全国書店新聞
             

平成18年12月21日号

創立20周年の祝賀会/茨城組合、袋田温泉で開催

茨城県書店商業組合の創立20周年祝賀会が11月24日、袋田温泉「思い出浪漫館」で開催され、組合員30名、出版社、取次など12名が出席した。
祝賀会は午後4時から川又英宏副理事長(川又書店)の開会の辞で始まり、大野豊治理事長(大野書店)があいさつ。大野理事長は茨城組合が生まれてから今日までの変遷を正味問題、運賃問題、再販問題を例に挙げて紹介した。
来賓では日書連丸岡義博理事長、茨城県中小企業団体中央会喜古謙一郎総務部長が祝辞。丸岡会長は最近の日書連の活動に触れ「書店経営実態調査で多かったマージン引き上げをという要望に応えて、新販売システムを実施した。初の試みとしては成功だったと思う。返品入帳改善問題では、トーハンから前向きな回答があった」と紹介。美野和博一副理事長(永井書店)の閉会あいさつで終了した。
懇親会は午後6時から塚越賢治副理事長(大塚屋書店)の開会でスタート。書店関東ブロック会鈴木喜重会長(千葉・ときわ書房)が祝辞を述べ、出版社、取次と懇親を深めた。
(舘野弘広報委員)

当面、制度見直しせず/再販説明会で公取委が言及

公正取引委員会は12月8日、出版流通改善協議会の再販関連会員説明会で取引部取引企画課猪俣健夫課長補佐がポイントカード、複合出版物の価格表示などについて説明したが、この中で「制度として見直しは今のところ考えていない。当面、見直しを行う予定はない」とする考え方を明らかにした。書協、雑協、取協、日書連の4団体で構成する出版流通改善協議会は、8日午後3時半から東京・神楽坂の出版会館で再販関連会員説明会を開催。先頃発行された『2006年版再販制度弾力運用レポート』の概要を紹介するとともに、出版物小売業公正取引協議会井門照雄会長が今年5月に改訂された出版小売業公正競争規約の変更について説明を行った。公取委は消費者取引課山下義雄規約指導調整官が同規約の認定について、取引企画課猪俣課長補佐が再販制度の運用について公取委の判断を示した。
出版小売公取協井門会長は①景品提供の期間制限が年2回60日から年2回90日に延長された、②景品提供のトレーディングスタンプ2%(1年目1%)を新設したと説明した中で「トレーディングカードは景品提供の場合だけで、値引きを認めたわけではない。値引きに使われることの多いポイントカードと、景品提供のトレーディングカードとは一線を画してもらいたい」と強調した。
公取委山下調整官は出版小売業公正競争規約変更案の認定から施行までの流れを説明して「良い方向で変更案をまとめていただいた」と評価したが、3年後に再見直しを求められていることを付け加えた。
再販制度の運用について説明した猪俣課長補佐はポイントカードと再販制度の関連について「通常、ポイントカードは実質的に値引き効果が生まれる。書店が実施する場合、再販契約に違反するか否か、1%程度ならよい、10%は駄目という考えは出版社が個々に自主的に判断して欲しい。著作物協議会では、1%でもやめさせることになれば消費者利益を害するという意見があった。自主判断をお願いしているので、業者間、版元同士、書店同士で圧力をかけると共同再販で独禁法違反になる。ポイントカードを出すことが契約違反になった場合でも、独禁法上の違反とはならない」とした。
また、複合出版物の価格表示に関しては「定価表示は特例的に6品目に限定されている。定価と書いてあれば価格拘束できないものまで拘束されているようにとられかねない」と注意を呼びかけた。
さらに、猪俣課長補佐は「再販制の見直しが行われると心配されていると思う。昨年、新聞業特殊指定の見直しをした際、これが再販制度の見直しにつながるのではないかと新聞報道され、見直しに着手するという雰囲気が流れた。その際、公取委委員長は制度としての見直しは当面行わないと明確に申し上げている。当面、見直しを行う予定は無い」と述べた。
この発言に対して書協菊池明郎副理事長(筑摩書房)は閉会あいさつで「出版業界が弾力運用をきちんと行ってきたことの理解が得られたと思う。今後も読者のため再販制度の正しい運用を行い、出版物の普及に努めていきたい」と、まとめた。

新年号原稿募集

本紙では1月1日・11日合併号および21日号の新年特集として原稿を募集します。テーマは①私の本との出会い(10代の頃に読んだ記憶に残る本、書店人になるきっかけを作った本など)、②思い出の曲、メロディ、③自由題のいずれかです。原稿は800字以内。住所、店名、氏名、年齢を明記して「新年原稿係」まで。採用分には記念品を進呈します。

年末年始の事務局体制

年末年始の日書連事務局は12月29日(金)まで業務を行い、年始は1月5日(金)より通常業務を開始します。ご理解をお願いいたします。

うみふみ書店日記/海文堂書店・平野義昌

当店、編集プロ・シースペースと協力して、毎月PR紙「海会(カイエ)」を発行・配布しています。今月その別冊版「ほんまに」を創刊、「神戸と本」をテーマにした、本好き・本屋好きのための雑誌です。当面当店のみでの販売、定価五百円。
前号でご案内した「三箱古本市」大きな反響で、関係者一同感激しております。地元メディアの紹介もあり、来場者数・売上げとも予想を大きく超えました。早くも次回開催のご要望がきています。私も今度は出品してお小遣い稼ぎをと、算盤はじいております。「喝!」。
前号で書物雑誌「sumus(スムース)」のスペル間違っていました。お詫びします。この雑誌は直仕入れで、兵庫県下では海文堂のみが販売しています。当店は「直」が多く、特に海事書は専門の公共機関や民間団体、船舶会社、海洋博物館、海技大学校など、担当ゴット氏によると常時三十数件、まだまだ扱いを増やしたいと奮闘中です。私が担当の地元本でも、ふたつの歴史研究会の会報はいつのまにか当店だけになっています。市民団体の出版物、個人出版、印刷会社が窓口の本もあります。珍しいものでは、神戸市消防局のPR誌「雪」も当店のみ。この「当店のみ」が強味です。出版元が「海文堂だけ」と宣伝してくれるのです。大きな戦力で、有り難いことです。
個人出版をご希望の方には、優秀・良心価格の編プロ・シースペースを紹介し、本は当店で販売が可能、記念のサイン会もOKです。著者が海文堂をPRして、お客様を紹介してくださるわけです。
「直」出版社、頑張っておられます。「トランスビュー」は今年正味下げを実行されました。「ディスカヴァー」「ベターホーム協会」「市井文学」各社との取引の書店さん多いことでしょう。京都「編集工房SURE(シュア)」の人文・文学書、大阪の「140―B(いちよんまるびー)」が販売促進する地元出版物なども。「ほかにもあるでえ」という書店さん、今度紹介してください。でも、詩と評論『たまや』(山猫軒)を置いている書店さんは少ないのでは?子どもの威張り合いになりそうです。
「直」は面倒と嫌わず、地元へのアピール・他店との差別化と捉えてはいかがでしょう?当店、「直」は「インディーの意地」と考えています。強者に支配されるのはイヤです。「生き残り」がかかっています。

日書連大川哲夫専務理事が講演/鹿児島総会

鹿児島県書店商業組合(坂口洋右理事長)は12月8日午後4時から、鹿児島市・サンロイヤルホテルで第21期通常総会を開き、組合員91名(委任状含む)が出席した。
総会は石井光夫理事(石井書店)の開会の辞に始まり坂口理事長があいさつ。地域間・規模による収益の格差拡大を懸念し、組合員減少に何とか歯止めをかけてほしいと強調。また日書連による「書店経営実態調査」を評価し、取引改善に期待を寄せるとともに、新販売システムにも協力してほしいと要請した。
このあと坂口理事長を議長に第1号から第6号議案までを審議し、すべての議案を原案通り可決。なお今期の永年勤続者(20年)として、湯又ゆき子氏(大崎書店)、右田正美氏(テジマ)の2名を表彰した。
午後5時より、日書連・大川哲夫専務理事が講演。公取、版元、取次、書店間の橋渡しと潤滑油としての役割に会員も納得。日書連丸岡会長の小売書店トップとしての奮闘振りを紹介し、また危機的状況打破のため各委員会が必死に取り組んでいる、という臨場感あふれる内容だった。
午後6時より石井伸二氏(小学館)のあいさつ、大川氏の乾杯で懇親会を開催、恒例として郷土の出版社の高城書房、南日本新聞開発センター、南方新社、鹿児島書籍の4社が参加した。離島というハンディ書店の多い県組合に明るい展望が開かれることを祈念して散会した。
(濱田晴樹広報委員)

帯コン・読書ノートの次回開催で討議/大阪理事会

大阪府書店商業組合(面屋龍延理事長)は12月9日午後2時から組合会議室で理事会を開催した。主な委員会報告は以下の通り。
【組織強化・出店問題】
①レディースランチの会を1月29日にラマダホテル大阪で開催する。定員50名で会費5千円(但し1組合員当り1名は半額)。
②12月5日に大垣書店、水嶋書房の出店説明会を開催、両社には組合への支店加入を要請した。出店説明会を開催するだけでなく、委員会は取次等から事前に出店物件の情報を入手し、組合員に情報を公開するような活動も必要ではないかという意見が出た。
③「ヴァンサンカン」に年間購読2割引の綴じ込みハガキがつき、何とかならないかという意見が出た。
【読書推進】
①「帯コン」について11月17日に読書推進会・実行委員会を開催。「帯コン」展示会、表彰式の反省点などを議論した。11月21日には来年度の課題図書をSLAの選定委員の先生方に送る手配をした。表彰式の日程、作品応募締切日の変更も検討課題となっている。
②「読書ノート」は12月1日に朝日新聞社を訪問、来年度「読書ノート」配布の要綱について意見交換した。読了者が増えて紙面に支障をきたすようになったので、50冊読了者の掲載基準の見直しを検討。
【出版販売倫理】
青少年健全育成条例にいう「有害図書」の区分陳列を府の指導員が調査しており、徹底をお願いする。
【共同受注】
大阪市立図書館・分館の雑誌納入が来年度から変わるとの情報がある。本館の雑誌納入についての組合の対応は未定である。
(中島良彦広報委員)

図書館納入で現状報告/日書連・情報化委員長会議

日書連は12月13日、書店会館で「全国情報化推進委員長会議」を開催、日書連・丸岡義博会長、志賀健一情報化推進委員長、全国の情報化推進委員長など約40名が出席した。
研修会では、始めに長尾幸彦専門委員が指定管理者制度の概要を説明。図書館納入における入札の実態について「予算見積もりの段階で本命が決まっている場合が多く、見積もりから仕様書作成までも本命業者が行うことがよくあるが、自治体にクレームをつけることでなんとかなる場合も多い」と述べた。
続いて湯本光尚専門委員が、東京組合大田支部の有志書店で設立した「ブックチェーン」の図書館業務受託について報告し、指定管理者制度については「書店が1社だけで受託するのは無理で、協同組合の立上げなどが必要。また、書店は本に関する業務に絞り、建物の管理等は他に委託することが必要ではないか」と述べた。
中尾隆一専門委員は、ある町立図書館の例で指定管理者の募集から選定結果が出るまでの流れを説明し、「書店の実績作りとアピールのため応募し、指定管理者にはなれなかったが本の納入を確保できた」と報告。また、北九州市の学校図書館資源共有化事業で行なわれた本の納入に関する入札について述べ、「本のリストを見るとTRCでなければ扱えないもので、クレームをつけたところ再入札ではTRCが参加しなかった。おかしいと思ったときは積極的に声をあげていくべきだ」と指摘した。
研修会ではこのほか、内田洋行・森崎浩樹氏による図書館ICタグシステムの紹介と、「書店向けe―ラーニング」について小学館・佐藤善孝氏、講座の監修を担当した青田恵一氏、ネットラーニング・西村葉子氏から説明があった。

各委員会が活動報告/福岡総会

福岡県書店商業組合(山口尚之理事長)は11月29日午後4時から福岡市中央区の「セントラルホテルフクオカ」で第28期通常総会を開き、組合員248名(委任状含む)が出席した。
総会は石橋誠一理事(石橋書店)の司会で進行。開会の辞を河合正行副理事長(宗文堂)が述べ、山口理事長があいさつ。山口理事長は「本当に本が売れない時代になった」と今日の書店業界をなげいた。
安徳寛副理事長(安徳書店)を議長に選出して議案審議を行い、各委員会の委員長が1年間の委員会活動を報告。全ての議案を原案通り承認可決し、長谷川澄男副理事長(ブックイン)の閉会あいさつで総会を無事終了した。
議事終了後、出版、取次、運輸など34社とともに同ホテルのダイヤモンドホールで懇親会を催した。
(鹿子島慶正広報委員)

参考図書

◇『ふしぎな森の転校生』
ニューヨーク生まれで漢字が苦手な小学3年生の小太郎は、友達から笑われて、いつもひとりぼっち。学校が好きになれないでいた。そして、次に転校したのは、森の中の小学校。先生もクラスメートも今までとは違う、不思議なクラスだった、というストーリー。「弱点や欠点は誰でも持っている。いじめはやめよう」というメッセージが込められた、小学校中学年向きの絵本。小川美篤・作、こばようこ・絵。ポプラ社刊。A5変型判、64頁、定価本体950円。
本作は「第2回森のまち童話大賞」(浜松市・同市教育委員会主催)大賞受賞作。この賞は「森林」をテーマとした童話を全国から募集することで、次代を担う子供たちに木や森の大切さを伝え、人と自然とが共生する社会を目指そうという、浜松市の取り組み。文化庁、林野庁、静岡県、日書連などが後援。
◇『生き方がみつかる青春の読書案内』
ベストセラー『あらすじで読む日本の名著』シリーズの編著者、私立狭山ヶ丘高校校長・小川義男氏が、「希望」「友情」「勇気」「優しさ」「愛」「心」「生きる」「進歩」の8テーマに分けて日本の名著・名作を100冊紹介。高校生、大学生、フレッシュ社会人世代の人たちを中心読者とする読書ガイドブック。1冊1冊のおおよその筋、作者の背景、作品解説で構成している。夏目漱石、谷崎潤一郎、三島由紀夫、中上健次、村上龍、司馬遼太郎、灰谷健次郎、吉本ばなな、あさのあつこ、立花隆、椎名誠、松下幸之助など幅広く収録。小学館刊、四六判、224頁、定価本体1400円。
◇『文藝春秋の八十五年』
文藝春秋の社史。創立85周年を記念して制作したもの。同社の社史は70年史以来、15年ぶりとなる。B5判、513頁、非売品。
今回は年代順の編年体ではなく、事柄そのものを取り上げていく項目別の記述方法を採用。序章「平成乱気流出版界と文藝春秋」、第1章「歴史の中の文藝春秋」、第2章「雑誌の世界」、第3章「ビジュアル誌時代へ」、第4章「書籍出版が語る時代の変容」、第5章「文藝春秋を支える人たち」、第6章「変化と逆風の中で」の構成となっている。
平成の時代に入ってからの事柄が多く取り上げられており、激動の日々に文藝春秋がどのように時代に取り組んできたのか、特に深刻化する出版不況の渦中にあってどのような課題に挑戦してきたのかを、克明に記録している。
◇『食は医力―元気になる毎日の食卓』
東洋経済新報社前会長、現在は社団法人経済倶楽部理事長をつとめる浅野純次氏の著書。1994年から4年間、『週刊東洋経済』に連載した食と健康をテーマにした1ページコラム「医は食にあり」の200編の中から99編を収録。教育評論社刊、A5判、238頁、定価本体1400円。
春から夏、秋から冬、人の体は四季それぞれに衣替えしているが、毎日の食への気遣いで健康がいつの間にか身に付く。誰もがいつも元気でいてほしいという著者の願いを込めた食卓指南書で、体が喜ぶスローフードを楽しむ1冊。
浅野氏は、健康法にはいろいろあるが、3度の食事が何よりも大切であるとして、浅野家の食卓で実践してきた食の基本から自然食、菜食、玄米食、添加物の少ない食品や有機野菜などを紹介。理論から食材、調理法、食べ方など、すべてにおいてスローフードが心と体の健康を保証すると説く。
ホリスティック医学の第一人者、帯津三敬病院名誉院長・帯津良一氏の推薦文つき。

出版業界の新年会日程

【組合関係】
〔日書連〕
◇第53回出版販売新年懇親会=1月26日(金)午後5時半から神奈川・箱根湯本の湯本富士屋ホテルで開催。
〔北海道〕
◇在札取協・出版金曜会・北海道書店商業組合合同新年懇親会=1月10日(水)午後5時半から札幌市中央区のJRタワーホテル日航札幌で開催。
〔宮城〕
◇合同新年懇親会=1月9日(火)午後4時から仙台市青葉区のホテルメトロポリタン仙台で開催。
◇宮城県書店商業組合理事新年懇親会=1月28日(日)、仙台市青葉区・作並温泉の岩松旅館で開催。時間未定。
〔福島〕
◇福島県書店商業組合新春理事会=1月29日(月)に郡山市の郡山ビューホテルで開催の予定。
〔神奈川〕
◇神奈川県書店商業組合9支部合同新年懇親会=1月24日(水)午後6時から横浜市中区・中華街の華正楼・本店で開催。
〔東京〕
◇東京都書店商業組合新年懇親会=1月17日(水)午後5時半から文京区の東京ドームホテルで開催。
〔静岡〕
◇第39回静岡県書店商業組合新年総会=1月10日(水)午後3時から焼津市のホテルアンビア松風閣で開催。
〔愛知〕
◇新春賀詞交歓会=1月12日(金)午後5時半から名古屋市千種区の愛知厚生年金会館で開催。
〔三重〕
◇三重県書店商業組合新年会=1月13日(土)午後5時から津市の魚佐料理店で開催。午後3時半から4時半まで組合事務所で理事会。
〔大阪〕
◇平成19年大阪出版業界新年互礼会=1月6日(土)午後3時から大阪市北区のホテルグランヴィアで開催。
〔京都〕
◇京都出版業界新年互礼会=1月15日(月)午後4時半から京都市中京区の京都ホテルオークラで開催。
〔福岡〕
◇2007年出版業界新年の会=1月5日(金)午後4時から福岡市中央区の福岡東映ホテルで開催。
【取次関係】
◇日教販第56回春季展示大市会=1月10日(水)午前9時から東京・千代田区のスクワール麹町で開催。
◇トーハン2007年新春の会=1月10日(水)午前9時半から東京・新宿区の本社、文京区の文京営業所首都圏店売で開催。社長あいさつは午前10時20分、鏡開きは午前11時。
◇日販2007年新春を祝う会=1月10日(水)午前11時から東京・港区の東京プリンスホテルパークタワーで開催。鏡開きは午前11時。
◇大阪屋新春おでんの会=1月10日(水)正午から大阪・東大阪市の同社関西ブックシティで開催。
◇栗田出版販売2007年新春あいさつの会=1月11日(木)午前10時から東京・板橋区の本社新物流センターで開催。鏡開きは午前11時。
【関係団体】
◇全国医書同業会新年互例会=1月6日正午から東京・千代田区の帝国ホテルで開催。
◇日本出版クラブ新年名刺交換会=1月9日正午から東京・新宿区の日本出版クラブ会館で開催。
◇書店新風会新年懇親会=1月10日(水)午後5時から東京・新宿区のセンチュリーハイアット東京で開催。
◇出版梓会第22回梓会出版文化賞贈呈式=1月19日(金)午後5時半から東京・新宿区の日本出版クラブ会館で開催。

いじめ対処本コーナーを展開/本屋のオヤジのおせっかい/北海道

北海道書店商業組合は12月12日、札幌市の道組合事務所で定例理事会を開催した。
会議の前に、日書連がこの夏募集した懸賞論文「私の書店論」で特選を受賞した札幌市・久住邦晴氏(久住書房)より授賞式の報告がなされた。
この後、日書連11月理事会での議題、特に返品入帳問題、書店くじの受注減、共済会解散決議などの報告がなされた。書店くじの受注減対策として、全店に50枚配布して取り扱い参加店を拡大する。懸案だった共済会解散が全会一致で可決され、今後共済地区委員会で加入書店への対応など検討される旨の報告がなされ、これを了承した。
引き続き議題の審議に移り、まず「本屋のオヤジのおせっかい」の企画として11月より実施しているいじめ対処の本コーナー「君たちを守りたい」の取り組み書店の紹介と参加の呼びかけが、発案者の久住氏と実施している高橋千尋氏よりなされた。
また、岩田徹氏が「道内取次支店からの運賃がかなり高い書店がある。地方によってばらつきがあるので、アンケート調査をしてはどうか」と提案。実施することとした。
その他報告として、阿知良事務局員が万引関係のシンポジウムに参加、警察との連携が重要と報告した。
最後に平成19年1月10日新年合同懇親会をJRタワーホテル日航札幌で開催することを確認して閉会した。(中尾邦幸広報委員)

TVで紹介した本の検索サービスを開始/NOCS9000

日販は12月18日よりオンラインシステム「NOCS9000」で新サービス「メディア紹介情報検索メニュー」をスタートさせた。
NOCS9000では、すでにテレビ番組で紹介された書籍・雑誌・DVDなどを1日3回、書店にメールで速報するサービス「TV紹介速報」を11月6日から開始しているが、今回の「メディア紹介情報検索メニュー」は、この内容をwebでも検索できるようにしたもの。
これにより書店ではテレビ局、番組名、放送日付などで、パブリシティ情報を検索でき、番組中で放送されたランキング情報などをまとめて入手できるほか、テレビ番組のおぼろげな記憶だけでご来店されたお客様にも、完璧な応答が可能になる。

埼玉県知事が視察/桶川SCMセンター

埼玉県上田清司知事が12月4日、トーハン桶川SCMセンターを視察した。センターを訪れたのは上田知事のほか県議会議員、桶川市長など15名。
一向はトーハン上瀧会長、池田専務の出迎えを受け、商品倉庫、高速自動仕分機、立体自動倉庫など最新鋭のFA設備と書籍流通工程、出荷作業を見学した。桶川センターには80万点に及ぶ膨大な商品が在庫され、パート、アルバイトなど1800人の地元雇用を生み出していると説明を受けた一行は、施設と計画のスケールの大きさに驚いた模様で、トーハンの取組みに感謝の意を示した。
上田知事はテレビ埼玉「週刊彩の国ニュース」内の「知事のとことん訪問」コーナーで県内各企業を訪ねており、今期の視察も9日に放映された。

催し

◇鏑木清方と仲間たち
来年1月13日から3月11日まで講談社野間記念館で開催。大正5年、金鈴社に集まった5人の日本画家、鏑木清方、古川霊華、結城素明、平福百穂、松岡映丘作品を展示する。開館午前10時~午後5時。休館月・火曜日。入館料一般5百円、中高大学生3百円。

人事

◆マガジンハウス
(12月13日、◎昇任)
代表取締役社長石﨑孟
常務取締役(編集統括)
◎秦義一郎
取締役(営業局、大阪支社担当)吉田高同(広告局、企画制作局担当)片桐隆雄同(総務局担当)伊東秀雄
同(経理局担当)南昌伸監査役畑尾和成
最高顧問木滑良久
特別顧問淀川美代子
淀川氏は任期満了で取締役を退任。雑誌『GINZA』エグゼクティブ・アドバイザーに就任。

40代へ『GRACE』/世界文化社、来年3月創刊

世界文化社が来年3月7日に創刊する40代向けハイクオリティマガジン『GRACE』(A4変型判、予価730円、毎月7日発売)の企画説明会が12月7日、東京・市ヶ谷の同社本社で行われた。
説明会で佐藤秀人販売本部長は「『家庭画報』は来年2月1日発売の3月号で創刊50周年を迎える。今秋から配本上位3千店をピックアップして直接訪問しているところだ。『MISS』は春のリニューアルで成果が出て発売1週間で完売もあった。今回の創刊で『家庭画報』『GRACE』『MISS』と女性誌群がつながる。書店、販売会社とのパートナーシップを強固にして書籍に近い形でていねいに育てていくのが販売コンセプト。『家庭画報』のDNAを持つ雑誌として長く愛される雑誌にしたい」とあいさつ。
出口由美編集長が「2月に創刊準備のテスト版を発行し、アンケートをもとに読者百人以上に面接した。第2開花世代のライフスタイル総合誌を目指す」と編集方針を説明した。
創刊プロジェクトとして①店頭飾り付け&POPコンクール(上位15店表彰)、②創刊3号連続実売コンテスト(上位30店表彰)、③自主デモ販大募集を行い、売場作り、仕掛け販売などオーダーメードの販売を展開する。

中央社新春会は休会

中央社は平成19年の「中央社新春会」を休会すると発表した。同社はこれまで1月10日前後に新春会を16回開催してきたが、昨今の厳しい経営環境から取引書店に実利を提供する必要があるとして、新春会に代えて新しい方向性を持った企画を立案し書店をサポートする計画。

日経BP大輝社長、出版グループ代表に

日経BP社大輝精一代表取締役社長は、来年1月1日から日経BP社代表取締役社長のまま、日本経済新聞社・出版グループ代表に就任する。12月12日に開かれた日本経済新聞社取締役会で決定した。
日本経済新聞社は新聞事業を中核とする事業持株会社のもとに新聞、出版、デジタル、放送の4事業部門
を設け、各事業部門ごとの戦略やグループ各社の連携を図っている。

本屋のうちそと

書店にとって配達伝票、請求書作成の手間は大変なもの。関西の書店グループが開発したSAシステム「楽樂ほんやさん」を発表して10年。全国300店以上が導入している。先日、中野サンプラザで開かれた第5回ユーザー会には北海道から岡山までのユーザーが集まり、使い方の勉強と交流を図った。
配達伝票作成は、取次からのデーターをRakuProⅡに取り込むと、2、3日先の伝票が簡単に作成できる。使い勝手はどんどん良くなっている。ソフトは自分の店で必要なものだけを使うことができる。
主な機能を紹介すると、①RakuProⅡ=外商管理、顧客管理、受注管理、商品管理をまかなう基本ソフト。全てのデータがここに連動し一元管理できる。②RakuRead=WEB上から単品管理や客注管理に書誌データを取り込むラクプロⅡの付加機能。③RakuWebData=WEBからダウンロードしたデータを取り込んだり、発注や改正データをWEB上のフォームに自動入力。④Raku棚卸=市販バーコードリーダーを使って棚卸すれば、部門別集計やラクプロⅡへの在庫数取り込みができる。⑤RakuPos=より精度を高めた単品管理データを取り込む市販のパソコンを使った廉価なPOSレジシステム。⑥R・Pos管理=ラクPOSとセットになった単品管理分析ソフト。売り逃しや過剰在庫を見つけ、効率的な販売を支援。⑦RakuChu=注文書の印刷、メールでの発注や、FAXソフトをお持ちの場合は、直接FAX送信できるなど、全ての客注管理が行える。
実に便利で使いやすいシステムだということをお伝えしたい。(とんぼ)

書店員の日常描く/平野義昌著『本屋の眼』

本紙コラム「うみふみ日記」を好評連載中の神戸元町・海文堂書店勤務、平野義昌氏が『本屋の眼』を出版した。A5判96頁、定価本体1200円、みずのわ出版刊。
同店のPR誌『海会(カイエ)』に連載する同名コラム、雑誌「プレジデント」連載の書評に、書き下ろし「神戸・本屋漂流記」、店頭掲示の手書き書評を収録した。
大型店、チェーン店が進出する中で、海文堂書店は「絶滅寸前」という独立書店。それだけに地元の本フェアやサイン会、イベントを仕掛けることで評判の本屋だ。おちゃらけ、下ネタ、嫁自慢てんこ盛りのコラムの中に、棚作りの工夫や客との交流、書店の四季まで感じられる好著。

黒井千次氏が受賞/野間文芸賞

第59回野間文芸賞に黒井千次氏『一日夢の柵』、第28回野間文芸新人賞に中原昌也氏『名もなき孤児たちの墓』、第44回野間児童文芸賞に八束澄子氏『わたしの、好きな人』が決まり、12月15日に帝国ホテルで贈呈式が行われた。
野間文芸賞選考委員の秋山駿氏は黒井氏の受賞作について「ここ10年に書かれた12の短編を集めた。根底を流れる主題は日常とは何かという問いで、私小説を受け継ぐもの」と選評。
これに対し、黒井氏は「作品はその都度、文芸誌に発表したものだが、集めたことで別の意味と世界が生まれた。作家生活37年だが、少しでも多く書いていきたい」と述べた。