全国書店新聞
             

平成17年5月11日号

HPリニューアル/山形県組合

山形県書店商業組合(五十嵐太右衛門理事長)は日書連情報化支援の補助金を利用して、このたび組合ホームページのリニューアルを行った。
今回のリニューアルでは、書籍情報を充実させ、出版情報がすぐわかるようにしたほか、地方出版物の検索ができるようになった。また、組合員向けのサイトは組合事務局がリアルタイムで更新できるなど大幅な内容変更により、県内組合の組織強化に活用されることが期待されている。
(五十嵐靖彦広報委員)

3日で2431万円/上野の児童書フェスタ

第6回「上野の森親子フェスタ」が5月3日、4日、5日の3日間、新緑が輝くばかりの東京・上野公園、中央噴水池広場周辺で開かれた。今年は3日間とも絶好の行楽日和にめぐまれ、子どものためのチャリティ・ブック・フェスティバルは連日、親子連れでにぎわいを見せた。
この催し、2000年に制定された「子ども読書年」をきっかけにスタートしたもので、「子どもの読書推進会議」「出版文化産業振興財団(JPIC)」の両団体が共催。経済産業省、文部科学省、国立国会図書館子ども図書館、東京都教育委員会、台東区、読売新聞社の後援、児童図書出版協会、取協、東京都書店組合など官民の協力により毎年開かれている。ゴールデンウイークの上野公園は1日10万人の人出があるといい、3日間とも晴天に恵まれた今年は例年を大きく上回る人出で大変なにぎわいを見せた。
児童書版元48社が39のブースで人気の絵本や児童書を販売したチャリティ・ブック・フェスティバルは全品2割引とあって、何冊もまとめ買いする客で押すな押すなの混雑振り。4カ所のレジ・テントは一時、本を抱えた客の長い列ができて、なれない販売員は汗だくになって精算作業に追われていた。
会場の一角には講談社の「おはなし隊キャラバンカー」が1時間に一度、絵本の読み聞かせや紙芝居を行ったほか、公文教育研究会のブースでは幼児フェスタや声優・小原乃梨子さんの読み聞かせ、作家・志茂田景樹さんもKIBA・BOOKのブースで連日読み聞かせを行うサービスぶりと、各出版社が工夫をこらして作家サイン会や工作教室、着ぐるみのデモンストレーションなどで本の楽しさ、読書の喜びをアピールした。
同公園内の国立博物平成館では、絵本作家・スズキコージさんによるワークショップ「お面をつくろう」が、3日、4日の両日開かれた。
フェスティバル事務局のJPICによると、3日間のチャリティ・ブック売上げは、雨と風にたたられた前年の1507万円を6割近く上回る2431万円を記録し過去最高額。収益金は読書推進運動に関する団体、取り組みに寄付することにしている。

山田氏など3氏/春の黄綬褒章

4月29日付で全国教科書供給協会関係から3名の方が黄綬褒章を受章した。授章者は以下の通り。
宮城県・門馬寛(もんま書店)、新潟県・小島和雄(文栄堂)、滋賀県・山田光治郎(山田書店)

新潟地震、全壊店に120万円

新潟県書店商業組合(西村俊男理事長)は4月28日に理事会を開催し、新潟県中越地震の被災書店に対して各都道府県組合・書店から寄せられた407万1377円の義援金の配分について検討した。
この結果、全壊書店に対しては120万円、大規模半壊65万円、半壊10万円、一部損壊5万円の配分を決定した。5月上旬にも県組合から被災書店に送金する予定にしている。

万引き防止ポスター組合書店に配布へ/兵庫組合理事会

兵庫県書店商業組合は4月12日、ブックローン会議室で4月定例理事会を開催した。
理事会の審議に先立ち、今年度の増売商品に『ひょうご全史上巻』(神戸新聞総合出版センター)が選定されたことが大杉増売委員長から発表され、同社福岡社長、今井課長から選定の御礼と詳しい商品説明が行われた。
理事会では、東京、京都などに続き、兵庫県でも万引き防止ポスターを作成することが図られ、県下全組合書店に配布することが承認された。また、5月21日(土)には兵庫県私学会館で柳田邦男氏の「IT時代と心の危機」とする文化講演会を開催。読者3百名を招待する。
これまで理事会は神戸シーガル会館を利用していたが、同会館の閉鎖に伴い、定例会場を探しており、次回は5月に中央区橘町のエスカル神戸で開催を予定している。
なお、春の叙勲で安井克典元理事長が瑞宝双光章を授章した。行政相談において長年の功績が認められたもの。
(中島良太広報委員)

子どもの読書推進が着実に進展/子ども読書フォーラム

「子ども読書の日」を記念して「子どもの読書活動推進フォーラム」(文部科学省主催)が4月23日午後1時から東京・代々木の国立オリンピック記念青少年総合センターで開かれた。
式典では主催者を代表して下村博文文部科学大臣政務官があいさつ。「平成13年に『子どもの読書活動の推進に関する法律』が成立し、様々な施策が着実に進展している。子どもたちが素晴らしい本と出会い、意義ある人生を送ることを願っている」と述べた。また、来賓の子どもの未来を考える議員連盟・扇千景顧問(参議院議長)は「地域と連携し、本によって人生の苦悩を乗り越え、人間性を高める子どもたちが一人でも増えるために活動していきたい」とあいさつした。
文部科学大臣表彰として読書活動優秀実践校4校、子どもの読書活動優秀実践図書館2館、子どもの読書活動優秀実践団体2団体を表彰。童話作家の末吉暁子氏が「子どもの本を書く楽しさ」をテーマに講演し、文部科学大臣受彰団体の代表者が子どもの読書活動推進実践事例を報告した。

生活実用書・注目的新刊

麻雀を毎日のように打っていた時期があった。日本読書新聞に勤めていた頃で、終業時刻が近づくともう先輩の誰かが応接のテーブルにグリーンのマットを用意し始めるのだった。おい、仕事は終わりだと声がかかって、そのまま遅くまでやるのだった。神保町の雀荘にもよく通った。
ところが時代が変わり、麻雀をする人口が減り、雀荘はみるみるうちに無くなった。最近はパソコンゲームを入口にするケースが多くなった。
とつげき東北著『科学する麻雀』(講談社現代新書1765740円)の著者も1976年生まれ、パソコンから入門した一人とお見受けした。従来の麻雀本にあるような「読み」や「ツキの操り方」といった一般化のできない技術を語るのではなく、統計や数理を駆使して、科学的な麻雀戦術の先端を行こうというのである。
たとえば「リャンメン追っかけの基本グラフ」や、カンチャン、ベタオリなどのグラフが並ぶ。リャンメンは両面待ちのことで、2・3と持っていて1か4を待つ場合を指し、カンチャンは1・3と持った上で間の2を待つということなのだが、その追っかけリーチの和了、放縦などの確率が示される。確かにこのようなデータを基に覚えていけ
ば、いたずらに放縦することは少ないはずである。ウェブ上にもサイトがあるので、さらに詳しくはそちらを覗いてみるといいかもしれない。
谷岡一郎著『確率・統計であばくギャンブルのからくり「絶対儲かる必勝法」のウソ』(講談社ブルーバックスB―1352860円)も、世にはびこる特にギャンブルに関したデタラメ本に怒っている。著者は日本遊技史学会などに所属する大阪商業大学学長である。
半か丁か?のサイコロを使うダイスゲームから始まり、ルーレット、ブラックジャック、将棋、totoにまでその論考は及ぶ。第一章は「直感に頼るギャンブラーはなぜ負けるのか」。ここでは読者の「確率論センス」テストもついている。独立変数と従属変数の概念から予想する競馬、期待値から計算するパチンコで勝つ確率など、冷静に科学するギャンブル論である。
書店の実用書、ギャンブルコーナーに、是非とも常備しておきたい二冊だ。
(遊友出版・斎藤一郎)

訂正

4月21日付、古澤徳三氏の訃報記事で静岡組合古澤隆氏の父とあるのは、叔父の間違いでした。お詫びして訂正します。

北から南から

◆福島県書店商業組合第21回通常総会
5月18日(水)午後1時から、郡山市の磐梯熱海温泉「四季彩一力」で開催。
◆東京都書店商業組合第29回通常総代会
5月19日(木)午後1時半から、千代田区九段のホテルグランドパレスで開催。終了後に永年勤続従業員・組合功労者表彰式。午後5時半から懇親会。
◆青森県書店商業組合第18回通常総会
5月19日(木)午後3時から、青森市のアラスカ会館会議室で開催。総会に先立ち午後2時から役員会、終了後は午後4時から懇親会を行う。
◆愛知県書店商業組合第22回通常総会
5月19日(木)午後3時から、名古屋市千種区池下の愛知県厚生年金会館「百合の間」で開催。午後5時から同「鳳凰の間」で懇親パーティー。
◆大阪府書店商業組合第23回通常総代会
5月20日(金)午後1時30分から、大阪市北区のホテルモントレ・グラスミアハウス5階で開催。午後6時から、同3階デイジーの間で優良従業員・優良家族従業員表彰式、懇親会。
◆石川県書店商業組合第17回通常総会
5月21日(土)午前10時半から、金沢市の金沢勤労者プラザで開催。
◆茨城県書店商業組合第19回通常総会
5月28日(土)午前10時半から、水戸市の「ホテルテラスザガーデン水戸」で開催。終了後、日本図書普及の説明会。
◆埼玉県書店商業組合第21回通常総会
5月28日(土)午後2時から、さいたま市浦和区の埼玉書籍会議室で開催。終了後にパーティー。
◆京都府書店商業組合第21回通常総代会
5月30日(月)午後2時から、京都市中京区の京都ホテルオークラで開催。
◆北海道書店商業組合第29回通常総会
6月6日(月)午後3時から、札幌市中央区のJRホテル日航36階「たいよう」で開催。午後6時より懇親会。
◆愛媛県書店商業組合第17回通常総会
6月7日(火)午後4時から、松山ワシントンホテルで開催。
◆長野県書店商業組合第21回通常総会
6月25日(土)午後1時半から、千曲市戸倉上山田温泉「晴山荘」で開催。

ポイント問題で活発な議論/「30代書店人の懇談会」開催決める/北海道組合

北海道組合は4月19日に組合事務所で4月度定例理事会を開催した。開会に当たり志賀理事長から自身の交通事故の経過報告があり理事会はこれを了承した。
理事会ではポイントカードの問題について再度経過説明がされた。今後の対応は「再販制度の闘いを基本にもう一度戦線を構築しなおすべき」、「公取が低率というのであれば数字まで詰めてはどうか」、「ポイントカード自体の将来性や読者サービスの見地から出版社と協力し、読者サービスのアウトサイダーとの差別化を図るなどさまざまな手法を模索すべき」と活発に意見が出された。引き続き議論を深め北海道組合として日書連理事会・総会に反映していくことを確認した。
このほか官公需適格者組合申請問題や、組合の退会問題、活性化・現場からの書店新聞への投稿促進なども議論された。
またサンジョルディの日の記念講演会(十勝帯広及び札幌にて開催予定)について報告、承認された。
広報委員会から提案のあった「30代書店人の懇談会」は5月中旬に開催することが決定した。詳細は後
日、書店新聞および道組合ホームページ(http://www.h6.dion.ne.jp/~h-syoten/hsk.htm)にて公開予定。
(松山雄洋広報委員)

訃報

高須元治氏(日書連元副会長、豊橋市・豊川堂代表取締役会長)
5月1日、逝去した。享年84歳。密葬は3日、近親者で営まれた。通夜は10日午後7時から、葬儀・告別式は11日午後1時から豊橋市東新町115のイズモ葬祭セレモニーホール豊橋貴賓館で、豊川堂と高須家の合同葬で営まれた。喪主は長男で日書連副会長、愛知県書店商業組合理事長、豊川堂社長の高須博久氏。
元治氏は昭和53年から57年まで2期、日書連副会長を務めた。

セミナー

◇「ケータイ読書」が新規読者を開拓する
トーハン総研は6月7日午後2時から日本出版クラブでカルチャーフォーラムを開催する。講師の本城剛史氏は㈱モバイルブック・ジェーピーのデジタル出版事業部長。同社は電子文庫パブリやケータイ公式サイト「どこでも読書」などの運営を行う、わが国電子出版のパイオニア的企業。電子書籍市場の現状、ケータイ読書の可能性、展望を聞く。受講料5千円。申し込みはFAX03・3268・0756番。

参考図書

■『2005出版指標 年報』
(社)全国出版協会・出版科学研究所から04年の出版統計をまとめた出版データブック『2005出版指標 年報』が発売された。わが国の出版統計として出版物年間販売額、販売部数、出版点数、返品率、平均価格等、多数のデータを掲載。業界の最新動向も詳しくレポートする。書籍・雑誌の分野別統計データと出版トレンド分析には定評があり、出版マーケティングで必携の書。主な内容は①1950年~2004年までの主要出版統計(発行・販売データ)、②分野別書籍・雑誌の出版統計・傾向分析、③1946年~2004年までの年間ベストセラー、④再販関係、出版社・取次・書店の動き、各社決算など業界の主な動き、⑤読書調査、商業統計、ABC雑誌部数、書店出店状況、出版物輸出入、出版社・書店売上高、文学賞受賞一覧など関連資料、⑥電子書籍などの関連ビジネス解説、その他関連業界の統計資料を掲載。B5判414頁、頒価1万2千円お申し込み・お問い合わせは出版科学研究所まで。電話03・3269・1379番。
■『よくわかる出版流通のしくみ』
メディアパルは、出版流通をわかりやすくまとめたブックレット『よくわかる出版流通のしくみ』05~06年版を発行した。A5判48頁、頒価525円。
出版業界の市場規模や流通ルート、本の製作過程、書店の仕事、図書館・教科書の流通など出版流通システムの全体像をイラストや図解で解説。新版では出版界のSCMを目指すトーハン桶川構想を中心とした流通改革にスポットあて大幅な改訂を行った。

社名変更

◇エス・エス・コミュニケーションズ
㈱エス・エス・コミュニケーションズは4月1日付で「㈱角川・エス・エス・コミュニケーションズ」に社名を変更した。所在地、電話番号は従来通り。

業界初の無伝票返品/出版共同流通所沢センターが落成

日販、大阪屋、栗田、太洋社、日教販の取次5社により設立された出版共同流通㈱(菅徹夫社長)の所沢センター(埼玉県所沢市)の見学会と落成式が4月26日に行われ、出版関係者など約600名が出席した。
同社では書店店頭での返品作業を軽減する「無伝票返品システム」を確立し、すでに蓮田センターで雑誌、ムック、コミックの共同返品を実施。新しい所沢センターはすべての書籍、文庫、ビデオ、DVD、CDへと取り扱いを拡大し、5月に本稼動する。
午前11時から行われた見学会では、着荷システム、書籍自動仕分システム、解荷検品システム、出荷管理システムの順に担当者が説明。11時半から行われた落成式では、出版共同流通の菅社長が「業界初の試みである書籍全般の無伝票返品が実現。高度かつ透明性の高い無伝票返品システムが書店取り扱い商品のすべてに導入されることで、書店業務の効率化、返品入帳の迅速化に大きく寄与していく。また、単店・単品レベルの返品データ収集により、業界SCMの構築にも貢献したい。社会貢献の意味でも、オリコン・バケット配送による廃棄物の削減を推進し、資源の有効活用を行っていく。出版共同流通は業界全体のコスト削減による出版界の繁栄、そして出版社、倉庫業者と連携を図った新時代の返品物流の構築を目指している。取引先の信頼を揺るぎないものにするためにも、質の高い業務の遂行に努める」とあいさつした。
このあと出版共同流通・菅社長、日販・鶴田社長、大阪屋・青木常務、栗田・亀川社長、日教販・森内社長、太洋社・國弘社長、椿本チェイン・福永社長、小学館・蜂谷常務、講談社・江間局長、鹿島出版会・鹿島社長、朝倉書店・朝倉社長の11名で鏡割りを行い、栗田・亀川社長の発声で乾杯した。

1万9千校超える/朝の読書実践校

朝の読書推進協議会の調べによると、「朝の読書」実践校は4月末現在で1万9千校を超え、児童・生徒数も7百万人を突破した。
今夏には2万校が達成でき、全小・中学校への普及も視野に入ったと予測している。
朝の読書は1988年に千葉県の女子高で提唱されたのがきっかけ。1995年からトーハンが事務局を務め、全国的な普及・推進運動を支えてきた。最近では年間2500校から3000校の実践校が拡大している。

日書連のうごき

4月6日JPO情報整備研究会へ柴崎委員他出席。
4月7日個人情報保護法問題で書協との二者会談へ丸岡委員長他出席。
4月11日文字・活字文化振興法シンポジウムへ丸岡副会長他出席。『ハリー・ポッター』の件で藤原委員長他で静山社を訪問、懇談。
4月12日個人情報保護法問題で丸岡委員長他で取協林事務局長と懇談。
4月13日SJ実行委員会開催。JPO運営委員会へ井門委員。第4土曜日は子どもの本の日実行委員会へ高須委員出席。
4月14日総会対策で正副会長・委員長会議。出版物小売業公正競争規約見直しで小委員会開催。
4月15日JPO・ISBNワーキンググループへ柴崎委員他。読進協常務理事会へ萬田会長出席。
4月18日大阪屋「ほんつな」の件で三好社長他来局。事務局と懇談。
4月19日雑誌協会・雑誌公取協総会懇親会へ萬田会長他出席。
4月20日指導教育、増売・読書推進、共済会運営、組織強化、共同購買、流通改善、消費税問題、再販研究・公取協専門、広報、情報化推進各種委員会開催。
4月21日定例理事会。共済会、公取協理事会開催。JPOマネジメント委員会へ井門委員他出席。
4月22日九州雑誌センター役員会へ萬田会長他。SJ名古屋実行委員会フェスティバルへ萬田会長出席。
4月25日出版クラブ監事会へ萬田会長出席。
4月26日出版流通倉庫協議会へ井門委員。出版平和財団役員総会へ白幡専務。出版共同流通・所沢センター落成式典へ日書連幹部。電子書籍ビジネスコンソーシアム理事会へ志賀委員出席。
4月27日情報化推進委員会開催。

本屋のうちそと

謝罪、陳謝、深謝、平謝り、申し訳ない、平身低頭、許しを請う、頭を下げる、詫びる、と大事件が起きるたびに会社のトップが、あの長机の前で頭を下げる。一時、辛い思いをしているかのように、頭を下げているが、テレビなどで見ている限りでは、それが伝わってこない。
今回のJR福知山電車転覆事故。ああも説明が二転三転すると、どれが本当のことかわからない。プリントされた資料を見ながら説明しているのは、後日問題にされないよう、一字一句事務方が書き上げているのではないか。以前、「悪いのは社員ではありません。悪いのは私です」と言ったトップがいた。「全責任は私にあります」と言った社長もいるが、全部信用してよいものか。
あの長机は謝罪する時のアイテムなのだろう。本当に重責を感じて心から謝って、全責任は私にありますと言える企業のトップはいないのか。「潔さ」って死語になったのかな。腹を切れ、坊主になれとは言わないが、責任を本当に感じているのなら、自分のことばで、見ている人に伝わるように謝罪するのが本当だろうと思う。
我々は事故の当事者ではないが、それでも腹立たしいのは、本音が伝わってこないからだ。当事者にしてみれば、なおさら、なぜ伝わる言葉で話しかけてくれないのかと感じているでしょう。人の心が読めなくなったのか。慰める、見舞う、悔やむ、慰謝、気遣う、心遣い、配慮、気を揉む、案ずる、懲りる、良い言葉はたくさんある。心をこめて相手を気遣うなら良いが、心のこもらない使われ方には憤りを感ずる。(とんぼ)