全国書店新聞
             

平成28年3月1日号

新理事に中島良太、二階堂衞司の両氏/出版物小売公取協

出版物小売業公正取引協議会(舩坂良雄会長)は2月18日、書店会館で臨時総会を開催した。
臨時総会は舩坂会長を議長に議事を進行。山根金造(兵庫)、福田健太郎(大分)両理事の退任に伴う役員補充選挙を行い、新理事に中島良太(兵庫)、二階堂衞司(大分)の両氏を選出した。

最優秀賞に加賀谷書店など/子どもの本秋・冬セール飾り付けコンクール/日書連理事会

日書連(舩坂良雄会長)は2月18日、東京・千代田区の書店会館で定例理事会を開催。日書連増売運動「2015年心にのこる子どもの本秋・冬セール」の飾り付けコンクールで秋田県秋田市・加賀谷書店東通店など3書店を最優秀賞に選んだことが報告された。また、消費税軽減税率などの諸問題を協議した。
[読書推進委員会](西村俊男委員長)
日書連主催の増売運動「2015年心にのこる子どもの本秋・冬セール」(協賛=日本出版取次協会、日本児童図書出版協会)の店頭飾り付けコンクールは、1月20日の締切までに18書店から応募があり、2月17日に日書連読書推進委員会と児童出協で選考会を行った結果、最優秀賞3書店に各3万円、優秀賞5書店に各1万円、アイデア賞10書店に各5千円、計18書店に総額19万円の賞金を贈ることを決めた。最優秀賞を受賞したのは、加賀谷書店東通店(秋田県秋田市)、B・PASS年輪(滋賀県高島市)、宝屋書店(愛知県知多郡)=写真。
3月16日~4月17日に実施する読売新聞東京本社と日書連のコラボレーション企画「読売新聞本屋さんへ行こう!キャンペーン」は、これまで首都圏1都8県(東京、埼玉、千葉、神奈川、茨城、栃木、群馬、山梨、静岡)の全組合加入書店で実施してきたが、第22回目となる今回から事前参加申込制に変更となった。今回の参加書店は計159店で、参加率12・3%。参加書店で出版物を購入した客がレシートをハガキに貼って応募すると、抽選で図書カードをプレゼントするもの。期間中、店頭にポスターを掲示し、応募ハガキを設置する。
[政策委員会](舩坂良雄委員長)
日書連の平成27年度決算は黒字の見込みと事務局が報告した。また、昨年12月16日に帝国ホテルで開催した「第8回出版販売年末懇親会」の収支は黒字だった。
「上野の森親子フェスタ2016」(子どもの読書推進会議、日本児童図書出版協会、出版文化産業振興財団、同運営委員会)、「JPIC読書アドバイザー養成講座」(出版文化産業振興財団)、「第14回家の光読書ボランティア養成講座」(家の光協会)、「第11回家の光読書ボランティアスキルアップ講座」(同)の後援名義使用、「平成28年度児童福祉週間」(厚生労働省)への協力を、それぞれ承認した。
太洋社が自主廃業に向けて準備に入った問題で、舩坂委員長は「太洋社は取引書店に自主的に帳合変更するよう促し、当該取次と調整を行い、取引書店に不利益のないよう対処すると言っている。日書連としては、各都道府県組合を通してトーハン、日販、大阪屋、栗田の担当窓口を紹介する程度のことはできるが、個々の経営に立ち入ることはできず、難しい問題。事態の推移を注視していきたい」と述べた。
[消費税問題](面屋龍延担当副会長)
出版物への軽減税率適用が先送りされたことへの対応を協議。「標準税率が将来20%、30%に上がったら、本はますます売れなくなる。だからこそ、今、軽減税率8%にしなければならない」「もうひと押しの運動が必要」などの意見が出た。
[指導教育委員会](鈴木喜重委員長)
鈴木委員長が、1月13日の出版ゾーニング委員会、同18日の出版倫理協議会で、消費税軽減税率で「有害図書」の線引きへの対応を検討したと報告した。
全国小売書店経営実態調査は、自由記入欄の回答内容を全委員で読み合わせ、取捨選択した。6月の日書連通常総会までに配布できるよう準備を進める。
[書店再生委員会](本間守世委員長)
第2回「書店金賞」の売上スリップは1月15日必着で締め切り、POS未導入書店35店・414枚を回収した。報奨金は後日、各都道府県組合に精算する。
公正取引委員会が2月29日に行う平成27年度著作物再販ヒアリングに日書連から本間委員長が出席する。[流通改善委員会](藤原直委員長)
教育システムは「日書連MARC」の新しいデータ提供方法へ移行するための準備を進めている。このためユーザーの図書館と書店は対応を検討してほしいと、図書館サポート部会(高島瑞雄部会長)から報告があった。なお、福岡県情報センターのユーザーは従来通り利用できる。
図書館指定管理問題では、山口県周南市がカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と進めている図書館の新設について、計画の是非を問う住民投票が実施されたことや、CCCが指定管理者となる宮城県多賀城市の新市立図書館が3月21日に開館することを藤原委員長が報告した。
[取引改善委員会](柴﨑繁委員長)
柴﨑委員長は、送品・返品同日精算について、月末締日の変更があってから一定の時間が経過したので、経過を検証してみたいとの意向を示した。
[組織委員会](中山寿賀雄委員長)
各都道府県組合の加入・脱退状況は、12月期が加入2店・脱退9店で前月比7店純減、1月期が加入なし・脱退6店で同6店純減。日書連所属員数は3873店になった。
日書連オリジナル手帳「ポケッター」2016年版は4万1800万部受注生産した。
[広報委員会](面屋龍延委員長)
面屋委員長は、全国書店新聞に地方記事を投稿する役割を担う「広報委員」の再登録を行うため、各都道府県組合から1名推薦してほしいと求めた。
[事務報告]
塩川明人理事(長野)が、長野組合がNHK大河ドラマの放映開始に合わせて制作・発売した「真田丸かるた」の全国的な拡販を要請した。初版1500セットが県内中心に2週間で完売。重版1000セットも順調に売行きを伸ばしている。取引条件は原則的に65掛の買切。注文は1セットから受け付ける。定価本体1500円。
[出版物小売業公正取引協議会]
出版物小売業公正取引協議会の吉武三男専務理事から一身上の都合で3月末に退任したいとの申し出があり、これを受理したと報告した。

絵本専門士養成講座の受講生募集

国立青少年教育振興機構は、絵本に関する知識、技能、感性を備えた専門家を養成する「絵本専門士養成講座」の第3期受講生の募集を開始した。
絵本専門士養成制度は、絵本に関わる有識者から成る絵本専門士委員会により平成26年に創設された制度。講座は、絵本や子どもに関する知識、おはなし会やワークショップを運営する技能、絵本の創作や編集に要する感性等をバランスよく習得できる内容となっている。
応募資格は司書など子どもや絵本に関連のある資格を有する人、絵本に関わる実務・活動で原則3年以上の経験を有する人など。定員60名。受講料5万円。講座は6月18日~1月22日の土・日に、5回に分けて行う。申込は3月13日締切で、同機構ホームページ(https://ehon-senmonshi.jp/)から。

中山寿賀雄会長を再選/九州雑誌センターで古紙化を/九州ブロック会

日書連九州ブロック会が2月3日、佐賀県佐賀市の楊柳亭で開かれ、中山寿賀雄会長を再選した。
中山会長を議長に行った議案審議では、第1号議案の平成27年決算報告、監査報告、平成28年予算案を一括して諮り、原案通り承認可決した。
第2号議案の平成27年事業報告、平成28年事業計画案では、①雑誌センターでムックの古紙化をする運動は、雑協との交渉を考え継続する、②出版物に軽減税率適用を求める運動を継続する、③九州選書市は10月12日、13日に開催する予定――などの報告があった。
第3号議案では、来年のブロック会開催地を熊本県にすることを決めた。
第4号議案の役員改選では、中山会長をはじめ全役員を再選した。
第5号議案のその他では、「ブロック会を年2回開催してはどうか」などの意見が出た。
九州雑誌センターからは「業量が減った一方、件数が増え、収益が悪化した。人件費や残業など従業員のやり繰りにも苦労している」との報告があった。
[日書連九州ブロック会役員体制]
▽会長=中山寿賀雄(長崎組合理事長、好文堂書店)
▽副会長=田中隆次(宮崎組合理事長、田中書店)、都渡正道(福岡組合理事長、菊竹金文堂)
▽監査=長﨑晴作(熊本組合理事長、熊文社)

「学校図書館を書店が変える」/中尾書店・中尾隆一社長が講演/熊本県新春賀詞交歓会

熊本県書店商業組合、出版社、取次、運輸の合同新年賀詞交歓会が1月23日、熊本市中央区のANAクラウンプラザホテル熊本ニュースカイで開かれ、合計26名が出席した。
当日は、福岡県北九州市・中尾書店の中尾隆一社長が来会し、「学校図書館を書店が変える」と題して講演。福岡県の書店の活動状況等について話した。
新年賀詞交歓会では、冒頭、熊本組合の長﨑晴作理事長は「出版社、取次、書店の三位一体でこの1年間頑張ろう」とあいさつ。続いて、来賓の熊本県中小企業団体中央会指導部の園田智恵氏があいさつし、主婦と生活社の古川一夫取締役の乾杯の発声で開宴した。
和気あいあいの雰囲気で懇親が深まり、ポプラ社の大西秀治九州出張所ブロック長の三本締めで閉会した。
(宮﨑容一広報委員)

賦課金問題を討議/神奈川組合理事会

神奈川県書店商業組合(筒井正博理事長)は1月22日、横浜市中区の華正樓で定例理事会を開催した。
前々回の理事会から継続審議となっている賦課金について、各支部の意向が固まり、神奈川県組合の方針が示された。これは28年度体制のもので、次年度以降は今後の理事会で確実な体制作りをし、28年の総会で決定することを確認した。
流通システムの問題点については、アマゾンに在庫がありながら取次からの入荷がない、インフラシステムの整備の必要性、書店ばかり負担が増加していることなど、改善すべき点が挙げられた。
また、公立高校の書籍納入に際し、地元の業者が雑誌納入をしながら書籍納入に結び付かないことについて、書店側と行政側等を交えた話し合いの場を設ける方向で進めることとした。
(山本雅之広報委員)

「女性の力で逆風乗り切ろう」/二村知子氏が呼びかけ/大阪レディースランチ

大阪府書店商業組合は2月3日、大阪市北区梅田の「リストランテル・ミディひらまつ」でレディースランチを開き、組合加入書店の女性経営者や従業員ら合計47名が参加した。
レディース委員会の松田和子委員長(松田書店)が司会を務め、冒頭、面屋龍延理事長(清風堂書店)は「街の本屋は女性でもっている。1年に一度お顔を見せていただくと私も元気になる」とあいさつ。業界の重要課題として消費税軽減税率問題に言及し、今年度中に議員立法化を目指したいと説明した。また、「大阪府は、全国学力調査で小6国語Aがワースト2位、国語Bが最下位。要因の一つに読書習慣のないことが指摘されている。平日授業以外でまったく本を読まない子どもは中3で44・8%と、全国平均35%を大きく上回っている。読書が好きと答えた子どもは37・9%(全国平均44・9%)となっている。読書と学力の相関関係は強い。読書ノート運動や本の帯コンクールを行っている中、この10年間で少しずつ全国平均に近づいている。下支えしているとの評価を受け、府教委の第3次読書推進計画の委員となっている。1ヵ月に1回、図書館や本屋に行く日を作ろうではないかと運動を提案した。本屋に行くという条例化に府では抵抗があったが決まった」と大阪組合の活動を語った。
続いて、経営活性化委員会の二村知子委員長(隆祥館書店)が「今日は節分。邪気を払い、幸せを呼び込む日。厳しい逆風が吹いているが、女性の力で乗り越えていこう」とあいさつし、乾杯した。総務委員会の灘憲治委員長(ナダヤ書店)の中締めで閉会した。
出席者からは「料理が美味しかった」「雰囲気が素晴らしかった」「また来年も開催を」との声が多く聞かれた。
(石尾義彦事務局長)

街の書店が元気になる企画推進/東京青年部新春懇親会

東京都書店商業組合青年部(平井久朗会長)は2月10日、東京・中央区の銀座クラシックホールで新春懇親会を開催、約90名が出席した。
冒頭であいさつした平井会長は、「出版業界は規模の大中小に関係なく非常に厳しい時代に入っており、業界のパイを奪い合うのではなく、パイを拡げていくことを皆で考えなければいけない」と指摘。今回の懇親会では、書店への要望や企画提案などについてアンケートを配布したと説明し、「皆さんの意見を青年部で拝見しながら、町の書店がどんどん元気になるような企画に変えていきたい」と述べた。
続いてあいさつした相談役の東京組合舩坂良雄理事長は、青年部の増売活動に期待を寄せるとともに、書店新風会の大垣会長による読者謝恩の提案や、日書連が推進する外商雑誌の買切による報奨金の取り組みについて言及。「今までと同じ販売方法をしていたら今後の荒波を乗り越えてはいけない。店頭が活性化すれば、出版社、取次、書店、皆が良くなる。再販を守った上で、新たな提案をどしどし出していく」と述べた。
この後、スイッチ・パブリッシングの斎藤巧氏が祝辞を述べ、誠文堂新光社の清水敏取締役営業局長の発声で乾杯した。

「大人の女性誌大集合!」/マガフェス第4弾、3月実施

日本雑誌協会は3月から4月末までマガフェス第4弾「大人の女性誌大集合!」と銘打ちシニア向け5誌共同キャンペーンを実施する。
対象誌は、「ずっと美しい人のマイ・スタイル」(集英社、定価1620円、3月1日発売)、「MyAge」(集英社、定価980円、3月1日発売)、「ときめき2016春号(別冊家庭画報)」(世界文化社、定価720円、3月1日発売)、クロワッサン特別編集「女性目線で徹底的に考えた防災BOOK」(マガジンハウス、定価880円、3月10日発売)、「セゾン・ド・エリコvol.4」(扶桑社、定価1080円、3月15日発売)の5誌。参加書店は800~1000店。対象5誌を中心に、関連する定期誌などと有機的な店頭展開を図っていく。

梓会出版文化賞/花伝社が受賞

出版梓会が主催する第31回梓会出版文化賞の贈呈式が1月14日、東京・新宿区の日本出版クラブ会館で開かれた。梓会出版文化賞は花伝社、同特別賞は群像社と青弓社、第12回出版梓会新聞社学芸文化賞は勉誠出版が受賞した。
賞贈呈後、今村正樹理事長(偕成社)があいさつ。「中小出版社の集まりである出版梓会が、小さいけれど頑張っている出版社を顕彰するという賞の趣旨に相応しい社に賞を贈呈でき、うれしく思う」と述べた。
本賞の花伝社は『国策通信社「同盟」の興亡』『引き裂かれた青春』『日本軍「慰安婦」問題の核心』『資料徹底検証尖閣領有』という、戦後70年に相応しいラインナップが評価された。平田勝社長は「自由な発想で同時代を捉えるという理念のもとで出版活動を継続してきた」と同社30年の歩みを振り返った。
特別賞の群像社は、昨年ノーベル文学賞を受賞したベラルーシの作家、スヴェトラーナ・アレクシェーヴィチの作品の価値を信じて8年前から刊行し続けた出版活動に敬意を表しての受賞。ノーベル賞受賞後、群像社の版権は期限切れで販売できなかったが、島田進矢社長は「ノーベル賞受賞で世界的に光を浴びたのはうれしい」と話した。
また、青弓社の矢野恵二社長、勉誠出版の岡田林太郎社長が喜びを語った。

副理事長に山本憲央氏/出版梓会

出版梓会は1月14日開催の定時総会および理事会で、山本憲央氏(中央経済社ホールディングス)が副理事長に新任するなど、以下の通り役員体制を決めた。
[役員体制]○印は新任
▽理事長=今村正樹(偕成社)▽副理事長=江草貞治(出版文化賞委員会委員長・財務・広報担当、有斐閣)、成瀬雅人(図書館委員会委員長・研修・巡回セミナー担当、原書房)、○山本憲央(出版マーケティング委員会委員長・総務・出版に関する権利担当、中央経済社ホールディングス)▽理事=石尾英俊(巡回セミナー委員会委員長・出版マーケティング委員会副委員長、白水社)、井村寿人(研修委員会委員長、勁草書房)、○内田真介(図書館委員会副委員長、ベレ出版)、大坪克行(財務委員会委員長・広報委員会副委員長、税務経理協会)、岡本光晴(総務委員会委員長、あかね書房)、黒田拓也(出版に関する権利委員会委員長、東京大学出版会)、下中直人(出版文化賞委員会副委員長、平凡社)、○富永靖弘(巡回セミナー委員会副委員長、新星出版社)、矢部敬一(広報委員会委員長、創元社)、山野浩一(研修委員会副委員長、筑摩書房)、○和田佐知子(総務委員会副委員長・財務委員会副委員長、春陽堂書店)▽監事=○長谷川晋一(東京創元社)、○宮部三郎(職業訓練教材研究会)

2015年の書店売上高4・2%減/日販調べ

日販営業推進室調べによる2015年の年間分類別売上調査が発表された。これによると、15年の雑誌・書籍・コミック合計の売上増加率は4・2%減となった。雑誌は6・5%減、書籍は2・0%減、コミックは4・9%減だった。調査期間は15年1月~12月、調査店は1692店。調査結果の概要は以下の通り。
【全体】
月別では、3月(11・0%減)の落ち込みが最大だった。前年の消費税増税前の駆け込み需要の反動に加え、前年のメディア化銘柄売上良好の影響を受けて文庫が2ケタ割れ(12・2%減)し、コミックも前年の売上良好銘柄に比肩する銘柄がなく2ケタ割れ(14・5%減)となったことが影響した。
【規模別】
14年に続き「100坪以下」が5・8%減と最も落ち込んだ。他の規模に比べて売上構成比の高いコミックの売上不調(6・3%減)が影響した。
【立地別】
「商店街」の落ち込みが最も大きく6・5%減。実用書が2ケタ割れ(10・4%減)しており、コミックも全立地の中で最も不調(9・1%減)という結果になった。
【ジャンル別】
雑誌は、前年の「妖怪ウォッチ」関連銘柄の発売影響を受け、8月のムックが16・0%減と最も落ち込んだ。定期誌も不調が続き、雑誌は1年を通してマイナスが続いた。
書籍は、小学校教科書の改訂に伴い、学参は4月以降プラスをキープした。加えて、芥川賞を受賞した又吉直樹の『火花』(文藝春秋)などが売上を牽引し、文芸書もプラスになった。しかし、他ジャンルのマイナスをカバーするには至らなかった。
コミックは、『黒子のバスケ』(集英社)や『NARUTO』(同)といった大型銘柄が完結した影響もあり、マイナスになった。
【客単価】
平均客単価は3・3%増と、8年連続のプラス。特に「501坪以上」の増加率は13・6%増と最大だった。

学参・辞典勉強会/大垣書店イオンモールKYOTO店・安永憲正氏が講演

学習参考書協会と辞典協会が共催する「2016年新学期学参・辞典勉強会」が、2月9日午後1時半から東京・新宿区の研究社英語センターで開催。京都市・大垣書店イオンモールKYOTO店の安永憲正氏が、「売上を伸ばすための学参売場の造り方」をテーマに講演した。
〔自動発注は在庫把握が不可欠〕
イオンモールKYOTO店はJR京都駅前のショッピングモール内にある。客層は、平日は帰宅途中の学生やサラリーマン、土・日曜と祝日は家族連れが中心となっている。学習参考書だけでなく専門書やコミックなどのまとめ買いが多く、目的外のお客様が多いのも特徴の一つだ。
2010年のオープン当初から学参の売上は好調だったが、まだ行けるのではないかという、満足のいく結果ではなかったと聞いている。私が担当になった12年も試行錯誤をしていたが、13年に1回目のターニングポイントが来た。京都市内のある書店が一時閉店となり、また同時期に近隣のライバル書店が店頭在庫を縮小した。これはチャンスだということで、特に一時閉店の書店には足繁く通い、当店で扱っていない商品はないか、同じアイテムでも、どれだけ量を持っているのかを詳しく調査した。その結果、当時取扱いのなかったもので「これは絶対お客様が探される」と考えた商品について、その出版社と取引を開始した。
14年4月には、京都駅近くに2校ある駿台予備校が校舎の生徒の入れ替えを行ったため、高校学参の売場に人がよく来るようになった。小・中学参も、先ほど言った近隣書店の状況から、塾の先生などが来店しまとめて購入するようになった。通常の購入以外の特殊売上と言っていいのかもしれないが、小・中・高校学参は、共に好調を維持することができている。
私が担当になって持ち歩いているのが、日教販の「学参・辞典販売ポケットマニュアル」だ。また、毎月送付される「学参年間販売スケジュール」を1年間ファイルにして、翌年のものが入ってきたとき、何か違うことがないかチェックしてから入れ替えている。月次の売場の展開イメージと作業工程が見えてくるので、年間スケジュールには必ず目を通してほしい。
1日の作業の中で必ず守っているのが、品出しは15時半から16時までに終了すること。平日に学校帰りの学生が来るのがこの時間帯で、その時に今日来た商品が店頭に出ていなければ販売ロスにつながる。そしてお客様の動向を見て、これが売れると思う商品はその都度手配する形で対応している。
発注方法については、まず1番目が自動発注、2番目が日教販Webでの発注、そして電話発注・ファックス発注、事前注文という形で行っている。スリップは発注には使わず、何が売れたかの確認をするため目を通している。自動発注は販売データを確認した上で行っており、やみくもに行っているわけではない。学参全体の7割から8割が自動発注となっている。
週次の作業では、週の前半に補充品のピークをもってきている。当店は平日も売上は高い方だが、やはり土・日曜の店なので、補充品の入荷タイミングは、土・日曜に売場の状態を100%にするために商品の手配を行う。
私が自動発注が一番効率的だと考えているのは、私が休みのときにも自動発注を行ってくれるので入荷も早くなり、お客様に商品を素早く提供できるからだ。ただ自動発注も完璧ではない。品切れなどの理由で入荷しないこともあるので、高をくくっていると、いつまでたっても商品は入ってこない。私は月2回販売データを確認していて、売れた商品がいつ自動発注されたかを見て入荷時間を逆算し、入ってこないなと思った段階でトーハンのTONETS―Vなどで調べ、これはおかしいと思うものは出版社に確認するという形でチェックしている。
自動発注は、自店の在庫状況や販売データを把握することが必要不可欠で、それができなければ自動発注は利用すべきではない。やみくもにしてしまうと、逆に在庫が増え、期末のときに大変になる。
ストックについては、基本は店頭在庫のみで、①準拠問題集・教科書ガイド・総復習ドリルなどの季節商品、②赤本などの入試関連本やZ会の商品、③近隣の学校や塾で紹介された参考書など、その時々に動きのある商品――に限定してストックを持つようにしている。個人的な意見だが、自分のストックする場所は取次の倉庫だと考えているので、中2、3日で商品が店に着くなら持たなくていい。あり過ぎるストックは見つけるのに時間がかかってロスになるし、「見ない、見られないストックは不良在庫だから返品しろ」と、スタッフにいつも言っている。
当店は小中学参はトーハン、高校学参は日教販から仕入れているが、返品率はトーハンの全国平均や日教販の目標値を大きく下回っている。会社の本部から「売り逃しをしているのではないか」と聞かれることもあるが、昨年対比も予算も割っていない状況なのでそれはないと考えている。
〔過去データの収集分析が重要〕
学参担当者として重要なのは知識を蓄えることだ。お客様からの問い合わせは日々いろいろある。それに対し、きちんと答えたり勧めたりできることが信頼につながる。例えば、学校採用品の取扱いについて聞かれ、「当店ではできません」と答えたら、そのお客様は次の店に向かってしまう。確かにできないことをそう答えるのはいいのだが、お客様の方にもう1つ歩み寄って、「学校採用品をお求めでしたら、学校と取引しているこのお店に行かれたら、同じものを取り寄せられますよ」と、希望の商品をどうしたら入手できるかをきちんと伝える。そうすれば、お客様が近隣の書店をあちこち回るという無駄がなくなるし、その時点では売上にならないかもしれないが、お客様の信頼を得て、後日また来店されるかもしれない。そういう知識をきちんと自分の中で蓄え、接客にあたるべきだと思う。
次に、いろいろな書店を見て商品の展開をまねしてほしい。来た商品をやみくもに並べていくのではなく、分からなければ近隣のライバル店を見て、まず全てをまねてみる。並べ方、まとめ方を自分で勉強して、そこから派生させればいい。私もあちこち見に行ってはまねをしている。これはうちの店に合うなとか、売れないから次はこの店のものをやってみようという形で、それを繰り返すことで知識を得ることができる。
また、出版社や取次の担当者とコミュニケーションを取るようにしてほしい。私の場合は、商品情報を得たいだけではなくて、東京の業界事情をいろいろ知りたいと思っている。自分のお店をこうしたいという考えを常に持って行動するべきで、全国の書店を見ている出版社の担当者の方は、その答えを持ってきていただける。「それならこういうお店でこのようにやっていましたよ」といったお話を聞いて、そこからやっていかないといけないし、自分の思いを必ず伝えなければいけないと思う。来てもらって番線印をついて、はい、終わりでは絶対にいけない。
最後になるが、自動発注をなぜしているかというと、いろいろなところで時間を短縮していきたいと思っているからだ。自由になる時間が少しでもあれば、お客様が売場でどんな話をしているのか、どんな商品を買っているかをチェックできる。品出しに追われているだけでは、お客様に声をかけること自体できないと思う。
自分の作業を効率よく簡素化できれば、そういう時間を捻出できる。それには周りにいるスタッフの助けが必要だ。レジは、その店の一番売れているものが集約される場所。レジのスタッフからは、「安永さん、今日まとめ買いがありましたよ」とか、「かごにいっぱい学参を持っているお客さんがいま店内を動いています」という連絡が来る。レジから情報を得ることで、自分自身が見えていない部分がきちんと見えてくれば、売上は絶対に取れるはずだ。1人ではなく、もっとみんなの手を借りて売場を作っていければいい形になると思う。
売れる商品は、皆さんのお店の過去の販売データに絶対ある。そこを調べて吸い上げないといけない。今ここで私が「この商品は売れます」と提示しても、売れるお店もあれば売れないお店もある。だが、過去のお店のデータでこの時期に売れた商品は、絶対今年も売れる。それを早急に見つけて早く展開すれば売上に絶対つながる。その都度、1ヵ月先、2ヵ月先のデータを収集して得ることが必要で、そのためにも時間を少しでも捻出するようにしたい。

1月期は1・9%減少/書籍がマイナスに転じる/日販調べ

日販営業推進室調べの1月期分類別売上調査は、雑誌・書籍・コミック合計で対前年売上増加率が1・9%減(先月2・1%減)となった。
雑誌は5・5%減(同5・0%減)。前年に妖怪ウォッチ関連銘柄が発売されたムックの反動に加え、月刊誌の売上増加率の落込みが拡大したため、マイナスが継続した。
書籍は0・3%減(同2・6%増)。新刊が好調だった文芸書等は売上増加率プラスをキープしたが、他ジャンルの不調を補えずマイナスに転じた。文庫は3・7%減で、前年はテレビドラマが放送された『流星ワゴン』(講談社)が好調だったことなどの影響を受け、マイナスが続いた。
コミックは0・3%減(同7・3%減)。4月からアニメ放送開始予定の『坂本ですが?4』(KADOKAWA)の他、主に女性ジャンル銘柄が好調で、マイナス幅が縮小した。

語学テキストを定価改定/NHK出版・春の企画説明会

NHK出版は2月2日、東京・文京区の東京ドームホテルで、首都圏の書店を招いて「2016年春の企画説明会」を開催。語学、家庭、趣味・教養各分野のテキストの内容や定価改定、販売施策などについて説明した。
語学テキストは、『基礎英語1・2・3』が新講師陣を起用してリニューアル。英語を使って何ができるようになるかを重視して学習到達目標を設定する「CAN―DOリスト」を全面導入し、リスニング・スピーキングを強化するなど、2020年の大学入試改革に向けて内容を充実させる。
家庭テキストでは、『趣味の園芸ビギナーズ』を休刊とし、後継の新番組「趣味の園芸グリーンスタイル」の内容を『趣味の園芸』本誌に同時掲載する。
テキストの定価改定については、3月発売の4月号から、現定価432円の語学テキスト23点を486円に、現価格1666円の『基礎英語1・2・3』CD付きテキストを1720円に値上げする。また、英語以外の月刊語学CDを、9月発売の10月号から買切扱いに移行する。対象銘柄は9講座で、2016年度前期(4~9月号)は委託扱い、後期(10~3月号)が買切扱いとなる。
原川善吏常務取締役営業局長は、2015年のテキスト部門実績について、発行部数が前年比6・2%減の2814万部、実売部数が同4・2%減の2044万部、実売率は1・6ポイント増の72・6%となったが、売上は約5%減になる見込みと報告。「NHK出版は今年4月で創立85周年を迎える。原点であるテキストをいかに売り伸ばすかを中心に、全力を傾けていきたい」と述べた。
販売施策については荒川済販売部長が説明。定期購読獲得コンクールは、表彰書店を31位~50位まで拡大。飾りつけコンクールも優秀賞の表彰を増やす。また、85周年企画の英語テキスト定期購読施策として、対象17誌の4月~9月号を購入した読者に抽選で豪華賞品をプレゼントする「英語テキスト購読マラソン」を実施する。
懇親会では、小泉公二社長が「85周年を迎え、NHKテキストの存在意義を再構築できればと、社員一同で検討し内容を変更している。また、様々な施策についてももう一度見直し、新たに出直す体制で進めてきている。NHKテキストは多くの人の夢を支えている。その部分だけは変えないで今後もやっていきたい」とあいさつ。来賓の紀伊國屋書店・高井昌史社長の発声で乾杯した。

大人も楽しめる仕掛け絵本のセール実施/トーハン・大日本絵画

トーハンはMVPブランドとして、大日本絵画との共同企画「大人のための本格仕掛け絵本アウトレットセール」を2月初旬から全国書店でフェア展開している。
このフェアは、子どもだけでなく大人が楽しめる凝った仕掛けの絵本を、大人の来店客に向けて訴求する企画として4点をラインアップして実施。『おそろしい捕食動物』『クジラ』『動物たちのゆかいなしぐさ』は、自然や動物の写真集で有名なナショナルジオグラフィックとの共同企画商品。『ぞうのエルマージグソーブック』は、人気キャラクターのジグソーパズルを各ページで楽しめる。希望小売価格は旧価格版の最大50%オフの新価格となっている。トーハンでは実施書店にコーナー展開用のポスターを提供、売場作りをバックアップしている。

「宮畑ミステリー大賞」作品集が好評/福島市から発売

福島市は、「宮畑ミステリー大賞」の入賞作を収録した作品集『縄文4000年の謎に挑む』(現代書林刊・本体980円)を1月に発売。福島市内の書店のランキングで1位が続出したのをはじめ、東京・八重洲ブックセンター本店の総合ベストセラー・フィクション部門(1月24~30日)で第2位にランクインするなど好評を博している。
「宮畑ミステリー大賞」は、福島市内にある縄文時代の史跡「宮畑遺跡」(愛称=じょーもぴあ宮畑)の活用を図るために設立された「じょーもぴあ活用推進協議会」が、遺跡をPRする企画の一環として創設したもの。
募集作品は、宮畑遺跡の2つの謎(①直径90㎝の巨大柱②焼かれた竪穴住居)の1つまたは両方をテーマとする小説・漫画であることが条件で、149点の応募があった。審査員は地元福島市出身の俳優・佐藤B作氏、漫画家・佐藤秀峰氏、書店「読書のすすめ」代表・清水克衛氏が務め、最優秀賞1点、優秀賞2点、特別賞7点を決定。同書には、最優秀賞を受賞した福島市在住・寺島明美さんの作品「ミヤハタ!タイムスリップ」をはじめ7作品をセレクトして収録している。

講談社・光文社・ハースト婦人画報社/女性誌合同増売企画「春コレ」を実施

講談社、光文社、ハースト婦人画報社の3社は、2月20日から4月27日まで約2ヵ月間、女性誌合同キャンペーン「春コレ2016」を書店未来研究会の会員書店2184店で展開する。
「春コレ2016」は、「編集部が選んだ〝とっておき〟プレゼント」をキャッチコピーとする女性誌の増売キャンペーン。講談社『ViVi』『with』、光文社『JJ』『CLASSY.』、ハースト婦人画報社『ハーパーズバザー』『25ans』の4月号と5月号(全12誌)を対象に、いずれか2冊以上購入した読者が応募でき、各誌編集部が厳選した商品を抽選でプレゼントする。
期間中はPC・スマートフォン対応の特設サイト(http://woman-magazine.jp/)でデジタル版試し読みを閲覧することができ、さらに対象誌を1冊以上購入した読者は、プレゼント応募台紙に記載された〝秘密のコード〟を入力することで試し読みできるページ数が増量する。また、キャンペーン実施全書店をGoogleマップで表示するなど、デジタルとリアルを連動して読者の利便性を高めている。出版社が紙とデジタルを駆使して合同で大規模な雑誌キャンペーンに取り組むのは業界初の試みだという。2ヵ月間におよぶ店頭でのキャンペーン展開を通じ、書店への集客と女性誌の横断的な認知拡大を図っていく。

生活実用書/注目的新刊

体に良いと知りながらも、充分に摂れていないのが野菜である。では、どんな野菜をどう食べればいいのだろう。
森由香子著/平野敦之監修『病気にならない人の野菜の食べ方』(青春新書P10561000円)は、ほかの食材との食べ合わせなど野菜の上手な食べ方を解説する。①抗酸化力を高める②免疫活性力を高める③腸内環境を整える、と3つに分類された馴染み深い野菜が47種類。本来は夏野菜であるトマトはβカロテン、ビタミンCが豊富。赤い色素のリコピンは活性酸素を除去する強い抗酸化作用を持っている。さらにセレン、亜鉛、銅、マンガンと、高血圧の予防や改善に効果のあるカリウムも多い。抗酸化力を高める食べ合わせは①にんじん②ブロッコリー③オリーブ油④卵である。ビタミンB1、B2、B6、ナイアシン、食物繊維、クエン酸、リンゴ酸もトマトの成分。居酒屋でスライストマトを頼むのは、理にかなっている。シンプルレシピとして、トマトゼリーの作り方が出ている。
ブロッコリー、かぼちゃ、しょうがなどは免疫力、腸内を整えるのはごぼう、れんこん、たけのこ、もやしなど。ドレッシングはオリーブオイルに塩、胡椒、酢で充分という人がいるくらいだから、野菜と相性の良いパートナーはオリーブオイルである。
松生恒夫著『オリーブオイルで老いない体をつくる』(平凡社新書800 760円)は、医師が語るオリーブオイルの効用である。アルツハイマー病、リウマチ、骨粗しょう症、動脈硬化やメタボ、胃がん、大腸がんや便秘、乳がんの予防、美容効果などがあげられている。老化はこれまで生理学的な現象と考えられてきたが、最近では、病理的な現象が必ずともなっていると認識されている。誰にも起こる老化は、しかし食事因子を注意することでスローダウンできる。
老化には活性酸素が大きく関与しているので、抗酸化作用や消化管運動に促進効果のあるオリーブオイルは、全身の老化予防に有用である。オリーブポリフェノールは現在30種類異常発見されているし抗腫瘍効果も解明された。巻末にたとえばリンゴとニンジンのサラダ、オリーブネギ味噌など、健康長寿レシピが10種紹介されている。
(遊友出版斎藤一郎)

大賞に光文社とマガジンハウス/読売出版広告賞

読売新聞東京本社は1月27日、東京・千代田区のパレスホテルで第20回読売出版広告賞の贈賞式を開催。15年1月~12月に読売新聞に掲載された出版広告の中から、光文社とマガジンハウスの共同広告「雑誌とは、時代の景色だと思う」(15年10月5日朝刊、30段)に大賞が贈られた。
光文社とマガジンハウスの「雑誌とは、時代の景色だと思う」は、昨年10月に共に70周年を迎えた両社の共同広告で、見開き2ページの大画面を活かし、両社の雑誌を紹介している。また、金賞は文藝春秋「火花」(15年7月25日朝刊、全15段)、銀賞はハースト婦人画報社「婦人画報創刊110周年」(15年6月2日朝刊、5段+5段・見開き)、銅賞は光文社/中央公論新社「昆虫はすごい/植物はすごい」(15年7月26日朝刊、全5段)、特別賞は講談社「大人の流儀」(15年11月22日~30日朝刊、3段8割)が受賞した。
受賞者を代表してマガジンハウスの石﨑孟社長は「最近は出版不況ではなく雑誌不況ではないかと言われているが、今日を境に何としても雑誌復興をしなくてはならないという思いを強く抱いた。こうしたきっかけを与えていたただきお礼を申し上げる」と喜びを語った。

期待のラノベ11シリーズをフェア展開/日販・KADOKAWA

日販は、KADOKAWAと全国の取引書店約2千店の協力で、ライトノベル文庫の売り伸ばし企画「KADOKAWAラノベNEXT2016」を2月から実施している。
ライトノベル(ラノベ)は、店頭ではメディア化タイトル中心の展開となっているため、それ以外の作品にスポットが当たりにくい傾向がある。このフェアでは、KADOKAWAのラノベ5大レーベル(角川スニーカー文庫・電撃文庫・富士見ファンタジア文庫・MF文庫J・ファミ通文庫)から、いま特に伸びが大きく、まだメディア化していない11シリーズ31作品を選定。「2016年、次にくるタイトル=ラノベNEXT2016」として、約3ヵ月間にわたり書店店頭で読者にアピールする。この中から書店発のヒット作を生み出していくとともに、ラノベ売場の活性化を図る。〔フェア対象作品〕
▽角川スニーカー文庫=『ラストエンブリオ①~②』▽電撃文庫=『絶対ナル孤独者①~②』『Fate/strangeFake①~②』▽富士見ファンタジア文庫=『ゲーマーズ!①~③』『金色の文字使い①~⑥』『できそこないの魔獣錬磨師①~③』▽MF文庫J=『ようこそ実力至上主義の教室へ①~②』『世界の終わりの世界録①~⑤』▽ファミ通文庫=『偉大なる大元帥の転身』『奪う者奪われる者①~③』『賢者の孫①~②』

YA世代向け図書目録16年版を発行/2200点を収録

出版社15社で構成するヤングアダルト図書総目録刊行会(岡垣重男会長=河出書房新社常務取締役)は、『YA図書総目録2016年版』を発行した。頒布価格本体286円。
同目録は、13歳から19歳までのYA(ヤングアダルト)世代に薦める書籍を133社2200点収録。「自然科学」「社会科学」「芸術・スポーツ」「文学」等の11分類55項目に分類して掲載しており、それぞれ「中学生向け」「高校生向け」といった読者対象マークを付している。
巻頭では、出版社38社が「朝の読書」お薦めの書籍45冊をオールカラーで紹介。『ペンギンが教えてくれた物理のはなし』(河出書房新社)の執筆者で海洋生物学者の渡辺佑基氏ら5名の寄稿を掲載するほか、沼津市立静浦小中一貫学校での「朝の読書」への取り組みなども紹介する。
目録は、「朝の読書」を実践する全国約1万1千校の中学・高校をはじめ、公共図書館2千館に送付。また、各種ブックフェアや関連催事で配布される予定。

名探偵グッズがもらえるミステリー企画/トーハンe‐hon

トーハンが運営するオンライン書店「e‐hon」は2月15日から3月31日まで、「WORLDMYSTERYTOUR世界の名探偵グッズプレゼントe‐honミステリーキャンペーン」を開催する。
このキャンペーンは、昨年3月と10月に実施したミステリーキャンペーン「求ム名探偵!消えた書籍の謎を追え!」「求ム名探偵!消えた推理作家の謎を追え!」が好評を博したことを受けて企画したもの。期間中に「e‐hon」及び総合電子書籍サイト「Digitale‐hon」で1500円以上購入してエントリーした読者の中から抽選で総勢5百名に、名探偵ゆかりの品や、前回のキャンペーンに登場したキャラクターである本好警部のオリジナルグッズなどをプレゼントする。
さらに、期間中にフェアページで紹介する商品の購入者にはWチャンスとして、ミステリー作家や作品を深く知ることのできる事典や解説本をプレゼントする。フェアページでは1千点を超える世界中のミステリー作品を読み応えたっぷりの文章で紹介、ビギナーからマニアまで楽しめる内容となっている。

厚切りジェイソンさんが著書をPR/トーハン

トーハンは1月20日、東京・新宿区の本社で、ぴあ刊行の『日本のみなさんにお伝えしたい48のwhy』の著者、厚切りジェイソンさんを迎えて営業担当者を対象とした説明会を開催。65名が出席した。
同書は、IT企業の役員として働きながらお笑い芸人として活躍するジェイソンさんの初の著書。25万人以上のフォロワーをもつジェイソンさんのツイッターに寄せられた悩み相談への回答を抜粋し、さらにその解説をまとめたもので、昨年11月の発売から、同日現在で4刷5万5千部に達している。
説明会でジェイソンさんは「2年前は普通のサラリーマンだったから、本を出す機会に恵まれて本当にうれしい。日本では、周りと無理に合わせる必要があるような圧力がいっぱいあって、ストレスを感じている若者が大勢いるのではないか。そういうストレスを緩和できるような本にしたいと思った。悩める若者にも、教育を担当する人や、会社の方針を決定するような人にも読んでほしい」と話した。
ぴあメディア販売グループの西尾直樹グループ長は、「幅広い年齢層に支持されており、本の売れない世代である20代の購入が一番多かった。自己啓発本とタレント本売場に置かれることが多く、自己啓発コーナーに置いている書店で特に売れている」と店頭の状況を説明し、販促へ協力を求めた。

大阪屋、新栗田出版販売を発足/統合会社は「大阪屋栗田」に

大阪屋は2月1日、民事再生を進めている栗田出版販売から取次事業を分割承継した子会社「栗田出版販売」(新栗田)を発足した。4月1日に大阪屋と新栗田が経営統合して発足する新会社の社名については、「株式会社大阪屋栗田OaK(オーク)出版流通」と発表した。
大阪屋は、取引出版社などに「栗田出版販売株式会社(新栗田)発足のご挨拶」「会社統合に関するご案内」を送付。これによると、新栗田の代表取締役社長には大阪屋の大竹深夫社長が就任、旧栗田の森孝弘氏と高梨秀一郎氏が取締役に就任した。その他の社内組織は従前の体制を継続し、4月1日の経営統合までの2ヵ月間を運営する。
経営統合後の新会社が目指す会社像、組織、営業体制については、大阪屋・新栗田両社の統合委員会で作成を進めており、新会社名は「株式会社大阪屋栗田OaK出版流通」を予定していると発表。正式社名が「株式会社大阪屋栗田」で、「OaK出版流通」はサブネームだとし、5百年かけて巨木となりそれから5百年生き続けるという樫の木(OaK)をイメージして、しっかり大地に根を張った、信頼される出版取次を実現していくという想いと決意を表したとしている。
統合後の出版社との取引条件は、大阪屋条件(正味・支払サイト・控除等)を継続して運用。書店の取引移管については、大阪屋栗田では大阪屋体系の書店コードを設定して書店に送品するため、新書店コードへの移管を4~9月の間に順次実施する。移管前の書店は、栗田書店コードで継続して送品する。
物流再編については、OKCの新刊業務を出版共同流通と協業。書籍は2月1日搬入分から移管しており、雑誌も今夏頃に移管を予定する。注文品流通は、大阪屋注文倉庫が2月15日に出荷を終了、新センターである川西流通センターへ移転統合する。同センターは2月22日に本格稼働、在庫保有量50万点2百万冊へ順次拡大する。
〈新栗田役員体制〉
(2月1日付)○新任
代表取締役社長〔大阪屋社長〕○大竹深夫
取締役〔旧栗田取締役〕
森孝弘
同〔同〕高梨秀一郎
監査役〔公認会計士〕
○武田泰典
執行役員〔旧栗田執行役員〕森岡忠弘
同〔同〕塩沢衛
同〔同〕黒田敬三
同〔同〕小出直之
※栗田出版販売・山本高秀代表取締役は旧栗田出版販売清算会社(㈱KRT)へ、同・下村賢一専務、同・河本正美監査役は退任した。

書店員が選んだコミックフェア/日販

日販は2月4日に「全国書店員が選んだおすすめコミック2016」のランキング上位15作品を発表、4月30日まで取引書店1900店でフェアを開催している。
このフェアは、日販が全国の書店人から「発刊が5巻以下のおすすめコミック」をアンケート調査し、投票結果に基づいて店頭展開を行う恒例の企画。第11回目となる今回は、2228名の書店員が投票に参加し、『ダンジョン飯』(KADOKAWA)が第1位に選ばれた。2位は『はたらく細胞』(講談社)、3位は『ブラッククローバー』(集英社)というランキングになっている。
書店店頭では、動画サービス「niconico」と雑誌「ダ・ヴィンチ」により昨年創設された「次にくるマンガ大賞」との合同フェアを開催。「次にくるマンガ大賞」は、既に売れている漫画ではなく〝次に流行るであろうマンガ〟を読者の投票で決定する企画で、プロの書店員が選んだランクイン作品と合同展開することで読者にアピールする。
日販は、それぞれのランキングを掲載したポスターやオリジナルパネル、POPを書店に提供するなど、店頭展開をサポートする。また、フェア専用帯に付いているQRコードからアクセスする応募サイトでアンケートに答えると、ランクイン作品の作家サインが当たるキャンペーンも実施する。

「絵本ワールド」を沖縄で開催/日販

日販は、児童図書展示会「親子でたのしむ絵本ワールドinおきなわ」を1月30日、31日の2日間、浦添市てだこホールで開催した。
展示会のサブテーマは「命どぅ宝(ぬちどぅたから)」で、命が何よりも大切であるという平和への願いを沖縄方言で表した。会場では、「平和への祈り」や年齢別ブックガイド「いくつのえほん」コーナーなどテーマ別に絵本を展示。日替わりで、絵本作家・長谷川義史氏の講演会や村上八千世氏の「うんこダスマン体操」実演、「名作絵本」折り紙教室、エコバッグ教室などのワークショップ、キャラクターチェキ撮影会などのイベントを行い、多くの子どもたちで賑わった。来場者は2日間で3448人。
30日のオープニングセレモニーでは、日販・古屋文明会長、日本児童図書出版協会・竹下晴信会長があいさつ。児童福祉施設への図書贈呈の後、竹下会長、古堅盛光沖縄日販会会長、読者代表として小禄南児童クラブの児童2名、古屋会長がテープカットを行い開幕した。