全国書店新聞
             

令和2年7月15日号

粗利益改善が重要課題/日書連通常総会

日書連は6月25日、東京・千代田区の書店会館で第32回通常総会を開催した。今回は、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から出来るだけ書面議決書で出席するよう要請。書面出席は41名で、本人出席は矢幡秀治会長(東京・真光書店)、藤原直副会長(宮城・金港堂)、春井宏之副会長(愛知・正文館書店)、小野正道理事(岡山・小野書店)の4名と少人数で行った。合計出席者は45名で全会員が出席。会員の過半数となる23名を超えたため総会は成立した。矢幡会長は粗利益の改善、出版流通システムの問題、新型コロナウイルス対策を重要課題に掲げ、「会長に就任して2年目。活動の成果を示す年にする」と意気込みを語った。
総会は石井和之事務局長の司会で進行。オブザーバーとして参加した柴﨑繁副会長(東京・王様書房)の開会の辞で始まり、矢幡会長があいさつに立った。
矢幡会長は、新型コロナウイルスの書店業界への影響について「緊急事態宣言が出た時、書店は社会生活を維持する上で必要だとして休業対象に含まれなかったのは喜ばしいこと。店を開けているところは概ね好調だったようだ。前年比150%の店もあった。一方、デベロッパーの要請で休業せざるを得なかった店や、店を開けても人通りが少なく売上が減少した店もあった。店を開けても感染防止対策で従業員は大変な苦労をした」と説明した。
こうした中、日書連は4月20日付で「緊急事態宣言を受けてのお願い」と題する要望書を日本書籍出版協会、日本雑誌協会、日本出版取次協会の3団体に提出し、①マスク、消毒液などの物資支援、②報奨企画、③読書推進、④支払いへの考慮――の4点を要望したと報告。これに対し、出版社有志から取次各社を通して全国の書店にマスクが届けられたこと、全国書店再生支援財団が全国の組合加盟店舗に一律5万円の支援金の支給を決定したこと、自治体でも大阪府などが臨時休校に伴う家庭学習支援のため子どもたちに図書カードを配布する事業を行ったことを説明し、関係者に謝意を表した。
新型コロナの感染拡大を受けた巣ごもり消費の拡大と、アマゾンが出版物よりも生活必需品を優先して配送したことが追い風となり、営業を続けた多くの店舗が来店客数と売上を伸ばした。それも「ウィズ・コロナ」「アフター・コロナ」の状況下では長続きしないとの認識を示し、「1ヵ月もすれば元に戻ってしまうだろう」と懸念。「我々は来店客を大事にして、読書推進を地道にやっていくしかない。日書連としての読書推進運動はとても大切だ」と語った。
日書連が最重要課題として取り組んでいる粗利益の改善については、「難しいが、諦めることはない。これまでとは違う方法を考えたい。まず増売や報奨企画に取り組み、その先に粗利益の改善が見られればいい」と述べ、局面打開に向けて新しいアプローチを探る考えを示した。
深刻化する流通問題については、「今後、出版社、取次、書店の流通システムが変わっていくだろうが、どういうふうに変わっていくかは見えていない。書店の未来像を考えながら進めるべき。出版社と取次が勝手にシステムを変更して、書店に手数料などの負担を課すのは望ましくない」と書店を無視して進めることのないよう警鐘を鳴らし、流通システムを変更する時は書店も意見を言える場に立つべきと訴えた。
最後に、「会長に就任して2年目。活動の成果を示す年にする」と意気込みを語り、協力を求めた。(2面に矢幡会長あいさつの詳細を掲載)
議案審議は藤原副会長を議長に進行し、第1号議案の令和1年度事業報告書案、第2号議案の令和1年度財産目録、貸借対照表、損益計算書及び剰余金処分案、第3号議案の令和2年度事業計画案、第4号議案の令和2年度予算案、第5号議案の経費の賦課及び徴収方法案、第6号議案の委員会規約並びに電磁的記録等に関する規約案、第7号議案の役員の補欠選挙、第8号議案の令和2年度借入金の最高限度額案、第9号議案の令和2年度役員の報酬額案のすべての議案を原案通り可決した。
委員会からの報告では、政策委員会は、万引犯罪防止機構と連携して店頭掲示用のポスター作成や万引調書の簡素化に取り組むこと、万引に関するアンケート調査を実施することを説明した。また、新たな収益源を確保するため新規事業を研究する方針を示した。
組織委員会からは、今年4月1日現在の組合員数が3000店の大台を割り、前年より4・0%減少して2986店になったと報告があった。
指導教育委員会は、書店収益の改善に向けた取り組みを続ける一方、実現に向けた方法論については今後の定例理事会で改めて検討する方針を示した。
広報委員会からは、全国書店新聞の発行を中心とした活動を行ったことが報告された。
流通改善委員会は、毎年、雑誌発売日励行本部委員会に「雑誌発売日諸問題解決に向けた対応のお願い」と題した文書を提出していると報告した。地元書店による図書納入の推進については、図書館サポート部会を中心に取り組む。また、日本出版インフラセンター(JPO)の書誌情報ポータルサイト「BooksPRO」の普及を支援していくとした。
取引改善委員会は、北海道を中心とした返品現地処理の実現に向けた取り組みを報告した。送品・返品同日精算の完全実施に向けた取り組みも継続する。
読書推進委員会は、書店くじの活性化を図るための施策を検討するとした。また、昨年から日書連を主体とした実行委員会で運営している「本の日」キャンペーンについて報告した。
書店再生委員会は、キャッシュレス決済の利用状況について調査を実施し、その結果をもって関係各所に要望を出していきたいとの方針を示した。
委員会規約並びに電磁的記録等に関する規約については、組織委員会(中山寿賀雄委員長)が作成した両規約案を承認した。
役員の補欠選挙は選考委員による指名推薦で行い、選考委員にオブザーバーとして参加した平井久朗理事(東京・ビーブックス)、小野理事を指名。辞任届の出ていた元永剛員外監事の後任に、公正取引委員会で取引部景品表示監視室・景品表示監視官(主査)などを務め、退官後は公正取引協会客員研究員の葛西文二氏を選んだ。任期は元永氏の残任期間である来年の通常総会まで。

矢幡会長総会あいさつ

昨年6月に会長に就任してから最初に出席した会合は、7月4日に福島・郡山市で開かれた書店東北ブロック大会。その後、これまで9月、10月、12月、2月と4回、定例理事会を開催している。開催回数が少なく活動がうまくいかない面があり、発言はするけれども実行できないこともあったが、無事に1年間を終えることができた。
新型コロナウイルスについては、東京では感染者がなかなかゼロにならず、コロナと共存した生活をしていかなければならないと感じている。緊急事態宣言が出た時、書店は社会生活を維持する上で必要だとして休業対象に含まれなかった。本は人の心に残るもの、なければ心が荒むものだと分かってもらえて喜ばしく、安心した。
皆さんの状況を聞くと、店を開けているところは概ね好調だった。全国のいくつかの組合では、前年比150%になった店もあったと聞いている。ただ、デベロッパーの要請で休業せざるを得なかった店、店を開けても人通りが少なくなったため売上が減少したという厳しい話も聞いた。店を開けて好調でも、感染防止対策に追われる日々を過ごしたのではないだろうか。
こうした中、日書連は4月20日付で「緊急事態宣言を受けてのお願い」と題する要望書を日本書籍出版協会、日本雑誌協会、日本出版取次協会の3団体に提出した。具体的には、①マスク、消毒液などの物資支援、②報奨企画、③読書推進、④支払いへの考慮――の4点をお願いした。
これを受けて6月17日~19日、出版社有志から取次各社を通して皆様のところにマスクが届けられた。いくつかの出版社は報奨企画で我々を助けてくれた。全国書店再生支援財団は全国の組合加盟店舗に一律5万円の支援金を支給することを決めてくれた。
自治体でも、大阪府は学校の臨時休校に伴う家庭学習支援に係る図書カードの配布事業を実施した。大阪の各書店は、たくさんの子どもたちが書店に足を運び、図書カードで本を購入してくれたと喜んでいるという。私の店がある東京・調布市も、外出自粛生活を送る子どもたちへの食と学びの支援事業として商品券を配布した。
すべての関係者の皆さんに感謝を申し上げたい。
消費税増税やキャッシュレス化の推進など、小売業界は昨年から厳しい情勢が続いている。キャッシュレス・消費者還元事業は6月30日をもって終了するが、決済手数料への支援は今後も継続してほしい。書店だけが声をあげても中央にはなかなか届かないが、引き続き力を入れて取り組みたい。
今年度のスタートにあたって、「ウィズ・コロナ」「アフター・コロナ」と言われる中、書店に足を運ぶ人の数が減っていくのではないかと心配している。コロナ禍でアマゾンが出版物よりも生活必需品を優先して配送していたので、多くの人が書店に来てくれたが、1ヵ月もすれば元に戻ってしまうだろう。我々としては来てくれる客を大事にして、読書推進を地道にやっていくしかない。だから、日書連としての読書推進運動はとても大切だ。
粗利益の改善は難しいが、諦めることはない。これまでとは違う方法を考えたい。増売や報奨企画をまずやって、その先に粗利益の改善が見られればいいと思っている。
出版社、取次、書店の流通システムが段々と変わっていくが、どういうふうに変わって、どういう将来が描けているかは見えていない。書店の未来像を考えながら進めるべきだ。出版社と取次が勝手にシステムを変更して、我々に手数料などの負担を与えるのは望ましくない。流通システムを変更する時、我々も意見を言える場に立たせてほしい。そうすることで出版社、取次、書店の3者が「ウィン・ウィン・ウィン」になると信じている。書店を無視してシステムを変えられることのないよう努力する。
会長に就任して2年目。1年目は勉強だったが、2年目は活動の成果を示したい。皆さんにも組合運営に積極的に参加していただき、活発に運動を進めることで成果を出していきたい。先頭に立って頑張るので協力をお願いする。

ギフトブックキャンペーン/11月1日「本の日」新企画実施へ/本を贈る習慣創出めざす

日書連が主体となって運営する「本の日」実行委員会(矢幡秀治代表)は6月30日、2020年度の「本の日」キャンペーンの企画骨子を説明する出版社説明会をオンラインで開催。今回は新型コロナウイルス感染症の影響を考慮して店頭集客イベントを自粛し、「図書カードプレゼントキャンペーン」と「ギフトブック・キャンペーン」に絞って展開すると発表した。
「ギフトブック・キャンペーン」は、今回初めて行われる新しい企画。欧米などでは人々が本を贈る習慣が定着しているが、わが国では大人同士での贈答に本はほとんど使われていないのが現状。そこで、「本の日」に合わせ、お歳暮、クリスマス、年末年始のギフトシーズンに本を贈る習慣の創出を図るキャンペーンを企画したもの。「贈るもの」として、本が持つ新たな価値の発見につなげる。
経営者、文化人、作家など本好きな著名人30人のブックセレクターが「大切なあの人に贈りたい本」をそれぞれ3タイトル、計90タイトル程度を選び、選書のコメントを添えて冊子「セレクト・ギフトブック・カタログ」に掲載。書店でカタログを販売・贈呈する。カタログの受注期間は7月中旬~8月中旬。発注用のシートを各書店にFAXやメール等で配布し、専用ウェブサイト、メール、FAX等で受け付ける。小売価格は頒価100円、発行部数は30万部以上(1セット=100冊5000円)を予定している。
このほか、キャンペーン販促ツールの配布、専用ホームページやSNSでのプロモーションを行う。他業界とコラボレーションし、書店への誘客も促進する。
文化通信社・山口健社長がギフトブック・キャンペーン事務局の事務局長を務める。

「春夏秋冬本屋です」/「選書サービスの失敗」/鹿児島・楠田書店店長・楠田太平

恥を忍んで申し上げます…過去、選書サービス実施を試みてお申し込みがゼロだったことです(涙)…世間で話題に上り始めた当時、物は試しと、受付アンケートに頭を悩ませ、知識不足は揃えたブックガイドで補い、情報収集に努め、準備万端のつもりで待つこと3ヵ月…専用のメール受信フォルダは空っぽのまま、結局閉じざるを得ず力不足を痛感する結果となりました。「叶えたい夢がある」「悩みを抱えている」「未知の読書体験を求めている」――そのような方々にあの時、あの本を紹介できていたら…様々な思いが頭をよぎります。ちなみに現在のお薦めは、コーマック・マッカーシ『ザ・ロード』です。パンデミック、ディストピアと社会情勢を表すのにカタカナ語が並びますが、さらに未来へ進めて〝ポストアポカリプス〟、描かれる終末世界には心が攫われます。手に入りにくい『最後のひとり』の代わりにどうぞ。
今このときも書物の広大で深遠な世界に飛び込み、お客様のために最高の一冊を探してもがいている…現在も実施されている店舗様には頭の下がる思いです。実は私も顧客として時折利用しています。感想ですが、紹介される本10冊のうち当たりが6冊、その中に大当たりが1冊という印象です。そして私もいつかは再挑戦です。

理事定数削減の定款変更案を承認/大阪理事会

大阪府書店商業組合(面屋龍延理事長)は6月13日、大阪市北区の組合会議室で定例理事会を開催した。
庶務報告として、6月4日開催予定だった近畿ブロック会が延期になったこと、令和1年度通常総会を7月18日に開催することを報告。また、新型コロナウイルス予防対策として、出版社有志が取次各社を通して全国の書店にマスクを100枚配布したことや、大阪府教育庁から2千円の図書カード約100万枚を幼稚園・小中高校生に配布したこと、大阪府福祉部から保育施設を利用する3歳以上の児童12万3千人に2千円の図書カードを配布したことを説明した。
審議・報告事項は面屋理事長が説明を行った。日書連と全国書店再生支援財団から、各組合加盟書店に新型コロナウイルス対策支援金として1書店あたり5万円を支給することを説明。案内は各書店に直接送られており、日書連に申請してほしいと呼びかけた。総会については、定款で文書による総会開催の規定が明文化されていないこともあり、議決権行使書を使って総会を開催しても19名の出席者がなければ総会が成立しないことから従前通りの形で開催することを決めたと説明した。
続いて、各委員長から担当委員会報告と事業計画の説明が行われ、了承を得た。
定款改正委員会の冨士原委員長から、組合員の減少に伴い、理事定数について現行の「30人から35人」を「25人以上30人以内」とする削減変更案が提案され、今期総会に定款変更の議案を上程することを承認した。
また、7月1日から実施されるレジ袋の有料化について、要点や書店での価格設定例などを説明。組合のホームページに「レジ袋有料化」の告知ポスターのサンプルを掲載していることを紹介した。
(石尾義彦事務局長)

コロナ下の読書活動、一致協力して推進/大阪読書推進会総会

大阪読書推進会は6月18日、大阪市北区の朝日新聞大阪本社で総会を開催。大阪出版協会、在阪取次、書店、朝日新聞大阪本社の合わせて17名が出席した。
総会は、大阪組合・深田健治副理事長が司会を担当。戸和繁晴大阪読書推進会実行委員長(大阪組合副理事長)が「今年はコロナ禍のもとイレギュラーなことが沢山起こるかと思うが、皆様のご協力をお願いしたい」と開会の辞を述べて開始した。
大阪読書推進会の宮川健郎会長(大阪国際児童文学振興財団理事長)は、「新型コロナウイルスの影響により、子どもたちの読書生活が見直される中で、『本の帯創作コンクール(帯コン)』が行われる。今年は今までと違った意味が生まれるかもしれないと期待している。展示会や表彰式をどうするかはかなり難しい問題。皆様の力で読書生活の掘り起しになればありがたい」とあいさつした。
朝日新聞大阪本社の山崎直純編集局長補佐は、「小学校4年と2年の子どもがいるが、地元の図書館や本屋が閉まっていて非常にがっかりしていたのが印象的だった。阪神・淡路大震災のときと同じように生活のハード面が壊される中、図書館や本屋が再開することで生きる喜びを子どもたちが感じていると思う。自宅待機中はじっくり本を読めた時期だったので、帯コンをより発展していければ良いと思っている。弊社もバックアップ体制を整えたい」とあいさつした。
大阪出版協会の矢部敬一理事長(創元社社長)は、6月に役員人事の異動があり、理事長として初めてのあいさつだと述べて、「私の会社でもテレワークを実施することになり、4月はパソコンを増やしたりバタバタしていた。その中で良かったことは『本は生活の必需品である』という声が世の中に湧き起こったこと。まだまだ厳しい状況が続くが、子どもたちが本を読むことができる環境を作りたい」と話した。
続いて出席者の自己紹介が行われた後、事業報告・事業計画・会計報告・収支予算案を審議し、承認された。
閉会にあたり、面屋龍延副会長(大阪組合理事長)があいさつ。「コロナ禍で書店業界は休業指定業種とはならなかった。食料品と同じく人間が生きていくためのライフラインとして社会で必要な分野であると認知された。困難の中、店を開けた書店の売上はだいたい対前年比150%以上となった。大型店は店を開けたところも開けなかったところもあるが、大勢のお客様がほぼ毎日のようにレジに苦情もなく並んだという。読みたい本は児童書と学習参考書で、おおよそ前年の倍以上売れたということだ。大阪府は約100万人の幼稚園・小中高校生と、3歳以上の保育児12万3千人に、1人2千円の図書カードを贈った。子どもの読書推進運動に大きな効果をもたらすと思っている。コロナの第2波、第3波の襲来が予想される中、今後の読書運動の見通しもそれに左右されるが、宮川会長の指導のもと、共催の朝日新聞大阪本社と協力しながら成功させたい」と述べた。
(石尾義彦事務局長)

「本の日」の新企画を検討/大塚理事長「コロナ後の環境変化を注視」/山梨総会

山梨県書店商業組合は6月10日、甲府市の「きよ春」で第32回通常総会を開き、組合員21名(委任状含む)が出席した。
総会は渡辺卓史専務理事(卓示書店)の司会で始まり、冒頭で大塚茂理事長(柳正堂書店)があいさつ。今回、総会を電磁的方法や書面議決で行うことができるよう定款には定めていないため、新型コロナウイルスの感染に充分注意して総会を開催することになったと説明して、「緊急事態宣言下で、図書館の休館や大型商業施設内の書店の休業等により、一部の組合加盟書店においては前年同月比で売上が増えたとの報告もあるが、あくまでも一時的な状況だと考えた方が良いと思う。今後、書店業界を取り巻く環境がどのように変化していくのか注視し、対応策を考える必要があるのではないか」と述べた。
また、日書連読書推進活動補助費を活用した事業について説明。「書店と図書館が連携して読者が知の回遊を行うスタンプラリー『やま読ラリー』は、2019年度も好評を博した。一方で20年度は新型コロナウイルス感染防止のため、残念ながら中止が決定した」と報告し、今年度は新たな読書推進活動として11月1日「本の日」に向けた新規企画を検討していくことを確認したと述べた。
続いて、大塚理事長を議長に選出して議案審議を行い、19年度事業報告・収支決算、20年度事業報告案・収支予算案など、すべての議案を原案通り承認可決した。
出席した組合員からは、レジ袋有料化に伴いお客様がレジ袋を購入しない場合、会計済み商品であることを証明するためのしおりを作成した事例や、山梨県内で初めて「御書印プロジェクト」の御書印店に登録した事例について、それぞれ現物を持参して紹介が行われた。
(事務局・萩原清仁)

コロナによる経済不況への対応、「組合通して問題提起を」/長野総会で柳澤理事長

長野県書店商業組合は6月11日、千曲市の上山田温泉・総合観光会館で第36期通常総会を開催し、組合員53名(委任状含む)が出席した。
総会は前澤芳美理事(前澤書店)の司会で進行し、冒頭で柳澤輝久理事長(西澤書店)があいさつ。「新型コロナウイルスによる経済的な影響が続いており、昨年における台風19号の被害、10月の消費税増税、それに伴うキャッシュレス決済の増加など、大変な1年間だった。今年もこの経済不況の影響がまだ続くと思われる。このような事態に対応していくため、1人で考えるのでなく組合を通じて問題提起してもらい、組合、日書連、出版業界で考え解決していくのが良いと考えている」と述べた。
続いて平林幹夫副理事長(平林堂書店)を議長に第35期事業報告、決算報告、第36期事業計画案、予算案などの審議を行い、決算報告及び予算案関係を除き、原案通り承認可決した。決算報告及び予算案関係については、後日理事会に再上程の上審議し、結果を組合員に書面にて報告することで承認された。
議事終了後、奈良井功副理事長(興文堂)の閉会の辞により総会を終了した。
今年は役員改選がなく、新型コロナウイルス感染拡大防止のため来賓は招待せず、組合員のみの簡素な総会となった。
(矢崎正典広報委員)

ABC発行社レポート2019年下半期雑誌販売部数

日本ABC協会は2019年下半期(7月~12月)雑誌発行社レポートを発表した。今回掲載したのは37社129誌。各雑誌部数の前年同期比の平均(既存誌ベース)は、週刊誌93・69%、月刊誌91・73%、合計92・20%となった。報告誌の状況は、宝島社『素敵なあの人』が今期から掲載。交通タイムス社『CARトップ』が報告を再開。KADOKAWA『KyushuWalker』『TokyoWalker』『YOKOHAMAWalker』は休刊した。雑誌ジャンル・カテゴリ区分では、講談社『げんき』が「マタニティ・育児誌」から「子供誌」に、マガジンハウス『クウネル』が「ナチュラルライフ誌」から「女性ミドルエイジ誌」に変更になった。
一般週刊誌のトップは『週刊文春』の28万1243部で前年同期比10・4%減となった。『週刊現代』は同5・4%減の20万1962部、『週刊新潮』は同12・3%減の18万7484部、『週刊ポスト』は同5・2%減の18万5449部といずれも落ち込んだ。新聞社系では、『週刊朝日』は同10・7%減の6万4881部、『サンデー毎日』は同11・5%減の3万922部だった。
ビジネス・マネー誌は、『週刊ダイヤモンド』が同4・7%減の7万47部、『週刊東洋経済』は同6・2%減の4万9931部、『日経ビジネス』は同4・8%減の16万2205部と減退したが、『プレジデント』は13万4284部と前年同期の水準をキープした。
女性週刊誌は、『女性セブン』が同6・2%減の18万7634部、『女性自身』が同2・1%減の18万3283部、『週刊女性』が同7・0%減の9万1998部とそれぞれ部数を落とした。
女性月刊誌は、シニア誌の『ハルメク』が同41・3%増の30万4604部と好調を持続。ヤングアダルト誌の『リンネル』は同22・6%増の19万9670部で3期連続の増加になった。

5月期販売額は1・9%増/『鬼滅の刃』新刊発売、コミックスは大幅増/出版科研調べ

出版科学研究所調べの5月期の書籍雑誌推定販売金額(本体価格)は前年同月比1・9%増となった。
内訳は、書籍が同9・1%増、雑誌は同5・7%減。雑誌の内訳は月刊誌が同1・5%減、週刊誌が同22・0%減。書籍は前月、同21・0%減と大幅減だったが、当月は返品が激減し、一転してプラスとなった。返品減の要因は、販売状況が大きく改善したわけではなく、5月25日に緊急事態宣言が解除されるまで休業店が多かったことや学校休校の影響もあって5月期にテキストなど学校採用品の返品が行われていないことが挙げられる。雑誌は発売延期・中止が多かったことで定期誌の発行が約2割落ち込んだが、コミックスが大幅に増加したため、減少幅は抑えられた。5月13日に『鬼滅の刃』(集英社)第20巻が初版280万部(特装版含む)で刊行となり、爆発的に売れたことで底上げとなった。
書店店頭の売上げは、書籍が約2%減少したものの2月期以降、学参、児童書の好調が継続。学参は約10%増で、引き続き小学生向けドリルが売れている。ゲーム攻略本は大人気ゲーム「あつまれどうぶつの森」の攻略本が売れて、約100%増と倍増した。
雑誌の売上げは、定期誌が約8%減、ムックが約15%減、コミックスが約50%増。コミックスは『鬼滅の刃』の最新刊とともに既刊全巻やファンブックも爆発的に売れて、5割増となった。最終話を掲載した5月18日発売の「週刊少年ジャンプ」(集英社)も完売するなど、社会現象と言える売れ行きとなっている。

連結決算は黒字転換/取次事業、3年連続営業赤字/日販GHD

日販グループホールディングス(日販GHD)は6月26日、2019年度(19年4月1日~20年3月31日)決算を発表した。日販グループ(連結子会社27社)の売上高は5159億2200万円(前年比5・5%減)。コミックスの増収が牽引するも、雑誌・書籍の店頭販売の落ち込みにより減収となった。営業利益は、グループ全体で固定費の削減に取り組んだ結果、24億7400万円(同141・0%増)。経常利益は24億4100万円(同125・2%増)となった。親会社株主に帰属する当期純利益は7億8100万円と黒字転換した(前年度は2億900万円の赤字)。
日販グループは19年10月1日に日販GHDを親会社とした持ち株会社体制に移行。グループにおける取次事業、特に日本出版販売(日販)の営業赤字が続く一方で、それ以外の事業すべてが黒字となった。「独立と連携」をキーワードに、グループ各社がそれぞれ事業を拡大し、利益を生み出した。
取次事業は売上高4758億1500万円(同5・7%減)、営業損失3400万円(前年度は3億4000万円の損失)、経常利益2億5300万円(同22・4%減)だった。日販は、BOOKの大幅減収や運賃効率の悪化に対し、固定費の削減や荷造費の圧縮を図ったことに加え、事業再編に伴う親会社との経費精算など特殊要因があり、営業赤字幅を削減した。MPDは、BOOKに加えてゲーム、セル、レンタルでも減収となったが、文具雑貨の取引店舗数拡大による増収に加え、拠点再編等の固定費削減により増益となった。
小売事業は売上高610億1500万円(同2・6%減)、営業利益1700万円と黒字転換(前年度は1800万円の損失)、経常利益5000万円(同234・2%増)。不採算店舗の撤退、本部機能の効率化や賃料等の管理費を削減したことが奏功して黒字化した。グループ書店の新規出店は5店舗、閉店は17店舗で、20年3月末時点の店舗数は250店舗となった。
海外事業は売上高68億5500万円(同9・3%増)、営業利益2億1200万円(同32・4%増)、経常利益2億2300万円(同33・9%増)。日販アイ・ピー・エスは海外駐在員向け生活支援サービス「CLUBJAPAN」が新規顧客の獲得により売上げを堅調に伸ばした。
雑貨事業は売上高19億3300万円(同7・8%増)、営業利益800万円(前年度は5200万円の損失)、経常利益1億1300万円(同22・3%減)。ダルトンは3店舗を新規出店し、店舗数はリアル店舗10店、オンライン店舗1店の計11店舗となった。
コンテンツ事業は売上高17億3000万円(同22・5%増)、営業利益5億1300万円(同11・2%増)、経常利益5億1200万円(同5・3%増)。ファンギルドはすべての漫画レーベルが増収となり好調。アジアを中心とした海外販売の売上も伸長した。
エンタメ事業は売上高17億4000万円(同8・7%増)、営業利益6100万円(同204・1%増)、経常利益6100万円(同184・5%増)。検定は新規に7件を立ち上げ、年間49件を運営した。イベントは「ねこ検定」から派生した「にゃんぱく」に約8000名、「文具女子博2019」に3万8000名が来場した。
不動産事業は売上高29億4700万円(同12・7%増)、営業利益11億6900万円(同7・1%増)、経常利益11億2500万円(同5・0%増)。新お茶の水ビルディングは現在満床。蓮田ロジスティクスは倉庫事業から借地事業へ転換したことで増収増益となった。
その他の事業は売上高53億400万円(同24・2%増)、営業利益1億600万円(同345・5%増)、経常利益5億3400万円、5億900万円の増益となった。なお、持株会社体制移行に伴い、従来取次事業に含めていた受取配当金、金融収支については、19年度よりその他の事業へ区分を変更している。
日本出版販売は19年10月1日に持ち株会社体制に移行し、日販GHDに商号変更している。新設した完全子会社である日販は、19年10月1日~20年3月31日の下半期のみの成績を開示した。売上高2136億7400万円、営業利益7200万円の赤字、経常利益4400万円、当期純利益2億8800万円だった。
また、参考資料として管理会計ベースで通期(19年4月1日~20年3月31日)の成績を開示した。売上高4139億3100万円、営業利益2億5300万円の赤字、経常利益4100万円の赤字だった。日販の取次事業は3億1400万円の営業赤字で、これで3期連続の営業赤字となった。事業再編に伴う親会社との経費精算など特殊要因があったため、その分を差し引くと、実態としての赤字幅は前年より拡大している。
【奥村社長/流通コスト削減が急務/物流量減少も輸送運賃下がらず】
日本出版販売の奥村景二社長は決算発表の席上、出版流通改革の取り組みについて説明した。概要は以下の通り。
出版業界は雑誌の低迷、書店の廃業、デジタル配信市場の伸長を背景に、ここ20年間の出版販売金額が約半分まで縮小。物流量の減少が輸配送効率の悪化の形で打撃となり、出版流通はすでに崩壊状態となっている。
運送会社からは運賃の値上げ要請が相次いでいる。14年度から18年度までの5年間で約20億円上昇しているが、19年度は1年で約12億円増加した。運賃値上げによる負担は非常に重く、取次事業は3期連続の赤字となった。値上げ要請は現在も続き、20年度も値上げせざるを得ない状況となっている。
物流量の減少は運賃契約形態にも影響を及ぼしている。従量制の運賃では運送会社の採算が合わないため、物流量に連動しない運賃契約の割合が増加している。物流量に連動して下がらない固定運賃は、15年度は32%だったが、19年度は50%となっている。固定運賃の割合増加が、物流量の減少がそのまま運賃の減少に直結しないことの主な要因となっている。
支払い運賃の総額は00年度から毎年下がっていたが、14年度以降は130億円程度で横ばいで推移している。配送効率を示す1冊当たりの運賃は14年度と比較すると1・6倍の13・7円に増加している。今後も物流量は減少し、1冊当たりの運賃は上昇すると予測している。
運賃問題は即座に解決しなければならない課題。日販の自助努力として固定費削減に取り組むとともに、取引先の出版社と仕入れ条件の見直しや物流コストの一部負担に関する条件協議を行っている。高騰する労働コストを削減するため、同業他社であるトーハンとの物流協業も進めている。
今後も物流コストはさらに上昇することが予測される。出版業界全体の共通課題であることを理解していただき、業界3者で抜本的な問題解決に取り組む必要がある。日販が出版流通改革で目指すのは、業界3者のビジネスが成立し、出版物を全国へ流通し続けられる状態にすることだ。
持続可能な出版流通体制の構築のため、サプライチェーンの効率化による流通コスト削減は重要なテーマ。「製造・販売起点」から、業界全体の効率を重視した「流通起点」のサプライチェーンにシフトすることが必要だ。
物流量が減少しても、比例して運賃が減少し続けるわけではない。そのため、配送頻度を削減し、荷物をまとめて送ることがコスト抑制につながる。休配日を増やす方向で協議を進めている。
出版社から取次への搬入~店着までのリードタイムに余裕を持たせるよう改善を進めている。店着日時の制約が厳密であるほど、人件費の高騰、配送効率の悪化、アイドルタイムの発生を招き、運賃高騰へと直結する。出版社からの搬入日の前倒し、店着時間指定のさらなる緩和といった、業界全体の協力が不可欠だ。
配送頻度の削減は、業量の平準化とセットで推進していく必要がある。1日あたりの点数でいうと平準化が進んでいるが、冊数ではまだ業量に大きな偏りが発生している。JPROの登録データをもとに業量の平準化を推進していきたい。
ビジネスとして成立する取引構造に作り変えることも必要。まずコストの主体を明確にし、業界3者がコストの負担配分や新たな仕組み、ルールについて協議しなければならない。
当たり前だったはずの出版物の安定供給・安定配送は、今や当たり前ではなくなっている。既存の仕組みとルールのままでは未来を描くことはできない。出版物を作り、届け、売り続けることを未来でも当たり前にするために、業界3者が一体となって出版流通改革を推進していきたい。

新社長に川村興市氏/楽天ブックスネットワーク

楽天ブックスネットワークは6月26日、川村興市専務取締役を代表取締役にする役員体制の変更を決めた。服部達也代表取締役社長は取締役に就いた。
川村氏は日本電気、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、06年MPD常務取締役、16年楽天入社、同年大阪屋栗田取締役、18年同社専務取締役。
新役員体制は次の通り。〇印は新任、◎印は昇任
代表取締役社長営業本部管掌・MD本部管掌・流通本部管掌◎川村興市
取締役笠原和彦
同事業開発本部管掌・事業開発本部長・リーディングスタイル㈱管掌
服部達也
同管理本部管掌・管理本部長平野真一郎
同構造改革推進本部管掌・構造改革推進本部長
〇田中宏樹
社外取締役(KADOKAWA)関谷幸一
同(小学館)佐藤隆哉
監査役(楽天)高橋洋
同(講談社)吉富伸享
同(集英社)林秀明
同(大日本印刷)
〇江戸將司
相談役(講談社)森武文
同(集英社)廣野眞一
同(小学館)山岸博
本部長流通本部長
竹中繁輝
同MD本部長
鵜飼美樹
同営業本部長
森岡忠弘
取締役の金田徴氏、監査役の辻村浩司氏は退任した。

ポイント交換サービス「ドットマネー」/図書カードネットギフトとの交換を開始

ポイントプラットフォーム事業を行うドットマネー(本社=東京都渋谷区)は、ポイント交換サービス「ドットマネー」の新たなポイント交換先として図書カードネットギフトを採用。6月26日から図書カードネットギフトへのポイント交換を開始した。
「ドットマネー」は、様々なジャンルのポイントをまとめて現金やマイル、ギフト券などに手数料無料で交換することができるサービス。ポイント交換先として図書カードネットギフトが加わることで、ユーザーは手持ちの様々なポイントを交換して、全国の図書カードNEXT加盟書店や一部オンライン書店で書籍や雑誌を購入することが可能になる。

第22回図書館総合展、オンライン開催に変更

図書館総合展運営委員会は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため「第22回図書館総合展」をオンラインで開催すると発表した。
会期は11月1日から30日まで。コアタイムは11月4日、5日、6日の午前9時~午後6時で、他に何日か特別日を設定するとしている。図書館総合展公式ウェブサイト(https://www.libraryfair.jp/)に特設ページを設ける。会期中に行われるウェブイベント(講演録画公開・会議・LIVEイベント、チャット等)、ウェブ展示(展示・配布・販売等)をもって今回の開催とする。
従来の招待券を、タブロイド判8ページ(予定)に内容とともに拡大し、「これまで来場していなかった層、来られなかった層」に訴える。送付先も館種・部局等を拡大する。また、SNS上・メルマガでの企画紹介を拡大する。
参加者は、公式ウェブサイト内を自由に閲覧できるが、総合展アカウントのログイン前後で見られるコンテンツに違いがある。参加者には、事前及び事後に「図書館総合展参加証明書」を発行する。またウェブイベントは、事前申込みが必要なものがある。

八木詠美氏の「空芯手帳」/太宰治賞

筑摩書房と東京・三鷹市が共催する第36回太宰治賞は、八木詠美氏の「空芯手帳」に決定した。
今回は、応募作品1440篇の中から4篇を最終候補作とし、荒川洋治、奥泉光、中島京子、津村記久子各選考委員による選考の結果、受賞作を決定した。選考は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を鑑み、書面でのやり取りで行われた。6月に予定していた贈呈式は中止となった。
また、受賞作及び最終候補3作品と選考委員の選評などを収録した『太宰治賞2020』が、筑摩書房から刊行された。

図書カード発行高5・6%減/創立60周年企画を年末年始に実施へ/日本図書普及

日本図書普及は6月30日開催の定時株主総会に先立ち、6月15日に東京・新宿区の本社で記者会見を行い、第60期(平成31年4月1日~令和2年3月31日)の決算概況を発表した。
図書カードNEXTの発行高は前年比5・6%減の375億4200万円となった。内訳は、「一般カード」が同5・7%減の362億800万円、「広告(オリジナルカード)」が同4・9%減の13億3400万円。回収高は同5・9%減の379億7700万円。種類別の内訳は、図書カードNEXTが332億3000万円(占有率87・5%)で、磁気の図書カードは44億100万円(同11・6%)、図書券は3億4600万円(同0・9%)だった。
加盟店は前期末対比190店減の5655店。読取端末機設置店数は同410店減の7973店、設置台数は同278台減の1万1277台となった。
損益については、発行高の減少に伴う製作・流通コストの減少や、読取端末機の減価償却費の減少により、販売費及び一般管理費は1億1400万円少ない22億4000万円となり、営業損失も22億2400万円と減少した。また、1億8100万円の有価証券売却益を計上し営業外収益が1億5400万円増えたため、経常損失は2億6800万円縮小した。しかし未回収収益の2億200万円減少があり、税引後当期純利益は12%増の5億2400万円となった。
今期は、図書カードNEXTの新デザイン(10種類)を6月1日から発売。新型コロナウイルス感染拡大による巣ごもり生活の中で図書カードNEXTのウェブ決済利用の充実を図る。創立60周年企画を年末・年始シーズンに向けて実施する予定としている。
記者会見で平井茂社長は、大阪府が幼稚園・小中高校の児童生徒など約100万人に2千円の図書カードを配布したことを説明。同様の動きが全国に波及し、約30の市町村から問い合わせがあると述べた。
役員人事では、矢幡秀治氏(日書連会長)を取締役に選任。監査役に黒柳光雄氏(日本図書普及)、鹿谷史明氏(ダイヤモンド社)、服部達也氏(楽天ブックスネットワーク)、春井宏之氏(日書連副会長)を選任した。舩坂良雄取締役(日書連前会長)と西村俊男監査役(日書連前副会長)は退任した。

書協新理事長に小野寺優氏(河出書房新社)

日本書籍出版協会は6月23日、東京・千代田区の出版クラブビルで2020年度定時総会を開催し、事業・決算報告、事業計画・予算などすべての議案を原案通り承認した。
続いて開かれた臨時理事会で役員改選を行い、新理事長に小野寺優常任理事(河出書房新社)が就任した。相賀昌宏理事長(小学館)は副理事長に就いた。野間省伸常任理事(講談社)、山本憲央常任理事(中央経済社ホールディングス)は副理事長に新任した。また、中町英樹専務理事は退任し、樋口清一事務局長が専務理事兼任となった。
[書協新役員体制]
○印は新任
▽理事長=○小野寺優(河出書房新社)
▽副理事長=井村寿人(勁草書房)、○野間省伸(講談社)、相賀昌宏(小学館)、○山本憲央(中央経済社ホールディングス)、成瀬雅人(原書房)
▽常任理事=金原優(医学書院)、斎藤健司(金の星社)、○南條光章(共立出版)、○富永靖弘(新星出版社)、佐藤隆信(新潮社)、○黒田拓也(東京大学出版会)、○岡本功(ひかりのくに)、○千葉均(ポプラ社)、杉田啓三(ミネルヴァ書房)、○江草貞治(有斐閣)
▽専務理事=○樋口清一(事務局長)
▽理事=村上和夫(オーム社)、曽根良介(化学同人)、○筑紫和男(建帛社)、小峰広一郎(小峰書店)、○鶴巻謙介(サンクチュアリ・パブリッシング)、北口克彦(三省堂)、○太田泰弘(晶文社)、○佐藤諭史(新興出版社啓林館)、矢部敬一(創元社)、佐藤歩武(大学書林)、鈴木一行(大修館書店)、喜入冬子(筑摩書房)、梅澤俊彦(日本医事新報社)、清水卓智(PHP研究所)、佐藤潤一(福音館書店)、○下中美都(平凡社)、内田真介(ペレ出版)、○池田和博(丸善出版)
▽監事=安部英行(学事出版)、風間敬子(風間書房)、飯塚尚彦(産業図書)、○中部嘉人(文藝春秋)、室中道雄(公認会計士)

「王子まつり」中止に/日販

日販は、毎年夏に開催している懇親イベント「王子まつり」を中止すると発表した。新型コロナウイルスへの予防対策を行った上での開催を検討していたが、完全に収束していない状況を勘案し、開催を断念した。

「大好きな本絵画コンテスト」入賞作品80点を決定/神奈川県読書推進会

神奈川県書店商業組合(松信裕理事長)は6月18日、今年で第14回を迎える「大好きな本絵画コンテスト」(神奈川県読書推進会主催、神奈川県書店商業組合・神奈川新聞社後援)の審査を横浜市中区の神奈川新聞本社で開催した。
同コンテストは例年審査を5月、表彰式を6月に行っていたが、今年度は新型コロナウイルス感染症の影響で審査が1ヵ月遅れとなった。県内の幼稚園・保育園から合計804点の作品が応募され、神奈川県生涯学習課主幹の尾上夏子氏、サンヨーワークスの奥川正治氏、神奈川組合からは山本裕一副理事長他2名の計5名で審査にあたった。応募作品はいずれ劣らぬ力作・秀作揃いで甲乙付け難く、表彰作品の選出は大変な苦労を要したが、神奈川新聞社とも協議の末、読書推進会賞・書店商業組合賞・神奈川新聞社賞・全国共済賞・サクラクレパス賞等の各表彰作品として80作品を選出した。
表彰式は10月を予定しているが、例年表彰式には、おじいちゃん・おばあちゃんを含めた受賞者の家族や幼稚園・保育園関係者等の来訪も見込まれ、式場が密の状態になるため、今後の新型コロナウイルスの感染状態を注視しつつ判断することとした。
(山本雅之広報委員)

西日本地区書店楽結会、「納涼会」を中止

西日本地区書店楽結会(髙坂喜一幹事長)は、新型コロナウイルス感染の影響を鑑み、8月20日に開催を予定していた西日本地区「書店楽結会納涼会」を中止することを決めた。”