全国書店新聞
             

平成25年12月15日号(前)

景気浮揚策の実施求める/日書連など小売10団体、安倍首相を表敬訪問/中小小売商サミット

日書連など小売10団体で構成する全国中小小売商団体連絡会は11月27日、東京・千代田区の中小企業庁で第14回全国中小小売商サミットを開き、北川慎介中小企業庁長官と懇談。景気浮揚策の実施やまちづくり三法の見直し、消費税引き上げ後の対策を求める宣言文を採択し、北川長官に手渡した。また、サミット関係者一行は首相官邸に安倍晋三首相を表敬訪問し、宣言文の主旨を報告。「消費税引き上げの前に消費を喚起する政策を実施してほしい」と要望した。安倍首相は「中小小売業が発展するための施策を進める」と応えた。
サミットには、全国共同店舗連盟の松見真一理事長、全国小売市場総連合会の堀上統央会長、全国商店街振興組合連合会の坪井明治理事長、全国水産物商業協同組合連合会の永井良和会長、全国青果物商業協同組合連合会の野本要二会長、全国紳士服専門店組合連合会の辻忠城会長代行、日本商店連盟の穴口昭三会長、日本書店商業組合連合会(日書連)の舩坂良雄会長、日本専門店会連盟の山口哲男理事長、日本ボランタリーチェーン協会の田中彰名誉会長が出席。
サミットの代表者会議では、各団体が意見表明。日書連の舩坂会長は「消費税が3%から5%に上がった際、書店業界は大打撃を受けた。今後8%、10%と上がることが決まっており、危機感を持っている。出版物への軽減税率を求める署名運動を展開し、各党への請願活動を行ったところだ」と書店組合の取り組みを報告した。
続いて日本専門店会連盟の山口理事長が①中小小売商業者ならびに地域経済が実感できる着実な景気浮揚策の実施②まちづくり三法の見直しによる中心市街地活性化の取り組み強化③消費税引き上げに伴う価格転嫁対策の徹底――を求める宣言文を朗読し、拍手で採択した。
このあと北川文化庁長官との懇談会を開催。全国商店街振興組合連合会の坪井理事長から北川長官に宣言文を手渡した。北川長官は「商店街活性化対策、消費税引き上げの際の価格転嫁対策に最大限努力する。地域に密着した商業・サービス業は大切だと世の中に訴え続けたい」と話した。
サミット終了後、一行は首相官邸に安倍首相を表敬訪問。坪井理事長が宣言文の主旨を報告し、「アベノミクス効果はまだ末端の小売業まで届いていない。消費税が上がる前に消費を喚起する政策を実施し、中小小売業を支援してほしい」と要望した。
安倍首相は「中小小売業は地域を形成する中核。発展のため協力したい。消費税で価格転嫁対策と消費が落ち込まないための施策を進める」と述べた。

年末年始の日書連事務局体制

年末年始の特別体制により、日書連事務局の業務は、年内は12月27日(金)正午をもって終了させていただきます。年明けは1月6日(月)より通常業務に復します。ご了承ください。
日書連事務局

「海外事業者に公平な課税を」/文活機構などがアピール採択

文字・活字文化推進機構、海外事業者に公平な課税適用を求める対策会議、インターネットサービスにおける公正な消費税課税を求める連絡会は11月26日、東京・千代田区の参議院議員会館で「海外事業者に公平な課税適用を求める公開フォーラム」を開催した。
現在、インターネットを通じて国内で利用されるサービスは、国内から配信されると消費税が課税されるのに対し、海外から配信されると消費税が課税されず、国内企業は不利な状況に立たされている。来年4月に消費税が8%に上がると格差がさらに広がると懸念されている。今回のサミットはこの問題について国会議員にも理解を深めてもらうため開催したもの。
活字文化議員連盟の細田博之会長(自民)は「特別立法での対応が必要。死活問題という声を聞いている。税制改正は関係者の熱意にかかっている。応援したい」と述べた。
子どもの未来を考える議員連盟の河村建夫会長(自民)は「税は消費が発生すれば生まれる。公平でわかりやすくなければいけない。是正するのは当然」と述べた。
IT推進と公正な消費課税を実現する議員連盟の桜内文城事務局長(維新)は「海外にサーバーがあると課税されない。同じ条件で競争できる環境を作りたい」と述べた。
紀伊國屋書店の牛口順二理事(高井昌史社長の代理出席)が電子書籍、KADOKAWAの角川歴彦会長がグローバリゼーション、ヤフーの別所直哉執行役員が広告、ニフティの三竹兼司社長がクラウド、青山学院大学法学部の三木義一教授が法制度について報告。最後に「海外事業者による電子書籍、ネット広告、クラウド、音楽、映像等のインターネットサービスに対し、消費税が課税されないため、公平な競争が阻害されている事を至急、是正をお願いします」とするアピールを採択した。

「本屋大賞文庫フェア」受注開始/被災地に売上の一部寄付

本屋大賞実行委員会と〈大震災〉出版対策本部は11月15日、来年3月に予定されている「本屋大賞文庫フェア」の書店への案内と受注活動を開始した。
このフェアは、本屋大賞が今年4月に第10回を迎えたことを記念し、文庫化された過去のノミネート作品で行う。売上の一部を東日本大震災復興のため寄付する。
フェア内容は以下の大小2セット。▽Aセット=第1回から第8回までの文庫化されたノミネート作品のうち、各回1位から3位の作品を3部ずつ。計24作29点、全87冊▽Bセット=同。計8作11点、全33冊。
参加出版社は幻冬舎、講談社、光文社、小学館、新潮社、東京創元社、双葉社、文藝春秋、KADOKAWA。各出版社が売上に応じて震災寄付金を協賛。集まった寄付金で図書カードを購入し、〈大震災〉出版対策本部が被災地に寄付する。
問い合わせは同実行委員会の細井氏(℡03―6441―6706)、鳥居氏(℡03―6441―6731)まで。

藤原直理事長が続投/軽減税率署名に協力要請/宮城総会

宮城県書店商業組合(藤原直理事長)は11月17日午後1時30分より、仙台市秋保温泉のホテルニュー水戸屋で平成25年度通常総会を開催し、組合員74名(委任状含む)が出席した。
総会は小関真助副理事長(かほく書店)の開会の辞で始まり、あいさつを行った藤原理事長(金港堂)は、来年4月の消費税率8%引上げについて触れ、1997年の増税時は、一部雑誌は次号が発売されるまで以前の税率で販売する「経過措置」が実施されたが、今回はこの経過措置が除外されたと説明した。また雑誌の発売日について、月末や月初の発売日をずらす雑誌が出てくることが予想されると指摘。週刊誌は、4月1日が火曜日であるため、月曜日発売のものは雑誌発売2日目地区・3日目地区とで価格が異なってくるとして、今後の対応課題だと述べた。
日書連が実施している、出版物に軽減税率適用を求める請願運動は、現在18万6500名の署名が集まっていると報告し、より一層の協力を要請。また出版社に対して雑誌の付録綴じの業務改善を要望していることを説明した。このほか、県組合で引換業務を行っている教職員互助会図書券がレジャー施設利用券と共同利用になる提案があり、それによって図書購入利用が増えることが見込まれると話した。
続いて、藤原理事長を議長に議案審議を行い、平成25年度事業報告、決算報告、平成26年度事業計画案、予算案などを原案通り承認した。役員改選では、選考委員6名による指名推薦を総会に諮り全員を承認。新任理事は紀伊國屋書店・大作裕秀氏、塩川書店・塩川裕一氏、湘南ブックセンター・千葉幸也氏の3名、退任理事は塩川久治氏、後藤崇氏、今野智裕氏の3名で、他の役員は藤原理事長以下留任となった。
菅原正敏副理事長(興文堂書店)の閉会の辞で総会を終了。第2部では恒例の版元取次企画説明会が開かれ、日販、トーハン、NHK出版、小学館、三省堂、農文協、ベネッセ、中央運輸、聖教新聞社の順に各社から説明が行われた。
(佐々木栄之広報委員)
〔宮城組合役員〕
▽理事長=藤原直(金港堂)▽副理事長=菅原正敏(興文堂書店)大沼所佐衛門(かど書店)小関真助(かほく書店)▽専務理事=柴修(ブックス・ミヤギ)▽会計理事=米竹隆(米竹書店)

傘下組合員の増加図る/秋田総会

秋田県書店商業組合(加賀谷龍二理事長)は11月11日午後3時より秋田市添川の「秋田温泉さとみ」で第27回通常総会を開催、組合員25人(委任状含む)が出席した。
始めに加賀谷理事長があいさつと日書連報告を行い、引き続き高堂専務理事の司会で総会を進行した。総会では加賀谷理事長を議長に選任、議事次第に従い進行協議して、各議案とも可決承認した。
今年は、組合員の増減は無かったものの依然として人数が少ないままであり、組合員の増加を引き続き図っていく。組合員数の減少により組合の運営も大変苦しくなっており、改善の為に抜本的対策が必要と考えられること、組合員にメリットが出るように努力するので、組合運営に積極的に参加をお願いしたいと説明があった。
総会終了後、トーハン、日販、小学館を迎え、各社から祝辞とともに今後の方針や目標、発刊予定の本について紹介があり、秋田県の組合員が皆で小学館の本を積極的に増売しようと呼びかけた。
引き続き午後6時より、石川監査の司会で懇親会を開催した。地元の美味しい食事・美酒を肴に、時間が過ぎ去るのも忘れる程に楽しい中で情報交換を行い、日頃の疲れを癒す良い時間となった。
(石川信広報委員)

「帯コン」優秀作の帯付き図書を拡販/大阪組合

大阪府書店商業組合(面屋龍延理事長)は11月9日、大阪組合会議室で定例理事会を開催した。
庶務報告では、出版文化産業振興財団(JPIC)と日書連が主催する「20歳の20冊」運動を自治体へ働きかけてほしいと要請した。また、「東淀川絵本読み聞かせ」事業は、2回目の絵本読み聞かせボランティア入門講座を10月31日に東淀川区役所で開催したと報告した。
読書推進委員会では、「本の帯創作コンクール」入賞作89点の児童の名前が10月30日付朝日新聞大阪版に掲載されたと報告。今年は府内216小学校から9809作品の応募があり、表彰式は11月16日午後1時から大阪市の「エルおおさか」2階大ホールで開催すること、課題図書9点の上位賞を受けた作品の帯を印刷し、11月15日から書店店頭で帯を付けた本を販売することを説明した。
また、茨木市版「帯コン」作品は、阪急茨木市駅2階ロサヴィア内で11月29日から平成26年1月31日まで展示。堺市版「帯コン」作品の展示会は12月17日・18日に市役所本館エントランスで行うと報告した。
消費税問題特別委員会では、上田監事(王子書店)が大阪1区選出の左藤章衆議院議員(自民党)と先代から付き合いがあるため、消費税軽減税率適用を求める請願の紹介議員になることについて了承を得たと報告。11月20日に行う日書連の請願活動では、面屋理事長が議員会館を訪問する際の面会の段取りをしたと説明した。
(金田喜徳郎事務局長)

出版社4社の増売企画を説明/東京理事会

東京都書店商業組合(舩坂良雄理事長)は12月3日に書店会館で定例理事会を開催した。各委員会の主な審議事項は次の通り。
〔事業・読書推進〕
第7回「読者謝恩図書カード」は、申込み枚数の上限を外して第2次販売を開始することを承認した。増売企画は、NHK出版「シニアの簡単1人分ごはん」他、光文社「私の嫌いな探偵」他、ダイヤモンド社「ロスジェネの逆襲」他、文藝春秋「BIG4フェア(藤沢周平、司馬遼太郎、池波正太郎、平岩弓枝)」について、各出版社の担当者が企画説明を行った。
〔取引・流通改善〕
TS流通協同組合の11月期発注件数は4826件(前年同月比86・3%)、売上金額は691万2815円(同110・2%)、書店数は77書店(同122・2%)となった。
〔デジタル推進〕
電子書籍販売サイト「BOOKSMART」は、iOS対応を11月28日から開始。auやソフトバンクへの対応を12月3日から行うと報告した。書店店頭連動企画については、双葉社コミック『永遠の0』を追加受注した書店に拡材のポストカードを送付。また双葉社コミック『達人伝』(王欣太・作)の増売に取り組んでいることを報告した。PHP研究所「課長のオススメ」文庫フェアは、サイトへ誘導するQRコードを印刷した特製帯を使用して来年1月に実施する。
〔書店再生〕
日書連は11月15日付で雑誌の付録綴じの業務改善に関する要望書を作成、出版社8社を訪問して改善を要請したことを報告した。

日書連のうごき

11月2日神保町ブックフェスティバルに舩坂会長が出席。
11月3日Viva神保町セレモニーに柴﨑副会長が出席。
11月5日神奈川組合幹部と図書館サポート部会が懇談。
11月6日野間読書推進賞贈呈式に舩坂会長、西村、小泉両副会長が出席。
11月8日BOOKEXPOに舩坂会長が出席。
11月12日政策委員会。
11月13日読書週間書店くじ抽せん会。ためほんくん管理委員会に深田部会長が出席。JPIC理事会・評議員会に舩坂会長、藤原、西村両副会長、川島、筒井、東浦、江﨑各理事が出席。
11月15日出版倫理協議会。
11月19日「出版再販・流通白書」事務局打合会。
11月20日消費税軽減税率請願に舩坂会長、面屋、小泉両副会長、佐藤、中村、長谷川各理事が出席。
11月21日JPO運営委員会に柴﨑副会長が出席。大阪屋を高島部会長が訪問。
11月25日書店再生委員会。
11月26日東京国際ブックフェア実行委員会。海外事業者に公平な課税を求める公開フォーラムに舩坂会長が出席。
11月27日第14回全国中小小売商サミットに舩坂会長が出席。
11月28日図書普及役員会に舩坂会長他出席。
11月29日子どもの読書推進会議。出版サロン会に舩坂会長が出席。

来年9月に北海道大商談会を開催/北海道理事会

北海道書店商業組合(志賀健一理事長)は11月12日、札幌市中央区の北海道建設会館で定例理事会を開催した。
志賀理事長、高橋千尋副理事長から日書連理事会及び委員会について報告があった後、道組合の活動について議論。事故時の発売日問題について協議し、取協・雑協・輸送会社の意見を聴取して次の理事会で報告することにした。
また「北海道大商談会」を、出版文化産業振興財団(JPIC)を事務局として、来年9月上旬に開催することを承認した。
(事務局・髙橋牧子)

商談成立、来場者数とも前回を上回る/BOOKEXPO

「BOOKEXPO」実行委員会(萩原浩司代表幹事=宮脇書店大阪柏原店)は11月8日、大阪市の梅田スカイビル10階「アウラホール」と22階会議室で「BOOKEXPO2013秋の陣~動け!書店人~」を開催した。
3回目を迎えた「BOOKEXPO」は、今回から22階に会場を新設、出展社が昨年の141社・136ブースから177社・178ブースへ大幅に増加した。商談成立数は3767件(昨年3669件)、商談成立金額は7442万130円(同6979万1479円)、来場書店は839人(同711人)、総来場者は1631人(同1454人)といずれも前回を大きく上回った。
当日は午前10時45分から10階「アウラホール」でセレモニーを開催。主催者あいさつに立った世話人会代表のダイハン書房・長谷川政博社長、来賓あいさつを行った日本雑誌協会・石﨑孟理事長、出版文化産業振興財団・肥田美代子理事長とも「過去最大規模での開催」に期待を寄せた。
午前11時から商談会が開会し、多くの書店人が目当ての出展社ブースへ。各所で活発な商談や情報交換が行われ、閉会の午後5時半まで大変な混雑が続いた。22階会場は「コミックサロン&勉強会」「第三商材」「イベント」でコーナー分けされ、大勢の書店人で賑わった。なかでも「コミック勉強会」は、会場に入りきれないほどの盛況ぶりだった。
出展社からは、「コストの問題から十分に営業に回れない状況だが、一度にこれだけの書店が集まっていただける機会はありがたい。今後もこうした機会をさらに活かすべく、工夫していきたい」との声が聞かれた。また来場書店は、「出版社の営業が減ったり、取次会社の出先在庫がなくなったりと、情報を得ることや現物を見ながら仕入れることが難しくなった近年、こうした商談会はもっと増えてほしい」「店の売上げに大きな影響を与えるコミックがコーナー化したり、勉強会をやってくれたのはありがたかった。次回も楽しみにしている」と今後の展開にさらなる期待を寄せていた。

軽減税率適用を読者にPR/「辞書を読む」書店フェア実施/JPIC

出版文化産業振興財団(JPIC)は11月13日に東京・新宿区の日本出版クラブ会館で評議員会と理事会を開き、平成25年度上半期事業報告・収支報告、下半期事業計画、役員の一部交代等を決定した。
審議の冒頭で肥田美代子理事長は、「出版業界は、新聞業界と連携しつつ『活字文化に対する軽減税率適用』を求めている。文字・活字文化推進機構では国会議員を集めてフォーラムを開催した。日書連も多くの署名を集めている。来春の増税時には、JPICとしても国民の理解を求めてゆかねばならないと考えている」とあいさつした。
下半期の事業では、出版物への軽減税率適用について読者の理解を得るため、全国紙への広告掲載や、書店店頭でのポスター掲示、雑誌出版社への広告掲載要請などを実施。読者へのメッセージには、海外の軽減税率適用事例を挙げながら、増税で子どもたちの読書機会が損なわれることを懸念するとの趣旨を盛り込んで啓発活動を展開する。
「辞書を読む」プロジェクトは、第2回「書店店頭フェア&飾り付けコンクール」を来年3月から開催。参加書店には、ポスター、POP、参考図書リスト等の拡材を配布する。期間中に、著名人・編集者などが出演するトークショーも開催する予定。
役員の一部交代では、大橋信夫副理事長(日書連前会長)、郷田照雄理事(栗田出版販売)、柳楽節雄評議員(家の光協会)が退任。新たに日書連・舩坂良雄会長が副理事長に、同・本間守世理事と栗田・山本高秀社長が理事に就任、家の光協会・下川正志氏が評議員に就任した。

店舗活性化へ熱い商談/第2回「美ら島商談会」を開催/沖縄組合

沖縄県書店商業組合(小橋川篤夫理事長)は11月14日午後1時から、那覇市のホテルシティコート3階イベントホールで第2回「美ら島商談会」を開催した。
商談会は出版社43社50人がブースを展開し、組合員書店20店50人が来場。今回も、昨年同様期間中に沖縄日販会、沖縄トーハン会が総会を開き、来場促進に貢献した。
開場前、出版社関係者らを前に小橋川理事長は、「今回2回目の開催で多数の出版社が参加していただいたことと、昨年出展した出版社と今回新規に出展していただいた出版社に感謝する。沖縄の書店が集結し、出版社との情報交換や店舗の活性化につながることを期待している」とあいさつした。
商談会は、昨年指摘のあったブースのしきりを止めて会場の見通しを良くし、入口と会場中央に大きな配置図を掲示した。2回目の開催のためか、来場者はスムーズに各ブースを廻り、2時間に及ぶ熱い商談が行われた。
(安仁屋博一広報委員)

出版業界の新春行事

【書店関係】
〔北海道〕
◇平成26年北海道取協・出版社・書店組合新年合同懇親会=1月21日(火)午後6時から、札幌市中央区のJRタワーホテル日航札幌で開催。
〔宮城〕
◇合同新年懇親会=1月8日(水)午後5時から、仙台市青葉区のホテルメトロポリタン仙台で開催。
〔神奈川〕
◇新年懇親会=1月17日(金)午後6時から、横浜市中区の華正樓で開催。
〔東京〕
◇新年懇親会=1月15日(水)午後5時半から、東京都文京区の東京ドームホテル地下1階「天空」で開催。
〔静岡〕
◇静岡県書店商業組合第46回新年総会=1月14日(火)午後3時から、浜松市西区の舘山寺サゴーロイヤルホテルで開催。午後4時から支部会、午後6時から懇親会。
〔愛知〕
◇平成26年新春賀詞交歓会=1月14日(火)午後5時半から、名古屋市千種区のルブラ王山2階「金鯱の間」で開催。
〔大阪〕
◇平成26年度大阪出版販売業界新年互礼会=1月9日(木)午後4時から、大阪市北区のホテルグランヴィア大阪で開催。
〔京都〕
◇京都出版業界互礼会=1月8日(水)午後4時半から、京都市中京区の京都ホテルオークラ「翠雲の間」で開催。
〔福岡〕
◇福岡県出版業界新年の会=1月8日(水)午後4時から、福岡市博多区のホテルオークラ福岡で開催。
【取次関係】
〔日教販〕
◇第63回日教販春季展示大市会=1月7日(火)午前10時から東京都新宿区のホテルグランドヒル市ヶ谷で開催。セレモニーは午後0時45分から。
〔トーハン〕
◇2014年トーハン新春の会=東京会場は1月7日(火)午前10時半から、東京都文京区の椿山荘プラザ棟5階「オリオン」で開催。社長あいさつは午前10時半。近畿会場は1月9日(木)に大阪市北区のトーハン大阪支店で開催。午前9時から活性化セール、同10時から賀詞交換会。物流部門新年賀詞交歓会は、1月7日(火)午後0時半から、東京都文京区の椿山荘タワー棟11階「マーガレット」で開催。
〔日本出版販売〕
◇2014年新春を祝う会=1月7日(火)午前10時から、東京都港区のザ・プリンスパークタワー東京地下2階「ボールルーム」で開催。社長あいさつは午前10時。
〔大阪屋〕
◇新春おでんの会=1月10日(金)正午から、東大阪市の関西ブックシティ1階特別会場で開催。社長あいさつは正午。
〔栗田出版販売〕
◇2014年栗田新春あいさつの会=1月9日(木)午後2時半から、東京都千代田区のアルカディア市ヶ谷3階「富士の間」で開催。社長あいさつは午後2時半。
〔中央社〕
◇新年ご挨拶の会=1月8日(水)午前10時から、東京都板橋区の本社3階ホールで開催。社長あいさつは午前10時。
【関係団体】
◇日本出版クラブ新年名刺交換会=1月7日(火)正午から、東京都新宿区の日本出版クラブ会館で開催。
◇全国医書同業会新年互礼会=1月6日(月)正午から、東京都千代田区の帝国ホテルで開催。
◇書店新風会新年懇親会=1月7日(火)午後5時から、東京都新宿区のハイアットリージェンシー東京で開催。
◇出版梓会第29回梓会出版文化賞贈呈式=1月16日(木)午後6時から、東京都新宿区の日本出版クラブ会館で開催。

店頭クレームの対処法学/東京組合書店経営研修会

東京都書店商業組合(舩坂良雄理事長)は11月18日、書店会館で平成25年度書店経営研修会としてパネルディスカッション「店頭クレームの実例と対処法」を開催。パネラーとして、教文館・渡部満社長、紀伊國屋書店・秋田元二首都圏業務センター長、ジュンク堂書店・毛利聡お客様センター長が、実際にあったクレームとその対応について報告した。
釣銭の間違いから裁判にまでいたったケースの紹介では、「連絡ミスで、苦情について社内で情報を共有しなかったため、対応が火に油を注ぐ結果になった。この件の後、外部から講師を招いて研修会を実施した。クレームを機会に、どうしたら業務が改善できるか、またお客様と新しい関係を築けるチャンスとしてポジティブに考えるようにするという指摘を受けた」との説明があった。
販売員のミスで本を1冊袋に入れ忘れ、お客様が引き取りに来店したときの応対で苦情があった事例では、「別の販売員が、通常の接客で指導している通りに笑顔で応対したところ、『わざわざ取りに行ったのにきちんとした対応をしてもらえなかった。笑いながら謝られても納得できない』とお怒りの電話を頂戴した。クレームのお客様にはいつも通りの対応をするのではなく、お客様に特別な感じを持っていただくような謝り方をしないと、さらなるクレームを呼ぶことになる」と指摘した。
接客態度に関する苦情については、「『不快だ』とか『許せない』というきつい言い回しをするお客様が多い。一方、従業員にはそんなつもりはなく、お客様との間に温度差ができてしまう。不快感を与えたことについてはきちんとお詫びし、事例を基に今後どのような対応をすればいいのか指導教育していくことが大事。苦情への対応は、お客様に言いたいことを吐き出してもらい、それを共感を持って聞く姿勢でいることが大切だ」と解説した。

「官兵衛を知る」講演会を開催/兵庫組合

兵庫県書店商業組合(山根金造理事長)は11月23日午後3時から、神戸市産業振興センターで「官兵衛の魅力」と題する講演会を開催、約50名が参加した。
この講演会は、組合企画「読んで、聞いて、行ってみて、官兵衛ざんまい」の二の陣として開いたもの。森忠延専務理事の司会で始まり、山根理事長はあいさつで、企画の趣旨説明と今後実施するバスツアーの紹介を行った。引き続き講演会となり、播磨学研究所所長で兵庫県立大学特任教授の中元孝迪氏が登壇した。
中元氏は、司馬遼太郎『播磨灘物語』により黒田官兵衛は補佐役の軍師のイメージが定着したが、天下を狙う有力戦国大名との見方を示し、「官兵衛は文人としての素養を持ちつつ、情勢を的確に判断し大局を見ることができた人物。毛利に付くか織田に付くかの判断の際に、天下布武を標榜する織田に付くことを進言、周りの諸大名も説得し、長男松寿丸(長政)を信長に人質として差し出すほどだった。主君小寺氏、伊丹の村木氏の翻意に対し一貫して主張し、幽閉されながらもぶれることはなかった。秀吉に中国大返しを進言して秀吉を天下人にしつつ、その後の関ヶ原の戦いの際には九州平定に乗り出し第三極として天下をもうかがった」と述べた。
講演は大変興味深く、聴く者を引き付けて80分で終了、質疑応答の後に閉会した。(安井唯善広報委員)

第1回京都本大賞/『タレーランの事件簿』が受賞

京都を舞台にした小説の中から最も地元の人に読んでほしい本を決める第1回京都本大賞の表彰式が11月3日、京都市中京区のゼスト御池内にあるハーバーカフェで開催され、書店、出版社、報道関係者など30名が出席。大賞に選ばれた『珈琲店タレーランの事件簿』(宝島社)の著者、岡崎琢磨氏に、京都府書店商業組合の中村晃造理事長が表彰状と記念品を授与した。
表彰式の席上、岡崎氏は「昨年デビューしてから初めて文学賞を受賞した。肩書ができたことを光栄に思う。京都は大学時代の4年間を過ごした第2の故郷と思える場所。その時の経験をもとに作品を執筆したことが受賞につながった。京都で過ごせたことを幸せに感じる」と喜びを語った。
今回は候補43作品の中から書店員らの投票でノミネート3作品を選定し、読者の投票で大賞を決定。投票総数1148票のうち大賞作品は642票を獲得した。なお、同賞は京都組合が後援している。
受賞作が発表されたことで、今後約半年間にわたり販売強化を推進。府内の書店で受賞を告知するポスターを掲示し、受賞作品に受賞記念の帯を付けて販売する。(澤田直哉広報委員)

武雄市図書館巡り討論/図書館総合展

10月29日から31日まで横浜市西区のパシフィコ横浜で開かれた第15回図書館総合展(同運営委員会主催)は、総入場者数が歴代最高の2万9963名、総出展者数190社、総フォーラム数90コマ、ポスターセッション52団体、「おすすめ本コーナー」170社652冊という記録ずくめの総合展となった。
この中で最も注目を集めたのは、30日に行われたフォーラム「武雄市図書館を検証する――ニュースとなった〈武雄〉から〈公立図書館界〉が見えてくる」。立命館大学文学部の湯浅俊彦教授がコーディネーターを務め、佐賀県武雄市の樋渡啓祐市長、慶應義塾大学文学部の糸賀雅児教授、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の高橋聡プロジェクトリーダーの3氏が討論した。定員500名の会場は満席となり、立ち見も出るほど高い関心を集めた。
樋渡市長は、武雄市図書館が4月1日にオープンしてからの半年間について「来館者数は年度目標の50万人をすでに超えた。今まで図書館に縁遠かったユーザーが足を運んでくれるようになり、6%の人が毎日来館している。83%が満足しているとのアンケート結果も出ている。指定管理者制度でCCCに委託してよかった」と総括した。
糸賀教授は「図書館と代官山蔦屋書店がうまく融合している。これまでの図書館のモノサシでは測れない。違った価値を実現している。集客力を持った本のある公共空間を生み出した」と指摘。図書館資料の利用状況について、隣接する伊万里図書館では図書館資料を使っている来館者が57・3%だったのに対し、武雄市図書館は約2割と書店の資料利用率と同数だったとの調査結果を示し、「武雄市図書館は図書館資料を使っている人が少ない。むしろカフェや書店で資料を見ている人が多い。市立図書館というよりは『公設民営のブックカフェ』」との見方を示した。
これに対し、樋渡市長は「宿泊者数、タクシーや飲食店の売上が3割伸びている。図書館のそばに移り住みたいという人もいて、近くにマンションも建つ。街の中に図書館を作ったつもりだが、図書館の中に街が出来たと言う人もいる。コミュニティスペースとして情報発信の場になっている。街作りのエンジンになりつつある」と、図書館が地域活性化に結び付いている事例をあげて反論した。
高橋プロジェクトリーダーは「他の図書館との比較は意味がない。市民価値にとってどういう図書館像であるべきかしか考えていない」と図書館作りの考え方を説明。これを受け、樋渡市長は「我々は提供者目線ではなくユーザー目線に立っている。税金で建っている図書館だから納税している市民の満足を考えたい。足りないところは修正していく」と述べた。
糸賀教授は「施設のかなりの部分が、スターバックスや書店など目的外使用。法律上何の問題もないし、手続きも踏んでいる。でも、あれだけ目的外使用のスペースがあるものを、私は図書館と呼ぶことはできない」と強調した。
樋渡市長は「図書館は多様性の象徴であるべき。各地域によって色々な図書館があっていい。図書館に対する見方を変えるという意味で我々は問題提起したと思っている」と述べ、今後も市民価値向上の視点に立脚した図書館を目指すと意欲を語った。
糸賀教授は「継続性、公平性、公立性を担保した指定管理者であれば問題はない。行政サービスの一環として、この3点を十分考慮した上での図書館運営を期待している」と述べた。