全国書店新聞
             

平成25年6月1日号

軽減税率署名運動に協力を

日書連は、消費税増税の際に出版物への軽減税率適用を求める「50万人署名」運動を展開しています。4月初旬に各書店に直送した署名用紙で、運動へのご協力をお願いします。署名は日書連事務局まで、同封の返信用封筒にてご送付ください(切手貼付不要)。

紹介議員20名目標に/軽減税率求める請願署名運動/日書連理事会

日書連は5月16日、東京・千代田区の書店会館で5月定例理事会を開催した。消費税問題では、出版物への軽減税率適用を求める請願署名運動に書協、雑協、取協、児童出協の出版4団体が協力する意向を示したことが報告された。また、国会法に「紹介議員20名以上の要求があるものについては、会議に付さなければならない」とあることから、各都道府県組合1名以上の紹介議員を集めるべく全力で取り組む方針を確認した。
〔消費税問題〕
大橋会長、面屋委員長、大川専務理事は5月8日、書協、雑協、取協、児童出協の出版4団体を訪問し、日書連が4月から始めた出版物への軽減税率を求める「50万人署名」への協力を要請。各団体は趣旨に賛同し快諾したと面屋委員長が報告した。
日書連はじめ各団体・各社が集めた署名は日書連が取りまとめ、議員の紹介により衆参両議院に提出するが、国会法第80条に「紹介議員20名以上の要求があるものについては、会議に付さなければならない」と規定されていることから、「署名を有効に活かすため20名以上の紹介議員を集めたい。各理事の地元で1名以上の紹介議員の直筆サインをもらってほしい。特に活字文化議員連盟の議員133名は協力的と考えられる。声をかけてほしい」と求めた。紹介議員の直筆サイン入り請願書用紙は6月30日までに日書連事務局に郵送。集約した用紙は後日、請願行動時に使う。
訪問後、取協から署名用紙6250枚を送付してほしいと連絡があった。
〔書店再生〕
第2回実用書増売企画「食と健康」フェアを8月から11月まで実施する。参加出版社は、前回参加した池田書店、NHK出版、主婦の友社、新星出版社、日本文芸社の5社に、河出書房新社、講談社、主婦と生活社、小学館、祥伝社、世界文化社、徳間書店の7社が新たに加わり、前回から7社増えて計12社。セット内容は各出版社4点×12社で計48点。4点のうち1点は平積用として3冊、残り3点は各1冊。1セットの内容は48点72冊。書店にはセット梱包して配送。募集方法は日書連傘下組合加入書店へ案内を直送するほか、全国書店新聞で告知する。第1回の結果を踏まえ、今回実施するにあたっての課題として「スリップ集計書店の回収率を上げる方法」を検討する。
舩坂委員長は「実績を積み上げ、増売できる書店組合ということを出版社にアピールしたい」と意気込みを語った。また、「第1回で分かったのは、コーナー作りをした書店は確実に数字が上がっていること。今回も48点72冊のセットに加えて同じテーマの自店在庫を活用してコーナー作りをしてほしい」と求めた。
〔ためほんくん〕
コミック及び絵本の試し読みシステム「ためほんくん」の運営機能を日書連から日本出版インフラセンター(JPO)へ移管する方向で準備に入ることを承認した。移管にあたり、JPOに運営主体となる管理委員会(仮称)の準備会を設置。移管に向けて想定される諸問題を協議し、6ヵ月を目途として年内に結論を出す。管理委員会及び準備会には日書連も委員を派遣する。藤原委員長は「移管後も基本的な方向性は従来通り」と述べた。
〔広報〕
ためほんくん部会から、ためほんくんの魅力をアピールし、導入を促進するための連載を全国書店新聞で始めたいと要請があった。
〔読書推進〕
大阪市東淀川区で絵本読み聞かせ事業の公募があり、大阪府書店商業組合が出版文化産業振興財団(JPIC)、地元の読み聞かせグループ「とことこ」、JPIC読書アドバイザークラブ(JRAC)大阪支部の協力を得て受託した。事業内容は、絵本読み聞かせボランティアの募集・育成・登録・派遣、絵本の収拾・管理(絵本バンク)など。委託期間は平成25年4月1日から1年間。
大阪組合の面屋理事長は「東淀川区長は公募区長で読書推進に熱心。今回の事業が成功すれば自治体と書店組合が組んで進める読書推進のハシリになる。他の組合も地元自治体に東淀川区の事例をあげて働きかけてはどうか」と提案した。
また、熊本組合の長﨑理事長から、昨年12月に開催した全国リレーシンポジウム「知の地域づくりを考える」in熊本の報告書を作成したとの報告があった。
〔書店くじ〕
10月27日から11月9日まで2週間にわたり実施する「読書週間書店くじ」の実施要綱を承認した。特等賞は「図書カード5万円分」30本。
〔流通改善〕
TSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)を指定管理者として4月1日に新装オープンした佐賀県の武雄市図書館について、全国へ波及することを懸念する意見が出席理事数名から出された。CCCを指定管理者とする動きが大阪、岡山の自治体で見られることも報告された。藤原委員長は「指定管理者制度について研究し、理論武装する必要がある。情報提供してほしい」と求めた。
〔取引改善〕
送品・返品同日精算問題について、柴﨑委員長は「公取委による法的措置が確定するのを待っているところ」と報告した。
雑誌付録問題では、「カタログは本来綴じ込みで、書店が費用を負担して作業するものではないというルールがある」として、出版社に真意を確かめる文書を送付する意向を示した。
〔組織〕
各都道府県組合の4月期の加入・脱退状況は、新規加入なし、脱退15店、差し引き15店減となり、全国の日書連傘下組合加入書店は4444店になったと中山委員長が報告した。
〔電子書籍対応〕
鶴谷部会長は、13年度の書店店頭での電子書籍販売事業について「全組合が年度内にウェイズジャパン(現・雑誌オンライン)と基本契約書を結ぶことを目指したが、達成できなかった。今後は日本出版インフラセンター(JPO)など関係団体との連携が重要になる。時代に合わせて新しい方法論に取り組むことも必要」と述べた。
〔政策〕
6月20日に開く第25回通常総会の提出議案と次第を承認した。各会員が行使できる議決権及び選挙権の票数は平成25年4月1日現在の組合員数に基づく比例割と平等割の合計によって算出し、平等割46票、比例割92票、合計138票。また、平成25年度日書連役員改選で理事数54名、監事3名とすることを承認した。
また、経費削減策の一環として、毎年開催していた全国情報化推進会議と全国広報委員会議を、今年から隔年開催とすることを決めた。今年は全国情報化推進会議を7月4日に東京・有明の東京ビッグサイトで開催し、全国広報委員会議は来年開催する。
〔後援名義借用依頼〕
以下の2件を承認した。①第13回「家の光読書エッセイ」の後援、②第8回「本の学校出版産業シンポジウム2013in東京」(7月6日、東京ビッグサイト)の協賛

佐藤理事長が2期目に/書店員の専門性高める/第30回愛知県組合通常総会

愛知県書店商業組合は5月17日、名古屋市千種区のホテルルブラ山王で第30回通常総会を開き、組合員123名(委任状含む)が出席。任期満了に伴う役員改選で佐藤光弘理事長を再選した。2期目となる佐藤理事長は今年度のスローガンに「司書のいる書店」「目指そう自店のコンシェルジュ」を掲げ、書店員の専門性を高めることでネット書店や電子書籍に対抗していく考えを示した。
総会は水野慎一郎総務副委員長の司会で進行し、佐藤光弘理事長が冒頭あいさつ。引き続き谷口正明理事を議長に議案審議を行い、平成24年度事業報告、収支決算報告・監査報告、平成25年度事業計画案、収支予算案などすべての議案を原案通り承認可決した。
事業報告は各委員会担当の副理事長が説明。①「第51回青少年によい本をすすめる県民運動」は、出版社15社から寄贈された児童書約2000冊を、応募のあった学校67校に届けた②第7回「中学生はこれを読め!」フェアを愛知、三重の2組合で実施し、愛知32店、三重21店、計53店が参加した③サン・ジョルディフェスティバル名古屋2013で行ったチャリティ本販売は収益金45万2361円のうち20万円を中日新聞社会事業団に寄託し、残りを東日本大震災義援金として中日新聞社を通して寄付した――ことなどを報告した。
任期満了に伴う役員改選では選考委員による指名推薦で理事30名、監事2名を選出したあと第1回理事会を開き、佐藤理事長を再選した。
あいさつに立った佐藤理事長は、今年度重点的に取り組む事業として「経営に関する勉強会と情報交換」「読書推進活動の積極的支援」の2点をあげ、出版物への軽減税率を求める日書連の請願署名運動にも積極的に取り組むとした。
今年度のスローガン「司書のいる書店」については「司書の資格を持っていなければ書店員になれないというぐらいにしたい。書店員の地位向上につながる」と説明。もう1つのスローガン「目指そう自店のコンシェルジュ」については「ネット書店、電子書籍に満足できない客が店頭に来てくれている。こうした客の要望に合わせた接客、売場作りを行い、店頭に足を運んでくれるファンを作りたい。経営者から社員、パート・バイトまで全員が本探しの専門家として勉強してほしい」と求めた。
総会終了後、日本出版インフラセンターの永井祥一専務理事が「ネット書店に負けないリアル書店の活性化」をテーマに講演した。
〔愛知組合新体制〕
▽理事長=佐藤光弘(光書店)▽副理事長=安藤正直(安藤書店)谷口正和(ちくさ正文館)

規約解説書改訂版を作成/運営規則を一部変更/公取協総会

出版物小売業公正取引協議会(大橋信夫会長)は5月16日、東京・千代田区の書店会館で2013年度通常総会を開催。来賓として消費者庁表示対策課規約担当課規約担当課長補佐の杉浦正昭氏、同規約第一係長の山下英照氏が出席した。
総会は江﨑直利理事の司会で進行し、委任状を含め47名が出席と報告。鈴木喜重副会長の開会の辞、大橋会長のあいさつに続き消費者庁の杉浦課長補佐が祝辞を述べ、「公正競争規約に対する期待は非常に高まっており、我々も規約の運用や変更に関して着実に支援していく。コンプライアンス推進に役立てるとともに、消費者の信頼を得ることで業界全体の利益になると考えていただき、積極的に活用してほしい」と話した。
この後、大橋会長を議長に議案審議を行い、平成24年度事業報告、収支決算報告、平成25年度事業計画案、収支予算案などをいずれも原案通り承認した。
事業報告を行った影山稔専務理事は、「公取協に寄せられた相談事例を基に判断基準となる資料を作り、理事会で配布して規約の主旨徹底を図っている」と述べ、昨年度の代表的な相談事例を解説。事業計画案の審議では「規約を運用するための解説書『解説.運用の手引』が発行から10年近く経過しており、改訂版を作成したい」と提案、平成25年度事業計画として①出版物小売業の「公正競争規約」に対する理解と検討。そして正しい運用、普及のための活動、研修会等の開催。②景品表示法をはじめ、関係法令の研究並びに規約違反の防止。③一般消費者、消費者団体及び出版業界団体との連絡。④関係官庁との連絡。⑤広報活動――の活動方針を決めた。
このほか、「出版物小売業公正取引協議会の組織及び運営に関する規則」について、会員の減少に伴い現在の代表会員制を廃止して理事・監事のみによる運営に変更することを理事会で承認しており、総会で新規則を承認した。今後、消費者庁と公正取引委員会からの認可を経て、平成26年4月から施行する予定。

総会スケジュール

◆第65回書店東北ブロック大会
7月11日(木)~12日(金)、福島県会津若松市の東山温泉・御宿東鳳で開催。大会第一部(会員のみ参加)は11日午後2時から、第二部(全員参加)は同午後3時から。
◆佐賀県書店商業組合第31回通常総会
7月20日(土)午後3時から、佐賀市のホテル朝風で開催。

面屋龍延理事長を再選/消費税委を設置し署名運動推進/大阪総代会

大阪府書店商業組合は5月17日午後2時から大阪市のウェスティンホテル大阪で第31回通常総代会を開き、総代67名(委任状含む)が出席。役員改選で面屋龍延理事長(清風堂書店)を再選した。
総代会は深田健治副理事長(ブックスふかだ)の司会で進行。面屋理事長はあいさつの中で、書店を巡る最近の状況を説明。佐賀県武雄市が市図書館の指定管理者としてカルチュア・コンビニエンス・クラブに運営を委託した件で、近隣書店に大きな影響が出ていると述べ、対応策が書店組合の重要な課題になると指摘した。また、出版物に消費税軽減税率の適用を求める日書連の「50万人署名」運動について言及。「消費税が導入される前は小売業界を挙げて反対運動が盛り上がったが、いま署名運動を展開している小売団体は日書連だけだ。我々は日本の出版文化を守っていく」と語った。
議長に藤田彰理事(ブックプラザ)、副議長に灘憲治副理事長(ナダヤ書店)を選任し、平成24年度事業報告、収支決算書、平成25年度事業計画案、収支予算書案などすべての議案を原案通り承認可決した。
事業報告では、日書連が公正取引委員会に申告書を提出している送品・返品同日精算問題の現況や、消費税軽減税率署名運動の展開などを説明。第8回「本の帯創作コンクール」は応募総数9929点、参加数が35市町村198小学校にのぼったほか、堺市、茨木市、摂津市で地域版の展示会が行われるなど、書店組合発の読書推進運動が地域へ広がりを見せていると報告があった。
また事業計画では、①軽減税率署名運動、②同日精算問題、③書店再生5項目、④電子書籍と注文品が「アスクル」運動、⑤第3商材の開発、⑥読書推進と公共・学校図書館への納入、⑦「BOOKEXPO2013」への協力、⑧若手・女性役員の役員比率を増やし組合運営活性化――の活動方針を承認。署名運動については、消費税問題委員会(春江健三委員長・耕文堂書店)を設置し、支部単位で各組合員に協力を働きかけていく。
役員改選では理事40名、監事3名の候補者を承認、初理事会で面屋理事長を再選した。また戸和繁晴副理事長(トーワブックス)を再任し、日書連理事に面屋理事長、戸和副理事長を選出した。他の副理事長3名は次回理事会で決める。
総代会終了後、午後6時から永年勤続優良従業員表彰式と懇親会を行い、隆祥館書店の長浜充さん(勤続13年)を表彰した。

JPIC読書アドバイザー養成講座/7月開講、受講生を募集

出版文化産業振興財団(JPIC、肥田美代子理事長)は7月開講の第21期「JPIC読書アドバイザー養成講座」の受講生を募集している。
この講座は、読書を通じた生涯学習と読書推進を目的に平成5年から開講する講座。「本の歴史」「印刷と製本」「出版流通」「読書推進運動」など、出版と読書について体系的に学ぶカリキュラムで、各分野の第一線で活躍中の講師陣が講義する。授業だけでなく、グループディスカッションや、全員が1人3分の持ち時間で好きな本をアピールする時間も設ける。例年、出版業界、図書館関係者、教員、読書ボランティアなど全国から受講生が集う。日書連など出版関係主要団体が後援。
第21期は7月12日開講、平成26年1月27日修了。全4回・延べ8日間のスクーリングと3編の課題レポートが課せられる。受講料は5万8000円(JPIC賛助会員社は5万3000円)。講師はフリーライターの永江朗、専修大学教授で出版デジタル機構取締役会長の植村八潮、児童文学作家の角野栄子、評論家・作家の紀田順一郎、小峰書店社長の小峰紀雄、編集者・評論家の津野海太郎、書評家の豊﨑由美、八木書店ホールディングス社長の八木壮一の各氏らが務める。
申し込みは所定の用紙に必要事項を記入し、JPICまで郵送。応募要項やカリキュラムの詳細はJPICホームページに掲載。申込書もダウンロードできる。定員100名。応募者多数の場合は抽選。応募締切は6月14日必着。
問い合わせはJPICまで。℡03―5211―7282

愛知組合総会懇親会会場で署名集め/出版物への軽減税率適用求めて

愛知県書店商業組合(佐藤光弘理事長)は5月17日の通常総会終了後に開いた懇親会の会場受付近くに、出版物への軽減税率を求める署名用紙を設置。出席した書店、取次、出版社ら関係者が趣旨に賛同して次々と署名した。

ご当地しおりをプレゼント/のぼり立て集客と増売図る/沖縄組合

沖縄県書店商業組合(小橋川篤夫理事長)は4月1日から、「サン・ジョルディの日」企画として、書籍・雑誌1000円以上購入の客に首里城や琉球舞踊、三線、エイサーなど9種類のしおりを製作し、沖縄のしおりプレゼントキャンペーンを実施した。
キャンペーンに先立ち、増売を図るため、のぼり、ポスターを県内63店舗の店内や店頭に掲示。開始から1週間で終了した店舗もあり、好評のうちに終了した。
(安仁屋博一広報委員)

京都が舞台の小説15作品/SJの日に合わせ増売/京都組合

京都府書店商業組合(中村晃造理事長)は、4月23日のサン・ジョルディの日に合わせた増売企画「文庫で読むご近所小説in京都」を3月中旬から4月末まで実施した。地元書店の存在をアピールし、読書の啓発と販売促進を目的として企画したもの。充当した費用は概算で45万円。一部は日書連「サン・ジョルディの日PR企画推進費」の適用を受けた。
京都は土地柄から小説の舞台となる作品が多く存在することに着目。京都に縁のある作品を地元書店の推奨として発信することで、消費者に読書を身近に感じてもらい、販売の向上につなげることを目的にした。
昨年11月、対象作品を選考するための委員を組合員の中から募集。各委員が情報と意見を持ち寄り、12月に15作品を決定した。また、推薦した書店員から一言コメントを集め、店頭配布用の小冊子形式のカラーリーフレットに記載。推薦者の書店員名と所属書店名のほか、作品の表紙画像、タイトル、著者、出版社、価格、ISBNコードなどの情報も盛り込んだ。リーフレットは4万枚作成し、組合加入店舗に一律に一定数を送付。来店客への積極的な配布や外商の商材として活用する店舗には追加の要望にも応じた。
販売については、対象15作品の必要冊数の確保も重要であることから、出版社各社と取次にも協力を求めた。専用注文書を作成したことで、対象作品の冊数、点数を書店の裁量によって発注できる。売れ行きに応じて適時追加発注できる柔軟さを持つことで、関連する地元の書籍や同じ作家の作品を並列して販売するなど、各店が自由にフェアを展開することが可能になった。京都組合は同時に飾り付けコンクールを実施。店頭の写真を提出してもらい、優秀店舗を表彰する。
フェアの後に行った書店アンケートでは、「15作品すべてまとめて購入した客がいた」「連動して独自の京都本フェアを実施した結果、売上が大幅に向上した」などの意見や感想が寄せられた。
(澤田直哉広報委員)

読み聞かせキャンペーン実施/「来年も参加したい」の声/山形組合

山形県書店商業組合は4月14日から30日まで、「第6回読み聞かせキャンペーン」を県内5書店で行った。参加書店は八文字屋エビスヤ店(鶴岡市)、TENDO八文字屋(天童市)、みずほ八文字屋(酒田市)、三浦屋書店(長井市)、こまつ書店寿町店(山形市)。1日に2回、30分程度の読み聞かせと「サン・ジョルディの日PRチラシ」の配布を行い、サン・ジョルディの日を読者に発信した。
こまつ書店からは以下の実施報告が寄せられた。「4月21日午前10時から児童書コーナーで実施。参加人数は子供15名、親10名。読み聞かせに使った絵本は『いわしくん』(文化出版局)、『さるのせんせいとへびのかんごふさん』(ビリケン出版)、『ふうとはなのたんぽぽ』(童心社)の3冊。読み聞かせ前の導入として、桜の花と鯉のぼりの塗り絵を行った。当日は皆さん楽しく塗り絵をしていた。読み聞かせに関しては、読み手がイントネーションや声色を変えるなど工夫して読んだため、真剣に聞いてくれた。また、来年もキャンペーンに参加させてほしい」
このほか「店頭での読み聞かせの重要性は感じているが、実際はマンネリ化している。組合のバックアップに大変感謝している」との意見も寄せられた。
(五十嵐靖彦広報委員)

八重洲BC本店屋上で養蜂開始/SJの日に連動フェア

鹿島建設と八重洲ブックセンターは4月15日、書店では初の都市型養蜂ミツバチプロジェクト「B―Beeプロジェクト」を東京・中央区の八重洲ブックセンター本店で開始したと発表した。
書籍(Book)とミツバチ(Bee)をテーマとして、生物多様性(Biodiversity)を考える環境イベントを定期的に開催し、都市における人と自然の共生に関する情報発信と交流を行う。
同店屋上でミツバチを飼育しながら、ミツバチをテーマにした環境コミュニケーションや環境教育、環境モニタリングを実施することで、実体験に基づく環境情報を書店から発信するとともに、生物多様性の都市作りを推進する。
環境コミュニケーションの第1弾として、4月23日のサン・ジョルディの日(世界本の日)に「大切な人に『はちみつ』を添えて『本』を贈ってみませんか?」と題したサン・ジョルディフェアを実施。本の購入者に先着順でハチミツをプレゼントしたほか、ミツバチのパネル展示や関連書籍のブックフェアを開催した。

上野の森親子フェスタ/過去最高3230万円の売上

子どもの読書推進会議と出版文化産業振興財団(JPIC)は5月3日~5日の3日間、東京・台東区の上野恩賜公園で第14回「上野の森親子フェスタ」を開催し、多くの親子連れで賑わった。チャリティ・ブック・フェスティバルと講演会での売上は3230万9289円で過去最高を記録した。
噴水池広場で行われたチャリティ・ブック・フェスティバルは昨年とほぼ同規模の65者が出展し、色とりどりのテントが並んだ。多くの出展社が品薄となり、会期途中に手持ち搬入で補充するほど盛況だった。また、販売テントのほかにサイン会テント2基、イベントテント2基を設置し、著者を招くなどして過去最多のイベントを行った。「国連生物多様性の10年日本委員会」ブースでは推薦図書が各出展者から集められ、テーマブースとして好評だった。
3日に東京都美術館講堂、5日に東京国立博物館平成館で講演会を計4コマ開催し、合計1006名が来場した。

「業界の連携再確認する年に」/長寿者、永年勤続者を表彰/全出版人大会

第52回全出版人大会(主催・日本出版クラブ=野間省伸会長)が5月8日、東京・千代田区のホテルニューオータニで開かれ、「業界の連携を再確認する年となることを願う」とする大会声明(別掲)を採択。長寿者29名と永年勤続者381名を表彰した。日書連関係では面屋龍延副会長(清風堂書店)が長寿者表彰を受けた。
式典の冒頭、野間大会会長は今年9月に創設60周年を迎える日本出版クラブが今後果たすべき役割について「会館の活用により出版人が幅広くコミュニケーションを図り、業界全体の横断的な事業を企画し実践すること」と説明し、具体的事例として読書推進活動、デジタル化、人材育成を挙げた。また、東日本大震災の復興支援活動について「長期的なもの。継続することが大切」と強調した。
続いて佐藤隆信大会委員長(新潮社)が「文芸出版の豊かさは、その国の文化の豊かさを規定している。いま文芸出版の根底が揺り動かされている。テレビが登場したとき、先人は『一億総白痴化』と言った。コンピュータについて誰かそれに比肩する一言を言ってほしい」と述べ、大会声明を朗読。谷川弥一文部科学副大臣、浅田次郎日本ペンクラブ会長が祝辞を述べたあと、安倍晋三首相の祝辞が代読された。
長寿者表彰では江草忠敬大会副会長(有斐閣)から代表の上野徹文藝春秋元会長に寿詞と記念品、永年勤続者表彰では相賀昌宏大会副会長(小学館)から代表の市沢敬章氏(文光堂)に表彰状と記念品が贈られた。
このあと、浅田日本ペンクラブ会長と佐藤大会委員長が「デジタル」をテーマに対談した。
浅田会長は、IT社会での小説執筆について「インターネットの中での人間関係を小説のストーリーとして組み立てるのは難しい。愛憎の形がまったく変わってしまう。時代小説がブームになっているのは、作る側はストーリーを作りやすく、読む側は本当の人間関係に癒されるということではないか」と指摘した。
出版社のこれからの役割については「編集者と作家が会う機会が減ってきた。基本は人間が作るものと考えなければ、ちゃんとした小説は出来ない」と述べた。
電子書籍については「紙媒体の読者が電子書籍に乗り換えるのではなく、紙媒体の読者層の上に電子書籍の読者層が乗るのではないか」との考えを示した。
最後に佐藤大会委員長は「出版社は著者の青田買いをせず、厳しく接し、素晴らしい環境を整えれば、デジタルがあっても出版の未来は明るい」とまとめた。
【大会声明(全文)】
一昨年の大会の頃、被災地では衣食住がままならない中、再開した書店で本や雑誌を買い求める人々の姿があり、私たちは、出版人としての使命感を新たにしました。そして昨年は、あの未曾有の惨禍を、自らの表現で作品にしようと苦闘する書き手たちに出会い、多くの成果を出版することが出来ました。日本の出版文化は、日本の伝統建築のようにしなやかで強い。しかし、そうした書き手と読み手をつなぐ出版業の土台が、今大きく揺さぶられています。
ここ十六年もの長い間、私たち業界の売上は、前年割れを続けています。低迷から抜け出すため、出版社は、新たな書き手や企画を探し、取次会社や書店と手を携え協力し、別種の販売モデルに取り組むなど土台強化に努めて来ました。しかし、個々の社では、いかんともしがたい領域もあります。努力の積み重ねをゼロにしかねないもの、それが明暗併せ持つデジタル技術の進展です。
昨年以降、外資と日本企業の端末開発やサービス競争のもと、ようやく一般書についても電子書籍市場がビジネスとして離陸しつつあります。また、昨年度、国の予算が付いた「コンテンツ緊急電子化事業」においては、東北の多くの印刷会社の頑張りで、6万点を超える電子書籍が製作されています。これらは、デジタル技術が私たちの出版活動の新たなインフラとなったことを示しています。
一方、技術が万人に行き渡った結果、本や雑誌が、書き手や版元のあずかり知らぬところで膨大に複製され、転々と流布する事態も生じています。物事を処理するについて「できるだけ簡単に、速く、安く」を至上命題とするコンピュータの論理は、しばしば私たちの仕事を振り回します。私たちは、お預かりした原稿を出来る限り正確で、かつ美しい出版物に仕上げ、出来るだけ安く販売しようとしていますが、デジタル時代の利用者からは、「便利じゃない、安くない」との批判が出ます。
「電子書籍元年」という時代意識のもと、震災の前年に総務省・文部科学省・経済産業省の肝いりで開催された「デジタル・ネットワーク社会における出版物の利活用の推進に関する懇談会」も、その名が示すとおり、当初は「出版物の利活用」が眼目でしたが、議論の結果、「知の拡大再生産の実現を前提として」出版物へのアクセス環境を整備する、との大方針が打ち出されました。「知の拡大再生産」とは、すなわち出版物が継続して発行され、著者に正当な利益が還元され、未来の新しい著者が誕生し、新しい著作物が創造されることが保証される状況と言い換えてよいでしょう。今後もそれが保たれない限り、スムーズな利活用の仕組みなど作っても意味がないのです。
出版物に関する権利の議論も、この流れに棹差すものであらねばなりません。議論においては現在、国のデジタルアーカイブの整備が出版文化の発展に資するというビジョンも示されていますが、デジタル利活用の明と暗を意識しつつ取り組むべき課題でありましょう。デジタル海賊版で露わとなった出版物の危機は、著作物の危機にほかなりません。著作者と出版社、さらに出版物の製作・流通を担う印刷会社、取次会社、書店も「知の拡大再生産」という同じ船に乗っています。平成25年が、業界の連携を再確認する年となることを願い、大会声明といたします。
二〇一三年五月八日
第五二回全出版人大会

夏休みの売場作りで情報交換/北海道児童書販売研究会

北海道書店商業組合(久住邦晴理事長)は5月14日、札幌市中央区の北海道建設会館で第4回児童書販売研究会を開き、書店8名、出版社6名が出席した。
今回は「夏休みに向けて」をテーマに、品揃え、売場作り、集客とアピールのための施策等について意見交換、情報交換を行った。
次回は11月の開催を予定している。
(事務局・髙橋牧子)

書籍6万4千点を電子化/出版社460社が参加/緊デジ

日本出版インフラセンター(JPO)が経済産業省から補助を受けて実施した「被災地域販路開拓支援事業(コンテンツ緊急電子化事業)」(緊デジ)の事業が3月31日で終了し、事業の実施結果と速報値が発表された。
この事業は、東北関連書籍をはじめとする書籍等の電子化作業の一部を東日本大震災の被災地域で行い、費用の一部を国が負担。電子書籍市場等を活性化するとともに、東北関連情報の発信や、被災地域における新規事業の創出や雇用を促進しようというもの。
被災地域の支援では、東北の出版社の書籍や東北関連の書籍、東日本大震災関連の書籍2287タイトルを電子化。また、事業で制作した電子書籍の底本のうち1万745冊を、岩手・宮城・福島の図書館に献本した。
電子書籍の制作会社の選定にあたっては、本社が東北6県に所在する会社と、東北で制作業務を行う会社を優先するなどして雇用を創出。また、東北の制作会社には、電子書籍制作の技術指導を行う人の派遣や、ソフトウェアの無償提供、電話サポートなどの支援を行った。
事業に参加し電子化を行った出版社は460社。参加出版社の書籍の年間新刊発行点数は業界全体の約6割に相当することから、今回の事業によって、電子書籍を制作可能な書籍を発行している出版社の大半が、本格的に電子書籍制作に取り組むことができたとしている。制作した電子書籍はタイトル数で6万4833点、制作ファイル数で8万893点にのぼっており、現在配信されている電子書籍数(ケータイ向け電子コミック除く)とほぼ同等の電子書籍を制作したことになる。
電子化作業費補助額は9億5063万9651円(見込値)で、補助金利用額の率は上限に対して99・71%となった。

竹吉優輔氏の「ブージャム狩り」が受賞/江戸川乱歩賞

日本推理作家協会が主催する第59回「江戸川乱歩賞」の受賞作が竹吉優輔氏の「ブージャム狩り」に決まり、5月14日に東京・文京区の講談社本社で受賞者記者会見が行われた。
会見で、日本推理作家協会の東野圭吾理事長は「最終候補作は個性的な作品が並んだが、現代日本を舞台にした作品が少なかった。その中で受賞作は現代日本を扱い、しかも特異な世界観を備えていた。欠点もたくさんあったが、複雑な心理を扱い、非常に難しいことにチャレンジしたことを評価した」と選評。竹吉氏は「幼い頃から小説家になろうと考えていたのでとてもうれしい。これまで応募した中で一番難産の小説だったが、書き終わった時心から良かったと思い応募した」と喜びを語った。

第44回講談社出版文化賞の贈呈式

平成25年度・第44回講談社出版文化賞の受賞者が決定し、5月24日午後6時から東京・文京区の講談社レセプションルームで贈呈式と祝賀会が行われた。
贈呈式では講談社野間省伸社長から賞の贈呈が行われた後、各賞の受賞者があいさつ。さしえ賞の伊野孝行氏は「子どもの頃から挿絵を楽しみに本を読んでいた。息の合った挿絵で小説を読むのは他に代え難い楽しさがあり、この賞はそういう読書の楽しみや文化を守っていただく賞だと思う」、ヤマモトマサアキ氏は「多くの方に何回も描く機会を与えていただき、勉強させていただいたおかげで今の自分がある。まだ勉強不足を実感することが多く、これからも精進していきたい」と語った。
▽さしえ賞=伊野孝行「長洲シックス夢をかなえた白熊」(小説現代)他/ヤマモトマサアキ「潮鳴り」(小説NON)他
▽写真賞=権徹『歌舞伎町』(扶桑社)
▽ブックデザイン賞=菊地敦己『もののみごと江戸の粋を継ぐ職人たちの、確かな手わざと名デザイン。』(講談社)
▽絵本賞=アーサー・ビナード・作、岡倉禎志・写真『さがしています』(童心社)

出版社4社の78タイトルを配信/出版デジタル機構

出版デジタル機構は、経済産業省「コンテンツ緊急電子化事業(緊デジ)」によって電子化したコンテンツを中心に、出版社4社の78タイトルを、4月19日から電子書店へ定期配信を開始した。
配信するのは、みすず書房45点、講談社28点、スリーエーネットワーク4点、山陰中央新報社1点。主なタイトルは、みすず書房が、①最初の出版物として1946年に刊行した片山敏彦著『詩心の風光新版』、②サン=テグジュペリ・コレクション等の外国文学、③亀山郁夫や小沼純一らがドストエフスキーやカフカ、バッハを語る「理想の教室」シリーズ、④外山滋比古、池内紀、荒川洋治、中井久夫、山本嘉隆らによる評論・エッセイ、⑤風丸良彦著『村上春樹短篇再読』『村上春樹〈訳〉短篇再読』――など。講談社は、孤高のジャーナリスト・本田靖春氏の絶版タイトルを含めた28著作を「電子版・本田靖春全作品集」として完全電子化したものとなっている。

小学館文庫小説賞に八坂堂連氏

第14回「小学館文庫小説賞」は、八坂堂蓮氏の『ドランクチェンジ』に決定し、5月10日に如水会館で贈呈式が行われた。
同賞は、ストーリー性豊かなエンターテインメント作品をジャンルを不問で募集するもので、『神様のカルテ』(夏川草介著)など多くのベストセラーを輩出している。今回は561篇の応募があり、小学館出版局文芸の全編集部員による最終選考会で受賞作を決定。贈呈式では、八坂堂氏に記念品と副賞百万円が贈られた。

生活実用書/注目的新刊

かつては男子厨房に入るべからずと言われたものだが、現代では死語になった。実際普通に台所に立つ男性は約4割いるというデータもある。
丸谷馨著『男が愉しむ料理入門-厨房でこそ男は若返る』(講談社+α新書618―1B838円)は各界有名人を取材しながら明かす、41人の献立とレシピである。
第1章野菜では、映画監督の羽仁進氏が作る「3泊4日ポトフー。フランス語で火にかけた鍋、という意味の通り豚肩ロース・腿肉と野菜を丸ごと入れて煮込むだけ。羽仁進氏が映像の編集にかかりきりになった時のメニューである。コツは最初に強火で沸騰させた時にアクを取り除くこと。後は弱火で4~6時間煮込めばいい。スープをラーメ
ンに使ったり、豚肉を出してチャーハン、ご飯を入れて洋風おじや、サワークリームを加えてボルシチ風、最後にはカレーライスにしてしまう。3泊4日の理由である。
他に、作家山根一眞氏のジャガイモのオーブン焼き、故橋本龍太郎氏の大根の霙煮飯など、和・洋・中全9品。
材料別の第2章以降にも、スペイン風オムレツ、魚料理から、手打ちうどん、燻製、パスタまで、豪快ながらも繊細な料理の作り方が、エピソードと共に紹介されている。
料理が作れたら、自慢し、ウンチクの一つも言いたくなるものだが、それならば食材にも目を向けてみたい。
西島基弘著『誰も知らない「無添加」のカラクリ』(青春新書PL397819円)は、メーカーの表示に惑わされないための基礎知識。
もやしはもともと無漂白が当たり前で、あえて無漂白と表示されようがされまいが、全部同じなのである。
では、糖質ゼロと糖類ゼロはどちらが糖分が少ないか?糖にはさまざまな物質があるのだが、簡単に図式化すると炭水化物>糖質>糖類、というわけで糖質ゼロの方が糖分が少ない。砂糖ゼロでも果糖や蜂蜜、オリゴ糖が入っている場合もある。カロリー無、ゼロなどは100㍉リットル中5㌔カロリー未満ならば表示できることになっている。カロリーオフの表示でも500㍉リットル3本で、ハンバーガー1個に相当するカロリーがある。
食の安全を知った上で料理を作ることができれば、一目置かれるに違いない。
(遊友出版斎藤一郎)

前年同期比で92・95%/2012年下期ABCレポート

日本ABC協会は2012年下半期雑誌発行社レポートを発表した。今回掲載した44社165誌の前年同期比指数は週刊誌93・76%、月刊誌92・71%で、合計では92・95%となった。
総合週刊誌は、部数トップの『週刊文春』が1万4千部増の48万部、『週刊新潮』が8千部増の36万5千部でともに部数を伸ばした。『週刊現代』は4万3千部増の42万4千部と40万部の大台を回復。『週刊ポスト』も3万3千部増の31万8千部と好調だった。新聞社系では、『週刊朝日』が1千部減の13万部とほぼ横ばい。『サンデー毎日』は1万3千部減の6万部と低迷した。
ビジネス誌は、『週刊ダイヤモンド』が3千部減の9万1千部、『週刊東洋経済』が5千部減の6万4千部。『プレジデント』は1万部減の16万8千部、『日経ビジネスアソシエ』は5千部減の6万2千部と、いずれも振るわなかった。
女性週刊誌は『女性セブン』が2千部減の25万6千部、『女性自身』が3千部増の24万5千部、『週刊女性』は3千部減の14万7千部とまちまちの結果に。
女性月刊誌では、『non・no』が横ばいの31万1千部。『with』は2万5千部減の19万1千部と20万部の大台割れ。『ESSE』は4万1千部増の34万4千部、『サンキュ!』は2万6千部増の27万8千部と盛り返した。

第21回パンパクに337名が出席/関西日販会

関西日販会は4月18日、大阪市中央公会堂で第21回関西日販会出版博覧会(パンパク)を開き、書店179名、出展出版社158名の計337名が出席した。
パンパクは、大阪、京滋、兵庫の3日販会が統合して発足した関西日販会としては2回目の開催。今回は出版社72社が出展し、各社がおすすめ商品について紹介する1分間の「得トーク」コーナーや商談会でアピール。日販からは1ブースが出展、文具パッケージ「Sta×2」を中心とした開発商材の提案やPRを行った。
会の冒頭で長谷川政博会長は「限られた開催時間の中で、参加書店が各ブースでの時間をゆっくり取って商談に集中できるようにした。有意義な商談を進めてほしい」とあいさつした。
恒例となった「得トーク」は、今回は事前に希望した出版社先着40社に限定。舞台上の出版社担当者をスクリーンに映し、前回同様に会場内のどこからでも見える演出を行った。また「得トーク」時間内は、各ブースでの個別の商談を控え、会場全体で参加できるよう運営を変更した。新たな試みとして、事前に各社おすすめ商品の紹介冊子を参加書店に配布。さらに出展社のおすすめ商品の見本を1ヵ所に集め、注文書とともに見本コーナーに配置して受注促進を図った。最後に総勢16名の「本や連」による南中ソーランの演舞が披露され、会場を盛り上げた。

吉本隆明全集成を来春から発行/晶文社

晶文社は、昨年3月に逝去した吉本隆明氏の評論などをまとめた『吉本隆明全集成』(仮題)を発行すると発表した。
吉本氏の著作は詩、文学論から政治、社会、宗教、文化、思想、消費社会についての論評など膨大かつ多岐にわたっており、『全集成』は全40巻(本巻36巻、別巻2巻、書簡集2巻)を予定。第1回配本は2014年3月を予定している。

流通改革、需要創出掲げる/14年度に書籍返品率25%へ/日販懇話会

日販は5月21日、東京・文京区の東京ドームホテルで「2013年度日販懇話会」を開き、取引先書店、出版社、日販関係者など総勢439名が出席した。
冒頭、4月に新たに就任した平林彰社長は第65期決算について「日販単体では売上高が5813億円で増収となった。書籍は増収だが、雑誌は減収。返品率は、書籍は改善したが、雑誌は悪化した。連結決算では売上高が7044億円で増収となったが、経常利益、最終利益とも減益となった」と述べた。
次に、業界の成長を牽引する戦略について「中期経営計画『Change』を先期からスタートさせたが、基本方針として〝出版流通の改革〟と〝新たな需要の創出〟を掲げている。流通改革で書店利益率を改善し、需要の創出で書店売上の拡大を実現したい。書店利益の向上に向け、『買上客数×客単価×マージン率=書店利益』という方程式を立てた。マージン率の向上については、PARTNERS契約による返品減少と売上拡大という側面と、High‐profit商品など高粗利商品の拡大という側面がある。この両方からアプローチし、14年度には書店マージン30%を実現させたい。返品率低減のため、取次からの配本でなく、書店の意思による仕入へと転換を図り、14年度には書籍返品率25%を目指す。買上客数の向上については、昨年から取り組んでいる『祭り』を引き続き展開する。客単価の向上については、雑誌の定期購読システム『Maga‐STOCK』の導入を図り、読者のついで買いを促進したい」と説明した。
また、戦略を実現させるために必要なインフラに関して「物流面では注文品のスピードアップ、着荷確約、品質の追求が求められている。『スーパーQuickBook』をスタートさせ、翌日店着・日祝日店着を実現させた。品質の追求については、雑誌包装フィルム厚の変更やコミック束シュリンク包装、『HonyaClub.com』の注文品の個別包装などを進めており、さらに拡大する。情報システム面では、昨秋発売した新POS『NP』の導入拡大を図るとともに、従来の『NOCS9000』を進化させた『NOCS7』として新たに発売した」と話した。
続いて安西浩和専務が仕入戦略についてプレゼンテーションを行い、出版流通改革の進捗と今後の方向性、取次からの配本ではなく書店からの仕入の方向に考えを転換すると説明。吉川英作専務は営業戦略についてプレゼンテーションを行い、書店店頭の売上にこだわり、利益を追求するため、充足率・不稼働在庫率・送品比率・買上客数の4つの指標を追いかけたいと説明した。
この後、京セラの稲盛和夫名誉会長が「欲望の文明から利他の文明へ」と題して記念講演した。