全国書店新聞
             

平成19年7月21日号

参加出版社は過去最多/雑誌定期購読キャンペーン

2007雑誌愛読月間が7月21日から始まった。すでに1日からキャンペーンの一環として定期購読キャンペーンがスタートしており、期間中に書店店頭で雑誌年間定期購読を申し込むと1カ月分がサービスになる。今年の参加雑誌は39社から87誌。昨年は過去最高の9727件の予約を獲得しており、今年の参加出版社は今までで最多。雑誌の売行き回復へ期待が大きい。
キャンペーン・ポスターのキャラクターには、人気アイドルのほしのあきさんが起用され、「めくってる?」と、雑誌を手に取るよう呼びかけている。
雑協では雑誌売り伸ばしのアイデアを書店から募集しており、年内にハンドブックにまとめる予定。

柏崎で店舗全壊も/新潟県中越沖地震

7月16日に発生した新潟県中越沖地震による書店被害は、柏崎市で建物全壊があった模様。17日現在、トーハン、日販がまとめた被災状況は以下の通り。
〔日販調べ〕
▽尚文館=店舗全壊、自宅部分も散乱し、営業再開めど立たず、立ち入り危険区域に▽文化書院=店舗入口のガラス壊れ、床ひび割れ、営業再開見込み立たず▽高琳堂、ツタヤ柏崎岩上店=店舗外観は問題なし、棚商品散乱状態。
〔トーハン調べ〕
柏崎市=4店(棚商品落下、営業停止中。什器破損)、小千谷市=4店(棚商品落下、スプリンクラー作動、店内水浸し、営業停止中1店)、見附市=3店(棚商品落下、営業停止中1店)、三条市=2店(棚商品落下、営業停止中1店)など

消費税率据え置きに/大橋会長が当面の課題/東北ブロック大会

第59回書店東北ブロック大会が7月12日、会津・東山温泉「御宿東鳳」で開かれ、出版社・取次・輸送など134名、東北6県の書店70名が出席した。大会第1部であいさつした日書連大橋会長は、日書連の当面の課題として参院選挙後に予想される消費税率上げへの対応で「出版物は税率据え置きの運動を」と述べたほか、取次との取引条件見直し問題をあげ、「各県組合からの要望をもとに改善を目指したい」と日書連の方針を説明した。
東北ブロック大会は第1部が組合員のみ、第2部は出版社、取次を交えた大会、第3部が懇親会という構成。
第1部は福島組合小林政敏専務理事(福島西沢書店)の歓迎あいさつで始まり、藤原直ブロック会長が「書店というビジネスモデルが崩れかけている。売上げが上がらない中で出版点数だけ増え、読者の目に触れないまま返品される。付加価値が高く、高い利益配分ができる商品をと新販売システムを提案した。今年は第2弾を企画している。粗利が4割あり、がんばる書店に利益が上がる仕組み。協力をお願いしたい」とあいさつした。
続いて日書連大橋会長が日書連報告を兼ねてあいさつ。日書連の課題について
「当面、再販は動かないだろうが、参院選後に消費税率アップの議論が起こるのは必至。出版業界4団体は税率5%据え置きを申し合わせている。欧米でも出版は食料品と並んで軽減税率にしている。消費税率が上がれば出版業界に壊滅的な打撃を与える」と指摘。
さらに、丸岡前会長からの引継ぎ事項として取引条件の見直しを上げ、「事業者団体のガイドラインに触れないように気をつけるが、返品入帳にしても月末まで入帳は可能。(改善に)資金がいるのはわかるが、現状では書店がその分を負担している。目標を掲げて取次と話したい。各県組合も要望を出して日書連を後押ししてもらいたい」と呼びかけた。
藤原会長を議長に進められた議事では、会計報告、一般報告を原案通り可決。次年度当番県として山形組合を紹介し、拍手で承認した。
大会第2部の冒頭、歓迎あいさつを行った福島組合西猛理事長は、今年の県組合総会で①雑誌荷傷み改善、②返品入帳迅速化、③図書カード注文金額の小額化、④学校図書館に日書連マークを、⑤高齢者にやさしいシステム開発、⑥組合員増強、⑦正味下げ粗利の拡大、⑧支払いサイト60日に――の要望があったことを紹介して、大会を通じて三者の理解と懇親を深めようと述べた。
このあと、白虎隊記念館館長早川廣中氏が「会津藩に学ぶ品格」を記念講演。第3部は大宴会場で出版社・取次・書店の三者による懇親会を行った。

春の書店くじ特賞当選者

札幌市・白川大介(アイブック西友西町店)、二本松市・高橋直也(若松屋書店)、板橋区・小林由美子、同・谷口智子、栗東市・柴田俊寿、吹田市・太田知里(紀伊國屋書店梅田店)、住之江区・有田優美子(スミレ書店)、伊予市・石田美多嘉、博多区・宮本博子(紀伊國屋書店福岡本店)、大牟田市・田中美和(積文館書店ゆめタウン大牟田店)、豊見城市・金城翼(ブックスきょうはん豊見城店)計11名
(敬称略、カッコ内は発券書店名)

うみふみ書店日記/海文堂書店・平野義昌

世の中にはほんとうに「いい人」「いいお客様」がいらっしゃいます。ある方、拙著がたまたま裏向けになっているのを、第2作が出たと勘違いして再び買ってくださった。私、後日聞いて思わず、「あわてもん!」と叫びそうになりました。ご本人は「お友だちにあげたからいいのよ」と涼しいお顔。こんな方があと数十人いらしてくれたら私も版元も大助かりです。
「あわてもん」では人様のことを申せません。平日昼下がりひとりで奥様向け情報番組を見ているとお思いください。CM前に予告テロップ「(某大書店に)『本屋さん』コーナー登場」と出ました。ひょっとしたら拙著も紹介されるかと、数分間でビデオ(DVDちゃう)セットするわ、トイレに走るわ、湯呑みとお菓子持って坐り直すわと、大騒動。今か今かと待ちおれば、次の瞬間思わず赤面、火が出て爆発状態。番組内の新刊本紹介のコーナー名が「ザ本屋さん」、これまで紹介した本を梅田の「紀」さんがフェア展開しているというお話。関東人に「このバーカ!」と罵られても返すことばもなし。「ひとりよがりの目立ちたがりの自意識過剰の恥知らず、自己顕示欲丸出しのおっちょこちょいの出しゃばり」。知らん限りの悪口雑言罵詈罵倒のションベンカーブを八分の力で敬遠気味投球。自己嫌悪のフラッシュバックがちびりちびりと沁み出て、穴があったらヘッドスライディング体勢。皆さんに懺悔して反省の気持ちを表さねば気がすみません。放屁して知らん顔はできないのです。ネタにして駄文のひとつもでっちあげねば関西の阿呆がすたるというもの。もう意味不明です。子等よ、粗忽な父を許せ。
「子等」で思い出しました。私の文を読んでいるバイト君が、娘は登場するのに息子の話がないと疑問を呈してきました。「反抗期っすかあ?」「仲悪いんすかあ?」。指のサカムケに着色料たっぷりの辛子塗り込むな。返答の一首。「イケメンのアイドルデビュー邪魔したないオヤジ寂しく独りごつ」。
そう、「いい人」の話。豊田和子『記憶の中の神戸』(シーズプランニング)という本のこと。著者が育った湊川神社周辺の戦前から戦後の思い出を綴った画文集です。お友だちが応援団で、売行き調査に来店されます。一時品切れにして、たっぷりと「お小言」を頂戴。新聞に記事が載るや、その方がカラーコピーをご持参。不規則な折り目がご愛嬌。「原画が写ってるからカラーがええやろ。海文堂にあるとみんなに言うてある」。厳しく言うが面倒見る、ご老公の厚意、拙者ありがたく。

厳しい経営の報告相次ぐ/鬼怒川で関東ブロック会総会

書店関東ブロック会(鈴木喜重会長)は7月8日午後2時から栃木県日光市鬼怒川温泉「まつや」で総会を開催。関東6県書店組合幹部と日書連大橋会長、大川専務理事が出席した。
総会は栃木組合渡辺順一理事の司会、鈴木功副理事長の開会で始まり、冒頭で鈴木ブロック会長が「今年は、〝さらに元気の良い書店〟が関東ブロックから出るように日書連も全面協力したい」と力強くあいさつ。続いて鈴木会長の司会で議事を行なった。
各県組合報告では、各県とも経営現状のさらなる厳しさ、それに対する対策の不透明、先の見えない業界の行く末を訴えた。出された意見は、①無謀な大型店の出店、それによる売上の低下。②返品入帳の短縮は日書連の課題。③取次に対する支払いサイトの延長。④共済会のお金の使い道、等々。
この報告に対し大川専務理事が日書連の考え方を説明し、最後に大橋日書連会長が「日書連として出来ること出来ないことはあるが、全面的に書店のために協力する。書店は日書連を支える力を見せてください」とあいさつして閉会した。(落合均広報委員)

新役員披露・旧役員慰労会を開催/京都組合

京都府書店商業組合(中村晃造理事長)は6月27日に平成19年度「新役員披露・旧役員慰労懇親会」を京都市内で開催。出版社や取次からも出席を仰ぎ、総勢44名が参加した。
中村理事長はあいさつで「このような交流の場を活用し情報交換することで書店・取次・出版社が三位一体となり、不振を乗り越えていくことが不可欠だ。これからは書店側主導で企画・提案し、売り伸ばしを図る必要もある。京都組合が立ち上げた『ITサポート委員会』が書店のIT導入をバックアップしていくことで、売上げの向上に貢献したい」と述べた。
来賓からは、書協京都支部長の学芸出版社代表取締役・京極迪宏氏、取次京栄会を代表してトーハン京都支店長・辻野光洋氏のあいさつを賜った。退任役員を代表した有隣堂・矢守治郎氏は謝辞として、理事任期の歳月を振り返るとともに、自店の八十余年の歴史をさらに長く刻む努力を今後も続けたいと締めくくった。村田副理事長のあいさつで開宴すると、同じ出版業界に身を置く者同士が垣根を越えて語り合い、親睦をより深める場となった。
(澤田直哉広報委員長)

日書連マーク研修会を実施/兵庫移動理事会

兵庫県書店商業組合(三上一充理事長)は、7月10日にイーグレ姫路で移動理事会を開催した。
理事会開催前の午前中には、井上書林(井上喜之社長)を訪れ日書連マーク研修会を実施。情報BOXの本屋ツールを使って、実際の作業の流れを見学した。理事会では、支部報告で第1支部より以前から申し入れのあったジュンク堂の本部登録の件について、各支部間での調整方法の提案があり了承された。第3支部からは、JR尼崎駅前「アミング潮江」内への書泉ホピスタ(トーハン帳合)出店対策会議の報告があった。トーハンからの連絡はオープンわずか2週間前だったことから、できるだけ3カ月以前に連絡をもらえるよう、今後とも取次各社に申し入れていきたいと述べた。
日書連共済会解散に伴う分配金について、近隣組合の処分状況を報告。大杉委員長は兵庫組合の処分方法について、いくつか案をあげて協議を行ったが、最終的には執行部で決定し次回報告することとなった。
理事会終了後、発売日励行委員会のメンバーと共に、過日兵庫県商工功労者表彰を受けた森井宏和副理事長(森井書房)の受賞記念祝賀会をイーグレ・キャッスル・ミレで開催。兵庫県議会・五島議員、姫路市議会・木村議員をはじめ業界からもお祝いに46名が駆けつけた。祝賀会は安井唯善氏(安井書店)の司会で進行し、来賓あいさつに続き坂上勝氏(NHK出版)の乾杯で祝宴に入った。眼下に姫路城を臨みながらの設営は祝宴を一層盛り上げた。(中島良太広報委員)

面屋副会長が消費税問題で講演/北信越ブロック会

日書連北信越ブロック会(西村俊男会長)は7月8日、石川県山代温泉「ゆのくに天祥」においてブロック会議を開催し、10名が出席した。
はじめに日書連・面屋龍延副会長が、日書連の現状と今後の方針について講演。「参議院選挙後は消費税アップが見え隠れしている。出版業界では学術・文化・教育には免税または軽減措置を取るべきだと主張してきた。海外では書籍・雑誌・新聞は非課税または0%の国が多い」などの話をいただいた。
各県報告では、新潟県が、組合員減少による財政問題で組合費を上げざるを得ないと報告。石川県は、金沢市に千坪超の大型書店が3店も出現、既存書店の売上げ減少等経営の苦境を訴えた。長野県は、来年2月に組合創立百周年記念式典を開催するため皆様の出席をたまわりたいとの要請と、絵本ワールドの成功が組合収入の一助になったが、組合員の減少で財政困難だと訴えた。福井県は、外商専門になったお店の話題や、組合員減少による財政問題などを話した。
このほか商業組合のデメリットや、任意組合にしたい等も話題となった。日書連への要望は、①日書連理事削減、②賦課金の軽減要求、③経費削減のため理事会を隔月にすべきこと、④週刊誌の首都圏同一発売の実現――などを提出することを決めた。
(高嶋雄一広報委員)

熊本、福岡両会場とも盛況/トーハンこどもの本BF

トーハンは「2007こどもの本ブックフェア」熊本会場、福岡会場を同社の取引書店と共催で開催した。
熊本会場は6月1日から3日まで熊本市・グランメッセ熊本、福岡会場は6月6日から10日まで福岡市天神エルガーラホールで開催し、連日多くの来場者で賑わった。会期中の入場者は熊本会場約3800人、福岡会場は約5300人。
開幕セレモニーでは、協賛団体を代表して熊本会場で日本児童図書出版協会・土開章一氏と熊本県書店商業組合・長崎晴作理事長、福岡会場では日本児童図書出版協会・竹下晴信会長と福岡トーハン会・山本太一郎会長があいさつした。
両会場とも児童図書約1万5000点、保育・教育書約5000点の計2万点・5万冊をテーマ別に展示・即売。一般読者のほか、学校図書館の充実を目指して大勢の教師が来場し、学校図書館用セットや児童書・教育書を熱心に選定する姿が目立った。
今年で9回目の開催となった熊本会場では、教師・教育関係者の来場者が大幅に増え、児童教育の一環としての「読書」に対する関心の高まりを感じさせた。
企画コーナーも盛況で、今回のブックフェアのメインキャラクター「はらぺこあおむし」の著者エリック・カールの著作を集めたメインキャラクターブースをはじめ、「朝の読書/うちどく(家読)」「食育コーナー」等、多くの親子連れが熱心に商品を選んでいる姿が見られた。また、「辞書引き学習法」で話題の立命館小学校の教頭・深谷圭助氏の講演が好評だった。
一方、今年30回目の開催となった福岡会場は、佐賀、熊本、大分など他県からの来場者もあり連日賑わった。特に2日目は全国学校図書館協議会の総会が開催されたこともあり、会場は熱心に選書をする教師で満員となった。総会では角野栄子氏の講演会が行われ、サイン会には長蛇の列ができた。また、「紙芝居の読み聞かせ」や「手づくりしかけ絵本教室」には大勢の親子連れが参加し、フェアを盛り上げた。

参考図書

◇『出版クラブだより』合本
日本出版クラブはこのほど会報『出版クラブだより』合本第10巻を発刊した。定価7350円(税込)。
『出版クラブだより』は1964年3月に創刊以来40年以上にわたり、昭和から現代に至る出版人たちの人間記録集として愛読され、昨秋に創刊500号を迎えた。出版史の貴重な資料として全出版人必見。
購入申し込み・問い合わせは日本出版クラブ事務局(℡03‐3260‐5271)まで。既刊、合本1~9巻も若干在庫が有る。

「古事記を旅する」/三浦祐之氏が講演/奈良文化講演会

奈良県書店商業組合(西本功理事長)は7月8日、奈良市奈良公園内奈良ホテルで千葉大学教授・三浦祐之氏を講師に迎え「サン・ジョルディの日記念文化講演会」を開催した。
文藝春秋が作成したポスターとチラシにより県下全組合員書店の店頭で告知したほか、「週刊文春」と「月刊文藝春秋」での告知により、定員250名に対して北は北海道から、南は九州まで1800通に及ぶ応募があった。梅雨明け前ながら晴天に恵まれた当日は受付開始前から多くの来場者が並んだ。午後1時の講演開始時刻にはスタッフとして入った組合員10名余も含め約300名の来場者で満場となった。
講演の冒頭に西本理事長があいさつに立ち、多数の方、また遠方からもご来場いただいたことへのお礼を述べ、今後とも地元書店をお引き立ていただきたいとお願いした。
講師の三浦氏は古代文学・伝承文学の研究者で、著書『口語訳古事記』(文藝春秋)で知られる。また、直木賞作家・三浦しをん氏の父親でもある。
演題は氏の最新著書と同じタイトルで「古事記を旅する」。会場ではあらかじめ資料が配布され、講師の三浦氏が手元のノートパソコンからプロジェクターを使い図版や写真を交えて古事記の世界を講演。さながら大学で講義を受けているような雰囲気の中、来場者は一言も聞き漏らすまいという熱心な様子だった。
会場前では新刊の『古事記を旅する』ほか代表作『口語訳古事記完全版』、『古事記講義』などが販売され、終演後も多くの購入者で賑わった。
今回の文化講演会にあたっては文藝春秋から全面的支援をいただき、当日は平尾常務、五井営業担当取締役、山本営業推進部長、実務全般で早くからお世話いただいた営業推進部の神山氏らが来場した。
なお、当日の会場の様子をヤフーフォトアルバム「文化講演会『古事記を旅する』」で見ることができる。問い合わせは奈良組合まで。(庫本善夫広報委員)

紀伊国屋1180億円で首位/日本の専門店ランキング/日経流通新聞調べ

日経流通新聞(日経MJ)は7月11日付で第35回日本の専門店調査(2006年度)を発表した。これによると、06年度の専門店440社の総売上高伸び率は前年比4・5%と前回調査の7・1%に及ばず、経常増益率も4・2%で前回の14・3%を大幅に下回った。天候不順や競争激化が響いたものと同紙では分析している。
22業種のうち増収増益だったのは12業種となり、前回調査より4業種減った。クールビズ効果や厳冬で冬物衣料が好調だったカジュアル衣料や家具は2ケタの増収となったが、呉服と楽器・CDが減収に転じた。前回、増収率が最大だった家電も高機能商品の普及一巡などで失速。堅調な個人消費とは対照的に、原料価格の上昇や競争激化などを背景に8業種が経常減益となった。
書店部門の売上高ランキングを見ると、紀伊國屋書店が2・2%減の1180億円で5年連続のトップ。2位の丸善は決算期変更で比較できないが981億円。3位は有隣堂で3・9%増の541億円だった。売上高伸び率では、ヴィレッジヴァンガードが30・1%、トップカルチャーが16・0%と高い伸びを示した。
総売上高経常利益率はヴィレッジヴァンガードが10・8%、1人当たり総売上高は戸田書店が6941万円、3・3㎡当たり直営店舗売上高は京王書籍販売が307万円、直営+FC新設店舗数はヴィレッジヴァンガードが42店で、それぞれトップだった。
書店を含む「書籍・文具」業種全体の増収率は3・0%と前回調査より0・9ポイント拡大。レンタル複合店や中古書店が健闘、まちづくり三法をにらんだ大型出店が寄与した。ただ、市場低迷で中小書店の苦戦が続き、既存店売上高の前年割れで出店が鈍り減収に陥るケースが目立つ、と同紙では分析している。

トーハン、うちどくブックガイド第2集を作成

「朝の読書」に続く読書推進運動として展開中の家庭での読書「うちどく(家読)」におすすめの本52点を掲載した「うちどくブックガイド第2集」をトーハンが作成。ホームページで提供を開始した。
7月13日付け「朝日小学生新聞」には小学校4年から6年までの子ども書評委員5名の座談会と、子どもたちが選んだ27点が紹介されている。第2集では、子どもたちが家族で読みたい本として選んだ各10冊と座談会で出てきた人気の本2点の合計52点を掲載。ホームページで無料でダウンロードできる。http://www1.e-hon.ne.jp/content/uchidoku_top.html

『日本国語大辞典』オンラインで提供/ネットアドバンス

小学館グループの㈱ネットアドバンスは7月2日よりJK(ジャパンナレッジ)プロジェクトの一環として大型国語辞典『日本国語大辞典第2版』(通称「日国」)を完全デジタルデータ化、「JKセレクトシリーズ日国オンライン」として、インターネット・サービスを開始した。
全13巻、50万項目・100万用例という『日本国語大辞典』の膨大なデータをオンラインで検索・閲覧可能にしたもの。見出し語、全文、用例、方言など検索範囲を選択したり、AND検索、OR検索など、書籍版で実現できなかった強力な検索機能を搭載。関連図版5千点を収録するほか、ジャンプや拡大表示の機能も取り入れる。
日国オンラインの利用料金は個人契約が月額1575円(税込み)。ジャパンナレッジ会員は1103円。法人契約は月額1万5750円から(アカデミック会員、同時1アクセス)。ジャパンナレッジ会員の法人は月額1万1025円から。
利用形態に応じS・M・Lのパッケージ料金も設定できる。問合せはネットアドバンスまで、電話03・5213・0872番。
http://netadvance.co/jp/

人事

(◎は昇任、○は新任)
◇筑摩書房(6月28日)
代表取締役社長菊池明郎
専務取締役松田哲夫
常務取締役岡本格
取締役(総務部長・政策部担当)宮園功夫
同(編集局長・第5編集室部長)熊沢敏之
同(編集局・第2編集室部長)山野浩一
同(営業局長)○平川惠一
監査役浅田弘
◇童心社
代表取締役会長酒井京子
代表取締役社長販売部長兼務◎佐倉清一
販売部次長◎後藤修平
同◎飯田正幸
同◎大石文一郎
販売部課長◎下司晋介
◇枻出版社(6月29日)
取締役会長◎漆島嗣治
代表取締役社長◎角謙二

4会場で教育講演会/中部トーハン会創立40周年

創立40周年を迎える中部トーハン会(高須博久会長)は、愛知、岐阜、三重各地の読者の支援に感謝しようと、8月、9月の両月、名古屋、多治見、安城、津の4会場で教育をテーマに文化講演会を開催する。入場無料。
会員書店店頭にポスターを掲示、応募用ハガキのついたチラシを配布して入場を呼びかける。
①8月3日=名古屋市公会堂、陰山英男氏「学力は1年で伸びる」、②8月22日=多治見市文化会館、川島隆太氏「脳を知り脳を鍛える」、③9月13日=安城市文化センター、蒲田實氏「幸せさがし―がんばらないけど、あきらめない」、④9月26日=津リージョンプラザ、水谷修氏「いま、子どもは私達にできること、しなければならないこと」。各会場とも午後6時半から午後8時まで。
なお、創立40周年を祝う今年の中部トーハン会総会は10月18日に開催する。

全国で24番目の設立/81店の参加で東京日販会

全国で24番目の日販会として「東京日販会」が7月10日に81店で発足。会長に城東日販会会長の板津武氏(墨田区・自成堂)を選出した。城東日販会、むさしの日販会は同日付けで解散した。
設立総会は10日午後4時から日販本社で行われ、発起人の飯田信也氏(清瀬市・飯田書店)が「町の本屋を取り巻く環境は厳しい。日販と連携して出版社と太いパイプを作るため、東京支店の取引店に参加を呼びかけた。自己啓発と商談会、懇親を通じ拡販に努めていきたい」と設立趣旨を説明した。
発起人事務局から会則案、予算案が説明され、事業計画では10月に王子DC見学会、11月に商談会、拡販では小学館『日本の歴史』を取上げていく予定が提案された。
役員選出では会長に板津武氏、副会長に飯田信也氏、武田幸男氏(世田谷区・京王書房)はじめ、会計、監査、拡販・商談会・総務・研修会の担当役員、計11名を決定した。
来賓あいさつで日販古屋社長は城東、むさしの、日山会の歴史を振り返ったあと「東京日販会は24番目の日販会。各地で研修、懇親、商談会を行っており、東京も活発な活動をお願いしたい」と期待を述べた。
さらに4―6月の売上げ状況について「東京支店は雑誌0・7%減、書籍10・7%減、合計5・1%減で全国平均を0・2%下回る。日販として店頭活性化とロスを少なくしていく。王子NEXTは7月半ばから順次稼動し、24時間フル稼働で朝10時までに注文をもらえば翌朝到着する。MS2は、これまで手作業だった直接注文もデータ化して事故をなくす。HONYAクラブは景品法に従い秩序あるサービスをしていく。アマゾンに負けないデータの共有で売上げを拡大していきたい」と述べた。
引き続き銀座アスターで行われた設立懇親会には、出版社109名が出席。日販柴田副社長が「首都東京に出きるべくして出きた日
販会。土地、家賃が高く、独立系書店が商売するには厳しい東京だが、街の書店は文化の発信基地。企画ものを売る強い販売集団として支援していきたい」と祝辞。小学館大住常務の発声で乾杯を行った。

芦原温泉での北陸トーハン会に68名

北陸トーハン会は6月13日、福井県が当番となり芦原温泉「まつや千千」で開催。トーハン風間副社長、庄司中部営業部長、出版社などを含め68名が出席した。
第1部各県支部会に続いて、第2部は全員総会。吉岡隆一郎氏を議長に議案審議を行い、平成18年度事業報告・決算報告、19年度事業計画案・収支予算案をいずれも原案通り承認した。あわせて全国トーハン会代表者会議報告も行われた。
来賓のトーハン風間副社長、出版社を代表してポプラ社坂井社長が祝辞を述べたあと、シモナカ経営事務所・下中ノボル氏が「今、近県で元気な店・好評な店・いまイチな店」を講演した。(渋谷恵一広報委員)

本屋のうちそと

最近、記憶力に自信を無くしている。パソコンを使用していると、やたらとパスワードとIDナンバーを入力しなければならない。使用頻度の少ないものは、手帳に控えを取ると同時に、別のノートにも書き残している。
しかし、毎日使用しているパスワードを失念してしまった。頭の中が真っ白となり、どう思い出しても、記憶が戻らない。毎日使用しているので当方に油断があって、控えを取っていなかった。店舗運営の根幹システムに入るためのものだから、これがないと、日々の活動が不能になる。
恥を忍んで、当方のパスワードを教えて貰った。
振込み手数料を0円で済まそうと、パソコンバンキングに頼っている。預金残高があれば、閉店後にパソコンを操作して振り込めば、手数料はいらないし、出向くことも並ぶことの必要もない。
ある朝、パソコンを立ち上げてメールをチェックしていると、銀行から振込み不能のメールが入っているではないか。夜中に残高確認をして振り込んでいるというのにどうした事か。銀行のカスタマーセンターへ電話をすると、お客様の銀行残高は振り込み金額に見合うほどは残ってはいないとの返事。パソコン画面で出入金の履歴を見ながら、銀行と話をしていると前日の午後3時過ぎに振込み手続きをしている事が判った。二重の手続きをしていて、しかし二重の振り込み金額に見合うだけの残高がなかった事から、二度目の振込み依頼がエラーとなったのだ。結果として過払いの失態だけは免れた。
還暦を目前にして、老いを感じている。
(井蛙堂)