全国書店新聞
             

平成14年7月11日号

ハリポタ第4巻10月23日に発売

ハリー・ポッター・シリーズの第4巻『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』が10月23日に静山社から発売になる。
英語版の原著は636頁と、第1巻の3倍のボリュームで、日本語版も千ページ前後になるため上下巻に分けたものの、2冊で1・6キロの重量級。
出荷は2冊をシュリンク・パックし、本体定価3800円。
分売不可。
ISBNコードは上下巻の各奥付と下巻表4に表示される。
書店では既に6月下旬から予約活動に入っているが、下限でも100万部という大部数のため、販売条件は買い切り。
第1回予約締切りは8月26日で、この分は10月23日届け、第2回締切り9月25日までの予約分は10月30日届けとなる。
「書店に確実に届けるため、交通整理的な意味で買い切りにした。
地方の書店にも発売日当日必ず届く」と静山社。
同シリーズは第1巻が476万部、2巻363万部、3巻315万部、シリーズ計1154万部を販売。
昨年7月に発売した3巻は初版80万部を発行している。

学校図書館納入の武器

日書連情報化推進委員会は7月3日午後1時から書店会館で研修会を開き、新バードシステムで提供できるサービス内容、先に発表した日書連マークの使用料などを説明した。
日書連マークは学校図書館納入の有力な武器と期待されており、研修会後半では日書連マークを利用した図書館システムの具体例が説明された。
全国から43名が出席した研修会では、初めに日書連萬田会長があいさつ。
「日書連は書店情報化の方針をハードからソフト重視に変えた。
責任販売制、SCMの問題も情報化と切り離しては考えられない。
出版業界の再生をかけて従来の発想を変え、効率的で、スピードと情報を共有するシステムを提供し、書店の発展基盤を支えていきたい」と、課題を明らかにした。
続いて志賀委員長が書店システム化の経過を振り返り「日書連がバードシステムを発表したことが刺激になり、図書コードが普及した。
今後も書店人の書店人による書店人のためのシステムを旗印に環境整備をしていきたい」と説明。
地元書店による学校図書館納入問題については「公共図書館の頭打ち、BK1の不調の中でTRCがマークを武器に小・中学校図書館に本格的参入を始めた。
これに対抗して、日書連は大阪屋の協力でマークを開発した」と述べ、日書連マークの利用で学校図書館に積極的納入を呼びかけた。
このあと、日書連のシステム運営を受託しているメトロ・コンピュータ・サービスが■取次注文サービス、■書店店舗システム、■日書連マーク書誌情報サービスなど5つのメニューを紹介。
日書連マークを使った図書館システムの説明がナガヲ正文堂、ナノビットシステムから行われ、3社のデモをはさんで、出席書店と意見交換を行った。
このうち、ナガヲ正文堂の図書館電算化システム説明によると、書名、著者名、ISBNなどの書誌データは日書連マークを、目次、表紙画像などの詳細データは日外アソシエーツのブックデータを利用。
インターネットで蔵書検索する蔵書Webとあわせて書店に月額3500円で提供する。
志賀委員長は「各県組合でデータセンターを立ち上げ、県内の書店に配信すれば月額2千円で利用できる」とし、福岡情報センターを立ち上げている福岡組合が一つのモデルと説明した。

出版小売公正規約の一部変更を認定

公正取引委員会は6月28日付けで出版小売公取協から申請されていた公正競争規約と施行規則の一部変更を認定した。
施行は本年7月1日から。
これにより、総付景品の最高額は現行の「取引価額千円未満50円」「千円以上は取引価額の5%以内」から、「100円又は取引価額の100分の7のいずれか高い価額」に変更になった。
認定書ならびに承認書は以下の通り。
認定書平成14年5月30日付けをもって不当景品類及び不当表示防止法第10条第1項の規定に基づき認定の申請があった「出版物小売業における景品類の提供の制限に関する公正競争規約」の一部変更については、同情第2項各号に規定する認定要件に適合すると認められるので、これを認定する。
承認書平成14年5月30日付けをもって申請があった「出版物小売業における景品類の提供の制限に関する公正競争規約施行規則」の一部変更については、これを承認する。

ドナルド・キーン氏招き文化講演会

東京都書店商業組合主催、新潮社協賛「世界本の日サン・ジョルディの日」記念文化講演会は6月28日午後7時半より文京区・文京シビックホールで開催され、コロンビア大学名誉教授ドナルド・キーン氏が「明治天皇について」をテーマに講演した。
講演会終了後、サイン会も行われた。
講演に先立ち、主催者を代表して東京組合の萬田貴久理事長があいさつ。
「世界本の日サン・ジョルディの日」をはじめ出版業界の読書推進の取り組みを紹介し、「キーン先生は日本人以上に日本を知る知日家・親日家で、昨年刊行した『明治天皇』は独自の取材と当時の記事、記録などから、謎の多い明治天皇の人間像に迫った大作。
今日は充実した時間を過ごしていただきたい」と述べた。
講演は「キーン史学の金字塔」と高い評価を受けている著書『明治天皇』について語る形で進められた。
キーン氏は明治天皇の優れた点として「自分の義務を強く意識していたが、名誉のことは考えなかった」ことなどをあげ、明治天皇は「大帝」と呼ばれるに足る、当時として最上級の皇帝だったと結論づけた。

4日間で5500名

熊本県書店商業組合(吉久勉理事長)は6月27日から30日までの4日間、茨城町「グランメッセくまもと」で「子どもの本ブックフェア」を開催した。
熊本県教科書供給所協賛、トーハン後援。
3回目の今年は、地元マスコミの報道による協力と高速インターまで3分という会場の地の利を得て、65校と5500名の一般来場者を迎えた。
27日はポプラ社坂井宏先社長講演会「総合学習とポプラディア」、28日は島田美術館島田真祐氏講演会「巌流島・後の武蔵」が行われた。
また、熊本子どもの本研究会による「お話し会」も実施された。
なお、7月12日から14日までの3日間、ブックフェアのパート2として水俣市「まつぼっくり」でも開催される。
(宮崎容一広報委員)

第4土曜キャンペーン

鹿児島県書店商業組合(坂口洋右理事長)は6月25日に臨時理事会を開き、911月の「第4土曜日は、こどもの本の日」キャンペーンが当県の担当になるため、説明会を開いて参加店を募ることを決めた。
説明会は7月16日午後2時より鹿児島市「サンエールかごしま」で開催する。
(濱田晴樹広報委員)

未来の読者育てる読書推進運動強化

新潟県書店商業組合の第18回通常総会が6月17日午後5時より新潟市「割烹大善」で開かれ、組合員95名(委任状含む)が出席した。
総会は覚張良郎副理事長の司会で始まり、西村俊男理事長があいさつ。
「出版業界は5年連続マイナス成長で、販売金額は10年前と同規模に戻ってしまった。
そんな中、出版業界では日本縦断『世界本の日サン・ジョルディの日』記念文化講演会をはじめ『おはなしマラソン』等の各種読書推進運動を開催し、未来の読者を育てる運動に積極的に取り組んでいる。
当組合でも読書推進運動にいっそう強固に取り組み、書店経営健全化を推進したい」と述べた。
議案審議では活発な質疑応答の後、すべての議案を原案通り承認した。
総会終了後、今年度の永年勤続従業員12名の表彰を行い、続いて日書連再販研究委員会の中村宣勝委員長が「ポイントカードの現況」と題して講演。
再販問題も含めてポイントカードの問題についてわかりやすく話した。
このあと出版社9名、取次3名を交えて懇親会を催し、情報交換など行いながら和やかに終了した。
(五十嵐順一広報委員)

「廃業者これ以上出すな」

長野県書店商業組合は6月25日、上山田温泉「ホテル清風園」で第18期通常総会を開き、委任状を含め組合員93名が出席した。
総会は塩原義夫副理事長の司会で進行し、赤羽好三理事長があいさつ。
「長野組合は日書連共済会の全国1位で表彰されるなど、優秀な組合として知られる。
再販問題は一応の決着を見たが、日書連ではポイントカード、景品規約に関する問題などに引き続き取り組んでいる。
不況、大型出店、売上減少等の影響で県下組合員の廃業者が急激に増えており、心を痛めている。
後継者のためにも長野県の出版文化のためにも、これ以上の廃業者を出さないよう努力したい」と述べた。
宮原洋一副理事長を議長に議事を行い、すべての議案を原案通り承認可決。
今期事業計画は経営健全化図書館納入問題学参類の直取引を止めさせる運動の推進支部中心の事業強化−−等に取り組むことを決めた。
このあと郷土出版社協賛による販売コンクール表彰式を行い、平林堂書店、住吉屋書店、森田書店、前沢書店、鶴林堂書店、大町塩原書店、佐々木書店、今井書店の8店に表彰状と金一封を贈呈。
出版社の自己紹介・企画発表のあと合同懇親会を催した。
(高嶋雄一広報委員)

未成年からの買取禁止求む

東京都書店商業組合は7月2日に書店会館で定例理事会を開催。
新古書店対策で未成年者からの買取禁止を求める問題で、9月都議会に請願書を提出することを決めた。
東京組合は3月15日、石原都知事に青少年健全育成に関する要望書を提出し、5月13日に東京都古書籍組合と意見交換。
丸岡副理事長は「古物営業法で免除されている1万円以下の書籍・雑誌等の買取時の記帳義務化については長年かかって勝ち取ったもので認められないが、未成年者からの買取中止は了解できるとの感触を得た」として、古書籍組合と合意を得た上で9月都議会に請願を行いたいと提案、理事会は承認した。
成人向け図書の区分陳列義務化への対応として関係出版社にビニールパック出荷など書店負担への配慮を求める交渉を行っている問題では、メディアワークスから協力する旨の回答があったと五十嵐委員長が報告。
6月28日に開いた「世界本の日サン・ジョルディの日」記念文化講演会については、舩坂副理事長が「ドナルド・キーン氏が明治天皇をテーマに講演した。
約400名の読者を招待し、好評だった」と総括した。

福島組合高島理事長らに感謝状

第23回東北ブロック雑誌発売日・輸送問題連絡協議会が6月13日、14日の両日、岩手県・花巻温泉「ホテル千秋閣」で開かれ、雑誌発売日本部委員会3名、同実行委員会9名、取次2名、輸送会社2名、各県地区委員会9名、幹事役の岩手県書店商業組合5名の計30名が出席した。
はじめに岩手組合・赤澤桂一郎理事長が歓迎あいさつを行い、発売日本部委員会・田中洋輔副委員長が現状報告。
議事では、第1回より議長をつとめる福島組合・高島季雄理事長が議長席に着き、「組合財政も逼迫しており、年1度仙台で日帰り開催とか、書店東北ブロック大会と合同開催とか、色々な案を出してほしい」と提起した。
これに対し「ブロック大会と統一では取次5社の実務者、即売関係者などは出張が不可能。
実務者会議でなければ違反の抑止力とはなり得ない」との意見が多く、あくまで実務者会議とする来年はとりあえず日帰り開催に仙台での開催を基本として、数年置きに今まで通り東北6県で持ち回り開催とする−−などを決定した。
最後に発売日励行活動に長年にわたり尽力してきた功績を称え、高島季雄(福島)、安部董男(宮城)、和泉徹郎(秋田)、千葉武司(岩手)の各氏に森武夫本部委員より感謝状が贈られた。
(佐藤良平広報委員)

トーハン役員人事

(◎昇任、○新任)代表取締役会長上瀧博正代表取締役社長金田万寿人取締役副社長藤井武彦同小林辰三郎常務取締役◎高野仁同◎風間賢一郎取締役○鈴木常夫同○土屋博功同鈴木敏文同○立花佑介常勤監査役星野安弘監査役野間佐和子同相賀昌宏顧問遠藤健一相談役石川晴彦同朝倉邦造同赤尾文夫同白石勝同佐藤隆信〔執行役員〕社長(営業本部長)金田万寿人副社長(社長補佐、財務、広報・関連会社管掌)藤井武彦同(社長補佐、人事・システム・物流管掌)小林辰三郎常務(営業副本部長、仕入・商品・マルチメディア部門担当)高野仁同(営業副本部長、首都圏支社長)風間賢一郎上席執行役員(取引・図書館部門担当)鈴木常夫同(近畿支社長)土屋博功同(ロジスティックス部長兼東京ロジスティックスセンター長兼桶川建設準備室長)池田禮同(経理部長)小島紀二執行役員(九州支社長)阿部好美同(営業本部GM)小倉佳二同(改革推進部長)正能康成同(東部支社長)山崎厚男同(物流管理第1部長)石村忠昭同(特販第3部長)高野脩同(図書館営業部長)五十嵐勝男同(特販第1部長)馬場章好同(書籍経営推進部長)小倉俊一同(大阪支店長兼近畿トライスセンター長)近藤敏貴同(営業本部GM兼CRM推進室長)石井孝文同(特販第4部長)○野辺忠史同(物流管理第2部長兼西台雑誌営業所長兼上尾センター長)○吉浜茂

−無題−

日販事業グループ(◎昇任、○新任)◇御茶の水商事・代表取締役社長○鶴田尚正専務取締役◎清水昭次取締役鎌谷照夫同布施川健一同○長沼順一○大野隆樹監査役黒岩絋司◇日販運輸・代表取締役社長○菅徹夫代表取締役常務斎須昭取締役夜久勝美同高見吉弘同○黒田宗良同○柴田克己同○安西浩和監査役笠井三千男◇日販ブックサービス・代表取締役社長○斎藤和保常務取締役◎藤森清久取締役橋昌利○白崎義郁同○柴田克己同○池田隆監査役黒岩絋司◇日販メディア・代表取締役社長○渡辺勝喜常務取締役五味博取締役○阿部洋一郎同○古屋文明同○三浦昭一監査役黒岩絋一◇日販製函・代表取締役会長菅徹夫代表取締役社長○伊藤茂樹専務取締役竹内福治取締役緒方信義同○後藤邦廣同○柴田克己監査役笠井三千男◇・出版パッケージ代表取締役社長○野俣昭夫取締役根上力同○柴田克己同○安西浩和同○小泉尚昭同○大越隆司監査役笠井三千男◇・みずうみ書房代表取締役社長渡辺正人取締役佐道輝昭同橋昌利同○安藤修三監査役黒岩絋司◇・日販図書館サービス代表取締役社長工藤賢二常務取締役種橋康昭取締役菅一平同鈴木暁同○小林利夫監査役黒岩絋司◇日販IPS・代表取締役社長石田正樹専務取締役入田規弘取締役岩田孝弘同鶴田尚正監査役黒岩絋司◇日販コンピュータテクノロジイ・代表取締役社長川名雄作取締役幸田謙三同井上顯一同○佐賀治夫同○柴田克己監査役笠井三千男◇・カルチャーリース代表取締役社長椎名恒雄取締役神野修二同古屋文明同○大野隆樹監査役平林彰同笠井三千男◇・マクス代表取締役社長◎遠藤光一取締役北邑敏夫同○福田保同○内藤正志監査役黒岩絋司◇日販メディアリンク・代表取締役社長石田耕二取締役永木久雄同中越克弘同笠原和彦同○阿部洋一郎同○鎌谷照夫監査役笠井三千男同○谷田昌広◇・NAC代表取締役社長木下建夫取締役阿部忠彦同阿部洋一郎同橋昌利同○吉岡豊監査役黒岩絋司◇・ほるぷ出版代表取締役社長土屋章常務取締役図師尚幸取締役橋昌利監査役黒岩絋司◇・ブッキング代表取締役社長橋昌利常務取締役左田野渉取締役竹林聡同鶴田尚正同橋昌利監査役笠井三千男

−無題−

◇メディアワークス(6月18日付、○は新任)取締役会長角川歴彦代表取締役社長佐藤辰男常務取締役(広告部、出版部担当)渡辺知子取締役(営業部長、宣伝部長、商品部長)塚田正晃同(総務部長)○高野潔同(経理部長)○山口貴同(第1編集部長)○渡部雅人同(第2編集部長、法務室担当)久木敏行同(第3編集部長)○後藤靖彦同(非常勤)松原治監査役(非常勤)渡邊顯同(非常勤)石川晴彦同染谷恵司相談役(非常勤)井上泰一

−無題−

◇大阪屋(7月1日)命・出向(東京本部東京営業部長)野川隆博命・東京本部東京営業部長代行・次長待遇(東京営業部次長)和田年正

注目的新刊

出版社に入りたての頃、編集長からネコ好きとイヌ好きの違いについて聞かされたことがある。
それは次のようなものだった。
ネコ好きの人は、何が何でもネコでなければならず、イヌ好きはイヌが基本でも、まあネコも好きという人の方が多いから、ネコの本の方が売れるというのである。
数十年も前に聞いたことなのだが、現在でもネコものが優勢なのは変わっていない。
それはおそらく、ペットに対する執着の差なのだろう。
イヌを語る人に比べれば、大概のネコ好きはその何倍も喋るし、眼の輝かせ方も異なる。
妙なことはよく覚えているものである。
この編集長が不慮の死を遂げたのは、焼けつくような暑い夏の日だった。
新美敬子写真・文『新美流猫がよろこぶ写真の撮り方』(河出書房新社1600円)を書店で見つけた。
その書店店長はカメラマンでもあり、「猫は写真を撮られるの喜ばないよナ」と笑って言った。
でも、愛猫をカメラにおさめたい人は多い。
本書は家で撮る、町で撮る、旅で撮るの三章。
ネコの撮り方を細かく解説している。
コンパクトカメラでは、自然光で撮るのが良く、ストロボを発光するとネコの目の光る「赤目」になってしまう。
また、町で出会ったネコへの近づき方、簡単な構図の取り方からカメラの豆知識まで紹介されている。
可愛らしいネコのカラー写真もふんだんにあり、カメラ好きよりネコ好き向きの一冊。
書店のペットの棚でも発見できる。
平成くらしの研究会編『ネコを飼ったら読む本』(KAWADE夢文庫476円)は、同じ出版社の本でありながら、こちらはペットコーナーには置いていない。
本書は気まぐれなネコを理解するには、ネコのルールをまず知ることと教える。
初対面から躾け方。
ネコもいまや高齢化の時代で、病気の知識や埋葬まで、実に細かくネコを飼うための方法が解説されている。
「そんなつきあい方じゃダメダメ」とカバーにかかれた通り、知識や知恵もない飼い主に是非読んでもらいたい。
そうは思うが文庫本、大方の書店ではペットの棚にない。
イヌ好きは買わないかもしれないけれど、ペットコーナーにあるべき本である。
(遊友出版斎藤一郎)

移転

◇日販図書館サービス7月1日より飯田橋の営業部門、図書情報製作部門と、板橋の図書装備部門を統合し、新社屋に移転した。
都営三田線「西台」駅より徒歩6分。
新住所は〒175−0082板橋区高島平9−31−103−5921−1200番

催し

☆トーハン総研カルチャーフォーラム7月24日午後3時から、「eブックはここまで来た!読書装置の最新技術とインターネット出版」と題して東池袋のかんぽヘルスプラザ東京で開催。
イースト常務取締役で日本電子出版協会理事の下川和男氏が、電子書籍の国内外の最新事情と今後の動向を解説する。
受講料5千円(税込み)。
問い合わせはトーハン総研セミナー事務局(03−3268−0731、FAX03−3268−0756)まで。

ベネッセ263億円で首位

『週刊ダイヤモンド』が別冊7月号でまとめた法人申告所得ランキングによると、2001年1月から12月に決算を迎えた法人のうち、年間4000万円以上の課税所得を申告した企業の数は前年比0・4%減の7万8314社、申告所得総額は5・7%増の37兆6427億円。
所得総額は2年連続の増加となった。
このうち、出版社40位、書店10位までをまとめたのが表1と表2。
出版社トップはベネッセコーポレーションで263億7400万円。
次いで集英社、新日本法規出版、小学館、日経ビーピーがベスト5。
なお、総合ランキングではベネッセコーポレーション165位、集英社426位だった。
上位40社までで大きく伸びたのは、静山社(773・6%増)、辰巳出版(376・5%増)など。
一方、前年比マイナスとなったのは角川書店(56・1%減)、昭文社(56・0%減)など14社。
書店の1位は明屋書店で6億6400万円。
次いで有隣堂、紀伊國屋書店の順となった。
上位では有隣堂やカルチェ・イケダが高い伸びを示した。
取次の上位3社はトーハン78億0300万円(35・6%増)、協和出版販売3億5700万円(前年ランク外)、大阪屋3億0400万円(41・9%減)。

赤い鳥文学賞に沖井千代子氏『空ゆく舟』

赤い鳥の会が主催する赤い鳥文学賞3賞の贈呈式が7月1日、豊島区池袋のサンシャインシティプリンスホテルで開催された。
今回受賞したのは、第32回赤い鳥文学賞に沖井千代子氏(『空ゆく舟』小峰書店)、第20回新美南吉児童文学賞に征矢清氏(『ガラスのうま』偕成社)、第16回赤い鳥さし絵賞に石倉欣二氏(『空ゆく舟』)。
贈呈式では、選考経過について砂田弘氏が「『空ゆく舟』は瀬戸内海を舞台に人々の喜び、悲しみを見事に描いた完成度の高い短編集。
『ガラスのうま』はしなやかな文体と巧みなストーリーで、文学の香りのする幼年文学の収穫だ」、また松谷みよ子氏が「さし絵賞は石倉さんの『空ゆく舟』と林明子さんの『ガラスのうま』に絞られた。
石倉さんは時の流れを押さえた筆致で描き、最終的に票が集まり受賞となった」と報告した。

日書連のうごき

6月4日大阪屋友の会総会へ井門副会長出席。
講談社木村氏他、野間賞推せん要請で日書連訪問。
6月5日東京組合青年部総会懇親会へ萬田会長他出席。
6月6日出版流通改善協議会へ藤原副会長他出席。
全商連代表、税制問題で下向副会長他と懇談。
6月7日情報化推進委員会。
TS協同組合との打合会6月11日角川書店新物流センター完成記念式典へ萬田会長出席。
6月13日集英社「若菜氏お別れの会」へ萬田会長他出席。
全国公取協連合会総会へ影山専務出席。
6月14日国際児童図書館を考える会総会へ大川局長出席。
6月17日講談社重村局長他、野間賞推せんの件で来局。
新潟県組合総会へ中村再販委員長出席。
6月18日出版物小売業公正競争規約改訂のための公聴会へ萬田会長他出席。
中小企業税制連絡会へ白幡専務。
出版クラブ理事評議員会へ萬田会長。
北海道組合総会へ井門副会長出席。
6月19日出店問題、指導教育、増売、読書推進、共済会運営、組織強化、共同購買、流通改善、経営・取引、再販研究、雑誌発売日、情報化推進、公取協専門各種委員会。
児童図書三者会議開催。
図書コード管理センター運営委員会へ志賀委員、文化産業信用組合総代会へ奥村、丸岡理事出席。
6月20日定例理事会。
共済会、公取協各理事会。
ブックスタート支援センター松居理事長来局。
6月21日著作物再販協議会へ中村再販委員長出席。
6月24日公明党・子ども読書活動推進対策本部長西博義、同事務局長斉藤鉄夫両衆議院議員来局。
6月25日国際図書展運営総会、図書普及総会へ萬田会長他出席。
6月26日子どもの読書推進会議へ大川局長出席。
6月28日出版物小売業公正競争規約認定書・同承認書の受理に萬田会長他、公取委小林委員、楢崎取引部長を訪問。
中小小売商連絡会へ丸岡委員出席。
SJ文化講演会へ萬田会長他出席(於文京シビックセンター)。

本屋のうちそと

ワールドカップで沸いた6月が終わり、ようやく静けさが戻ってきた。
当地の6月はさくらんぼ一色。
高橋尚子を招いての「さくらんぼマラソン」に始まり、最盛期には観光客を当て込んだイベントへと続き、週末にはさくらんぼ狩りの車で幹線道路が渋滞し、1年で最も活気のある季節である。
その蔭で商店街は絵に描いたような静寂で我慢の1カ月だ。
収穫期間がほぼ2週間という短期決戦のさくらんぼは、生産量日本一を誇るわが町にとってその年の景気を左右する作物であり、生産農家ばかりでなく勤め人や商店の主婦、犬猫までも駆り出されるのだから、その静けさは想像以上だ。
また、雨よけテント張りやもぎ取りなど高所作業が多いので毎年転落事故が多発し、色づいてくるとドロボーもぎ取り人が現れ、病院と警察が忙しくなる季節でもある。
さくらんぼの兼業で成り立つ小店の店先は地方発送基地になる。
この時期に訪れる版元の社員から広がってきた産直の発送は本業の落ち込みを補う。
さくらんぼが贈答に使われだしたのはここ20年位前からだ。
その可憐さ、味覚、価格が贈答にピッタリなのだろう。
嗜好品としてのさくらんぼは、腹のたしにならない世の中になくとも困らない食物だ。
それだけに時代の動きに敏感だ。
贈答に米や大根が喜ばれる時代は幸せな時代ではない。
さくらんぼは景気と平和のバロメーターとも言える果物だ。
(どんこ水)