全国書店新聞
             

平成25年11月1日号

傘下組合員数4374店に/半年で85店減少/組織委員会調べ

今年10月1日現在で各都道府県書店商業組合に加盟する組合員数の合計は、今年4月1日対比で85店、1・9%少ない4374店になったことが、日書連組織委員会(中山寿賀雄委員長)の調べで明らかになった。
この半年間の新規加入は全国で18店に対し、脱退は103店。加入数が脱退数を上回ったのは、青森、鳥取、鹿児島の3組合。増減なしが秋田、岩手、山梨、新潟、富山、石川、福井、奈良、和歌山、島根、愛媛、高知、福岡、佐賀、熊本、大分、宮崎の17組合で、残る26組合は組合員が減少している。
各組合ごとに加入の内訳をみると、この1年間に新規加入があったのは、神奈川と静岡の3店をトップに、宮城、兵庫、熊本が各2店、北海道、青森、愛知、鳥取、長崎、鹿児島が各1店。残りの35組合は新規加入ゼロとなっている。
一方、脱退が最も多かったのは神奈川と東京の各11店、次いで大阪の10店がワースト3で、以下脱退の多い順に静岡9店、広島7店、千葉、兵庫各6店、岡山5店、宮城、長野各4店となった。

来場書店808名の大盛会/第4回書店大商談会

第4回「書店大商談会」が10月9日、東京・新宿区のベルサール新宿グランドで開催された。来場書店は前年比94人増の808名で、成立した商談も4052件・9796万8648円と、昨年の3521件・9147万2378円を大きく上回った。
この商談会は、8つの取次会で構成する「書店大商談会」実行委員会(実行委員長=奥村弘志・南天堂書房社長)が主催、日本書店商業組合連合会、東京都書店商業組合の後援で開催。
総来場者は前年より441名多い2149名(書店808名、出展社939名、取次275名、その他127名)。出展社は前年比30社増の177社が184ブースに出展、初出展は43社だった。成立した商談は4052件、9796万8648円と前年比7・1%増加し、過去最大規模の開催となった。
会場には「一般書」「コミック」「児童書」「ビジネス書」「第三商材」に加え、新たに「人文書」コーナーを設置した。「人文書」コーナーには10社が出展し、各社のイチ押し商品を集めた合同セットを用意。申込み書店には、セットの中の1冊と各社のグッズが入ったプレゼント袋を進呈した。
11社が出展した「コミック」コーナーは、昨年と同様にサロン形式で運営。販売担当者による「コミック勉強会」は各回とも盛況となり、商談会終了後には情報交換会が行われた。
「児童書」コーナーは24社が出展し、7社をまわると包装紙やポストカード等が当たるスタンプラリーを実施。絵本コーディネーター・さわださちこ氏による店頭装飾の実演に、多くの書店人がつめかけた。「ビジネス書」コーナーは17社が出展、5社をまわると抽選でアクリル什器が当たるスタンプラリーを行った。
今回は初めての試みとして、書店の仕入れ力向上を目指した既刊本の掘り起こし企画を実施。特別報奨を提供する「K本」は15社、低正味・直取引買切の「C本」は12社が出品した。また、「店頭イベント支援ブース」を設置し、出展22社が着ぐるみや読み聞かせ、ぬり絵など、店頭で開催できるイベントの情報を提供した。

BOOKEXPO2013/11月8日に大阪で大商談会

第3回を迎える大阪の大商談会「BOOKEXPO2013秋の陣」は、「動け!書店人」をサブテーマとして、梅田スカイビル「ウエストタワー」を会場に開催されます。
今回は、フロアを拡張して過去最大の177社・178ブースでの開催。初のコミックコーナーをサロン形式で設置します。関西の出版社や第三商材社も出展し、商談に限らず、貴重な情報交換の場となります。本会限定の情報や特典、楽しく役立つイベントをご用意して、売場ご担当者様の皆様の来場をお待ちしています。ぜひお越しください。
▽日時2013年11月8日(金)午前11時~午後5時30分〔午前10時30分受付開始、同10時45分セレモニー〕
▽会場大阪府大阪市北区大淀中1―1新梅田シティ内梅田スカイビル「ウエストタワー」
10階アウラホール=出版社・第三商材
22階会議室=コミックコーナー・第三商材・イベント会場
▽出展177社・178ブース
▽主催「BOOKEXPO2013」実行委員会(構成=書店、取次会社、出版社)
▽問い合わせ「BOOKEXPO2013」実行委員会事務局(出版文化産業振興財団=JPIC)まで。℡03―5211―7282FAX03―5211―7285

SJ名古屋、来年は1日限定で開催/絵本作家の読み聞かせ等を中心に/愛知理事会

愛知県書店商業組合(佐藤光弘理事長)は9月6日に名古屋市中村区のウインクあいちで定例理事会を開催、16名が出席した。
日書連報告では、佐藤理事長が、消費税軽減税率適用を求める請願署名について、「2次締切が9月末に迫っており、目標50万まではまだまだなので引き続き協力を」と呼びかけた。
委員会報告では、総務委員会から、第16回賀詞交歓会は平成26年1月14日午後5時半より行うと説明。広報委員会からは「愛知書店新聞」の発行を年3回に減らす予定と報告があり、佐藤理事長は「広告収入等の減収によって組合からの費用持ち出しが多くなり、今年度は3回に減らすことにした。これによって組合員の帰属意識が薄れたり、不満が出るようであればまた増やすことも可能だ」と説明した。
読書推進では、「第52回青少年によい本をすすめる県民運動」は運動期間が10月1日~31日、感想文締切は11月6日で、学校への寄贈訪問は12月に予定。また「第8回中学生はこれを読め!」が終了、愛知組合33店、三重組合23店の合計56店の参加があり、「100冊リスト」を作成するなど例年通り活動を行ったと報告した。
サン・ジョルディフェスティバル名古屋は、新東通信による企画案として、来年は会場を名古屋テレビ塔広場に変更し、4月20日(日)のみの1日開催とすることを説明。絵本作家の読み聞かせやJPIC創立20周年事業などを絡ませて実施し、チャリティ本・バーゲン本の販売や中日新聞社への寄付は行わない予定。また、店頭でも同時に実施できる企画を委員会で検討することにした。

消費税署名運動に注力/「帯コン」に9756点の応募/大阪理事会

大阪府書店商業組合(面屋龍延理事長)は9月14日、大阪組合会議室で定例理事会を開催した。
大阪組合と文字・活字文化推進機構、柏原市図書納入組合が主催して8月5日に行われたシンポジウム「公共図書館と知の地域づくり」には、組合から23名が出席。また、「東淀川絵本読み聞かせ事業」は8月10日に田村書店上新庄店で読み聞かせを実施したことを報告した。
委員会報告では、消費税問題特別委員会を9月4日に開催し、支部長、理事14名が出席したことを報告。大阪組合の署名活動状況について検討し、8月末時点の署名提出店は約90店となっているため、各店から署名用紙1枚(10名分)を送ってもらうよう、依頼文書と用紙、封筒を送付したと説明した。署名活動については、「知り合いの接骨院へ署名を預けておいたら、先生が患者に協力を求めてくれた」「店頭でポスターの他に『軽減税率になれば、お客さまが得をします』の自筆を添え、声掛けをすると署名をしてくれる」などの実践事例が報告された。
読書推進では、第9回「本の帯創作コンクール」応募作品総数は9月13日現在で9756点で、課題図書が4490点、自由図書が5266点だったと報告した。
図書館委員会は、8月8日の勉強会に24名が出席、深田副理事長が講師となり、活発な質疑応答があったと報告。図書館納入委員会からは、9月15日に「明日の松原市民図書館を考える会」が、結成総会とシンポジウムを開催するとの報告があった。
(金田喜徳郎事務局長)

福田健太郎理事長を再選/青年部設立準備会を開催へ/大分総会

大分県書店商業組合(福田健太郎理事長)は、9月20日に大分図書会議室で第29期通常総会を開催。組合員33名(委任状を含む)が出席した。
総会では二階堂衞司副理事長の進行により、福田理事長を議長に選出。事業報告、収支決算報告、第30期予算案などを審議し、原案通り承認した。
任期満了に伴う役員改選では、新理事を選出後、福田理事長を再選した。
総会終了後、理事会を開催。来年度税率が変わる消費税や、公共図書館の指定管理者納入問題等について討議した。福田理事長は、書店環境の変化する時代に人間関係を重視するとして、10月に次世代書店経営者を集め、組合青年部設立準備会を開催することを決定した。
(金光直明広報委員)
〔大分県組合役員〕
▽理事長=福田健太郎(福田書店)
▽副理事長=樋口文雄(ブックスプラザひぐち)二階堂衞司(二階堂書店)

丸田茂理事長が続投/SJの日図書カードを継続販売/富山総会

第26期富山県書店商業組合通常総会(丸田茂理事長)が8月27日に富山市電気ビルで開催され、組合員33名が出席した。
総会は丸田理事長を議長に選出して議案審議を行い、平成25年度事業報告・収支決算・役員改選・平成26年度事業計画・収支予算案など全ての議案を原案通り承認可決した。
役員改選では、丸田理事長(清明堂書店)を再任。新理事に磯野学氏(学友社)を承認したほか、残りの役員は続投が決まった。第27期事業計画は次の通りとなった。
①組合員の販売促進のためのオリジナル図書カードの作成、販売を実施する。昨年度サン・ジョルディの日の推進企画として作成したオリジナル図書カード(絵柄=秋の立山・冬の立山・夕日の剱岳・桜)の4種類が好評だったため、今年度も継続販売することが決まった。
②日書連が推進する、消費税増税の際に出版物への軽減税率適用を求める「50万人署名」運動に、県組合として第2次締切に向け協力していく。
③日書連と出版文化産業振興財団(JPIC)が読書推進事業として取り組んでいる「20歳の20冊」事業に協力し、県内自治体に積極的に提案していく。
④第2回書店再生のためのロングセラー・実用書増売企画「本屋さんが選んだ『食と健康』」フェアを実施し、増売につなげていく。
⑤日本児童図書出版協会の加盟社が選りすぐった2013年度「心にのこる子どもの本秋・冬セール」セットを積極的に展開していく。
⑥日書連や出版物公取協に出席し意見具申を行う。
(澁谷英史広報委員)

家の光読書エッセイ賞募集

家の光協会は第13回「家の光読書エッセイ」の原稿を募集している。読書推進運動協議会、日本図書館協会、出版文化産業振興財団、日本出版取次協会、文字・活字文化推進機構、日書連が後援。
原稿は、本や読書、図書館での貴重な体験、感動的な話などのエピソードを2千字以内にまとめる。締切は11月11日(月)必着。家の光読書エッセイ賞(1編)賞状・賞金30万円、優秀賞(3編)賞状・賞金各10万円、佳作(7編)賞状・賞金各3万円。入選発表は『家の光』14年4月号、『やさい畑』14年春号、家の光ホームページ(14年3月上旬)で行う。
応募、問い合わせは下記まで。
〒162―8448東京都新宿区市谷船河原町11家の光協会読書・食農教育部「家の光読書エッセイ」係℡03―3266―9038

ビットウェイを統合/出版デジタル機構

出版デジタル機構は10月1日付で電子書籍取次子会社のビットウェイを統合した。
同機構は7月1日付でビットウェイの全株式を取得し、統合を前提に完全子会社化していた。
今回の統合で、配信システムの一本化による業務効率の改善を実現するとともに、専門性の高い人材の確保とインフラ開発体制の強化を図ることで、迅速なサービス提供を目指す。
取次事業の確立、クラウドコンピューティング時代に対応した書誌情報登録・配信、ファイル制作・品質管理・生産管理、ストレージアーカイビング等のためのインフラ事業にも早期に取り組む予定。「より多くの人たちに使ってもらえるよう、電子書籍配信を支える種々インフラ構築を行い、電子書籍市場の更なる発展に貢献したい」としている。

雑誌読書率、過去最低に/家の光協会「全国農村読書調査」

家の光協会はこのほど第68回「全国農村読書調査」を行い、調査結果の速報を発表した。これによると、総合読書率(月刊誌、週刊誌、書籍のいずれかを読んでいる割合)は59%(前年比1ポイント増)、雑誌読書率は49%(同1ポイント減)、書籍読書率は30%(同2ポイント減)。雑誌読書率は過去最低を記録し、総合読書率と書籍読書率は過去最低に近い低迷状態となった。
読んでいる月刊誌(毎号読む+ときどき読む)は、1位が『家の光』(家の光協会)、2位が『現代農業』(農山漁村文化協会)、3位が『オレンジページ』(オレンジページ)。月刊誌の入手方法は、1位が書店、2位がスーパー・コンビニ、3位がJA(農協)。
読んでいる週刊誌(毎号読む+ときどき読む)は、1位が『女性自身』(光文社)、2位が『週刊現代』(講談社)、3位が『週刊少年ジャンプ』(集英社)、4位が『週刊文春』(文藝春秋)、5位が『女性セブン』(小学館)。
半年間に読んだ書籍は、1位が5年連続で『ONEPIECE』(尾田栄一郎、集英社)、2位が『永遠の0』(百田尚樹、講談社)。好きな作家は、1位が5年連続で東野圭吾、2位が宮部みゆき、3位が赤川次郎。書籍の入手方法は、1位が書店、2位がスーパー・コンビニと図書館・公民館。
1日平均の雑誌・書籍の読書時間は、全員の平均で14分、読んだ人の平均で32分。1日平均の新聞の閲読時間は20分、テレビの視聴時間は147分、ラジオの聴取時間は51分、インターネットの利用時間は23分(いずれも全員の1日平均)。インターネット接続機器(パソコン、携帯電話、電子書籍端末、その他)の利用率は53%。利用している人のうち、電子書籍・電子雑誌を読んでいる人は15%。
この調査は全国60ヵ所の農林業地区に在住の16歳から79歳の1200名を対象に行われた。有効回収数は847人。回収率は70・6%。昨年と一昨年は東日本大震災の影響を考慮して岩手、宮城、福島の3県を調査地点から外したが、今回復活させた。最終結果は『2013農村と読書』として冊子にまとめる。12月完成予定。

生活実用書/注目的新刊

池谷裕二著『単純な脳、複雑な「私」』(講談社ブルーバ
ックスB18301200円)は、著者の母校でもある静岡県立藤枝東高校の生徒に向けて語った講義録である。
「人は何を根拠にものごとを決断するのか。過去の記憶にはどんな意味があるのか。特定の異性を好きになってしまうのはなぜか。赤色はなぜ赤色に見えなければいけないのか。」など誰もが持っている「心」の不思議さを説く。
たとえば恋人同士が、相手を好きな理由を優しいとか、しっかりしているとか、どんな言葉を並べたとしても、それは後から勝手に思い込んでいるだけなのだという。好きな理由を言語化するのは、所詮、叶わぬ望みなのである。
心の働きは進化の過程の使い回しの結果であるという。それは進化の過程で生物学的形質が本来の目的と違う目的に転用されることで、前適応と呼ぶ。心の痛みもまた手を切って痛い時の神経回路を使うし、共感する感覚も同じ。神経回路の使い回しなのだ。
脳に電気刺激を与えると、刺激場所に応じていろいろな反応が起こる。頭頂葉と後頭葉の境界にある角回という部位を刺激すると、夜の墓地を歩く時のようなゾワゾワした感覚が襲う。右脳の角回では幽体離脱まで起きるという。
一章から四章までの小見出しが180。わかりやすい心へのアプローチ満載の一冊。
ジーン・カーパー著/丸元淑生訳『奇跡の脳をつくる食事とサプリメント(上)』(ハルキ文庫カ1―5857円)は、食事による化学物質や栄養素に他の細胞よりも敏感に反応する脳を守り、回復させる食生活を紹介する。
より賢く脳細胞を作るのは第一に魚の油であるという。DHAやEPAなどのことでこれらはオメガ3。脳細胞を破壊するフリーラジカルを撃退し、脳細胞を守る働きがある。反対に大豆油、コーン・オイルなどの油を原料にしたマーガリン、ドレッシングなどは、脳の機能を低下させるオメガ6である。また、脳の活力源にも破壊者にもなる糖の話。糖尿病やアルツハイマー病にも関連してくるから恐ろしい。砂糖の摂りすぎは、動物実験では神経障害、早期老化、アルツハイマー病などを引き起こすことが確認されている。本書は上下2冊本。脳の最新情報がよくわかる。
(遊友出版斎藤一郎)

秘密保護法案に反対声明/「知る権利」に重大な影響/雑協・書協

日本雑誌協会(人権・言論特別委員会)と日本書籍出版協会(出版の自由と責任に関する委員会)は10月25日、同日閣議決定された特定秘密保護法案について「国民の知る権利とそれを支える取材・報道の自由に対する重大な影響が懸念される」として、反対する声明を発表した。
声明は、同法案の危険性を「何を特別秘密に指定するかを行政機関が自ら決め、第三者機関のチェックがなく、後日の公開も不確実で、メディア取材や国会議員による政府への追求も制限されかねない点にある」と指摘。「政府に不都合な情報が闇から闇へと葬られることになりかねない」と懸念を示している。
また、同法案の延長線上に改憲と集団的自衛権の行使があるのなら、国の形を根本から変える大きな分岐点であり、拙速を避けて十分な議論を行うよう求めている。

訃報

岡本雅晴氏(おかもと・まさはる=あかね書房代表取締役社長)10月12日午後10時22分、病気療養中のところ死去した。69歳。通夜・告別式は親族だけで行った。喪主は妻、喜美子(きみこ)さん。

売上高5・5%減少/前年割れ16年連続に/日販『書店経営指標』

日販は全国92企業768店舗の経営関連データを収集分析した2013年版『書店経営指標』(B5判50頁、頒価1575円)を発行した。これによると、店舗全体の売上高前年比は5・5%減と16年連続の前年割れになった。損益面では、売上総利益率は前年より0・77ポイント増加、営業利益率も0・02ポイント増加したが、経常利益は0・33ポイント減少して0・22%になった。2012年の売上高前年比は、BOOKが5・1%減、レンタルが同9・2%減、セルAVが同12・6%減で、店舗全体では5・5%減と16年連続のマイナスになった。
店舗全体の売上高前年比を売場規模別にみると、落込みが最も大きかったのは100坪以下の7・1%減。以下、101~200坪6・2%減、201~300坪6・1%減、401~500坪6・0%減、301~400坪3・5%減、501坪以上2・1%減の順。また立地別では、住宅地8・1%減、駅前6・0%減、郊外5・8%減、駅ビル5・7%減、商店街4・6%減、SC内3・8%減となった。
損益面では、売上総利益率が27・65%となり、前年より0・77ポイント増。営業利益も0・02ポイント増加して0・24%となったが、営業外費用の増加等により、経常利益は0・33ポイント減少して0・22%になった。
売上構成比別にみると、BOOKの売上が80%以上を占める「専業」は、売上総利益率が1・34ポイント改善されたものの、販管費が2・08ポイント増加したため、経常利益は1・93ポイント悪化してマイナス1・57%となった。BOOK売上が80%未満の「複合」では、売上総利益率が0・28ポイント改善し30・13%。さらに販管費も0・27ポイント減少したことで経常利益は改善し、1・34%となった。
収益性の総合指標である総資本対経常利益率は、前年に比べ0・67ポイント減少し0・41%になった。この要因は、費用構造面からみると、売上高経常利益率が同0・33ポイント減少したことによるもの。また資産構造面では、総資本回転率が同0・09ポイント減少したことが要因となった。
商品在庫が効率よく利益を生み出しているかを測る交差主義比率は、前年比2・75ポイント減少して163・14%になった。売上総利益率は改善されたものの商品回転率が減少したことが要因。
短期支払能力を測る指標である当座比率は、前年比7・74ポイント悪化し41・76%。返済義務のない自己資本の割合を表す総資本対自己資本比率は同5・06ポイント増加し19・72%。また、自己資本によって固定資産をどの程度賄っているかを示す固定比率は208・11%で同86・3ポイント減少した。
従業員1人当たりの売上総利益を表す労働生産性は前年比87万3千円減少して465万5千円になった。1時間当たりの売上総利益を表す人時生産性は同205円減少し、2622円。売上総利益に占める人件費の割合を見る労働分配率は低い方がよく40%台が望ましいとされるが、同0・75ポイント増加して43・90%になった。
正規従業員の年間勤務日数は前年と同じ266日。年間総実労働時間は2182時間と前年比22時間減少した。一方、パート・アルバイトは同65時間減の1170時間。正規従業員の平均賃金年間支給額は、同8万9450円増加して355万7127円となった。
【調査店の内訳】
〈売上構成比〉
BOOK売上構成比80%
以上34企業416店舗
同50%~80%未満
14企業198店舗
同50%未満
44企業154店舗
〈年商別〉(%)
3億円未満18・4
3億~5億円未満15・9
5億~10億円未満13・2
10億円以上52・5
〈収益別〉(%)
経常利益率3%以上
10・5
同1%~3%未満23・7
同0%~1%未満44・7
同0%未満21・1

全件警察に届出は66%/小売業万引被害実態調査/万防機構

全国万引犯罪防止機構は第8回(2012年度)「全国小売業万引被害実態調査」の報告書を発表した。これによると、調査に回答した企業の1社平均の万引被害件数は130件で、万引を発見したら全件警察に通報すると答えた企業は全体の約66%にのぼることがわかった。
この調査は、全国万引犯罪防止機構が全国の小売業・サービス業における万引被害の現状を把握するために毎年実施しているもの。調査票を郵送配布・郵送回収する形で、今回は26業態1683社を対象に行い、有効回収数は25業態625社(有効回収率37・8%)。回答企業の業態別分布は、企業数の多い順に次の通り。
スーパー209社、百貨店57社、ドラッグストア55社、その他専門店47社、ホームセンター・カー用品45社、楽器・CD・レンタル32社、婦人服・子供服、コンビニ・ミニスーパー各24社、書籍・文具、生活協同組合各15社、カジュアル衣料、玩具・ホビー用品各11社、靴、スポーツ用品各10社、時計・めがね、総合ディスカウント各8社、紳士服、呉服、服飾・服飾雑貨、宝飾品、生鮮各6社、家具5社、価格均一ショップ4社、家電製品3社、酒類2社(カメラは回答社なし)。
万引犯罪を発見した場合、その後の基本的な処理方針について尋ねると、最も多かったのは「全件警察に届出、家族・学校へはケースバイケース」の44・5%。「全件警察に届出、家族・学校にも連絡」は21・6%となっており、全件警察に通報すると答えた企業は合わせて66・1%となった。このほかは、「一部警察に届出する」22・1%、「届出しない」1・6%、「その他」6・9%。
万引犯罪の処理方針で「警察に届出する」と回答した企業に、書類作成等での警察の対応時間を聞くと、「30分~1時間」が最多で40・8%。次いで「1~2時間」28・5%、「2~3時間」12・7%、「3時間以上」7・4%、「30分以下」5・1%、「2日以上」0・7%だった。警察の対応時間を昨年と比較すると、「変わらない」が44・1%、「短くなった」17・2%、「長くなった」1・3%、「わからない」33・6%となっている。
また、警察の手続きで手間と感じるものは、「参考人調書」が44・1%がトップ。このほか「警察に行くこと」43・6%、「被害届」40・3%の3つが40%を超えており、以下「実況見分」30・1%、「証拠関係」20・1%の順。参考人調書と被害届の負担感が大きく、手続きの簡素化が求められている。
万引犯罪の防止策として店舗に実施させているものは、「従業員にお客様への声かけをさせている」が最も多く80・6%、次に「防犯カメラを付けさせている」69・0%となった。このほか多かったのは、「商品陳列を工夫させている」「社員等に店内巡回をさせている」が共に36・2%、「保安警備員を配置させている」32・3%、「店内ポスター、掲示物等を作り貼らせている」31・2%。
また、実施している従業員教育については、「朝礼等で万引防止をテーマに取り上げさせている」40・3%、「万引防止マニュアルを作成・配置させている」31・8%が上位を占めた。
万引犯の捕捉にかかった費用の損害賠償請求について尋ねると、「請求はしていない」87・2%、「請求している」8・3%となった。また今後の損害賠償請求の検討については、「考えていない」76・0%、「導入を検討している」22・2%という結果となった。
万引犯の「店内確保」についての考え方を尋ねると、「検討したことがない」39・5%、「他社の動向を静観している」23・0%、「検討している」12・2%、「店内確保については反対である」11・0%、「すでに実施している」10・4%という順だった。
直近決算年度における万引犯罪被害件数を聞いたところ、この質問の有効回答企業454社の被害総件数は5万9117件で、1社平均は130件となった。平均件数の多い業態は、ホームセンター・カー用品478件、家電製品344件、スーパー168件、書籍・文具165件、総合ディスカウント160件、ドラッグストア130件となっている。
確保した(捕まえた)万引犯の人数は、有効回答企業467社の総人数で3万4089人で、1社平均73人。平均人数の多い業態は、ホームセンター・カー用品186人、書籍・文具162人、総合ディスカウント120人、スーパー117人だった。
確保した万引犯の男女別内訳は、男性48・4%、女性34・8%、不明16・9%。職業別内訳は、高齢者(65歳以上)の32・2%をトップに、無職(65歳未満)16・0%、主婦14・5%、社会人12・2%、高校生6・7%、中学生6・6%、不明6・4%、小学生3・4%、大学生1・3%、専門学校生0・4%、未就学児0・1%の順。
万引被害金額について1年前対比で増減傾向を聞くと、「変わらない」が最も多く24・6%。「大変増えた」と「やや増えた」を合わせた「増加」が14・4%(前回21・6%)、「大変減った」と「やや減った」を合わせた「減少」が17・4%(前回25・4%)という結果になった。

電子書籍60タイトル、金の星社が配信開始

金の星社は同社刊行書籍の電子書籍版60タイトルの配信を始め、第一弾として10月25日に15タイトルを紀伊國屋書店のKinoppyから配信した。今後は未来屋書店のmibonからも配信することが決まっている。
Kinoppyからの配信開始日とタイトルは以下の通り。
▽10月25日(150万部のベストセラー作家が贈る感動作15点)=『ハートボイス』『ハードル真実と勇気の間で』『イソップ』『リトル・ウイング』『ハードル2』『ハードル3』『トモダチックリの守り人』『アナザーヴィーナス』『チェンジング』『コミックハードル1』『コミックハードル2』『コミックハードル3』『コミックハードル4』『コミックHELP!カウンセリングfile01』『コミックHELP!カウンセリングfile02』
▽11月1日(11月は人気のノンフィクション・話題作を毎週3点)=『車いすバスケで夢を駆けろ』『空色の地図』『オリガ学園仕組まれた愛校歌』▽11月8日=『犬たちがくれた音聴導犬誕生物語』『心の森』『絵解き江戸しぐさ』▽11月15日=『心のおくりびと東日本大震災復元納棺師』『魂~マブイ~』『珈琲牛乳』▽11月22日=『杉原千畝物語』『虫の目で狙う奇跡の一枚』『誰かがうしろに』▽11月29日=『クジラ大海をめぐる巨人を追って』『教室消えない虹』『新版・ガラスのうさぎ』
▽12月6日(感想文のテーマに人気の作品5点)=『初恋ストリート』『こども電車』『パルサー宇宙戦記みずがめ座の剣』『のら犬物語』『れっつ!スイミング』▽12月13日(愛蔵版ラブ偏差値シリーズ10点)=『もしかして初恋!?』『初デートはちょいビター!?』『年上のアイツ』『レンアイの法則』『初カレは期間限定!?』『恋って、うつるんですっ!』『親友が恋のライバル!?』『レンアイ・トライアングル』『転校生も恋のライバル!?』『はじめての告白』▽12月20日(愛蔵版魔界屋リリー5点)=『バラの吸血美少女』『青い瞳の人食いウルフ』『小さな天才魔女』『伝説の“魔界発明”』『毒ヘビ少女の魔術』▽12月27日(愛蔵版魔界屋リリー10点)=『恋におちたバンパイヤ』『金色の目の占い師』『恋するウルフ宿命の対決』『魔界プリンスの誘惑』『魔界屋炎上!最後の魔界能力』『めざめた魔界霊力』『キズだらけの逃亡者』『白銀のプリンセス』『透明魔界人あらわれる!?』『魔界人魚の恋魔術』

「児童書売場の活性化」/偕成社取締役販売部長・藤坂康司氏/栗田出版販売実務セミナー

栗田出版販売が8月23日に開催した第34回「出版販売実務セミナー」で、偕成社の藤坂康司取締役販売部長が「児童書売場の活性化」をテーマに講演した。概要を紹介する。
大学卒業後、フタバ図書、丸善で約20年間書店に勤務した経験がある。偕成社に移って10年になる。
書店にいた時、「書店の基礎になるのは児童書だ。子どもたちが本好きにならなくて、書店はどうやって生きていくのか。新しいお客さんが入って来ない限り、売上は伸びない」と言われた。自分に最初の子供が生まれて、自店の書棚に『ぐりとぐら』すらないことに疑問を持ち、児童書を一から勉強した。
児童書の売上増は将来の客数増につながる。子供の時から本屋と活字を好きになってもらって、何かあったときに本屋に行こうという活字好きの子供を増やさないと、この業界は駄目になる。
まず『はらぺこあおむし』『ぐりとぐら』などのロングセラーをちゃんと売れる店にしたい。ロングセラーは仕入れに誤差が出ず、返品も少ない。置けばコンスタントに売れる。販売予測をしっかりやってほしい。自動発注というPOSレジをもとにしたシステムが行き渡り、棚のチェックを定期的に行っていない書店が多いが、定番ものを切らすような棚管理をしてはいけない。児童書の棚作りは出版社別、作家別、テーマ別、年齢別などの陳列がある。年齢別のお薦め本をランキングで展示するなど工夫したい。
児童書の売場担当者のレベルが売場のレベル。店長のレベルが店のレベル。部長のレベルが販売のレベル。いい売場には、やはり売上を上げられる担当者がいる。だから売場のレベルを上げようと思えば担当者のレベルを上げるしかない。店長のレベルが上がらないと担当者は育たない。店長の要求レベルが上がれば、それに応えようと担当者は育つ。
店長と売場担当者が売上目標を共有することが大切。「昨日、何冊売れた?」「これが足りないので何とかしてください」とやっていると、ゲームみたいなものだから、みんな面白がって売るようになる。加えて、在庫金額の目標を立てる。そうすれば棚卸で慌てて返品しなくて済むし、無駄な発注もなくなる。これは店長の仕事になると思う。
社員とパート・アルバイトに人間的な能力差はない。いい大学を卒業し、勤めていた会社を結婚退職した女性などは、むしろ勉強する能力が高い。こういう人に目標を与えればしっかりと達成する。従業員のやる気をバックアップしなければならない。
売上目標を共有し、売場の課題解決にともに取り組みながら、接客のレベルアップを図る。そのためには商品知識が重要だ。商品知識を身に付けるには読むしかない。店長の時やったのだが、新人の児童書担当者に、入ってくる絵本をすべて休憩時間に読ませた。知っている本が増えると自信につながる。データを見ながら自店では何が売れるかという商品知識を身に付けさせる。絵本は5分もあれば読めるから誰でも出来る。是非やってほしい。
あとは、店のファンになってもらうこと。いま読み聞かせをやろうとすると、土曜日の昼の忙しい時間帯にスタッフ総出でやらなければならないなど、相当な負担になっている書店が多いと思う。もっと周りを巻き込んでやったほうがいいと思う。
書店の枠を超えた取り組みに、「静岡書店大賞」がある。本屋大賞の静岡県版を書店の枠を超えて県全体で取り組もうと展開している。一書店のフェアでは今、お客さんはなかなか来てくれない。静岡書店大賞は手作りで始めて、新聞やテレビが紹介してくれて、書店に行こうとやってくれる。すごいなと思う。
また、九州の児童書の担当者が集まって、「子どもの絵本大賞in九州」に取り組んでいる。今年出た本の中からお薦め本を投票し、ベストテンを決めて店頭展開する。偕成社からは『100かいだてのいえ』が2回連続入ったが、あとでPOSデータを見ると、全国ランキングでも九州の書店の売上がグッと上がった。
このように書店の枠を超えた取り組みが増えている。アイデア1つで面白いことができるということだ。
どの時代にあっても、児童書の売上を上げるものは「基本」でしかない。売れるものを売りやすく陳列する。定番を揃える。これを維持しなければならない。毎日、マネージメントの責任者である店長がやらなければならない。要は店長がやる気にならないと児童書の売上は上がらない。担当者に任せてばかりでは店長の資格はない。POSデータがここ10~15年で普及したが、売上増につながっているだろうか。やはり人の力を使わないと売上は上がらない。そうした視点から自店を見直してほしい。

講談社ノンフィクション賞など決まる/角幡、高野氏が受賞

平成25年度講談社ノンフィクション賞、講談社エッセイ賞、講談社科学出版賞の贈呈式が9月30日、東京・千代田区の東京會館で行われた。
受賞したのは、第35回講談社ノンフィクション賞に角幡唯介氏『アグルーカの行方129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極』(集英社)、高野秀行氏『謎の独立国家ソマリランドそして海賊国家プントランドと戦国南部ソマリア』(本の雑誌社)、第29回講談社エッセイ賞に小川恵氏『銀色の月小川国夫との日々』(岩波書店)、永田和宏氏『歌に私は泣くだらう妻・河野裕子闘病の十年』(新潮社)、第29回講談社科学出版賞に更科功氏『化石の分子生物学生命進化の謎を解く』(講談社)。
贈呈式では、講談社・野間省伸社長があいさつを述べた後、受賞者に賞状と記念品、副賞を贈呈した。ノンフィクション賞を受賞した角幡氏は「探検ルートを事前によく調べ、練り込んだことで、今までの中では一番面白い本になったと思う。冒険から足を洗って違うことをやってみてはと言われるが、あと10年はやっていきたい」。高野氏は「誰にでもわかる面白さと同時に、研究者にとって基本資料になるということを意識して書いた。僕の本としては凄く売れて、専門家からの評価も良くてうれしい」と述べた。

新雑誌「GOLD」創刊/世界文化社

世界文化社は10月7日、45歳~52歳のバブル世代の女性を対象にしたファッション&ライフスタイル誌「GOLD」を創刊し、同日、東京・渋谷区の代官山蔦谷書店で読者を招いて創刊イベントを開催した。
同誌はバブル時代に青春を楽しんだ女性を「GOLD」世代と名付け、再び自分を輝かせるための衣食住などの新しいライフスタイルを提案していく。今井美樹さんが1年間、表紙モデルを務める。
創刊イベントで、内山しのぶ編集長は「外に向かっていたパワーを内に向ける時。10年先のキレイな女性を作っていきたい」とアピールした。また、三浦りさ子さんと萩原リカさんが登場し、内山編集長とそれぞれトークショーを行った。三浦さんは「東京オリンピックに向けて日本は元気になると思う。この雑誌を通して学んでいきたい」、同誌で連載する萩原さんは「自己流のエネルギーを持つGOLD世代に今の生活をマイペースで楽しんでほしい」と話した。
同誌は毎月7日発売。A4変形判。定価820円。発行部数は11万部。

9月期5・3%減/雑誌扱いコミックは続伸/日販調べ

日販営業推進室調べの9月期書店分類別売上調査は、対前年売上増加率が5・3%減。3年4ヵ月ぶりにプラス(1・0%増)となった先月から再びマイナスに転じた。雑誌の売上は2・4%減とマイナスに転じた。月刊誌は9月1日が日曜日だったことによる発売日繰り上げの影響で7・1%減とマイナス幅が拡大。雑誌扱いコミックは『NARUTO66』(集英社)が牽引して3・9%増と2ヵ月続伸したものの、他ジャンルの不振をカバーできなかった。
書籍は8・5%減。全ジャンルでマイナスとなった。文庫は9・4%減。先月に続き『オレたちバブル入行組』(文藝春秋)などのメディア化銘柄が好調だったものの、『ツナグ』(新潮社)など前年のメディア化関連銘柄には及ばなかった。実用書は前年ロングブレスダイエット関連銘柄が好調だった反動で6・8%減となった。

「朝の読書」25周年記念アンケート実施

トーハンは「朝の読書」25周年を記念してアンケートを実施。回答者の中から抽選で25名に図書カードをプレゼントする。実施期間は10月1日~11月30日。結果は来年1月に発表。体験者を対象に、当時読んだ思い出の本や「朝の読書」への思いを回答してもらうもの。公式サイト内の特設ページより回答。ハガキでの回答も受け付ける。

読書週間ブックリスト「旅」テーマに19点/トーハンが作成

トーハンはこのほど読書週間(10月27日~11月9日)にあわせて書店店頭で読者に配布するためのブックリストを作成した。今年の公式標語「本と旅する本を旅する」にちなんで「絵本を旅する」「写真・イラストで旅を実感」「心に残る小説・エッセイ」「旅の友はミステリー」の4つのテーマで旅関連の商品を社内公募し、推薦された延べ100点の中から19点を選び掲載している。掲載図書は以下の通り。
〔絵本を旅する〕
▽『バムとケロのそらのたび』島田ゆか=作絵、文溪堂)▽『新幹線のたび』コマヤスカン=作、講談社▽『ラストリゾート』ロベルト・インノチェンティ=絵、J・パトリック・ルイス=文、BL出版
〔写真・イラストで旅を実感〕
▽『死ぬまでに行きたい!世界の絶景』詩歩、三才ブックス▽『ツール・ド・本屋さん①四国・東海道・沖縄編』横山裕二、小学館▽『かわいい鉄道の旅』伊藤美樹、KADOKAWA▽『アジアパー伝』鴨志田穣・西原理恵子、講談社▽『郷土LOVE』みうらじゅん、KADOKAWA▽『楽園宿』三好和義、小学館
〔心に残る小説・エッセイ〕
▽『流星ワゴン』重松清、講談社▽『イタリアからの手紙』塩野七生、新潮社▽『女流阿房列車』酒井順子、新潮社▽『旅猫リポート』有川浩、文藝春秋▽『オン・ザ・ロード』ジャック・ケルアック、河出書房新社▽『時刻表2万キロ』宮脇俊三、KADOKAWA
〔旅の友はミステリー〕
▽『夢より短い旅の果て』柴田よしき、KADOKAWA▽『後鳥羽伝説殺人事件』内田康夫、廣済堂出版▽『十津川警部とたどるローカル線の旅』西村京太郎、KADOKAWA▽『暗い宿』有栖川有栖、KADOKAWA

外販企画の強化図る/出版社と合同決起大会開催/トーハン

トーハンは10月2日、東京・新宿区の本社で出版社合同決起大会を開催した。外販企画を再度強化するため昨年新設した外販営業部を中心に、下半期の外販企画を成功させ、出版社とトーハン営業担当者の情報・販売目標の共有化を図ることが目的。出版社11社が出席した。
第1部の企画説明会では、トーハンの谷川直人取締役商品本部長が「外商商品は書籍だけでなくマルチメディア商品など多岐にわたる。外商活動への取り組みの充実、下半期の外販企画の成功のため、決起大会を開催する」と開会宣言。岩波書店、KADOKAWA、河出書房新社、講談社、主婦の友社、小学館、創元社、東京書籍、日東書院本社、PHP研究所、ゆまに書房の11社46名が企画説明を行い、書店での取り組み状況、販促事例の発表を行った。トーハンの戸ノ崎和則外販営業部長は「我々トーハン営業一同は各社の外販新企画成功に向け、情熱、挑戦、スピードのトーハン精神を遺憾なく発揮し、力の限り拡販に取り組むことをここに宣言する」と決起宣言を述べ、100名を超える営業担当者は拍手で賛同した。
第2部の懇親会で、トーハンの近藤敏貴副社長は「出版社合同決起大会は今回が初めて。高知県の金高堂書店が毎年行っている販売コンクール決起大会を模したものだ。読者に本を薦めることの大切さを我々は忘れない。私を含め社員全員が一緒に行動を起こし、必ず成功させよう」とあいさつした。
出版社を代表して河出書房新社の小野寺優社長は「多くのトーハン営業担当者に接する機会を与えてもらい感謝している。トーハンは外販営業部が積極的な取り組みを行っている。出版社、書店、取次が三者一体で話し合いながら取り組めば利益は必ず取れる」とあいさつし、乾杯した。

人事

■太洋社
太洋社は9月26日開催の定時株主総会および取締役会で役員の選任と業務分担を以下の通り決定した。
代表取締役社長
國弘晴睦
専務取締役(営業・物流ユニット担当)加藤顯次
取締役(管理ユニット担当)大神田博
同(社外)安藤拓郎
監査役泉信吾
同沢野豊
■協和出版販売
協和出版販売は8月19日開催の株主総会で以下の通り役員を選出し、取締役会で担当職務を決定した。○印は新任。
代表取締役社長
坂井光雄
専務取締役(営業総括・取引管理部担当)佐久間信
取締役(総務部長・電算室担当)梅澤弘治
同(仕入部長・営業部長・業務部長・営業担当)
磯野芳郎
同(計算管理部長・経理担当)山口光臣
監査役○吉田勝次
相談役小貫邦夫
なお、取締役の田辺慶一氏、小野博和氏、顧問の雨谷正己氏はそれぞれ退任のうえ退職。また、監査役の町田孝治氏は退任した。

地域密着型サービス追求/國弘社長「第二の創業再生進める」/太洋会総会

太洋社の取引書店で組織する太洋会は10月9日、東京・新宿区の京王プラザホテルで第6回総会を開き、全国の会員書店58名をはじめ出版社、太洋社から國弘晴睦社長ら総勢181名が出席した。
総会の冒頭、竹島一夫会長(竹島書店)は「仲間の会員書店が帳合変更や廃業により減少した。太洋社は昨年、創業以来初の早期退職を行い、ベテラン社員が多く辞めた。私たちの仕事にどう影響するか心配したが、今は何の不安もない。残った社員が危機感をもって必死にやっている。若い社員が経験を積めばもっと良くなる」と太洋社の取り組みを評価。また、米国の書店事情に触れ、「独立系書店、専門店、そして太洋会会員書店に最も多い地域密着型書店が非常に元気だ。地域のニーズに合った商品構成、サービス、接客を徹底して売上を伸ばしているという。我々の生き残りのヒントになる。これらをもう一度見直したい」と述べた。
太洋社を代表して加藤顯次専務は「社員は若くなっている。発展途上だが、第二創世期としてがむしゃらに働き、期待に応えたい」と述べた。
議事ではすべての議案を原案通り承認可決。規約改正では、東北・北海道、関東・甲信越、北陸、東海・近畿・中国、四国、九州の6つの支部をブロックに改め、太洋会全体の運営では幹事を構成員とする幹事会を設置することを決めた。
懇親会で祝辞を述べた太洋社の國弘社長は、同業他社の帳合獲得合戦が激しくなり、8年前から業績が厳しくなったと説明。「トーハンから日販への帳合変更が続き、それ以降、トーハンによる帳合獲得攻勢が強まった。太洋社が他社に帳合変更された80%はトーハンによるもの。これに伴い業績低迷に歯止めがかからなかった」と述べ、「取次同士で取り合いをやっていて、将来の出版業界のためになるのかと悩んだ」と胸中を明かした。昨年末、希望退職の募集を実施したことについては「苦渋の決断だった」とし、「社長になって18年になるが、ここ3、4年は厳しく辛い経験をした。人員整理で若返りはしたものの、経験あるベテラン社員がいなくなり取引先に迷惑をかけた。今は若手社員を中心に業務改革に真剣に取り組み、第二の創業で再生が進んでいる。新しい太洋社を作るという気持ちでチャレンジしたい」と決意を語り、取引先に理解と協力を求めた。

「書店員が選んだおすすめコミック」/日販、アンケート開始

日販は「全国書店員が選んだおすすめコミック2014」を決定するため、全国の書店員からアンケート募集を開始した。書店員がすすめる作品を全国規模の書店店頭フェアとして大きく売り伸ばしていこうという企画で、06年にスタート。昨年は過去最多の1586名が参加した。
アンケート用紙は10月21日付で取引先書店に発送。1書店で複数名のエントリーも可能。応募締切は12月6日。対象作品は締切日時点で発刊が5巻以下のコミック。上位に選ばれた作品は14年2月に全国規模でのフェア展開を予定。