全国書店新聞
             

平成23年12月1日号

書店店頭に募金箱設置を/大震災出版対策本部が協力呼び掛け

書協、雑協、出版クラブの3団体で構成する大震災出版対策本部は大震災出版復興基金へのさらなる募金を呼びかけるため、書店店頭に設置する「募金箱」を用意した=写真=。法人、団体だけでなく一般個人にも広く協力を求める。
募金箱はアクリル製ブック型で、サイズは17×19×8㌢。無料。申込締切は12月6日。12月中旬までに店に直送する。集まった募金は同送する郵便振替用紙を使用し、郵便局経由で日本出版クラブが事務局を務める大震災出版復興基金に送金する。振込料は本部負担。募金を送金することで書店に税金はかからない。募金活動は2年間継続して実施する予定。
同基金は①震災関連の業界情報共有ホームページの立ち上げ②被災地への図書寄贈③被災地小学生への図書カード寄贈④図書収蔵環境の整備⑤震災孤児・遺児への支援など被災地並びに被災者の読書環境の復活・復興のための支援活動――に使用する。
問い合わせは日本出版クラブまで。℡03―3260―5271

トーハン、日販を訪問/送・返品同日精算問題で/日書連理事会

日書連は11月17日に東京・千代田区の書店会館で定例理事会を開催した。取引改善問題では、大橋会長らが11月15日にトーハン、日販両社を訪問し、送品・返品同日精算の実現をあらためて要望したことが報告された。
〔取引改善〕
日書連の大橋会長、柴﨑取引改善委員長、大川専務理事は11月15日、トーハン、日販を訪問し、送品・返品同日精算の実現を改めてお願いした。トーハンは近藤社長と阿部専務、日販は古屋社長と安西専務が応対した。日書連は両社に対し、年度内の問題解決に向けて2月末日までに回答してほしいと求めた。
〔流通改善〕
日書連と取協雑誌研究委員会は11月10日、L表示の問題点について意見交換を実施。日書連の藤原流通改善委員長は「別冊・増刊号のL表示を書き込んだ送品表を事前にもらえれば、現物を見なくても返品期限をチェックできる。返品不能になりやすい雑誌のリストもほしい」と要請した。今後は雑協と話し合いを行う方針を示した。
また、書籍の年始発売日が1月6日から4日全国一斉発売に変更になること、小学館『女性セブン』の九州地区の発売日が土曜日から金曜日に1日繰り上がり、12月1日号(首都圏11月17日発売)から実施されることを報告した。
コミック試し読みシステム「ためほんくん」は申込ベースで320台に達したと田江部会長が報告。商品確保と連動するための専用注文書は「実効があがっていない」として、取協に新しい方法を検討してもらい12月からスタートすることを明らかにした。
〔指導教育〕
ウェイズジャパンが提案し、書店組合と提携して行う「書店における電子書籍サービスの展開」で、日書連―ウェイズ社間の「電子書籍販売事業基本協定書」を承認した。組合加盟店―ウェイズ社間の電子書籍端末機販売に関する契約書、各県組合―ウェイズ社間の電子書籍販売還元ロイヤリティに関する契約書の雛型も早急に作成する。鶴谷電子書籍対応部会長は「ウェイズ社とは『電子書籍市場において書店の役割を確保する』という理念で一致した。紙の本に電子書籍を加えることで、書籍が書店から読者の手に渡る文化を拡大したい」と述べた。
〔地震対策本部〕
東日本大震災で被災した書店および組合への義援金の送金を終了したあと、日本出版労働組合連合会(出版労連)が日書連に寄付した義援金311万3022円については、原発事故が収束していない福島組合に全額送金することを承認した。
また、書協、雑協、出版クラブの3団体で構成する大震災出版対策本部が立ち上げた大震災出版復興基金に200万円寄付することを承認した。
〔書店再生〕
書店再生をテーマに実施したアンケート調査は、9月6日の締切までに16組合から回答があったと舩坂委員長が報告。「改善点や問題点が多数寄せられた。委員会内で意見を取りまとめ、年内に取次や出版社に提案したい」との方針を示した。
来年の「春の書店くじ」は4月20日から30日まで実施するが、舩坂委員長より実施要綱が示され、承認された。特賞は「図書カード5万円分」40本。
〔読書推進〕
独自展開の企画を提出した組合に補助金を拠出する「サン・ジョルディの日PR企画推進費」の募集に対して、11月10日現在、7組合から申請が来ていると西村委員長が報告した。
〔組織〕
10月期の各都道府県組合の加入・脱退状況は加入3店、脱退16店となり、前月比13店の純減。11月1日現在の傘下組合員数は合計4841店になったと中山委員長が報告した。
日書連のオリジナル手帳「ポケッター2012」は、出版販売年末懇親会での配布分を残して完売したと報告した。
ブルーオーシャンセンターと業務提携して昨年3月から展開している、書店店頭を情報提供窓口にしたフェリカ活用のプロモーション事業「タッチホン」は、芳しい成果がなかったことから業務提携を終了し、今後日書連として斡旋を行わないことを決めた。
〔出版販売年末懇親会〕
第4回出版販売年末懇親会は12月14日午後6時から東京・千代田区の帝国ホテルで開催する。出席者は300名程度を予定。
〔理事交替〕
◇新理事
山根金造(兵庫県明石市・巌松堂書店、所属委員会=組織、流通改善)、福田健太郎(大分県国東市・福田書店、所属委員会=広報、流通改善、図書館サポート部会)
◇退任理事
井上喜之(兵庫)、大隈劭(大分)

平成24年理事会日程

委員会理事会
1月休会
2月15日(水)16日(木)
3月休会
4月18日(水)19日(木)
5月16日(水)17日(木)
6月委員会20日(水)理事会・総会21日(木)
7月18日(水)19日(木)
8月休会
9月19日(水)20日(木)
10月休会
11月14日(水)15日(木)
12月19日(水)20日(木)

第38回読書週間書店くじ

第38回「読書週間書店くじ」の抽せん会が11月16日午後5時から東京・神楽坂の日本出版クラブ会館で開かれ、特賞「図書カード5万円分」をはじめ各賞の当選番号を決定した。
抽せん会は日書連書店再生委員会・杉山和雄委員の司会で進行。冒頭、大橋信夫会長から、出席いただいた関係各社に御礼のあいさつがあった。続いて舩坂良雄委員長が経過報告を行い、「書店くじはお客様に喜んでいただくための販売促進の大きな柱。地道な活動ではあるが、今後もぜひ続けていきたい。だが経費節減もあって書店に購入いただいている枚数が少なくなっている。読者に喜ばれる書店くじにするべく委員会で今後も検討していきたい」と述べた。
このあと抽せんを行い、出席者の中から選ばれた読書推進運動協議会・戸畑勇太郎事務局長ら5氏がボウガンの射手をつとめ、特賞から4等賞まで順番に当選番号を決めた。
懇親会に先立ち、日本書籍出版協会・菊池明郎副理事長が「東日本大震災で被災されながら頑張っている書店の方や、本を求める被災者の方たちの姿に大いに励まされた。リアル書店と紙の本は強い。これからも希望を持って皆様とともに出版の仕事をやっていきたい」とあいさつして乾杯した。
なお、賞品引き換え期間は12月5日から来年1月10日まで。

10月期は4・8%減/コミックの大幅減が響く/日販調べ

日販営業推進室調べの10月期書店分類別売上調査が発表され、売上高対前年比は4・8%減で先月を3・9ポイント下回った。
雑誌は、コミックの増加率がマイナスに転じたことが影響し、全体で6・2%減と先月を5・4ポイント下回った。コミックは「聖☆おにいさん7」(講談社)が好調だったものの、前年は集英社・白泉社の銘柄の売行きが良好だったことから、8・5%減と先月の4・2%増から一転して大きく落ち込んだ。
書籍は全体で3・2%減と先月から2・2ポイント下落した。文庫は「ガリレオの苦悩」(文藝春秋)などが好調。しかし前年は実業之日本社文庫が創刊され「白銀ジャック」がヒットしたのに加え、「のぼうの城上・下」(小学館)、「悪人上・下」(朝日新聞出版)が売上げを伸ばしていため、4・2%の減少となった。

地域の読書普及に貢献/2団体・2個人に野間読進賞

第41回野間読書推進賞の贈呈式が11月9日午前11時から日本出版クラブ会館で行われ、兵庫県・みきおはなし会*絵本の森、沖縄県・石垣市立伊野田小学校PTAたんぽぽの会の2団体と、個人の部で栃木県・小川範子さん、大阪府・松井郁子さんの2人が本賞を受賞。財団法人鹿児島県青年会館艸舎に奨励賞が贈られた。
贈呈式で読書推進運動協議会の小峰紀雄会長は「東日本大震災の復興にはまだ時間が必要で、原発事故の終息にはさらに時間がかかると思われる。そうした中、地震や津波、原発事故で傷ついた人たちの心をいやすのが読書だ。本に親しむことで、被災地の皆様が悲しみを乗り越えて明日に向けて力強く歩んでほしいと願い、これからの読書推進運動に取り組んでいきたいと決意を新たにしている。各地で読書活動に励んでおられる受賞者の皆様も、思いは同じことと存ずる。読書推進に一層のお力添えをお願いするとともに、ますますご活躍されることをお祈りする」とあいさつ。
選考経過を報告した選考委員の全国学校図書館協議会・笠原良郎顧問は「全国で何百何千という団体・個人が長い間継続的に地域を基盤とした読書活動を展開している。野間読書推進賞は5年10年というのは短い方で、20年30年、時には半世紀にわたって活動されている例がたくさんある。各地で営利と関係なく黙々と地域の読書活動を展開されている方々に改めて頭の下がる思いだ。日本の文化の奥深さ、底力を感じながら毎年選考にあたっている」と前置きし、各受賞者の業績と受賞理由を説明した。
小峰会長から各受賞者に賞が贈呈されたあと、文部科学省生涯学習政策局社会教育課の平川康弘課長補佐が祝辞。「文科省は昨年『国民の読書推進に関する協力者会議』を設け、今年9月に『日本の未来を育てる読書環境の実現のために』という報告書を発表した。司書の充実や図書館の機能強化などを提言に盛り込んでおり、文科省としても一層取り組みを推進していく。受賞の皆様には、これまでの活動を一層充実されることをお願いする」とあいさつした。
受賞者あいさつでは「昭和62年に会を発足し、お話会は5百回を超えた。自主的に研修会を行ったり、月刊誌の発行や、他団体と交流を図るなど、社会性・自主性・継続性をモットーに活動を育ててきた」(みきおはなし会・西尾美智子代表)、「13年前、保護者を中心に読み聞かせの会を結成した。子どもたちの年間平均読書冊数は579・9冊。受賞に誇りと自信を持ち、子どもたちに夢や希望を持たせ続けられるよう頑張っていきたい」(たんぽぽの会・砂川周子さん)と謝辞が述べられた。

大阪で「BOOKEXPO」/成立商談額5880万円にのぼる

取次の枠を越えた大商談会「BOOKEXPO2011秋の陣~集まれ!関西書店人~」(同実行委員会主催、世話人代表=田村書店・田村定良氏、代表幹事=宮脇書店大阪柏原店・萩原浩司氏)が11月11日、大阪市北区の梅田スカイビル「アウラホール」で開催された。
関西で初の開催となった同商談会には134社が出展。成立商談数は3223件、成立商談金額は5880万5101円で、来場書店が402店・672人にのぼる大盛会となった。
当日は、午前11時の開会を待ちきれない書店人が会場入口に列を作るほどの熱気。会場内では、出版社と第三商材社がポスターやPOP、見本品で133ブースを飾りつけた。入場者のピークは午後1時半頃から4時頃まで続き、会場は終始賑わいを見せた。来場書店からは「普段、なかなか話をできないような版元と直接話ができて良かった。今日商談したものだけでなく、今後の情報収集、仕入れに役立つと思う」との声が聞かれた。
入口脇に設けられたイベントコーナーでは5つのプログラムが行われ、いずれも盛況。スタンダードブックストアの中川和彦社長による講演「こんな本屋があってもいいじゃないか!~自分が好きなものを売りたい~」などは、立ち見客で会場入口がふさがれるほどの人気となった。
午後3時から行われたセレモニーでは、世話人会の田村代表が「主催者ながら、こんなにたくさんの出版関係者が集まり驚いた。これからも若い書店人を応援してほしい」とあいさつ。来賓として日本書籍出版協会・相賀昌宏理事長、出版文化産業振興財団・肥田美代子理事長の祝辞があった。
午後4時半の閉会後、会場内で懇親会が開かれ、350名余の関係者が出席して懇親を深めた。

移転

◇兵庫県書店商業組合
組合事務局を左記に移転した。
〒674―0058兵庫県明石市大久保町駅前1丁目8―12巌松堂書店内
℡078―936―4069FAX078―935―4069

震災復興対応を説明/宮城組合総会で藤原理事長

宮城県書店商業組合は11月13日午後1時半、遠刈田温泉の宮城蔵王ロイヤルホテルで平成23年度通常総会を開き、組合員78名(委任状含む)が出席した。
総会は梅津清太郎氏(八文字屋書店)の司会で進行。小関真助副理事長(かほく書店)の開会宣言に続き藤原直理事長(金港堂)があいさつを行った。藤原理事長は、東日本大震災で日書連が募集した義援金について、大手出版社からの大口の寄付では1000万円のものもあり、総額8600万円が集まったことを報告。そのうちまず被災書店に一律5万円を配り、義援金提供者からの意向もあり非組合員に対しても支給したことを説明した。さらに宮城県に配分された義援金2900万円については、取次各社から組合加盟書店の被害状況を確認し、被害の程度に応じて段階的に配分すると理事会で決定したことを報告した。
藤原理事長を議長に議案審議を行い、平成23年度事業報告並びに決算報告・監査報告、平成24年度事業計画案並びに収支予算案など第1号から第7号議案までを満場一致で可決した。
第8号議案の役員改選では、選考委員6名による指名推薦を総会に提出し、満場一致で可決。この後すぐに理事会を行い、藤原直理事長、小関真助副理事長、菅原正敏副理事長、塩川久治専務理事が重任することを決定した。
議事終了後、今井書店の田江泰彦氏より店頭試し読みシステム「ためほんくん」の説明が行われた。その後恒例の出版社・取次・運輸による企画説明会を開催。菅原副理事長の閉会あいさつで終了した
(佐々木栄之広報委員)
〔宮城組合役員〕
▽理事長=藤原直(金港堂)
▽副理事長=小関真助(かほく書店)菅原正敏(興文堂書店)大沼所佐衛門(かど書店)
▽専務理事=塩川久治(塩川書店)
▽会計理事=米竹隆(米竹書店)

生活実用書/注目的新刊

何かと新しいものがもてはやされ、流行があって、それに乗り遅れまいとする人が、さらに競って群がるのが常。しかし、趣味の世界ではむしろ古いものの方が希少価値を持っていて、懐かしむと同時に、その変遷や歴史に思いは馳せられ、温故知新の言葉通り新しいものをもう一度見直すきっかけにもなっている。
内藤陽介著『年賀状の戦後史』(角川ONEテーマ21B152724円)は虚礼と言われながらも、連綿と続く年賀状と正月切手の移り変わりを辿っている。
今年発行された来年用の官製年賀はがきは35億6千万枚で、販売枚数がピークだった平成10年度の約41億枚から、年々減少しての数字とはいえまだまだ膨大な量である。
世界初のお年玉くじ付き年賀はがきが発案されたのは、24年の師走。大阪の用品店主がそのアイディアを思いついて大阪郵政局に持ち込み、それがすぐ実現するのである。当時の小沢佐重喜郵政大臣は小沢一郎氏の父親である。
切手に表示するのはNIHONなのかNIPPONかと論議されたのは昭和39年。ニッポンというのは切手上の国名表示だったのである。
プリントゴッコの普及で増えた年賀はがきも、現在はパソコンが主流になると共に、携帯電話、メールとも競合しなければならなくなった。世相の見える戦後史である。
須田寛著『昭和の鉄道』(交通新聞社新書027800円)は、明治5年新橋~横浜間の開通から昭和までの鉄道の実際を細かく展開する。
戦後初めての特急列車は東京~大阪間を9時間。愛称は「へいわ」だった。開通時の写真にはデッキに笑顔で手を振る人々が映っている。
特急「こだま」が登場するのは33年。東京~大阪間が6時間半になって、日帰り可能だというので「こだま」と命名されたのだという。そして東海道新幹線が開業したのは昭和39年。当初「ひかり」は4時間だったが、翌年から3時間10分に短縮されている。
巻末の資料編では、たとえば車両記号のモハのモは電動車、ハは普通車を表すとか、ほかの輸送機関との比較グラフなどが掲載されている。旅客は航空機や車に、貨物も航空、車、海運に遅れをとっている様子がわかる。2冊共、戦後の世相がよく見える。
(遊友出版・斎藤一郎)

組合員増強へ組合案内の冊子作成/兵庫組合

兵庫県書店商業組合(山根金造理事長)は、組合員増強のためのツールとして兵庫県組合の案内冊子を作成した。タイトルは「兵庫県書店商業組合ご案内」とし、A5版8頁フルカラー。内容は、組合概要、スローガン、加入メリット、組織機構、運営内容、加入資格、会費などを分かりやすく記載している。
この冊子は、組織強化委員会(小松恒久委員長)が、日書連の助成金を活用し製作したもの。県組合理事会は、冊子の完成を受けて、組織強化に乗り出すこととし、加入金の減額を決定。未加入店へ組合加入を働きかけることにした。対象書店の選定については、雑誌発売日励行委員会のメンバーである取次各位の協力を得ることができた。
兵庫県組合は、会員数2百名を割り込み、総代制から総会制への移行を余儀なくされたところであり、各取次の協力を得ながら、一軒でも多く会員を増強することを誓い合った。
(安井唯善広報委員)

書店コンサルタントがみた「首都圏書店大商談会」/内容、数字とも充実した商談の場/ノセ事務所代表取締役・能勢仁

第2回「首都圏書店大商談会」が10月26日、東京・秋葉原のアキバ・スクエアで開かれた。多田屋、ジャパン・ブックボックス(平安堂FC部門)、アスキー、太洋社を経て、現在、書店クリニック・出版コンサルタントとして活躍している能勢仁氏に、同商談会の成果と課題を分析してもらった。
10月26日午前11時から第2回「首都圏書店大商談会」がJR秋葉原駅のアキバ・スクエアで行われた。快晴に恵まれ書店さんの出足は午前中から良かった。第1回の会場は神楽坂の出版クラブであり、開始時刻は正午であった。今回は駅前という好立地であり、開催時刻も1時間早くなった。この条件変更は書店が商談会に参加するのに好都合であった。昨年の入場者数は259名(196書店)であったが、今年は425名(295書店)となり、来場者は昨年の1・6倍となった。この数字はそのまま商談に反映されている。即ち、昨年は1815件、約4000万円の商談であったが、今年は2132件、5127万円の商談となり、件数で17%増、売上で28%増となった。商談の濃密さが伺える。
昨年に比べてほぼ成功といってよい。良かった点を分析してみよう。
〔出品リスト事前配布が奏功〕
1、会場の立地がよかった
駅から2、3分ということで、会場へアプローチし易かった。JR秋葉原駅・電気街口改札を出て右へ進めば殆どの人は会場に到達できた。
2、会場がワンフロアーであった
会場入口で渡された、会場内出版社配置図を見て、目的とする出版社がどこにあるのか一目で分かった。会場の出版社位置については、商談会説明会で抽選で決定であるから愚痴はいえない。昨年の多層階、部屋別に比したら雲泥の差で、位置の不公平感は感じられなかった。私的な見かたをすれば、四隅、入口、出口付近に人溜まりの少なさを感じた。
3、事前に配布された出品リストが最高に良かった
今回の成功要因はこのリストにあったといっても過言ではない。主催者は事前パンフレットと謙遜しているが、これは立派な目玉商品目録である。各社ともA4判・1ページの冒頭に「ここだけの特典!」が掲げられている。この特典は商談会に行ってみようとする気持を盛り上げてくれる。それだけでなく各社の当日限定商品が目白押しである。会場を歩いている書店さんで、ポストイットを貼った目録を持って、目指す版元を探す人を数多く見かけた。書店はよい買物、注文をしたと満足げに出版社ブース間を移動していた。
今回商談数の多かったといわれる小学館、新潮社、光文社のページを見てみると、会場に玉手箱が用意されている感じがして、参加しないと損をする気にさせてしまう。申込書が短冊状で切り取れる形式もよい。文藝春秋の年末年始セットの申込みはユニークでよかった。白夜書房のチェックボックスの注文の仕方もよい。一声社、たちばな出版の様に締切り日を設けた注文票もよいと思った。
〔商談ピークは午後2時から/閉会間際に熱心な書店の姿〕
さて問題は商談成立率である。このことについては1時間毎の商談定点観測をした。昨年も実施、昨年は部屋別調査であった。今年の結果は別表の通りである。書店人が椅子にすわり商談をしている人数である。
商談率は着席書店人を会場内書店人で割ったものである。会場内書店人の算出は会場内全体人数から出版社の社員(100ブース×2人=200人)を差し引いたものである。商談会のピークは午後2時半であることがわかる。昨年も入室人員は午後2時半~3時半が多かった。今年はワンフロアなので人数把握は昨年に比べてやり易かった。
商談率が閉会間際に上がっていることも特筆すべきことである。この時間帯は熱心な書店が多い。着席時間の長いことがその証である。この他、午後4時以降は出版社の社員が増えている現象がある。1ブース2名以上の版元が多かった。その分、商談率は上昇するわけである。実際には午後2時半の定点と変わらない商談率になっていたかもしれない。つまり商談会のピークは午後2時過ぎに始まり、少々の中だるみもあるが、閉店まで継続されることを出展者は認識して欲しい。
イベントが会場内、ブース内、会場外で行われていたが、いずれも熱気あふれる活況であったことは嬉しい。会場外のイベントは囲いの保護をしたので参加者に好感であった。今秋初の木枯らし1号の中、出演者、参加者共にご苦労さまでしたと申しあげたい。
コミック・イベントコーナーも盛り上がっていた。創る人、売る人、書く人を一堂に会した意義は大きかった。30席であったが、5列にすれば38席できた。
〔展示商品で明暗分かれる〕
問題が全くなかったわけではない。次回のことも踏まえて気付いた点を挙げてみよう。
1、駅から会場へのアプローチ
本当に近づき易い場所であっただろうか。東京の人には電気街は馴染み深い場所かもしれないが、他県の人、電気街に無縁の人にとっては、秋葉原駅は外国だったかもしれない。秋葉原に暗い人を基準に会場への案内を考えるべきであろう。その点配慮に欠けていなかったか?電気街改札を出て、エスカレーター前に1人案内人が立っていた。首都圏書店大商談会のボードを持っていたので、安心してエスカレーターに乗った。これからがいけない。UDXのビルに吸い込まれてしまう。この付近にもう1人案内人がいるべきではなかったか。
2、会場内の出版社表示板にナンバーの付加が必要
入場する時に渡される会場案内図には出版社名と番号があるのであるから、番号も付加してあった方が、混雑する会場では数字を追った方が到達が早い。
3、児童書コーナーとコミックコーナーが暗かった天井が低いので圧迫感があり、しかも照明が暗いので陰気なコーナーになっていた。次回はワンフロア同一条件で、更に広い場所を希望したい。
4、アンケート回答者の図書カード進呈者の人数が違っていた
商談会パンフレット表紙には「先着300名様に」となっている。当日渡された会場案内図裏面には「先着400名様」となっていた。
5、すべての出版社が昨年を上回ったわけではない参加出版社にランダムに昨年対比を聞いたところ、下降した出版社があった。その理由を聞いてみると展示品であることがわかった。昨年は人気商品の展示であったが、今年は企画商品に変えたところ、客足がつかなかったのである。展示商品の難しさがわかった。次回は挽回する商品にしたいものである。
6、開催期間
開催が1日だけでは惜しい。次回から2日間開催はできぬものか。
7、商談成立金額
来場者が1・6倍だったので、6000万円は売りたかった。
〔「本はもっと売れる」実感〕
実行委員長奥村弘志氏以下、実行委員、事務局を務めた出版文化産業振興財団(JPIC)、取次の方々、本当にご苦労さまでした。心からお礼申しあげたい。出版社と書店が直に話のできる場がいかに素晴らしいことか、現場で体験させていただいた。本が売れないと言われている中、会場にいると、出展者の本を積極的に売れば本はもっと売れるのではないかと思った。
会場特別条件商品、今後の新刊のフォロー、販促グッズ等、参加してよかったと思っている書店さんがほとんどだと思う。それは商売のやり甲斐を、会場の雰囲気が押してくれるからである。都合がつかず来られなかった書店も、来年は是非来場してほしい。素晴らしい人間関係、商品がそこにあるのだから。商品を提供した出版社にもお礼を申しあげたい。そして、この商談会を実行された方々に、再度拍手を送りたい。

神田村こう使っている/神奈川県横浜市・西田書店

東京近郊の大手書店から町の小さな書店に移り、先代が利用していた神田村を初めて知りました。それから30年以上、大学のテキスト、常備、雑誌等々、全て神田村でお世話になっております。
神田村を利用して、強く感じることは、専門取次としての、商品構成、客注に対しての迅速な対応等お客様のニーズに、現場感覚で努力していただいているということです。品切れと思っていた書籍が、足で探していただき納品できたり、大至急の品は、○○の○○さんに頼めば大丈夫という信頼は、仕事を進めていく上で大変大きな推進力になっております。
これから書店として活動して行く上で、神田村には、さらなる専門的な知識と交渉力、コミュニケーション能力、そして、書店と一緒に成長していくという意識が強く求められると考えています。
売上ベースとなる定期刊行物の確実な配本、書店の注文短冊の背景にいるお客様を想像しての提案型営業活動等を望みます。
日々変化していく情勢に、喰らいついていく努力を惜しまず、書店共々、お互いに高めあってゆければと思う昨今です。

11年上期は前年同期比93・39%/ABCレポート

日本ABC協会は2011年上半期雑誌発行社レポートを発表した。今回掲載した43社165誌の前年同期比指数は週刊誌94・13%、月刊誌93・11%で、合計では93・39%となった。
総合週刊誌は、部数トップの『週刊文春』が5千部減の47万7千部、2位の『週刊新潮』は7千部減の38万4千部で、ともに減少傾向が続く。『週刊現代』は1万6千部減の38万4千部、『週刊ポスト』は7千部減の30万2千部と上昇が一服。新聞社系では、『週刊朝日』15万1千部でほぼ横ばい。『サンデー毎日』は8千部増の7万6千部と盛り返した。
女性週刊誌は、『女性セブン』が2万3千部減の24万8千部、『女性自身』が1万5千部減の23万7千部、『週刊女性』が9千部減の15万9千部といずれも減少。女性月刊誌では、『ViVi』が25万1千部と5万部の大幅減。『VERY』は1万7千部増の18万7千部で3期連続の増加となった。月刊化した『non・no』は3万1千部増の39万9千部と好調。

NTTドコモとシャネルに大賞/講談社広告賞

第33回「読者が選ぶ・講談社広告賞」の贈賞式が11月10日正午から帝国ホテルで行われ、広告大賞男性誌・情報誌部門は『COURRiERJapon』掲載のエヌ・ティ・ティ・ドコモ、同女性誌部門は『with』掲載のシャネルが受賞した。
講談社広告賞は今回からリニューアルを行い、読者の賞への参加が社会貢献につながる仕組みを導入。また、読者が選ぶというコンセプトをより明確にするためにアドモニター制度を設け、審査方法も変更した。贈賞式で講談社野間省伸社長は「平成23年度決算は2年連続で黒字を計上できる見通し。広告業界は依然苦しい状況が続いているが、講談社は本誌のコンテンツに磨きをかけつつ、デジタル媒体、電子書籍、海外提携誌の拡大、データベースの整備など媒体力の強化に努めていく」とあいさつした。
広告賞の贈呈に先立ち、読者の投票総数に応じてチャリティ団体に寄付するチャリティプログラムの発表が行われ、社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン、認定NPO法人環境リレーションズ研究所、財団法人日本障害者スポーツ協会の3団体に目録を贈呈。続いて各部門の入賞社を発表し、各社に賞状と副賞が手渡された。

寺池台小など4校に朝読大賞/出水市に文字・活字文化推進大賞

読書推進と文字・活字文化振興に貢献し、業績をあげた学校、地方自治体、団体、個人を顕彰する、髙橋松之助記念・第5回「朝の読書大賞」「文字・活字文化推進大賞」(社団法人全国出版協会主催)の表彰式が10月28日午前11時から東京・大手町のクラブ関東で開かれた。
贈呈式は、全国出版協会・田中健五会長のあいさつに続き、選考顧問の植田康夫氏が選考経過を報告。朝の読書大賞は選考顧問の井出孫六氏から、文字・活字文化推進大賞は髙橋松之助記念顕彰事業委員長の朝倉邦造氏から受賞者に賞状と副賞が贈られた。
文字・活字文化推進機構の肥田美代子理事長からの祝辞の後、各受賞者があいさつ。朝の読書大賞を受賞した大阪府・富田林市立寺池台小学校の柴田敦子講師は「読む時間を設定し、手の届くところに本がある環境を整えれば、子どもたちはどんどん本を読むという現実を目の当たりにできたことは、大きな驚きでもあり、大変うれしいことだった。これからも子どもたちの読書の楽しみを広げていきたい」と喜びを語った。
また、文字・活字文化推進大賞を受賞した鹿児島県出水市の溝口省三教育長は「『読書活動日本一のまちづくり』を目標に、平成19年から5年間の読書活動推進計画を立てた。3つの基本方針と70の実践項目を掲げて全市を挙げて取り組んだ。現在、来年度からの5年計画の策定を進めているところだ」と述べた。
〔朝の読書大賞〕
▽富田林市立寺池台小学校(大阪府)平戸市立平戸小学校(長崎県)▽青森市立浪打中学校(青森県)▽徳島県立板野高等学校(徳島県)
〔文字・活字文化推進大賞〕
▽鹿児島県出水市

小説部門大賞に『エスケヱプ・スピヰド』/電撃大賞

アスキー・メディアワークスが主催する「第18回電撃大賞」の贈呈式が、11月11日午後4時から明治記念館で行われた。
応募総数は小説部門5293作品、イラスト部門569作品の合計5862作品と史上最多。小説部門は大賞に九丘望氏『エスケヱプ・スピヰド』ほか、金賞1点、銀賞2点、メディアワークス文庫賞2点、電撃文庫MAGAZINE賞1点、選考委員奨励賞1点の受賞。イラスト部門は大賞にhakus氏ほか、金賞2点、銀賞2点、選考委員奨励賞1点が受賞した。小説部門大賞の九丘氏は福岡県の書店に勤務している。
贈呈式であいさつした髙野潔社長は「電撃文庫は本年もメディアミックスを活発に行い、メディアワークス文庫も順調に育っている。これらを生み出す源泉が電撃大賞。小説部門の作品は来年2月に刊行されるが、自信を持って送り出せるものばかり。特に大賞受賞作は非常に完成度が高かった」と述べた。
受賞者あいさつで九丘氏は「好きなものを好きなだけ書き連ねた作品なので、それが認められて安心感というか、救われたような気がした」と喜びを語った。

第48回文藝賞に今村友紀氏/河出書房新社

河出書房新社が主催する第48回文藝賞は今村友紀氏『クリスタル・ヴァリーに降りそそぐ灰』に決まり、10月24日午後6時から神田駿河台の「山の上ホテル」で贈呈式が行われた。
式典では賞状授与のあと、角田光代、斎藤美奈子、高橋源一郎、田中康夫の各選考委員が選評。斎藤氏は「一回中に入ると最後まで読んでしまう小説。若い読者がつくのではないか」、高橋氏は「3・11の後に書かれた小説だと確信して読んだら違うということで、優れた作品にはそういう予見性があるのかもしれない」と称えた。
受賞の今村氏は「自分が小説を書くことで、一人でも多くの人に文学に興味を持っていただけるようにしたい」とあいさつ。河出書房新社・小野寺優社長は「受賞作はここ数年の文藝賞の中でもなかった色合いの作品。今という時代を非常に色濃く反映した作品が生まれてきたと思う。新しい才能を大きく育てていただくようご協力をお願いする」とあいさつした。

野間文芸賞は多和田氏『雪の練習生』/講談社

第64回野間文芸賞、第33回野間文芸新人賞、第49回野間児童文芸賞の受賞作が決定し、11月7日に帝国ホテルで受賞者記者会見が行われた。
今回受賞したのは、野間文芸賞に多和田葉子氏『雪の練習生』(新潮社)、野間文芸新人賞に本谷有希子氏『ぬるい毒』(新潮社)、野間児童文芸賞に富安陽子氏『盆まねき』(偕成社)。
ドイツ在住で、ドイツ語でも著作活動を行う多和田氏は、熊が語り手となっている受賞作について「主語がなくてもいいというのが日本語の自由さの一つ。ドイツ語でできないことをやってみたかった」と説明。本谷氏は「この作品は芥川賞、三島賞の候補になったが落ちていて、今回も取らないだろうとたかをくくっていたので、『やった』と思った」、富安氏は「特攻隊で亡くなったおじの思い出から生まれた物語。子どもたちがどう読んでくれるか見守っていきたい」と受賞の喜びを述べた。

ニコニコ静画でコメント付きの電子書籍サービス/角川GHDとドワンゴ

角川グループホールディングス(角川GHD)とドワンゴは11月8日、角川GHDの電子書籍プラットフォーム「BOOK☆WALKER」とドワンゴが運営する「ニコニコ動画」内の静止画コミュニティサイト「ニコニコ静画」が連携する電子書籍サービス「ニコニコ静画(電子書籍)」を開始した。また、ニコニコ動画会員向けの無料WEB漫画誌「角川ニコニコエース」(毎週火曜日更新)を同日創刊した。
ニコニコ静画(電子書籍)は、電子書籍の閲覧だけでなく、ニコニコ動画と同様に電子書籍にコメントを投稿して読者同士がつながり合えるサービス。コメント投稿により、作品に対する感想や感情を共有するソーシャルリーディングを楽しむことができる。
コメントは通常の流れるもののほか、絵や文面にカーソルをあわせて投稿する「範囲指定コメント」も可能。ニコニコ書籍上のコメントをツイッターに投稿することもできる。ツイッターに投稿したコメントは紹介文として作品紹介ページの帯の部分に記載される。
BOOK☆WALKERの作品のうちライトノベル、コミック、文芸作品、ゲーム関連書籍、新書、実用書を提供する。パソコン(Flashプレーヤー)とiPhone・iPad(アプリ)で閲覧できる。Android端末は2012年に対応する予定。
同日、東京・渋谷区のニコニコ本社で行われた記者発表会の席上、角川コンテンツゲートの安本洋一常務は「ニコニコ静画(電子書籍)でいソーシャルリーディングの新しい形を作る」と語った。
発表会の後、角川GHDの角川歴彦会長とドワンゴの川上量生会長が「電子書籍・ソーシャルリーディングの未来に向けて」をテーマに対談した。角川会長は「出版社のマーケティング方法としてサイン会があるが、それだけでは足りないという作家が増えている。ニコニコ静画のソーシャル性は評価されると思う。ソーシャルメディアと電子書籍は相性がいい」と今回のサービスの意義を強調。井上会長は「(コンテンツの寿命が短くなる傾向の中)コンテンツの寿命を伸ばしているのは二次創作。改変だけでなく、コメント投稿も二次創作にあたる。コメントをコンテンツに取り込めばコンテンツの寿命が長くなり、価値も高まる。それが未来のコンテンツの姿」と語った。
また、角川会長は米アマゾン・ドットコムの電子書籍参入について「1年間交渉している。残り11条件に煮詰まっている。この中には出版社として飲めない条件も入っている。だが話し合いの中で解決の糸口も見えてきた」と話した。

カナダの電子書籍事業者Koboを買収/楽天

楽天は11月9日、電子書籍事業を運営するカナダのKoboを完全子会社化することを目的として、同社の株式を取得することを明らかにした。同日開催の臨時取締役会で決議した。買収は全株式を買い取る方法で行う。取得価額は約3億1500万ドル(約236億円)。カナダ政府の承認を得て、2012年第1四半期に手続きを完了する見込み。
Koboはカナダ、米国、英国、フランス、ドイツ、豪州、ニュージーランドなど世界100カ国以上で電子書籍コンテンツおよび専用端末「KoboeReader」を販売している。楽天はKoboを子会社化することで、自社ブランドの電子書籍専用端末を持つだけでなく、海外の出版社などとのネットワークを獲得。Koboの事業拡大を進めるとともに、楽天グループのEC事業との融合を図り、日本を含む全世界で電子書籍事業を推進する。

懇親旅行で浜松へ/京都組合

京都府書店商業組合は10月22日、23日の両日、恒例の組合懇親旅行を開催し、組合員とその家族、従業員や取次など総勢61名が参加。静岡県浜松方面の旅を楽しんだ。
午前9時に貸切観光バス2台に分乗して京都駅バスターミナルを出発。道中、愛知県名古屋市港区の「リニア・鉄道館」を見学し、日本三大稲荷の一つとされる同・豊川市の豊川稲荷を参拝したあと、うなぎパイの工場を見学。午後4時に宿泊先の大型リゾートホテル「浜名湖ロイヤルホテル」に到着した。
午後6時半から開始した宴席で、中村晃造理事長は「皆様のご支援、ご協力で今年も懇親旅行を開催することができた。これからも組合員皆様と一致団結し、喜んでいただける事業を続けていきたい。今宵は日頃の疲れを癒し、懇親を深めていただきたい」とあいさつした。北市哲朗・トーハン京都支店長のあいさつに続き、田辺茂・日販京都支店長の乾杯で開宴。新鮮な海の幸や松茸など地元産の食材を活かした料理を食し、親睦を深めた。
翌日は、2004年に開催された浜名湖花博の跡地として整備された公園「浜名湖ガーデンパーク」、現存する江戸時代の建物が往時を偲ばせる国指定特別史跡「新居関所」を見学。食べ放題のみかん狩りも体験した。午後5時40分に京都に帰着した。
(澤田直哉広報委員)

『女性セブン』九州地区発売日1日繰り上げ

小学館発行の『女性セブン』は、12月1日号(首都圏11月17日発売)から、九州地区での発売日がこれまでより1日繰り上がり、金曜日に変更された。
同誌は首都圏や関西では木曜日に発売しており、流通上の事情で九州では2日遅れの土曜日だったが、印刷や製本、運送時間の効率化により1日早く発売できるようになった。
小学館は、発売日が1日改善されたことで、販売部数の上乗せが期待できるとしている。

「電子書籍版立花隆全集」/イーブックイニシアティブが配信

電子書籍の販売事業を手掛けるイーブックイニシアティブジャパン(小出斉社長)は11月4日、「電子書籍版立花隆全集」の販売を開始したと発表した。
第1弾は『田中角栄研究全記録(上)金脈追及・執念の五〇〇日』と『同(下)ロッキード事件から田中逮捕まで』の2点。価格は各735円(税込)。今後は第2弾として12月2日に『被告人田中角栄の闘争ロッキード裁判傍聴記(1)(2)』、来年1月6日に『同(3)(4)』を配信する。価格は各630円。以降、毎月1点ずつ、約80点を、600~700円で配信していく。
今回の「田中角栄研究全記録」は雑誌「文藝春秋」1974年11月号に掲載された「田中角栄研究――その金脈と人脈」をもとにしたもの。本文に加え、執筆時に集めた膨大な資料の一部を電子化し、巻末に収録している。
同日の記者会見で立花氏は「取材当時に集めた膨大な資料が山のように残っている。寝たままの資料を電子版では活かすことができる。活字版では表に出せなかった部分を新しい形式で出していきたい」と電子版全集への考えを語った。
また、電子書籍の今後について「しばらくは紙と電子が共存する過渡期が続くと思う。書き手として言うと、電子書籍によって、これまでと違う新しい形のコンテンツを出せる時代になった。フォーマット統一の問題はあるが、じわじわとではなく、電子書籍ならではのコンテンツがヒットすることで、急速に市場が広がるのではないか」と話した。