全国書店新聞
             

平成19年11月11日号

雑誌協会、書籍協会合同で50周年祝賀会

日本雑誌協会(村松邦彦理事長)と日本書籍出版協会(小峰紀雄理事長)の両団体は、11月21日午後6時から東京・日比谷の帝国ホテルで創立50周年記念式典を開催する。
雑誌協会は昨年1月、書協は今年3月に相次いで創立50周年を迎えたため、記念事業の一環として合同の祝賀会を開催することになった。

1日で3千万円販売/神保町ブックフェスティバル

第17回神保町ブックフェスティバルが10月27日、28日の両日、本の町・神田神保町で開かれた。季節外れの台風20号による雨で27日の開会式や、すずらん通りで予定されていた本の得々市は中止になったが、28日は朝から爽やかな秋晴れにめぐまれ、本の掘り出し物を求める人や、イベントを楽しむ人でにぎわった。
今年の「本の得々市」は132の出版社が169台のブースを並べ、約3千万円を売り上げた。東京組合千代田支部もワゴン2台、東京組合青年部はワゴン3台で汚損本や雑貨などを販売した。

上平井小へ朝読大賞/2団体に文字活字文化推進賞

高橋松之助記念「朝の読書大賞」「文字・活字文化推進大賞」は、社団法人全国出版協会が読書推進と文字・活字文化振興に貢献し、業績をあげた学校、自治体、団体、個人を顕彰するために今年設けた賞。記念すべき第1回の表彰式が10月31日午前11時から千代田区大手町のクラブ関東で行われた。
贈呈式は全国出版協会肥田美代子顧問の司会で始まり、初めに主催者を代表して全国出版協会田中健五会長があいさつ。「今日は大賞ができて第1回目の贈呈式で、めでたい出発の日。第1回がうまくいかないと続かない。文学界新人賞も石原慎太郎が『太陽の季節』で受賞し、芥川賞候補となってステータスを高めた。今回の2つの大賞受賞の皆さんが今後ますます活躍されることにより、大賞の価値も高まっていくと思う」と趣旨説明。
選考経過は日本出版学会会長、上智大学教授の植田康夫氏が詳細に報告したあと、朝の読書大賞は全国出版協会田中会長から、同特別賞は全国出版協会上瀧博正理事長から、文字・活字文化推進大賞は井出孫六選考顧問から受賞者に賞状と副賞が贈られた。
祝辞は日本ペンクラブ会長で選考顧問の阿刀田高氏が「読書を土台から支えるユニークな賞の受賞者を選出できたことは喜び。読書が衰退すれば日本は滅びる。活字の世界を大事にしていこう」と述べた。
受賞者あいさつでは、朝の読書大賞小学校の部の葛飾区立上平井小学校・渋谷英一校長が「本校では生活指導上の課題への対応から朝の読書を始めた。子どもたちが悪いことをする、それを叱るでは根本的な解決にならない。子どもたちの心に直接働きかけたいと願いスタートした。最初はうまくいかなかったが、3年目に奇跡が起きて全校で取組めるようになった。受賞をきっかけに、教育委員会とも連携し、教職員が心をひとつにして読書の土台を築いていきたい」と受賞の言葉を述べた。
中学校の部を受賞したおいらせ町立木ノ下中学校福沢周治校長は「受賞が地方紙2紙に写真つきで掲載され、町中大騒ぎだ。昭和60年には小中学校が一緒の小さな町だったが、ベッドタウン化が進み、小中学校も分離して、平成7年から朝の読書に取組んだ。その後生徒数の拡大に伴って先生方抜きの朝の読書になってしまった。これを立て直すため先生も一緒にもう一度朝の読書に取り組んだ。青森は図書予算が全国最低で私の学校も年間予算24万円ほどだが、読書を通じて心豊かな子どもを育てていきたい」とあいさつした。
特別賞を受賞した大塚笑子氏は「台湾からも講演依頼が来た。現在、朝の読書は2万5千校に拡がった。小・中・高校4万校すべてで朝の読書が始まることを期待している」と現状を報告して御礼の言葉に代えた。
文字・活字文化大賞を受賞した「高岡らっこの会」津幡敬子会長は「ブックスタートのロゴマークから名前をとって2001年に設立した。同窓生だった高岡市・文苑堂書店の吉岡社長からブックスタートの話を聞き、行政に働きかけたが予算がつかなかった。そこで吉岡社長が私費を投じて43名のボランティアで始めた運動。3カ月検診の赤ちゃんでも読み聞かせに生き生きと反応する。10年、20年後の子どもたちの成長が楽しみ」と受賞の喜びを述べた。
〔朝の読書大賞〕
▽小学校の部=葛飾区立上平井小学校(いじめ、器物破損、反抗と荒れていた学校を朝の読書の生活習慣で立ち直らせた)
▽中学校の部=おいらせ町立木ノ下中学校(一度は崩れかけた朝の読書を教職員の意識改革で再建する)
▽高等学校の部=熊本県立第2高等学校(平成10年度から取組み、9割の生徒が図書館で月1冊以上の貸出を達成)
▽特別賞=大塚笑子(朝の読書最初の実践者)
〔文字・活字文化推進大賞〕
▽茨城県大子町(書店1店、図書館1館の厳しい環境下で町をあげて読書活動を展開。読書のまち宣言を行う。
▽高岡らっこの会(2001年からボランティアでブックスタート運動を展開する)

大人の塗り絵教室に30名が参加/京都組合

京都府書店商業組合(中村晃造理事長)は10月19日、京都市内の書店会館で「大人の塗り絵教室」を開催した。後援は「大人の塗り絵クラブ」。講師にはサクラアートミュージアム学芸員の前田真由美氏、サクラクレパス大人の塗り絵認定講師の伊熊義和氏を迎えた。
後援の「大人の塗り絵クラブ」は大人の塗り絵の全国コンテストを主催する団体で、コンテストの課題には河出書房新社刊の「大人の塗り絵」シリーズを指定している。今回の講習会では同じくそれを教材に、午前には「水彩色鉛筆コース」、午後から「クーピーペンシルコース」を設けた。
参加者は総勢30余名。絵を描くのは小学校以来で数十年ぶりだという男性から将来芸術系の職業を志す大学生まで、性別や年齢を問わないものだったが、そのほとんどが「大人の塗り絵」に特化した講習会への参加は初めて。
講習では線の書き方や「色」についての絵画における基礎知識、「大人の塗り絵」特有の描き方の技術やコツなどについて上達のポイントを講師が話し、参加者は熱心に耳を傾けた。実技講習に移ると、慣れない画材を前に戸惑う姿も見受けられたが、徐々に描き進められていく作品を講師が見て回り各々にアドバイスすると、制作意欲が増した参加者は時間を忘れて作品の制作に没頭した。
閉会あいさつで中村理事長は「今回の講習で得た知識と技術を家庭に持ち帰り『大人の塗り絵』を末永く楽しんでいただきたい。書店という立場から読者の方々に喜ばれる様々な催しを企画し続けていく。今後もぜひ地元書店をご利用いただきたい」と述べた。(澤田直哉広報委員)

読み聞かせやサイン会/大阪で子どもの本フェスティバル

活字文化推進会議、日本児童図書出版協会、JPIC主催、大阪府書店商業組合協力の第5回「子どもの本フェスティバルinおおさか」が10月27日、28日の両日、大阪市中央区のツイン21ビル1階で開かれ、会場は多くの親子で賑わった。
子どもたちに人気のデュオ「ケロポンズ」が特設ステージで唄う「エビカニクス」でオープニングセレモニーが賑やかにスタートし、主催者を代表して日本書籍出版協会理事長・小峰紀雄氏があいさつ。活字文化推進会議を支える読売新聞社の読書推進運動への貢献を称え、「会場内の『わくわく子どもの本マーケット』に展示されている本には良い本がたくさんあるので、1冊でも本を買って帰ってください」と述べた。
また、JPIC理事長・肥田美代子氏は「人がものを考え、表現する、行動する、コミュニケーションを図ることの基本には言葉があります。言語力は生きる力とも言える」として、近年多く見られる児童などが巻き込まれる痛ましい事件などは、言語力の弱体化から引き起こされるモラルの低下や、人として当然の他者への思いやりの未発達などからきているのではないかと嘆き、言語力を養う読書の重要性を訴えた。
特設ステージでのイベントは、27日午後1時半からの「ケロポンズ」コンサート」及びサイン会、午後3時半からの「化学実験キャラバン」、28日午前11時からの「ももんちゃん」シリーズ作者・とよたかずひこ氏による自作絵本の読み聞かせ会及びサイン会、午後3時からの「ぼくの作った歌と絵本」のコンサート及びサイン会などが行われた。(中島俊彦広報委員)

生活実用書/注目的新刊

沖縄に行く機会があって、かねてから訪ねたいと思っていた「ひめゆりの塔」に足を向けた。ひめゆり平和祈念資料館を見た。1945年。命を落とさずにすんだ方々が、「証言員」として当時の様子を静かに語られていた。「太陽の下で大手を振って歩きたい…」という少女達のささやかな望みを印す古い手紙の筆跡に、不覚にも涙が滲んだ。
旅は目的があれば普通の地図で事足りるがそれだけでなく、付加価値のある地図や旅の本が賑わいを見せている。
『歴史の足跡をたどる日本遺構の旅』(昭文社まっぷる選書⑤700円)も地図の出版社による提案の旅。北海道、東北から九州、沖縄までの全5章に、歴史や地図から消された22の遺構が紹介されている。
青森県五所川原市の十三湖の西側に、中世の代表的貿易港「十三湊(とさみなと)」があった。以前から1340年の地震による津波で壊滅したといわれてきたが、平成になってから調査が始まり、次次に遺跡や陶磁器が発掘された。瀬戸焼やアイヌの硝子、中国の天目茶碗や高麗の青磁なども出土し、北方交易都市だったことが裏付けられた。
また、東京渋谷のハチ公のやや手前から山手線を越えて走るロープウェイが1951年にあったことにも驚く。
1972年、沖縄海洋博で建築されたアクアポリスが、2000年に上海に運ばれて解体されたことも、最早忘れられている史実だ。写真、地図、資料がふんだんに駆使され、読み物としても面白い。
一坂太郎著『東海道新幹線歴史散歩』(中公新書19151000円)は車窓から見える古代遺跡から昭和の歴史遺産までを紹介する。東京-品川から16番目の京都―新大阪まで、各駅間から見える
105のスポットである。
たとえば、掛川―浜松間の「松林山古墳」はA席側。下り「掛川駅通過後、トンネルをくぐり、橋を3つ渡って、水田のあとの森」。上りでは「天竜川を渡り、東部小学校を過ぎて1・2キロ」である。この古墳を守るために、新幹線ルートが北側に変更された場所でもある。車窓からの写真でも、側道は左にカーブしている。遺跡には赤い矢印が付されるので発見しやすい。写真も地図もカラー。
実に様々な旅がある。
(遊友出版・斎藤一郎)

支店などの組合加入促進/組織改革で支部体制強化/東京

東京都書店商業組合は11月6日午後2時から書店会館で定例理事会を開き、組織改革問題について討議した。組織改革は歯止めのかからない組合員数減少対策として組織強化委員会を中心に取り組んでいるもの。本間委員長は「10月16日に支部長会を開催。各支部の現状を聞き、組織改革について話し合った。今後、支部活動を支援する体制の構築が必要。未加入支店を含め組合加入促進を積極的に図っていきたい」との考えを示した。
指導・調査委員会からは「07中小書店経営研修会」の内容が正式決定し、10月18日付で全組合員に案内状を送付したと報告。同研修会は11月12日午後3時から書店会館で開催。第1部は「名画DVDの販売施策」をテーマにサイドエー事業部長・橋本直生氏、第2部は「低迷する雑誌販売に活!」をテーマに文藝春秋取締役・名女川勝彦氏、講談社販売部次長・金子義雄氏が講演する。第2部は「雑誌で支える書店経営――『わたしはこうして雑誌売上げを伸ばしました』実例集」として、店頭陳列、追加発注、定期購読獲得など売上げを増進させた工夫の実例を学ぶ。
経営・取引委員会からはパソコン関連本「超図解シリーズ」などを発行していたエクスメディアが10月31日、自己破産を申請したことについて説明があった。柴﨑副理事長は「国際地学協会の返品入帳問題よりも全国的な広がりがあり、被害総額が大きくなる可能性がある」と指摘し、対策を検討したいとした。
再販研究委員会は朝日新聞10月7日付に「売れ残り本半額に/出版17社、ネットで本格販売」とする記事が掲載された問題について報告。「初版発売後1年以上経過している本が対象だが、今後はもっと新しい本の出品が予想される」「一物二価の問題が生じないか」など懸念の声があがった。
TS流通協同組合の10月期(10月1日~31日)売上げは935万1152円(前年同月比6・7%増)。72書店(同10・0%減)から8778件(同0・1%増)の発注があった。
また、来年前半の理事会等日程を決定。1月17日に新年会、5月20日に総代会を開く。

経営多角化で書店守る/山形・東根市あすなろ書店

山形新幹線で山形から2つ目が「さくらんぼ東根駅」。東根市はサクランボ、ラフランス、りんごと果樹生産が盛んな一方、仙台に近い地の利を得てIC関連の工業団地をかかえ、ベッドタウン化も進む。その東根市で地元文学会が編集する雑誌「ひがしね」の発行を引き受け、「湯けむり映画祭」の実行委員長としても活躍する「あすなろ書店」村田民雄社長の話を聞いた。
村田さんは昭和19年8月、果樹農家の長男として生まれたが、家業を継がずに東京にあこがれて上京した。26歳でUターンし、昭和45年に東根に6坪の小さな書店を開業した。当初は農業を手伝いながらの兼業書店だったという。
当時、東根には本屋が3軒あったが、いずれも雑誌中心の5、6坪の店。あすなろ書店にも連日、中学生が来店し、店先に自転車があふれた。移転先を探していたところ、現在の場所に80坪の物件を入手。売場を30坪に拡張した。
東根市は人口4万6千人。本店のある神町の商圏人口は1万人で、自衛隊関係や工業団地がらみの客が多い。自衛隊は陸上自衛隊第6師団の駐屯地があり、隊員と家族3千人が住む。支店のある東根本町は農家が多く、商圏人口は約2万人。本店は村田さんと奥様の良子さん、パート1名、支店は娘の幹子さんが店長で、パートが2名いる。
売上げのピークは12年前で、隣市スーパーのテナント店を含む3店舗合計で1億8千万円あったが、現在はピーク時の約半分。開店以来続けてきた外売の比率が高くなっている。
あすなろ書店の売上げは書籍・雑誌、文具のほかに軽印刷、クリーニングがある。軽印刷は年間800万円の売上げ。11月、12月の年賀状は2カ月で2百万円を稼ぎ出す。クリーニングの年商は約500万円。
クリーニングは山形県内で圧倒的なシェアを持つ「うさちゃんクリーニング」の受付を15、6年前から始めた。手数料が27%入る。山形市の本屋仲間から勧められた。クリーニング客は洗濯物を出す時と取りに来る時、必ず2回来る。来店客が増え、ついでに本、雑誌を買っていく。軽印刷は、地元の印刷屋の年賀状や名刺を受け付ける取扱店になったのがきっかけだった。次にコピー機導入があって、当時は1枚40円で1カ月15万円にもなった。コピー機を何台も入れ替えている間に、リソグラフを導入、枚数がどんどん増え、売り出しチラシの注文まで入りだした。
Tシャツは理想科学がTシャツも印刷できるキットを売り出したのがきっかけ。それでお祭りのユニフォームなどの注文を取った。ところが、プリントごっこは黒地に白や黄色は地の色に負けてしまう。それで3年前にシルクスクリーン屋を探して、外注した。全国大会に出場する大正琴のサークルが150枚作ったのが最多枚数。これだけ作れば1200円でできる。理想科学に注文すると55%で入る。
軽印刷を生かして手作りのPR誌『あすなろ』を作ってみたのが平成8年。年2回のペースでB5版32頁を発行。13号まで出した。千部発行の経費は1回5万円程度。お客さんが原稿を書き、元教員が編集長、司書4人に手伝ってもらって編集した。
東根文学会が編集して6年前に創刊した、市民がつくる総合誌『ひがしね』は定価800円で販売している。執筆者からは1頁2千円の掲載料をとり印刷代をまかなう。最新号の11号は300頁のボリュームになった。「東根の文藝春秋」を目指している。
発行元の「北の風出版」は同店の別名だが、この社名で自費出版も引き受ける。これまでに10点を刊行、4千部発行した本もある。現在は、「ひがしね叢書」として郷土本のシリーズ化を考えている。
父親の村田果樹園は、今は従兄弟に委託している。以前、村田さんもさくらんぼの収穫期には果樹園を手伝っていた。ある時、出版社の営業マンからさくらんぼを送ってほしいと頼まれ、口コミで依頼が増えていった。従兄弟の果樹園からさくらんぼを優先的に買い取り、夫婦2人で6百箱を発送する。市価4、5千円する佐藤錦を3500円で販売する。
道路を挟んであすなろ書店の向かいは芥川賞作家、阿部和重の実家。パン屋を営んでいる。だから子供の頃から知っていた。芥川賞をもらう前、群像新人賞をとった頃から「次には神町を舞台にした小説を書いていく」というので、うちにある資料をあげた。『シンセミア』に出てくる本屋のオヤジは、資料をもらったお礼とのこと。
書店を始めてはみたが座っていてお客さんが来るような店じゃない。当初から学校、幼稚園、市役所に顔を出し販路拡大を図る中で、いろいろな人と知り合った。児童書の研究者と子どもの本研究会を作り、そこの事業として夏休みに学校の体育館、公民館を借りて映画会をやった。16ミリで松谷みよ子の『龍の子太郎』などを上映した。
それの延長にあるのが3年前に始まった「湯けむり映画祭」。東根温泉の旅館を映画館に見立て、温泉に泊り客を呼ぼうと宴会場に映写機を持ち込んで映画祭を企画した。上映するのは昭和30年代、40年代の映画。団塊の世代を意識して裕次郎の「嵐を呼ぶ男」、ひばりの「伊豆の踊り子」などを上映した。去年から実行委員長を引き受けた。
今後の経営課題を聞くと「地元出版、地方出版物のコーナーを拡げ、それを目当てに来るお客様とサロン的に本の話をしたりできる本屋ができたらいいと思います。支店の方も、娘が趣味の本や児童書など売りたい本を集めているので、こちらも勉強になる」と語ってくれた。(田中徹編集長)

「ミリオンぶっく」の第二弾を製作/トーハン

トーハンは、ロングセラー絵本を紹介するパンフレット「ミリオンぶっく」の第二弾を製作、全国2500書店で展開を始めた。
昨年12月に製作した第一弾では、百万部を超えて今なお読み継がれている絵本73点を紹介し、全国2000書店で読者にアピールした。今回の2008年度版では、好評だった販売部数の表記を引き続き掲載したほか、選書の目安となるように新たに対象年齢も表記した。さらに、もうすぐ「ミリオンぶっく」になりそうな販売累計90万冊以上の絵本を追加掲載し、合計92点を紹介している。
トーハンは35万冊を取引先書店を通して無料で配布するほか、書店店頭で「ミリオンぶっく」をアピールするポスターや該当絵本を紹介するメッセージカードを作成し、コーナー展開を促進する。「ミリオンぶっく」を、親と子が同じ絵本で結ばれるコミュニケーションのツールとして位置づけ、今後も積極的にロングセラー絵本の促進を行なっていく。

人事

◇あかね書房
臨時株主総会・取締役会で新役員選任と人事異動を行なった。○新任。
代表取締役社長
岡本雅晴
専務取締役兼営業部長
岡本光晴
取締役兼総務部長
○岡本佳子
取締役(非常勤)
岡本聡子
監査役岡本喜美子
経理部長矢作辰雄
編集長重政ゆかり
制作部長○人見健
※畠山一博執行役員制作部長は退任し顧問に就任。
◇福村出版
福村惇一代表取締役社長が退任し、後任として石井昭男氏(明石書店社長)が代表取締役社長に就任した。

この本探してます

①講談社小説版ライフ
②メディアワークス/角川グループパブリッシング牧場物語しあわせの詩forワールドザ・コンプリートガイド
定価購入、着払いでご送品の労をいただけませんか。〒590―0504大阪府泉南市信達市場2661杉野書店(℡072―483―2441、FAX072―483―8232)

電撃大賞小説部門は『放課後百物語』/メディアワークス

メディアワークスが主催する「第14回電撃大賞」の贈呈式が11月6日午後4時から、信濃町の明治記念館で開催された。
今回は小説大賞に2943作品、イラスト大賞に437作品の応募があり、小説部門は大賞に峰守ひろかず氏『放課後百物語』ほか金賞1点、銀賞2点、選考委員奨励賞1点の受賞。イラスト部門は金賞2点、銀賞1点、選考委員奨励賞2点の受賞となった。
贈呈式で久木敏行社長は「電撃大賞は事業の柱であり、新人、作品を供給してくれる発掘システムだ。新人賞のトップランクを誇る賞に育ってくれて大変感慨深い。今回も粒揃いの作品となったので、ぜひサポートしていただきたい」とあいさつした。
選考結果の総評では、イラスト大賞選考委員の天野喜孝氏が「絵を描く原点はこつこつとやること。自由に自分の世界を追求してほしい」とアドバイス。小説大賞選考委員の高畑京一郎氏は「大賞作品は設定がありがちだと思ったが、そんな偏見をはね返すだけのクオリティがあり、文句のない出来だった」と述べた。

日書連のうごき

10月1日活字文化振興出版会議運営委員会に大川専務理事が出席。
10月3日第39回出版平和堂合祀者顕彰会に大橋会長が出席。
10月5日「絵本ワールド」打合せ会に大川専務理事が出席。
10月11日全国広報委員会議。
10月17日第6回JPO運営委員会に柴崎副会長が出席。雑誌愛読キャンペーンまとめ会議に舩坂常任委員が出席。
10月18日中部トーハン会定例総会に大橋会長が出席。活字文化振興出版会議運営委員会に大川専務理事が出席。
10月23日日書連移動理事会(笛吹市)。
10月24日文字・活字文化推進機構設立記念総会に大橋会長が出席。第14回「読売国際協力賞」贈呈式に大橋会長が出席。
10月25日第59回中小企業団体全国大会に大川専務理事が出席。読進協・事業委員会に石井総務部長が出席。出版倉庫流通協議会10月定例会に大川専務理事が出席。
10月26日読進協常務理事会に大橋会長が出席。
10月31日平成19年度第2回出版クラブ運営委員会に大川専務理事が出席。

エコバッグで読書週間PR/日販労組

日本出版販売労働組合(日販労組)は、全国の支店やセンターのある主要駅付近21カ所で「読書推進キャンペーン」を行なった。独自製作した「第61回読書週間」をアピールするチラシと、雑誌や書籍を入れるのに便利なマガジンバッグを約1万5千枚配布するもので、今年は「エコロジー」の観点からエコバッグを採用した。
このキャンペーンは、一般読者への読書週間PRと読書推進を目的に1983年から毎年実施し、今年で25年目となる。毎年配布物や配布時間等に工夫を重ねて行なっており、日販労組では重要な社会貢献活動の一つと位置づけ、多くの組合員が参加している。
日販労組はこの他にも、夏に日販が開催する児童図書展示会での図書寄贈や、クリスマス時期の児童福祉施設への組合員による読み聞かせ訪問なども行なっており、今後も読書推進活動を継続展開していく。

本屋のうちそと

取次からの請求書の納品は末日締めで返品入帖の締めは最近伸びたとはいえ、まだまだ差がありすぎるというのはちょっとおかしいのでは?「そんなのカンケーねえ!そんなのカンケーねえ!そんなのカンケーねえ!はい!請求書!」その上、分戻しが支払い100%だけにしか適応しないというのはちょっときつすぎるのでは?「そんなのカンケーねえ!そんなのカンケーねえ!そんなのカンケーねえ!はい!満額!」
だいたい、ピンで周りから浮いてしまってさあどうしようという弱い立場で関係ない、と開き直るから笑いがとれるのであって、力のある強い立場の者が「そんなの関係ねえ」と言うのはまったく笑えない。イジメだもの、苦笑しか浮かばない。
この業界常に主役は取次や出版社で、一部の超大型店やチェーン店をのぞくと中小の書店は脇役っぽい。というかエキストラに近いかも。とはいえ僕たちだってそれぞれに主人公の生活を持っている。
いつもここから山田一成の小説「心のままに」は2部構成。さえない中年のおじさんが主人公、ひょんなことで会社とアパートとの往復の日常から一歩踏み出していく話が第一部。その彼に風景よりは強くかかわってくるキャバ嬢とパンクバンドのボーカルそして怪しい占い師。彼らがそれぞれ同じ時系列で一章ずつ主人公として語られるのが第二部。ピンクの輪ゴムを手首にしている書店のおじさんも登場。
新規出店も売上ランキング入賞もないけれど僕たちだってちゃんと主人公なんだぞって思う、ちゃんと語るドラマはあるのだから。でもヒーローなのだからせめて素敵な女性でも登場してくれてもいいのに…。はい!オッパピー!
(理)