全国書店新聞
             

平成16年5月1日号

S-DBの運用開始/業界共通の書店ID付与

日書連はIT推進事業インフラ整備のため、共有書店マスタ・ユーザー会と協業して「書店データベース」(S‐DB)の整備と普及促進を開始する。
日書連とユーザー会(加盟150社、代表世話人=筑摩書房・田中達治取締役)は昨年4月に協業化を基本合意しており、このほど覚書を交換して両者の役割分担を明確化した。
同データベースは、日本国内の書店を対象に住所、書店名、電話で構成。ネットワーク上で書店を特定するため書店IDコードを設ける。これにより業界共通の効率的なシステム運用が可能になる。
今後、運営事務局は日書連内に設置し、データベースのシステム運用、処理はユーザ会、販売営業は日書連が行う。ユーザ会は当面300社加盟を目指しており、向こう1年間、入会金15万円を10万円にサービスする。

静山社に再考求める/ハリポタの買切り普通正味

東京国際ブックフェアの初日にあたる22日午後1時から、日書連4月理事会が江東区の東京ビッグサイトで開かれた。理事会では流通改善問題で9月に発売される「ハリー・ポッター」第5巻の販売条件が4巻同様、「買切り、普通正味」と発表されたことで批判と不満の声があがり、再度、同社側に販売条件の見直しを申し入れる方針を確認した。ハリー・ポッター・シリーズ第5巻『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』の販売条件について、流通改善委員会藤原委員長は静山社ならびに同社の営業を代行するブックストラテジーサービス豊田社長との間で行った交渉の経緯を報告。
3月11日に藤原委員長、柴崎副委員長で豊田社長に会い、静山社に①全国統一発売、②注文部数の満数配本、③買切りなら正味下げを申し入れた。
豊田社長は4月7日に静山社木村マネージャーとともに書店会館を訪れ、初版のみ5%の返品を許容するという案を示した。
4月20日には静山社側が確認事項として、①沖縄の発売日は、全国一斉で統一します、②第5巻は第4巻と同じく全品買切りとします。従って配本数の少ない書店にも発売日には届くようにします、③第5巻の買切り扱いについて、初版の申込み数を基準に5%の返条をつけます。但し、返品許容期間は9カ月とします、④初版配本時に、配本数に合わせてポリの専用手提袋を全品に付けます――とする文書を提示した。
21日に開かれた委員会では「初版のみ5%の返品条件では無意味」「取次を利するだけだ」「あくまで買切り低正味を求めたい」などの声が上がったという。
委員長の報告を受けた理事会でも「静山社は取次の言いなりではないか」「正副会長で静山社松岡社長に直談判しては」「買切り商品なのに委託と同じ販売条件では納得できない」「アメリカは書店卸し53%、歩戻しがつけば49%の正味。先払いするから買切り直送で正味を下げられないか」などの意見が続出した。
これを受けて藤原委員長は「手ぬるいというのが皆さんの意見なので、もう一度静山社と交渉したい」と述べ、理事会の結論をまとめた。

東京BF入場者微増/来年は7月上旬開催に変更

東京国際ブックフェア2004が4月22日から25日の4日間、東京ビッグサイトで開かれた。第11回目となる今年の催しには、世界25の国と地域から600社が出展し、過去最大規模。
初日のテープカットには常陸宮殿下、妃殿下はじめ主催各団体、各国代表が勢揃い。書協朝倉理事長は「全国の書店、読者、図書館関係者らが楽しみに訪れる場として、年々出展者、来場者が増えている。商談、著作権取引、読書推進、業界活性化に成果があがることを期待している」とあいさつした。
24日、25日の土日は一般公開日となり、行楽を兼ねた家族連れや新刊を求める読者で大賑わい。4日間の総入場者数は、昨年を若干上回る5万5千人。
日書連はサン・ジョルディの日実行委員会としてバーゲンブックを担当。260万円を販売したほか、22日には隣接する会議室で4月理事会を開催した。この理事会で来年の東京ブックフェアが7月7日から10日までに変更されることが報告された。理事会では「4月23日のサン・ジョルディの日=世界本の日との関係が弱くなる」「7月開催の意味づけを明確にしてほしい」などの声が上がった。

日教販、合併を断念/大藤社長が萬田会長に説明

日教販と図書館流通センターの合併に日書連は反対声明を発表していたが、4月22日、日教販大藤耕治社長が日書連萬田会長に電話連絡をとり、図書館流センターとの合併を断念すると伝えた。複数の有力書店にも同じ意向を伝えている。
22日午後行われた日書連4月理事会で萬田会長から報告があったもので、萬田会長は「凍結でなく断念」であることを確認し、大藤社長は「従来通りのお取引をお願いする」という話だったという。
萬田会長は「3月24日に正副会長が集まる機会があり、タイミングよく反対声明を発表できたことが今回の断念につながったのではないか」と指摘。会場から安堵の拍手があがった。
日教販の発表を受けて、取協小林会長は23日、「当協会としての声明の必要性を検討し、会員社はそれぞれ合併には反対であったが団体としての声明には賛否両論があり、結果、表明には至らなかった。協会としては今後とも秩序ある円滑な出版流通の維持・発展と、お取引先や読者の利便性追求に貢献していきたいと考えている」などと会長談話を発表した。

通常総会で定款変更へ/HPにポイント制見解掲載/4月理事会

〔組織強化〕
「中小企業団体の組織に関する法律」の改正に伴い見直しを行ってきた日書連定款改正は経済産業省、全国中央会のヒアリングを終え、5月の日書連通常総会で承認を求める。
〔指導教育〕
東京組合が昨年暮れから実施した万引き防止キャンペーンについて丸岡委員長が報告。宮城組合でも県警の後援でポスターを作製、組合員に配布したことが報告になった。
青少年不健全図書の対策では都条例改正で有害指定図書は書店に包装義務が、成年向け表示図書は出版社に包装義務が課されることになったとし、CVS協会の要請も受けて、雑協がパック化を検討していることを紹介した。
〔流通改善〕
「週刊朝日」「サンデー毎日」の発売日問題をめぐり雑誌発売日本部委員会が3月4日付で朝日新聞、毎日新聞にキオスク、即売が1日早く販売している現状と、理解を求める文書を送付したことが報告された。
〔再販〕
「ポイントカードは値引き」とする出版再販研究委員会の見解を書協、雑協、取協、日書連の各ホームページに掲載した。今後、違反店には取引停止、訴訟も念頭においた対応を検討していく。
〔情報化〕
志賀委員長が日書連マークについて報告。書誌情報を掲載した「司書ツール」について各県組合に50枚ずつ配布するので役立ててほしいと説明した。
〔スタートアップ〕
書店データベースについて井門委員長は「書店固有IDを利用することでインフラが整備される」と役割を強調した。

共済会給付

(16・3・23~16・4・21)▼病気傷害旭川市3条通8丁目右2旭川冨貴堂
志賀玲子殿10口
江戸川区上篠崎2―7―18藤書店佐藤有宏殿2口
名張市桔梗が丘3―3―3川口書店桔梗が丘店川口力殿2口
右京区竜安寺西ノ川町3
さくら書房時田量夫殿2口
▼死亡弔慰土浦市中央1―12―2白石書店白石■巳殿13口
成田市中台6―1―6中台書房高野正次殿2口
大田区東雪谷2―24―12
石川台書店井上和男殿
▼配偶者死亡(松村和子)大田区北馬込2―3―7松村文川堂書店松村孝也殿2口
▼全焼郡山市麓山1―6―11高島書房高島季雄殿1口3百万円
▼その他被災世田谷区用賀2―30―1BooksDon岡英雄殿10口10万円
鹿島郡神栖町1―4―33マルエス神栖店小林智殿10口9万3千円
綾瀬市早川3211国分寺書店笠間茂治殿1口5万円

3月は99.5%の伸びに/雑誌は2ヵ月連続でプラス

日販経営相談センター調べの3月期書店売上げは前年同月比99・5%となり、4カ月ぶりの前年割れ。日曜日の1日減が響いた。しかし、売上げの減少率より客単価の落ち込みの方が大きくなっており、客数そのものは増加していると見られる。
ジャンル別では、雑誌、コミック、文芸書、文庫、新書、その他の5部門がプラスだが、1ケタ台前半の低い伸び。雑誌は0・4%の伸びながら、2カ月連続でプラスになったのは98年4月以来、約6年ぶり。
コミックは15カ月連続の前年クリアで、『NANA』(集英社)、『鋼の錬金術師』(スクウェアエニックス)などの最新作が好調。
文芸書は芥川賞2作の好調で2カ月連続2ケタの伸びだったが、3月は2・8%の伸びにとどまり、勢いが止まってきた。

洋書流通で交流図る/海外出版社招きセールス会議/洋販

日本の書店業界と海外出版社の交流を深めようと日本洋書販売㈱は4月20日、21日の両日、北青山のテピアホールでセールス・コンフェレンスを開催。21日は海外出版社と国内書店によるパネルディスカッション「日本の書籍流通の未来に向けて洋書流通からの提案」が行われた。
討論会は元大妻女子大学教授・金平聖之助氏の司会により、アメリカの取次イングラム、英国とオランダの出版社から各1名と、日本からNET21・田中淳一郎氏、流水書房・米山淳一氏が議論に加わった。
司会の金平氏が「海外から日本市場への参入に障害はあるか」という質問に、アジアを6年間担当しているパン・マクミラン(英国)のダニエル・ワッツ氏は、①シンガポール、香港、インドネシアと異なり、英国のベストセラーがすぐベストセラーにならない、②輸送費がかさみ日本の洋書は割高、③アウトレットがなく、書店でしか販売できない――などを指摘。英国では伝統的書店で買う層は5%に過ぎず、このマーケットは急速に縮小しているとした。
イングラムのスコット・ハットフィル氏は、「100万タイトル以上の在庫がわかるデータベースがあり、日本へも7日以内に届けられるシステムがあるが、英語ができなければ使えない。どの書店が洋書に興味を持っているかも見えない」と、日本におけるパートナーの必要性を述べ、洋販との結びつきを強化する考えを説明した。
また、オランダの出版社ぺピン・プレスのぺピン・バン・ルーフェン社長は「われわれの本はデザイン、建築、写真、ファッションに特化しているので言語には関係ないが、日本市場では日本語を使わなければビジネスできない。そのためのエージェンシーを確保しなければいけない。にもかかわらず1万部出た本もある」などと述べた。
これに対して田中氏は「洋書を置いている書店は1割もいない」、米山氏は「和書が売れない現在は洋書を売るチャンス。地方の小型書店にも販路を広げるため、駐在員を置くとか、報奨を出すとかの工夫を」と問題提起。海外出版社側は「著者を連れてくるなど大胆なプロモーションを考えている。タイトルを幅広く揃えてほしい。展示は表紙出しを」などと提案したほか、会場の出席者からの質問にも答え、交流を深めた。

読書推進に、商談に熱気あふれる/東京国際ブックフェア2004

新緑が輝く季節、4月22日から4日間にわたって東京ビッグサイトで開催された東京国際ブックフェア。サン・ジョルディの日実行委員会のバーゲン本販売、洋書バーゲン、各出版社ブースでの割引販売が多くの読者で賑わいを見せた。また、仕入れ商談会のために来会する書店人の姿も目立った。同時開催のデジタルパブリッシングフェアでは、アドビシステムズ、ボイジャー、パブリッシングリンクなど電子書籍端末関連のブースが注目を集めた。

1万5千冊を福祉販売/好天に恵まれ多数の市民が来場/サン・ジョルディフェスティバル名古屋

「サン・ジョルディフェスティバル名古屋2004」が4月17日、18日の両日、名古屋市東区のOASIS21・銀河の広場で開催。第19回となる今年も本の販売と花の即売を中心に、多彩なイベントが行われた。2日間とも晴天に恵まれ、来場者数は3万5千人にのぼった。
愛知県書店商業組合はイベントの目玉となっている本のチャリティーバザーを実施。読者から家庭にある読み終えた本を寄贈してもらい、定価の1割以上で販売するもので、売上金全額を中日新聞社会事業団を通じて各種福祉事業・施設などに寄付する。文庫、新書、コミック、実用書、文芸書、全集、辞典など約1万5000冊を陳列し、売上は67万958円だった。
このほか会場では「おはなしひろば」コーナーで絵本の読み聞かせが行われ、多くの親子連れがつめかけた。花のチャリティ販売やフラワーアレンジメント教室も人気を集めた。また、似合うと思う本と花を選んで応募してもらう「第4回本と花のベストカップル」を実施。今回は「愛を伝える本と花」をテーマに行われ、1138点の応募の中から『サヨナライツカ』(辻仁成著)と真っ赤なバラの組み合わせを最優秀作に選出。18日午後に発表を行った。
17日午前11時からメインステージで行われたオープニングセレモニーでは、日本カタルーニャ友好親善協会・西川俊男理事長、愛知県書店商業組合・高須博久理事長、中日新聞社・鈴木輝剛事業部長があいさつ。フラメンコグループのダンサーから各氏に花束が贈呈された。
メインステージではこのほか読み語り、フラメンコショーやライブショー、「すてきなお花の贈り方アドバイス」などが両日にわたり行われ、来場者を楽しませた。

75誌でキャンペーン/雑誌月間

雑協、取協、日書連が共催する雑誌愛読月間特別企画「定期購読キャンペーン」の参加誌が決定した(4面に企画の概要と申込書を掲載)。対象雑誌は4面に掲載している雑誌と、京阪神エルマガジン社の「MeetRegional」「SAVVY」の計75誌となっている。申し込みは取引取次担当者まで。

読みきかせらいぶらりい/JPIC読書アドバイザー・高木知子

◇2歳から/『ぱっくんぞうさん』/さくらともこ=文/ひろかわさえこ=絵/講談社850円/2003・11
小さなぞうくんが大きくなろうといっぱい食べるたび「ぽぽ、ぽぽ、ぷっ」とかわいいうんちくんが出てきて「うんちゃんちゃちゃちゃうんちゃちゃちゃ」と笑顔で踊ります。リズミカルに声に出して読みきかせると、絵がいきいき動き出して子どもの心も一緒に踊りはじめます。
◇4歳から/『ゆっくりがいっぱい!』/エリック・カール=作/くどうなおこ=訳/偕成社1200円/2003・9
エリック・カールが南米ジャングルの動物たちを描きました。かわいいなまけものくんや珍しい動物たちは色彩がきれいでインパクトがあり子どもの目は釘付け!忙しい現代社会、なまけものくんと一緒にのんびりした世界に親子で浸ってみたい。裏表紙の作者メッセージもお見逃しなく!
◇小学校低学年向き/『おれはティラノサウルスだ』/宮西達也=作・絵/ポプラ社1200円/2004・1
父から勇気を母から優しさを学んだプテラノドンの子の巣立ちと成長の物語。プテラノドンの子は怪我で目が見えない天敵ティラノサウルスを「おれはティラノサウルスだ」と偽って看病します。やがて友情が芽生え…。突然の別れで伝えられない互いの思いに胸がたまらなく熱くなります。

全国205書店で読み聞かせ会/日販

日販は、4月23日から5月12日までの「こどもの読書週間」に合わせ、全国205書店で読み聞かせキャンペーンを展開している。
このキャンペーンは、読み聞かせ会を継続開催している取引書店に呼びかけて実施しているもので、2001年秋から毎年春・秋の読書週間に展開。日販が推進する「おはなしマラソン」をきっかけに読み聞かせ会をスタートした書店を中心に、毎年参加店数が伸びている。今回の参加書店には支援キットとして店頭告知用ポスター、子どもへのおみやげ(自由帳)、保護者向けの読み聞かせガイドブック、スタンプラリーカードなどを提供する。

ふるさとネットワーク・近畿ブロック編

〔滋賀〕
滋賀県では昨年4月、琵琶湖の生態系保全などを目的に「レジャー利用適正化条例」が施行されました。この条例では、琵琶湖の固有種を食べる外来魚を釣り上げた後の再放流を禁止しています。この条例の成果がどうかまだわかりませんが、ここ数ヶ月ニゴロブナの漁獲量が若干増えているそうです。
ニゴロブナを原材料とする鮒鮓は、湖国の味の代表格として喧伝されていますが、あの特有の臭いと酸味の故、地元でも結構苦手な人も多いようです。ニゴロブナの漁獲量回復の兆しは、鮒鮓の生産業者や愛好家には悦ばしいことでしょうが、この条例による釣り客減少のため、県南部の釣具店のここ1年の売上は前年比の半分近くになったそうで、人間社会の棲み分けもなかなか難しいようです。
鮒ずしや
彦根の城に雲かかる蕪村
(石岡英明広報委員)

〔大阪〕
大阪市西成区でいま遊郭跡建築の「飛田百番」が話題になっています。文化庁の登録有形文化財にも指定されていて、今年発行された『飛田百番』(創元社刊)も売れ行き好調です。今は建築物をそのままに料理屋として毎夜にぎわっています。
「百番」(現在は鯛よし百番)の創業者の木下勝義氏(故人・現在経営は奥様の昌子様)とは少し親交がありまして、生前将棋などしたことがあります。とても強くて角落ちでも歯が立たなかったのを覚えております。料理屋「百番」は、「なべ料理」がリーズナブルなお値段ですが、なべの湯気が建物の傷みを早くしていると聞けば痛し痒しのところです。利用されるときは「梁川書店で聞いた」と言うと、仲居さんの機嫌がよければビールの1本もサービスしてくれる、かもしれません。(坂口昇広報委員)

〔京都〕
京都の中心部のほど近くにある二条城は、昨年築城400年を迎えました。江戸幕府開府の前年西暦1602年に徳川家康が築城を命じ、その翌年完成しました。その時には天守閣はなく、造営は後の3代将軍家光公の時に完成、狩野探幽が豪華絢爛な襖絵を描き、徳川一族の安泰と隆盛をあらわした。現在二条城には天守閣はありませんが、これは大地震(1662年)、落雷(1750年)、市内の大火による延焼(天明の大火、1788年)などにより被災したためで、戦乱の時代の城というよりも、武家の棟梁の壮大な居館・庭園という趣きが強く、丘陵に建てられた城にない、明るい印象を市民に与えています。二条城は、1994年には世界文化遺産に登録され、全国いや世界中から多くの観光客・修学旅行生で賑わっています。
(棚橋良和広報委員)

〔奈良〕
奈良県内に11箇所の「道の駅」があります。ドライブをしていても気軽に利用ができます。その中でも奈良市内から約2時間半、奈良で一番空に近い道と言ってしまうと大げさですが、「道の駅吉野路大塔」が、奈良県南部に位置する大塔村にあります。そこから右に十津川を見下して南へ行くと、鉄線橋では日本一の「谷瀬の吊り橋」に到着です。長さ297m、川面から50mの高さがあり橋の揺れを全身で受けるのもスリル満点。下を見ると吸い込まれそうになる高さで、すばらしい眺めです。そこからまた南へいくと「道の駅十津川郷」です。日本一面積の広い村、十津川村です。十津川郷の玄関前に湯泉地温泉(とうせんじ)のお湯をひいた場所があり、ドライブの途中の一休みができ、緑の中での温泉気分を楽しんではどうでしょうか。(森谷勝則広報委員)

〔和歌山〕
今年6月、世界遺産に登録を予定されている「高野山」へは、車で1時間の所に住んでいる。そして、我が家の近くには「高野七口」と呼ばれる街道群のうちの「西口」があり、大和街道の高野辻より西国街道(麻生津街道)に入り、麻生津峠、梨の木峠、花坂を経て、町石道、そして大門口へと続く。その麻生津には「茶屋町」があり、ここは江戸時代より高野山参詣者の人々で賑わった場所で、その東の端には「右高野山大門へ五里」の石標が立っている。また、そこより急坂を登っていくと、赤沼田という所には大師様によって掘られた「大師の井戸」もある。
高野山へお参りするのは車が常だが、徒歩で行った多くの先人への想いはいつも心のどこかで燠火となって、いつかこの「信仰の道」をたどり「心の旅」としてみたいと想っている。(堀康雄広報委員)

〔兵庫〕
京阪神で生活をする我々は、冬にはカニを、夏には海水浴に、或いは古き良き町並みでゆったりと温泉に浸かりにと北を目指す時、つい遠回りをしても立ち寄ってしまう町がある。兵庫県の北東部、但馬地方の東部内陸に位置する出石町である。古くは「古事記」「日本書記」にも名前の見える歴史のある町である。名所には但馬開発の祖神“天日槍”(あめのひぼこ)と八種の宝が祭られた出石神社をはじめ、藩士の登城の時間、辰の刻(午前8時)を告げる太鼓を打ち鳴らしていた見張り櫓で、形が鼓に似ていたことから名付けられた辰鼓楼などがある。
しかしこの街へ何度も足を運ばせてしまう原因は、卵をまるまる1個落として食べる出石の皿そばにある。1年に何回か無性に食べたくなるのである。そばの追加はお早めに…。(中島良太広報委員)

トーハン機構改革と人事異動

(4月13日付)
〔機構改革〕〈本部・部・室〉
1、SCM推進本部を新設する。
・SCM推進部を新設し、同本部に置く。また、ロジスティックス部を廃止し、桶川計画推進室をSCM推進部に移管する。
・書籍営業部を書籍部に、雑誌営業部を雑誌部に、コミック営業部をコミック部に、それぞれ改称し、同本部に置く。
SCM推進本部管轄部門は、SCM推進部、情報システム部、事務管理センター、書籍部、雑誌部、コミック部とする。
2、営業本部を次の通りとする。
・CRM営業推進部を廃止する。
・書籍MD部と開発営業部を新設し、同本部に置く。また、書店経営推進部を取引部に、マルチメディア営業部を商品開発部に、各支社を各営業部に、それぞれ改称し、同本部に置く。
営業本部管轄部門は、書籍MD部、図書館営業部、商品開発部、本社営業センター、開発営業部、取引部、EC事業部、CS営業部、東部営業部、首都圏営業部、中部営業部、名古屋営業部、近畿営業部、中国四国営業部、九州営業部、特販第一部、特販第二部、特販第三部、特販第四部、海外事業部とする。
3、情報システム部の情報戦略室を廃止する。
4、首都圏営業部に、首都圏CS営業部を新設する。
〔人事異動〕〈部長・ゼネラルマネジャー・シニアマネジャー〉
(GM…ゼネラルマネジャー、SM…シニアマネジャー、M…マネジャー)
桶川計画推進室GM兼任(商品整理部長)
池田政夫
書籍部長(書籍営業部長)野村博信
書籍MD部長(名古屋支社M〔名古屋支社グループ〕)貝沼保則
図書館営業部GM(図書館営業部長)関川立男
解・休職、命・商品開発部長(休職〔トーハンメディアホールディングス出向〕)酒井修
開発営業部長(広島支店長)豊田広宣
開発営業部GM(CRM営業推進部GM〔デベロプメントグループ〕)
中村大洋
開発営業部GM〔首都圏営業部担当〕(特販第三部長)宮澤達
解・休職、命・取引部GM(休職〔他社出向〕)
十々木哲夫
CS営業部長兼首都圏CS営業部長(改革推進部M)小野晴輝
首都圏営業部GM(書店経営推進部M〔法務審査グループ〕)鵜澤吉記
特販第二部長(監査室M)石川幸人
特販第三部長(北陸支店長)石川二三久
命・休職〔東販自動車出向〕(特販第二部長)
釼持宗平
命・休職〔他社出向〕(CS営業部長)矢作孝志
命・休職〔他社出向〕(書店経営推進部GM)
小島俊一
SCM推進部SM兼桶川計画推進室SM(ロジスティックス室SM兼桶川計画推進室SM)栃木裕史
情報システム部SM(情報戦略室長)沢田博
雑誌部SM〔雑誌仕入グループ〕(書籍営業部SM〔専門書グループ〕兼総合専門書センター所長)
鶴巻和儀
取引部SM(CRM営業推進部SM〔エリア戦略グループ〕)松原憲仁
九州営業部SM〔九州営業グループ[本社]〕(首都圏支社SM)鈴木林蔵
商品整理部SM(流通管理部SM〔雑誌業務第一グループ〕)片桐巳喜雄
命・休職〔トーハン・コンサルティング出向〕(休職〔他社出向〕)
馬場義巳

角川HD1周年の懇親会開く

昨年4月1日に発足した角川ホールディングスの1周年懇親会が4月16日正午から千代田区丸の内の東京會舘で開かれた。
懇親会で角川歴彦社長は「企業30年説は司馬遼太郎の言葉だが、出版・映画・音楽も業態を革新していかないと滅びる。角川書店が60年を迎えられるのも恐れず変革に取り組んできた証だ。統合という形に教科書はないが、自ら勉強し、模索してきた。1年経過してコンテンツ事業には望ましい形と自負している。戦艦とは言えないが、各社が駆逐艦としてオンリーワンを目指す。これからも支援を」とあいさつ。
角川書店、メディアワークス、SSコミュニケーションズ、角川映画などグループ各社社長を紹介するとともに、新たにグループ入りしたエンターブレイン・浜村、アスキー・小森両社社長が今後の健闘を誓った。

催し

■近代日本の水墨画展
講談社野間記念館は5月29日から7月25日まで夏季展を開催する。横山大観「夜梅」はじめ、川合玉堂、川端龍子、山村耕花など濃淡渇潤の千変万化、五彩を放つ奥深い水墨画のコレクションを展示。同時開催「講談社の絵本原画展」。毎週月曜・火曜休館。入館料大人5百円、中・高・大学生3百円。

人事

(4月1日付、○昇格)
☆岩波書店
販売部副部長兼販売企画課課長(販売企画課課長)○佐々木進三
販売部副部長(販売促進課課長)○阿部博史
☆主婦の友社
販売部部長(販売部部長兼書籍ムック課課長)
藤井孝行
☆双葉社
販売促進部部長(販売促進部副部長)○中村淳

アニメ製作事業に進出/日販

日販は、アニメ製作事業やキャラクターマーチャンダイジング事業を中心に映像コンテンツビジネスを展開する新会社「トライネットエンタテインメント㈱」に出資し経営権を獲得、アニメ製作事業をスタートした。
同社は㈱ビズインターナショナルが今年2月25日に社名変更して設立。日販は、3月16日に増資の要請に応じ経営権を獲得、事業分野を継承していくことになった。すでに商品化権を持っているコンテンツの展開強化を図るとともに、急成長する韓国・中国市場では、韓国のSUNWOOENTERTAINMENTとの業務提携も計画しており、銀行ファンドの活用などビジネススキームの構築を進めていく。

本の学校・春講座/6月14日から3日間

米子市の「本の学校郁文塾」では、6月14日から3日間、「書店人教育・春講座」を開講する。
書店人教育講座は今年で第10回目。春・夏・秋と3回行っており、春講座は書店の棚の基本分野を、仕入れ、展示、演出にわたって徹底的に洗い直し、現場のスキルアップを図る。対象ジャンルは、雑誌、コミック、実用書、児童書、文庫、学習参考書、ビジネス書、パソコン書で、販売会社と出版社の専門担当者が講師を勤める。
またノセ事務所代表の能勢仁氏が「本の歴史」をテーマに講義する。受講料1万5千円、選択受講1講座2千円。
問い合わせは本の学校郁文塾まで。米子市新開2―3―10℡0859―31―5001

本屋のうちそと

「♪春なンのにー♪」いえ、別に切ない恋の花びらがヒラヒラと霞の空から舞い落ちてきた訳ではなくて、JTBのGWフェアの注文書を見ていたら「カレンダー通りで5連休、さらに3日休めば11連休。今年のGWは超大型です」。ウッこの国にはそんなに沢山、休みを頂ける人たちが野に山に街に高速道路にと溢れているのか。
年中無休、盆も正月も大型連休どころか二日連休もママならない弱小書店店主は、もはや人間ではない。業界やら、商店街の慰安旅行のあった頃が懐かしいなァ。
愚痴グチ言ってないで仕事しましょッか!『負け犬の遠吠え』(講談社)。朝日新聞の書評で「自分は種犬どころかドッグフードにすぎないのでは…」いいじゃないですか、食べて頂けるだけ。アタシなんざ「猫またぎ」ならぬ「負け犬またぎ」状態ですから。この『負け犬の…』の隣に何を積むか。やっぱこれでしょ『「勝ち組女」の成功術』(マガジンハウス)。恐いなー「稼ぎの悪い男(つまり僕)は人間に値しない」と言われそうで。
ビジネス書の平台は「億万長者」やら「大富豪」の文字ばっかしだし。「清貧」なんて言葉はどこへいった、文春文庫と、ありゃ棚に入って無いわ。思うに「清貧の思想」が売れた頃って、バブル崩壊とか言いながらまだまだ豊かだったのね。
ここまで不景気が進むと一発逆転大金持ち狙いばかり。「年収300万円時代を生き抜く経済学」と言われても、年収300万円、今時の田舎じゃ高給取りですよ。
(海人)