全国書店新聞
             

平成25年1月15日号

新潟市で絵本ワールド開催/新潟組合は児童書販売

「絵本ワールドinにいがた2012」が12月1日、2日の両日、新潟市東区の新潟県立大学で開催。絵本作家の講演会や絵本の読み聞かせなど絵本の世界を楽しむイベントが行われ、6200人の参加者で賑わった。同・実行委員会主催。新潟日報社、子どもの読書推進会議共催。新潟県書店商業組合などが協力。
「ひろがる絵本の世界絵本イベント&ワークショップ」と銘打ち、新潟県内ボランティアによる読み聞かせ・紙芝居・エプロンシアター、県立大学のお兄さんお姉さんとわくわく工作&アートを実施。クリスマスカードの手作り、紙芝居、オカリナ演奏と読み聞かせ、香川元太郎、きむらゆういち、たかいよしかず各氏による絵本作家講演会など盛りだくさんの内容。どの会場も満員の盛況だった。絵本作家のサイン会にも長蛇の列ができた。
カルピス「親子の絵本の部屋」では、カルピスを親子で作ったり、『おおきなかぶ』『ゆうたのいぬ』などの絵本の読み聞かせ教室が行われた。子供たちがカルピスを飲みながら耳を傾ける微笑ましい光景が見られた。
新潟県書店商業組合は「子供の本大展示」を実施。大学のエントランスを借りて本の販売を行い、130万円を売り上げた。集客を図るため、図書カードが当たる抽選会を同時に行った。参加した書店は「児童書が飛ぶように売れるとは思いもしなかった。企画によっては売れることが分かった。来年度も是非新潟で絵本ワールドを開催したい」と感想を話していた。
(新潟県書店商業組合・西村俊男理事長)

協力して景気回復を/新年名刺交換会で出版5団体

2013年出版関係新年名刺交換会が1月9日、東京・新宿区の日本出版クラブ会館で開かれ、出版社、取次、書店など業界関係者550名が出席。名刺交換会は被災地に元気を届けるための会津民謡と太鼓演奏、正月らしい獅子舞で始まり、出版5団体代表が壇上に勢揃い。赤ワインで乾杯して新年の門出を祝った。
乾杯を前に日本出版クラブの野間省伸会長(講談社)、日本書籍出版協会の相賀昌宏理事長(小学館)、日本雑誌協会の石﨑孟理事長(マガジンハウス)、日本出版取次協会の古屋文明会長(日本出版販売)、日本書店商業組合連合会の大橋信夫会長(東京堂)の各氏が登壇し、代表して野間会長があいさつ。
野間会長は「昨年末の新政権発足以来、株高が続き、景気の回復が言われている。出版業界もこの波に乗りたい。デジタル化への対応など問題は山積だが、一つひとつ解決しながら良い年にしたい」と述べ、乾杯の音頭をとった。
出版5団体代表のあいさつは出版クラブ会報「出版クラブだより」に掲載され、当日配布された。このうち日書連・大橋会長のあいさつ要旨は次の通り。
新年あけましておめでとうございます。
日書連は書店経営の環境改善を目的に多くの事業活動に取り組んでいますが、昨年は「書店再生のための提案5項目」を打ち出し、具体策に着手しました。まず採用したのは「ロングセラー・実用書の増売」。欲しくても配本されなかった商品を確保することで、店頭活性化を図ることが可能になります。また、増売の実績を作ることで、出版社からインセンティブを頂戴できればと考えています。
第一弾「食と健康」をテーマにした実用書増売企画は、出版社5社の協力を得て、50点75冊をセット組みしました。418店、456セットと小規模でのスタートとなりましたが、次回は我が社も参加したいとの言葉を出版社数社から頂いております。書店が自発的に選書して増売企画を展開するのは素晴らしいとの声援も頂いております。今年は増売のスキルアップと参加書店の拡大に努め、書店再生に向けた諸施策を順次手掛けていきたいと思っております。
送品・返品同日精算の問題は、昨年、第3者機関に判断のお願いをいたしました。経営環境が悪化の一途をたどる傘下組合員の悲痛な叫びが背景にあり、決断を下さざるを得なかった次第です。判断結果の黒白にかかわらず、資金繰りに苦しむ書店経営環境改善の一歩として、今後とも取次各社に改善をお願いしていく考えでいます。
このほか日書連財政の健全化、電子書籍への対応、正確な在庫情報の入手、雑誌付録、消費増税、客注品迅速確保など、急ぎ解決を迫られている諸問題に英知を結集して取り組み、明日のあるべき書店像を追求したい。ご指導ご鞭撻の程お願い申し上げます。

震災復興基金募金箱設置に協力を

〈大震災〉出版対策本部では、「大震災出版復興基金」の店頭での募金活動に協力を呼び掛けている。協力書店には、アクリル製ブック型の募金箱と店頭掲示用ポスター、送金用の郵便振替用紙を送付する。振込料は本部負担。募金を送金することで書店に税金はかからない。問い合わせは所属の都道府県書店組合へ。

年末年始の店頭売上は改善/トーハン、日販調べで

年末年始(12月29日~1月3日)の書店店頭売上動向がトーハン、日販両社から発表された。これによると、トーハン調べが0・9%減(前年7・4%減)、日販調べが1・9%増(前年8・8%減)と、両社とも前年から改善した。
トーハン調べ(調査店1571店)によると、年末の売上は書籍1・2%減、雑誌1・7%減、コミック15・0%増、MM商品4・0%増、合計1・1%増。年始が書籍5・1%減、雑誌7・2%減、コミック6・4%増、MM商品1・0%減、合計3・5%減。年末年始ともコミックが好調だった。
日販調べ(1722店)では、年末が書籍0・4%増、雑誌8・7%増、合計4・5%増。年始が書籍4・6%減、雑誌2・4%増、合計1・4%減。年末年始を通して雑誌の好調ぶりが目立った。
書籍は、実用書(6・2%増)、児童書(1・7%増)、新書(0・6%増)がプラスに。一方、書籍コミックは16・2%の大幅減となった。雑誌はコミックが16・8%の大幅増となったほか、ムックも3・5%増と堅調に推移した。一方、定期誌は1・4%減と低迷した。内訳は、月刊・隔月誌1・1%減、週刊・隔週誌2・7%減。

県に児童書など465冊を寄贈/埼玉組合

埼玉県書店商業組合は12月12日、川島孝文理事長と山口洋事務局長が埼玉県福祉部こども安全課を訪問。牧光治課長と小林健太郎養護担当に平成24年度寄贈本について趣旨説明を行い、児童書や辞典など465冊の本を寄贈した。
牧課長は「長年にわたり毎年多くの本を寄贈していただき、県内福祉施設も大変感謝をしている。施設の子どもたちにとって本は何よりの贈り物、毎年楽しみにしている」とお礼の言葉を述べた。また、小林養護担当は「各施設では、本の寄贈により蔵書も充実し、大変喜んでいる。クリスマスにあわせ、よいプレゼントとなる」と施設の状況を話した。
寄贈本は、こども安全課より、県内の児童養護施設、母子生活施設等に配本され、毎年各施設ならびに子どもたちより心温まる多くの礼状をいただいている。(山口洋事務局長)

岡森泰造理事長を再選/「組合の今後」討論会開く/三重総会

三重県書店商業組合は11月24日、津市の「アスト津」で第27回通常総会を開催した。
総会は、始めに岡森理事長があいさつ。続いて鈴木副理事長を議長に選出して議事を協議し、各議案を可決承認した。役員改選では岡森理事長を再選。稲垣理事、瀧川監事が退任し、中村書店の中村孝一氏、ひまわり書店の冨森多美子氏がそれぞれ就任した。
総会閉会後、取次・版元を交え、「組合の今後」討論会を別所理事の司会で開催した。始めに岡森理事長が行政への働きかけが重要として、2011年11月に中川文部科学大臣、12年9月には鈴木三重県知事と教育委員会に組合として面談し、読書活動や図書館整備への一層の予算措置、再販制への理解と遵守、地元書店での図書購入などを強く要望したことを説明した。
また好事例として、四日市の北洞書店が市議会に請願書を提出した件を報告。「学校図書館の図書購入を地元書店から優先して購入する事を求めること」が、10月5日に市議会で採択され、来期の受注増に向け大いに期待すると力強く語った。続いて小学館「日本美術全集」、ポプラ社「ポプラディア大図鑑ワンダ」の増売、電子書籍への対応など様々な討論が行われた。
定刻となり討論会を終了、会場を変えて懇親会でも活発な意見交換がなされた。(磯田智広報委員)

組合活動スリム化しつつ充実図る/鹿児島県組合総会で楠田理事長

鹿児島県書店商業組合は12月5日午後5時から鹿児島市のサンロイヤルホテルで第27回通常総会を開き、組合員74名(委任状含む)が出席した。
総会は石井俊司専務理事の司会、瀬川浩三副理事長の開会の辞で始まり、楠田哲久理事長が「長期にわたり書店の業績低迷が続く中、県の組合員数も3桁を割り込む事態となり、スリム化をしながらも充実した組合活動ができるように頑張りたい」とあいさつした。
議長に神野直也理事を選任し、第27期事業報告、委員会報告、収支決算書、理事定数削減の定款変更、第28期事業計画案、収支予算案など全ての議案を原案通り承認可決した。役員改選では理事11名と監事1名を選任、その後の理事会で楠田理事長、瀬川副理事長、石井専務理事を決定した。
総会の前には日本政策金融公庫鹿児島支店事業統括の堀井武氏が「景気の現状と今後の中小企業の経営」と題して講演を行い、組合員は熱心に聴講した。
総会終了後、出版社、取次、出版輸送のテジマを交えて懇親会を行った。
(和田豊広報委員)

従来の棚とも連携図る/東京都・足立区・小泉書店

東京・足立区の小泉書店は、環状七号線に隣接する一般道に面し、1階36坪、2階24坪で営業する。日書連の書店再生増売企画「食と健康」コーナーは、面陳と背差しのワゴンに手書きポスターを貼り、2階への階段脇に展開。従来の料理や健康の棚にも「街の本屋が選んだ〝食と健康〟はワゴンへ」とアピールする。
小泉忠男社長は「これまで21冊販売した。従来の棚の本と合わせて購入されているようだ。誰もが気になるテーマなので男性客にも買われている」と話す。東京組合副理事長として書店再生運動に携わっており、今後の企画について「『食と健康』の幅を広げていくのも一案。副テーマの『本良発揮』を、例えば〝良い本の力〟〝良い本屋(と言われる)力〟の発揮というように、もっとPRしたい」と意気込む。

組合加入促進でパンフ製作/第34期福岡県組合通常総会

福岡県書店商業組合(長谷川澄男理事長)は11月27日に福岡市のセントラルホテルフクオカで第34期通常総会を開催し、組合員167名(委任状含む)が出席した。
総会は森松正一氏の司会で進行、大石副理事長の開会の言葉で始まり、長谷川理事長から「『九州選書市2012』は成功に終わることができ、感謝の気持ちでいっぱいだ。また、厳しい経済の中での経営は大変だと思うが、それぞれの店舗がアイデアを出して努力し、生き残るしかない」とあいさつがあった。
議長には飯野常務理事が選任され、第34期事業報告、収支決算報告、第35期事業計画案、収支予算案などを審議して全ての議案を承認した。この中で特筆すべき取組みは、総務委員会が組合員増強を図るために「組合加入へのお誘いパンフレット」を製作したことだった。また山口顧問より九州雑誌センターに関する報告があり、厳しい経営の中でも我が組合に大きく貢献しているので、声援をよろしくとのお願いがあった。その後、都渡正道筑後支部長の言葉で閉会した。
この後、場所を移し版元と取次を交えた懇親会が和気あいあいの雰囲気の中行われた。(西村勝広報委員)

淡路島を訪ねる古事記バスツアーを実施/兵庫組合

兵庫県書店商業組合(山根金造理事長)は12月に県下のお客様を募り3回に分けて「古事記で日本を訪ねるバスツアー」を行った。
これは、県組合あげて9月より実施している企画「読んで、聞いて、行ってみて、神話の世界古事記ざんまい」の最終段を飾るもの。古事記によれば、本州、九州などに先立ち最初に生まれたのが兵庫県淡路島とされており、ツアーで国生みの舞台を訪ねることとした。
まず国生みに始まる全ての神功を果たされた伊弉諾大神、伊弉冉大神ゆかりの伊弉諾神宮を訪ねた。ご祈祷をいただいて淡路神楽を鑑賞。参加者代表による玉串奉納が執り行われ、最後に本名孝至宮司によるご講義を拝聴した。
昼食は淡路名物の松葉寿司で「牛あな丼」をいただき、一行は土生港から船で沼島へと渡った。沼島は二神が授かった「天の沼矛」のしずくより誕生した「淤能碁呂島」とされており、専門ガイドによる神話伝説の島めぐりを行った。
寒風の中であったが好天に恵まれ、天にそびえる上立神岩など風光明媚な沼島の景色を満喫した。ただの観光でなく古事記の伝承に触れられ、参加者には大変好評だった。企画運営に際しては、神姫バス、各取次関係各位の協力をいただいた。ツアーの参加者は12月5日は宍粟市・加古川市から32名、同6日は尼崎市・神戸市より15名、同12日は姫路市・明石市より25名だった。(安井唯善広報委員)

訃報

和泉徹郎氏(横手市・㈱かねき取締役会長、秋田県書店商業組合前理事長、元日書連理事)12月26日午後11時30分に逝去した。81歳。
通夜及び密葬は近親者のみで執り行われ、お別れ会が1月9日午後1時から横手市の横手セントラルホテルラ・ポートで営まれた。喪主は代表取締役の次男正之氏。平成18年から22年まで秋田組合理事長、日書連理事を務めた。

わが社のイチ押し企画/マガジンハウス・出版営業部・小西文子

2012年10月発売の『世界から猫が消えたなら』は『告白』『悪人』などの大ヒット映画プロデューサー川村元気さんの処女小説です。
余命わずかの「僕」が、身の回りのものを1つ消すごとに1日寿命が延びるという契約を悪魔と交わします。チョコレートが消えたなら、電話が消えたなら、猫が消えたなら……。7日間の取引を通じて、命より大事なものを発見していく感動作です。
川村さんにとって本の執筆は初めてですが、出版するマガジンハウスにとっても、今回は初めてづくしでした。まず、発売前にインターネットで連載(最終日章直前まで)を開始したこと。しかも利用者が5000万人に急増中のスマホ用アプリLINEが小説連載をスタートするにあたっての最初の作品でした。また、プルーフ原稿を文芸ご担当の書店員様にお渡しして、仕掛け店を募ったのも初の試みでした。当社の意気込みを見せるため、大型新聞広告を掲載。私鉄の車内ステッカー広告を打ち、初のJRベンチ広告も実施しました。
11月初旬、LINEによる連載が最終日を迎える頃には、読者の「泣ける!」「続きが読みたい!」という声がネット上にあふれ、店頭での売行にもつながり、テレビ番組『王様のブランチ』に2週にわたってランクイン。書店員様からの熱いメッセージを新聞紙上で発表させていただくことができました。おかげ様で現在、累計8万部となっています。
そして最後の「初めて」はマガジンハウス初のテレビCMです。TBS系列の番組『原宿ネストカフェ』のスポンサーになり、1月5日、第1弾CMとして流れました。
これほど多くの「初めて」に出会えたのは、作者である川村元気さんの持つエネルギーが周囲に伝わっていったからに他なりません。それは作品にも表れています。大切な何かを発見していく感動は、多くの読者を熱くさせることでしょう。是非、皆さんにもこの感動を味わっていただきたいと思います。

わが社のイチ押し企画/河出書房新社・営業第二部第二課・大沢直美

ポスト・ムラカミ世代の旗手として世界で注目されている、現代イギリスの小説家デイヴィッド・ミッチェル。全米で50万部を超えるベストセラーとなった、その代表作『クラウド・アトラス(上・下)』を1月下旬に刊行します。本作は、時代と場所を越えた6つの物語が円環状に重なりあうSF純文学超大作で、ブッカー賞、ネビュラ賞、アーサー・C・クラーク賞の最終候補となりました。
19世紀の南太平洋を旅するサンフランシスコ出身の公証人、第二次大戦前のベルギーで天才作曲家に師事する若き音楽家、1970年代のアメリカ西海岸で原発の不正を追及する女性ジャーナリスト、現代ロンドンでインチキ出版社を営む老編集者、近未来の韓国でウエイトレスとして生きるレプリカント、遠い未来のハワイで人類絶滅の危機を迎える文明の守り手。身体のどこかに不思議な彗星のあざを持つ主人公たちが、それぞれの物語を生きるなか、支配と暴力と抑圧に抗して叫びをあげます。強者が弱者を貪る世界の果てには何が見えるのか。「雲が空を横切るように、魂は時代を横切る」。人間と世界の歴史を映しだす「クラウド・アトラス」(雲の世界地図)は、やがてその円環を閉じ、21世紀世界文学の金字塔たる六重構造の物語がついに全貌をあらわします。
著者は、広島で英語教師として8年間働いた異色の経歴の持ち主。現代の日本(『ナンバー9ドリーム』新潮社刊)や、江戸時代の長崎出島を舞台とした長篇小説(弊社より近刊)も発表しています。また、本書を原作とする同名映画が、3月15日より、丸の内ピカデリーなど全国でロードショー。監督=ウォシャウスキー姉弟(『マトリックス』)×トム・ティクヴァ(『ラン・ローラ・ラン』)。出演=トム・ハンクス(『フォレスト・ガンプ/一期一会』)、ハル・ベリー、ヒュー・グラント、スーザン・サランドン、ペ・ドゥナなど。豪華キャストが1人6役で登場します。乞うご期待。

わが社のイチ押し企画/角川グループ・角川グループパブリッシング一般文庫課

あけましておめでとうございます。旧年中は格別なるご支援、ご協力を賜わり誠にありがとうございます。さて、2013年の角川グループのイチ押し企画は、角川文庫創刊65周年となります。創刊以降皆様のお力をもって育てていただいた角川文庫は、今年で65周年を迎えます。角川グループでは4月からの1年間を通して様々な企画をご用意しています。
まずはメディアミックスですが、映画では、有川浩著「図書館戦争」(主演:岡田准一・榮倉奈々ほか)が4月27日公開となります。TVアニメでは、荻原規子著「RDGレッドデータガール」が4月放送スタートです。またNHKBS時代劇「妻は、くノ一」(主演:市川染五郎ほか)も4月にスタートします。他にもまだお伝えできませんが、年度を通じて、映画・テレビ・アニメとメディアミックスが続きます。
また、フェア企画も目白押しです。4月は「図書館戦争」にあわせ有川浩フェアを実施します。6月には毎年恒例の夏フェアがございます。お陰様をもちまして2年連続伸長を続けております。今年も売行きが期待できる新刊・既刊ラインナップ、及び書店様、読者の方々に喜んでいただける拡材をご用意させていただきます。その後も人気作家・人気作品を中心に2013年度は毎月様々なフェアを企画して書店様の店頭を盛り上げてまいります。
他にもまだ発表できない大型新刊も多数刊行予定です。皆様には、情報公開出来次第順次ご連絡させていただきます。2013年度は書店様への情報ツールの充実もはかる予定です。
角川グループでは、編集・営業・宣伝と、総力を挙げて角川文庫65周年に取り組んでまいります。ぜひともご一層のご支援を賜わりますよう御願い申しあげます。

わが社のイチ押し企画/学研マーケティング・書籍販売部・小林伸一

平素は格別のご愛顧、ご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。2013年が皆様にとって幸運な1年になりますよう、心から祈念いたします。
さて、弊社より『現代新国語辞典』の編者は、ご存知金田一春彦先生と金田一秀穂先生です。
父・金田一春彦先生は、日本語の美しさを語り続けた国語学者。長い伝統を重ね洗練されてきた日本語を美しいと感じて愛でていました。その一方、言葉は変化するものと捉え、古い言葉を愛しみつつも新しく生まれてくる日本語を暖かく見守っていました。『現代新国語辞典』には、先生が語った日本語の美しさを随所に織り込んでいます。
子・金田一秀穂先生は、テレビなどでの活躍で知られますが、軽妙な語り口で、日本語のおもしろさに気づかせてくれます。第五版でのご校閲では、言語学者としての幅広い知見による鋭いご指摘を頂戴しました。
金田一先生の愛情を基礎に、編集部で読者の利便性を考え、「使い分け」「類語と表現」「日本語」「評論文キーワード」などのコラム、「常用漢字小字典」「アルファベット略語集」などの巻末付録を設けています。また、組版にも細心の注意を払い、読みやすく使いやすいものとしています。
『現代新国語辞典』は、新しく変化する日本語と古く美しい日本語を、ともに愛しいものとして、愛情をもって編んでおります。
『現代新国語辞典』は、1994年に初版を発行し、5回の版を重ねました。お陰様でその間、100万人以上の読者の方々に愛用され、信頼ある辞典として現在に至っています。これもひとえに書店様の暖かいご支援を頂戴し続けた賜物と、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
書店様には、今後も『現代新国語辞典』に暖かいご支援を頂戴したく、また、読者の皆様に美しい日本語を伝えていただきますよう、衷心よりお願い申し上げます。

わが社のイチ押し企画/金の星社・出版部・池田真純

「科学」を意味する英語「science(サイエンス)」は、もともとラテン語の「知る」を意味する「scio(スキオ)」から生まれた言葉だといわれています。その言葉の通り、知りたがり屋の精神を忘れずに自然を深く探りつづけてきたのが「科学者」といわれる人たちです。本シリーズ「誰かに伝えたい!勇気がわいてくる科学者の言葉」(全3巻)では、大きな仕事をなしとげた科学者たちがどんなことを考え、どのような人生を送り、そして、今の私たちに何を語りかけてくれるかを、美しい写真と貴重な資料を交えてたどります。
古代ギリシャの哲学者、アリストテレスは、「すべての人間は、生まれつき、知ることを求める」という言葉を残しました。彼は、動物や植物、物理や数学、政治学や文学など、さまざまな分野の研究をし、「万学の祖」と呼ばれています。小さな子どもは純粋に知ることを求め、たくさんの質問をすることで色々なことを覚えていきますが、幼いころから誰でも持っているような好奇心を、アリストテレスは誰よりも強く持ち続け、大きく育てていったのでしょう。
発電機などを発明したファラデーや、X線を発見したレントゲン、女性初のノーベル賞を受賞したキュリー夫人も、自らの好奇心の赴くまま、生涯、地道な研究を続けました。自然の秘密に挑むことに歓びを感じ、ひたすら突き進んでいった彼らの言葉に耳を傾けてみませんか。
監修は、国立天文台名誉教授、国際天文学連合(IAU)会長・海部宣男先生。『1科学の扉を開いた人びと』では、ガリレオやニュートンなど、科学の扉を開いた科学者を、『2科学の礎を築いた人びと』では、ダーウィンやファーブルなど、近代科学の基礎を築いた科学者を、『3科学を飛躍させた人びと』では、アインシュタインや湯川秀樹など、現代科学を担ってきた科学者を、それぞれ15人ずつ取り上げています。
A4変型判上製、定価各2940円。

c-shelfの運用開始/電子書籍書店店頭販売システム/トーハン

トーハンは12月22日、電子書籍の書店店頭販売システム「c‐shelf」を稼働し、取引先書店1500店で電子書籍の販売を開始した。
出版物に対する読者ニーズが電子にも広がる動きに書店が対応できるようバックアップすることが目的。電子書籍事業の拡大と出版業界の底上げのための新しいビジネスモデルを作る。紙も電子も書店で選び現金決済できるシステムが整うことで利便性の高まりが期待できる。
加盟書店は幟やステッカー、パネルなどc‐shelf用店頭拡材を使って売場展開し、読者は買い物カードや電子書籍版のラベルが添付された書籍、c‐shelfの検索端末で電子書籍を選び、レジで代金決済を行う。決済後にレジで受け取ったバウチャーシート(引換券)に記載されたQRコードから総合電子書籍ストア「スマートブックストア」にアクセスし、無料会員登録とビューアアプリを端末にインストールして電子書籍をダウンロードする。ダウンロードしたコンテンツはアプリ上で蔵書管理ができ、同時に3台の端末で閲覧が可能。
加盟店数はスタート時の1500店から年度内に3000店を目指す。コンテンツ数はスタート当初3万点から年度内に7万点とする予定。また、サービス開始に合わせて検索や加盟書店を調べることができるユーザーサイトを開設した。
今回のビジネスモデルで、書店は店頭での電子書籍販売で15~20%のマージンを受け取ることができ、店頭での促進で会員登録した読者がスマートブックストアで直接電子書籍を購入した場合も書店に5%のロイヤリティが支払われる。
トーハンは今後、紙と電子の併売など新たなプロモーションを計画しており、c‐shelfの稼働を機に出版市場全体の底上げを目指すとしている。

栗田、減収増益の決算に/100周年へ本業で黒字作り目指す

栗田出版販売は12月20日、東京・千代田区の本社で第75期(11年10月~12年9月)定時株主総会を開催し、決算書案を承認した。
売上高は408億円で前期比7・7%減となった。新規店の寄与が少ない一方で、既存店の不振が大きかったことが影響した。経費は同6・3%減と削減に努めたものの、減収による減益を埋めるにいたらず、営業利益は3億700万円で同6300万円減、経常損失は同3600万円増の1億6800万円を計上した。本業での黒字を回復できなかったが、旧板橋本社跡地売却益などの特別利益により、当期純利益は同1億9200万円増加して2400万円の黒字決算となった。なお、東日本大震災に関わる災害損失2200万円を特別損失に計上している。
返品率は書籍43・8%で前期比0・4ポイント増、雑誌36・4%で同1・0ポイント増、合計39・7%と同0・8ポイント増加し、当期目標の返品減少・売上確保を達成できなかった。期中の新規店は8店、増床と合わせて1057坪が増え、中止・廃業店は51店、2241坪が減少し、差し引き43店、1184坪の減少となった。売上不振による経営悪化と後継者不足で中小書店の転廃業が続いている。
同社は、第3次中期経営計画(KIPⅢ)を〝書店とともに読者のために〟をスローガンに掲げて策定。2018年の創業100周年に向けて、本業での黒字作りを目標に取り組む。第76期はその初年度として、引き続き販売施策の進化を図るとともに、一層の効率販売と経費削減を推進していく。
役員人事については、10月1日に発表した体制を継続する。
【役員体制】
代表取締役郷田照雄
取締役河本正美
同山本高秀
同下村賢一
監査役米沢明男
〔執行役員〕
社長郷田照雄
専務執行役員河本正美
常務執行役員(管理部門統括)山本高秀
同(営業部門統括)
下村賢一
執行役員(営業第一部・営業第五部・営業推進部担当)高梨秀一郎
同(営業第二部担当)
塩沢衛
同(営業第三部・営業第四部・営業第六部担当)
森孝弘
同(書籍仕入部長・雑誌仕入部担当)森岡忠弘
同(ブックサービス担当)
川窪克誌
同(黒木書店担当)
大内浩幸

冲方丁、窪美澄の両氏が受賞/山田風太郎賞

角川文化振興財団、角川書店が主催する第3回山田風太郎賞は、冲方丁氏『光圀伝』(角川書店)と窪美澄氏『晴天の迷いクジラ』(新潮社)に決定。また角川書店が主催する、第32回横溝正史ミステリ大賞は、河合莞爾氏『デッドマン』と菅原和也氏『さあ、地獄へ堕ちよう』(共に角川書店)、第19回日本ホラー小説大賞は小杉英了氏『先導者』、読者賞は櫛木理宇氏『ホーンテッド・キャンパス』(共に角川書店)に決定し、11月30日に千代田区の東京會館で贈賞式が行われた。
山田風太郎賞の贈賞では、選考委員の赤川次郎氏の選評に続き、角川文化振興財団の角川歴彦理事長が受賞者に賞を贈呈。冲方氏は「選考委員の先生方に読まれるというプレッシャーは大変重大なもの。いつか若い世代に同じ目にあわせられるよう成長を続けたい」、窪氏は「人生の最後の瞬間まで小説を書いていてよかったと思えるような作品をこれからも書き続けたい」とそれぞれ喜びの言葉を述べた。

書店での電子書籍販売ビジネスモデル策定へ/FBF、WGで検討開始

日本出版インフラセンター(相賀昌宏代表理事、JPO)は12月27日、JPOが経済産業省から委託を受けて実施している研究・実証実験事業「フューチャー・ブックストア・フォーラム」(肥田美代子会長、FBF)の第2期で、書店における電子書籍の販売を検討することになったと発表した。
FBFの第2期では「ネット書店に負けないリアル書店の活性化」をテーマに、3つのワーキンググループ(WG)で検討を行っているが、「リアル書店の新業態研究WG」にサブWGを設置して、書店での電子書籍販売について検討を開始したもの。サブWGのテーマは「書店店頭における、電子書籍端末及びコンテンツ販売のスキームを検討する」。消費者が電子書籍を書店で購入するメリットの追求と、書店が電子書籍販売に取り組むためのビジネスモデルの策定を行う。
今年度中に方向性を見出し、来年度に実証実験を行う予定としている。

タレントが本の魅力PR/日販「ほんらぶ」応援イベントで

日販は12月13日、東京・港区のホテルフロラシオン青山で「ほんらぶ」プロモーションの応援イベントを開催。お笑いコンビ・麒麟の田村裕さん、タレントの小森純さん、モデルの佐藤かよさんが出席し、本への愛情を語った。
冒頭、同社CRM事業部の上原清一部長は「電子書籍端末が続々と発売され、出版の危機と色々なところで言われている。しかし、ここ30年で本を読むことや買うことがこれほど熱く語られたことは一度もない。リアルの書店と本を盛り上げ、本好きの人たちを取り込んでいくには最大のチャンス。ほんらぶプロモーションの全国展開に力を入れたい」とあいさつした。
田村さんは自著で200万部を超えるベストセラーとなった『ホームレス中学生』、小森さんは田栗美奈子著『〝IT〟と呼ばれた子少年期新訂版』、佐藤さんは中村航著『100回泣くこと』を特別な1冊にあげ、自分にとって本とは何か、どんな時に本を読むかについて話した。
「ほんらぶ」は出版業界全体の活性化と、本そのものの価値を高めることを目的としたプロモーション活動。「トクベツな3冊」を登録し、本への思いを共有するソーシャルサイト「スリースペシャルブックス」を開設し、全国の書店1700店でプロモーションを実施している。著名人、作家、編集者、書店員などの本を選定するキュレーターは総勢100名を突破している。