全国書店新聞
             

平成13年3月14日号

実施250社に増加

「二〇〇一年東京国際ブックフェア」は四月十九日から二十二日まで四日間、江東区・有明の東京ビッグサイトで開かれるが、今年の出版社各社の展示は書店向け商談会を実施する社が昨年の七十社から二百五十社に大幅に増加し、書店向け商談会の性格が一段と色濃くなってきた。
(主な商談会実施内容5面)昨年から始まった商談会は出版社ブースに来訪してくれた書店に対し、各社の新刊書や売れ行き良好書を通常より有利な条件やサービス品提供など、ブックフェア会期中という期間限定の特典付きで積極的に仕入れてもらおうというもの。
商談会を実施するブースは昨年の七十社から、今年は二百五十社と三倍以上の大幅増となった。
この試みは出版業界が推進している流通改善策の一つとしても内外の注目を集めている。
東京ブックフェアを企画運営しているリード・エグジビション・ジャパンがまとめた「仕入情報」によると、各出版社の仕入れ特典は、TIBF特別報償として「一冊百円」「三百円」「七%」「一〇%」「二〇%オフ」などの条件のほか、ノベルティ、テレカ、拡材の提供や、お楽しみ抽選会も。
仕入れ条件やセット内容は会場で相談に応じたいとう社も複数ある。
ブックフェアの会場構成ははメインとなる国際ブックフェアのほか、人文・社会科学書、自然科学書、児童書、学習書・教育ソフト、デジタルパブリッシング、編集制作プロダクションの六つの専門書フェアが行われる。
「世界本の日」を記念したイベントとしては「サン・ジョルディの日」特別ブースとして、本のバーゲンも。
また、日本におけるイタリア年として会場中央に四百平米のイタリア・パビリオンを設置。
イタリア図書、関連書籍が展示され、トークショーや討論会が催される。
このほかの関連催事では、角川書店角川社長による基調講演「21世紀の出版業界はどこへ向かうのか」はじめ、出版流通、著作権取引、デジタル・パブリッシング、書店活性化などの各種セミナーや洋書バーゲン、造本装丁コンクール展などの催しが用意されている。
各種セミナー◇「21世紀の出版業界はどこへ向かうのか」(角川歴彦氏)19日午後1時◇「出版・書店業界再生への手掛かりを求めて−アメリカ出版事情から学べるもの」(賀川洋氏)20日午前10時半◇「アマゾンの目指す『本との新たな出会いの場』」(長谷川純一氏)20日午後1時半◇「中小書店生き残りのためのビジネスモデル−売り場から見える書店の未来」(田中淳一郎氏)20日午後1時半◇フォーラム「児童書の明日を考える」20日午後2時57+18

全国三百書店で販売

「欲しかったあの本・この本を新鮮なまま感動の価格でお届けします」と、二〇〇一年春の謝恩価格本フェアが全国約三百の書店で展開されることになった。
出版業界では平成十年秋の読書週間から春秋の二回、講談社、小学館、角川書店などの有力出版社が期間限定の「謝恩価格本フェア」を実施してきたが、昨年年末から年始にかけては出版社二十五社が参加してフェアを開催。
首都圏の百二十書店で謝恩セールを実施した。
今回のフェアは出版社二十二社が参加。
百三十一点・二百九冊(本体価格合計二十万三千八十五円)をセットにして特別価格で販売する。
実施期間は四月十九日から五月九日まで。
各社の出品は現在、一般市場で流通している書籍で、期間を限定して特別価格で販売する時限再販(4面に出品書名)。
書店店頭での割引の原資として、本体価格の二〇〜三〇%の特別報償スリップを付ける。
出庫条件は通常正味、三カ月延勘、返品条件付き。
セットは上限を三百セットとし、ポスター二種、陳ビラ、平台用POPを同梱する。
申込みは単店単位で一店につき一セット。
三月二十一日、二十二日の両日、FAXで先着順に受付ける。
出荷は四月十三日に取次搬入、十五日に出荷の予定。
出荷商品には裏表紙に「謝恩価格本」と記したシールを貼付するが、バーコードやISBNコードは抹消しない。
また、このシール貼付品のみが「謝恩価格本」の対象となる。
特別報奨金は該当商品に挿入されている特別報奨券で参加出版社ごとに支払われる。
この企画を推進している書協流通委員会・菊池明郎委員長は書協会員社向けの文書で「三月を間近に弾力運用の定着・恒常化が再販制度存続の最大のポイントと言えます。
今回は全国の書店に呼びかけての企画です。
趣旨を理解して多くの参加・ご協力を」と呼びかけている。
謝恩価格本フェアの申し込みFAX番号は、03(3262)6796番。

−無題−

読者の投稿俳句長野県埴科郡・山根屋書店沓掛喜久男春一番読書の指で眼を摩る春風や文庫の帯を掛け直す初蝶が童話の縁を伝いくる

本屋のうちそと

三月は卒業の季節。
学園は華やぐが、英国のケンブリッジでは卒業式のことをコメンスメント(始まり)と呼ぶそうだ。
なかなかいい「ひねり」である。
学業を終えることはめでたいことでもなんでもない、人生はこれからが本番だぞ、という戒めだろう。
本当に楽しいことも、それ以上に辛いことも、これから十分に経験するだろう。
わたしは「朔」の字を好む。
朔は月初めの日のことだが、夜明けとか朝という意味もある。
明けゆく暁闇は「生」である。
日々新面目あるべし、という思いがあってのことだ。
いったん始まった物事は、いつかは必ず終わりがやってくるというのもまた紛れもないこと。
一、二年の約束で始めさせていただいた本欄もいつしか歳月は走り足掛け八年、引き受けた義務感に支えられて、ある種の切迫感と責任感のなかで書いてきたように思う。
「文は人なり」というが、文章ほど己の気持ちや知識がどの程度のものかをさらけ出してしまうものはなく、噬臍はほろ苦く、この辺りでエンドマークを付けさせてもらうことにした。
半面これが最後だと思うと、これまで張りつめた仕事の後の自足に近い空しさがあって、寂しい気がする。
映画のスクリーンに「完」の字が映し出され、客はみんな帰ってしまったのに自分は立ち去りがたい、そんな気分かなと、自分の胸の中を覗き込んでしまうのである。
そして、よくも銀杏子の駄文におつき合い下さったことよ、と感謝の念が湧いてくる。
脱葉を終えし一樹に寸暇あり樹木も力を尽くしたあと、すべての葉を脱ぐのだろう(銀杏子)

人事

◇太洋社(3月16日付)〔機構改革〕1、仕入部にコミック仕入課を新設する。
2、商品企画部マーチャンダイジング課に、MD係、弘報係、書誌情報係を置き、商品企画部弘報課、仕入部書誌情報課を廃止する。
3、商品企画部EC企画課と商品開発課を統合し、EC・商品開発課とする。
4、注文部商品管理課(本社)と注文部業務課を統合し、注文管理課とする。
5、特販営業部に、専門店営業一課、専門店営業二課を新設し、専門店営業課を廃止する。
6、総務人事部に経営企画課を新設し、経営企画室を廃止する。
〔役員人事〕取締役営業副本部長(取締役営業副本部長兼営業推進部長)沢野豊〔人事異動〕(部長)商品企画部長(商品企画部長代理)牧野伸一注文部長(注文部長兼注文情報課長兼業務課長)今泉旭西部営業部長(西部営業部長代理)山本博英総務人事部長代理(経営企画室部長代理)荒木勝男取引管理部次長(商品企画部マーチャンダイジング課長)永澤克彦注文部次長兼注文管理課長兼東京ロジスティックスセンター(TLC)担当(総務人事部次長)菅原秀幹営業推進部次長(取引管理部取引課長)別所隆史特販営業部次長(首都圏営業部次長兼東京営業課長)村木透〔人事異動〕(課長)▽情報システム部システム企画開発課長(同システム企画開発課長代理)志村憲一▽取引管理部取引課長(同取引課長代理)長谷川清美▽注文部注文情報課長(商品企画部商品開発課長)貴志弘美▽商品企画部マーチャンダイジング課長兼弘務係長(西部営業部四国・九州・山口営業課長)中田伸芳▽注文部文庫センター長(課長)(商品企画部弘報課長)大竹三喜雄▽船橋流通センター所長(課長)(注文部商品管理課〈本社〉課長兼東京ロジスティックスセンター〈TLC〉担当)多田茂▽船橋流通センター・コミックセンター課長(同所長〈課長〉)井原●次▽首都圏営業部東京営業課長(仕入部書籍仕入課長)関口浩一▽西部営業部東海・近畿・中国営業課長(同東海・近畿・中国営業課長代理)坂実▽特販営業部図書館営業課長兼関口営業所長(同図書館営業課長代理兼関口営業所長)岩城昌幸▽特販営業部図書館営業課長(船橋流通センター整品課長)谷口隆士▽特販営業部専門店営業二課長(同専門店営業課長)池田尚生▽業務部戸田営業所課長(船橋流通センター・コミックセンター課長)北山伸一▽総務人事部経営企画課長代理(経営企画室課長代理)村上直人▽商品企画部EC・商品開発課長代理(同EC企画課長代理)荒木敏正▽仕入部コミック仕入課長代理(同雑誌配本調整課係長)武藤浩一▽仕入部書籍仕入課長代理(同書籍配本調整課係長)田中保秀▽西部営業部四国・九州・山口営業課長代理(同九州支店長〈課長代理〉)沼野章▽西部営業部九州支店長(課長代理)(特販営業部図書館営業課係長)矢島雅史▽特販営業部専門店営業一課長代理(同専門店営業課長代理)松澤茂

2001

台北国際図書展に5ブース出展

トーハンは二月一日から六日まで台北貿易センターで開催されたアジア最大のブックフェア「第九回台北国際図書展示会」に、著作権仲介ビジネスを目的として五ブースを出展した。
同ブックフェアは欧米とアジアをつなぐ著作権ビジネスの交渉の場として地位を確立しており、世界中の出版社が活用。
今回は世界四十六カ国・地域から八百八十六社・一千八百三十八ブースが出展し、ビジネスデーの二日間を中心に活発な商談が行われた。
また、作家のサイン会など一般客向けのイベントも多数開催され、入場者は三十万人を超えた。
日本からの参加は九社(単独ブース)・十六ブース。
このうちトーハンは五ブース内にNHK出版、オレンジページ、二玄社、フレーベル館の四社分のブースと共同展示スペースを設け、二十八社・六百タイトルの出版物を展示。
この六百タイトルを中心に翻訳出版契約に関する商談を行い、会期中、百三十七タイトル、著作権使用料約三千五百万円(成約後の見積金額)の案件を獲得するなど、大きな成果をあげた。

モバイルで書店支援

東海日販会は三月八日一時から名古屋市のウェスティン・ナゴヤキャッスルで第45回通常総会を開催、委任状を含め書店・出版社会員三百二十五名が出席した。
総会は大原鉦治世話人(押切堂書店)の司会で始まり、体調を崩して欠席した木和田寛二世話人代表に代わり、篠田元弘副代表(自由書房)があいさつ。
同副代表は「お話マラソン」「ブックスタート」など出版業界の読書推進運動に触れ、「岐阜県庁幹部に活字文化の将来のためのボランティア活動を説明したところ大変よいことをやっていると感心された。
こういう取組みをいろいろな方に伝えていくことも必要ではないか」と、積極的なPR活動の重要性を指摘した。
三輪金久副代表(泰文堂書店)を議長に進められた議事では、村上正彦世話人(二昌堂書店)が昨年度事業活動と決算を報告。
■七月末に開催した「本と遊ぼうこどもワールド」に協賛し、三日間で六千八十二名が参加した、■拡販商品は九点を取り上げた、■業務研修会は万引き防止をテーマに開催、九十三名が出席した−−などを報告。
監査報告、事業計画案の説明のあと、拍手で承認した。
来賓あいさつで日販菅社長は「景気が一向に回復しない中、出版業界の売上げは八年前の規模になった。
一方で返品率は八年前より六%高く、ムックはじめ新刊発行点数が増えている。
多品種少量にどう対応し、効率販売していくかが業界の課題。
再販問題はいよいよ公取から何らかの結論が出る。
急激な変化はないだろうとの見方があるが、予断は許さない。
日販を再生するネオステージ21の一年目は事業所再編成により支店営業に特化したほか、SAネットワークの見直しと利用料引き下げ、本屋タウンのバックヤードとしてウェブ・ブックセンターを設置した。
来期以降はモバイル営業の展開を目指し、六月までに全支店に拡大する。
名古屋支店も先月までに全営業にパソコンを配備した。
データを分析して有効な提案を行っていく。
売行きベスト千銘柄の在庫率は四割強、一か月後には文芸書の三分の一が入れ替わる。
店頭在庫の鮮度管理は重要。
情報武装型の営業に期待いただきたい」とあいさつした。
出版社を代表して講談社浜田副社長は昨年の国際読書年の取り組みに触れ「読み聞かせの会で子どもたちの目は輝いている。
ちょっと工夫すれば読者はいることを確信している。
昨年だけの取り組みに終わらず、文部省と運動を継続することを相談している。
ブックスタートの運動もぜひ定着させたい」と述べた。
第二部はダンの越智道正社長が「本とともに」のテーマで記念講演を行った。

春の書店くじ申込は今すぐ

四月二十日から特賞「英国8日間の旅」が当たる「春の書店くじ」の配布が始まります。
これは日頃の読者謝恩と販売促進のため実施するものです。
まだ申し込みがお済みでない書店は大至急、所属都道府県組合までお申し込みください。
春の書店くじの申し込みは五百枚一束単位で、三千五百七十一円(消費税別)。
くじは取次経由で四月十八日頃配布します。

USA書店情報

一月末から二月末、約一カ月間の『パブリッシャズ・ウィークリー』をめくっていると、その記事タイトルに出版業界、そしてその周辺に厳しい事態を告げる単語が頻出する。
レイ・オフ(一時解雇)、ピンク・スリップ(解雇通知)、ダウンサイジング(人員削減)、ファイヤー(首にする)、リストラクチャー(リストラ、再構築)、クローズ・ストアーズ(閉店)、バンクラプシー(破産)、チャプター・イレブン(会社更生法)。
目についたいくつかの記事を拾ってみる。
「ハングリー・マインズ社がリストラ。
数カ所のオフィスを閉鎖、百三十人を解雇」(一月二十九日号)。
IDGブックス・ワールドワイドから社名変更したばかり。
急成長を遂げたナスダック上場企業。
コンピュータ書中心の同社は、レイ・オフを否定し続けていたが、インターネット関連事業と、書籍出版の低迷を前に、人員削減に手をつけざるを得なくなった。
「AOL−タイム・ワーナー社の人員削減は、出版部門にも及ぶ」(一月二十九日号)。
この一月に合併の認可がおりたばかりのメディア・コングロマリット、AOL−タイム・ワーナーは、合理化の一環として、タイム・ライフ・ブックスのダイレクト・メール部門を閉じ、百人を解雇する。
同部門は一九六一年の設立で、歴史、料理、ドゥー・イット・ユアセルフなどをはじめ、幅広いジャンルのシリーズ出版を行なって来ていたが、この分野は会社の将来計画にあわないとの判断が出たようだ。
「人員削減。
エックスリブリス・十人に解雇通知」(二月五日号)。
同社はランダム・ハウスが四九%の株を持つプリント・オン・ディマンドと出版サービスのプロバイダー。
中間管理職十人をレイ・オフし、浮いた人件費で新しく若いカスタマー・サービス、その他のスタッフを雇うという。
「エックスリブリスで、更に二十人解雇」(二月十九日号)。
二週間前に発表したレイ・オフの第二弾。
ニューヨーク・オフィスの閉鎖と、ヨーロッパへの進出を先延ばしし、コア・ビジネスの出版サービスにエネルギーを集中する。
「アマゾン・ドット・コム、収益性を高めるために千三百人の人員削減」(二月五日号)。
今年末までに、営業効率を向上させ、黒字に転換する目標を達成するという。
この千三百人は全従業員の一五%にあたる。
カリフォルニア州マクドノーの流通センターの閉鎖で四百五十人。
シアトルのカスタマー・サービスセンターを閉めることで四百人。
そして四百五十人はアマゾンの本部からになりそうだ。
「レイ・オフには痛みが伴うが、二〇〇一年に会社が利益を出すためには仕方がない」と、同社会長、ベイゾスは言う。
「バーンズ&ノーブル・ドット・コムの厳しい四半期。
三百五十人をレイ・オフ」(二月十二日号)。
二番目の大手ネット書店の前年第四・四半期の損失は予想をはるかに越え、二〇〇〇年の純損失は、前の年の二・七倍に拡大した。
ニュージャージー、ケンタッキーの流通センターを閉じ、本部を含む事務機能を統合。
全従業員の一六%にあたる三百五十人を解雇して経費の削減を実現させる。
「クラウン・ブックス、二十八店舗閉鎖」(二月五日号)。
かつては米国第三位の大型書店チェーン、割引販売でよく知られたクラウン・ブックスは、九八年七月、会社更生法適用を申請。
九九年十一月に破産から立ち直ったばかりである。
直近の店数は九十一店だった。
二カ月の間に二十八の店を閉じ、全従業員の三〇%にあたる四百五十人のパート・タイムを含む従業員を削減する。
クリスマス前のホリディ・シーズンの売上低迷が大きな原因だ。
しかし、それからわずか二週間後に次の記事。
「クラウン・ブックスは再び破産の申し立て。
投資家、買い手が現れるという希望もあるものの、見通しは厳しい」(二月十九日号)。
「ボーダーズ・グループがスーパーストアのマネージメントを刷新。
約二百人レイ・オフ」(二月二十六日号)。
ボーダーズは店内の運営をより合理化し、店員がお客の要求に敏感に反応できるような仕組みに再調整する。
それに伴い全従業員の一%にあたる二百人が削減される。
また同社はオンライン書籍販売が今後も利益を上げられる見込みが立たないことを認め、その分野の事業縮小に踏み切ることも発表している。
ハイテクバブルの崩壊。
ナスダック店頭市場の株価暴落。
IT関連事業へ寄せる期待が揺らぐ中、アマゾン・ドット・コムも創業当初から唱え続けて来た「利益は悪」という理念をひっこめ、先に見たように人員削減、増収を犠牲にしてでも黒字経営にと動き出した。
玩具販売でトイザラスと提携したのに続き、小売業最大手、ウォルマートと提携するのではという観測も浮上している。
仮想店舗とリアル店舗の組合せを探る。
海外営業への投資は続け、真にワールドワイドな小売店をめざすというが。
そのほかの社もやり方こそ違え、なりふりかまわずで生き残りをかける。
(竹)

5月にパソコン講座

鹿児島県書店商業組合は二月二十四日、鹿児島書籍会議室で理事会を開催。
IT研修特別委員会を設置して組合員を対象に五月に「初級パソコン講座」を開催することを決めた。
これは政府のIT関連予算による補助金を利用して行うもので、IT研修特別委員会委員長には村永直美氏(共研書房)、副委員長には徳利浩二氏(とくり書店)を選出した。
初級パソコン講座は四回に分けて以下の日程で行う。
会場は鹿児島書籍、受講料千円。
■5月12日(土)11〜16時=パソコン入門講座、■5月13日(日)10〜16時=初級ワード2000、■5月19日(土)11〜16時=初級エクセル2000、■5月20日(日)10〜16時=インターネット。
(井之上博忠広報委員)

WEB発注など実演

青森県書店商業組合は二月十六日、青森市内の県小売商業支援センター(リテールプラザ)で第二回「書店情報化勉強会」を開催した。
当日は十五名の参加希望があったが、荒天などが影響して九名の参加にとどまった。
勉強会では鶴谷録郎専務理事(鶴常書店)が「本日ここに集まった若手書店人が勉強会のテーマに客注を取り上げたのは大変有意義。
新客注システムも含めて、これからの流通の在り方について提言できる勉強会となることを期待したい」とあいさつした。
このあと、用意したパソコンで青年部員が「s−book」「webまるこ」など書店向けの版元ホームページ、取次の「本やタウン」「e−hon」などの操作を実演。
新客注システム「本屋さん直行便」「ブックライナー」についてはVTRを使って利用法、活用状況を説明した。
また、勉強会に先立ってアンケートを実施しており、この結果を踏まえた情報交換も行われた。
取次の新客注システムで読者に特急料金を負担いただくことについては「お客様から苦情もなく運用できている。
これからの時代、書店だけが目をつぶって負担を全部かぶるより、読者も負担いただくものは負担してもらうよう取り組むべきではないか」などの提案もあった。
(岡田義哲広報委員)

ノートパソコン購入

大阪府書店商業組合(今西英雄理事長)は三月七日午後三時から組合会議室で三月定例理事会を開催した。
総務委員会からの報告では組合財政に少しキャッシュフローの余裕ができたため、IT講習会用にノートパソコン十数台を購入することが発表された。
大阪市教職員厚生会から申し出のあった図書券購入の見直しの件では、学校単位で図書購入をとりまとめ、組合員書店に注文する方向で細部を詰めている。
雑誌発売日委員会からは、平野区と淀川区で発売日違反の通知があった。
キヨスクと阪急電鉄駅売店の週刊誌前渡し問題については、電鉄関係売店検討小委員会にその不統制を追及するレポートを提出したことが報告された。
事業委員会からは、大阪組合がNTTマイラインの二次取次となる契約を結ぶことで細部を協議中であると発表があった。
これによる組合員のメリットは、府下に電話をかける場合最大四〇%の値引きになる。
「組合員はあわててマイラインの契約をせず、しばらく様子をみてほしい」と説明された。
出店問題委員会では阪急ブックファーストが豊中市に二店舗相次いで出店することが報告されたが、地元書店の意思統一ができていないため、いまだ交渉に入っていないとされた。
「ブック大阪21委員会」は三月三日に委員会を開催して協業化、IT化を中心に議論を行った。
再販・公取協委員会からは二月二十七日に開催された近畿地区公正取引協議会ブロック連絡会に出席したことがほうこくになった。
この席で大阪組合はポイントカード制についての質問を行ったが、公取は「再販制度の今後にかかわる問題なので、再販の結論が出るまでは」と、回答を留保したという。
日書連関係では、返品入帳の実態調査を行うため、大阪組合からも二店の調査協力店を選出した。
出版倫理問題では、この日の理事会開催に先立って、午後一時から渡辺和恵弁護士を招き「少年法・児童ポルノ法」についての勉強会が開かれた。
理事各氏から活発な意見が出され、好評裡に終わった。
(中島彦広報委員)

『久留米・筑後・八女の100年』

長野県松本市の郷土出版社は「ふるさと100年シリーズ」を出版しているが、この二月下旬に『久留米・筑後・八女の100年』を発刊した。
近年、書店ではベストセラーに恵まれなかったなかで、福岡県筑後支部内では久々のベストセラーとなった。
B4判・一部カラー百四十六頁で、明治から戦後までの写真三百五十点を掲載、久留米を中心として筑後、八女を紹介している。
この本の取り扱いは福岡県教科書株式会社であったため、販売書店数が少ないので販売部数が心配されたが、教科書取り扱いがない書店でも販売をされ、思わぬ販売部数を伸ばしたとのことだった。
定価が一万千円と高価であったが、今まで目にすることのなかった古くて珍しい写真と、同シリーズの県内販売は初めてというのが当たったようである。
この不況下に、これだけの高価な本が地方の都市で予想外の部数を販売できたということは、地域密着と内容企画の適確性があったからと思われる。
また、古い時代を知らない若者にも受けたのではないか。
ちなみに久留米、筑後、八女で二千五百部。
杷木町の朝日堂さんは五百部、文泉堂さんは三百部、教科書を取り扱っていない宮崎書店さんは二百部と浮羽の田園小都市ながら善戦され、これだけの部数を販売された。
この100年シリーズは福岡県全域で九巻発刊されることになっている。
この筑後地区の販売部数が起爆剤となって、県下の書店のベストセラーになることが期待されている。
(鹿子島慶正広報委員)

催し

☆野間記念館「横山大観」展講談社野間記念館はこの四月に開館一周年を迎えるが、これを記念して四月七日から五月二十七日まで、横山大観展を開催する。
同展では、第一展示室で「羽衣・不盡山・三保」「千与四郎」「月明」などを、第二展示室で「千代田城」「暁山雲」「夜梅」などの作品を展示。
期間中は「院展の仲間たち」「近代日本の洋画」の展示も同時に開催する。
なお、三月二十五日までは「近代の山水画」「日本のうたふるさとのうた」展を開催している。

生活実用書

本明寛著『なぜ電車の席は両端が人気なのか−行動の心理学』(双葉社・ふたばらいふ新書32、819円)を手にした時、思わずそうなんだよナアと、書名にうなずいてしまった。
ふだん何気なくとっている行動には、心理学的な意味がある。
人間は自分の周囲50センチ以内に、家族や恋人や幼い子供しか入ることのできない「パーソナルスペース」を持っていて、それ以外の人間が侵入してくると不快感や不安感を持つものであるという。
だいたい150センチ位まででも、友人しか入れない空間距離である。
ところが満員電車ではどうして我慢できるかというと、無意識のうちに他人を非人格的な存在とみなすからなのである。
このことを頭において電車に乗ってみると、十人が十人とも端の席に座ろうとするから面白い。
論の途中「情緒安定度」、「感情表現」、「ストレス耐性」など九つのチェックシートが付いているので、試してみれば意外な自分を発見できるかもしれない。
河野守宏著『人づきあいをもっと愉快に上手にする法』(KKロングセラーズ・ムックの本、840円)は、古今の故事来歴、諺、数々のエピソードを駆使して、人間関係をスムーズに運ぶための秘訣が語られる。
河野守宏氏は70余の転職を経験した「人間関係」のプロである。
もともと人づきあいが苦手だったために、その苦手を克服して説得力がある。
「対人関係の要諦は、ただ単に相手に合わせ、相手に好かれようと腐心することではない」と断った上で、人の心を引きつける五箇条がある。
強い想念を持つ前向きに徹する確信ある態度をとる希望と意欲を燃やす勇気ある決断、である。
最後に、逆説的にだが「一人ぽっちになりたい人へ」向けた「人に嫌われる18のケース」が紹介されている。
二冊とも別の出版社の新書シリーズなために、探すのに苦労するのが書店の現状である。
人間関係の結びにくい時代であるが故に、心理学でも人生論でも、またビジネス書でも括れるはずである。
人間関係を論じたベストセラーだけが、読者の欲しい本であるはずはないのだから。
(遊友出版・斎藤一郎)

いい本、いい顔、いい時間。

第43回「こどもの読書週間」(読書推進運動協議会主催)が、四月二十三日〜五月十二日の日程で開催される。
今年の標語は「いい本、いい顔、いい時間。
」。
読進協は読書週間の開催にあたり、公共図書館・全国小中高等学校・学校図書館・書店・出版社・報道機関等にポスターや広報文書を配布してPR。
週間の趣旨を表すマーク(写真)を作成し、期間中及びその前後を通じ各社から発行される雑誌・新聞・広告誌等に使用を呼びかける。
また、全国の読進協、関係各団体の協力を得て、以下の各種行事の実施を推進する。
▽公共図書館、公民館、小中高等学校の学校図書館等において「こどもの読書研究会」「こども読書のつどい」「母と子の読書会」「母親によるこどもの本研究会」「こどもの読書相談」「児童図書展示会」「児童文学作家による講演会」「児童図書出版社との懇談会」等の開催。
「読書感想文、感想画コンクール」の実施。
▽全国の読進協による都道府県単位の「こども読書大会」等の開催。
▽出版社、新聞社、放送局、文化団体等による、被災害地域、児童養護施設、矯正施設等への「図書・雑誌寄贈運動」の実施。

日販企画・おはなし会基本セット

日販は、オリジナル企画ブックフェア「おはなし会スタート基本セット」を二月下旬から五月下旬まで、全国五百書店で開催している。
昨年の「子ども読書年」ではさまざまな読書推進活動が展開され、店頭で読み聞かせ会を行う書店も増えてきた。
このブックフェアでは、これから読み聞かせ会を開催する書店の支援を目的に、読み聞かせに適した絵本をセット組みした。
セレクトしたのは、『お月さまってどんなあじ?』(セーラー出版)『ねずみくんのチョッキ』(ポプラ社)『100万回生きたねこ』(講談社)など、読み聞かせ会で人気の高い作品。
棚用セット(四十三点四十三冊)と平台セット(八点二十四冊)の二種類を用意した。
また、このセットを注文した書店には、読み聞かせ会を開く時に役立つ「おはなしマラソン事例集〜楽しい読み聞かせ会を開きましょう」(B5判・十六頁)を同時に配布している。
この事例集は、開催ノウハウをより多くの書店に紹介するために作成したもの。
一九九九年十月の千葉地区から二〇〇〇年十月〜十二月の中部地区まで、開催書店のスナップ写真、事例を多数掲載。
申し込みのあった書店に日販の営業担当者を通じて無料で配布する。
事例集の主な内容は、「参加されたお客様の声」「開催書店インタビュー」「読み聞かせ会を始めませんか」(店頭読み聞かせのポイント/事前の準備/会場づくり/会が終わったら)「おはなしマラソン写真館」(読み聞かせ会場を作ろう!/ポスター・看板ギャラリー/リピーターを増やそう!/読み聞かせ会のメニュー)「読み聞かせ会のプログラム」となっている。

−無題−

2001年春の謝恩価格本フェア(4U8行分)
分野書名著者価格販促費数
大修館書店
C大修館・現代漢和辞典・机上版木村秀次5&#44