会館で工業調査会・志村幸雄会長とも会談した。
日書連は「ポイントカードによる再販出版物の値引き問題は、再販契約の主体である出版社の判断がすでにくだされているにもかかわらず、長い間膠着状態にある。影響力の大きいヤマダ電機が止めず、小田急、東武など電鉄系が増え、ポイントカードは拡大傾向にある。今の事態は問題であり、停滞している状況を打開するため、出版社は早期解決へ意思を明示してほしい。このまま放置すれば再販が形骸化する恐れがある。契約主体である出版社が自主的にどう判断するかにこの問題の解決はかかっている。一歩踏み出してインパクトのある行動をとってほしい」と、各出版社に要請した。
これに対し、小学館・相賀社長は「ポイントカード問題は解決に向けて一歩ずつ前進している。段階的に収束に向けて努力するやり方がいいのではないか。話し合いをじっくり続け、出版物は再販商品であり、契約に則って是正してほしいと働きかけることが大切。値引きによって何が起きるか、出版業界の我々にはわかる。再販を守ることは業界権益擁護ではない。全国にいっぱい本屋さんがあることで、多くの読者が利益を得ている。日書連が出版社への要請行動を行っているのは意義あること。是非続けてほしい」と述べた。
なお、日書連は10月理事会までに再販研究委員会のメンバーを中心に計20社程度の出版社を訪問する予定。

落ち葉をしおりに、読書の秋/読書週間ポスター

10月27日から始まる「読書週間」(読書推進運動協議会主催)のポスターが出来上がった。「読書に寄せる思いを木々の葉、1枚1枚に託して描いた」という、イラストレーター・おのでらえいこさんの作品。

10月27日から読書週間書店くじ

10月27日から始まる読書週間とともに、日書連では書籍・雑誌500円以上お買い上げの読者に「読書週間書店くじ」を配布する。
今年の書店くじの特賞は「フランス8日間の旅」が70本、1等賞は「図書カードまたは全国共通図書券1万円」が700本。くじのお申し込みがお済みでない書店は、大至急、日書連書店くじ係へ。

16氏を新たに合祀/出版平和堂

出版業界に功績のあった物故者の遺徳を偲ぶ第36回合祀祭・合同慰霊祭(出版平和財団主催)が10月1日、神奈川・箱根芦ノ湖畔の出版平和堂で営まれた。今年の新合祀者は次の16名(版元12名、取次2名、書店2名。敬称略)。
〔出版社〕
小林秀雄(大日本図書)、石川芳雄(平凡社)、近藤久壽治(同学社)、戸部虎夫(きんざい)、大谷憲三(中央経済社)、大島重次(主婦と生活社)、風間務(風間書房)、前田秀男(日本書籍出版協会)、稲橋兼吉(むさし書房)、上野久徳(三省堂)、佐久間裕三(大日本図書)、千倉孝(千倉書房)
〔取次〕
遠藤勇(大阪屋)、森壽太郎(日教販)
〔書店〕
相江茂文(アイエ書店)、伊藤嘉三郎(伊藤商事)

大賞に丹羽さん/第9回家庭画報大賞

日本一のクラフト・コンテスト「家庭画報大賞」の表彰式が6日昼、帝国ホテルで行われ、大賞に選ばれた丹羽日出子さん(岐阜)の「浪漫愁布」はじめ準大賞、審査員特別賞、ゲスト審査員賞、優秀賞、協賛社賞など41名が表彰された。
第9回家庭画報大賞は「夢のある、美しい布遊び」をテーマに、インテリア、装いの2部門に2317作品が寄せられた。表彰式であいさつした世界文化社鈴木勤社長は「三越で受賞作を拝見して改めて感銘した。皆さんの感性と充実した暮らしぶりを肌で感じた。来年は10回の節目にふさわしい企画を考えている。ご期待いただきたい」と、御礼の言葉を述べた。
受賞作品は10月17日まで、日本橋三越本店7階催物会場で展示されている。

定期申し込み昨年の半数/04年雑誌愛読キャンペーン

店頭で年間定期購読を申し込むと1カ月分サービスという雑誌愛読月間「定期購読キャンペーン」。全国展開3年目の今年は参加書店3012店、予約獲得447店、予約数3677誌と、いずれも昨年の半分程度だったことが、6日に雑協で行われた雑誌愛読月間まとめ会議で報告された。
今年のキャンペーンに参加したのは36社75誌に、東京のみ書店の希望を入れて16誌を追加した。このうち予約獲得数上位は「レタスクラブ」228、「クロワッサン」226、「ミセス」192と女性誌が占めた。トーハン、日販、大阪屋と各取次が雑誌定期購読システムをスタートした中で、苦戦は予想されていたものの、厳しい実績になった。会議では、再販弾力運用の側面から読者サービスは重要な意味があるが、書店の雑誌販売、売場活性化支援の方法としては再検討する必要があるという方向で一致した。

出版社人事

◇主婦の友社(10月1日付)
〔組織変更〕
1、新規事業開発部を新設(担当=神田高志常務)2、経営企画室を新設(担当=塚本俊雄取締役)
3、旧第1・第2編集部を第1編集部に統合(担当=中西立郎取締役)
4、旧第3編集部を第2編集部、第4編集部を第3編集部に変更
5、第1編集部のプレモ・ベビモ編集をプレモ編集、ベビモ編集に分割
〔人事異動〕
顧問矢荻哲(12月の定時株主総会で取締役に選任予定)
嘱託後藤哲生(12月の定時株主総会で常勤監査役に選任予定)
新規事業開発部長
長岡春夫
マネジメントソリューション部長高木雅之
経営企画室長青柳総太郎
国際室長渡部伸
主婦の友編集編集長
鈴木敏明
プレモ編集編集長
高階麻美
ベビモ編集編集長
伊藤晴
◇角川書店(10月1日付)
〔昇進〕
販売部書籍グループグループ長(課長)田村修一同課長(係長)佐藤芳実
〔異動〕
総務・人事部人事グループ兼秘書グループ兼角川HD出向(販売総括マーケティンググループ長)
小川泰弘
販売総括マーケティンググループ長(書籍グループ)冨田和夫
同グループ取引係課長(同取引係)佐藤芳美*取締役財務・経理部長松原真樹は10月1日付でSSコミュニケーションズ代表取締役社長に就任。

生活実用書・注目的新刊

上野の書店で、他社の新書
同士ながら仲良く平台に並ん
でいる本を見つけた。このチ
ェーンでは以前から読者の視
点に立った本の揃え方をして
いるために、常連客も多い。
その一冊目は柏井壽著『「極み」のひとり旅』(光文社新書170780円)。旅好きな歯科医が経験から編み出したひとり旅の極意を開陳している。伊豆の高級旅館で見たいかにも旅慣れた感じの三十代の女性達。その颯爽とした立ち居振る舞いに比べて、男性のひとり旅はどうにもむさくるしい。原因はどうやら普段の暮らしの切り離し方にあるみたいである。そこで、日常を多少は引きずりながらも、ひとり旅を心ゆくまで楽しむ法を考えた。
まずはプランニングから始まり、荷造り、宿泊、移動法などベストチョイスなどが語られる。旅館での仲居さんのかわし方、民宿での失敗談。
第二部では六甲アイランドから、松山までのプチ豪華船旅や、松本、尾道、仙台と、自転車に乗って巡る広島などの実際の旅の様子が詳しい。
巻末に本書掲載の宿や立ち寄った店舗、ひとりで泊まれるおすすめ旅館リストが付いている。アクセス法や値段も記してあり、便利だ。
もう一冊は前著から五ヶ月
前に発行された本。池内紀著『ひとり旅は楽し』(中央公論新社・中公新書1742720円)。ひとり旅の手本として、若山牧水、山下清、寅さんをまずあげている。いずれも自分のスタイルを持ち、ひとり旅の名人であることが共通している。
旅に何を携帯するかについては、人それぞれのことで答えようがないと語る。しかし自分の手帳には「持っていくもの」リストが書いてある。島が好きで、北陸の粟島、瀬戸内の塩飽諸島を歩く。丸亀沖の牛島では船将丸屋五左衛門の屋敷跡の石垣を見たりする。札所を回ったり、ステッキを携えて歩く。温泉で湯上がりにすぐ食事やテレビをつけたりしないのは「あの陶然とした酔いごこち」を味わうためという。遠出できない時には近場でいい。ビルの谷間に寺を見つけて入りこむ。ここには伸びやかで豊かなひとり旅が描かれている。
そうしてみれば、数十年と重ねてきた出版営業の出張もまごうことなきひとり旅だった。少し外れて見る美術館や
名所は、わずかな時間が故に
より深く心に刻まれる。ひと
り旅もなかなか捨てがたいも
のである。
(遊友出版・斉藤一郎)

損害賠償の民事請求/万引処理コストを明示/東京組合

今年2月、府中の書店で書籍を万引きした女性に対し、立川簡易裁判所は7月に懲役1年、執行猶予3年の有罪判決を行ったが、東京都書店商業組合は10月5日の理事会で、この犯人に損害賠償請求の民事裁判を起こすことを決めた。
万引きに対し、損害賠償請求を行うのは珍しいケース。組合顧問弁護士と相談の結果、万引き書籍は定価合計で7千円程度だが、防犯ミラー設置代、被害届け作成などにかかった時間分の人件費、電話代など万引き処理諸経費に10倍の約7万円がかかり、これも請求することになった。このほか、弁護士報酬が20万円。
「万引きの被害は小額でも、具体的に7万円という金額を提示して損害賠償請求することで、インパクトがある」と山田委員長。理事会では「鉄道の不正乗車は罰金3倍の根拠を調べてはどうか」「判決で勝訴しても請求額を取れないケースが多い」などの声が上がったが、東京組合として万引きには厳しい態度で臨むことを再確認し、損害賠償を求めることになった。

「声」/『ハリポタ』大々的な広告望む/東久留米市・ブックセンター滝山・野崎陽一

ハリー・ポッターの5巻が発売された。今まで大切に育ててきたファンにもれなくお届けしたいと考え、シリーズを店の正面の目立つ平台に山積みしてPOPをつけた。さらに、私どもの店で発行している月刊ミニコミ紙「けやき新聞」(発行3万8千部)の中の「本のひろば」に、地元の子どもやお母さんの5巻に対する感想文を掲載した。新聞折込みでそれを見て下さった大手出版販売会社の役員さんより、お褒めの言葉をいただいた。
皆さんそれぞれの立場から5巻の売上アップを努力しておられる。ところが、4巻に比べて世の中の熱気が感じられない。他のロングセラー本と5巻とを比べて気づいたのは、マスコミへの広告が不足していることである。新聞の目立つ紙面への有料広告がない。テレビへの有料広告もなかった。マスコミに、時の話題として無料で取り上げてもらったくらいでは、お客様に商品は売り込めない。
今春より、5巻の買切扱いに対し全国書店から困惑の様子が伝えられていた。仕入単価が通常の委託商品と同じという変則的な条件も加わり、各書店は厳しい条件の下で売り切る努力を一生懸命行っている。
それに比べ静山社の努力はどうであろうか?まさかと思うが出版社の倉庫を出たところで、もう責任を果たしたと思っているのではないだろうか。買切条件中心の某大手出版社は、大手新聞の1面に毎週有料広告を載せている。その出版社は、本が書店から読者の手へ渡るまでその魅力を広告するという責任を果たそうとしている。
今からでも遅くはない。私ども書店ではクリスマスプレゼントやお年玉で買いたいと思っている読者に対して、ハリー・ポッターの魅力を継続的に大々的にお知らせしていく。出版社も是非、有料広告を惜しみなく出稿していただきたい。そして、本が店頭から売り切れるまで、努力を継続してもらいたいものである。

POP、ラップ学ぶ

トーハン・コンサルティングは、トーハン書店大学「実践!POPの描き方セミナー」を10月26日、「実践!書店ラッピングセミナー」を翌27日トーハン本社で開催する。両日とも午後1時半から6時。
クリスマス・シーズンに向け新人から中堅スタッフ、指導する立場の店長を対象に、基本から応用まで実習を通じて学ぶ。受講料はテキスト代、資料代を含み全国書店共助会加入店5千円、非加入店1万3千円。問合せ、申込み先はトーハン・コンサルティング教育事業部。電話03・3267・8686番。

新春おでんの会

来春の大阪屋「新春おでんの会」は1月10日(月)午後12時30分より関西ブックシティ特設会場で行なうことが決まった。また、大阪屋友の会連合大会は6月7日(火)、8日(水)に行う。場所は未定。

愛子さまの愛読書

皇太子が撮影した敬宮愛子さまの3歳の誕生日を前にした映像が先ごろ宮内庁から公表されたが、愛子さまが読まれていた絵本の1冊が愛知万博公式絵本『もりのこえ』(伊藤忠商事、税込み800円)であることがわかった。
同書は愛知万博のマスコット、「モリゾー」「キッコロ」を主人公にした絵本で、万博公式グッズとして発売。愛知県書店商業組合加盟店で販売しているほか、名古屋の取次「三星」が買切り、76掛け、代引き扱いで販売している。送料は20冊以上無料。電話052・971・7666。

書籍も返品無伝化へ/36回協和会総会で小貫会長

第36回協和会が10月3日、奥湯河原の山翠楼で開かれ会員書店78名、出版社18名、協和出版販売から小貫会長、雨谷社長など17名が出席した。
総会であいさつした小貫邦夫会長は出版業界の動向について「7年連続で販売額が減少し、廃業店も年間千店ペース、全体のパイがシュリンクする中で大型出店が続く厳しい現状にある。今年上半期は前年対比1%のプラス、9月も『ハリー・ポッター』が引き金となり少し上向きであり、この流れを大切にしたい」と説明。
協和の施策として「5年前から実行している雑誌の返品伝票レスに続き、書籍も実現の見通しがたつようになった。マルチメディアの時代、受発注も2、3年のうちに伝票レスで、わかりやすい仕組みに変ってくる。機械化に少しずつなれていくことが必要だ」と、取引書店の理解と協力を求めた。
会計報告の承認に続いて西家忠雄代表幹事(金松堂書店)は「書店業界は再販、正味、付録と諸先輩の苦労によって基礎が築かれた。特運時代は紙だけだった雑誌付録も、今やCD、プラモデル。レコードのように3ヵ月で消えるような本でいいのか。書店はもっとロングセラーを売りたい。純粋の独立取次、協和を中心に孫の代まで本屋として過ごせるよう頑張りたい」と述べた。
第1部終了後、講談社・森武文取締役が「どうなる出版業界・活性化への提言」を講演。電子出版やネット書店、フリーペーパーなどをめぐる最新の動きを説明した後、「出版界はあまりにもデータPOSに頼りすぎかもしれない。どんな人が買っていくかを見るのは皮膚感覚。本の面白さを伝え、出会いの場を作るのが永遠のテーマだ。成功店に学び、POPや声かけで店頭を活性化してほしい」と強調した。
このあと、プロジェクターの映像を見ながら、POP、コーナー、店頭演出の成功例を研修した。

人事

◇太洋社
〔委嘱〕
管理本部長
取締役大和正之
仕入副本部長兼仕入部長
取締役牧野伸一
管理副本部長兼取引管理部長取締役永澤克彦
営業副本部長
取締役土屋正三
監査役安冨 諭
〔人事異動〕
▽仕入企画部次長(仕入部次長兼書籍配本調整課長)小林利夫▽同児童書学参課長(児童書課長)三野敏郎▽同雑誌仕入調整課長(雑誌仕入課長)石川光一▽同書籍仕入調整課長(書籍仕入課長)田中保秀▽同雑誌仕入調整課長代理(雑誌配本調整課長代理)佐藤隆昭

須原屋埼玉県OB会が発足

埼玉県内の書店子弟を教育する目的でスタートした須原屋研修生は今年で30期生。卒業生が書店人として全国で活躍しているが、一度、埼玉県のOBだけで集まろうと、2日、埼玉県OB会が発足した。
浦和の割烹「千代田」に集まったのは1期生の多ヶ谷章一氏(多ヶ谷商店)から今春卒業の関口茂祐(カサモ関口商店)、神田良(皆さんの駅前本屋)氏まで14名。最長老は埼玉組合理事長の野沢恒雄氏で、昭和27年、高校卒業後、須原屋に世話になったが、まだ合宿所はなかった時代。
OB会では、須原屋高野会長が「中小書店の経営改革/財務面から見た5つのポイント」を1時間にわたり講義。純利益、在庫品、売掛金、設備投資、自己資本のチェック項目を示し、「書店の自己資本比率は平均11~12%と低すぎる。須原屋は45%以下には落ちない。財務体質の改善と収益力アップで体力をつける改革を」と述べた。
また、さいたま新都心に2千台の駐車場を持つSCコクーンがオープン。紀伊国屋書店が700坪で出店したことについて「今のところ影響はないが、これからが勝負」と、ファイトを燃やし、それぞれ地域において1番店を目指すよう努力を求めた。

客注支援のBクイック開始/日販

日販はインターネット発注に対応するネット通販用倉庫、web―Bookセンターの拡大を図るとともに、同センターを利用する客注支援サービス「B―Quick」を10月5日からスタートさせた。
webセンターは2000年6月に開設し、利用は4年間で8倍に増加。今後の拡大も見込んで倉庫を2500坪に増床、在庫も60万点に拡大した。これによって受注の90%以上を即日出庫できる体制が整った。
日販が新しくスタートさせる「B―Quick」は登録制で、加盟登録後、B―Quick専門の注文センターに電話すれば、その場で在庫の有無、店頭到着日を確認して注文ができる。客注商品は2~4日で取り寄せが可能になる。加盟料は無料だが、手数料として本体価格の7%が必要。オペレーターが電話で案内した到着日までに商品が届かなかった場合は、手数料を請求しない。

本屋のうちそと

秋になると、文化祭、体育祭、発表会と、もろもろの集まりがあり、図書券を求める人たちが多くなる。千円の図書券を20口包装してプレゼント用にという注文が来た。「図書カードもありますよ。いまはカードのほうが便利です」と言っても、図書券にしてくださいと譲らない。千円をそのまま使うのではなく、誰かにあげるにしても、5百円であれば便利と言われる。
他の団体からも5千円を5口と千円を10口の注文。それでカードを勧めるが纏まらず、どうしても図書券にしてと言う希望。封筒に入れ包装してのし紙をつけなくてはならない。最近、ようやくのし紙封筒、花柄封筒でもよいという人が増えたが。中には図書券を50枚と封筒も50枚という注文がある。塾で生徒の成績アップなどにあげるのだ。もろもろの活動に使用していただけるのは有難いが、いまだに5百円の図書券を希望されることが多い。
使用するときに5百円の図書券を持ってきて百円の就職情報、住宅情報誌を買い、おつりを現金でという人もいる。図書券の金額を超えたものは現金で支払うのであればいいが、ほとんどがおつりをもらおうとする。520円に二枚の図書券、「20円ありませんか」「ありません」480円のおつりをださなくてはならない。
どこかの県で全部カードに変更できたということはすばらしいが、5百円券の発行は出来るのだろうか。本当はカードのほうが書店もお客様も便利のはずなのですがね。(とんぼ)