全国書店新聞
             

平成30年11月1日号

全国の組合加盟書店数3192店に/半年間で加入20店、脱退77店

10月1日現在で日書連会員の45都道府県書店商業組合に加盟する組合員(日書連所属員)は、4月1日対比で57店減(1・8%減)の3192店になったことが組織委員会(中山寿賀雄委員長)の調査で分かった。
この半年間の新規加入20店に対して、脱退は77店。組合員が増加した組合は滋賀(1店増)、香川(1店増)、佐賀(1店増)の3組合。前年と同数は秋田、岩手、山形、千葉、山梨、三重、福井、奈良、島根、徳島、愛媛、高知、長崎、熊本、大分、沖縄の16組合。残る26組合は組合員が減少している。
新規加入が多い順に並べると、大阪が6店でトップ。以下、秋田が4店、神奈川が2店、宮城、福島、千葉、東京、滋賀、岡山、香川、佐賀が各1店。
脱退が最も多かったのは静岡の8店で、以下、大阪が7店、愛知が6店、東京が5店、秋田、福島、兵庫、広島、福岡が各4店。
加入と脱退を合わせた増減では、減少数が多い順に①静岡(8店減)、②愛知(6店減)、③東京、兵庫、広島、福岡(4店減)。
減少率でマイナス幅の大きい順にみると、①広島(6・6%減)、②静岡(6・0%減)、③福島、群馬(5・3%減)、⑤新潟(4・8%減)だった。

「1万円選書」広がる取り組み/近畿ブロック会シンポジウム

日書連近畿ブロック会(面屋龍延会長=大阪府書店商業組合理事長、清風堂書店)は10月3日、大阪市北区の大阪駅前第3ビルで「平成30年シンポジウム」を開催。「1万円選書」で注目される北海道砂川市・いわた書店の岩田徹社長が「日本一幸せな本屋が語る…本は人生の味方」と題して講演した。また、滋賀県書店商業組合・吉田徳一郎理事長(ヨシダ書店)、大阪府書店商業組合・二村知子経営活性化委員長(隆祥館書店)、兵庫県書店商業組合・森忠延副理事長(井戸書店)、奈良県書店商業組合・庫本善夫事務局担当理事(庫書房)の4氏に岩田氏が加わってパネルディスカッションを行った。兵庫県書店商業組合・中島良太理事長(三和書房)がコーディネーターを務めた。
「1万円選書」は、顧客が経歴や読書歴などを記した「カルテ」をもとに、1人1人に合った約1万円分の本を選書して郵送するユニークなサービス。15年前から展開し、テレビで紹介されたことをきっかけに火がついて、全国各地から注文が殺到。いまや3千人待ちの人気となっている。
登壇した岩田氏は、人口1万7千人の地方都市で営業する同書店がブレイクするまでの経緯を語り、「これからは小さな書店の時代」と持論を展開した。(講演内容は2面に掲載)
「1万円選書」を特集したNHKテレビ「プロフェッショナル仕事の流儀」に感銘を受け、岩田氏の講師招聘を提案したという二村氏は、「岩田さんが選書した本に涙する読者を見て、本には人の人生を変える力があると感じた」と述べ、「岩田さんはマネしてくださいと言う。書店員は皆、本を読んでいる。各書店のやり方で始めることは可能。私も隆祥館書店ならではのやり方でマネする」と「1万円選書」の開始を宣言した。
「プロフェッショナル仕事の流儀」放映後、岩田氏とメールをやりとりし、「1万円選書」を始めたという森氏は、「書店人はそれぞれ歩んできた人生が違い、選書のテイストも千差万別になる。私なりのセレクトで始めた。初めての利用者は高校時代の同級生。カルテに記入してもらい、井戸書店の感動本コーナーから選書した本をゴールデンウィーク明けに渡した」と自店の事例を紹介した。
庫本氏は発信力とコミュニケーション力の重要性に言及し、「ただ本を並べていれば売れた時代はとっくに終わった。今はあの店に行けば何かあるからと足を運ぶ時代」と述べた。
吉田氏は「初任給をもらった時に人生を通して持ち歩ける1冊を買ってくださいと言っている」など自身の取り組みを話した。
なお、当日は京都、滋賀、兵庫、奈良、大阪の各組合の役員や組合員ら84名が出席した。

これからは小さな本屋の時代/北海道砂川市・いわた書店・岩田徹社長が講演

札幌から電車で約1時間、人口1万7000人の砂川市にある売場40坪ほどの街の本屋「いわた書店」が実施するサービスが注目を集めている。社長の岩田徹氏が読者1人ひとりに合った本を1万円分選んで郵送する「1万円選書」に全国から注文が殺到し、現在3000人待ちという。NHKテレビ「プロフェッショナル仕事の流儀」でも紹介され、大きな反響を呼んだ。日書連近畿ブロック会が10月3日に開いたシンポジウムで講演した岩田氏は、「1万円選書」の成功までの経緯、本と読書の役割、これからの書店のあり方を語った。
〔本屋は「読書の水先案内人」〕
2003年、高校のOBの飲み会に参加した時、先輩たちに「本が売れなくて大変です」と話すと、当時判事だった先輩から「これで面白い本を送ってくれ」と1万円札を手渡された。1万円分の本を一生懸命選んで、手紙を添えて送った。これがきっかけになって「1万円選書」を始めた。申込者は月2~3人のペースが10年間続いた。
08年、高校時代の友人6人とニューヨーク旅行をした際、書店巡りをした。ある書店で、入口からコミックと雑誌が並んでいるのを見て、まるで自分の姿を見せつけられたように感じた。「こういう本屋をやりたくて今までやってきたわけじゃない。雑誌とコミックで食うのはもうやめよう」と思った。
店の売上は下がり続けていた。「1万円選書」を始めて10年目の13年9月に父が亡くなった頃、経営はいっそう苦しくなり、僕はどんどん追いつめられていった。その年の暮れ、高校時代の友人の弁護士に「店を畳もうと思う」と相談した。彼は「もう1年間頑張ってみないか」と言って、店を続けるための態勢作りをアドバイスしてくれた。
そして翌14年8月、テレビ朝日の深夜の情報番組「アレはスゴかった!!」で紹介されたことをきっかけに、「1万円選書」がブレイクした。日曜日の深夜にテレビなんか誰も見ていないだろうと思っていた。しかし、翌朝、パソコンを開けると、200通の申し込みメールが来ていた。「1万円選書」「いわた書店」が検索急上昇ワードにも上がっていた。スマホ世代の情報拡散で話題になった。テレビなどの取材は片っ端から受けた。
ここ数年は4月と10月の年2回、受け付けをしている。毎回約3000人が申し込み、抽選で約100人が当選する。当選者には選書カルテを書いてもらう。「印象に残っている本ベスト20」「よく読む雑誌」「人生でうれしかったこと、苦しかったこと」「何歳のときの自分が好きか」「これだけはしないと心に決めていること」「あなたにとって幸福とは何か」などを記入してもらう。これを読んで本を選び、見積もりを示し、注文者がOKなら入金してもらう。僕が書いた手紙と、友人である砂川市長のメッセージを添えて、読者の元へ本を郵送する。
一人ぼっちでいることに耐えられないから、人は本を読む。本を読むと、自分と同じことで悩んでいる人が他にもいて、自分1人じゃないことに気付く。その水先案内人をしてあげられるのは本屋しかいない。
〔「売れる本」から「売りたい」本へ〕
いわた書店のこの1年間の書籍単品ランキングには、黙っていても売れるようなベストセラーは1冊も入っていない。僕が「面白いから読んでください」と提案した本ばかり。それでもかなりの冊数が売れる。たとえば木皿泉の『さざなみのよる』は、河出書房新社によるとうちの店が日本一売っているそうだ。
「売れる本」ではなく「売りたい本」「面白い本」を置くように商品構成を変更し、売り方を変えた。ベストセラー作家の本は他店にあるから、うちのような小さな店では売れない。うちはよそにない本を置く。配本に頼らず、売りたい本を注文する。こうして仕入れた本はほとんど売れるので、書籍返品率は15%だ。
雑誌の棚を減らして平台にし、コミックの棚を半分に減らして文庫ベスト200を面陳している。テレビやインターネットを見て、日本中からお客さんが来店してくれる。シンガポール、ローマなど外国からもお客さんがいらっしゃる。滞留時間は1時間、客単価は1万円。遠方のお客さんは土曜日に来ることが多い。土曜日は午前中の3時間しか開けていない。その間、僕とパートの2人で5~10万円を売り上げる。
活字離れとか本が売れないと言われるが、ベストセラーが入って来ないからでも指定配本のせいでもなく、面白い本が読者に伝わっていないだけ。「1万円選書」では、面白い本を読みたいと1万円を持って3000人のお客さんが並んでいる。だから、うちみたいな店が他に20店あってもお客さんはたくさん行くはず。「1万円選書」が上手くいくことは僕が証明したから、どうぞマネしてくださいと言っている。「こんなことは岩田にしかできない」とよく言われるが、そんなことはない。僕は自分ができることを一生懸命やっているだけ。他の書店もそれぞれ得意なことや持ち味がある。それを活かせば絶対にできる。
〔久住邦晴さんと話したこと〕
昨年亡くなった久住邦晴さん(札幌・くすみ書房)の話をしたい。最後に会ったのは3年前。そろそろ閉店という時間にいきなり来店された。芦別で講演会をやった帰りだという。「岩田君のところはいいな。人口が少ないから、こんな小さな店でもやっていける。競争相手が出てこなくていいな。こんな早い時間に店を閉めても大丈夫なのか。この時間はあんたとパートさんの2人だけでやれるんだな」と言っていた。
砂川は人口1万7000人の何もない街で、ナショナルチェーンが出店してこない。だから、北華楼などの地元企業が生き残っている。欲しいものがあれば市内で買えばいい。行列ができない心地よさ、渋滞しない気持ちよさがある。それが小さな街のいいところ。人口が少ないこと、売場が狭いこと、営業時間が短いこと、従業員が少ないこと――これらはすべてハンディキャップだったが、考え方を変えることですべてアドバンテージになった。
これからは小さな本屋の時代だ。書店の形が変わり、「本も置いているショッピングセンター」みたいな店が出てきても、そんなものは全然目じゃない。アマゾンに対抗する必要もない。うちのような田舎町の小さな本屋に遠くからお客さんが来て、1時間もいてくれる。そして、「楽しかったです。また来ます」と帰っていく。僕は日本一幸せな本屋だなと思う。

「春夏秋冬本屋です」/「BOOKEXPO」/大阪・ブックスふかだ代表取締役・深田健治

11月7日(水)に大阪で「BOOKEXPO2018」が開催される。中小の書店にとって普段なかなか会えない版元の営業担当と直接商談できる機会を作ってくれる素晴らしいイベントだ。年末年始に向けて書店がこれと思うものを仕入れることでより積極的な販売ができる。私もこの日は毎年ほぼ1日がかりでかなりのブースを回り、あれこれと仕入れをしている。
そして、私たち近畿の6書店で作っているグループ「本屋の村」は、「らくほんZ」を紹介するために、今年も第三商材のブースに出展します。「らくほんZ」は、すでに発表してから20年になるPOSレジ。外商、商品管理を組み合わせた書店の業務ソフト「楽樂ほんやさん」の最新バージョンで、軽減税率にも対応している。
ここ数年、「BOOKEXPO」に出展しているが、ソフトの紹介というよりも、毎年、ユーザーの書店さんと会うのが楽しみなのだ。「楽樂ほんやさん」を使ってまだ元気でやってますよ、という顔を見せていただくことが何よりも嬉しい。普段はメールくらいでしかやり取りできないが、この機会に情報交換もできてお互いに力づけられる。そしてまだもう少し頑張ってみようかなと毎年確認しているようなものだ。
今年も交代でメンバーがブースにいますので、ぜひ立ち寄って下さい。終了後に懇親会も予定しています。よかったら参加してください。

紙面で組合活動を全国に紹介/広報のあり方をグループ討議/全国広報委員会議

日書連広報委員会は9月17日、東京・千代田区の文化産業信用組合会議室で全国広報委員会議を開き、日書連本部、日書連広報委員会、各都道府県組合広報委員、本紙編集部の総勢24名が出席。「各都道府県組合の広報活動のあり方」をメインテーマにグループ討議と全体討議を行った。また、優秀広報委員として神奈川組合の山本雅之広報委員、京都組合の若林久嗣広報委員を表彰した。
会議は木野村匡委員の司会で進行し、冒頭で吉田徳一郎委員があいさつ。「各地域の組合員書店に日書連の活動を伝えることは非常に重要。そして各地域の皆さんが、地元組合がこういう方針で活動しているのだということを日書連に上げ、書店新聞で全国に情報を流して皆で共有する。それによって課題に対するアイデアを出し、一緒に行動するということが組合にとっては大切なことだと思う。この会でいろいろな提案や意見をいただき、議論した内容を持ち帰っていただきたい」と述べた。
日書連・舩坂良雄会長はあいさつで、書店経営の厳しい状況に言及し、業界3者による「書店環境改善実務者会議」を開き書店の粗利益獲得30%以上を実現するための方策を協議していると説明。また広報活動について、「書店新聞によって組合の情報が各地の書店に届けられ、広報活動に携わる皆さんはかけはしになっている。地域の書店がどういうことを望んでいるのかが全国に伝わるよう、今後とも発信していただきたい」と協力を呼びかけた。
会議では、「各都道府県組合の広報活動のあり方」をメインテーマに、日書連と各都道府県組合・加盟書店をつなぐ広報活動・情報伝達の方法や今後取り上げるべき課題、各組合独自の広報紙の発行、SNSやホームページ(HP)の活用などについて、4グループに分かれて議論。続いて各グループ代表者が意見発表する討議を行った。
発表では、日書連と各組合・書店をつなぐ情報伝達の方法として、書店新聞への投稿を通じて自組合の活動を知らせることを主体としているとの報告が多く上がった。また、独自に広報紙を発行している東京、大阪、京都、愛知、福岡各組合が発行状況を報告。組合の財政難や広告収入の減少、寄稿数の低下を問題として挙げた。広報紙を発行していない組合からは、制作にかかる費用や、編集をできる人がいないとの問題が指摘され、福岡組合から、新聞の体裁で紙面が作れるフリーソフトを利用しているとの紹介があった。
各書店に伝える情報については、「過去に地震や台風などの自然災害に遭った書店の対応例などの情報を、今後の参考として紙面で流してほしい」との発言があった。また、書店新聞は主要出版社・取次が購読しており、「自県の書店の活動を紙面でアピールし、出版社や取次に印象付けたい」との意見も出た。
HPやSNSなどインターネットの活用については、HPを開設していても休眠状態であったり、各書店での活用状況にも差があるなど、組合員への情報伝達は現状はFAXがベターだという報告も多く、「これからの時代に必要なことであり、若い人たちの意見を聞いて活用を拡げていくべき」との指摘があった。
会議をまとめて吉田委員は、書店新聞の一層の活用を呼びかけ、「滋賀組合は昨年、大河ドラマに関連してフェアを開催したが、きっかけは長野組合が『真田丸かるた』を作ったという書店新聞の報道だ。今年は鹿児島組合で『西郷どん』の検定を実施している。新聞で読んだ他の組合の事業から、自分の組合の取り組みを考えてみるのも1つの方法だ」と話した。
最後に塩川明人委員の閉会の辞で会議を終了した。
〔出席者〕
▽日書連本部=舩坂良雄会長▽日書連広報委員会=小林洋委員、木野村匡委員、塩川明人委員、吉田徳一郎委員、森松正一委員、二階堂衞司委員▽各都道府県組合広報委員=佐々木栄之(宮城)水野兼太郎(埼玉)山本雅之(神奈川)渡部満(東京)佐塚慎己(静岡)近藤五三六(愛知)酒井久和(新潟)唐澤宏彰(長野)清水祥三(福井)東正治(大阪)若林久嗣(京都)安井唯善(兵庫)井澤尚之(鳥取)大隈智昭(大分)宮﨑容一(熊本)▽全国書店新聞編集部=白石隆史、土屋和彦

8月期販売額5・2%減/雑誌は12・8%の大幅マイナス/出版科研調べ

出版科学研究所調べの8月期書籍雑誌推定販売金額(本体価格)は前年同月比5・2%減だった。
部門別では書籍が同3・3%の増加。返品数の減少でプラスになった。雑誌は同12・8%減と大幅な落ち込みに。雑誌の内訳は、月刊誌が同13・1%減、週刊誌が同11・7%減。月刊誌は、前年にビッグタイトルが多かったムックの減少が大きく影響した。
返品率は書籍が同2・0ポイント減の40・2%、雑誌が同0・7ポイント増の45・1%。雑誌の内訳は月刊誌が同0・4ポイント増の45・7%、週刊誌が同2・6ポイント増の42・4%。書籍の返品減は、7月の西日本豪雨による交通網の混乱等で輸送遅延が8月期も続き、返品商品の到着が遅れた影響が出ている。
書店店頭の売上は、書籍がほぼ前年並み。一般・教養書が約8%増、ビジネス書が約2%増と好調だった。雑誌は、定期誌が約6%減、ムックが約7%減、コミックスが約1%増。コミックスは6月から3ヵ月連続で刊行している『SLAMDUNK新装再編版』(集英社)など底上げする作品が多く、プラスになった。

日書連のうごき

9月3日書店環境改善実務者会議に面屋副会長、春井、中島両理事、東京組合矢幡常務理事が出席。定期会計監査。
9月5日JPO運営幹事会に事務局が出席。出版サロン会に舩坂会長が出席。
9月11日JPO理事会に藤原副会長が出席。出版平和堂実行委員会に事務局が出席。
9月12日出版倫理協議会に事務局が出席。雑誌コード管理委員会に柴﨑副会長が出席。
9月13日JPO運営委員会に事務局が出席。
9月18日学校図書館整備推進会議運営委員会に西村副会長が出席。全国中小小売商連絡会に事務局が出席。書店大商談会実行委員会に舩坂会長が出席。
9月19日常設委員会。全国広報委員会議。聖教新聞社書店説明会に舩坂会長が出席。
9月20日臨時総会、定例理事会。公取協臨時総会、定例理事会。図書コード管理委員会に藤原副会長、志賀理事が出席。
9月25日千葉県書店商業組合総会に事務局が出席。
9月26日文化産業信用組合理事会に舩坂会長が出席。日本図書普及取締役会に舩坂会長、鈴木、藤原、面屋、西村各副会長が出席。

「本屋さんアプリ」活用し集客の実証実験/JPO

日本出版インフラセンター(JPO)の次世代販促基盤研究委員会は、「書店員が〝今〟読んでほしい文庫8選フェア」と題した実証実験を10月3日から11月30日まで実施している。
同委員会は、出版コンテンツのプロモーションに関し、各社共通で取り組める領域がないかを検討し、プロモーションコンテンツ配信用の業界プラットフォームの必要性に関して研究を進めている。今回の取り組みは、集英社が提供するスマホアプリ「本屋さんアプリ」について、集客や店頭活性化につながる業界プラットフォームとしての適用の可能性を検討するため、実験的に同アプリを活用したフェアを実施するもの。参加書店は紀伊國屋書店、三省堂書店、丸善ジュンク堂書店、有隣堂のビーコン(小型の電波発信機)を設置している約2百店舗。
フェアは、委員会に参加する出版社8社の文庫から、実施書店の書店員が投票で選定した8点が対象。期間中に読者が店頭で「本屋さんアプリ」にアクセスし、対象作品の中から気に入った作品に投票すると、抽選で図書カードネットギフトをプレゼントする。

うさぎやVSブックエース/テキスト定期購読獲得で対抗戦/NHK出版

NHK出版は、春に実施している「NHKテキスト定期購読獲得コンクール」に合わせ、うさぎや(宇都宮市)とブックエース(水戸市)による企業対抗戦を開催。その表彰式が10月5日に東京・渋谷区のNHK出版で行われた。
この企業対抗戦は初の試みで、「定期購読獲得コンクール」の両社の昨年実績合計ポイントを基準とし、今年度の獲得ポイントとの伸長ポイント数合計で総合優勝を確定する。うさぎやが15店、ブックエースが26店が参加し、うさぎやが伸長率155・8%で優勝、ブックエースが同122・9%で敢闘賞を受けた。店舗順位表彰では各店の獲得ポイント数上位順で優勝、準優勝、3位、4位~10位までを表彰。1位はうさぎや栃木城内店となった。
表彰式には両社の本部担当者や入賞店が出席し、NHK出版の森永公紀社長から、うさぎやTSUTAYA事業本部の髙田直樹副本部長、ブックエースBOOK商品部の清宮慎太郎部長に賞を授与。森永社長は「大事なお客様を多く獲得していただいたことに心から感謝を申し上げる。我々も良いテキストを作り、NHKの情報番組の中でも取り上げて、売上が伸びるよう努力したい」と述べた。

トーハン、「新春の会」を中止

トーハンは、2019年1月の「新春の会」の開催を中止すると発表した。
「新春の会」は例年東京と大阪の2会場で開催していたが、「今般、出版業界をとりまく諸般の事情に鑑み、従来と同じ形での催行は適切ではないとの結論に至った」とし、両会場とも開催を見送ることにした。

書籍新刊発送拠点を和光市に移転/トーハン、来年5月稼働

トーハンは、東京・新宿区の本社にある書籍新刊発送拠点を、埼玉県和光市の「SGリアルティ和光」に移転する。業務開始は2019年5月7日を予定。
「SGリアルティ和光」は、SGリアルティ㈱が今年3月に竣工した最先端の大型物流施設。今回の移転は、現本社で建物竣工以来続けてきた書籍新刊物流を約半世紀ぶりに移転するもの。トーハンは、新拠点を「トーハン和光センター」(仮称)とし、出版物流ネットワークの安定化に向けた新たなハブ拠点と位置づけ、物流機能の改善と強化をより一層推進していく。移転を予定する業務は、書籍新刊発送業務、輸送仕分け・輸送引渡しと、関連する各種業務。5階建ての3階ワンフロアを借り、業務を集約・運用することで効率性の向上を図る。

児童書分科会に415名が来場/第9回書店大商談会

第9回書店大商談会「児童書分科会」が10月1日に東京・千代田区の一橋大学一橋講堂中会議室で開催された。
児童書分科会は、クリスマス・年末年始商戦に向けた商品の受注にあわせ、来年2月6日開催の「書店大商談会」本会と分けて初めて開催されたもの。分科会には、児童書出版社56社・56ブースが出展し、書店170名など総勢415名が来場。成立した商談は613件、金額は1545万5591円となった。

213社224ブースが出展/第9回書店大商談会出展社説明会を開催

第9回「書店大商談会」(主催=「書店大商談会」実行委員会)の出展社説明会が10月12日、東京・新宿区の四谷区民ホールで開催された。
書店大商談会は2019年2月6日(水)午前11時~午後5時半、東京・文京区の東京ドーム「プリズムホール」で開催。今回の出展は213社224ブース。来場書店人数1千名、商談成立金額1億円(本体価格)を目標とする。
書店への事前周知・集客手段として、11月上旬から開催直前まで、案内チラシ数種類を首都圏書店に限らず広く配布。12月下旬~1月上旬に出展社の情報を掲載したパンフレットを書店に配布する。フェイスブックやツイッターを使い、イベントやサイン会情報、各出展社の特典情報や取扱い商品などの情報を発信していく。出展社には、おすすめ既刊本のPRや、この商談会のみの特別セット、作家やタレント等の著名人によるサイン会等の実施を要請。書店の来場・仕入を促進するため、購入額の5~10%を還元する「キャッシュバック券」の配布についても実施を依頼した。
説明会の冒頭、矢幡秀治実行委員長(真光書店)は、「我々が始めた商談会が全国に広がり、他の地区でも秋の開催が多くなったことなどから2月に開催日を移行した。10月1日開催の児童書分科会は、台風の通過後で交通の便が悪かったが、多くの方に参加いただき盛況だった。2月への移行にあたり我々も今まで以上に書店が来場するよう努力する。今回もいろいろな商材のご提供をお願いする」とあいさつ。
閉会にあたりあいさつした日書連の舩坂良雄会長は「商談会は書店にとって、地域の読者に合った商品構成を行うために出版社と話ができる貴重な場だ。多くの書店に来ていただけるよう、出版社からもお声掛けをお願いする」と述べた。

生活実用書・注目的新刊/遊友出版・斎藤一郎

書店の料理書コーナーではサバ缶関連が大人気だが、ヘルシーな食材として併売したいテーマは鶏むね肉であろう。
市瀬悦子著『鶏むね肉100レシピ』(学研プラス780円)は、鶏むね肉だけに特化したレシピをふんだんに紹介。
トップ5の1位は洋食屋さんのチキンカツで、から揚げ、オイスター甘酢炒めと続き、ゆで鶏に生姜、大蒜に醤油、黒酢やごま油、ラー油、砂糖、花椒、粉唐辛子、刻んだピーナツ、などで作ったタレをザブザブとかけるよだれ鶏。5位は鶏しゃぶの香味みぞれ和え。パサつくという声も多いむね肉だが、選び方と下ごしらえから切り方、粉の使い方など、パサつかずに食べられる調理法を詳しく伝授する。全カラーの大判で見やすい。
検見崎聡美著『サラダチキン鶏むね肉の絶品おつまみ』(青春新書1000円)はウチ呑みの肴にふさわしいレシピ。
前半は市販のサラダチキンを使ったメニューで、かけるだけ、のせるだけの簡単調理である。たとえば、サラダチキンを細く裂いて明太子和えや辛子じょうゆ和え。トースターでねぎ味噌焼き、チーズ焼き、小鍋で鶏すきなど全カラーで紹介。
低脂肪、低カロリーで高タンパク、お手頃価格の人気食材なのである。

移転

◇トーハン・仕入計算グループ、販売計算グループ
10月29日に左記の場所に移転し業務を開始した。
住所=〒174―0043東京都板橋区坂下2―4―1トーハン板橋センター4階
仕入計算グループ=℡03―5392―5812
販売計算グループ=℡03―5392―5814
FAX03―3967―7665(共通)