全国書店新聞
             

平成13年3月21日号

−無題−

再販制支持が98・8%2万8千件の意見を集計公正取引委員会は三月十四日、「著作物再販制度の見直しに関する意見照会・意見聴取等の状況について」を公表。
今年一月二十五日までに国民各層から二万八千三百八十六件の意見が提出され、このうち九八・八%に当たる二万八千四十八件が再販制度を支持する意見だったことを明らかにした。
公取委はこれらの結果も踏まえ、今月二十二日にも著作物再販制度存廃の結論を発表する見込み。
公取委は昨年十二月七日に「著作物再販制度の見直しに関する検討状況及び意見照会について」を公表し、再販制の存廃について国民各層から意見提出を求めていた。
これに応じて寄せられた意見は再販制度維持の意見が二万八千四十八件(九八・八%)にのぼったのに対し、廃止の意見は三百三十八件(一・二%)。
再販制維持の意見を対象別に整理すると、「書籍・雑誌」では維持一万三千三百八十八件(九九・六%)、廃止六十件(〇・四%)と、意見総数、賛成率とも最も多かった。
「新聞」では維持一万千七百八十七件(九九・五%)、廃止五十七件(〇・五%)、「音楽用CD等」は維持四百八十八件(九四・六%)、廃止二十八件(五・四%)。
「著作物再販制度一般」について寄せられた意見では維持二千三百八十五件(九二・五%)、廃止百九十三件(七・五%)。
提出された意見の内容は、書籍・雑誌については「文化商品である本について経済効率の面から流通制度を考えることは不適当」「再販制度が廃止されると価格競争が激化し地域の最寄り書店が淘汰されたり、書店間の価格差が発生して、地方の消費者、高齢者、児童などに不利益を与える」などの指摘があった。
一方、廃止を求める意見としては「市場原理に任せれば、より多様な書籍・雑誌が発行され、市場の活性化につながる」「消費者ニーズに対応した魅力ある書店が増加する」などの指摘が寄せられた。

ゾーニング委の設立へ

出版倫理協議会は三月十二日の会合で、出版の自由を守り青少年の健全な育成をはかるため、出版物の区分陳列をいっそう促進することを目的とした「出版ゾーニング委員会」設立を話し合った。
これまで出倫協では、東京都青少年健全育成条例など規制強化の動きに対応するための委員会設立を検討してきたが、自主規制の最大の目的は「区分陳列・販売」=「棲み分け」であることから、主旨を明確にするために名称を当初の「R18」判定委員会から出版ゾーニング委員会に変更することにしたもの。
この日の会合で提出された「出版ゾーニング委員会運営要領案」によると、同委員会は出倫協構成三団体から三名(雑協、書協、日書連各一)、学識経験者三名、出版問題懇話会一名、出倫協副議長で構成。
内容を規制するのではなく、棲み分けを明確にすることを主な任務とする。
出倫協および出版問題懇話会加盟出版社が発行する雑誌で著しく性的、暴力的、残虐な表現が青少年に不適当であるとされ、爾後も同様の内容が続くと判断される雑誌類には識別マークを表示するよう出版社に勧告する。
同案に対して、出席各団体から「取協も委員会に入るべき」「雑誌だけでなく書籍も対象に」「ゾーニング=棲み分けの行き着く先が専門店化になることを危惧する」などの意見が出された。
これらを踏まえて次回出倫協で引き続き検討することになった。

生活文化局に要望書

有害図書の区分陳列を義務化し、違反者には厳しい処罰を科す東京都青少年条例の改正問題で、東京都書店商業組合は三月十三日午後五時、都庁生活文化局女性青少年部を訪ね、有害図書の区分陳列が困難な中小書店に対する配慮を求める「要望書」(別掲)を手渡した。
東京組合からは丸岡義博副理事長、大橋信雄出版販売倫理委員長、鈴木益雄委員、小野伝事務局長が出向き、東京都は関口繁光参事と吉村一穂健全育成担当係長が一行を応対。
丸岡副理事長は東京組合が行った区分陳列の実態アンケート結果を説明、「区分陳列の義務化は中小書店に余分な出費を求めるもの。
青少年条例改正の審議に当たっては中小書店へ十分配慮してほしい」と述べ、二日の理事会で採択した要望書を関口参事に手渡した。
これに対して関口参事は、今後の条例改正の進め方として「改正案を議決後に定める規則に皆さんの意見を反映していく。
簡便で費用がかからない方法を考える。
東京組合の意見も聞きながら慎重に検討していきたい」とする考えを説明した。
同要望書は都議会各派の政調会長と文教委員全員にも送付している。

−無題−

東京都青少年健全育成条例改正案に関する要望書青少年の健全な成長を願いそのための努力をはらうことは社会人の義務であり、私たち書店関係者もこれまで区分陳列の自主的措置の推進を初め、主種の面で国や都の施策に最大限協力してきました。
今回の東京都青少年健全育成条例(以下「都条例」)の改正につきましても、書店がいっそう区分陳列を進めることには異議はありません。
しかしながら、これまでの自主規制と異なり、厳しい警告・処罰を前提とする都条例の区分陳列の義務化については、大きな疑問と不安を感じざるをえません。
その理由は以下の通りであります。
一、一部の大書店を除いて、売り場面積の狭い大半の書店は、区分して陳列するだけのスペースが乏しく、実際どれだけの図書類が区分陳列を義務づけられるか検討がつかない以上、書店としての経営方針が成り立たないこと。
二、最近の購買力の低下と出版不況は書店を直撃しており、日本全国で多くの書店が廃業に追い込まれている。
そのような状況のもとで、たとえ高額とは言えないまでも、区分陳列のためのコーナーや書棚の新設・改造の費用を支出する余裕がないこと。
三、今回の改正の大きな特徴として、区分陳列を行わなかった者に対する警告処分があるが、物理的に区分陳列が困難な書店に対してまでも、このような警告(そして処罰)を行うことは、事実上廃業を強制するに等しいこと。
私どもも青少年の健全育成には協力を惜しみませんが、そのためのコストをなぜ書店だけが負担しなければならないのでしょうか。
条例改正の目的として、都は「社会環境の変化が、青少年の健全育成にマイナスの影響を与えている」としていますが、一般的に社会環境の整備や改善は公的な性格のものであり、そのためのコストを私人・私企業に負担させるのは公正で民主的な措置とは考えられません。
そのほか、条例改正案は不健全図書指定図書類の指定事由を拡大して、「著しく自殺又は犯罪を誘発するおそれのあるもの」を追加していますが、いったいどのような書籍や雑誌がその範疇に入るのか、極めて漠然・曖昧としており、出版関係者として大きな懸念を感じざるをえません。
以上の観点から東京都書店商業組合は都条例の改正に着いて、貴議会の公平で慎重な審議を望むものであります。

届かなかった予約品

三月三日、予約注文されていた中年のご婦人が発売日に本を取りに来られた。
その方がメモを片手に予約に来られたのは二月初めである。
注文品はシンコー・ミュージック発行の人気バンド、ポルノグラフィティの『ワイラノクロニクル』。
実績の基づく新刊配本とやらのため、当店が大手出版社の予約注文を断るようになって久しい。
この注文が雑誌扱いであることを祈りつつ、版元にFAXした。
荷姿が整わないという理由で、新刊書籍が一週間ほど遅れ、注文品に混在さえれてくることがしばしばだから。
不安は的中。
この日の注文品の荷から出てきたのは、二月二十日、二十二日、二十四日付の伝票のものばかり。
わが取次は一日でも早く客注品を届けようと、年末は三十日まで発送してくれた取次である。
右往左往する私に、ご婦人は声を荒げることもなく、「他の店でかわせてもらっていいですか」という言葉を残して、足早に出ていかれた。
気がつけば三月三日は雛祭り。
娘さんにプレゼントでもされるのだったろうか。
週明けに取次に確認したところ、三月三日付け伝票に記載されている予約品は、東京の棚で一休みされていた。

その後の雑誌荷傷み

二月二十一日号に「客注雑誌のヤレ」を載せていただき、ありがとうございました。
お陰で、取次からの雑誌の多くに段ボールをあてて梱包してくれるようになりました。
昨年くらいから荷の痛みが目立ち始め、取次さんに何度も申しましたが、ずっと改まらず、何が何冊だめだったかメモして担当者に見せたりしてきました。
最近、ようやく段ボールをあててもらえるようになったのです。
ただ、ちょっと言っておきたいのは、当店で折れて入荷した雑誌の状態です。
頁の角(ノド側の時もある)が十頁くらいまとめて谷折り、山折りと二回折れていることが多かったのです。
これは人が不注意に置いて折れたのではないと思います。
ビニール梱包とか、外のテープを機械でかける時、ひっかかってまくれ上がったような気がします。
私の疑問は、ずっと以前はこんなふうでなかったのに、なぜ昨年から増えたのか。
折れ方が不自然で、なぜ折れたかという苦情は梱包する人たちまで伝わっていたのか、ということです。
三月七日号の山田さんのご提案を読んで、取次さんの努力と対応について報告させていただきました。

謝恩価格本の販売に手応え

小学館書籍営業部販売4課長市川洋一昨年末から一月末まで実施された「21世紀読者謝恩セール・謝恩価格本フェア」は、今までのやり方を変えて、出版社が大幅に増えた「25社150点274冊」一括セット送品でした。
日書連と書協流通委員会の呼びかけで、出版社、取次、一都四県の書店百十八店が結集し、年末年始の繁忙期ながら、むしろワゴンセール向きのセット内容になったことが販売には適したと思います。
小学館は人気がある児童書、実用書、辞典から二十八点五十四冊を出品し、七〇%ぐらい売れています。
ほぼ完売していただいた新宿区・芳進堂ラムラ店、小田原市・伊勢治書店ダイナシティ店からは、「ワゴン販売が成功」「スカスカになったので途中で終了した」とコメントをいただきました。
一点ずつ値付けする繁雑さにもかかわらず、読者サービスにご協力いただき、本当に有り難く思います。
心より感謝申し上げます。
「2001年春の謝恩価格本フェア」にも、当社は売れ筋商品を出品します。
全国規模の開催なので、読書週間の目玉になればと思います。

東京組合不健全図書等に関するアンケート結果

1、指定図書類(不健全図書)等を販売していますか。
はい186店(40・1%)いいえ248店(59・9%)××以下、販売していると回答した書店を対象店舗面積千坪超1店(0・6%)7百〜千坪1店(0・6%)4〜7百坪1店(0・6%)2〜4百坪0店(0・0%)百〜2百坪1店(0・6%)60〜百坪4店(2・4%)30〜60坪16店(9・7%)15〜30坪54店(32・5%)7〜15坪77店(46・4%)7坪以下9店(5・4%)無回答2店(1・2%)2、区分陳列していますかイ、している133店(80・1%)ロ、していない33店(19・9%)3、区分陳列していると回答した書店で、「他の図書と明確に区分するための具体的な方法は?」(複数回答)イ、パーティション等で仕切った「成人コーナー」を設けている20店ロ、「成人コーナー」の表示をしている101店ハ、その他25店無回答1店その他の内訳

一カ所にまとめてある

ビニール等の袋に詰める*紐でしばる*隅の方に置いてある*目の届く所に置いてある*子どもには口頭で注意*18歳未満販売不可の表示4、区分陳列していないと回答した書店で、他の図書と明確に区分しない理由は?(複数回答)イ、店舗が小さく区分できない21店ロ、陳列場所が容易に監視できる18店ハ、その他10店その他の内訳

ビニール袋に入れている成人客のみ来店する立地

区分する程の量を置いていない*CD−ROM等内容確認できない*棚の構成上の問題*販売中止する5、指定図書類の売上げ割合は?50%超2店(1・2%)40〜50%1店(0・6%)30〜40%3店(1・8%)20〜30%8店(4・8%)10〜20%19店(11・5%)5〜10%22店(13・3%)1〜5%50店(30・1%)1%以下41店(24・7%)不明6店(3・6%)その他4店(2・4%)無回答10店(6・0%)6、指定図書類をお府扱いとした場合の影響は?イ、営業が成り立たない42店(25・3%)ロ、営業に影響ない66店(39・8%)ハ、その他47店(28・3%)無回答11店(6・6%)7、改正都条例施行後の対応策は?

条例に従って行動するつもり。

基本的には従わざるを得ないと思う。
*指定図書が出版される限り若者は見せないという考えに疑問を感じます。
施行された場合には出来るだけ違反はしないつもりです。
*出来る限り不扱いとする。
*対応が困難になるようなら不扱いとする。
*現在の不健全図書類は確かに性描写が過激すぎる。
教育上青少年に良くないので不売も仕方ないでしょう。
*注文品のみにする。
*全面的不売は影響あり。
*成人コーナーをはっきり明示した販売なら問題はないと考える。
*今までどおり、区分陳列していく。
*区分陳列をしっかりして、容易に監視出来る場所に移す。
*レジの近くに成人コーナーを置いて、未成年者には注意する。
*成人コーナーに子どもを入らせない。
*コミック同様成人向けマークをつけてほしい。
あいまいな本は分けるのにむずかしい。
ビニール袋に入れれば未成年が立ち読みすることはできない。
買う時点でチェック可能。
*検品の時に全て返品する。
*本を内容によって区別することは難しいし、しない方がベターである。
*夜十一時半までの営業なので夜のお客様が買っていかれるため、なくすわけにはいかない。
気をつけて販売していきたい。
*悪いことをしているわけではないので、対応を変えるつもりはない。
*違反者にちする措置が明確でないため、しばらくは事態を静観する。

関西地区10書店に482名の親子

日販は二月二十四日、二十五日に関西地区四府県の取引書店十店で読み聞かせ会「おはなしマラソン」を開催し、合計四百八十二名(子ども三百八名、大人百七十四名)が参加した。
各書店の開催状況は以下の通り。
○ブックランドすばる四条畷店(大阪府四条畷市)次のおはなしへの導入に人形を使ったり、簡単な体操をして気分を入れ替える工夫がなされ、子どもたちは四十分の会を最後まで楽しんだ。
○BookParkアトラス館(大阪府門真市)子どもたちの年齢が前月よりやや低かったが、みんな楽しそうに聞いていた。
知人からのクチコミで集まった参加者が多かったのが特徴的だった。
○本のがんこ堂守山店(滋賀県守山市)二回合わせて八十四名が詰め掛け賑わった。
アンケートから、リピーターが数多くいたこと、継続開催や回数増(月二回開催)を望む声が多いことがわかった。
○ブックスランボー(京都府京都市)書棚の間を利用し、カーテンをかけ、床には座布団を敷き詰めて会場にした。
カーテン、座布団、お土産用の袋などは、子供の喜びそうな色と素材を書店が選んで手作りで用意した。
○詳文館(兵庫県加古川市)保護者から「読み方の勉強になった」「根気よく続けたい」などの感想が、感謝の言葉とともに寄せられた。
このほか紀伊國屋書店堺店(大阪府堺市)、旭屋書店近鉄上本町店(大阪府大阪市)、宮脇書店泉南店(大阪府泉南市)、耕文堂書店Nビル店(大阪府池田市)、メディカアスパ店(兵庫県高砂市)も多くの親子連れが詰め掛け盛況だった。

人事

◇千葉県書店商業組合三月三十一日付で名越武道事務局長が退任する。
後任は未定。
◇くもん出版(3月1日付)代表取締役社長(営業部および企画部管掌)土居正二常務取締役(編集部および業務部管掌)土開章一取締役業務部長企画部長(業務部および企画部担当)小寺敏博同編集部長(編集部担当)赤石忍営業部長志村直人◇新日本出版社(3月1日付)営業部長八木茂樹同次長平間木石郎

出会いの本50冊を選定

子どもと本の出会いの会(井上ひさし会長)は四月二日の「こどもの本の日」にあわせて「2001出会いの本50冊」を選定し、このほどリーフレットを作成した。
選定図書は以下の通り。

幼児

『ピッツァぼうや』セーラー出版、『ピンクのいる山』徳間書店、『そらまめくんのベッド』『もりのひなまつり』福音館書店、『わたしのだいじなかぞく』文化出版局、『わゴムはどのくらいのびるかしら?』ほるぷ出版、『おおきなのはら』光村教育図書、

小学校低学年

『雪のかえりみち』『ざぼんじいさんのかきのき』岩崎書店、『かもとりごんべえ』岩波書店、『ぼくがあかちゃんだったとき』教育画劇、『ハーモニカのめいじんレンティル』国土社、『あかてぬぐいのおくさんと7にんのなかま』福音館書店、『ペチューニアごようじん』冨山房、『きんいろのとき』ほるぷ出版、『サリーとライオン』光村教育図書、『こぐまくんのハーモニカ』リブリオ出版

小学校中学年

『リディアのガーデニング』アスラン書房、『フルズル先生のマジックスクールバスミツバチのなぞ』岩波書店、『きつねのぼんおどり』解放出版社、『おそうじむすめリリーのクリスマス』佼成出版社、『ネコの本』講談社、『さよならエルマおばあさん』小学館、『アナグマ・ファミリーの1年』大日本図書、『くまって、いいにおい』徳間書店、『世界のむかしばなし』のら書店、『雪の写真家ベントレー』BL出版、『ねぶそくの牧師さん』評論社、『星のタクシー』ポプラ社、『カッパのぬけがら』理論社

小学校高学年

『最後の夏休み−はじまりの一滴をめざして−』あかね書房、『ヘレン・ケラーを支えた電話の父・ベル博士』あすなろ書房、『わたしの名字はどこからきたの?』アリス館、『シュトルーデルを焼きながら』偕成社、『バッテリー』教育画劇、『スウィートメモリーズ』金の星社、『ゆうすげ村の小さな旅館』講談社、『子どもに語るアイルランドの昔話』こぐま社、『地震をしらべる』小峰書店、『オールド・ブルー−世界に1羽の母鳥』さ・え・ら書房、『12歳たちの伝説』新日本出版社、『ムジナ探偵局なぞの挑戦状』童心社、『うちのおばあちゃん』徳間書店、『カラスの大研究』PHP研究所、『口笛ジャックをおいかけて』文研出版

中学生

『金鉱町のルーシー』あすなろ書房、『大望遠鏡「すばる」誕生物語』金の星社、『ひかりの季節(とき)に』くもん出版、『おれたちのドリーム・ファクトリィ』国土社、『シェイクスピアとグローブ座』すえもりブックス

「経営相談室」を新設

日販は三月十二日、第54期の組織機構改訂と四月一日付で取締役の業務分担変更、職制人事を発表した。
三カ年にわたる中期経営計画「Neostage21」の二年目にあたる第54期は、第53期に引き続き「効率販売の実現」「企業体質の革新・強化」「次の柱となり得る事業の確立」の三つの基本戦略に沿った取り組みを強力に推進。
組織機構についてもこの方針に則って改訂を行った。
情報武装型の新しい営業体制を確立することが重要課題となっている営業部門では、経営相談センターと営業研修センターを合わせて経営相談室を新設。
また、商品開発部と商品開発営業部を再度統合させ、開発品の目標達成に一丸となって取り組む体制とした。
人事制度においては、目標管理と評価を連動させるため、MBO推進委員会事務局を人事総務部へ統合した。
さらに、「本やタウンセンター」「ネットサービスセンター」を新設するなど、ネット事業部の組織体制を整備。
ネット専用倉庫「日販web−Bookセンター」の機能充実・サービス強化を目指して、課組織「web−Bookセンター」を新設した。

取締役業務分担変更

委嘱営業推進室・経営相談室・仕入部門・取引部・営業全般・取協担当専務取締役阿部洋一郎委嘱秘書室・経営戦略室・管理部門・システム部担当、解MBO推進委員会事務局担当常務取締役柴田克己委嘱東日本地区担当、解東部支社長常務取締役大野隆樹委嘱商品開発部長、解商品開発営業部長取締役鎌谷照夫委嘱システム部長・ネット事業部長取締役井上顯一

機構改革

〔部組織〕一、経営相談室を新設する。
一、MBO推進委員会事務局を廃止する。
一、商品開発営業部を廃止する。
併せて各課、各係を廃止する。
〔課組織〕一、人事総務部にMBO推進課を新設する。
一、商品開発部にライツ事業課、物販事業課を新設し、営業総括課、販売促進課を置く。
一、商品開発部本所メディアセンターに総務担当、レンタル担当、セル担当を置く。
一、ネット事業部に本やタウンセンター、ネットサービスセンターを新設する。
一、営業推進室にTBN担当を置く。
一、経営相談室に営業研修センターを新設し、経営相談センターを置く。
一、九州支店に総務課、営業総括課、店売課を置く。
一、王子流通センターにweb−Bookセンターを新設する。
一、営業支援センターの帰属を物流部門から王子流通センターに移管する。
一、流通管理部に特販注文課を置く。
一、商品開発部文具・物販事業課及び文具・物販事業係を廃止する。
一、商品開発部映像ソフト課及び映像ソフト係を廃止する。
一、ネット事業部ネット通販PT、書誌情報管理PTを廃止する。
一、営業推進室経営相談センターを廃止する。
併せて各係を廃止する。
一、特販支社特販注文課を廃止する。
併せて各係を廃止する。
一、首都圏特販部首都圏特販注文課及び首都圏特販注文係を廃止する。
一、九州支社総務課及び総務係を廃止する。
一、九州支社営業総括課及び営業総括係を廃止する。
一、九州支社店売課及び店売係を廃止する。

人事

(役員待遇)○昇任命王子流通センター所長兼CVS流通センター所長(役員待遇)王子流通センター所長兼流通管理部長(役員待遇)高見吉弘解名古屋支店長兼任小林利夫

人事

(部長)秘書室長(名古屋支店営業総括課長)○大西良一人事総務部長(商品開発部長兼商品開発部市場開発課長)加藤哲朗管理部門担当付部長(開発本部長付部長)関口武博システム部長(システム部システム課長)○佐々木敏夫関連企業室担当付部長出向(ネット事業部長兼ネット事業部開発PT課長)清水昭次商品開発部長(秘書室長)石田正樹開発本部長付部長出向(同)入田規弘ネット事業部部長出向(同課長出向)○左田野渉経営相談室長(ネット事業部ネット通販PT課長)○松本敏明取引部長(人事総務部長)田辺昌弘東部支社長兼東北支店長(北関東支店長)○小口健次名古屋支店長(書籍部書籍総括課長兼書籍部書籍総括課総括係長)○吉島哲夫流通管理部長(商品管理部長)星野逸郎商品管理部長(経営戦略室課長)○内田誠CVS流通センター所長代理兼CVS流通センター総務課長(CVS流通センター所長兼CVS流通センター総務課長)大越隆司開発本部長付勤務(開発本部長付勤務出向)武藤研治経営相談室勤務(MBO推進委員会事務局部長)大森敏夫営業全般担当付勤務出向(取引部勤務)種橋康昭王子流通センター勤務(物流部門担当付勤務出向)鴻巣道明

ネットの読者投稿を書籍化

イー・ショッピング・ブックスとかんき出版は共同で、インターネット上で利用者からの投稿を書籍化するキャンペーンを三月一日からスタートした。
これは、イー・ショッピング・ブックスのサイトで利用者から「疑わしく思うビジネス界の原理・原則」、世間で流布する「法則」について投稿を募集し、その内容をかんき出版が反証・実験した上で、一冊の本にまとめ出版するというもの。
書籍はサイトで独占予約とし、六月に販売を開始する予定。
出版社と共同で、サイトの利用者からの意見をまとめて書籍化するのは、オンライン書店としては初の試み。
キャンペーン参加者のうち書籍として採用された投稿者には図書カードをプレゼント。
またすべての投稿者を対象に抽選で特製ストラップなどをプレゼントする。
実施期間は三月三十一日まで、投稿受付ページのURLはhttp://www.esbooks.co.jp/bks/03/03010100.html

トーハンブックフェア

◇読者からのメッセージコレクション三月中旬から全国百七十書店で展開。
世界各国の絵本について読者から寄せられた感想や子どもの反応、感動した様子をメッセージカードにして店頭で紹介し、選書の参考にしてもらおうというもの。
アメリカ・イギリス・フランス・日本の絵本作家十六人の作品をラインナップした。
出品図書は、マリー・ホール・エッツ『わたしとあそんで』(福音館書店)、エリック・カール『こんにちはあかぎつね』(偕成社)、モーリス・センダック『ミリー』(ほるぷ出版)など十六点。
◇ビジネスマンのための英語パワーアップフェア三月下旬から全国二百書店で展開。
この一年でヒット作品が数多く出版されている英語関連書について、トーハンでは一年間の売上データを分析。
参考書分野だけでなく教養書、ビジネス書、新書分野に広がっている英語関連書の中から最も支持を受けている十一点をセレクトした。
出品図書は『これを英語で言えますか?』(講談社インターナショナル)『英語は絶対、勉強するな』(サンマーク)『最新!通じる英語』(集英社)など。
◇この国のありさま〜揺れる日本の土台各出版社の教養新書創刊で商品ラインナップが充実していることから、新書売場にテーマ別の販売方法を定期的に提案する。
第一弾として、一九九〇年代から危機的な状況が続く日本社会の処方箋となる関連書を揃えた平台フェアの提案を行う。
三月下旬から全国二百書店で展開。
出品図書は『日本の公安警察』(講談社)『パラサイトシングルの時代』(筑摩書房)『不平等社会日本』(中央公論新社)『マネー敗戦』(文藝春秋)など十四点。

6月に『ディアス』創刊

光文社は六月十八日に新しいタイプの男性週刊誌『ディアス』(A4変型中綴じ、月曜発売、予価三百八十円)を創刊するが、これに先立ち創刊発表会が十二日午後四時半から丸の内の東京会館で行われた。
発表会では同社並河良社長が「一月二十五日をもって週刊宝石を休刊した。
ご心配をかけたが、撤退でなく、次へのステップとして、本日『ディアス』を発表する。
昨年、当社発行の雑誌は『JJ』が創刊二十五周年、『CLASSY』二百号、『VERY』五周年と節目の年で好調だった。
『BRIO』も二周年で楽しみな雑誌に育ってきた。
『女性自身』も二千号で浮上の兆しがある。
現在、雑誌、書籍の総点検を行って、何が強く、何が弱いかポジショニングを考えている。
女性誌の光文社だが、男性誌の強化と今後の柱として三十代のビジネスピープルをターゲットにあえて難しいところに挑戦する。
雑誌名は時代を意味する。
光文社の男性誌の核に育てていきたい」と、創刊意図について説明した。
続いて『ディアス』三橋和夫編集長は雑誌名について、「時代という意味とともに、十五世紀に希望峰を発見したポルトガル人の名前。
大海原に乗り出し、週刊誌の希望峰を見出したい」と述べ、編集に当たっては三十代の視点のニュース、ビジネスと生き方を応援する企画、役に立ち心を豊かにする実用情報を柱にするとした。
販売部の中川部長は「読者対象は二十五歳から三十四歳の一般週刊誌を読まない層、千三百万人で、新しい市場を開拓する」とし、販売に協力するパートナー・ショップ制への参加を呼びかけた。
同ショップには各種キャンペーン、コンクールの参加状況によって店頭促進費を支払う。
販売会社を代表して日販菅社長は「『週刊宝石』はピーク時六十万雑誌で、これを越える雑誌が生まれるかという不安と、雑誌のプロが作るのだからという期待がある。
新雑誌を創刊することは尋常ならざるパワーが必要。
並河社長はじめ並々ならぬ決意を聞いて、光文社の一大リターンマッチと受け止めた。
我々も拡販に力を尽くしたい」と、雑誌売上げ回復の起爆剤にしたい意向を述べた。

36万項目収録の携帯版英和辞典

三省堂は創業百二十周年記念事業の一環として、三十六万項目を収録した携帯版英和辞書『グランドコンサイス英和辞典』を刊行した。
A5変形判・二色刷り三千二十四頁、本体八千八百円。
発売記念特別価格として今年末まで本体八千円。
「大英和」と呼ばれる大型辞書でも十万〜三十万項目であるのに対し、同書は携帯版ながら日本最大の三十六万項目を収録、一般から専門分野まであらゆるジャンルをカバーした。
理工系・ビジネス分野での使用にも十分な専門用語・現代用法を掲載しており、特に理工系用語はコンピュータ用語を豊富に収録するなど充実した内容となっている。
見出し語を色刷りし、派生語・合成語を見出し語でまとめて扱うなど、検索しやすい編集がなされている。

上尾センターの建築完成式

トーハンは埼玉県上尾市に建設中だった雑誌発送専用の大型物流拠点「トーハン上尾センター」の新築工事を終了、三月七日午前十時半から建築完成式を挙行した。
式典には上瀧博正会長、金田万寿人社長をはじめ、東畑建築事務所市川宏会長、戸田建設戸田順之助会長など工事関係者五十五名が列席。
無事故での完成に感謝し、今後の業務運営の無事を祈って玉串奉奠などの神事が厳かに執り行われた。
この後行われた建築完成披露であいさつした上瀧会長は「起工から九カ月、棟上げから四カ月余と短期間の工事にも関わらず、無事故で計画の遅れもなく完成を見るに至ったのは、関係者のご支援とご協力の賜物」とお礼を述べ、「上尾センターは五十周年事業として当社はもちろん、出版業界全体の将来を見据え立ちあげた一大プロジェクト。
新世紀を迎えさらなる自己革新をしていかなければという思いを込め、21世紀の雑誌物流を担うセンターとして建設したものである」と結んだ。
続いて戸田会長のあいさつがあり、市川会長の音頭で乾杯して祝宴に入った。
最後に金田社長が「雑誌は出版界におけるウエイトが非常に高いが、現在売上は厳しい。
上尾センターの完成で雑誌を活性化させ、業績の拡大に努めなければ」とあいさつ。
手締めを行って散会した。
上尾センターの今後の計画は、FA設備の設置、テストを経て、今年七月に現在の発送拠点からの移転を開始し、平成十四年三月に全面稼働の予定。
竣工披露式は、FA設備の設置が完了する十月に取引先書店をはじめ出版社、地元関係者などを招いて行う予定になっている。

本屋のうちそと

町に出かけると、シャッター通りになってしまった商店街。
ここ何屋さんがあったんだっけと思わせるくらい商店が変わっている。
小さな町の小さな商店は知らぬ間に閉店する。
閉店のシャッターの前に「永らくご愛顧いただきまして有難う御座いました」と寂しそうに張り紙がしてあった。
どんな気持ちで閉店したのだろうか。
いま何が消費を抑えているのだろう。
バブル以前だってこんなに酷くはなかったと思うが、いまは何か情報に振り回されているように景気が悪い悪いと囃し立てられる。
消費者はこれは大変と消費を控えるだろう。
お国の親分さん達は何処を向いているのだろう。
景気がよくなる方向に導いてくれないのだろうか、期待しているのだけどなぁ。
これは出版社も取次も同じようなことが言える。
書店は注文されたものをいち早く入手したいが、出版社も取次も採算性を考えているのか、自分達の前にお客様の顔が見えない。
だから効率のよい方法で書店に送品するのだろう。
諸々の商売でパソコンを有効に使用している企業もあろうが、書店関係はまだ遅れている。
社員が各店舗を回らずに横着してFAXで新刊情報を流してくるが、望んでいない情報を長々と送ってくるのはFAX用紙が馬鹿にならない。
商店からお客様が離れていってしまうのもそういったところに問題があるのだと思う。
いまインターネットが流行り、人々はそこから学び取ることが多くなってきた。
何か一つ手に職をと言わんばかりに何かを始めている。
人々の考え方が変わってきたのだろう。
この先どのように変化していくのだろう。
(とんぼ)