全国書店新聞
             

令和2年10月15日号

11月1日は「本の日」/キャンペーンへの協力呼びかけ/日書連理事会

日書連(矢幡秀治会長)は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、9月定例理事会を書面議決による「みなし理事会」として開催。全理事が9月14日までに書面議決書を提出した。読書推進委員会では、日書連が事務局を務める「本の日」の企画について報告。「図書カードプレゼントキャンペーン」は、応募用QRコード入りポスターを、日本図書普及が全国の加盟店へ10月22日に発送する広報誌に同封し配布する。キャンペーンにはこのポスターを店頭に掲示するだけで参加できるため、多くの書店の協力を得て「本の日」を全国で盛り上げたい。
[読書推進委員会]
日書連が事務局を務める「本の日」実行委員会(矢幡秀治代表=日書連会長)が展開する、11月1日の「本の日」の企画として、「図書カードプレゼントキャンペーン」について報告した。
同キャンペーンは昨年も実施した目玉企画で、11月1日(日)~11日(水)の期間、書店店頭に掲示されたポスターのQRコードを読み取って応募すると、「図書カードNEXTネットギフト」が総額2百万円分当たるというもの。1等賞は5千円分を百名に、2等賞は5百円分を3千名にプレゼントする。事前告知ポスターは、日本図書普及の協力により、同社の広報誌に同封する形で9月11日に発送。QRコードを記載した応募用ポスターは10月22日に発送する。11月1日のポスター掲出を傘下組合員に周知徹底してほしいと求めた。
また、10月27日~11月9日に実施する第47回「読書週間書店くじ」の積極的な販売促進を要請した。
[政策委員会]
九州地方や中部地方などに記録的な災害をもたらした「令和2年7月豪雨」により、浸水・雨漏り・商品水濡れ等の被害があった下記の組合加入書店(2組合7書店)に1店1万円を支給することを承認した。
▽長野組合(1店)=やまじ書店(木曽郡木曽町)
▽熊本組合(6店)=大万書店(荒尾市)三木誠文堂(菊池市)下田文具店(宇城市)清藤書店(人吉市)勝屋(葦北郡芦北町)ブックシティ一心堂(水俣市)
日本出版クラブの「2020年度出版平和堂顕彰候補者」について、6月理事会で山本秀明前理事(広島)の推薦を承認したが、家族から辞退する旨の連絡があった。
12月16日に開催を予定していた「出版販売年末懇親会」は、新型コロナウイルス感染症の予防を考慮し、中止することとした。
日書連後援名義使用について、以下を承認した。
▽「名古屋から提案!新しい生活様式のビジネスシーン感染症対策総合展」(感染症対策総合展実行委員会主催/実施期間=20年9月9日~11日、会場=名古屋市・ポートメッセなごや)▽「絵本専門士が選ぶ『逢えない誰かに贈る絵本』」(絵本・日本プロジェクト主催/開催期間=21年1月~)
[組織委員会]
各都道府県組合の月次加入・脱退状況は、5月が加入2店・脱退7店で5店純減、6月が加入4店・脱退22店で18店純減、7月が加入なし・4店減で4店純減。日書連推定所属員数は2933店になった。
[広報委員会]
10月21日に都内で開催を予定していた「全国広報委員会議」は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、本部広報委員に開催の可否を確認したところ、全員「今年度は中止すべき」との回答だったことから、各都道府県組合広報委員の健康と安全を最優先に考え中止することとした。
[書店再生委員会]
キャッシュレス決済利用状況アンケートは、調査対象を6都府県組合に限定し、回答期限を8月31日として実施した。

日書連、「万引防止ポスター」を作成/後援に警察庁/店内に掲出をお願いします

日書連は、万引防止出版対策本部(出版万防・矢幡秀治本部長=日書連会長)と協働して、万引防止のための統一ポスターを初めて作成した。日本図書普及が全国の加盟店へ10月22日に発送する広報誌に同封し、約9千店に配布する。
このポスターは出版万防の企画で制作し、日書連として初めて警察庁の後援を受けた。これまで、東京都書店商業組合等が警視庁の後援を受けた例はあったが、今回は全国規模の配布となることから、その重要性に鑑み日書連が警察庁の後援を受けることとしたもの。
ポスターには、今まさに本を隠匿しようとしている画像と、万引は犯罪で絶対に許されないこと、犯人捕捉の場合は110番通報すること、万引は窃盗罪で10年以下の懲役または50万円以下の罰金であることが記されている。
追加のポスターが必要な場合は、日書連傘下の各都道府県書店商業組合に加入する書店は、各組合事務局に問い合わせる。組合加入店以外は出版万防事務局にメールで申し込み、ポスターはデータで提供する(出版万防事務局=info7@manboukikou.jp)。
今回の配布に際し矢幡会長は「出版万防と連携して4年目の最初の活動となる。日々万引防止に取り組んでいる書店の仲間として、1件でも万引被害が減ることを目指して作成した。是非掲出をお願いしたい」と意気込みを語った。

日書連「出版販売年末懇親会」を中止

日書連は、12月16日に予定していた「出版販売年末懇親会」の開催を中止した。
書店が主催する出版業界の懇親の場として、出版社、取次、業界関連団体などを招いて毎年実施しているが、新型コロナウイルス感染症が収束していない状況を考慮し、今年の開催を断念した。

総額表示義務化に反対/外税表示許容の恒久化求める/出版協

人文・芸術等の出版社73社で構成する日本出版者協議会(出版協、水野久会長)は9月23日、出版物への消費税総額表示の義務化に反対し、特例の無期限延長や外税表示の恒久化を求める声明を発表した。
2003年の消費税法改正によって、04年4月より事業者が消費者に取引価格表示にする場合に消費税額を含めた価格を表示することを義務づける総額表示制度が実施されたが、13年施行の消費税転嫁対策特別措置法による特例として、13年10月1日より外税表示も許容され、現在、多くの出版物が外税表示を採用している。しかし、同特別措置法の適用期限は21年3月31日までとなっており、同年4月から総額表示が義務づけられる。
これに対し、出版協の声明では、①価格表示は事業者が各業態の実情に応じて適切な方法を選択すべき問題で、国が一律に強制すること自体に無理がある②現状では出版物に限らず外税表示を含めた価格表記が混乱なく広く受け入れられて
おり、総額表示でなければ税額が分からないといった消費者からの苦情は考えにくい③再販商品である出版物については、消費税率改訂のたびに、事業者に新たな諸費用・負担がかかることから、消費税導入時にも生じたロングテールの在庫書籍の絶版化などを再び招きかねず、このことが読者・消費者にとっての最大の文化的不利益となる――ことを理由に、総額表示制度の義務化に反対。同特別措置法の特例適用期限の無期限延長、外税表示許容の恒久化を要望している。

〈大震災〉出版対策本部の活動を終了いたします

「東日本大震災」発生後発足いたしました〈大震災〉出版対策本部では、被災地の読書環境と人々の心の復興のために大震災出版復興基金を募集し、多くの方にご寄付をいただきました。震災後、2021年3月度で丸10年を迎えるにあたり、〈大震災〉出版対策本部の活動は一区切りとさせていただくことになりました。長きにわたりご支援賜り、誠にありがとうございました。
同時に、大震災出版復興基金の受付につきましても2020年11月末をもちまして終了とさせていただきます。これまでご協力いただきましたこと、心から感謝申し上げます。
なお、本件につきましてのお問合せは日本出版クラブ事務局までお願いいたします。℡03(5577)1771

「春夏秋冬本屋です」/「読書のベストプレイスはどこだ」/静岡・島田書店花みずき店店長・佐塚慎己

唐突ですが、年に何回か猛烈に映画を見たくなる時があります。正確に言えば、映画館で映画を楽しみたい、です。今のご時世、どこでも映画は楽しめます。でも、家で見ていれば家人から用事を頼まれたり、携帯や電話、メールの着信等々の「一時停止ボタン」があるため、作品に没入するには難しすぎます。
だからこそ映画館で、快適な椅子に座り、大きな画面で、〝誰にも邪魔されなく〟作品を楽しむ。最高です。
では私の読書が最も捗るシチュエーションはどこか。ずばり電車の中です。年に幾度か妻の実家の金沢に行く機会があるのですが、家族は前乗りして、私だけ1人で後から訪ねる時が往々にあります。そんな時は、渾身の1冊を吟味し出発します。静岡から金沢に行くときは、新幹線は米原乗り換えが一般的ですが、読書の時間を十分にとるため、あえて名古屋発着のしらさぎに乗車します。
映画館ほど集中できませんが十分に静かな車内で読書を楽しみ、時折流れる車窓を楽しむ。まさしく時の経つのを忘れてしまいます。
当店のモットーは〝本は心のゆとり〟です。父祖から贈られたこの言葉ですが、心にゆとりがなければ、読書を楽しむことはできない。ゆとりのある日々の生活を営むために本があるのだと思う、今日この頃です。

新型コロナ対応で1店2万円を支給/滋賀組合総会

滋賀県書店商業組合は8月25日、大津市のコラボ21で第37回通常総会を開催した。今年は新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、本人出席は役員6名のみとした。加えて書面決議書で33名が参加した。
総会の冒頭、吉田徳一郎理事長(ヨシダ書店)があいさつ。コロナ禍で苦労する各書店に対して労いの言葉を述べ、「少しでも組合加盟書店の皆さんに役立つ情報を提供し、諸事業に邁進する」と決意を語った。その具体的な施策として、組合加盟書店1店あたり2万円の新型コロナウイルス対応支援金を支給することを決定したと報告した。申請のあった書店に順次送金していく。
引き続き吉田理事長を議長に議案審議を行い、第1号議案から第5号議案まですべての議案を承認した。
最後に来賓の滋賀県中小企業団体中央会の堀田悠二・指導課兼総務課主査が「滋賀県新しい生活・産業様式確立支援事業」支援金の説明を行った。
(川瀬浩太郎広報委員)

長﨑晴作理事長を再選/熊本組合第33回通常総会

熊本県書店商業組合は8月28日、熊本市北区の熊本県教科書供給所で第33回通常総会を開き、組合員40名(書面含む)が出席した。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から書面による参加を呼びかけ、本人出席は最少人数とした。予定していた講演会と懇親会は中止した。
長﨑晴作理事長(熊文社)を議長に議案審議を行い、すべての議案を原案通り承認可決した。
任期満了に伴う役員改選では、理事11名、監事2名が全員留任した。
総会終了後、理事会を開き、長﨑理事長はじめ正副理事長を全員再選した。
[熊本組合役員体制]
▽理事長=長﨑晴作(熊文社)
▽副理事長=宮﨑容一(宮崎一心堂)早田敏男(ファースト文庫)松本寿憲(ブックス書泉)

JPIC役員体制を決定

出版文化産業振興財団(JPIC)は、第122回理事会及び第74回定時評議員会を書面決議で行い、2019年度決算、定款の一部変更、任期満了に伴う評議員・理事・監事の改選について承認。その後の第123回理事会で役職理事に関する書面決議を行い、以下の体制を承認した(肩書は8月25日当時)。
[JPIC役員体制]
▽理事長=肥田美代子(文字・活字文化推進機構理事長)※代表・業務執行理事
▽副理事長=小野寺優(日本書籍出版協会理事長、河出書房新社社長)堀内丸恵(日本雑誌協会理事長、集英社社長)平林彰(日本出版取次協会会長、日本出版販売取締役)矢幡秀治(日書連会長、真光書店社長)
▽専務理事=小柳貴史(事務局)※業務執行理事
▽理事=相賀昌宏(小学館社長)亀井忠雄(三省堂書店社長)近藤敏貴(トーハン社長)鹿谷史明(ダイヤモンド社会長)高井昌史(紀伊國屋書店会長兼社長)野間省伸(講談社社長)松信裕(有隣堂社長)宮原博昭(学研ホールディングス社長)森永公紀(NHK出版社長)
▽監事=桶田大介(弁護士)能勢正幸(公認会計士)平井茂(日本図書普及社長)
▽評議員=石﨑孟(マガジンハウス会長)大垣守弘(大垣書店社長)川村興市(楽天ブックスネットワーク社長)北島義斉(大日本印刷社長)佐藤隆信(新潮社社長)島秀佳(今井書店グループ社長)武田真士男(光文社社長)千葉均(ポプラ社社長)中川清貴(丸善CHIホールディングス会長)中部嘉人(文藝春秋社長)春井宏之(日書連副会長、正文館書店社長)麿秀晴(凸版印刷社長)山本憲央(中央経済社ホールディングス社長)

出版科研セミナー「紙と電子の共存」/11月10日、Zoomで開催

出版科学研究所は11月10日午後3時~5時、Zoomによるオンライン方式で出版セミナーを開催。カカオジャパン代表取締役社長の金在龍氏が「紙と電子の共存」をテーマに講演する。
カカオジャパンは、2016年のサービス開始から累計ダウンロード数2400万件を突破し急成長する電子マンガ・ノベルサービス「ピッコマ」を運営。金社長は創業当初から、「デジタルとアナログの融合で漫画業界を活性化させたい」と、紙との共存の必要性を説いている。講演では、同社のこれまでの歩みとコロナ禍の現在の状況、今後の展望について話す。
受講料は一般3000円、全国出版協会会員社2000円(ともに税込)。定員100名。申込はFAXまたは同研究所ホームページから。申込締切は11月2日受付まで。
問い合わせは出版科学研究所まで。℡03(3269)1379

河出書房新社営業部/YouTubeチャンネル「河ステ」開設/書店向けプレゼン動画を公開

河出書房新社は、営業部から書店へのプレゼンテーションの場の一環として、YouTubeチャンネル「河出ステーション」(河ステ)を開設。10月1日に第1弾として全4本のプレゼン動画を公開した。
第1弾のラインナップは、2020年度の大型企画である『世界の神話と英雄大図鑑』(10月刊行)、『日本のデザイン1945―』(10月刊行)、『地図とタイムラインで読む第2次世界大戦全史』(11月刊行)、『オリンピックデザイン全史1986―2020』(12月刊行)。各販売チーフが出演し、書店の担当者に向けて商品の魅力、特性、読みどころなどを、図版やアニメーションを駆使してアピールしている。
現段階では一般への公開はせず、同社営業部から全国の書店へのBtoBのツールとして運用する。
コロナ禍による書店訪問・出張自粛の期間が続く中、同社では会議アプリや電話、メール、FAXなどで平常時同様の情報伝達を行ってきたが、自粛体制は現時点でも継続しており、例年各地の書店、取次の支店で開催してきた企画説明会を満足に行える見通しが立っていない。企画への強い思いや熱を、担当者から書店に、時間や場所の負担をかけずに伝えることができるやり方を考えた結果、「河ステ」を開設することになったと説明する。
今後は大型企画に限らず小説や実用書など、より多彩な動画コンテンツを充実。また、編集担当や著者なども招待し、書店に楽しんでもらいながら、同社の刊行物への理解を深めてもらえるようにするという。

筑摩書房『82年生まれ、キム・ジヨン』/20万部突破、10月映画公開で弾み

筑摩書房が2018年12月8日に刊行した韓国小説『82年生まれ、キム・ジヨン』(チョ・ナムジュ著、斎藤真理子訳)が9月2日時点で20刷を記録し、刊行から2年足らずで累計発行部数20万部を突破した。同書を原作とする映画の日本公開が決定し、予告編が6月17日に解禁されて以降、映画と原作が異なるストーリーという評判も影響し、原作小説への需要が高まっていた。映画は10月9日より新宿ピカデリーほか全国で公開中。原作小説の売上に更に弾みがつきそうだ。
同書は16年に韓国で刊行され、130万部のベストセラーとなった小説。平凡な女性キム・ジヨンの、少女時代から結婚・出産に至るまでの人生を通し、韓国のジェンダー意識に関わる現代史や社会問題を織り交ぜながら、女性が負う重圧と生き辛さを描いている。この小説を原作とした映画も人気俳優チョン・ユミ、コン・ユ主演で韓国公開後、3週連続ナンバーワンの大ヒットとなり、社会現象を巻き起こした。
日本で刊行された翻訳本は発売2日目で重版が決定し、大型書店で品切れが続出。19年1月から6ヵ月連続で海外文学部門売上1位を獲得し、19年間ベストセラー「単行本・文芸書」部門8位(トーハン調べ)、「単行本・フィクション部門」10位(日販調べ)となるなど、翻訳文学として異例のヒットを続けている。
筑摩書房は、刊行当初から「家族にプレゼントしたい」「友だちに読んでもらった」といった「身近な人にこの本を贈りたい/贈った」という読者の声が相次いだことを受け、そのままプレゼントできるラッピングデザインの帯を1万部限定で作成した。デザインは同書の装丁も手掛けた名久井直子氏。裏面に相手の名前やメッセージ、送り主が書き込めるメッセージカードがデザインされている。

「逢えない誰かに贈る絵本」フェア/絵本専門士が30作品を選書/絵本・日本プロジェクトが企画

「絵本・日本プロジェクト」(髙橋小織会長=BOOKS隆文堂)は、2021年1月から全国の書店店頭で、「全国の絵本専門士が選んだ『逢えない誰かに贈る絵本』フェア」を展開する。日本図書普及、日書連、出版文化産業振興財団が協力。
同プロジェクトは書店とタイアップし、毎年、地域の子どもたちが本と触れ合うイベントを開催しているが、今年は新型コロナウイルス感染拡大という未曽有の事態のため中止した。しかし、このような時だからこそ、常につながりを大切にして活動してきた原点に立ち返り、書店店頭での絵本フェアを企画したという。
このフェアは、バレンタインや卒業・入学など別れと出会いの季節である春に向けて「逢えない誰かに贈る絵本」をテーマに、絵本専門士113名が選んだ30作品から、書店が自由に選書してコーナー展開するもの。実施時期も、クリスマス商戦を経て採用品がスタートするまでとなっており、各店の都合に合わせて開催することができる。
選書を担当した絵本専門士は、国立青少年教育振興機構が実施する養成講座を修了した絵本のエキスパート。14年のスタートから現在まで、全国で約300名が活躍している。
選ばれた絵本は、子どもだけでなく大人を対象にした作品も多く揃っており、通常の絵本コーナーとは異なった切り口で展開することができる。
発注は直接、各出版社まで。フェア展開に活用できるよう、絵本専門士のおすすめコメント入りPOPなどの拡材をダウンロードできるようにする。絵本ポータルサイト「絵本ナビ」でも企画の案内を行い、フェアロゴも用意する。
髙橋会長は「外出自粛等で思うように逢うことのできない大切な人に、心を繋ぐ1冊の絵本を届けませんか。心を込めて選んだ絵本の数々とメッセージが、笑顔とともに贈られることを願って止みません」と、フェアへの参加を呼びかけている。
フェア問い合わせは、10月23日以降、日書連ホームページで検索。
[逢えない誰かに贈る絵本ブックリスト]
▽『キツネと星』コラリー・ビックフォード=スミス(作・絵)、スミス幸子(訳)、アノニマ・スタジオ▽『こころのいとつながってるよ』パトリス・カースト(作)、ジョアン・ルー・フリートフ(絵)、浜崎絵梨(訳)、大河原美以(監修)、岩崎書店▽『はやくあいたいな』五味太郎(作)、絵本館▽『あさになったのでまどをあけますよ』荒井良二(作・絵)、偕成社▽『まいにちがプレゼント』いもとようこ(作・絵)、金の星社▽『ねえさんといもうと』シャーロット・ゾロトウ(文)、酒井駒子(絵・訳)、あすなろ書房▽『100年たったら』石井睦美(文)、あべ弘士(絵)、アリス館▽『ちいさいおうち』バージニア・リー・バートン(文・絵)、石井桃子(訳)、岩波書店▽『ぴっぽのたび』刀根里衣(著)、NHK出版▽『きょうはそらにまるいつき』荒井良二(作・絵)、偕成社▽『百年の家』J・パトリック・ルイス(作)、ロベルト・インノチェンティ(絵)、長田弘(訳)、講談社▽『字のないはがき』向田邦子(原作)、角田光代(文)、西加奈子(絵)、小学館▽『LIFEライフ』くすのきしげのり(作)、松本春野(絵)、瑞雲舎▽『まってる。』デヴィット・カリ(著)、セルジュ・ブロック(イラスト)、小山薫堂(訳)、千倉書房▽『それしかないわけないでしょう』ヨシタケシンスケ(著)、白泉社▽『おなじそらのしたで』ブリッタ・テッケントラップ(作・絵)、木坂涼(訳)、ひさかたチャイルド▽『最初の質問』長田弘(詩)、いせひでこ(絵)、講談社▽『11ぴきのねこどろんこ』馬場のぼる(作)、こぐま社▽『はるとあき』斉藤倫(作)、うきまる(作)、吉田尚令(絵)、小学館▽『わたしとなかよし』ナンシー・カールソン(作・絵)、なかがわちひろ(訳)、瑞雲舎▽『ジョンくんのてがみ』新川智子(作)、市居みか(絵)、童心社▽『きみとぼく』今江祥智(文)、長新太(絵)、BL出版▽『しろいうさぎとくろいうさぎ』ガース・ウィリアムズ(文・絵)、まつおかきょうこ(訳)、福音館書店▽『きんぎょがにげた』五味太郎(作)、福音館書店▽『ちびゴリラのちびちび』ルース・ボーンスタイン(作)、岩田みみ(訳)、ほるぷ出版▽『たったひとりのあなたへ』エイミー・リード(文)、マット・フェラン(絵)、さくまゆみこ(訳)、光村教育図書▽『わすれられないおくりもの』スーザン・バーレイ(作・絵)、小川仁央(訳)、評論社▽『はぐ』佐々木マキ(文・絵)、福音館書店▽『たいせつなこと』マーガレット・ワイズ・ブラウン(作)、レナード・ワイスガード(絵)、うちだややこ(訳)、フレーベル館▽『あめだま』ペク・ヒナ(作)、長谷川義史(訳)、ブロンズ新社

認知症に理解求め、県民週間を実施/関連書籍の特設コーナー設置/鹿児島組合

鹿児島県は9月21日の世界アルツハイマーデイを含む9月20日~26日までの1週間を「認知症を理解し一緒に歩む県民週間」に設定し、期間中、県内各地で様々な取り組みを実施した。
鹿児島県書店商業組合(楠田哲久理事長)では、県くらし保健福祉部から協力依頼を受け、県内47の書店で認知症関連書籍の特設コーナーを設置。鹿児島書籍の協力で選定した書籍20点を販売した。今年で3回目。期間終了後も、在庫を含め長期の開催を行う。身近なテーマのため関心は高く、増売にも寄与している。(和田豊広報委員)
[認知症関連書籍]
▽『これで安心!75歳からの運転免許認知機能検査テキスト&問題集』篠原菊紀(監修)、ナツメ社▽『運転の認知機能を鍛える本』広川慶裕(監修)、池田書店▽『今日から使える認知行動療法』福井至・貝谷久宣(監修)、ナツメ社▽『もの忘れ・認知症が心配になったら読む本』広川慶裕(監修)、池田書店▽『認知症の人がスッと落ち着く言葉かけ』右馬埜節子(著)、講談社▽『認知症の人を理解したいと思ったとき読む本正しい知識とやさしい寄り添い方(心のお医者さんに聞いてみよう)』内門大丈(監修)、大和出版▽『ここが違うボケる人ボケない人』斎藤茂太(著)、興陽館▽『ボケるボケないは「この習慣」で決まる脳のスペシャリストが〇×で対策をおしえます!』西崎知之(著)、廣済堂出版▽『心がスッと軽くなる認知行動療法ノート自分でできる27のプチレッスン』福井至・貝谷久宣(監修)、ナツメ社▽『認知症になった家族との暮らしかたよくある「困りごと」への対応がわかる』認知症の人と家族の会(監修)、ナツメ社▽『これで安心!75歳からの運転免許認知機能検査テキスト』株式会社べスプラ(著)、今野裕之(監修)、KADOKAWA▽『一発合格!運転免許認知機能検査』児玉光雄・小宮紳一(著)、秀和システム▽『非認知能力を育てるあそびのレシピ0歳~5歳児のあと伸びする力を高める』大豆生田啓友・大豆生田千夏(著)、講談社▽『3ステップ式パーソン・センタード・ケアでよくわかる認知症看護のきほん』鈴木みずえ・内門大丈(監修)、池田書店▽『認知症アルツハイマー病血管性認知症レビー小体型認知症前頭側頭型認知症(よくわかる最新医学)』杉山孝博(監修)、主婦の友社▽『100歳まで元気でボケない食事術』堀江ひろ子(著)。主婦の友社▽『これでわかる認知症』杉山孝博(監修)、成美堂出版▽『現場で役立つ!早引き認知症ケアハンドブック』榊原宏昌(著)、東郷清児(監修)、ナツメ社▽『「朝ドラ」を観なくなった人は、なぜ認知症になりやすいのか?』奥村歩(著)、幻冬舎▽『認知症のある患者さんのアセスメントとケア』六角僚子・本間昭(著)、ナツメ社

トーハン・日本出版販売/11月から雑誌返品業務の協業開始/出版共同流通蓮田センターで段階的に実施

トーハン、日本出版販売(日販)の両社は10月5日、雑誌返品業務の物流拠点統合のスケジュールを発表した。トーハン東京ロジスティックスセンターで行っていた雑誌返品業務を、日販グループの出版共同流通蓮田センターで11月から段階的に実施する。
円滑な移行を図るため、蓮田センターで作業するトーハンの業量を3段階に分けて増加させる。第1回は業量25%を11月16日到着分から、第2回は業量50%を21年1月18日到着分から、第3回は業量100%を同2月15日到着分から予定している。
トーハンと日販は今後、書籍返品業務、書籍新刊送品業務、雑誌送品業務について引き続き協業の検討を進め、物流作業の効率化を通じて、将来に向けて持続可能な出版流通網の再構築を目指す。
なお、物流協業の実施及び検討を進めるにあたって知り得た相手方の機微情報については、独占禁止法遵守の観点から、引き続き各社内で厳密な情報管理を行うことに変更はない。また、必要に応じて公正取引委員会への報告・相談を行うことも同様としている。

飯窪氏が専務に昇任/文藝春秋

文藝春秋は8月27日開催の株主総会、取締役会で以下の役員人事を決定した。◎印昇任、○印新任。
代表取締役社長〔経理部、経営企画室担当〕
中部嘉人
専務取締役〔社長補佐(文藝春秋編集局、週刊文春編集局、文春文庫局、文藝出版局、コミック編集局統括)〕◎飯窪成幸
常務取締役〔総務局、ナンバー局、クレア局、メディア事業局統括、関連会社(デジタル戦略事業局担当)〕石井潤一郎
同〔営業局統括(情報システム部、次世代システム開発室、資材製作局担当)〕
◎濵宏行
取締役〔編集委員室、編集総務局、文春新書局統括(新規事業開発局、宣伝プロモーション局担当)〕
鈴木洋嗣
執行役員(法務・広報部、管理部、編集総務局担当)
内田博人
同(文藝出版局担当)
大川繁樹
同(総務部、社史編纂室、クレア局担当)河野一郎
同(営業局担当)勝野聡
同(メディア事業局担当)
小濱千丈
同(編集委員室、文藝春秋編集局、文春新書局、コミック編集局担当)
○島田真
同(文春文庫局担当)
○花田朋子
同(週刊文春編集局、ナンバー局担当)○新谷学
監査役○羽鳥好之
古田維専務取締役、山本喜由監査役は退任した。

日書連のうごき

9月2日JPO運営幹事会に事務局が出席。
9月3日定期会計監査。
9月7日全国中小小売商団体連絡会に事務局が出席。
9月8日全国中央会商業専門委員会(Zoom会議)に矢幡会長が出席。JPO理事会に藤原副会長が出席。
9月9日本の日実行委員会(Zoom会議)に矢幡会長が出席。
9月10日JPO運営委員会(Zoom会議)に春井委員長が出席。
9月14日出版倫理協議会に渡部副会長が出席。
9月23日北海道の返品現地処理で志賀理事が日販を訪問。
9月24日万防出版対策本部事務局会議に事務局が出席。
9月28日全国中小小売商団体連絡会に事務局が出席。

ポプラ社『ぱんつさん』で受賞/日本絵本賞の田中光氏を表彰

ポプラ社から刊行された、お笑い芸人・田中光氏の初の絵本作品『ぱんつさん』が全国学校図書館協議会(全国SLA)主催の第25回「日本絵本賞」を受賞したことを記念し、9月4日に東京・千代田区の同社で贈呈式が行われた。
贈呈式では、全国SLAの設楽敬一代表理事から田中氏とポプラ社の千葉均社長にそれぞれ賞状と盾が贈られた。またサプライズゲストとして、田中氏の所属する事務所の先輩であるサンドウィッチマンの伊達みきお氏、富澤たけし氏がVTRでメッセージを寄せて祝福した。
ギャグ漫画『サラリーマン山崎シゲル』シリーズ(ポニーキャニオン)などで漫画家としても活動する田中氏は、「栄誉ある賞をいただき、まだ驚いている。なんとなく変なものを作りたいなと普段から考えていて、『これは漫画に』『これは漫才に』とアイデアがある中で、『これは絵本にしたほうが面白いんじゃないか』と思いついたときにちょうど出会いがあった。変なものを作りたいという発想を全力でサポートしていただいたポプラ社には感謝しかありません」とあいさつ。次回作『ねこいる?』(仮題)の構想も披露した。
祝辞を述べた全国SLAの設楽代表理事は、日本絵本賞はリニューアルを図り、次回から新しい取り組みとして、好きな絵本のPOPを書いて投稿する「POP交流サイト」を立ち上げる予定だと紹介し、絵本読書活動をさらに推進していくと述べた。

書籍卸等、19年度は3・9%減収/電子書籍拡大や雑誌低迷で/日経MJ卸売業調査

日経MJは8月12日号で「第49回日本の卸売業調査」の結果を発表。2019年度の全14業種の売上高の合計は前年度比0・8%増だったが、営業利益は同6・5%減で2年連続減少した。業種別では、「その他」を除く13業種のうち、7業種で売上高が前年を上回った。一方、営業利益は7業種で減少した。
この調査は、消費財を中心とした卸売業を行う企業895社を対象に5月下旬~7月上旬に実施した。有効回答企業は543社。
1年前と比べた景況感を聞いたところ、景況感を下向きとした回答が7割を超えた。18年度の調査で景況感を下向きと回答した企業は3割強にとどまっており、悪化の理由を尋ねると、トップは「受注量が減っている」(69・8%)。「物流コストの転嫁が進んでいない」という回答も28・2%と多かった。
書籍・CD・ビデオ・楽器卸の売上高は前年度比3・9%減と落ち込んだ。営業利益は同13・5%減、経常利益は同30・1%減。スマートフォン向けの電子書籍や音楽の定額配信サービスなどの利用者が拡大する一方、紙の書籍やCDの販売は低迷が続いている。
売上高1位の日販グループホールディングスは5・5%の減収。電子書籍のほか、スマホ向け読み放題サービスの利用者が増加傾向で、紙の雑誌を中心に販売部数の減少が続いている。
2位のトーハンも2・0%減収となった。トーハン、日本出版販売(日販)の両社は業務提携し、雑誌返品処理業務で物流拠点を統合、書籍返品業務等についても協業の具体策を検討している。「物流費の高騰で経営環境が悪化しており、両社で物流網を見直すことで収益力を高める狙い」と同紙では分析している。
3位の楽天ブックスネットワークは7・8%の減収となった。

JPO「BooksPRO」が21年に新展開/出版社の注文サイトと連携へ/雑誌情報の提供もスタート

日本出版インフラセンター(JPO)は9月8日、東京・千代田区の出版クラブビルで定例理事会を開催。書店向け出版情報提供サイト「BooksPRO」について、出版社の注文サイトとの連携構築など3つのシステム開発を行うことを承認した。
BooksPROは、「S―book」など出版社の注文サイトとの連携を、来年3月頃から順次スタートする。BooksPROの書誌情報ページや販促情報ページから、注文サイトのページに直接移行し注文できるようになる。
また、雑誌情報の提供を来年1月末頃に開始する。日本雑誌協会の雑誌POSセンターから基礎情報を受け取り、BooksPROの発売日カレンダーに表示して、個別の銘柄のページも作成する。来年度以降は、出版社が表紙などの画像や、特集、付録などの情報を追加登録できるようにする予定。
図書館での選書にBooksPROを活用してもらうため、今年11月を目途に閲覧者を図書館員にも拡大する。開始時は現行の書店向けサイトを利用してもらうが、本格的な図書館対応が必要になった場合は改修も検討するとしている。
BooksPROの9月1日時点の利用登録書店数は1565店。出版情報登録センター(JPRO)への7月期の書誌情報登録率は、書籍新刊委託は94・3%(前年同月比15・8ポイント増)、雑誌扱いコミックスは86・3%(同13・6ポイント増)と順調に伸びている。