全国書店新聞
             

平成20年4月11日号

ブロック制で支部強化/組織改革案を提示、検討へ/東京組合

東京都書店商業組合は4月2日に定例理事会を開催。組織委員会を中心に取り組んでいる組織改革問題で、①現在の支部構成を維持しつつ、隣接支部を統率する5つ程度のブロックを新設。支部間の交流を図り、理事選出の土台とする、②組合加入大型書店との懇談会を開催し、組合活性化方針等について意見交換を図る、③組合加入促進パンフレットの作成――を骨子とする組織改革案を提示。各支部で検討することになった。東京組合は今後1年かけて検討し、来年度総代会を目途に結論を得たいとしている。
〔組織委員会〕
小泉副理事長が組織改革案について説明した。組合員数の減少が続き、これにともない活動が停滞している支部もあるため、支部体制の強化を図ることが狙い。支部長は組織改革案を支部に持ち帰り、支部員に説明。今後1年程度かけて慎重に検討していく。
同案では現在の支部構成は変更せずに維持し、近接支部を統率する機関として「ブロック」を新設。現行19支部を5つ程度のブロックに分ける。定款に「ブロック」の規定はなく、20年度総代会で定款変更を提案する。
ブロック新設の最大の目的は支部間交流の促進を図り、支部活動を活性化させること。新年会、懇親会、研修旅行等をブロック開催とし、さらに出版社、取次等との交流会、販促会議等を行う。
また、ブロックを理事選出の土台の1つとする。理事選出方法は行政区ごとに1名、ブロックごとに組合員数により2~3名、さらに理事会推薦枠を設ける。
このほか組織改革案では①組合加入大型書店との懇談会を頻繁に開催して、組合活性化方針等について意見交換を図る、②組合加入促進パンフレットの作成――などを盛り込んでいる。
小泉副理事長は「広い地域の中で同業者間の交流を図っていただくことが目的。組織委員会の提案を各支部内で十分に話し合っていただきたい」と求めた。また、大橋理事長は「組織改革の叩き台ができた。各支部を統率する緩やかなグループを作り、それを『ブロック』と呼ぼうということ。組合および支部活動活性化のための案ということを念頭に置いて、各支部で大いに議論していただきたい。来年度の総代会までに結論を出したい」と話した。
〔万引・出店問題委員会〕
コミックとらのあな吉祥寺店(武蔵野市吉祥寺)の出店情報が報告された。開店日は4月26日予定。売場面積120坪。取次はトーハン。
〔厚生委員会〕
第32回通常総代会後の懇親会は昨年と同様、会場は出版クラブとし、会費制で行う。
〔総務・財務委員会〕
①4月1日現在の組合員数は682店だった。加入7店、脱退40店。昨年から33店純減となった。
②6月以降の理事会日程を以下の通り決めた。6月3日(火)、7月2日(水)、8月5日(火)、9月2日(火)、10月2日(木)、11月5日(水)、12月2日(火)。
〔流通改善委員会〕
TS流通協同組合の3月期の売上は1043万168円(前年比118・1%)、発注件数は8581件(98・0%)、書店数は70書店(94・6%)と報告があった。

「読書週間」ポスターイラスト作品を募集

読書推進運動協議会は「2008読書週間」(10月27日~11月9日)ポスター用イラスト作品を募集している。読書をイメージした未発表の創作原画を6月30日までに読進協まで送付。大賞に選ばれたイラストは、ポスターとなって全国の小・中・高校、公共図書館、書店等に掲出されるほか、雑誌広告にも使用される。

伊坂幸太郎氏『ゴールデンスランバー』が受賞/本屋大賞

「2008年本屋大賞」に伊坂幸太郎氏の『ゴールデンスランバー』(新潮社)が選ばれ、4月8日午後7時から東京・明治記念館で発表会が開かれた。
本屋大賞は出版業界活性化のため、全国の書店員が一番売りたい本を投票で選ぶもので、今年で第5回目。第1回大賞受賞作『博士の愛した数式』(小川洋子著)、第2回『夜のピクニック』(恩田陸著)、第3回『東京タワーオカンとボクと、時々、オトン』(リリー・フランキー著)、第4回『一瞬の風になれ』(佐藤多佳子著)と、いずれも受賞とともに話題となり、大きく部数を伸ばしている。
今回は1037名の書店員がエントリーし、349書店より426名の一次投票で上位10作品をノミネートし、325書店より386名の二次投票で受賞作を決定した。前回に比べエントリー数で337名、一次投票者数で21名、二次投票で27名増え、全国の書店の関心もさらに高まっている。
授賞式でNPO本屋大賞実行委員会の浜本茂実行委員長は「今年で5回目を迎え、書店員がベストセラーを生む賞としてさらに認知度が高まったと思う。大賞作品がクローズアップされるのは当然だが、既刊書籍の中から埋もれているけれどもっと売りたい1冊を選ぶ『書店員の発掘本』も5回目を迎え、ここからスマッシュヒットも生まれた。また、今年は第5回を記念して、入手困難な文庫を掘り起こす『この文庫を復刊せよ!』を同時募集した。本屋大賞のこうした側面も認識していただきたい。大賞作品が大いに売れて店頭活性化することが最大の目標。書店パワーを見せつけて」とあいさつした。
来賓のフリーライター・永江朗氏は「この賞の影響で書店員ブームが起こり、書店員の推薦文が広告に使われるなど、この5年間で書店員の発言力はずいぶんとアップした。あとは出版社や取次が書店への利益配分をもっと増やしてくれれば、この賞をやっている甲斐があるというもの。この賞は日本の出版界を変えた。1番売りたい本を選ぶという原点は忘れないで」と祝辞を述べた。
大賞を受賞した伊坂幸太郎氏は「多忙な書店員が貴重な時間を割いてこうした催しを行うのは大変な努力が必要。書店員が選ぶ賞を受賞できてうれしい」とお礼の言葉を述べ、投票した書店員と一緒に記念撮影にのぞんだ。

95%が「学習に満足」/書店員向けeラーニング講座

日書連のホームページ「本屋さんへ行こう!」からログインし、書店の基本業務や出版関連の知識を学べるeラーニングシステム『書店の基本業務』。受講修了者が回答したアンケートを集計したところ、95%が「学習に満足」と回答するなど、高い評価を得ていることが分かった。
『書店の基本業務』は小学館の協力のもと、㈱ネットラーニングが制作したもので、1日約10分の教習が全10章。最後の確認テストを含めても全教程を2時間程度で終了できる構成になっており、日書連加盟店は無料で受講できる。内容は「書店で働くこと」「開店前の仕事」「レジ・カウンターの仕事1・2」「接客応対と電話」「売場の管理」「注文」「提案」「読者満足」「よりよい店作りのために」。重要ポイントは図解、アニメーション、クイズ形式の設問などで楽しく学べる。ほかに、応用情報や実務に使える資料もダウンロードできる。
アンケートは修了した時点で回答してもらう仕組みで、講座がスタートした2006年10月16日から2008年3月28日までの実施期間より集計。申込者の合計は321名で、34・5%にあたる111名が受講を修了しており、個人ユーザー対象のコースとしては高い数値になっている。
「eラーニングによる学習や研修を過去に利用したことがあるか」を聞いたところ、「今回の利用ではじめて知った」が73%。「以前から知っていたが、利用ははじめて」が25%。「以前にも利用したことがある」人は2%だった。
eラーニングを利用した目的については、勤務先などの指示による「業務研修」として利用したと答えた人が37%。勤務先などからの紹介で、義務ではない「自己啓発研修」として利用したと答えた人が35%と拮抗した。また、どのようなスタイルで学習したかについては、「職場で就業時間中に利用した」が44%、「職場で就業時間外に利用した」15%、「自宅で利用した」37%だった。
学習の感想については、「とても満足している」49%、「どちらかといえば満足している」46%と、95%の受講者が「満足」と回答。「どちらかといえば満足していない」4%、「とても不満」はゼロだった。内容のレベルは、61%が「ちょうどよかった」と感じており、次いで25%が「どちからといえば簡単だった」と答えている。
説明の内容や図、アニメーションについては、75%が「理解しやすかった」と回答、学習後のステップアップ資料は「利用し、役に立った」が67%にのぼった。eラーニングによる学習方法については、「引き続き、次のステップまたはほかのコースを学習したい」31%、「いずれ次のステップやほかのコースを学習したい」39%と肯定的な意見が寄せられた。

生活実用書/注目的新刊

腹いっぱい食べてみたいと日本中の人々が思っていた時代からすれば、まったく馬鹿げた話しだが、今私達は安全なものを食べたいと思っている。いつしか輸入食や遺伝子組み換え食品をはじめ怪しい食品に囲まれているからだ。
増尾清著『最新版農薬・添加物はわが家で落とせた―絵でみてできる台所新知恵』(青春新書P889青春出版社880円)は、1993年に発売され54刷を重ねた本の改訂版である。中国産輸入食品、BSE、偽装問題など、この間だけでも食は大変な不安にさらされてきた。
「もはや食の安全は自分で守る、つまり自己防衛しかない」と著者は言うが、それはそのまま各家庭の問題でもある。①選び方②下ごしらえで不安物質を除く③活性酸素を防ぐ工夫④免疫力を高める食事の四ステップが「食の安全体系」なのである。
たとえばキャベツは外側の葉を必ずはがす。残留農薬やダイオキシンはほとんどこの部分に残留している。
お米もといだ後、水につけておけば農薬が溶け出すからその水を捨て、新しい水で炊けばいい。カップ麺は3分待たずにお湯をかえるのがポイント。麺はゆでると添加物がお湯に溶け出すからだ。
33種の野菜、13の果物、魚・貝、肉、米・パン・加工食品について細かく解説されている。巻末には「どんな食材にも応用自在!すぐに使える除毒のツボ」として、アク抜き、塩もみなど15の知恵がまとめられている。
増尾清監修『体に安全なものの食べ方』(別冊宝島食品のからくり4宝島社1000円)も、同じ著者の監修によるムック。
たとえば日本酒は醸造用アルコールを使わない純米酒。ワインは添加物が使われることが多いが、酸化防止剤の亜硫酸塩は安心でソルビン酸Kは不安、などこちらも同様に細かく食の安全を説く。
巻末に、前著「食の安全体系」③、④のためのレシピ、キノコの炒め物などが紹介されている。食品の不安に関するQ&Aもある。
増尾清氏は元東京都消費者センター試験研究室長。1925(大正14)年生まれ。かつて日本には安全に食べる知恵(おばあちゃんの知恵)があったと著者は言う。時代が変わろうが、この知恵が不変であることに間違いはない。
(遊友出版・斎藤一郎)

日書連のうごき

3月5日第37回JPIC定例評議員会、第82回定例理事会に大橋会長ほか役員が出席。
3月6日活字文化推進会議推進委員会並びに出版サロン会に大橋会長が出席。
3月7日出版健保事務担当者連絡会議、健康管理責任者会議に石井総務部長が出席。学校図書館図書整備推進会議プロジェクトチームに大川専務理事が出席。
3月12日出版ゾーニング委員会に鈴木副会長が出席。出版クラブ第3回会館問題特別委員会並びに第11回光文三賞贈呈式に大橋会長が出席。
3月13日「言葉の力で未来を拓く」シンポジウムに大橋会長が出席。
3月14日NTSとの意見交換会。図書館サポート委員会。日本図書館協会との意見交換会。
3月17日出版倫理協議会に小澤事務局員が出席。
3月18日第47回全出版人大会協賛団体事務局打合せに大川専務理事が出席。文化産業信用組合理事会に大橋会長が出席。全国中小小売商団体連絡会に大川専務理事が出席。
3月19日第3回九州雑誌センター取締役会に大橋会長ほか役員が出席。「春の書店くじ」実施に向けて取協書籍進行委員会との二者会談。
3月21日再販事例打合せ会に岡嶋、西村両理事が出席。
3月24日公正取引協会3月度月例懇談会に影山専務理事が出席。
3月25日井門副会長が大阪屋訪問。商店街を蘇らせる行動政策研究会に小澤事務局員が出席。
3月26日日本出版インフラセンターICタグ書店部会に井門副会長が出席。正副会長会議。日本図書普及㈱役員会に大橋会長など役員が出席。日本出版クラブ理事会評議員会に大橋会長が出席。
3月27日第13回「日本絵本賞」表彰式に石井総務部長が出席。出版倉庫流通協議会3月定例会に大川専務理事が出席。
3月31日公取委取引企画課との意見交換会。昭和図書並びに小学館を大橋会長と井門副会長が訪問。

「本のある風景」入選作品のリーフレットを作成

サン・ジョルディ実行委員会は、第9回「本のある風景」の作品募集を実施。「本」をモチーフやコンセプトにしたヴィジュアル作品243点の応募があり、この中から入選20作品を決定した。
このうち2点をキャンペーンのヴィジュアル素材に採用。ポスターには、鳥取県・渡部紘巳さんの「あたたかいとき」、オリジナル図書カードには埼玉県・武藤洋子さんの「あじさいみたい!」が選ばれた。入選作品20点を紹介したリーフレット(写真)を1万5千部作成し、サン・ジョルディイベントの会場などで読者に配布する。
入選作品は、日書連のホームページ「本屋さんへ行こう!」でも公開している。

「声」/パルネットの仲間とともに18年/羽曳野市・パルネット恵我之荘店・市田治男

「人生七十、古来稀なり」昨年、古希を迎えた。夫業を卒業したのが一昨年。主夫業と仕事とのかけもちにも慣れ、現在は独身貴族生活を満喫している。
大阪の郊外に本屋を開業して45年。関西に「パルネット」という中小書店の協業組織を立ち上げて18年。途中、山あり谷ありで、売上げは全盛期の半分以下に落ち込んだが、何とか今日まで生き残ってこられたのもパルネット組織のおかげである。
パルネットは書店仲間の輪を広げる、中小書店の生き残りの協業組織である。常に門戸は開放している。全商品、単品管理による雑誌自動定期改正、書籍自動発注を基本として、書店にとって使い勝手のよいシステムを目指して試行錯誤を繰り返し、何とかここまでたどりついた。これからもさらにシステム改良に取り組んでいくが、パルネットの強みはシステムより仲間の結束力の強さ、すなわちヒューマンパワーにある。月1回第3木曜に全員集まって、喧々囂々、情報交換を中心に今後の方針を話し合っている。私はこの例会のたびに勇気と希望をもらい、「負けてたまるか」と決意を新たにしてきた。困った時、親身になって相談に乗ってくれる仲間がいることはどんなに心強いか。
東京・神田神保町で地方小出版社やミニコミを扱ってきた書肆アクセスが昨年11月に閉店した。私の店は同店に比べられるような志あふれた書店ではなく、商店街の25坪の吹けば飛ぶような本屋である。しかし、私の店が閉店すれば、商店街の灯が消えるという思いと、街の人々の読書の楽しみを奪うことになるという自負を支えに歯をくいしばって営業を続けてきた。本当のところは、私自身も明日から路頭に迷う。店をたたむわけにはいかない。
出版業界の未来に明るい光は見えない。このままではパルネットといえども存続はむずかしい。だが、ピンチはチャンス。この苦境をバネにパルネットを立て直し、もう一度再出発したい。人生の残り時間もあとわずかだが、制限時間いっぱい、チャレンジを続けていくつもりである。

全国を4エリア体制に整理統合図る/小学館PS

小学館パブリッシング・サービスは4月1日付でこれまでの支社制度を廃止、営業本部の体制をエリア別、法人別、単店別、商品別に分業する複合営業体制に移行した。
この結果、6支社と特販支社・関連事業部を廃止。首都圏・中部・東部・北海道エリアを担当する東日本営業部と、関西・九州エリアを担当する西日本営業部に大別した。営業企画部には営業企画室、書籍・雑誌・コミック推進室・関連事業推進室を設け、新設の総合推進部と営業企画部で総合推進グループとする。
役員人事では秋山豊取締役営業副本部長が東日本営業部、総合推進グループを担当し、総合推進部長を兼務。福井雄治取締役営業副本部長は西日本営業部を担当。役員待遇の石井伸二九州支社長は4月10日付で西日本営業部九州エリア顧問に就任する。各エリアマネージャーは以下の通り。
首都圏エリア苅和誠二
中部エリア水柿巧
東部エリア対馬安宏
北海道エリア加藤達美
関西エリア・ネットアドバンス担当上島治之
関西エリア西川雅司九州エリア本坊誠

日本絵本大賞に『よしおくんが…』

毎日新聞社と全国学校図書館協議会が主催する「第13回日本絵本賞」の表彰式が3月27日午後、一ツ橋の毎日ホールで行われた。
表彰式では毎日新聞西村広告局長が「学校図書館協議会と手を組み、感想文、感想画、日本絵本賞を主催している。豊かな心を育むスタートは絵本。良質な作品が多く出版されることを願っている」とあいさつ。
最終選考審査にあたった安曇野ちひろ美術館松本猛館長の選考経過報告に続いて、絵本賞大賞、絵本賞、読者賞を表彰した。武蔵野市立第3中学校からは小学校に絵本の読み聞かせを行った実践例が報告された。▽日本絵本賞大賞
『よしおくんがぎゅうにゅうをこぼしてしまったおはなし』及川賢治、竹内繭子、岩崎書店
▽日本絵本賞
『悪魔のりんご』舟崎克彦、宇野亜喜良、小学館、『ふってきました』もとしたいずみ、石井聖岳、講談社、『ぼくがラーメンたべてるとき』長谷川義史、教育画劇
▽日本絵本賞読者賞(山田養蜂場賞)
『ふしぎなキャンディーやさん』みやにしたつや、金の星社

販売会社人事異動

□日販
【役員待遇人事】○昇進
秘書室長・役員待遇(秘書室長)○大西良一
経営戦略室長・役員待遇(人事総務部長)
○宮路敬久
不動産事業部長・役員待遇兼不動産事業部フードサービスセンター長(不動産事業部長・役員待遇)
石田正樹
首都圏地域COO・役員待遇(名古屋・中部地域COO・役員待遇)吉島哲夫
名古屋・中部地域COO・役員待遇(書籍部長・役員待遇)上間淳一
物流部門担当、王子流通センター所長・役員待遇(物流部門担当付部長)○中山剛
【部長人事】監査室長(システム部長)藤重雅継
経営戦略室長(経営戦略室部長)安西崇
経営戦略室部長(経営戦略室長)三浦正一
経営戦略室部長(経営戦略室課長)○石川公也
人事総務部長(特販第二部長兼特販第二部第三課長)彌榮悠樹システム部長(経理部長)酒井和彦
システム部長(物流部門担当付部長)白戸和彦
システム部部長(システム部長)佐々木敏夫
書籍部長(書籍仕入第二課長)○金田徴
雑誌部長(物流部門担当付課長)○澤田英二
CVS部長(大阪支店営業第二課長)○上原清一
特販第一部長(埼玉支店地区COO)○中川時彦
特販第二部長(特販第三部長)大久保元博
特販第三部長(特販第二部長)宇田川拡
名古屋支店地区COO(甲信支店地区COO)
○横山淳
流通計画室長(ねりま流通センター総務課長)
○小島義久
CVS流通センター所長兼総務課長(同所長兼入谷営業所長)森山正道
ねりま流通センター所長(流通計画室長)椿辰雄
物流部門担当付部長(経営戦略室部長)左田野渉
同(CVS部長)本間三也
同(ねりま流通センター所長)高田誠
同(雑誌部長・役員待遇)市川賢一
取引部勤務(経営戦略室部長)谷譲二
解・首都圏地域総括課長兼任杉本滋樹
解・東北支店地区COO兼任高瀬伸英
□大阪屋(4月1日付)
【執行役員】
営業副本部長兼大阪屋友の会事務局担当(関西ブックシティ所長)中田知己
関西ブックシティ担当兼務(東京ブックシティ所長兼雑誌センター所長兼新刊書センター所長兼専門書センター所長)和田年正
大阪流通センター総務課長兼返品業務第2課長を解く(物流業務部担当部長兼大阪流通センター所長兼大阪輸送課長兼茨木流通センター所長)阿部修嘉
事業開発準備室長(営業副本部長兼取引部長兼大阪屋友の会事務局担当)
上高牧正一
【部次長級】
取引部長(取引部次長)鳥居進
仕入部EDI・書誌データ課長兼務を解く(仕入部担当部長)秋山隆博
EDI担当課長兼務(仕入部担当部長兼仕入渉外課長)山本良文
大阪流通センター所長付部長待遇兼総務課長兼返品業務第2課長(物流業務部長付部長待遇)藪内寛司
出向大阪屋物流(営業部長)伊東廣道
関西ブックシティ所長次長待遇兼総務工程課長(総務工程課長)木村展幸
関西ブックシティ副所長次長待遇兼iBC分室課長(iBC分室課長)
竹中繁輝

文藝春秋人事異動

4月1日付で営業局関係の人事異動があった。新たに情報流通システム局が新設された。
取締役(渉外担当)
名女川勝彦
同(営業担当・情報流通システム担当兼営業局長)
五井幹雄
情報流通システム局局長兼流通企画部長○羽田昭彦
流通企画部統括次長
○星衛
雑誌営業部部長渡辺郁夫
書籍営業部部長濱宏行
文庫新書営業部部長
勝野聡
営業推進部受注促進部部長
山本喜由
直接販売部副部長
佐々木由紀子
書籍営業部統括次長
安達康雄
文庫新書営業部統括次長
増田芳信
営業推進部統括次長
江坂寛
同○間宮務
同○木村実佳

『赤い糸』大宣伝/ゴマブックス

ゴマブックスは4月3日午後2時から赤坂の日本自転車会館で上半期新企画説明会を開催した。
説明会で嬉野勝美社長は「社長になって4年だが、7月に創業20年を迎える。昨年出したケータイ小説『赤い糸』はシリーズ累計180万部を突破し、今年の冬、ドラマ化と映画化が決まった。4月中旬の公式発表に合わせて大プロモーションを展開する。今年もたくさんの企画を用意して20周年を盛り上げていきたい」とあいさつした。
『赤い糸』のプロモーションについては赤井編集局長が詳細を説明。4月中旬の映像化発表、7月のキャスト発表、12月の放送開始と3回の山場を作り『恋空』の販売部数を超えたいとした。
ケータイ小説関連では、昨年12月にオリコンとゴマブックスでケータイ小説投稿サイト「おりおん☆」を開設。開始4カ月で1億PVを突破した。5月には「おりおん☆小説大賞」を発表。大賞作品を7月に出版するほか、同サイトに芥川、太宰などの古典を提供し、人気上位作品を文庫化する。
このほかの上半期主要企画は①『GoodLuck』のアレックス・ロビラ作『幸福の迷宮』(四六判、定価本体1200円、5月刊)、②「風と共に去りぬ」のサイドストーリー『レット・バトラー』(全5巻、6月5日①②巻同時発売)、③『キャプテン翼』の高橋陽一による青春サッカー物語『ゴールデンキッズ』(四六判・上下巻、7月発売)など。

催し

◆海文堂の古本市~本におぼれる2週間
神戸市の海文堂書店は4月26日から5月10日まで2週間、同店2階のシー・スペースで古本市を開催。神戸市内外の古書店8店が中国書・探偵小説・地図・絵ハガキ・野球・サブカルなどの古書を販売する。同店は一昨年秋「3箱古本市」を開催しており、今回はさらにパワーアップ。「新しい本と古い本が醸し出す“本の匂い”が店内に溢れます。あれこれいっぱい物色して、本の海におぼれてください」としている。

取次各社で入社式

取次各社の新入社員入社式が4月1日、一斉に行われた。今年の新入社員はトーハン78名(男子43、女子35)。日販70名(男子47、女子23)。大阪屋10名(男子3、女子7)、栗田5名(男子2、女子3)。各社社長あいさつ要旨は以下。
【トーハン】トーハンは今年「すべては読者のために」というスローガンを掲げ、読者の視点に立ちすべての業務を見直そうと確認しました。書店とタッグを組み読者に魅力ある販売現場を作る。桶川SCMセンターを駆使して読者の心を動かすビジネスをする。「朝の読書」や「家読」で読者を増やす。それが「質の高いサービスと情報・流通のネットワークを通して、人々の知的活動を支援し、ゆたかな社会の創造に貢献します」という企業理念を実現する。やりがいのあるビジネスです。大いに誇りを持って仕事に取り組んで欲しい。
【日販】日販は読者の求めるものをタイムリーに供給するためSCM「トリプル・ウイン」を進め、業界初のCRM、「Honyaクラブ」を始めました。この改革を支える物流施策が「王子NEXT」です。
また、数多くの連結会社でDVD販売・レンタル、映画版権出資、検定ソリューション事業など、事業多角化を進めてきたのは、現場から提案する土壌があるからです。様々なプロジェクトチーム設置や、改善提案制度、自己申告制度などの道が拓かれています。激しい環境変化に対応するため、若いみなさんの感性を発揮してください。
【大阪屋】縁あって当社に入社したわけですから「大阪屋を大事にして、今よりもっと良い会社にしよう。大阪屋は自分たちの会社である」という自覚と責任をもって最大限の力を発揮してもらいたい。
出版業界は97年以降、マイナス成長が続いています。環境変化と競争激化にいかに対応するかは大きな経営テーマです。来年迎える創立60周年を前に第7次中期経営計画の4年目にあたり、売上げ1千5百億円を目標とし、企業力を高めながベストカンパニーへの挑戦を目指しています。
明るく元気に、チャレンジ精神と勇気ある行動で未来を切り開いていくことを期待しています。
【栗田】当社は創業90周年の伝統ある会社ですが、百周年、百二十周年としていくため、皆さんの若い力が必要です。新しい感性や知恵と知識で前に進んでほしいと願っています。
取引先書店の店頭商品構成・企画提案に取り組む「書棚プロジェクトチーム」や良書発掘を目指す「栗田読書倶楽部」などを立ち上げています。やりたいことに積極的に手を挙げ行動してください。3年の中期経営計画が半分終了し、目標達成に役職員一丸となり邁進しています。今日からは皆さんがその一員となり、新しい栗田の歴史を作っていただきたいと思います。

売上600億円規模に/7月1日に日経ホームと統合/日経BP

7月1日の日経ホーム出版社との経営統合を前に日経BP社は2日午後、港区白金の本社で記者会見を行い、平田保雄新社長らが今後の経営戦略を説明した。
記者会見で平田社長は「4月末には日経ホーム出版社が青山から白金に移転して、予定より早く統合準備が進んでいる。販売・広告の環境は厳しさを加えており、体力をつけ世界を相手に戦っていく。日経BPは直販・市販の雑誌以外にウェブ、展示会・シンポジウムとクロスメディア戦略を進めてきた。コンテンツに一層磨きをかけ、他メディアではできない独創的な情報提供をしていく。今後、①経営情報、②技術情報、③生活情報の3グループと全グループを横断的にサポートするクロスメディア本部を設置して効率化を図る。2社の合併により予算ベースで売上げ600億円を超える規模になる。メディア・カンパニーを創業する気持ちで取り組みたい」と意欲を述べた。
このあと、経営情報グループ小浜利之常務、技術情報グループ古沢美行常務、生活情報グループ金子隆夫常務(日経ホーム出版社社長)から各グループの戦略が、渡辺洋之執行役員からクロスメディア戦略が説明された。
このうち、ウェブ関連では昨年6月に日経BP社のサイト全体で月間1億PVを達成したことが報告された。10月にはビジネスマン向けポータルサイトのほか消費者向けポータルサイト「日経トレンディ・ネット」を立ち上げ、3月に2500万PVに。ネット広告売上げは07年50億円、08年は60億円強を見込んでいるという。

本屋のうちそと

先月、40年目にして初めての高校の同窓会があった。早めに行き当時暮らしたアパート近辺を探索した。といっても住所は雑司ヶ谷1丁目までしか分からず、残された記憶のかけらと地形や建物を漠然と比較する事しかできなかった。起点を、当時夏目漱石や小泉八雲の墓を目印にぶらぶらしていた雑司ヶ谷墓地にしてみたものの単なる迷路霊園と化していた。当時の面影のない(記憶自体がほとんど欠落しているから面影なぞあるわけが無いが)家並みや多くの坂、入り組んだ路地を眺めながら歩き回った。
田舎から上京、高校に入学した年は東海道新幹線の開通と東京オリンピックという戦後のメルクマールのような年だった。日々の生活空間には銭湯、ラーメン屋、貸し本屋が。もっと広げるには池袋と神田、東京、数寄屋橋を結ぶ都電が動線だった。池袋駅近辺の当時の大型書店が与えてくれた興奮と感動は後楽園や花やしきに匹敵するものだった。
創刊したばかりの『話の特集』や、団鬼六「花と蛇」が掲載されていた『奇憚倶楽部』に遭遇したのは目白台交差点近くにあった間口2間くらいの小さな本屋だった。その後の人生にかなりの影響を及ぼしたのだろう、記憶なのか思い出なのか間違いなく残っている。その後、何度も引越しを重ねたが常に新しい町で住みだすキーポイントには銭湯、商店やマーケット、食堂そして古本を含む本屋が欠かせないものだった。特に間口の狭い本屋の棚と向かい合う楽しさは…。
今年も桜の花が散り新しい町で生活を始めた若者の心に本屋という存在はあるのだろうか。(理)