全国書店新聞
             

令和2年10月1日号

「読書週間」10月27日から14日間/さまざまな企画で読書の魅力伝える/日書連は「書店くじ」実施

読書推進運動協議会(読進協、野間省伸会長)は恒例の秋の行事「読書週間」を開催し、10月27日から11月9日までの14日間、「ラストページまで駆け抜けて」を標語に掲げ、全国各地で読書の魅力を伝える企画を展開する。今年で第74回目。日書連は期間中、「読書週間書店くじ」を各都道府県組合の加盟書店で実施する。本と読書に関わる業界・機関が一丸となって「読書週間」を盛り上げたい。
読進協は、今年は新型コロナウイルスによる自粛、夏の豪雨による被害もあることから、「こんな時だからこそ、1人でも楽しめる読書の魅力、物理的に隔てられた人々の心を結ぶ道具となる本の力を、多くの人に伝えていただきたい」として、①国民すべてに読書をすすめる運動、②とくに青少年に読書をすすめる運動、③読書グループの結成促進、④家庭文庫、地域文庫、職場文庫の充実――の4項目をテーマに掲げた。
「全国優良読書グループ表彰(第53回)」、「野間読書推進賞(第50回)」贈呈式開催(感染症対策に配慮した形での開催・対応を検討)、ポスターおよび広報文書配布(全国の小・中・高校、公共図書館、書店、関係出版社、報道機関など)、道府県の読書推進運動協議会・関係団体の協力を得て各種行事実施の推進――を予定している。
また、日書連は「読書週間書店くじ」の店頭掲示用ポスターを作った。日書連ホームページから画像データをダウンロードしてプリントする。読者サービスに活用し、店頭を盛り上げたい。

岩手読書感想文コンクールに大リーガー菊池雄星投手が協力/玉山哲理事長を再選/岩手総会

岩手県書店商業組合は7月30日、盛岡市のメトロポリタン盛岡ニューウイングで令和1年度通常総会を開催し、組合員42名(委任状含む)が出席した。本年は新型コロナウイルス感染防止の観点から本人出席は少人数での開催とした。役員改選では玉山哲理事長(東山堂)を再選した。
はじめに玉山理事長があいさつし、「新型コロナウイルスによる環境の変化が見られ、経営に悪い影響を及ぼすことが想定されるが、ピンチをチャンスととらえ、組合員全員で前に進もう」と呼びかけた。
また、球界随一の読書家で盛岡市出身の岩手県人メジャー・リーガー、シアトル・マリナーズの菊池雄星投手(花巻東高)が、「1人でも多くの子どもたちに1冊でも多くの本を読んで欲しい」との思いで、岩手読書感想文コンクール(岩手日報社、日報岩手書店会主催)に今年から全面協力を約束。同コンクールを「菊池雄星文化プロジェクト岩手読書感想文コンクール」とし、全入賞者にメッセージ入り図書カードを進呈することや、入賞者の中から1人に「菊池雄星特別賞」、取り組みが優れていた学校に「雄星文庫賞」を贈ることを報告した。同プロジェクトを読書推進につなげる。
引き続き玉山理事長を議長に議案審議。令和1年度事業報告、収支決算報告、令和2年度事業計画案、収支予算案などすべての議案を原案通り承認した。
事業報告では、第157回芥川賞を受賞した盛岡市在住の作家・沼田真佑氏の小説を、盛岡市出身の映画監督・大友啓史氏が岩手県を舞台に映画化した作品「影裏」の制作への協力、昨年より実施している高校生によるブックカバーデザインコンテストを成功裏に開催したことを報告した。
令和2年度賦課金は、新型コロナウイルスの影響を鑑みて同年度に限り全額徴収しないことを承認した。
任期満了に伴う役員改選では、玉山理事長をはじめ全員重任となった。
(小原玉義広報委員)

新型コロナウイルス対策支援金の送金終了いたしました

新型コロナウイルス対策支援金として、書店組合加盟を条件に5万円を支給する緊急支援策は、9月24日付の送金をもって終了いたしました。入金の確認をお願いいたします。
一般財団法人
全国書店再生支援財団

日書連10月理事会書面議決で開催

10月22日に開催を予定していた日書連定例理事会は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から書面で行います。提案議案は定款第53条4項にある通り、理事全員が同意の意思表示をした場合に決議があったものとみなします。
また、同21日に予定していた各種委員会は中止します。

コロナ禍図書館に電子化の波/組合として対応進める/福島総会

福島県書店商業組合は8月1日、郡山市の郡山商工会議所で第36回通常総会を開催した。今年は新型コロナウイルスの影響で例年より遅い開催となった。また、マスク着用やソーシャルディスタンスなどの対策を徹底。来賓は招待せず、版元各社の新企画発表、懇親会も取り止めた。
冒頭あいさつした鈴木雅文理事長(昭和堂書店)は「ようやく本年度の事業を始められることになった」と述べ、組合員の協力に謝意を表明。小林専務理事(西澤書店)の開会宣言に続いて議案審議を行い、すべての議案を承認した。大内副理事長(大内書店)の閉会宣言で終了した。
今回の総会では図書館納入をテーマに講演会を行うことを予定していたが取り止め、鈴木理事長を講師に勉強会を開催。鈴木理事長は「新型コロナウイルスの影響で生活様式が変化し、これまで隠れていた電子化の波が図書館でも表面化してきた。今、学校や図書館が電子化に舵を切れば、書店との関わりは消える。福島組合は先行して具体的に対応する手立てを整えている。現在、取引条件を詰めているところ」と述べ、資料をもとにシステムの内容を説明。地元図書館が電子化を進めている地域があれば連絡してほしいと呼びかけた。(大内一俊広報委員)

万引防止マニュアル冊子/中学1年生保護者に配布/万防機構

全国万引犯罪防止機構(万防機構、竹花豊理事長)はこのほど、中学1年生の子どもを持つ保護者向けの万引防止啓発マニュアル冊子「中1の保護者さまへ」を制作し、8月下旬から全国すべての中学校を通じて各家庭に配布している。すべての中1の保護者に行き渡るよう約107万部を用意した。A5判、8ページ。文化学園大学名誉教授・野口京子氏が監修を務めた。
万防機構が日本宝くじ協会助成事業として、青少年の規範意識向上を図ることを目的に、昨年に続いて制作した。昨年は各校に40部ずつ配布したが、「もっと欲しい」との要望を受け、制作部数を増やした。
冊子では、子どもたちが万引をする時の理由や気持ち、子どもが万引をした時の対応の仕方や上手にコミュニケーションをとるためのヒント、文部科学省「24時間子供SOSダイヤル」などの相談機関を掲載している。
8月28日に開いた記者説明会で、竹花理事長は「警察の経験と万防機構の情報を元に、野口先生が心理学の理論を加味して監修し、菊間千乃理事(弁護士)が法的な観点から見直してまとめた。思春期の変わり目の時期に、親と子どもが話し合うきっかけになれば」と説明。また、来年は小学生向け冊子の制作も検討したいとの考えを示した。
野口氏は「子どもたちの健全育成と非行防止にも役立つ健康心理学の理論を元に構成した」と説明した。

読書推進運動を継続・強化/「本の日」「SJの日」にキャンペーン/奈良総会

奈良県書店商業組合は8月22日、大和郡山市のディーズブック会議室で第36回通常総会を開き、組合員19名(うち委任状出席9名)が出席した。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、来賓は招かず懇親会も開催しない異例の総会となった。初めて導入した書面議決には組合員3名が参加した。
総会は川岸泰子理事が司会進行。冒頭あいさつに立った林田芳幸理事長(啓林堂書店)は「新型コロナウイルスの感染拡大により大きな打撃を受けたが、本が日々の暮らしに欠かすことのできない大切なものであることが分かった。人々の心を潤し、豊かにする本を地域に届け続けるために、一丸となって頑張っていこう」と呼びかけた。
森谷勝則副理事長を議長に議案審議を行い、第35期(令和1年度)事業報告、決算報告、監査報告、第36期(令和2年度)事業計画案、予算案を原案通り承認可決した。
事業計画では、「奈良県の本屋さんへ行こう!スタンプラリー」(年末年始)と「サン・ジョルディの日」バラの花と図書カードが当たるキャンペーン(4~5月)を引き続き実施することと、11月1日「本の日」に合わせてギフトブックフェアと図書カードプレゼントキャンペーンを実施することを決議した。
(靏井忠義広報委員)

木野村匡理事長を再選/岐阜組合

岐阜県書店商業組合は8月26日、岐阜県教販で今年度の第1回理事会を開き、木野村匡理事長(東文堂本店)を再選した。
新役員体制は次の通り。
[岐阜組合役員体制]
▽理事長=木野村匡(東文堂本店)
▽副理事長=浅野隆男(郁文堂書店)、池田英作(青原堂)、富田茂(ブックスアイ・オー)
(事務局・大橋麻紀子)

「春夏秋冬本屋です」/「青森の方言」/青森・成田本店しんまち店図書部業務係長・齊藤夕子

先日放映されたあるバラエティー番組で東北の方言を取り上げたらしく、後日、青森の方言の話題になった。全国放送でよく字幕が付くアレである。大概は「こんな会話にまで字幕付けて」と大笑いするのだが、実際は同じ県内の方言でもお互いに通じない部分もあり、「ん?なんて言った?」と思うこともあるのだ。
そんな時に思い出すのが、入社したての頃の聞き間違いだ。年配のお客様が「チッテ下さい」とはっきりと丁寧におっしゃったので、「チッテでございますか?」と笑顔でお答えしたら、お客様も笑顔で「うん、○○円の」とお答えに。実は切手をお求めだったのだ。平静を装って対応したつもりだが、何とも勘が悪い話で逃げ出したいくらい恥ずかしかった記憶がある。
津軽弁では、「キ」は〝チ〟と〝ツ〟の間、「シ」は〝シ〟と〝ス〟の間のような発音をするため、ゆっくりと話したりひらがなで書いたりすると混同する方がごく稀にいるらしい。子供の頃、「扉は静かにすめて下さい。」と書かれた張り紙を見たことがある。「閉める」という漢字がわからなかったはずはなかろうに。せめてそこも漢字で記入していれば私ごときに笑われずに済んだのに…。
最近の若者はあまり方言で話しているのを聞かないが、こういった勘違いや笑い話も起きない時代がやってくるのだろうか。少し残念な気もする。

豪雨被災地の幼稚園などに図書寄贈/熊本トーハン会

トーハンは、熊本トーハン会から発案された令和2年7月豪雨被災地への図書寄贈に賛同し、実施に協力した。
同会の宮﨑容一会長(宮崎一心堂、熊本県書店商業組合副理事長)が「未来ある被災地の子どもたちがこれからも長く本と接する機会を作りたい」と呼びかけたことに、トーハンも賛同。同会から人吉市、芦北町の公立幼稚園・保育園・認定こども園25ヵ所に対し、合計275冊の図書が贈られるにあたり、トーハン九州支店でも「明るい内容で繰り返し楽しめる本」を中心に、図書の選定に協力した。
8月25日に、宮﨑会長、地元書店を代表して人吉市の清藤書店・清藤社長、トーハン九州支店・福留支店長が人吉市の施設を訪問し、子どもたちの元へ本を届けた。寄贈先の施設からは「大切に読ませていただきます」と感謝の言葉が述べられた。近日中に芦北町の施設でも贈呈式が行われる予定という。

宮脇理事長「コロナの影響注視」/店頭接客細心の注意を/香川総会

香川県書店商業組合は8月21日、高松市のパールガーデンで令和2年度通常総会を開催し、組合員26名(委任状含む)か出席した。
総会は髙木敏彦専務理事の司会で始まり、冒頭で宮脇範次理事長(宮脇書店)があいさつ。総会を書面議決で行うことができるよう定款に定めていないため、今回は新型コロナウイルスの感染に十分注意して開催することになったことを説明した。
また、新型コロナウイルスの影響について、「緊急事態宣言が出た時、書店は休業対象に含まれなかったため、全国的に前年比で売上げが増えた書店も一部あるようだ。一方、大型商業施設の休業要請の影響により大幅減の書店もあったと聞いている」と説明し、「今後書店業界を取り巻く環境がどのように変化していくのか注視する必要がある」と述べた。
続いて宮脇理事長を議長に議案審議を行い、令和1年度事業報告、決算報告、監査報告、令和2年度事業計画案、予算案、経費の賦課額及び徴収方法などすべての議案を原案通り可決承認した。
最後に、事務局より「新型コロナウイルスの影響もいまだ払拭しきれていない現状。店頭で接客するときは注意していただきたい」と要請し、総会を終了した。(髙木敏彦専務理事)

乳幼児から中学生までのおすすめ本ガイド/児童出協から

日本児童図書出版協会(児童出協)は、『乳幼児・小学生のための絵本ガイド』と『小学生・中学生のための読書ブックガイド』の2020年版を発行した。A5判、各40ページ、無料。
新刊情報誌『こどもの本』の前年度の掲載図書から、学校や図書館、家庭での読書により適した本を厳選し、対象年別にまとめたもの。20年版は、『絵本ガイド』は絵本143冊、『読書ブックガイド』は読みもの144冊を収録、全ての本をカラーで紹介する。巻頭では、ロングセラーや新刊の中で、前年度に特に読者の支持を得た本を、会員各社が1冊ずつ紹介している。
問い合わせは、日本児童図書出版協会事務局(℡03―6273―7484)まで。

出版社の4氏を顕彰/出版平和堂

日本出版クラブは、7月17日に開催した出版平和堂委員会で、次の4氏を出版功労者として新たに顕彰することを決定した。
出版社関係=宮田昇(日本ユニ・エージェンシー)藤原一晃(白水社)渡邊隆男(二玄社)宮部高志(斯文書院)
※取次、書店関係は対象者なし
なお、「出版平和堂第52回出版功労者顕彰会」は新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、開催を見送ることとした。

7月期販売額は2・8%減/コミックス、『鬼滅の刃』の好調続く/出版科研調べ

出版科研調べの7月期の書籍雑誌推定販売金額(本体価格)は前年同月比2・8%減となった。
内訳は、書籍が同7・0%減、雑誌が同1・4%増。書籍は5、6月期に9%台の大幅増を記録していたが、当月は新刊の刊行が少なく、送品も出回り金額が同6・5%減と落ち込んだ一方で返品が増加したため、マイナスになった。雑誌の内訳は、月刊誌が同5・7%増、週刊誌が同16・6%減。月刊誌の増加は、前月に続きコミックスが牽引したもので、7月3日に『鬼滅の刃』(集英社)21巻が前巻より20万部増の初版300万部(特装版含む)で刊行され、コミックスを大きく押し上げた。週刊誌の大幅減は、合併号の発売などで『週刊少年ジャンプ』(集英社)、『週刊女性』(主婦と生活社)の本数が前年同月より2本少なかったことなど、刊行数の減少が響いた。
返品率は、書籍が同0・3ポイント増の40・2%。学参や教科書採用品など新型コロナウイルスの影響で販売が変則的になった分野の返品が7月にずれ込んだこともあり、3ヵ月ぶりに増加した。雑誌は同5・5ポイント減の37・5%で、内訳は月刊誌が同6・8ポイント減の36・6%、週刊誌が同0・6ポイント増の41・9%。コミックスの好調が月刊誌の返品率改善に寄与している。
書店店頭の売上は、書籍が約1%減。今年はコロナ禍による学校の長期休校が影響し、全国的に夏休みが短縮傾向にあるため、7、8月に伸びる課題図書や夏休み向け学参の動きが低調で、学参、児童書はマイナスになった。文芸書は村上春樹の短編小説集『一人称単数』(文藝春秋)の発売もあって約5%のプラス。
雑誌の売上は、定期誌が約6%減、ムックが約17%減、コミックスが約30%増。コミックスは『鬼滅の刃』に加え、『SPY×FAMILY』(集英社)など新しいヒット作が出現している。

河出『緊急提言パンデミック』を増売/研修会、新年懇親会は中止に/東京組合

東京都書店商業組合(矢幡秀治理事長)は9月2日、東京・千代田区の書店会館で定例理事会を開催した。
庶務報告では、第30回神保町ブックフェスティバルが新型コロナウイルスの感染状況を鑑み中止になったこと、東京都最低賃金(地域別最低賃金)は現行の1013円で据え置かれることを報告した。また、全国万引犯罪防止機構が作成した保護者向け万引防止啓発マニュアル冊子「中1保護者のみなさまへ」と、東京都が設置した「犯罪お悩みなんでも相談」窓口のチラシについて説明し、参考にしてほしいと求めた。
総務・財務委員会では、奥村弘志元副理事長が8月12日に逝去したことを報告し、全員で黙祷をささげた。また事務局人事について、10月6日付で北住和弘局長代理を事務局長に任命することを正副理事長で決定したと報告した。
事業・読書推進委員会では、河出書房新社が10月6日に発売するユヴァル・ノア・ハラリ著の新刊『緊急提言パンデミック寄稿とインタビュー』について、書店マージン30%の販売施策を実施すると説明があり、増売企画として取り組むことを承認した。出版社広告入りポリ袋は、今年7月より実施されたレジ袋有料化の影響で受注が少ないため、支部等でも購入を検討してほしいと呼びかけた。
指導・調査委員会から「令和2年度書店経営研修会」について、厚生・倫理委員会から「令和3年新年懇親会」について、新型コロナウイルスの感染状況を鑑みて開催を中止することの提案があり、それぞれ承認した。
共同受注・デジタル委員会からは、日本教育公務員弘済会助成校への図書セット配送・検品について、8月31日で作業を終了したと報告があった。

静岡書店大商談会・静岡書店大賞を延期

静岡書店大商談会実行委員会(吉見光太郎実行委員長=静岡県書店商業組合理事長)は、新型コロナウイルス感染症の影響を鑑み、第5回「しぞ~か本の日!書店大商談会」、第9回「静岡書店大賞」を延期すると発表した。
当初は密の状態を伴う形式を避け、可能な範囲での開催を模索していたが、商談会参加書店員の制限による商談成立金額の減少や、書店大賞受賞作の出版社へ直接訪問が行えず、特別帯や必要部数の相談が難しいこと、書店大賞のPR活動がない状況での販売実績への影響などを懸念し、延期することとした。

マイバッグ使用マナー啓発ポスター/希望する組合に画像データを送ります/全国万引犯罪防止機構

7月1日から全国の小売店でプラスチックレジ袋の提供が有料化されたことに伴い、マイバッグを悪用した万引の増加が小売店や警備関係者の間で懸念されています。
これに対処するため、全国万引犯罪防止機構(竹花豊理事長)はこのほど、マイバッグ使用マナーに関する普及啓発ポスターを2種類作成し、店内に掲示して万引防止のため活用してほしいと呼びかけています。
希望する書店組合にポスターの画像データを送ります。自由にご使用ください。問い合わせは全国万引犯罪防止機構事務局(担当=阿部信行氏)まで。℡03(5244)5612

中央社、減収減益の決算/雑誌は6期ぶり前年を上回る

中央社は8月18日、東京・板橋区の本社で定時株主総会と取締役会を開き、2019年度(2019年6月1日~20年5月31日)決算書案、役員人事案などを承認した。
19年度の売上高(プロパー)は前期比1・8%減の207億222万円。その他営業収入を合計した総売上高は同1・9%減の208億8617万円となった。内訳は、雑誌が同4・9%増の121億6653万円、書籍が同11・4%減の72億9652万円、特品等(マルチメディア商品)が同0・9%減の12億3917万円、その他営業収入(不動産収入等)が同10・1%減の1億8394万円。営業利益は同1・7%減の2億3640万円、経常利益は同15・3%減の6411万円、税引後当期純利益は同35・3%減の4021万円で、減収減益の決算となった。
雑誌部門のうち、コミックスを除く雑誌は同8・8%減、雑誌扱いコミックスが同13・0%増。定期雑誌とムックは前年に続き減少したが、コミックスが主要シリーズの定価改定や、『鬼滅の刃』をはじめとする映像化作品の大ヒットなどで前年を大きく上回り、雑誌全体で前年を上回る実績となった。雑誌が前年を超えたのは13年度以来6期ぶり。書籍部門は、書籍扱いコミックや大物商品などが減少し、前期を下回った。特品部門は、専門店向けの特装版商品などが減少し、微減となった。
返品率は同0・2ポイント減の29・9%。内訳は、雑誌が同1・8ポイント減の28・8%、書籍が同2・4ポイント増の33・7%、特品が同1・3ポイント減の13・0%。返品減少の取り組みを個店や法人本部と進め、返品率は前年から0・2ポイント改善し、4年ぶりに30%を下回った。
経費面では、運賃上昇等が影響し、販売費及び一般管理費の合計は同0・8%増と上昇した。
19年度の売上は、2月までは好調に推移していたが、新型コロナウイルスの影響を受けた3~5月は2桁以上の落ち込みを記録、通期ではマイナスとなった。記者会見で森岡憲司社長は「6、7月も売上は10%ほど落ちている」と説明。20年度はコロナの影響からの回復を見込み、雑誌、書籍、特品等のプロパー売上高は同4・7%増の216億6663万円、返品率は同1・6ポイント減の28・3%を目標に掲げた。書店店頭の魅力を高めるため、商品供給と情報提供及び営業活動を強化し、書店の支援に注力する。近刊情報を活用した施策「街の本屋さん販促支援プロジェクト」を通じ、書店が主体となって読者に出版物を届ける体制の強化を図っていく。
また、株主総会・取締役会では、取締役全員の重任を決定した。

日経MJ「日本の専門店調査」/CCC、3532億円で首位/書籍・文具部門売上高ランキング

日経MJ(8月5日付)は「第48回日本の専門店調査」(2019年度)を発表した。これによると、全国の有力専門店316社の総売上高は25兆8252億円と前年比2・4%増。増加は5年連続となり、割安感で節約志向の消費者をつかんだ企業が堅調だった。
全24業種(その他業種も含む)のうち、増収は12業種で、前回からは2業種減。スポーツ用品や生鮮がマイナスに転じた一方、酒類がプラスになった。伸び率の高かった業種はドラッグストア(6・8%増)やリサイクルショップ(6・7%増)で、安価に商品を購入できる業態への支持が高まった。増収率が5%超の業種は5業種で前回と変わらず。
書籍・文具部門を見ると、全体の売上高は1・0%減と前回調査の8・8%増から減少に転じた。1位のカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が減収に転じた影響が大きく、18年度は徳間書店の買収などで売上高が伸びたが、19年度は2・0%減となった。2位の紀伊國屋書店は0・9%減。丸善ジュンク堂書店(0・5%減)や未来屋書店(3・2%減)なども減少しており、いずれも書籍や雑誌の販売が低迷。「ネット通販との競争激化が要因とみられる」と同紙は指摘している。
総売上高経常利益率はリラィアブルが4・4%、1人当たり総売上高は丸善ジュンク堂書店が7億4758万6千円、3・3平方㍍当たり直営店売上高は有隣堂が247万4千円、直営+FC新設店舗数はヴィレッジヴァンガードコーポレーションが8店でそれぞれトップだった。

7月期は前年比3・8%増/書籍は5ジャンルが前年超え/日販調査店頭売上

日販調べの7月期店頭売上は前年比3・8%増で、前月と比べ1・2ポイント上昇した。
書籍は1・4%減。総記、文芸書、ビジネス書、専門書、新書の5ジャンルで前年を上回った。総記は一斉休校解除の動きがあった影響で、学校の授業で使用する国語辞典や英和辞典などが好調を続け、3ヵ月連続で前年比プラスを記録した。文芸書は、村上春樹『一人称単数』(文藝春秋)などが売上を牽引し2ヵ月連続の前年超えになった。新書は「鬼滅の刃」小説版の新刊『鬼滅の刃風の道しるべ』(集英社)が売上を伸ばしたほか、既刊2点も好調を続けており、23・4%増と大きく前年を上回った。
雑誌は10・1%減。月刊誌は、「コロコロコミック8月号」、「ちゃお8月号」(ともに小学館)など、子ども向けの商品が売上を牽引。週刊誌は、7月22日発売の「anan」(マガジンハウス)が売上を伸ばした。一方、新型コロナウイルスの影響により発売が延期・中止となるタイトルがあり、雑誌全体では前年超えとはならなかった。
コミックは30・1%増と10ヵ月連続で前年を上回り好調を持続。雑誌扱いコミックは『鬼滅の刃21』、『鬼滅の刃21シールセット付き特装版』(ともに集英社)が大幅に売上を伸ばした。書籍扱いコミックは、『文豪ストレイドッグス19』(KADOKAWA)などが売上を牽引した。

河出書房新社が書店応援企画/書店マージン30%に挑戦/10月6日発売ハラリ氏の新刊で

河出書房新社は、10月6日発売のユヴァル・ノア・ハラリ著『緊急提言パンデミック寄稿とインタビュー』(定価本体1300円)について、書店応援企画として、着荷正味70%、書店マージン30%を確保する販売施策「河出39〈サンキュー!〉トライアル」を実施する。
『緊急提言パンデミック』は、新型コロナウイルスによるパンデミックが最初に吹き荒れた今春、英米の有力紙に掲載された記事と緊急インタビューを日本オリジナル編集でまとめた、ハラリ氏のコロナ論。
今回実施する販売施策「河出39〈サンキュー!〉トライアル」は、書店利益を30%に設定し、本体1300円のうち390円が書店マージンとなる。名称には、感謝の言葉と、書店マージン30%にあたる390円とがかけられている。同施策では買切条件や返品時の書店負担(歩安入帳)は設定しない。コロナ禍で出版業界が被ったダメージを考慮し、これまでハラリ氏の著作の拡販に取り組んできた書店へ感謝を表して、同社としてできる最大限のマージンを確保することで売上応援することを決めたという。初版部数は5万部を予定。同施策は発売時から当面1年の間、継続するとしている。

新社長に廣野眞一専務/堀内社長は代表取締役会長に/集英社

集英社は、8月25日開催の定時株主総会及び取締役会で、廣野眞一専務を代表取締役社長とする役員人事を決定した。堀内丸恵社長は代表取締役会長に就任した。新役員体制は以下の通り。◎印昇任、○印新任。
代表取締役会長
◎堀内丸恵
代表取締役社長
◎廣野眞一
常務取締役〔出版部門(文芸編集部、文庫編集部、校閲室、AIラボ、新書編集部、ノンフィクション編集部、学芸編集部、出版管理室)、デジタル事業部、新規事業開発部、ライツ事業部担当〕茨木政彦
同〔コンテンツ事業部、広報部、読者サービス室、広告部担当〕田中恵
同〔第一~第四編集部、ジャンプ・コミック出版編集部、ジャンプ・ノベル編集部担当〕北畠輝幸
同〔雑誌販売部、コミック販売部、書籍販売部、宣伝部、資材部、制作部担当〕
隅野叙雄
同〔第五~第一〇編集部、整理編集部、雑誌デジタル編集室、ブランド事業部、エディターズ・ラボ、女性誌企画編集部担当〕
日高麻子
同〔管理部門(社長室、人事部、厚生部、総務部、経理部)、編集総務部、関連会社担当〕◎渡辺隆
取締役〔資材部、制作部担当〕鈴木麻美
同〔文芸編集部、文庫編集部、校閲室、出版管理室担当兼文庫編集部部長〕
徳永真
同〔デジタル事業部、AIラボ、雑誌販売部、コミック販売部、書籍販売部担当兼雑誌販売部部長兼書籍販売部部長〕佐野明夫
同〔経理部担当〕林秀明
同〔雑誌デジタル編集室、第九・第一〇編集部、女性誌企画編集部担当兼雑誌デジタル編集室部長兼第一〇編集部部長〕海老原美登里
同〔社長室、人事部、厚生部担当兼人事部部長兼厚生部部長〕○北畠元一
同〔第五・第六編集部担当兼第六編集部部長〕
○安藤拓朗
同〔新書編集部、ノンフィクション編集部、学芸編集部担当兼ノンフィクション編集部部長〕○樋口尚也
役員待遇〔資材部、制作部担当兼資材部部長〕
○松本真人
同〔編集総務部担当兼編集総務部部長〕○山森利之
同〔整理編集部、第八編集部、エディターズ・ラボ担当兼第八編集部部長兼エディターズ・ラボ部長〕
○内田秀美
同〔ライツ事業部、第三編集部、ジャンプ・コミック出版編集部、ジャンプ・ノベル編集部担当兼ライツ事業部部長兼第三編集部部長〕○瓶子吉久
監査役恩穂井和憲
監査役(非常勤)
相賀昌宏
高梨雄二専務取締役は退任し顧問に就任。小林桂常務取締役は退任しProject8代表取締役専任となった。田中純取締役は退任した。

三省堂『新明解国語辞典第八版』/11月19日発売、9年ぶり最新改訂版

三省堂は11月19日、9年ぶりの最新改訂版となる『新明解国語辞典第八版』を発売する。「ほぼほぼ」「地頭(じあたま)」「親爺ギャグ」など新語・新項目を大幅に増補、約1500語を追加し、総収録項目数は7万9千となる。
『新明解国語辞典』は1943年に創刊した『明解国語辞典』が前身。72年に「新明解」としてリニューアルし、2011年刊行の第七版まで版を重ね、累計売上部数は2200万部を突破している。同社は「新明解」について、辞書は引き写しの結果ではなく、用例収集と思索の産物でなければならないという編集方針のもと、言葉の意味をありありと表現し、気づきと思索の機会となるよう編集を重ねてきたとして、「辞書自身が考え続けている〝考える辞書〟」と表現している。
今回の改訂版発売に向けて、「言葉の深さ・面白さを、もっと多くの人に知ってもらう」「言葉について一緒に考えてもらう」ことを目的に公式ツイッターアカウントを開設し、言葉について考える機会を積極的に提供。第八版の新語紹介や編集裏話などの情報発信、質問受付も行っている。『新明解国語辞典第八版』はB6判、1792ページ、定価本体3100円。普通版(赤)に加え、白版、青版を用意。小型版(A6変型判)も同2900円で同時発売。

豪華愛蔵版『100年ドラえもん』が完成/小学館

小学館が「ドラえもん」(藤子・F・不二雄著)の50周年記念出版として12月1日に発売する、てんとう虫コミックス『ドラえもん』豪華愛蔵版全45巻セット『100年ドラえもん』の完成披露発表会が、8月14日に東京・千代田区の小学館で行われた。
同書は、「100年先の22世紀までドラえもんを届けたい」をコンセプトに、保存性を高め、用紙、印刷、製本まで徹底的にこだわった永久保存版。発表会で、小学館第二児童学習局ドラえもんルームの徳山雅記編集長は、「のび太くんの孫の孫、セワシくんは約100年後の未来からドラえもんを連れてきてくれた。彼が与えてくれた素晴らしい体験を、100年後の子どもたちと分かち合いたいという気持ちから、今考えられる最高の仕様で紙の本にして伝えたいと思った」と話した。
『100年ドラえもん』は、全巻ハードカバー・布クロス装、専用美麗ボックス(全3箱)入り。カラーイラストを多数収録した画集『ドラ絵もん』や、ひみつ道具&キャラクターから登場巻や登場エピソードを調べられる、完全索引別巻『引くえもん』など豪華特典が付いている。

第7回料理レシピ本大賞/料理部門はライツ社が受賞、お菓子部門はワニブックスに

書店、取次、出版社の有志で構成する料理レシピ本大賞実行委員会(加藤勤実行委員長=ブックスタマ)は9月8日、「第7回料理レシピ大賞inJAPAN」の授賞式を初めてオンラインで開催し、料理部門の大賞はリュウジ氏の『ひと口で人間をダメにするウマさ!リュウジ式悪魔のレシピ』(ライツ社)、お菓子部門の大賞はてぬキッチン氏の『材料2つから作れる!魔法のてぬきおやつ』(ワニブックス)に決まった。
今回は全国の出版社から123作品がエントリーされ、全国237名の書店選考委員と料理専門家である特別選考委員が大賞を含め全11作品を選考した。
授賞式が行われたのは協賛企業である朝日新聞社の東京本社食堂「HachiCafeDining」(東京・中央区)。賞のアンバサダーを務めるタレント天野ひろゆき氏や各賞受賞者が出席した授賞式の模様は、YouTubeでライブ配信された。
料理部門の大賞を受賞したリュウジ氏は「このような素晴らしい賞を賜り光栄。この本がさらに皆様の手に渡り、料理の楽しさや素晴らしさに触れていただければと思っている」と受賞の喜びを語った。
お菓子部門の大賞を受賞したてぬキッチン氏は「私は料理が好きだが、面倒くさいことが大嫌い。できるだけ手を抜いて楽をしておいしく作れるレシピをYouTubeで発信している。初めての出版だが、本を手に取ってくれた人に残念な気持ちにはなってほしくないとの一心で試作を重ねた」とコメントした。
主催者を代表してあいさつした加藤実行委員長は「料理レシピ本は今、非常に売れている。コロナ禍で外食できない状況が生まれ、ふだん料理をしない人が料理を始めるきっかけになっている。今回受賞した作品は明日9日から全国の書店でフェアを展開する。書店に足を運び本を手に取って買っていただきたい」と視聴者に呼びかけた。
なお、「第7回料理レシピ大賞inJAPAN」の受賞帯がついた作品の購入者を対象に、図書カードNEXT1000円分が200名に当たるキャンペーンを実施している。応募締切は、ネットが10月31日(土)午後11時59分、郵便が10月30日(金)当日消印有効。
受賞作品は次の通り。
【料理部門】
▽大賞=リュウジ『ひと口で人間をダメにするウマさ!リュウジ式悪魔のレシピ』(ライツ社)▽準大賞=藤井恵『藤井弁当』(学研プラス)▽入賞=山本ゆり『syunkonカフェごはんレンジでもっと!絶品レシピ』(宝島社)、有賀薫『朝10分でできるスープ弁当』(マガジンハウス)、犬飼つな『力尽きレシピ』(光文社)▽こどもの本賞=平山英三、平山和子『おにぎり』(福音館書店)▽エッセイ賞=村上祥子『頑張らない台所―60歳からはラクしておいしい』(大和書房)▽コミック賞=こいしゆうか、印度カリー子『私でもスパイスカレー作れました!』(サンクチュアリ出版)
【お菓子部門】
▽大賞=てぬキッチン『材料2つから作れる!魔法のてぬきおやつ』(ワニブックス)▽準大賞=志麻『志麻さんの気軽に作れる極上おやつ』(マガジンハウス)
【特別選考委員賞】
若山曜子『フライパン煮込み』(主婦と生活社)

書店読売中公会総会・懇親会が中止

書店読売中公会は、新型コロナウイルスの感染状況を鑑み、「第36回書店読売中公会総会・懇親会」の中止を決めた。今年度と来年度の企画等に関しては、リモート形式や動画配信など、情報共有できる手法を検討するとしている。発表を予定する主な企画は次の通り。
▽2020年9月刊=中公文庫『盤上の向日葵上・下』(柚月裕子)▽同10月刊=単行本『滅びの前のシャングリラ』(凪良ゆう)▽同11月刊=ムック『歴史と人物』創刊・第一弾「戦国の合戦と武将天下統一への道(仮)」、第二弾「江戸300藩のリアル(仮)」、中公文庫『マンガ日本の歴史』シリーズ1~4巻(石ノ森章太郎)

生活実用書・注目的新刊/遊友出版・齋藤一郎

池谷敏郎著『代謝がすべて』(角川新書880円)はサブタイトルがやせる・老いない・免疫力を上げる、である。
メタボリックとは「代謝の」という意味。食べたものを処理し、有効に使い、効率よくためるために体内で行われる化学反応にほかならない。余った分が中性脂肪として蓄えられるのも悪いことではないのだが、増えすぎが問題なのである。この代謝のオーバーヒートが不調を引き起こす。
基礎代謝を上げるには筋肉を増やすことなのだが、活動代謝を増やすには、いかに無駄に筋肉を使うかを工夫する。こまめに立ち上がる、背もたれを使わないなど、すぐできることもある。食物繊維をまず食べるのもいい。ご飯やパン、パスタは冷えたものの方が、でんぷんからレジスタントスターチが作られて、食物繊維の働きをするため効果がある。日常生活のわずかな改善で、強い体が作れるという。
杣源一郎著『「免疫ビタミン」で肌免疫力を上げて、10際若返る!』(ワニブックスPLUS新書880円)はLPSで薄毛・老け肌にさようならが副題。LPSはリポポリサッカライドと言って、免疫力を最大に発揮させるもので、メカブ、胚芽などに含まれる。免疫力のアップを目指す。