全国書店新聞
             

平成27年3月1日号

春の書店くじ「無料セット」「ポスター」の送付取り止めます

「春の書店くじ」は今回から、これまで組合加入書店全店に送付していた無料の「書店くじ50枚セット」と「店頭掲示用PRポスター」の送付を取り止めます。ポスターは3月下旬より日書連ホームページからプリントアウトできるよう準備を進めています。

国会議員請願4月に/軽減税率獲得へ「勝負の時」/日書連理事会

日書連は2月19日、東京都千代田区の書店会館で定例理事会を開催。4月15日の日書連委員会当日、各党国会議員に出版物への軽減税率適用を求める請願活動を行うことを決めた。書協、雑協、取協など他団体にも参加を呼び掛ける。面屋龍延委員長は「出版物が対象品目に入るかどうか、あと数カ月が勝負」と強調し、積極的な協力を求めた。
〔消費税問題〕
17年4月に予定される消費税率10%への再引き上げに向け、軽減税率の対象品目、区分経理、安定財源等の検討が自民、公明の与党両党で進められている。面屋龍延委員長は「出版物が軽減税率の対象品目に入るかどうか、あと数カ月が勝負。早く行動しなければ厳しくなる。4月15日の委員会当日に各党の国会議員への請願活動を行う。他団体にも参加を呼び掛ける。各理事は地元の議員に紹介議員になってくれるようお願いしてほしい」と述べた。
〔政策委員会〕
外商雑誌の買切による報奨金で書店収益の改善を目指す「書店再生のための提案」と、これを具体化するために設置した雑誌買切制度研究小委員会の活動を今後も推進する方針を舩坂会長が改めて説明し、理事会はこれを承認した。
また、部分再販と時限再販の取り組みによる読者サービスについて、舩坂会長は「再販制度があるから書店はやっていける。街の本屋の存続が第一ということを基本とする。その上で、出版社とともに読者が喜ぶ企画をやっていきたい」との考えを示した。
筒井正博理事(神奈川)は神奈川組合の要望として「買切制度問題、再販問題は慎重な議論を経ないと、一部の大型書店やネット書店を利するばかりとなるおそれがある。組合員の声をよく聞くべき。多様性に富んだ出版文化を支える再販制度を厳格に維持することが重要だ」と述べた。
第54回全出版人大会(日本出版クラブ主催)の長寿者表彰に、日書連から西村俊男副会長、丸岡義博相談役(元会長)の2氏を推薦することを承認した。
また、日書連監事(員外)および出版物小売業公正取引協議会専務理事の影山稔氏から辞表が提出されたことを舩坂会長が報告した。後任は決まり次第報告するとした。
〔雑誌買切制度研究小委員会〕
外商雑誌の買切による報奨金で書店収益の改善を目指す「書店再生のための提案」について、具体化を目指して取次各社と意見交換を行っていると藤原直委員長が報告。実務面での課題として①全組合加入書店の参加、②外商コードの取得、③POSレジの導入――などに言及した。今後は出版社と個別に粘り強く交渉する必要があるとの考えを示した。
〔流通改善委員会〕
岡山県高梁市はJR備中高梁駅前に建設する複合施設の指定管理者にカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)を選定したと藤原直委員長が報告した。複合施設は4階建て。市立図書館を中核に商業施設やバスターミナルなどが入る。オープンは16年12月。
〔取引改善委員会〕
付録は本来、本誌の内容を補うためのものだが、最近は通販カタログや商品カタログが別添付録として付くケースが増えている。柴﨑繁委員長は「雑協と話し合っていきたい」と述べた。
また、L表示に関して、本来決まっているはずの表記場所や活字の大きさが統一されていないため分かりづらく、返品時期の見落としにつながるなど弊害が出ている。柴﨑委員長は、この問題についても改善に向けて要望を続けるとした。
〔書店再生委員会〕
昨年9月から12月にかけて行った実用書増売企画、第1回「書店金賞」の意見交換会を2月12日、書店会館で開き、協賛出版社、取協、書店再生委員が出席した。出版社からは「出版社の募集をオープンにするべき」「書店金賞のロゴ、スローガンや統一帯を日書連で作ってほしい」「テーマを『食』か『健康』のいずれかに絞ってほしかった」「テーマに沿う書籍点数が少ないので、ムックも対象にしてほしい」などの意見が出た。
小泉忠男委員長は第2回書店金賞を実施する意向を示し、継続するためには「出版社、書店の双方にとって参加することにメリットを感じられる企画にする必要がある」と指摘。「今回の意見交換会の内容を踏まえ、3月上旬に骨子案を固め、日書連理事会の承認を得た上で、4月下旬から準備作業に着手する。3月は日書連定例理事会が休会なので、東京組合書店再生委員会が中心となって活動し、必要に応じて各県組合に経過報告を行う」と第2回実施に向けたタイムスケジュールを示した。
〔指導教育委員会〕
10年ぶりとなる「全国小売書店経営実態調査」を2月15日から28日まで各都道府県組合の加盟書店を対象に実施。3月1日から約1ヵ月で集計作業を行い、集計結果は日書連ホームページに掲載する。また、冊子作成については次年度予算で検討する。鈴木喜重委員長は「書店の声をたくさん集め、今後の日書連活動に役立てたい」と述べた。
全国万引犯罪防止機構(万防機構)による「万引犯罪防止への喫緊の対応策に関する提言に対する意見募集」に、日書連として提言に賛同するとともに、「店舗での防犯カメラ設置に公的補助を受けられるよう関係機関に働きかけてほしい」と要望。万防機構は「働きかけを行っていきたい」と回答した。
〔読書推進委員会〕
今回の「春の書店くじ」について、西村俊男委員長は①発行枚数を300万枚から200万枚に減らす②組合加入書店全店への「書店くじ50枚セット」の無料配布を取り止める③店頭掲示用ポスターの郵送を取り止め、日書連ホームページからファイルをダウンロードしてもらう方式とする――と、昨年9月の日書連定例理事会で承認された変更点を改めて説明。「各都道府県組合は各種会合の場などを利用して周知徹底を図ってほしい」と要望した。
読売新聞東京本社が3月18日~4月19日に実施する「読売新聞本屋さんへ行こう!プレゼントキャンペーン」に協力する。書店で出版物を購入した客がレシートをハガキに貼って応募すると、抽選で図書カード総額20万円分が120名に当たるもの。実施エリアは東京、埼玉、千葉、神奈川、茨城、栃木、群馬、山梨、静岡の1都8県。期間中、約1200書店の店頭にポスターを掲示し、応募ハガキを置く。
〔組織委員会〕
各都道府県組合の加入・脱退状況は、12月期が加入2店・脱退14店で前月比12店純減、1月期が加入ゼロ・脱退8店で同8店純減。2月1日現在の日書連傘下組合加入書店数は計4075店になったと中山寿賀雄委員長が報告した。
〔庶務報告〕
「第13回家の光読書ボランティア養成講座」「第10回家の光読書ボランティアスキルアップ講座」(家の光協会主催)、「第11回出版甲子園」(同実行委員会主催)の後援名義使用、厚生労働省「第69回児童福祉週間」への協力を承認した。
また、読書推進運動協議会の新年度役員として日書連から舩坂良雄会長、西村俊男副会長の両氏を推薦することを承認した。任期は平成27年4月1日~平成29年3月31日の2年間。

TBS「がっちりマンデー!!」に札幌・くすみ書房の久住邦晴氏が出演/長﨑理事も電話コメント

3月8日(日)午前7時半より放映のTBSテレビ系列『がっちりマンデー!!』に、北海道札幌市・くすみ書房の久住邦晴氏(日書連前理事、北海道組合前理事長)が登場。「なぜだ!?売れない文庫フェア」「本屋のオヤジのおせっかい中学生はこれを読め」など同氏発案によるユニークな企画を紹介する。久住氏に呼応して中学生向けブックガイド『お~い中学生!!本はよかバイ。』を発行した日書連理事で熊本組合理事長の長﨑晴作氏も電話でコメントを寄せる。
今回のテーマは「儲かる業界スター」。書店をはじめパン、クリーニング、林業の各業界でヒット商品や儲かる企画を考えている、その業界ならではの有名人が登場することになっている。

ムック返品処理で出版社訪問/九州雑誌Cで古紙化要請/九州ブロック会

日書連九州ブロック会(中山寿賀雄会長)が2月3日、宮崎県宮崎市の宮崎観光ホテルで開かれた。
中山会長を議長に議案を審議。第1号議案の平成26年度決算報告、監査報告、平成27年予算案は一括して議案を諮り、原案通り承認可決した。
第2号議案の平成26年度事業報告、平成27年度事業計画案では、①ムックの返品を九州雑誌センターで古紙化するため出版社を訪問したが、今年も6月、7月に運動を継続して行う、②出版物への軽減税率適用の請願を継続し、国会議員を訪問する、③外商雑誌の買切による報奨金で書店収益の改善を目指す「書店再生のための提案」は是非実現してほしい――などの報告があった。
第3号議案の来年のブロック会開催地は、佐賀県にすることを決定。第4号議案の副会長の追加選任では、都渡正道氏(福岡組合理事長)を承認した。
〔日書連九州ブロック会役員体制〕○印は新任
▽会長=中山寿賀雄(長崎組合理事長)
▽副会長=田中隆次(宮崎組合理事長)、○都渡正道(福岡組合理事長)

「再販用語の見直しを」相賀昌宏委員長が提言/再販研究委新年懇親会

出版再販研究委員会は2月5日、東京・千代田区のホテルグランドパレスで新年懇親会を開き、出版社、取次、書店の各委員、業界団体の代表者ら45名が出席した。
冒頭あいさつした相賀昌宏委員長(日本書籍出版協会理事長)は「今年やりたいのは再販制度に関する用語の見直し」として、「『部分再販』は正確に言うと『部分非再販』。再販制度をやっていく中で部分的に非再販の扱いにしようというものだ。『弾力的運用』も、『非硬直的運用』を目指すと言ったほうがいい。『弾力的』では、行き過ぎてとめどないことが起きる。どこまでが弾力的か誰にもわからない。『再販売価格維持契約』という言葉も無理がある。『再』という言葉を付けなくても『販売価格維持契約』をやっている」と指摘。「言葉の正確な意味と許容範囲を再確認する作業を行い、多くの人たちとコミュニケーションのとりやすい用語を使う必要がある」と述べた。
ネット書店については「1社だけが悪いわけではない。6社くらい問題だと思っているが、すべてに対応はできない。解決策ができたときは各社も倣ってほしい」と述べた。
雑誌の定期購読については、「『定価』という表示では値引きできないので、『価格』という表示にして、10%以下で行いたい。値引き相当分以上のものを書店への報奨として出せば、定期購読を取ることで営業的なメリットが出て、書店にもプラスになる。出版社は返品減少でコスト削減を図ることができる」と小学館としての考え方を述べた。
日本雑誌協会の石﨑孟理事長は「売れる雑誌とは何か、4団体がアイデアを出し合い、再販制度の維持と15年ならではの弾力的運用で成果をあげることが喫緊の課題」と述べた。
日本出版取次協会の藤井武彦会長は「再販制度を維持し、形骸化させないことを大前提に、再販制度の硬直的運用は見直すべき。部分再販・時限再販について取り組みをしてきた実績はあるが、議論が総論的だった。今年は各論的、具体的な議論をするべきだ」と提言した。
日書連の舩坂良雄会長は
「再販制度があるから今の書店はある。絶対に再販制度は維持する。その中で読者にどういう形で喜んでいただけるか、皆さんと一緒に取り組んでいく。出版社は紙の質や装丁を慎重に検討した上で定価を付けている。その中で定価を上げ正味を下げていただきたい。再販制度の下、読者が喜び書店が活性化する企画について、書協、雑協、取協と話し合いながら慎重に考えたい」として、再販制度維持を前提とした読者サービスの重要性を語った。

「上野の森親子フェスタ」中止に

2000年の「子ども読書年」にスタートし、子どもの読書推進会議と出版文化産業振興財団(JPIC)が毎年5月のゴールデンウィークに合わせて東京・台東区の上野恩賜公園で開催してきた子どもの本のイベント「上野の森親子フェスタ」は、諸般の事情により、今年の開催を見合わせることになった。
第16回となる今年も5月3日~5日の日程で開催を予定していた。来年以降の開催については、今後検討するとしている。
この件についての問い合わせはJPICまで。℡03―5211―7282

「東京都書店案内」に全国データ掲載/東京青年部新春懇親会

東京都書店商業組合青年部(小川頼之会長)は2月12日、東京・中央区の銀座クラシックホールで新春懇親会を開催、約90名が出席した。
冒頭であいさつした小川会長は、青年部のホームページ「東京都書店案内」について、全国の書店データを掲載したと報告し、「青年部は、皆の心を集めていろいろな仕事をしてきた。団結力、行動力、執念は誰にも負けない組織。今後ともご支援を」と述べた。
続いて、相談役の東京組合舩坂良雄理事長は、「会長の小川さんは発案がユニークで、これを書店の業績や出版社の利益にいかにつなげていくか、小川さん始め青年部の皆さんに大いに期待している」とあいさつ。喫緊の課題として出版物への軽減税率導入を掲げたほか、北海道砂川市のいわた書店が実施している、読者に1万円分のお薦め本を選書して送るサービスを紹介し、「青年部独自のサービスのヒントになるのでは」と提案した。この後、小学館パブリッシング・サービス東日本営業部総合推進グループ長の對馬安宏氏が祝辞を述べ、Wedge営業部の山本久美子氏の発声で乾杯した。

万防キャンペーン今夏も実施へ/福岡理事会

福岡県書店商業組合は1月20日、福岡市中央区の福岡県教科図書で定例理事会を開催。22名が出席した。
冒頭あいさつで都渡正道理事長は「昨年の総会で新体制がスタートしたが、早速いくつか問題点が出てきている。皆さんで十分議論していただきたい」と述べた。また、「第37期理事会開催日程が決定したので、事前に確認していただき出席をお願いしたい」と協力を呼びかけた。
第37期行事予定については、以下の通り決まったと報告があった。理事会=4月21日(火)、6月23日(火)、8月19日(水)、10月20日(火)。通常総会=11月25日(水)。
各委員会の年間計画では、①総務・広報委員会=定例理事会の内容を中心とした書店新聞「ふくおか」の発行②倫理委員会=毎夏恒例の「万引き防止キャンペーン」を今年も実施する③情報化推進委員会=現在400校で稼働している図書館ナノについて、さらにうまく書店が学校をサポートできるよう、各支部ごとに勉強会を開く予定――などの報告があった。
読書推進では、北九州支部のサン・ジョルディ・イベントを今年も開催するが、来年以降は内容の変更を検討する。
このほか、昨年12月、地元出版社の集広舎から発売された写真集『1973筑豊・最後の坑夫たち』の拡販要請があった。定価本体2700円。鍬谷書店取扱でフリー入帳。
(加来晋也広報委員)

学習参考書協会・辞典協会共催「学参・辞典勉強会」/川山英樹氏が講演

学習参考書協会と辞典協会が共催する「2015年新学期学参・辞典勉強会」が、2月12日午後1時半から東京・新宿区の研究社英語センターで開催。ジュンク堂書店ヒルトンプラザ店店長の川山英樹氏が、「学参売場の〝知って得する〟大切なポイント」をテーマに講演した。
〔自分で探す楽しさを提案〕
まず学参の位置づけだが、本が好きな人になるかどうかの大切な役割があると思う。言い換えると、買ってもらう本から、自分で本を買うという意識を持ってもらう必要があるということだ。困った時には書店へという選択肢を作ることになればと考えている。
そのために、自分で探す楽しさを少しでも感じてもらえる棚作りを提案することが重要だ。幼児・小中学参は、買うのが大人なので、明確な季節感を出すことが大事だ。高校学参は季節感はもちろん、POPや多面展開でおススメ感を出すことも大事だったりと、要素はいろいろある。スペースによって多面展開が難しい場合もあるだろうが、出版社の違う本であっても、その本それぞれに関連性が強ければそれだけで十分アピールになる。
ほとんどの書店の学参売場で、新学期はピークの時期。特に小中学参は新学期にいかに売り伸ばすかが重要だ。勉強したい、勉強させたいという意識が高まっている時期なので、前年の仕掛けが当たったお店はさらにプラスアルファを心がけたり、前年の仕掛けが外れてしまったという店は、思い切って全く違う仕掛けを試みても面白いかもしれない。
準拠は、3月から5月にきっちり売り伸ばせば1年安心できるぐらいの占有率になる。中学は6月にもヤマ場が続くので、小学準拠、高校準拠が売れなくなって下げるという時に、中学も一緒に狭めることがないように注意してほしい。遅くとも3月からは準拠コーナーを新学期のメイン商品として広げていく。
ただし、その他の新学期商品のコーナーもきちんと確保し、あと「+1冊」を買っていただくことを心がける。準拠棚を広げる際は、高校入試は減らしてもかまわないが、中学入試のハイレベル物は減らしすぎないように注意する。
小学参は、2015年春から教科書が改訂になる。そのタイミングで採択が変わる地区もあるので、必ず事前に確認しておく。また厚物は3月、4月に4分の1程度を売上げるという大きな偏りがある。厚物は単価が高いため少しでも売り逃さないようにしたい。
純粋に来客数が増える時期なので、ある程度方向性を決め、いい意味で違和感を出すことも大切だ。私の店舗では去年の新学期に、受験研究社の『天才脳ドリル』、くもん出版の『将棋入門ドリル』について目立つ展開をしてみた。学校のテストに直結しないものは新学期、お客様の気分が盛り上がっている時が一番売りやすいと思う。
中学受験では、ターミナル的な流れがある立地であれば、学校別の問題集も、地元だけではなく他の地方の超難関校を並べてみると面白い。本命校の練習として実際に受験する人もいるようだ。
中学参は、小学、高校に比べて比較的準拠の勢いが残っている分野だと思う。今年は最終年度を意識して安易な返品はしないよう注意する。中学になると授業内容も複雑になり、家庭で教えることが難しくなる科目もある。単価の高い教科書ガイドや教科書CDを目立たせて、売り逃さないようにする。また、中間・期末対策が早い時期から売れるようになってきている。早い時期から教科書ガイドやトレーニング、ワークのスペースを狭めることがないように意識してほしい。
最近は、やさしいレベルの参考書、問題集が増えており、初級レベルのものを固めて展開することも売り伸ばすポイントだ。一方、ハイレベルの厚物もきちんとそろえて売り漏らしのないように心がけたい。これらは混在させるのではなく、きちんと分類させることが大事だ。棚を分けることで、お客様に選択肢の豊富な書店だという印象を持っていただける。
高校学参は新学期だけでなく夏休みや受験シーズンも比率の高いジャンルだ。準拠は、近い学校を絞り込める場合は、必ずその学校の採択を調べてほしい。対象学校が多い場合は、学力レベルの両極端な学校は選択肢から削ってみる。また、採用の問題集の問い合わせが多いと思うが、出版社別のデータを蓄積できれば対応が年々楽になる。一覧表にする等、誰が見てもわかるようにしてみる。
高校生は、自分のための購入で来店される割合がかなり大きい。売り手として、高校生ならばどう思うのかを意識したい。私が以前いた店では、アルバイトの方がアイデアを出して、高校生が喜びそうなフェアを仕掛けてみた。英単語フェアで、売れ筋を揃えるほかに、文脈で覚えるとか単語で覚えるといった構成別で分類し、文脈で覚えるのだったらこれが一番売れていますよとランキングをつけてみたりした。
〔棚整理は最も大切な作業〕
私が一番大事だと思っているのは、いかに棚を分かりやすく分類するかということだ。限られたフェアスペースや話題書で売れる金額は限られる。普段の棚からどれだけ売り伸ばすかがもっとも大切だ。そのため、普段置いてある棚をいかに見やすく分類するかを心がけている。商品1点1点がどこのカテゴリーに属するのかをその都度きちんと考えることが必要だ。
学参作業でまず注意すべきなのは棚整理だ。棚整理ができていないと、どれだけ適切な場所に商品を並べたとしてもお客様の目につく機会が必ず減る。私はアルバイトの方に、「1時間ここの棚の整理をやってください」という指示の出し方をした。毎日きちんと整理・分類され、全ての商品があるべきところに並んでいると、棚整理や棚入れをするだけで自然に商品知識がつく。時間を決めて棚整理をするように心がけてみてほしい。
次に棚構成をみると、小学参では、勉強法だったり、受験の準拠、ドリル、日常学習といった分け方になると思う。中学参も同様に分けられるが、小学参と違うのは、公立の高校受験では1、2年の復習が大きなシェアを占めること。復習コーナーを作ってアピールしてほしい。高校学参はほとんど大学受験を念頭に置いたものになる。各科目別、準拠や、私学系受験、センター試験という独立させたコーナーもある。棚の分量にもよるが、各科目の中でも棚に合わせて見づらくならない程度に細分化するのもいい手だと思う。いずれの学参も、棚自体に枠を作った上で、出版社別等の整理が必要だ。
次の注意点は新刊の棚入れだ。新刊を既存の棚に組み込むというのはルーチンワークではなくて、有機的な作業だと思う。既存の商品と合わせて生かすことのできる適切な場所を探してみてほしい。考えうる最適な場所を見つけるためには、このような理由でここがベストの場所だという理由づけをしてみる。そうすることで、万が一それが売れなかった場合も修正することがでる。
また、置き場所を決める際は広い視野を心がけてみてほしい。時期的にこの辺りは人気がないなという棚を縮小して、売れる棚を目立たせる努力を常に心がけることだ。
データ管理は、前年のデータがあるとないとでは大きく差が出る。売れ筋だけでも構わないので、月何冊以上とか基準をもって売れた商品のデータを残してほしい。かなりの確率で前年と同じ動きをするので、前年の売れ筋を参考に仕入れができると思う。毎月10日とか15日とか決まった日に前年の同月データと見比べてみる。また、月の半ばに前年の次月、翌月のデータを確認し、次の月にどのような棚づくりをすればいいのかという参考にもなる。
新学期セットは、新学期に売れるものが組み込まれて、仕入れ条件も悪くなく、有益なものだと思う。ただ、担当者がきちっと管理した上で適切な発注数を決定しないと、まとまって入ってくるために書店にとっては大きな負担になる。自店の棚サイズ、売場サイズをきっちり把握し、大きく取り過ぎないように注意してほしい。
学参も、ベストセラーやロングセラーだけを目立たせて販売数を伸ばすというやり方は、ほとんどの店舗でもう成り立たないのではないか。売場のサイズに合った対応が必要になるが、お客様に本を選んでいただける環境を整えることが重要だ。きちっと分類、整理され、お客様にじっくり見てもらう、来てもらうという棚を作ることがもっとも大切だと思っている。

第22期受講生99名が修了/JPIC読書アドバイザー養成講座

出版文化産業振興財団(JPIC)が主催する第22期読書アドバイザー養成講座の修了式が、2月2日に東京・新宿区の日本出版クラブ会館で行われた。
主催者を代表してあいさつしたJPICの肥田美代子理事長は、「皆さんには、本を薦めるアドバイザーに終わってほしくない。地元に戻ったら、学校図書館が教育の中でしっかり活用されているか、公共図書館が市民のニーズに合ったものを地域の本屋さんで購入しているか、地方自治体が子どもの本のためのお金をきちんと使っているか、ぜひ目を光らせてほしい」と激励した。
続いて、来賓の日本雑誌協会・石﨑孟理事長と日書連・舩坂良雄会長が祝辞。石﨑理事長は「活字は強烈な記憶となって頭に残り、その人間のアイデンティティとなる。今日の修了を機に、全ての人たちに本や雑誌といった活字文化や、物語の素晴らしさに触れさせてあげてほしい。想像力の豊かな人間になれるよう、いろいろな場所で指導していただきたい」。舩坂会長は「皆さんには一緒に学んだご縁を大事にしてほしい。本を読み、辞書を調べるのは非常に大事なこと。子どもは生まれたら親がかける声を聞いて言葉を覚え、絵本を見て言葉を理解していく。本には機械にはない力がある。ぜひ本の楽しさを伝えていただきたい」とあいさつした。
この後、第22期修了生99名を代表して、今期最年少の18歳で参加した井出さくらさん、最年長の69歳で参加した長谷川澄男・福岡県書店商業組合前理事長(ブックイン金進堂)、成績最優秀者の吉﨑久美子さんが修了証書を受け取った。あいさつした長谷川前理事長は、「講義を聞いたのは大学時代以来50年ぶりで熱が入った。新しいことを身に付けるというのは非常に良いこと。〝健康寿命〟を延ばすために大事なのは、いつまでも夢と希望を持つことだそうだ。〝残りの人生で、今日が一番若い〟というが、若いうちに何かやりましょう」と笑顔で語った。

絵本専門士講座の受講生を募集

国立青少年教育振興機構は、絵本に関する知識、技能、感性を備えた専門家を養成する「絵本専門士養成講座」の第2期受講生を募集している。
絵本専門士養成制度は、絵本に関わる有識者からなる絵本専門士委員会により平成26年に創設された制度で、今春に第1期修了生を送り出す。講座は、絵本や子どもに関する知識、おはなし会やワークショップを運営する技能、絵本の創作や編集に要する感性等をバランスよく習得できる内容となっている。
受講資格は、子どもや絵本に関連のある資格を有する者や、絵本に関わる実務で3年以上の経験を有する者など。申込は3月31日締切で、同機構ホームページの申込フォームから。(https://ehon-senmonshi.jp/

双葉社と秋田書店が協力企画/漫画アクションとヤングチャンピオン

双葉社の「漫画アクション」(第1、第3火曜日発売)と秋田書店の「ヤングチャンピオン」(第2、第4火曜日発売)は、「火曜日がもっと楽しくなる!!」をテーマに、誌面を盛り上げる様々な協力企画をスタートした。
このコラボ企画は、「ヤングチャンピオン」2月24日発売号、「漫画アクション」3月3日発売号からスタートし、両誌の協力期間は約1年間を予定している。双葉社と秋田書店を代表するキャラクター、「クレヨンしんちゃん」と「ブラック・ジャック」が一緒になったロゴマークを作成、同企画のシンボルとして使用していく。
誌面企画では、漫画家の今井大輔氏が2誌をまたいでの週刊連載「古都こと」をスタート。内容は京都を舞台にした恋物語で、「漫画アクション」では女性目線、「ヤングチャンピオン」では男性目線でのストーリーを描き、互いの誌面で物語が交差していくユニークな構成。毎週火曜日が待ち遠しくなるような連載となっており、連載第2弾も企画中としている。
また「ヤングチャンピオン」2月24日発売号では「クレヨンしんちゃん」と「ブラック・ジャック」のコラボクリアファイルが、「漫画アクション」3月3日発売号ではオリジナルポストカードを特別付録とする。この他、両誌購入者を対象としたプレゼント企画も実施する。
コラボ企画の情報は特設ホームページ(http://www.honyaclub.com/shop/)などで随時発信していく。

生活実用書/注目的新刊

お医者さんと患者という呼び方が医者と患者様に替わったが、別に主導権が医師から患者に移ったわけではない。問題なのは信頼を失いつつある現状の医療なのである。
田島知郎著『なぜ病院に「殺される」と言われても誰も反論しないのか?』(青萠堂1000円)は現職の医師が語る医療の現在である。
健康保険組合の財源が火の車なのは、不況や少子化よりも病院の過剰診療にあるのだという。しなくていい検査、必要のない薬などは国民皆保険制度に乗っかった医療の大盤振る舞い、つまり過剰な診療であるという。
救急車の問い合わせで3回以上の病院受け入れが年間に1万5千件もある事実、医療過誤による死亡者は年間2万4千人と推計されている、さらに国を巻き込んだ、医師と製薬会社のもたれ合いなど、恐ろしい現実が次々と報告される。国の行政は医療費削減を御旗に、入院日数が長いと病院の収入が減るような診療報酬制度設計までしている。
巻末には「ダメ病院・ダメ
医療を避ける最善の知恵」を解説。医療を過信することなく、自分の身は自分で守る、くらいの気概を持ってくださいと結んでいる。
岡部哲郎著『病気を治せない医者』(光文社新書737740円)は、西洋医学と中国伝統医学の双方に精通する医師が説く西洋医学の限界。医学は進歩し、真理は常に更新され続けるので、医師が医学部で学んだことが、すでに間違っている場合もある。
たとえば25年前は大腸ポリープはすべて大腸がんになるというのが定説だったが、今では5ミリ以下のポリープはほとんどがんにならないことが証明されている。腫瘍マーカー検査で発見された前立腺がんも、人を殺すことは稀であるにもかかわらず「早く見つかってよかったですね」と手術や放射線治療を勧める。過剰医療の典型なのである。
子宮頸がん予防ワクチンも多くの副反応が報告されている。国際シンポジウムで中止は訴えられているものの、引き起こされる様々な症状は黙認されている。降圧剤や高脂血症薬も健康な人が対象であるため、ワクチンビジネス同様、製薬会社・医療・政治に多大な利権の集中を及ぼしている。わが身は自分で守るという教訓の2冊である。
(遊友出版・斎藤一郎)

年齢別絵本ガイド企画を展開/日販

日販は、年齢別絵本ガイド企画「いくつのえほん」の展開を1月中旬から全国取引書店で開始している。
この企画は、絵本選びのウェブサイト「絵本ナビ」の協力のもと、絵本ナビ会員34万人が選んだ「本当に読んでほしい絵本」128点を年齢別にまとめたもの。ロングセラーから口コミで人気の高いものまで幅広い作品をラインアップし書店でコーナー展開する。
また、特に評価の高い絵本を対象年齢別に紹介するガイドブック「いくつのえほん」を作成し、書店を通じて無料配布する。ガイドブックには絵本の内容紹介や、絵本ナビ会員のユーザーレビュー、対象年齢を掲載。「もう読んだ?」というチェック欄を設け、様々な本を読んでみようと働きかける仕掛けも凝らした。
日販では、ガイドブックのほか、年齢別棚プレート等の販促物を書店に提供してコーナー展開をサポート。日販が運営するインターネット書店「HonyaClub.com」内にも特設ページを設けて絵本を紹介している。