全国書店新聞
             

平成17年6月11日号

新理事長に丸岡義博氏/啓文堂久我山出店、地元で反対運動を準備/東京組合

東京都書店商業組合は6月2日に書店会館で定例理事会を開催。5月19日の理事会で再選されたものの辞意を表明していた萬田貴久理事長が退任し、新理事長に丸岡義博副理事長を選任した。「人心一新による組合活性化」を掲げて各委員会の担当副理事長および委員長構成も決まり、丸岡新体制が発足した。萬田理事長は5月19日の理事会で再選されたものの、翌20日に辞表を提出。24日の臨時理事会では副理事長、常務理事のみ選挙で決め、萬田理事長から出された辞表の取り扱いについては6月理事会で決定することになっていた。
理事会の席上、萬田理事長はあらためて辞意表明し、理事会は辞表を受理。筆頭副理事長の丸岡氏を後任理事長に選任した。すでに丸岡氏は日書連通常総会で日書連会長にも選ばれている。これに伴い空席となった副理事長には筆頭常務理事の岡嶋氏を選任。萬田前理事長は理事として留まる。丸岡理事長は「ポイントカード、景品規約、組合員減少、取引慣行是正など問題山積だが、中小書店が生き残れる環境作りに向けて努力する。人心一新を掲げ、有能な人材を引き上げて組合活性化を図っていく」と所信表明した。
出店問題では、京王井の頭線久我山駅構内への京王電鉄・啓文堂書店出店について、久我山書店など久我山で営業する2書店が中野・杉並支部、地元商店街とともに、出店差し止めの仮処分申請を年内に行うべく準備していると報告。同支部からの支援要請に対して、署名とカンパについて支部単位で協力することを決めた。
久我山書店・山田洋一氏は別掲の駅舎内出店阻止運動への協力要請文を作成。「東京中の書店が『明日はわが身』と関心をもって署名に協力していただきたい」と求めた。これを受けて、万引・出店問題委員会の小林委員長と下向担当副理事長は「力を合わせて支援しよう」と呼びかけた。
〔駅舎内出店阻止に協力を〕
昨年8月、京王電鉄の100%子会社、啓文堂書店が武蔵野支部の反対運動の中、京王井の頭線吉祥寺駅に550坪で開店。今度は今年12月、87坪で同・久我山駅に出店する。乗降客数3万人に満たず、売上の半分は通勤通学帰りの読者。そのお客さんが1ヵ所しかない改札口を出た目の前に出店する。喉元に短刀を突きつけられたようなもの。家族の総力でなんとか営業している我々2書店に対し、公共性のある鉄道会社は国の保護下で融資、税金、土地所有など有利に営業している。そのような大企業が中小書店の息の根を止めていいのか?鉄道営業法でも地元中小企業への配慮がうたわれている。我々の生活権を勝手に奪い取っていいのか?許されない!駅舎内出店が目白押しの昨今、ぜひ駅舎内出店阻止運動に理解と協力を。
〈東京組合役員〉
▽理事長=丸岡義博(廣文館書店)
▽副理事長=大橋信夫(東京堂書店)下向磐(分梅書店)柴崎繁(王様書房)岡嶋成夫(ブックロード)
〈各委員長〉
◇総務・財務=丸岡義博(総務担当)大橋信夫(財務担当)
◇組織=鳥井匡(大橋副理事長担当)
◇指導・調査=小泉忠男(下向副理事長担当)
◇経営・取引=越石武史(大橋副理事長担当)
◇流通改善=岩瀬且敏(柴崎副理事長担当)
◇雑誌発売日=梅木秀孝(柴崎副理事長担当)
◇万引・出店問題=小林正典(下向副理事長担当)
◇事業・増売=奥村弘志(大橋副理事長担当)
◇厚生=家田通久(岡嶋副理事長担当)
◇共同受注=山田洋一(柴崎副理事長担当)
◇出版物販売倫理=高岡和夫(下向副理事長担当)
◇読書推進=舩坂良雄(岡嶋副理事長担当)
◇再販研究=秋葉幸伸(岡嶋副理事長担当)

支払い60日サイト求める/組織基盤強化へ白熱の議論/北海道総会

北海道書店商業組合は6月6日、札幌市中央区のJRタワーホテル日航札幌で第29回通常総会を開き、組合員126名(委任状含む)が出席した。
総会は久住邦晴副理事長の司会で進行し、志賀健一理事長があいさつ。「取引慣行是正で、北海道は支払いサイト60日を求める運動を盛り上げていく。鳥取、島根、山口3県は今春から雑誌発売日3日目から2日目地区になった。北海道も早急に2日目地区へ改善を求める要請行動を強化し、最終的には全国同時発売実現を目指す」と述べた。
続いて来賓の日書連・丸岡義博会長があいさつ。最重要課題としてポイントカードに言及し、「低率ポイントカードを研究するが、認めたわけではない」と日書連の見解を説明した。廃業による組合員数減少については「現行取引システムの弊害が影響。経営実態調査を実施して、支払いサイト問題を含めた新システム構築を図る」と述べた。
議案審議では村上正人氏を議長に選び、2004年度事業報告、収支決算報告、2005年度事業計画案、収支予算案など全議案を原案通り承認。このうち情報化推進対策では、TRCとの戦いと日書連MARCの普及に引き続き取り組んでいくとした。さらに、今後、全道規模へと拡大が懸念されるTRC問題対策として、官公需適格組合証明申請を行うことを承認した。広報活動問題については、昨秋から胆振、十勝、根釧、道南、道央の各地域から広報委員を選任し、複数広報委員で全道をカバーする体制を確立。書店新聞への通信本数増加など効果があがっているとの報告があり、今後も情報共有化を図ることで閉塞感を打破したいとした。また、昨年札幌支部が実施した本屋のオヤジのおせっかい「中学生はこれを読め!」フェアを今年は全道で展開するとの報告があった。
質疑応答では組合員数減少による組織・財政基盤弱体化を懸念する意見が相次ぎ、「少数精鋭の身の丈に合った組織作りを」「現場感覚を重視した組織改革が必要」「組織率が低下し組合の発言権は弱まっている。今後はより読者利益の観点に立った活動をすべき」などの提案があった。

日書連マーク推進で成果/中村晃造理事長を再任/京都総代会

京都府書店商業組合は5月30日午後2時より京都市中京区の京都ホテルオークラで第21回通常総代会を開催、総代41名(委任状含む)が出席した。
総代会は黒澤氏(アポロン書房)が開会を宣言した後、中村晃造理事長(桂書房)が「京都組合もご多分に漏れず組合員数減少に歯止めがかかっていないが、図書館向けデータ『日書連マーク』の普及・推進を図り、地元書店から図書を購入するように働きかけるなど、書店のためになる組合活動を行ってきている。今後も鋭意努力していきたい」とあいさつした。
議長に冨田氏(葵書房)、副議長に野村氏(宮脇書店京都店)を選任し、事業報告、会計報告、監査報告、組合員異動報告を理事長、副理事長、各委員長が行った。質疑応答では「日書連マークの普及を京都市以外の府下にも強力に推進してほしい」との要望も出た。
休憩を挟んで事業計画案の説明があり、従来の施策を強力に推進していくことが報告された。総代数異動による定款一部変更、理事・監事任期満了に伴う改選が行われ、総代45名、理事22名、監事3名の候補者を承認。議案は全て承認され、閉会した。
閉会後、①役員勤続、優良従業員②お話しを絵にするコンクール③小学一年生飾りつけコンクール④小学一年生増売コンクールの表彰が行われた。また平成17年度第1回定例理事会を開催し、新理事長に中村理事長が再任された。引き続き午後5時から懇親会が行われた。
(棚橋良和広報委員)

生活実用書・注目的新刊

『写真と地図で読む!知られざる軍都多摩・武蔵野』(洋泉社MOOK1000円)は、東京郊外に今なお残る軍事施設や軍需工場の痕跡をたどったもの。
東京の下町で生まれ、郊外の多摩で育ったものだから、当時、近寄ってはいけないと子供同士でうわさし合った場所がいくつかあった。それは今から見れば他愛のない所のこともあるのだが、本書の地図を眺めてみると、軍事施設の一つだったりする。たとえば玉川上水を越して、小平と小金井市の境、東京学芸大学がある辺りには多摩陸軍技術
研究所があった。兵器からレーダーまで研究されていた。写真からも、恐ろしい時代の空気が垣間見えるようだ。
特攻隊が飛び立った調布飛行場跡は大学などに変わったが、今も飛行場防衛のための高射砲台座が残されている。
遠足で行った古墳時代後期の墓穴「吉見百穴」も「中島飛行機吉松地下工場」としてエンジン制作部門を疎開させる場所だった。地下の秘密工場、毒ガス研究所など25の戦争遺跡が紹介されるが、現在はどこも人々が平和に暮らす住宅街である。その身近な場所ばかりなことに驚く。たった60年前のことなのに、人は戦争を忘れたのだろうか。
粕谷一希著『鎮魂吉田満とその時代』(文春新書431790円)。「戦争で払った数百万の犠牲、その死者への鎮魂を願った戦中派の真意はどこにあったのであろうか。吉田満の生涯を尋ね、その時代を、吉田満という人格を核として眺めることは、そうした問いに対する展望を切り拓くことになるはずである。」と書き第七章まで雑誌に連載した後、20年の中断を経て上梓された本。学徒出陣の士官が特攻出撃の全過程をつづった『戦艦大和ノ最期』(講談社文芸文庫940円)の著者でもある吉田満氏の生涯を語りながら、「戦争」の時代との格闘が描かれる。
終戦の年に生まれた赤ん坊が60歳という還暦の年齢になる2005年。戦争を知る世代は本当に少なくなってきている。主義主張はさまざまあって当然だが、人間の命を問うことでもある。戦争の悲惨さや愚かさは、せめて書物によって伝えられなければならないだろう。平和ボケの現代ではなおさらである。若い世代にこそ薦めたい本である。(遊友出版・斎藤一郎)

新会長に小宮仁氏/東京青年部総会

東京都書店商業組合青年部は6月7日午後4時半から文京区の東京ガーデンパレスで第15回通常総会を開き、組合員103名(委任状含む)が出席した。
総会は吉田圭一理事の司会で進行。澁谷眞会長はあいさつで、取次配本システムの現状に疑問を呈し、「皆で力を合わせ街の書店の灯を消さないでいこう」と結んだ。
議長に原田福夫理事、副議長に高岡和夫理事を選任して審議に入り、平成16年度活動・会計報告、平成17年度活動計画、収支予算を可決承認した。質疑応答では、売上げが伸び悩んでいる区分地図の販促強化を求める意見が出され、各支部で数名の販売員を決めて販促に取り組むなどの施策が示された。
役員改選では会長に小宮仁(こみや書店)、副会長に山辺真次(やまべ書店)、上地進二(千歳書店)の各氏を選出。小宮会長は「現場で出てくる問題を理事会に上げてもらい、解決の道を探っていきたい」と所信を述べた。
相談役の東京組合・丸岡義博理事長は「日書連総会では、書店経営実態調査の実施と取引条件の改善、再販制度下における書店の役割明確化、活字文化発展のための読書推進運動という3点を打ち出した。一生懸命頑張りたい」とあいさつした。

中小書店経営に寄与する事業を推進/福井総会で安部新理事長

福井県書店商業組合は5月17日、芦原温泉「開花亭」で第22回通常総会を開催した。
勇退を表明していた角谷和男理事長はあいさつで7期14年を振り返り、組合員の協力によってこの間の数々の事業や組合運営を無事に成し遂げられたことに感謝し、今後は青年部が中心に活動していくことを示唆し新理事長に託した。
事業計画では、6月22日午後2時より福井県職員会館2階で「日書連マークと学校図書館納入研修」を長尾幸彦氏を講師に開催、7月には青年部を中心に東京研修(東京国際ブックフェア参加)を予定。各議案成立後、役員改選に入り新理事長に安部悟氏(安部書店)、新任の副理事長に福田慶文氏(福田書店)、監事には青年部より三澤宣治氏(日章ブックス)が選任された。安部理事長は、厳しい中小書店経営に寄与する形で今まで以上に具体的な事業を推進していくと述べ、理事及び組合員のより一層の協力を要請した。
懇親会では角谷前理事長に対する感謝や労いの言葉と、新理事長への期待の言葉が交錯し、遅くまで和やかに宴が続いた。
(清水祥三広報委員)

高島理事長が退任/福島総会

福島県書店商業組合(高島季雄理事長)は5月18日に磐梯熱海「四季彩一力」で第21回通常総会を開き、組合員71名(委任状含む)が出席した。
総会は岡部貢治専務理事の司会で進行。長沢明彦副理事長が開会宣言し、高島理事長があいさつ。議長・副議長に佐藤栄一氏、佐藤正雄氏を選出して議案審議を行った。
恒例の各支部提出議案では、県北=TRCの図書館等の直取引反対、ポイントカード問題の早期決着、県中=再販堅持、日書連共済会の加入拡大、県南=公費購入は必ず地元書店から、いわき=取次の決算期の送品及び入帳問題、相双=書籍の消費税率アップ反対、読書推進運動、日書連の組織強化、会津=①公共団体及び図書館は適正価格で地元より購入せよ。再販商品である出版物に入札制度は基本的になじまない――などの要望や意見があった。
なお、総会に先立つ理事会で、理事20名を18名に減らして選出。総会では監事2名のみを決定し、次の理事会で理事長、副理事長3名、専務理事を選出する予定。高島理事長、佐藤副理事長、長沢副理事長が退任した。(佐藤良平広報委員)

「ピーコとサワコ」刊行記念して楽しいトークと音楽/東京組合

東京都書店商業組合は6月1日午後7時から品川プリンスホテル・クラブeXにペア250組、500名の読者を招待して「ピーコと阿川佐和子トーク&シャンソン」を開催した。世界本の日=サン・ジョルディの日記念文化講演会として開かれたもので、『ピーコとサワコ』を刊行した文藝春秋が協賛した。
主催者を代表して東京組合大橋副理事長は「毎年、4月23日はスペイン・カタルーニャで男女が本と花を交換する日。ユネスコでも本の日と定め、書店組合が普及のため各地で文化講演会を開いている。皆さんは5250枚の応募者から選ばれた運の強い方。文藝春秋の『ピーコとサワコ』もお買い求めを」とあいさつした。
ピーコと佐和子のトークはファッション、映画から恋愛、結婚、タレント評まで、次から次に毒舌と、おとぼけの連続で、あっという間の1時間。後半はピーコがピアノの伴奏で「私はひとり片隅で」「ボン・ボワイヤージュ」などのシャンソンを披露した。

今秋から段階的稼動/桶川SCMセンター内覧会行う/トーハン

トーハンは6月2日午前9時半から「トーハン桶川SCMセンター」の竣工式を行い、引き続き11時より出版社158名、建築関係、取次など106名、計264名を招いて内覧会を行った。
同センターは1万9800坪の敷地に5階建て、延床面積2万3100坪からなる大型物流センター。各階は書籍注文品センター、書籍返品センター、書籍商品センター、本の特急便/EC事業、出版QRセンターに分かれる。駐車場は600台収容、トラックバースは10t車42台が接岸可能なスケール。
11月には書籍返品センター、SCMデータセンターが稼動し、平成19年には全面稼動。80万アイテム、1800万冊を在庫して、従来、支店在庫21カ所、首都圏物流センター10カ所に分散していた書籍物流を統合する。各出版社との物流協業化を図る「出版QRセンター」は6月に設立し、8月から稼動の予定。
内覧会に続いて行われた懇親会では、トーハン上瀧会長が「センターの狙いは業界のSCM構想。欠品、品切れ、無駄な返品のないシステムを目指している。完成のあかつきには、業界インフラとしてお役に立ち、出版文化の向上に寄与する。思い起こすのは須坂の出版団地構想。トーハンも積極的に推進したが、バブル崩壊もあり、途中であきらめざるをえなかったことに責任を感じている」と、あいさつ。
新潮社佐藤社長は「出してはいけない無駄をなくすのがSCM。秋の完成を期待している」と祝辞。イトーヨーカドー鈴木会長は「50年前、トーハンに入社して半年間、雑誌返品を整理しながら版元の名前を覚えたことを考えると、隔世の感がある。今はモノ余りの時代で出版物も同じ。日本ぐらい消費に厳しい国はなく、アメリカの流通は相当遅れている。新しく出来た建物は世界一。消費者、読者の立場からのシステムに大いに期待している」と述べ、講談社野間副社長の発声で乾杯した。

東京組合表彰者

永年勤続従業員(10年)=斉藤進(農文協農業書センター)、宮内章裕、鈴木昇(流水書房)、町田恵美(明正堂)、栗林和子(豊文堂書店)、三浦悟(ブックスページワン)、伊藤成美(第一書林)
同(5年)=木村ちか子(内山書店)、飯塚圭子(泉書房麹町店)、佐野宏子、津野祥代(本吉書店)、須澤敏子(川島書店)、倉本誠、苅和野東(末広堂書店)、千葉博史(小泉書店)、今井真史(久美堂)
組合功労者=奥川禮三(みどり書房)、舩坂良雄(大盛堂書店)、岩田五郎(法文堂書店)、根岸勇三(埼玉屋書店)、鳥井匡(文栄堂書店)、本間守世(本間書店)
支部功労者=柴田信(信山社岩波ブックセンター)、相田俊郎(相田書店)、関口勉(関口書店)、木村正博(栄文堂書店)、町田豊(町田書店)、滝沢正之(丸升書店)、金田睦夫(恒陽堂)、大貫稔(大貫書店)、岩本孝雄(日新堂書店)、和久井宣雄(和久井書店)

4月期は2.0%減/雑誌の落ち込みを反映?/日販調べ

日販経営相談センター調べの4月期書店売上げは前年比2・0%減で、5カ月ぶりにプラスだった先月から一転してマイナスに逆戻りした。
規模別では121坪以上店が0・3%減とほぼ横ばいだったが、40坪以下店と41~80坪店がともに3・4%減、81~120坪店が4・3%減と軒並み前年割れした。立地別では商店街が5・3%減と落ち込みが目だった。
ジャンル別ではコミック、児童書、文庫の3ジャンルが前年を上回った。コミックは『ONEPIECE』(集英社)『PLUTO』(小学館)の新刊が寄与して4カ月連続の前年クリア。逆に文芸書は4カ月連続の前年割れで、『世界の中心で、愛をさけぶ』などが好調だった前年の反動を受けた。
客単価は平均1120・6円で前年比1・7%増。

北から南から

◇長野組合第21期通常総会
6月25日午後1時半から千曲市戸倉上山田温泉・千曲市観光会館で開催。宿泊はホテル晴山。翌日朝食後解散。会費6千円。

人事

◇中央社(6月2日付)
〔機構変更〕
1、仕入部に書籍総括課を新設する。2、営業倉庫部を廃止する。
〔告示〕
委嘱・業務部長兼任、解・営業倉庫部長兼任委嘱
常務取締役外山義朗
委嘱・販売部長、解・業務部長委嘱
執行役員小暮豊博解・販売部長兼任委嘱
執行役員斎藤進
〔辞令〕
仕入部長代理兼書籍仕入課長兼書籍総括課長(書籍仕入課長)足立良二
業務部長代理(雑誌業務課長)渡辺裕造
◇小学館PS(5月30日、◎昇任、○新任)
代表取締役社長(営業本部本部長)◎加藤醇司
代表取締役相賀昌宏取締役○大住哲也
同○早川三雄
同(総務本部本部長)
今津貞彦監査役○大木武志
役員待遇(関西支社長)
寺西洋同(CSC本部長・九州支社担当)石井伸二同(首都圏支社長)
福井雄治
国近紘一社長は顧問に。小泉明允常務、蜂谷紀生取締役、猪俣光一郎監査役は退任。
◇河出書房新社
(6月1日付)
雑誌事業室室長兼務を解く(営業部部長兼雑誌事業室室長)伊藤美代治
営業部部長代理兼販売1課長(同次長兼企画広報課課長)◎岡垣重男
同販売3課長(同3課長代理)◎七澤博史
同販売2課長代理(販売1課長代理)菊池真治
同企画広報課長代理(販売2課長代理)諸橋実生
同販売3課長代理
◎日高道雄
◇フレーベル館
代表取締役社長
北林衛
常務取締役重野邦雄
同小宮高
取締役鈴木晴夫
同中野治
同後藤明敏
同(非常勤)大湊満
同○石井美行
非常勤監査役副島豪

大阪屋友の会連合大会に374名出席/5年後1500億円目指す

大阪屋友の会連合大会が6月7日、8日の両日、びわこ温泉「旅亭紅葉」で開かれ、書店、出版社など374名が出席した。
7日午後3時から行われた総会であいさつした田村定良連合会長は「出版業界は昨年、8年連続のマイナス成長を免れたが、今春の状況を見ると楽観はできない。売り手が一生懸命になっても、消費者との間でミスマッチを起こしていないか。5月から全店でお客様に不満がないか聞いている。田村書店では注文品は
1週間で90%入荷するが、お客は3日以内を望んでいる。1日でも早く、客注を受けた段階で在庫の有無がわかればと思う。大阪屋のポータルサイト『ほんつな』に期待している。消費者の期待に添えば活路は開ける」と述べた。また、来年の40回大会は6月6日、三重県賢島で開催すると発表した。
活動報告、GOGO増売キャンペーン入賞店特別表彰などのあと、大阪屋三好社長が祝辞。今期の業績に触れ「58期売上げは目標の1100億円には及ばなかったが、101・81%の伸びで創業以来最大の1090億円台。5年後の創立60周年には1500億円を目標とする」と第7次中期経営計画を説明した。
今期の主要な取り組みとして、三好社長は「ほんつな」を紹介し、本と読者の豊かな出会いをWEB上で演出。ブログを用いて連想検索サービスを実現した画期的サイトと強調した。
出版社を代表して光文社並河社長のあいさつに続き
日書連面屋副会長が祝辞。同副会長は5月に退任した
萬田会長について「8年前の就任直後から再販擁護に取り組み、最後まで公取委と折衝を続けてきた。野口課長など公取委の担当者も替わり、人心を一新してあたり、再販を守ってほしいということではなかったか。今後、お互いに力を合わせ再販を守っていきたい」と述べた。
このあと、三好社長が大阪屋の開発したポータルサイト「ほんつな」を約30分にわたって紹介。直木賞作家、山本一力氏が「生き方雑記帖」を特別講演した。

3期連続で増益決算/売上微減の7096億円/日販

日販は6月29日の株主総会に先立ち、第57期(17年3月末締め)決算概況を発表した。今期はメガヒットに恵まれた書籍の売上げが好調だった反面、雑誌、開発商品の売上げ不振をカバーできず、売上高は対前年0・7%減の7096億2700万円となった。内訳は書籍2559億1600万円(3・0%増)、雑誌3600億8300万円(2・1%減)、開発商品936億2800万円(4・7%減)。
返品率は書籍が0・5ポイント改善し37・9%。雑誌は1・0ポイント上昇し33・6%。開発商品は2・9ポイント上昇して7・9%となった。返品率の上昇を受けて、荷造り運送費を中心に販売費が増加したが、一般管理費は退職給与費用を中心に減少し、営業費用合計では対前年0・7%減。営業利益は7・9%増の143億3300万円、経常利益も19・1%増の58億1900万円と3期連続の増益となった。税引後当期純利益は前期より14億強多い24億1900万円。株主配当は1割2分の6円に増配する。
取締役改選は現在の15名が全員留任するほか、新しくカルチャー・コンビニエンス・クラブ社長の増田宗昭氏を取締役に迎える。
期中の増床は366店、3万9861坪。減床409店、2万8331坪。
〔損益計算書〕
(単位百万円)
売上高709、627
売上原価633、362
売上総利益76、265販売費及一般管理費
61、931
営業利益14、333
営業外収益1、076
受取利息148
その他927
営業外費用9、590
支払利息4
売上割引9、441
その他の費用143
経常利益5、819
特別利益516
特別損失2、172
税引前当期純利益
4、162
法人税、住民税及事業税
1、993
法人税等調整額
▲250
当期純利益2,419
前期繰越利益864
土地再評価差額金取崩額
951
当期未処分利益4、236

本屋のうちそと

紫陽花が色鮮やかに見えてきました。鬱陶しい入梅の季節、少しでも元気を出して仕事に励んでます。
出版物はこれから先、どうなるのか。昔からの書物はこれからも残るだろうが、扱い方は変わっていくと思う。現物で残る。マイクロフィルム、電子辞書、インターネットとして残る。少し前の電子ブックは、ソフトを入れ替えて辞書になったり薬の手引になったり医学書になったりした。あまり普及はしなかったが印刷物が電子化されていくきっかけになった。
いまや、辞書が何十冊も入っている電子辞書が普及している。授業中に紙の辞書を引くのではなく、電子辞書で調べさせる学校がある。便利で有効かもしれないが、紙の辞書を引きながら前後の言葉も覚えていくのではないか。電子辞書ではどうなのだろうか。それが時代かな。
電子辞書が出回り、紙の辞書の市場規模が年々縮小していく。辞書の半分程度は電子辞書に替わりつつある。出版社も電子辞書を作り、ブランド価値を高めようとする。百科事典などもこれから手がけていくようだ。家電メーカーに頼るのではなく出版社が独自に作る強みもある。出版社発売の電子辞書は書店のみで扱うのだという。書店も今までとは変わってくる。子どもがいる家庭では、インターネットで宿題を調べていくとか、作文、論文もパソコンが使用され、一般の本の売れ行きは悪くなっていく一方です。インターネット注文、コンビニ受け取りとますます書店の経営を圧迫していく。(とんぼ)