全国書店新聞
             

令和2年6月1日号

書店業界の感染防止ガイドライン/日書連ホームページで公表

政府は5月14日、全国を対象に発令していた緊急事態宣言について、東京や大阪など8都道府県を除き、39県で解除すると発表。感染拡大の予防と社会経済活動の両立を図るための業種別ガイドラインを作成し、19業種81団体のホームページで公表した。日書連の「書店における新型コロナウイルス感染症感染拡大予防ガイドライン」では、各店舗の実情に応じた感染予防対策をまとめたほか、従業員の感染予防・健康管理、買物エチケットに係る顧客への協力依頼・情報発信について注意を促している。
新型コロナウイルス感染症対策専門家会議が5月4日、「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」で、「業種ごとに感染拡大を予防するガイドライン等を作成し、実践していただくことを強く求めたい」としたことを受け、書店業界における新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けたガイドラインを作成したもの。専門家会議で示された感染拡大を予防する「新しい生活様式」の実践例を踏まえつつ、具体的な取り組みを提示している。5月14日午後4時、日書連ホームページで公表した。
ガイドラインでは、書店には不特定多数の顧客が訪れることから、各店舗の実情に応じた効果的な対策を実施することで、顧客および従業員への感染拡大のリスクを下げることを目指すとした。
店舗における感染予防策としては、レジ前や入店前などで顧客が列に並ぶ際に身体的距離を保つことを求める。専門家会議提言の「新しい生活様式」で、対人距離の確保については「できるだけ2m(最低1m)空ける」とされたことを踏まえ、店舗の業態、規模・立地条件などの実情に応じ、実効的な対応をとるよう促している。
清掃・消毒については、従業員のこまめな手洗いや手指消毒の励行とともに、必要に応じて手指の消毒設備を入口や店舗内に設置することで顧客の手指消毒も励行する。買物カゴや扉の取っ手、トイレなどを定期的に消毒することも求めている。
従業員と顧客の接触を減らし、飛沫感染を防止するため、レジ前に透明間仕切り等を設置するほか、レジでコイントレーでの現金受け渡しを励行し、キャッシュレス決済の利用を促進することを盛り込んだ。
混雑緩和による接触機会削減の取り組みとしては、書籍・雑誌にひもかけ・バンドを使用することで、立ち読みを自粛するよう促す。混雑時の入店制限や入店者の分散化も検討することとしている。
従業員の感染予防・健康管理については、身体的距離の確保、マスクの着用、手洗いや手指消毒に取り組むほか、咳エチケットの徹底、体温の測定と記録、時差通勤の必要性を掲げた。
また、買物客に対して、身体的距離の確保、マスクの着用、手洗いや手指消毒など買物エチケットに係る理解を促すため、協力依頼・情報発信に取り組む必要があるとしている。

「第7回北海道書店大商談会」開催を中止

「北海道書店大商談会」実行委員会(中尾邦幸実行委員長)は5月13日、9月8日に札幌で開催を予定していた「第7回北海道書店大商談会」を中止すると発表した。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、来場書店、出展者、スタッフの健康と安全を最優先に考慮し、今年度の開催を中止した。

通常総会は延期に/大阪組合・正副理事長会

大阪府書店商業組合(面屋龍延理事長)は5月9日、大阪市北区の組合会議室で正副理事長会を開催した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で定例理事会の休会が続いていることから、3密を避け少人数で会合を行ったもの。
5月下旬に開催を予定していた通常総会は、政府の緊急事態宣言が解除された時点で開催日程を話し合う予定だが、終息とならなければ会場の借り受け契約が出来ないと報告。開催日時は決まり次第告知することとした。
NHK出版・荒川支店長から1ケース50枚のマスク30ケースを組合に寄贈すると申し入れのあったことが報告され、組合として提供先を検討することにした。
(石尾義彦事務局長)

日書連第32回通常総会は6月25日開催/書面議決を活用、少人数で開催

日書連の第32回通常総会は、理事会と異なり書面議決で行う「みなし総会」とも呼ぶべき開催が法的に認められておりませんので、予定通り6月25日(木)に開催いたします。
ただし、新型コロナウイルス感染症の影響もいまだ払拭し切れていない現状を考慮しまして、今回は可能な限り書面議決で対応し、会議は「3密」を避ける少人数で実施したいと考えております。理事の皆様におかれましては、極力書面による議決権の行使をご検討ください。県外への移動を避けて感染リスクを抑制するためにも、書面議決を活用くださいますよう、ご理解ご協力の程よろしくお願い申し上げます。

新型コロナへの対応が課題/「本の日」キャンペーンで成果/青森総会

青森県書店商業組合は5月7日、青森市の成田本店しんまち店で第33回通常総会を開き、組合員19名(委任状含む)が出席。成田理事長は消費低迷と新型コロナウイルスの感染拡大に懸念を示した。また、「本の日」キャンペーン企画事業の成果を報告した。
総会は組合事務局・武田豊文氏(成田本店)の司会で始まり、成田耕造理事長(成田本店)があいさつ。新型コロナウィルス感染症への対応として、今後、総会等を電磁的方法や書面議決で行うことができるよう定款・規約を変更することが必要になってくると提言し、「消費低迷が続いている。また、新型コロナウイルスの感染拡大に伴いイベント等の中止が相次ぎ、観光客の激減が懸念される。この難局をどう乗り切るかが課題」と述べた。
また、今冬は雪が少なかったため除雪にかかる経費が抑制されたこと、組合員数は1店減少したものの4月以降に1店増えたため実質的に横ばいで推移したことを報告した。
日書連読書推進活動費を受けた事業では、11月1日「本の日」キャンペーン企画事業として、「あなたの選ぶ恋愛小説」アンケートを実施。1万部の用紙を作成、配布し、新聞広告やテレビ・ラジオCMで「本の日」をPRするとともに、入選者10名に図書カード1000円分、その他に同500円分をプレゼントした。合わせて、青森県十和田市生まれの芥川賞作家高橋弘希氏に、八戸市内の3書店で1日店長を務めてもらったことを報告した。
また、研修事業として、ブックエース・金子直記取締役が「書店店頭における生産性向上プログラムについて」をテーマに講演し、第二部として北東北エリアマガジン「rakra(ラ・クラ)」の滝澤純弥編集長、「企画集団ぷりずむ」の佐藤史隆元常務、グラフ青森の下地康一社長による鼎談「編集長が語るタウン情報誌の未来」を行ったことを報告した。
続いて、成田理事長を議長に議案審議を行い、19年度事業報告、収支決算、20年度事業報告案、収支予算案など、すべての議案を原案通り承認可決した。
(藤原真専務理事)

6月の休配日、2日追加して合計4日に/取協・雑協

日本出版取次協会(取協)と日本雑誌協会(雑協)は5月15日、6月期の休配日の追加を発表した。13日、20日を追加の休配日に設定する。これによって、6月期は6日、29日と合わせて4日の休配日となる。
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、出版物刊行点数の一時的な減少、書店の一時的な休業等の現状を踏まえ、両協会が緊急会議を行って決めた。
7月期以降については、今後の状況を鑑みて別途案内する場合があるとしている。

万引防止研修用DVDの動画、6月1日から1ヵ月間無料公開/万防機構のYouTubeチャンネルで

全国万引犯罪防止機構(竹花豊理事長)は、万引防止研修用DVD「サービスで選ばれるお店を目指して―基本の徹底と明るい挨拶で不明ロスをなくそう―」(写真)を同機構ホームページで案内するとともに、6月1日~30日までの1ヵ月間、同機構のYouTubeチャンネルで動画を緊急無料公開する。
新型コロナウイルス禍の中、同機構として何か貢献できることはないかと検討した結果、同機構が構成メンバーの一員として活動している渋谷書店万引防止対策プロジェクト(渋谷プロジェクト)での3月以降の万引事案が増加傾向にあることから、小売店全般での万引被害が増大しているのではないかと懸念し、緊急対策として期間限定で無料公開に踏み切ったもの。
この研修用DVDは、「ロス対策の決め手は『企業文化づくり』とし、店舗現場で働く従業員の1人ひとりこそがロス対策において重要な役割を果たす」という認識のもと、同機構内LP(ロスプリベンション)教育制度作成委員会が制作した。
なお、渋谷プロジェクトでの万引行為認知件数は、2019年7月30日の開始以来、2月11日までの約6ヵ月間で31件。以降、2月は1件だったのに対し、3月から4月30日までの2ヵ月間で、参加3店舗中1店舗が4月上旬より休業している中、14件と増加している。
問い合わせは全国万引犯罪防止機構の万引防止出版対策本部・阿部信行事務局長まで。℡03(5244)5612電子メール