全国書店新聞
             

平成15年10月11日号

04年版ポケッターご注文はお早めに

日書連共同購買・福利厚生委員会(中山寿賀雄委員長)は、薄型でかさばらないハンディな手帳「ポケッター04年版」(64頁)を製作し、組合員の皆さんに斡旋しています。まだ若干の部数が残っていますので、お早めにご注文下さい。
ご注文は百部単位で、頒価は「店名なし」が1部73円(のし袋付、送料込み)。店名入りは5百部から受注し、5百部以上は単価89円、千部以上82円、3千部以上78円。
同時斡旋の「店名刷込みシール」(55㍉×25㍉)は5百枚以上、10円50銭、千枚以上9円50銭、3千枚以上6円。
申し込みは各都道府県組合、または日書連ポケッター係へ。代金は取引取次から請求。

予約獲得7165誌/夏の雑誌月間キャンペーン

今夏、「雑誌愛読月間」で実施された定期購読キャンペーンで、参加書店は昨年より27・1%多い6010店、予約数は23・9%多い7165誌にのぼり、前年以上に予約を獲得できたことが明らかになった。10月6日に行われた雑誌月間のまとめ会議で雑協から報告されたもの。
夏の雑誌月間は雑協が運営主体になってから今年で5年目。①人気タレント吉岡美穂を起用、「私はマガ人」をキャッチフレーズに愛読キャンペーン、②カメラ付き携帯電話によるデジタル万引き防止のマナーキャンペーン、③1ヶ月分の購読料をサービスする年間定期購読キャンペーン、④環境面では雑誌古紙100%利用の無脱墨再生紙で中吊りポスター5万5千枚作成などを展開した。
このうち定期購読獲得キャンペーンは、対象銘柄が昨年の28社34誌から今年は32社60誌に増加。実施期間も夏休み中に拡大したことから、予約獲得数は前年比2割以上増加した。取次別参加書店と予約数は、トーハン2618店・3134誌、日販2356店・2743誌、大阪屋568店・1048誌、太洋社222店・94誌、栗田111店・54誌、中央社67店・20誌、協和68店・72誌。
また、カメラ付き携帯電話による「デジタル万引」防止マナーキャンペーンは社会問題として大きな反響を呼んだ。その後、携帯電話の業界である電気通信事業者協会からマナー啓発のポスターを製作する申し出もあり、今後も継続して注意を喚起していく方針。
6日のまとめ会議では、2年目に入った定期購読キャンペーンについて「6千店が参加し、認識が徐々に広がってきた」「対象商品にチラシを挟み込んで成果があった」などプラスの評価があった一方、「誌数をもっと増やしてほしい」「継続的にやらなければ定期が上積みにならない」「書店にも目に見えるメリットがほしい」などの要望も上がった。
参加版元からは「出版社も予約数が参考になる」「予想と違う反応があり、今後の販売に生かしたい」などの意見が聞かれた。

建物、什器など破損/十勝沖地震で書店に被害

9月26日午前4時50分に起きた十勝沖地震の被害は158億円を超えたが、調査が進むなかで被害実態はさらに広がる見込み。
地震による被害は書店業界でも十勝、釧路、根室、日高・胆振、北網地方を中心に広がっており、北海道書店商業組合は26日に十勝、釧路、北網、日高、苫小牧地域の組合員書店に理事長名でお見舞い状を送付した。
震源地が極めて近い忠類村の遠藤商店は「今、役場から実態調査に来ている。建物損傷、ガラスは割れ、棚から本は全部落ちた。組合は互助と連帯の気持ちで支援をお願いしたい」と訴えている。「屋根にたまっていた水が、建物が損傷したため水浸しになった。本も水をかぶった」(芽室町・珠玖ライオン堂)、「揺れでストッカーが通路に飛び出しその上に棚から本が全部落ちた。2階はビデオ什器・備品が落下、損傷がひどい」(中標津町・マル五中尾書店)、「通路が本で一杯になった。下水設備も損傷を受けた」(釧路市・リライアブル)、「棚からほとんどの本が落下、スプリンクラーが損傷し水浸しになった」(ブックメイトまるぜん静内店)など各地で被害が広がっている。
北海道組合は10月7日に札幌で理事会を開き、日書連共済会の給付がすみやかに適用されるよう関係書店の実態調査を行い、書類提出を急ぐことを決めた。
一方、余震は一週間たった今でも1日3、4回続き、本震発生以降有感地震は計72回(10月4日まで)。被害書店は通常の営業体制に戻っているものの、余震の影響で客数が減り不況の追い討ちをかけている。
(松山雄洋広報委員)

4組合合同の研修会/青森県の呼びかけで実現

9月14、15日の2日間、青森県書店商業組合主催、北海道・岩手・秋田組合後援により青森市「ラ・プラス青森」で「楽樂ほんやさん」と情報化研修会が開催された。
SA開発集団「本屋の村」から庫本義夫(庫書房)、久保繁弘(久保弘文堂)、西本清右(ジャパンブックス)、岩根秀樹(ますや書店)の4氏が講師として出席された。青森組合からは15名、秋田5名、岩手2名の参加があった。参加者は既に何らかの形でパソコンを利用している書店。
初日の第1部は、庫本氏からパソコンが書店業務に活用されている例が説明された。「かつて導入したオフコンは高価だったが、今では安価なパソコンで業務が合理化できるようになった。余った時間は営業活動に充てられる。すべての業務をパソコン化するのでなく、書店、使用者に合わせた導入を考えるべき。インターネット環境の発展により新しい情報伝達手段ができた。メール発注は既に使われているが、メーリングリスト、IP電話等も使っていきたい。本支店同士の連絡、書店人同士の情報交換もできる。自店ホームページを作って顧客にも積極的に情報を広めるべきだ」と述べた。
第2部は「楽樂ほんやさん」シリーズのラクプロⅡ、ラクPOSなどが説明された。必要な機材一式を持参して画面を映写しながら管理方法を説明。納品書・請求書なども実物が印刷された。夕食をかねた懇親会には14名が参加。業界の突っ込んだ話を意見交換した。
2日目は昼まで庫本氏を座長、鶴谷青森組合理事長をアドバイザーに、学校図書館納入、協業化について話し合い。北東北3県・北海道合同研修会という新しい試みで、これからの書店を前向きに考える勉強会になった。
(黒滝恭一広報委員)

11月1日から3日間「神保町BF」

神田古本まつりに協賛して、今年も読書週間中の11月1日から3日まで「神保町ブックフェスティバル」(大橋信夫実行委員長)が催される。
13回目を数える本年は前年に引き続き「児童書セール」が目玉。小学館、集英社前の「子供ランド」にワゴン50台を並べ、講談社のおはなしキャラバン隊の読み聞かせ、紙芝居、人形劇などのイベントが行われる。メイン会場となる「すずらん通り」では例年通り
本の得々市、在庫僅少本フェア、チャリティ・オークション、著者サイン会、出版社販促用品フェア、大活字本フェアなど盛りだくさんの催し。
フェスティバルを共催する東京組合千代田支部はじめ各支部と青年部もワゴン17台を出し、バーゲン本などの販売をすることにしている。

生活実用書・注目的新刊

中学、高校の6年間ずっとバスケットボール部で一緒だった友人が、転勤でタイのバンコクに移り住んで3年目になった。その前はアメリカのナッシュビルで、さらにその前はオーストラリアだった。その度に、遊びに来いと言われ続けてきて、実現しかけたこともあったのだが、結局果たせないままに年月が過ぎていった。ところが、ついにこの秋になってバンコクに行けることになった。メールを送り、事前に友人と携帯電話で連絡がとれるのだから、まったく便利になった。
初めての土地を訪ねるにはまずガイドブックである。例によって大半の書店では、出版社のシリーズ別陳列だから探しにくいので、国や都市別に並べてある書店を覗く。
『トラベルストーリー16バンコク』(昭文社1200円)は簡単に見つかった。折り畳んたバンコクの地図が付録になって使い勝手がいい。オールカラーだから、特に料理メニューが興味をそそる。代表的な食べ物やホテルの高級料理や100バーツ以下の一皿料理も紹介されていて、カオ・クルック・ガビはエビペーストを混ぜ込んだチャーハンで38バーツ。150円見当のわりにおいしそうだが、同時に日本との物価の違いもよく理解できる。
『イエローガイド15 タイ』(洋販619円)もコンパクトにまとまっている上に、薄くて携帯に便利なので一緒に買った。今度は新刊の棚から、下川裕治著『バンコク迷走』(双葉社1500円)を見つける。著者は「多いときで一ヶ月に十日前後はこの街に滞在している」というタイをよく知る人である。
バンコクにメータータクシーが現れて、まだ十年あまりなのだそうだ。かつてはメーターがないかわりに、交渉次第で運賃が決められた。ビジネスライクになったが、残念なことに運転手からは微笑みが失われてしまったという。
メーコンというタイの酒は貧困の時代を思い出すというので嫌われ、現在ではあまり飲まれなくなったとか、タバコをポイ捨てし、罰金を求められた時の警察官との裏交渉の方法など、ガイドブックにないエピソードが面白い。
さらにタイの仏教や文化そのものについても多少かじっておきたい。そういうわけで出発前はとても忙しいのだ。
(遊友出版・斎藤一郎)

蝉しぐれパネル展/山形組合鶴岡支部

山形組合鶴岡支部はNHKが7回連続で放送した金曜時代劇「蝉しぐれ」のパネル展を鶴岡協同の家こぴあ2階展示ホールで開催した。
パネルはNHK鶴岡支局のオリジナル企画で製作されたもので、鶴岡支部とは『鶴岡田川今昔写真展』以来の友好関係にある。地元鶴岡藤沢周平文学愛好会と会場の生活協同組合共立社にも協賛いただいた。
用意されたパネルは番組写真、出演者紹介、あらすじ、「蝉しぐれ」評論のほか、鶴岡書店発売の「藤沢周平文学ゆかりの地図(海坂版)など。
組合では「藤沢周平全集」「藤沢周平文庫本セット」の宣伝を入れたパネル展のチラシを作成して拡販につとめている。
(佐藤一雄広報委員)

出版平和堂新合祀者

第35回出版平和堂合祀祭・合同慰霊祭が10月1日、箱根芦ノ湖畔の出版平和堂で営まれた。新合祀者は次の17名。
▽出版社=塩原康人(平凡社)、國元義孝(國元書房)、白井鉄三(光文社)、佐野義光(成美堂)、津曲篤子(弥生書房)、山崎誠(有精堂出版)、新田敞(新潮社)、竹下みな(評論社)、江面竹彦(産業図書)、須藤博(講談社)、小林一博(出版評論家)、杉山忠志(交通タイムス社)、増井知三(経林書房)、小野慎一郎(博友社)
▽取次=松本最(大阪屋)
▽書店=戸田寛(静岡県・戸田書店)、高木興一(茨城県・たかぎ)

「声」/このままでは街の本屋がなくなる/北海道・高野名書店・高野名正治

昨年、日本女性の出生率が1・32人となった。少子高齢化、そして弱肉強食の商戦が続く時、いくらもがいても零細書店は本で食べていくことは困難。これが、残念ながら私たちの悩みです。
先日亡くなった青木雄二さんの本に「ホンマにこの国の偉い人たちは国民の生活の未来を本気で考えていない」「権力とゼニを持つ者だけがおいしい目にあい、大多数の国民は悲鳴をあげる」とある。国民が目覚めて庶民本位の政治が行われることを望むが、それでも活字離れ、ケータイなどで育った人たちが相手の書店は本だけでは生活できず、文具を扱ったりするなど知恵を絞って売上げを伸ばさなければ、生活は困難になるだろう。
客注品の迅速化を図ってほしい。また、書店利益をもっと増やしてほしい。このままでは街の本屋はなくなり、大型店、コンビニに独占されかねない。私たちの加盟する書店組合がもっと力を発揮し、今の政治を揺るがすようになってほしい。そして、最低限の商売をやっていきたい。

くまざわの目指すもの/熊沢健社長が経営哲学語る/出版科研セミナー

グループ店舗総数150店舗、2002年度の総売上高は340億円を突破――業界屈指の成長企業「くまざわグループ」を統括する㈱くまざわの熊沢健社長が9月29日、出版科学研究所の平成15年度第1回「出版セミナー」で「くまざわグループの目指すもの」と題して講演。くまざわ書店、カルチェ・イケダなどグループ書店の現況と将来像そして経営哲学を話した。
〔全ての経営資源を書店部門に集中〕
わが社のビジネスモデルを説明するとき、「選択と集中」と言っている。あらゆる経営資源を書店部門に集中するということだ。一時、多角化を目指して文具やCDなどの会社を作ったが、そういうことより本業に集中することが大切だ。
また、小売業をやっている人は売上高対利益率の話しかしないが、デフレ時代においては投下資本回転率のほうが重要である。
わが社では10年前からスクラップ・アンド・ビルドを徹底している。今年は6店閉店して、10店出店した。店舗にも寿命がある。寿命が尽きた店舗にいつまでもしがみつくのではなく、寿命が尽きたら積極的に閉店し、新しい立地に出店する。あわせて徹底しているのはリモデル。それも業績の悪い店ではなく良い店、地域の競合関係の中で勝ち組に入っている店をますます勝たせるために投資している。
「ストアロイヤリティの確立」と「経営効率の向上」が、当社の基本目標。体育会系の経営者がよく掲げるスローガン「目指せ1千億円」「目指せ1千店」などは、机上の空論であり欺瞞である。高度成長期ならいいが、デフレ時代には会社を誤った方向に導く。わが社の2つの基本目標は、商売の本質に基づいて考えた憲法のようなもの。ビジネスの本質は相手に使用価値を提供し、交換価値を実現すること。その結果としての顧客満足度の究極の姿がストアロイヤリティである。経営効率の向上とは二者闘争的な関係にあるが、両方とも永遠に努力を怠ってはならないことだ。
〔デフレと人口減少パイの縮小は当然〕
わが社を取り巻く環境はデフレであり、加えて人口減少である。そんな社会でパイが拡大するはずはないという基本認識から始めなければならない。書店売上は21世紀の間、ずっと減り続けるのではないか。パイは縮小するということを前提に経営せざるをえない。パイが縮小すれば、当然競争は激しくなる。流通業界は二極化の世界、優勝劣敗ではなく弱肉強食の世界になっており、猛烈な過当競争が行われている。外資や大手が自分が生き延びて成長するための論理を徹底して出してくる、大変な危機の時代に突入したという認識をもっている。
〔立場の違い超えて聞く耳を持つこと〕
①マーチャンダイジングの活性化②ホスピタリティ③ロスの防止④ローコストマネジメント⑤情報の共有化――が今年度の五大方針である。2つの基本目標も五大方針も、具体的な実践と情報に基づいて実行する。ある意味で右往左往しなければならない。確固たる方針でガチガチにやっていては経営はうまくいかない。会社の中に揺らぎがなければ前進はない。企業経営は運動である。運動にエネルギーを与えるのが幹部の役割だ。
五大方針を実践していく上で大事なのは「聞く耳を持つ」ことと、「プライオリティをつける」ことである。やれることからやるのではなく、やらなればならないことからやる、というふうにプライオリティをつける。聞く耳を持つということは、違いを超えて共通点を発見すること。立場の違う人、たとえばコンビニ業界の人の話でも、まず「うん、なるほど」と思って聞いてみる。そして自分のことに置き換えてみるのだ。何事も「シンプル」に行い、「スタンダード」「スピーディー」を旨とすることも大切だ。
わが社は大きな転換期を迎えており、今までのやり方は通用しなくなってきている。ビジネスモデル再構築の必要性を強く感じているところだ。流通業界全体が転換期にあることを見据えてやっていきたい。

「声」/スリップ廃止しては/山口県・匿名希望

売上スリップは廃止して、原価の一歩でも引き下げてほしいと思います。今集まっているスリップは未整理。送るのは整理しやすいわずかな書店のみです。あとはみな焼却となります。折角の券も灰となるのです。皆様お考えくださいませんか。良いご意見をお待ちしております。

「声」/書店業界に仁義なき戦いが/岡崎市・BOOKSナカジマ・畔柳弘

仁義なき戦いという言葉はヤクザ映画の世界だと思っていた。これが、この書店業界で現実に起こるとは驚愕だ。
県組合からファックスが届いた。岡崎市中島町の新規開業報告、10月10日開店と書いてある。受信したのが9月16日午後8時半頃である。20日余り後にオープンとなっている。調べてみると、ある地区の組合の支部長を歴任している本屋さんである。出店は2ヵ月以上前に既存書店に連絡することが組合のルールになっている。寝耳に水とはこのことで、驚愕し唖然とした。当該取次、書店にそれぞれ連絡をとり、それぞれ事情を聞いた。時間がないこと、急なこと、出店するか否か、まだ仮契約で、おさえるために棚も出店先にとりあえず運んでおいた、取次もぎりぎりまであたためていたため組合への報告が遅延したと、それぞれ自身の非を詫び、ひたすら謝罪した。みな人間的に劣っているわけではなく、また非情でもなく、信頼してもいい人のように思われ、振り上げたこぶしをどこで下ろそうかと心の揺れをかろうじて押さえ、帰ってもらった。
本離れと言われる昨今、書店を取り巻く環境は厳しさの極地に達している。昔から地域に根ざし文化の発信地として社会に貢献している既存書店があるところへの大型書店の新規出店は、お互いを疲弊させる。チェーン店は撤退し、小書店は倒産し、地域に書店がなくなってしまう。

『天国の本屋』への読者の声を冊子に/かまくら春秋社

かまくら春秋社は、同社のベストセラー小説『天国の本屋』(松久淳・田中渉著)に寄せられた読者の声をまとめた冊子『天国の本屋読者の声』をこのほど作製した。
『天国の本屋』は、天国の本屋さんを舞台にした、ファンタジックで心を温め癒してくれるラブストーリー。発売当初はまったく売れなかったが、この本に感動した盛岡市の書店店長が、読者はもとより他の出版社の営業マンまでも動かしたことでベストセラーの仲間入りを果たした。韓国などでも翻訳出版されているほか映画化も決定(松竹配給)、来春に竹内結子主演で公開される。
読者からの反響では、「本が大好きになった」「読書の喜びを知った」という声が目立つ。活字の世界のすばらしさを老若男女を問わず教えてくれる、魅力に富んだ本となっていることが伺える。

セミナー

◇トーハン・コンサルティング『書店における「経営の数字」セミナー』
出版社を対象に10月16日と17日の午後2時から、東京新宿区のトーハン本社大ホールで開催。平成15年度版『書店経営の実態』をテキストに、書店の「財務面の数字」を分析、決算書を見る上でのポイントを解説する。講師は中小企業診断士・1級販売士の上野玉男氏。受講料1名3千円(テキスト代、消費税含む)。問い合わせは同社セミナー事務局(℡03―3267―8686)まで。

トーハン・メディア・ウェイブが設立

トーハンは関係会社との連結経営を強化するため東販商事㈱と㈱ジャパン・メディア・サービスを統合。10月1日付けで㈱トーハン・メディア・ウェイブ(代表取締役社長=土屋博功氏)を設立した。
新会社の資本金は1億5千万円。本社所在地は東京都港区新橋6―20―8。旧東販商事とジャパン・メディア・サービスの業務と事業所所在地は従来通り。

『ハリー・ポッター』携帯版/静山社

静山社は10月22日にハリー・ポッターシリーズ第1巻の『ハリー・ポッターと賢者の石』を携帯版で発行する。携帯版は本体定価950円。172×120ミリと、新書とB6の中間の大きさで、本文は472ページ。重さ390グラム。静山社では携帯版の発行について「大人の読者が持ち歩きやすい、軽くて小さいサイズにした」と説明している。年内に『賢者の石』の朗読CDも発売する予定。

催し

◇「婦人倶楽部の彩り」展
実用性と娯楽性で大衆の心をつかみ、戦前に百万部発行を誇った『婦人倶楽部』。講談社野間記念館の冬季展は、婦人誌の花形として最も華やかに彩られた大正末から昭和初期の『婦人倶楽部』にスポットを当て、久米正雄、菊池寛の原稿、岩田専太郎の挿絵原画や付録、ポスターなどを展示する。
10月25日から12月14日まで。休館日月・火曜。入館料一般500円、中・高・大学生300円、小学生以下無料。

受賞

◇電撃ゲーム大賞
メディアワークスが主催する第10回電撃ゲーム3大賞の入選作が以下の通り決定した。贈呈式及び祝賀パーティーは10月30日午後4時から、東京・九段のホテルグランドパレスで開催される。
電撃ゲーム小説大賞
▽大賞=『塩の街』有川浩▽金賞=『我が家のお稲荷さま。』柴村仁▽銀賞=『先輩とぼく』沖田雅▽選考委員奨励賞=『逃がし屋~愚者達の結界~』水瀬葉月、『おじいちゃんの宝箱』雨宮諒
電撃ゲームイラスト大賞
▽大賞=該当作なし▽金賞=隼優紀、シイナスクモ▽銀賞=佐々木朋子
電撃ゲームコミック大賞
▽大賞=該当作なし▽金賞=『くりから』奥田圭悟▽銀賞=『陰猫師』蒼羽雪久▽選考委員奨励賞=『イメージフリー』鬼山展輪、『ALLPRO』繁泉光太郎、『バベル』PANDEM.

人事

★太洋社(9月29日付)
委嘱・管理本部長兼総務担当
常務取締役安富諭
委嘱・営業本部長兼物流本部長
常務取締役沢野豊
委嘱・仕入本部長兼渉外担当
取締役松本弘
委嘱・管理副本部長兼経理部長
取締役大和政之
★金の星社(10月1日付)◎昇任、○新任
取締役会長斎藤雅一
代表取締役社長(営業・出版本部長兼任)
◎斎藤健司
取締役営業管理部長・人事担当○奥津惠市
販売部副部長○笠原則男
営業管理部副部長
角田博
販売部販売課課長代理
○浅沼健
★日販(10月1日付)
◎昇任
経営戦略室長〔広報・ライツ事業担当〕兼経営戦略室広報課長兼経営戦略室ライツ事業課長◎小松賢志

日販のフェア2種が開催中

☆新撰組&京都フェア
9月下旬から全国550書店で開催。来年のNHK大河ドラマ「新撰組!」は近藤勇役の香取慎吾をはじめとする斬新なキャスティングと、三谷幸喜の脚本で話題を呼んでいる。日販では、若い視聴者を意識した新刊書や、「幕末」「新撰組」「京都」をキーワードとした関連書と歴史ガイドを中心に商品を選定した。セットはコーエー『新撰組おでかけBOOK』、山と溪谷社『時代別・京都を歩く』など14点34冊、本体価格4万5908円。
☆人気キャラクター大集合!フェア
9月下旬から全国500書店で展開中。「企業キャラクター」はテレビCMで脚光を浴び、ステーショナリーやファンシーグッズなど各分野でヒット商品となっている。日販ではこれらのキャラクターを扱った関連書籍を一堂に集めてセット販売。各企業から販促用としてノベルティグッズの提供を受け、幅広いファン層の心をつかむコーナー作りを展開している。セットは小学館『どこでもいっしょトロ日記』、ノヴァ『Novaうさぎとえいごであそぼ!』など12点37冊、本体価格3万4348円。

「ゆっくりが心地よい!」/版元4社の連合企画

女子栄養大学出版部、NHK出版、法研、主婦の友社による恒例の「4社連合企画」が決定、今回は「スローライフ・スローフードゆっくりが心地よい!」をテーマに実施する。
従来は健康書をメインに構成していたが、スピードと効率を優先した生活・食事が大きな社会問題となっていることから、今回は食事や日々の暮らしをゆっくり楽しむための本をテーマにした。『お母さんのちゃぶ台』(女子栄養大学出版部)、『NHKたべもの新世紀食の挑戦者たち』(NHK出版)、『なんとかなるさと思える本』(法研)、『子ども元気レシピ』(主婦の友社)など、各社が4点ずつ選りすぐった。このほか、企画の展開時期を10月から2月に変更している。
条件は4カ月長期委託で注文締切12月10日、出荷は2004年1月20日予定。
セット内容は、平台Aセット16点64冊・本体8万9600円、平台Bセット8点32冊・本体4万4000円、棚Cセット16点16冊・本体2万2400円。全書籍にフェア統一帯が付くほか、A・Bセットには専用POPを同梱する。
問い合わせは女子栄養大学出版部へ。℡03―3918―5411、FAX03―3918―5591

本屋のうちそと

お客様が、お茶の講習会の後に立ち寄り、驚きと悲しさにがっかりしてやってきた。最近新しい人が入ってきて、価値観の違いに驚いたようだ。
例えばお茶に使用するお茶碗を「備前焼で1850年頃名人が焼いた茶碗だ」と説明しているのに、それは幾らくらいするものですかと聞く。値段ではなく、その茶碗は長年使用してきた大切なもの、と講師が説明しても、値段で物を決めるのが現代の人らしい。
また、考えが卑しい人がお茶の講習会に来たということでうんざりしたようだ。何でも、お茶道具を扱っているお店で、買っていったお茶碗を犬の水飲みに使用していると話し、店主はカンカンに怒って返してくれと叫んだという。2百万円からする由緒ある茶碗だとか。
この不景気に、相変わらずブランド品を買いあさる人がいるらしい。昔日本中が貧乏な時代、心は豊かだった。子どもにはこの苦労はさせまいとやってきた。一番最初の戦争や、震災を乗り越えてきた人たちから見たら、4世代後の子どもたちは何の不自由もなく生活している。
そのまた子どもたちが今中学生くらい。親がバブルの頃の豊かさの中に生きてきたせいか、たかが子どもにブランド品を与えて、人とは違う豊かさ、優越感に浸っている。何か心に忘れ物をしているのではないだろうか。豊かさってそんなものだっけ。日本は何処へ行くのだろう。
(とんぼ)