全国書店新聞
             

平成20年4月1日号

電子タグ、まずコミックから導入を/ICタグ研究委員会書店部会が要請

日本出版インフラセンター(JPO)のICタグ研究委員会・書店部会は3月26日、東京・神楽坂の日本出版クラブ会館で記者会見を開き、書店万引き調査の結果を報告。これによると調査店舗の売上額に対する万引きによるロス額の割合は1・41%にのぼることがわかった。また、万引き被害の実態をみると金額、冊数ベースともコミックが最も多いことから、電子タグの導入ステップはコミックから始めるべきと求めた。
この万引き調査は書店部会に所属する14社・1161店舗を対象に、今年1月17日から2月8日まで実施したもの。
調査結果によると、調査店舗の売上額に対するロス額の割合(平均ロス率)は1・91%と、書店の全国平均経常利益率0・6%の3倍強にのぼることがわかった。ロス率と売場面積の間に相関関係は見られず、すべての規模でロス率はほぼ一定だった。ロス額の内訳は、現行犯などで顕在化した万引きロス1・67%、潜在万引きロス71・97%、その他(伝票ミス、返品不能品等)26・36%。ロス額のうち73・64%は万引きによるロスであることから、万引きによるロス率は1・41%と推定される。
顕在万引きによるロスの被害内訳をみると、金額、冊数ベースともコミックが圧倒的トップで、ロス額の比率は40・7%、冊数の比率は67・8%にのぼった。書店および警備会社での聴取で万引きの目的は「読みたかったから」44・9%、「最終的に新古書店での換金」34・3%との結果が出たが、警察での追及によって「読みたかったから」のうち81%が換金目的だったことが判明。「最終的に新古書店での換金」目的の占める割合は相当大きく、同部会では70・62%と推計している。
また、丸善川崎ラゾーナ店、ブックオフコーポレーション古淵駅前店の2店舗で、書店、新古書店のフィールドでの電子タグ導入シミュレーションを実施。コミックの万引き防止を前提として、実験用の標準化コードを書き込んだ電子タグを利用し、書店、読者、新古書店間における書籍の不正流通防止の有効性と電子タグ内の情報読み込み、書き込みのワークフローに与える影響について調査した。このシミュレーションにより、電子タグが不正流通防止に有効に機能すること、および電子タグ導入による現状のワークフローへの影響は少ないことが実証されたとしている。
また、今回の調査結果を受けて書店における電子タグ導入の費用対効果を算出したところ、2年目以降に費用対効果が得られることがわかった。
記者会見の席上、村越武部会長(有隣堂)は①万引き被害はコミックが金額ベースでも冊数ベースでも圧倒的に多い、②コミックは出版社数が少なく、電子タグ導入の現実性が高い、③出版物に電子タグを装着し、書店での販売情報が書き込まれていない出版物は新古書店で買い取らないというルールを徹底することで、万引き被害の一部を防止することができ、投資効果が得られる、④コミックは流通の回転率が高い、⑤万引き防止を目的とした電子タグ導入は費用対効果が高い――と述べ、「電子タグの導入ステップはコミックから始めることが望ましい」と指摘した。
今後は、出版社に対して書籍への電子タグ装着を要請していくとともに、他の書店や取次、電子タグ機器のメーカーやベンダーに対しても働きかけを行い、出版業界内外の気運を高めていきたいとしている。

書店くじ立替金振り込みました

昨年秋実施した「2007読書週間書店くじ」で各書店にお立て替えいただきました1等1万円、2等千円、3等5百円、4等百円の清算業務は終了いたしました。入金をご確認いただくようお願いします。
書店くじ係

本屋さんへ行こう!/読売新聞がキャンペーン/書店組合を応援

読売新聞社は日書連が推進している「本屋さんへ行こう!」を応援する企画として、3月8日から「読売新聞本屋さんへ行こう!キャンペーン」を実施している。同キャンペーンは「もっと書店へ足を運んでもらおう」という趣旨で読売新聞社が2005年から実施しているもの。書店で出版物を購入したお客様がレシートをハガキに貼って応募すると、抽選で図書カードが当たる。
読売新聞は紙面内でキャンペーンを告知し、書店への来店を促すとともに、キャンペーンの応募促進を図るため、3月12日付夕刊(東京本社版)の記事下広告枠を書籍、雑誌などの出版関連広告で埋め尽くす「夕刊マルチ広告特集」を実施した。
日書連は書店業界・出版業界の発展、活字文化の推進に寄与するとしてこのキャンペーンを応援しており、読売新聞から送付されたキャンペーンのポスターの掲示および応募ハガキの配布・設置を首都圏加盟店約2千店舗で行っている。
同キャンペーンは3月8日から4月8日までの1カ月間実施。全国の書店で購入した出版物(書籍、雑誌、マンガ等)のレシートを応募ハガキまたは郵便ハガキに貼って応募してもらい、読売新聞社から抽選で図書カードを255名(1万円分5名、千円分250名)にプレゼントする。対象レシートはキャンペーン実施期間中に発行されたもので、出版物の購入金額の合計が500円(税込)以上のものに限られる。

4月23日はサン・ジョルディの日/全国各地のイベント情報

4月23日の「世界本の日サン・ジョルディの日」に合わせて、今年も全国各地でさまざまな催しが開かれる。
〔北海道・十勝支部〕
第19回「サン・ジョルディの日記念講演会」を4月25日午後7時から帯広市「とかちプラザレインボーホール」で開催。北海道生まれの作家、佐々木譲氏が「本のある暮らし」を講演する。当日は抽選で図書カードや花束などのプレゼントもある。入場希望者は4月15日までに参加書店に申し込みを行い、4月18日から24日の間に入場招待券(無料)を受け取る。
〔青森〕
青森県書店商業組合は4月20日から30日まで組合加盟店でペアで海外旅行が当たる書店くじ付きの「ラッキー図書カード」を販売する。図書カード(1000円)と書店くじ5枚をセットにしたもの。
また、ポスター約200枚、チラシ約5000枚を作成し、組合加盟店をはじめ学校や図書館などの公共施設に配布する。地元報道機関への広報活動も積極的に展開する予定。
〔神奈川〕
「みんなで描いてみよう大好きな本絵画コンテスト」を実施する。神奈川県読書推進会主催。神奈川県書店商業組合、神奈川新聞社が後援。
県内在住、在園の保育園・幼稚園生を対象に、好きな本をテーマにした絵を募集。応募期間は4月15日まで。応募作から神奈川県読書推進会賞(表彰状と図書カード1万円分)1名、神奈川新聞賞・神奈川県書店組合賞・横浜薬科大学賞(表彰状と図書カード3千円分)15名、優秀賞・サクラクレパス賞(表彰状とクーピーペンシル12色ソフトケース入り)20名、入選・サクラクレパス賞(表彰状とクレパス太巻16色)50名を選出。入賞者は4月下旬に神奈川新聞紙上で発表。
〔愛知〕
「サン・ジョルディフェスティバル名古屋2008」が4月19日午後1時~6時、20日午前10時~午後4時の両日、名古屋市東区のOASIS21銀河の広場で開催される。サン・ジョルディ名古屋実行委員会、日本・カタルーニャ友好親善協会、愛知県書店商業組合、中日新聞社主催。
催事の目玉は、リサイクル本のチャリティ販売。家庭にある読まなくなった本を募集し、愛知組合加盟店を窓口に回収。会場で定価の1割~3割で販売し、売上金を中日新聞社会事業団を通じて各種福祉事業に役立てる。
このほか、会場では読み聞かせブース、「中学生はこれを読め」コーナー、「孫の日」PRコーナー、読書会、バラのチャリティ販売、フラワーアレンジメント教室、など様々な催事が行われる。ステージでは読み聞かせや怪傑ゾロリ、ティラノサウルスの握手会・撮影会が行われる。
〔福岡〕
「サン・ジョルディin北九州2008」が
4月20日から30日まで開催される。参加申込制で、申込店には独自企画費4千円を支給。昨年は37書店が参加、お客様へのプレゼントにハーブ缶、タオルケーキ、押し花などを用意し、好評だった。今年も各店で工夫を凝らした多彩な催しが行われる予定。本がプレゼントに最適な商品であることをアピールし、店頭活性化を図る。独自企画をしない書店には2千円程度の包装紙・しおり・書店くじを提供。連絡のない書店にはポスターのみ届ける。
また、各支部の図書館に対する取り組みを支援するため、図書館へのポスター提供を中心にしたアピールを展開する。

読みきかせらいぶらりい/JPIC読書アドバイザー・松村文子

◇2歳から/『ころころ おむすび』/真木文絵=文/石倉ヒロユキ=絵/岩崎書店630円/2008・1
“ぴかぴかごはんがたけましたほかほかふー”にはじまり、“おててのなかでぎゅっぎゅっぎゅっ”と、ちびまる・まんまる・さんかくのおむすびができあがり!身近な食材をやさしい絵とリズミカルな言葉で楽しむなかで、お子さんとの絆を深めことばをイメージする力を育てます。
◇4歳から/『まゆとりゅう』/富安陽子=文/降矢なな=絵/福音館書店 840円/2008・2
雪解けが始まる頃、今年は子供をつれてやってきた大きなりゅうは、やまんばかあさんのヤマモモのお酒を飲み、二人を乗せて空高く舞い上がり、ざんざか雨をふらせ、山里は春になります。流動感と迫力あるりゅうの絵と読みやすい文がよく合い、春雷の轟く季節に読んであげたい本です。
◇小学校低学年向き/『ハクトウワシ』/ゴードン・モリソン=作/越智典子=訳/ほるぷ出版1470円/2007・3
アメリカで「すぐれた子供の科学の本」に選ばれた著者のハクトウワシの本。ふ化から成鳥までの一年の営みが、美しいイラストで、ていねいに描写されています。体や生態のより詳しい解説があり、興味に合わせて読んであげることで、自然への関心を一層育むことができるでしょう。

2月期は平均97・9%/「辞典」が引き続き好調/日販調べ

日販経営相談センター調べの書店2月期分類別売上げ調査によると、2月の売上げは平均97・9%で、前年を2・1ポイント下回った。閏年で昨年より営業日が1日多かったことを除くと前年比は94・3%と推測され、前月(93・3%)に続き厳しい状況となった。
ジャンル別では辞典が185・6%と大きな伸びを示した。前月と同様、『広辞苑』第6版が売上げに貢献したため。雑誌も前年をクリア。『歴史のミステリー』『地球の鉱物コレクション』等の分冊百科が売上げに貢献した。特に201坪以上で107・8%と好調。同規模で雑誌が前年を上回ったのは7ヵ月ぶり。さらに、新書、文芸書、その他も前年を上回った。
一方、コミックは昨年の『のだめカンタービレ』に匹敵する映像化作品がないため、5ヵ月連続の前年割れとなった。
客単価は前年比101・4%の1121・3円。

IT社会の活字文化を考える/「言葉の力で未来を拓く」シンポより

文字・活字文化推進機構と日本経済新聞社が主催するシンポジウム「言葉の力で未来を拓く」が3月13日に開かれた。この中で行われたパネルディスカッション「IT社会における文字・活字メディアの役割とその展望」を抄録する。パネリストは月尾嘉男・東京大学名誉教授(コーディネーター)、作家・石田衣良氏、松田哲夫・筑摩書房専務取締役、足立則夫・日本経済新聞社特別編集委員。
月尾人間は文字の発明で、情報を他の地域に伝えたり後世まで伝えることができるようになった。かつてヨーロッパにいたケルト民族は優れた文化を持っていたが、文字を持たなかったため、近代に発掘調査が行われるまでほとんど知られていなかった。文字をおろそかにすると、文化を後世にきちんと伝えることができない。日本の活字文化を大切にすることは、社会を維持し、世界に広く理解されるために重要だ。こうした点を踏まえ、各分野の動向をお話いただきたい。
松田出版業界は下降線をたどっている。ピークだった1996年と比較して、2007年は78・5%の水準だ。特に雑誌の落ち込みが激しい。IT化の進展と情報源の多様化で雑誌が割を食うと言われてきたが、はっきり形に現れた。
最近の大きなトレンドは教養系新書の創刊ラッシュだ。読者にとって、ネットから得た情報よりも突っ込んだ情報を得るツールとしてのニーズがあった。もうひとつがケータイ小説のヒットだ。人気の作品を本にしてほしいという要望が多く、ハードカバー上製本で何十万部と売れている。本への期待がまだあることが救いになるかもしれない。
足立新聞の発行部数は2007年は5203万部で、ピークだった1997年から174万部減った。読まれなくなった理由としては、他のことに時間を取られた面があるが、情報入手手段が「読む」から「見る」へシフトしている点が大きい。若い世代で社会的無関心層が増えていることや、ネット活用の広がりも大きく影響している。
石田僕がデビューしたのは出版業界がピークを迎えていた1996年で、タイタニック号に乗り込んでしまったような気分になる。だが、言葉を楽しむ気持ちは人間の基本的な欲求としてあるはず。ケータイ小説や、佐伯泰英さんの時代小説が売れているのを見ると、新しい読者の掘り起こしを、もう少し作り手の側が手を広げてみる必要があるのではないか。活字文化を支えるために優秀な人に出版の世界に入ってきてほしい。
〔活字を読むことが思考力を養う〕
月尾昔は紙媒体しか情報を伝えるものが無かったが、現在は携帯電話やパソコンなど多様になってきた。あえて紙で読む理由はあるだろうか。
石田紙の本の持つ力を軽々しく考えてほしくない。本には、装丁の美しさや匂い、ページの手触りなど、人間の官能に訴える力がある。そうした紙の持つ総合力の高さに電子出版は及ばないと思っている。
足立現在、日経では有料の電子新聞の準備をしており、紙の新聞の良さやノウハウを活かそうと知恵を絞っている。一方的な映像や音は、考えることなく受け身で提供される。想像力が低下し、我々の文化が底の浅いものになるのではないか。文字を読み、咀嚼して考えることは、活字から強い影響を受けている。
松田メールやネットにより、若い人がこれほど文字を消費している時代はない。小説は書籍で読みたいという習慣はまだ残っていると思うが、新聞や雑誌では希薄になっているかもしれない。全体の出版点数は増えているが、自費出版も多く、出版社が経営上の理由で点数を増やすことがあるので、本がたくさん出ること自体が豊かな出版文化であるとは一概に言えない。だが、ベストセラーだけでなく地味な売行きの本を含めたロングテールであることは大切だと思う。
月尾ITが従来のメディアを変えつつある。広告料収入を見ると、雑誌とラジオは既にネットに抜かれた。伸び率を単純に当てはめると、2010年に新聞を抜き、2013年にはテレビを追い抜く。電話料金などと違い、ネット料金は世界中のどことつながっても均一で定額の料金にできる。全く違う経済構造で動き始めているわけだ。ITが社会の従来の仕組みを根底から変えていく中で、既存のメディアはどう対応していったらよいか。
足立日経では3つのことに取り組んでいる。一つは、「NIKKEINET」のサイトで速報ニュースやベテラン記者のブログを紹介している。二つ目は、紙とネットを一体にした媒体として「日経ヴェリタス」を創刊する。購読者にパスワードを発行して、サイトで最新情報を提供する仕組みだ。三つ目がパソコンで読む電子新聞で、現在レイアウトを研究しており、2~3年をめどにスタートする予定だ。
松田この十数年で、出版業界には2~3年ごとに電子出版ブームが起こったが、なかなか根付かなかった。今はデジタルで編集作業をしているので、デジタルデータは揃っている。これをきちんと保存しておけば、いろいろな形で読者の需要に応えられる。デジタルデータ利用の道筋を作ることが一番大切だ。
石田本の電子配信はまだ力が無い。僕の本も出しているが、原稿料の収入は2百対1で圧倒的に紙のほうが多い。ただ、ネットは作家にとってけっこう有利な場だと思う。あまりに多くの情報が流れる中では、作家の優位性が出てくるということだ。作家としては、誰かの心に刺さるものを作れば必ず生き残れると思っている。
〔役立つ情報を提供する姿勢が重要〕
月尾ブログの数は昨年4月に世界中で7千万にのぼったという。これまでは作家や記者といったプロしか社会に情報を伝達できなかったが、今はあらゆるものが発信できる時代になっている。爆発する情報を既存メディアが整理して提供することが重要になってくる。紙に固執する必要はないのではないか。
松田出版は編集者がそれなりのクオリティを考えコンテンツを整理して出している。ネットは受け手が編集者や記者にならないと使いこなせないメディアだ。ネットには役に立たない情報が山ほどある。そういうものを読みわける力を持つかどうかが問題だ。
石田ITと既存メディアは、一方が増えれば一方が減るというゼロサムではないと思う。物の見方やガイドラインを示すのは新聞や本の編集者ができることだし、まだまだその力は大きい。人間に手と心が残っている限りアナログメディアはなくならないと思う。
足立読者により早く、深く、役立つ情報を提供するという新聞の役割は、ITになっても変わらない。大量の情報が駆け巡る中、生き残るためには、より深い内容が求められる。掘り下げて正しく伝える姿勢が常に必要で、それを可能にする取材体制が必要だ。
〔より良いものを読者に届ける〕
月尾最後に、どうすれば文字・活字文化を維持し発展させていけるか。
石田言葉の力を高めるためには、より良い表現物を送り出していく以外に無い。若いときに本を読む習慣をどうつけさせるかだが、自発的に読むのでないと役立たないと思う。
足立良い文章には思考力を高める力がある。大量の情報に押し流されないような知識を教育することが必要。日本は独自の漢字かな文化を発展させ、新聞もその文化を支える一翼を担ってきた。今後仮に電子新聞に姿を変えるとしても、受け継がれてきた漢字文化を豊かに発展させるという問題意識が必要だ。そのキーワードはやはり「より深く」だと思う。
松田ネット社会は匿名性が強いが、やはり署名性が大事だ。編集者は黒子になれと言われたものだが、自分が良いと思うものについて、編集者はもっとメッセージを出していい。
月尾人間は物事を抽象化できる能力をもつ。映像が簡単にやり取りできる社会でも、人間が思考するには抽象化して表現することが大切。文字はこの力を養っており、今後も大事にしていかなければいけない。
記録し、伝えることに関して、ITの世界はもろい状況にある。極端に言うとグーグルという一民間企業に委ねてしまっている。グーグルで検索して最初のページに入らない情報はITでは存在していないも同然だ。どうするか真剣に考えなければいけない。
また文化覇権という問題がある。ウェブサイトの80%は英語情報で、日本語は3%に過ぎない。文化の多様性を維持し、人間本来の能力を磨くためにも文字・活字文化ををなんとしても維持すべきだ。

心にのこる子どもの本夏休みセール/厳選児童書を4セットに

【絵本セット】(小学校低学年まで)
▽まねっこまねっこ(あかね書房)▽わすれんぼうのねこモグ(あすなろ書房)▽チリとチリリうみのおはなし(アリス館)▽ペネロペうみへいく/としょかんライオン/まほうの夏(岩崎書店)▽あまがえる先生ミドリ池きゅうしゅつ大さくせん/あまがえる先生まよなかのびっくりコンサート(旺文社)▽メイシーちゃんのおふろ/わたしのすきなもの/ぶたのチェリーのおはなし(偕成社)▽7日だけのローリー/とんかちくんとのこぎりくん(学研)▽ダットさん/ぼくがラーメンたべてるとき/ふたごのこぶたブブとププ/ごきげんぶーた/うみのポストくん(教育画劇)▽やさいのおしゃべり/おひさまパン/フランダースの犬/あかちゃんのおと(金の星社)▽サカサマン/カメレオンはいく(くもん出版)▽おふろごっこ/なめれおん(佼成出版社)▽むぎわらぼうし新装版/ジロがなく新装版(講談社)▽うみがだいすきさ/ひでちゃんとよばないで(小峰書店)▽ばすくんのおむかえ(小学館)▽かあさんとじてんしゃにのって(新日本出版社)▽いただきバス/カメレオンのカメレくん(鈴木出版)▽ワンダー民話館いっきゅうさんのとんちばなし/ワンダー民話館へっぴりよめご(世界文化社)▽くるくるくるみ/ふたりはなかよし(そうえん社)▽しずかなしずかなみずうみ/しろくまくんのこのあななぁに?(大日本図書)▽もうすぐママは星になる(汐文社)▽おばけでんしゃ(童心社)▽トコロウとテンジロウ/ぼくのひよこ(農文協)▽なんだろう?(ひかりのくに)▽ぶひぶひこぶたものがたり/ブーブーヤッホー/わんぱくだんのおばけやしき(ひさかたチャイルド)▽こわくなんかないっ!/はたらきもののあひるどん(評論社)▽あひるのウィッツィー(BL出版)▽ねむいねむいねずみとおばけたち/10ぴきのかえるのプールびらき/ちいさいカブちゃん(PHP研究所)▽わにわにのおふろ/そらまめくんとめだかのこ/ぐりとぐらのえんそく/とんことり(福音館書店)▽たいせつなこと/ねこのはなびや/そらとぶねこざかな(フレーベル館)▽ことり(文化出版局)▽はるちゃんトイレ/ねむる(文溪堂)▽ぽっかりつきがでましたら/のんのんばあおばけどろぼう/ヒロシマのピアノ(文研出版)▽いちばんうつくしいのはオレだ/ガッタンゴットン(平凡社)▽こころの絵本(星の環会)▽祗園精舎/終わらない夜/おばけだぞぉー!(ほるぷ出版)▽なつのおうさま/まじょまつりにいこう/わたしはあなたをあいしています(ポプラ社)▽超じいちゃん/ハンタイおばけ(光村教育図書)▽か・げ/ぼくだけのこと/ホームランを打ったことのない君に(理論社)
【読物セット】(小学生向け)
▽悪魔の赤ワイン(あかね書房)▽ワビシーネ農場のふしぎなガチョウ(あすなろ書房)▽ルルとララのアイスクリーム/水妖の森(岩崎書店)▽北島康介世界最速をめざすトップアスリート(旺文社)▽にゃんにゃん探偵団(偕成社)▽ぼく、探偵じゃありません/がんばれヘンリーくん改訂新版(学研)▽ラベンダー/せかいでいちばんママがすき(教育画劇)▽アニメ版ハードル(金の星社)▽子っこヤギのむこうに/マルコとミルコの悪魔なんかこわくない!(くもん出版)▽八月の髪かざり(佼成出版社)▽わらいっ子(講談社)▽まいごのちびうさぎ(国土社)▽モンスター・ホテルでなつやすみ(小峰書店)▽デモナータ⑤血の呪い(小学館)▽まっ黒なおべんとう/ジローのあくしゅ(新日本出版社)▽ひとりぼっちのスーパーヒーロー(鈴木出版)▽もりのゆうびんポスト(そうえん社)▽陰陽師しにものぐるいになるの巻(草土文化)▽大ちゃん(大日本図書)▽空にうかんだ大きなケーキ(汐文社)▽ムジナ探偵局名探偵登場!/ムジナ探偵局なぞの挑戦状(童心社)▽ふたりでおるすばん(徳間書店)▽マタギ犬ゴンとイノシシ槍王との闘い(農文協)▽チョコレート工場の秘密(評論社)▽なんでネコがいるの?(BL出版)▽れいぞうこのなつやすみ/おばけのパトロール(PHP研究所)▽なないろ山のひみつ/おひさまはらっぱ(福音館書店)▽おともださにナリマ小/わたしたちの帽子(フレーベル館)▽イソップ物語(文溪堂)▽ひとりじゃないって(文研出版)▽新訳チェブラーシュカ(平凡社)▽運命の海に出会ってレイチェル・カーソン/ラスト・ドッグ(ほるぷ出版)▽1ねん1くみ1ばんくいしんぼう/夏はおばけがいっぱい(ポプラ社)▽ヘイタロウ妖怪列伝3の巻/ショパン(リブリオ出版)▽チョコレート戦争/アイスクリーム・タワー(理論社)
【あそびと学習セット】(小学生向け)
▽うみのしゅくだい(アリス館)▽海べのふしぎな生きものたち/クマノミとサンゴの海の魚たち(岩崎書店)▽山と海の鉄道/寒い地域・暖かい地域の鉄道/最先端科学がときあかす宇宙(旺文社)▽のりものかけちゃうよ(偕成社)▽恐竜化石のひみつ/小学生のキッチンでかんたん実験60/天気のしくみQ&A(学研)▽いたずらカメムシはゆかいな友だち/宇宙ステーションにかけた夢/ようこそ宇宙の研究室へ(くもん出版)▽ボクたちの値段/いのちのおはなし/井上ひさしの子どもにつたえる日本国憲法(講談社)▽テングの生活図鑑/わくわく自由研究工作・観察・実験ブック①/わくわく自由研究工作・観察・実験ブック②(国土社)▽タマコロガシものがたり/富士山大ばくはつ(小峰書店)▽カガミの実験(さ・え・ら書房)▽クワガタムシ/カブトムシ/学習漫画日本の歴史①日本のはじまり/学習漫画世界の歴史①エジプトとメソポタミアの繁栄/学習漫画中国の歴史①中国文明のあけぼの/日本の名作文学案内(集英社)▽小学館の図鑑NEO地球(小学館)▽なぞなぞごてん(鈴木出版)▽星空を見上げて365日/作って遊べ!/なぜだ!?(誠文堂新光社)▽みんなでワイワイ早口ことばその1/昭和のくらしと文化/ギャハハ!!漫才館第1巻/松尾芭蕉(汐文社)▽ぷるぷるかたまるふしぎ/ふっくらふくらむふしぎ/ヘチマの絵本(農文協)▽こどものずかんMio④うみのいきもの(ひかりのくに)▽進化の迷路(PHP研究所)▽自由研究図鑑/星座を見つけよう(福音館書店)▽なぞなぞのたび(フレーベル館)▽雑木林で虫さがし(文化出版局)▽どうぶつえんにいこう/津波からみんなをすくえ!(文溪堂)▽100万ってどれくらい?(文研出版)▽ジュニア世界の国旗図鑑(平凡社)▽果実の保存食/ロボットへの入口(星の環会)▽星座大めいろ/ハクトウワシ/たまごのはなし(ほるぷ出版)▽花火の図鑑/干潟の図鑑(ポプラ社)▽タツノオトシゴのかくれんぼ/ひみつのもり(光村教育図書)▽アマガエル(リブリオ出版)▽まんがことわざ研究所①犬も歩けば…/あるひあひるがあるいていると(理論社)
【読み聞かせらいぶらりい絵本セット】
▽へんしんしまーす(あかね書房)▽はじめてのおるすばん(岩崎書店)▽ごんぎつね(偕成社)▽さかさのこもりくん(教育画劇)▽へんしんトイレ(金の星社)▽なにをたべてきたの?(佼成出版社)▽100万回生きたねこ(講談社)▽ふしぎふしぎ(国土社)▽ひろしまのピカ(小峰書店)▽絵本星の王子さま(集英社)▽イモムシかいぎ(小学館)▽ぴょんぴょんぱんのかばんです(新日本出版社)▽くまこちゃんのみずたまはんかち(鈴木出版)▽どうぞのいす(ひさかたチャイルド)▽パパとママのたからもの(評論社)▽うえへまいりまぁす(PHP研究所)▽スーホの白い馬(福音館書店)▽やさしいライオン(フレーベル館)▽あくび(文溪堂)▽キャベツくんのにちようび(文研出版)▽おんぶはこりごり(平凡社)▽ぼくにげちゃうよ(ほるぷ出版)▽おまえうまそうだな(ポプラ社)▽せかいでいちばんつよい国(光村教育図書)▽ルリユールおじさん(理論社)

郷土史研究家の顔も/浦賀で150年、7代目当主/横須賀市・金文堂信濃屋書店

横須賀といえば米海軍キャンプ、海上自衛隊地方総監部のある基地の町の印象が強いが、幕末、ペリーの乗る黒船が錨を下したのは同じ横須賀でも浦賀沖。江戸時代には奉行所が置かれ、江戸に入る荷船で賑わった浦賀に19世紀末から続く金文堂信濃屋書店を訪ね、7代目当主、山本詔一さんの話を聞いた。
初代の信濃屋佐兵衛は長野県小諸の出身なので信濃屋を名乗ったようです。金文堂の方は意味不明で、江戸時代の書付には信濃屋としか出てきません。わかっているのは没年が天保6年(1830年)ということで、19世紀初めに創業したんでしょうね。浦賀には奉行所があり、このあたりは商人の町でした。そういった商人を相手に大福帳、紙、筆墨を商った。私が7代目になります。
本屋を始めたのは明治時代からです。明治5年に学校令が公布されましたが、学校はまだ寺子屋の延長で自分たちで教科書を作っている。文具をやっていたので、手伝ってくれと言われたんでしょうね。それで教科書を出版したのが本屋のスタートです。今でも教科書はかなりやっています。小中高30校。横須賀には小中学校が75校ありますが、そのうち60校をうちと横須賀中央の信濃屋でやっています。横須賀中央の信濃屋は、この店から分かれた支店ですが、本家に子供がいなくなって、支店から妹をもらった。それが私の母で、横須賀中央の山本裕一は従兄弟にあたります。
従業員は私が代表取締役で、弟の雅之(52歳)と長男の亮(29歳)が取締役、番頭の小川が外売担当。あとは私と弟のカミサンがパートタイムという構成。
うちの場合、教科書、指導書の売上げがかなり比重を占めるので、教科書の改訂があった年は売り上げが伸びる。19年度と20年度は厳しいが、21年度になると小学校の教科書改訂がある。小学校は全教科を教えるのでクラス分の指導書が必要なわけです。
〔海上自衛隊への納品大きい〕
外売は海上自衛隊横須賀地方総監部が大きい。船には最低限積んでおかなければいけない法規集があります。それに各艦船に図書室があり、そこに収める本も必要です。入札ですから全部が来るわけではありませんが。たとえば協会ものとかで、書店ルートにのらない本があるでしょう。大手書店なんかだと立て替えだとか面倒で、100冊の注文で、そういうのが7、8冊あると、じゃあいいですよとなる。海上自衛隊だけではありませんが、自衛隊全体で2千万円ぐらいの商いがあります。久里浜の陸上自衛隊通信学校には、薬局、雑貨屋、菓子屋、パン屋と5店舗で出資して売店を共同経営しています。
久里浜少年院、横須賀刑務所の場合、入所者が本や雑誌を買います。自弁図書といって願箋に書いて提出すると、まとめて注文をくれるんです。週刊誌が多いので、毎朝配達に行っています。
この場所は浦賀駅に近いわけじゃないし、人通りがある所でもないので、店売りだけではやっていけない。私が刑務所、少年院と自衛隊売店、弟が防衛大学校と、その周辺の宅配、せがれが店周辺の宅配と役割分担をしています。顧客数は年末に配るカレンダーが550じゃちょっと足りないぐらいかなあ。10坪の店にしては書籍の注文は多いと思います。PC・NOCSを使っています。比率からすると自衛隊、学校、店売で4対3対2ぐらいでしょうか。
今後の課題ですか。外商に頼っているので、店売りをもうすこし何とかしたい。外商の場合、どうしても入金が遅れ、毎月やりくりに四苦八苦します。現金売りが少ないのをどう改善するかで頭を痛めている。
浦賀は東京に対する通勤圏でしたが、周辺の団地も30年ぐらいたち、住民が高齢化しています。子どもたちが多かった時は『中1時代』『中1コース』を70冊、80冊と配達していました。今、配達で多いのは『文芸春秋』やNHKの趣味のテキスト。3冊とっていた家も1冊やめる、2冊やめると減っていく。もうひとつ外側まで配達区域を伸ばすかどうか。競合していた書店はほとんどやめちゃった。浦賀駅からここまで、ここから久里浜駅までは1軒も本屋がない。
教科書を何校か譲った書店がありますが、3年ほどでやめてしまった。そりゃそうですよ。11月に教科書が入っても3月まで手が付けられず、清算が終わって入金するのが7月。8カ月寝かしておかなければいけない。倉庫を借りて、アルバイトも雇わなければならない。それで7月に入るともう後期用が入ってくる。
〔歴史書品揃えには抵抗が…〕
大学では、江戸時代の落首と庶民の生活を研究していた。神保町はよく通いましたね。卒業の時、たまたま父親が怪我をして店をやれなくなったものだから、そのまま店に入りました。それがなければ、そのまま大学院に残って勉強を続けていたかもしれません。
現在、会長をやっている「横須賀開国史研究会」(会員450人)は9年目。連続4回くらいの勉強会を年4回。歴史散歩などの外歩きが3回。そのほかシンポジウムと総会があり、機関紙を年1回出しています。毎回70人から80人ぐらい集まります。「三浦半島まるごと博物館」は4月から代表幹事になります。これも年に4回ぐらい。
郷土史をやっていることで地元に対する顔は広くなりました。歴史散歩の途中に、講師が私の店に寄ってくれて、参加者が周辺ガイドを買っていくこともあります。その延長線で歴史書の品揃えも考えていますが、あまりにも趣味の世界に入りすぎてはいけないと自分でブレーキをかけている面もあります。
著書は神奈川新聞に連載した『横須賀開国物語』と『浦賀奉行所与力中島三郎助の生涯』を神奈川新聞社から出しています。
郷土史の関係で横須賀市や神奈川県の委員も受けていますから、教科書時期は別ですが、それ以外の時期はウイークデイの午後は店にいません。家族、とくに弟はすごく理解してくれているので感謝しています。あきらめちゃったのかもしれませんが。
(田中徹編集長)

サンデー、マガジンが共闘/創刊50周年で共同事業展開

講談社と小学館は「週刊少年マガジン」「週刊少年サンデー」の創刊50周年を記念して共同プロジェクト「チームウェンズデイ」を発足する。ライバル両誌が手を組み、新マンガ誌発行、人気キャラクターを使った関連グッズ商品化などの企画を来年3月17日まで1年間展開する。
「チームウェンズデイ」は両誌の水曜発売からつけられた名称。プロジェクトは3月19日発売号のコラボ表紙を皮切りに、コラボレーション企画が次々と登場。4月10日には期間限定で新マンガ誌「名探偵コナン&金田一少年の事件簿」を創刊する。サンデーの「コナン」とマガジンの「金田一」の過去作品をまとめたもので、10日・25日の毎月2回、両社が交互に発売する。第1号は小学館が発売。定価は380円。
新雑誌のほか、ユニクロが両誌の人気キャラクターTシャツを53週にわたり毎週販売。コナミ、江崎グリコ、セガ、タカラトミー、エポック社、バンダイなどのオフィシャルスポンサー企業がゲームソフト、玩具、チョコレート、UFOキャッチャー、野球盤などを販売。業種を超えたコラボレーション企画が実現する。
3月18日、東京・六本木アカデミーヒルズで行われた記者発表では、小学館相賀昌宏社長と講談社野間省伸副社長が笑顔で握手。野間副社長は「両誌は世界に誇る漫画文化を築き、読者に夢と希望を提供してきた。昔読者だった方々にももう一度読んでいただきたい」、相賀社長は「戦後60年かけてコミックという表現が育ち、海外まで展開するようになった。漫画家、書店、読者など、漫画に関わるすべての方々に感謝するとともに、今回のプロジェクトへの協力をお願いする」とあいさつした。
サンデー林正人、マガジン森田浩章両編集長がチーム発足を宣言し、オフィシャルパートナー企業を代表してユニクロ柳井正社長があいさつ。チーム応援団として女優の石原さとみさん、俳優の小栗旬さん、あだち充、高橋留美子、ちばてつや、藤子不二雄Aさんらもお祝いを述べた。

今年は江戸城/江戸検定のテーマ

江戸文化歴史検定協会が認定する第3回江戸文化歴史検定は11月3日の文化の日に行われるが、今回より「今年のお題」として江戸の文化や歴史に関するテーマを設定し、関連した問題を一定の割合で出題することになった。
3月18日に行われた説明会では、今年のお題が「江戸城~将軍と大奥」に決まったと発表された。今年は江戸城の無血開城から140年にあたるため、初めてのお題として江戸時代のシンボル「江戸城」を取り上げた。出題は将軍の衣食住、大奥の年中行事、江戸城で起こった出来事、世継問題、江戸城の構造・歴史などにスポットがあてられる。
出題範囲は1級が公式テキスト上級編『江戸博覧強記』より5割、お題より2割、2級が公式テキスト初級編『大江戸見聞録』より5割、お題より2割、3級が『大江戸見聞録』より8割、お題より1割となっている。

新刊書籍の発表会/講談社

講談社は3月25日午後4時から本社26階レセプションルームで2008年新刊書籍発表会を行った。発表会では広報室渡瀬昌彦室長が「新刊説明会は講談社として初の試み。新聞社、通信社、メディアにお集まりいただき、新刊情報を深く細かく迅速にお伝えしていく」と趣旨説明。学芸局、文芸局、生活文化局、総合編纂局、児童局の各出版局ごとに局長が新刊企画の説明を行った。
特別講演として4月末に世界の指導者29人の肖像をまとめた人物ルポ『葡萄酒か、さもなくば銃弾を』を出版する手嶋龍一氏が同書執筆の背景、エピソードを特別講演した。
説明会終了後の懇親会であいさつした野間省伸副社長は「書籍事業は昨年好調に推移し、今年も東野圭吾の『流星の絆』が30万部を突破し、本屋さん大賞を受賞した『一瞬の風になれ』もロングセラーを続け、引き続き売り伸ばしたい。今後も広報活動に力を入れていく。皆さんのご支援をお願いする」と述べた。

鶴田会長退任、相談役に/阿部洋一郎副会長は会長昇格/日販

日販は第61期役員・職制人事体制と組織機構改訂を決定した。役員体制は4月1日付の昇任並びに業務分担変更、6月27日付の昇任・新任・退任(株主総会決議をもって正式決定)について、同時発表とした。
第61期は3年にわたる中期経営計画「NEXT」の最終年度。「新たな成長を実現する構造改革の推進」の仕上げを行なうべく、役職員一丸となって目標達成に邁進する体制確立を目指した。組織機構は重点施策の遂行体制強化、システム関係業務の推進体制強化を主眼に改訂を行なった。
役員人事では4月1日付で高見常務、石田常務が専務に昇格。小林取締役は常務に昇任。株主総会後の6月27日付で鶴田会長、鎌谷常務、井上取締役、黒岩監査役が退任し、阿部副会長が会長に昇任。新任取締役は吉島哲夫、中山剛の両氏。井上氏は常任監査役に就任する。
組織機構ではHonyaClub推進体制強化として加盟1千店、会員1千万人を早期に実現させるとともに、会員個々にマッチする情報提供体制の確立、購買履歴データの活用等を進める組織強化を行なった。
SA業務の体制強化では、システム部SA課をWWW推進部へ移管し、WWW店を中心としたSAサポート業務を強化。書店ニーズに即したサービスを目指す。システム部流通システム課は流通計画室へ、流通計画室FAシステム課はねりま流通センターへ移管し、現場に密着したFAシステム開発体制を強化し、システム障害の再発防止体制を期す。株主総会後の役員体制は以下を予定している。◎昇任、○新任。
取締役会長◎阿部洋一郎
代表取締役社長
古屋文明
代表取締役副社長(経営全般担当、地域COO会議議長)柴田克己
専務取締役(取引部・取協・渉外担当)橋昌利
専務取締役(ネット事業部担当、出版共同流通㈱代表取締役社長、日販運輸㈱代表取締役社長)髙見吉弘
専務取締役(事業戦略部・特販営業部担当)石田耕二
常務取締役(CVS部担当)鈴木暁
常務取締役(関西・岡山地域COO)小林利夫
取締役(営業推進室長、経営相談室長、事業戦略部長)加藤哲朗
取締役(経理部長、システム部長)平林彰
取締役(www推進部長、書籍部長、雑誌部長) 安西浩和
取締役(㈱MPD代表取締役社長)吉川英作
取締役(特販営業部長)廣谷繁樹
取締役(首都圏地域COO)○吉島哲夫
取締役(物流部門担当、王子流通センター所長)○中山剛取締役(CCC㈱代表取締役社長)増田宗昭
常勤監査役高橋滋世常勤監査役井上顯一
監査役(㈱新潮社代表取締役社長)佐藤隆信
監査役(公認会計士、税理士)髙野角司
退任予定者(退任後就任予定)
鶴田尚正(相談役)、鎌谷照夫(顧問)、井上顯一(常勤監査役)、黒岩紘司

本屋のうちそと

「30数年前と景色が変わらない鴨川沿いの川端通りを」井蛙堂殿、京阪電鉄は地下に潜り、都大路にチンチン電車は無く、変わらぬものはイノダのコーヒーと珉珉・王将の餃子位か『春行けど流せぬ花弁胸に有り』。ネットでロイターのニュースを読んでいたら、米国の消費者がサブプライム問題以後の不景気で「計画的な消費」に目覚め、倹約を取り入れた身の丈に合った生活を学び始めているという。但しその消費行動は過剰消費を成長率の糧として来た米国経済には悪影響だろうと。うーん、家計簿売れそう。今の世界経済がいかに大量生産・大量消費・大量のゴミによって成り立っているのかが分かる。文藝春秋の「片づけられない女のためのこんどこそ!片づける技術」と「貯められない女のためのこんどこそ!貯める技術」(共に池田暁子著)は英訳で売れそうな気がするのだが、いかが?経団連は10年以内に世界最高の所得水準を実現するためにあらゆる政策を結集すべき、と言っているが、与党からさえもコンビニの24時間営業は止めるべきだろうという話も出て来る昨今、その求めている生活が今後の地球環境から許容可能なものなのか、という話は無い。
そんな贅沢な夢では無く、普通の本屋が普通に商売して生きて行けるような世の中になって欲しいなぁと願う春の宵。日本と世界の経済は桜が散る頃までは大丈夫のようだ。『雨優し花散れぬ儘泣きし儘』 (海人)