全国書店新聞
             

平成25年7月1日号

村上春樹新刊がトップ/2013年上半期ベストセラー

トーハン、日販は発表した2013年上半期(12年12月~13年5月)ベストセラーを発表。総合ランキング1位はともに村上春樹著『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(文藝春秋)が獲得した。
〔トーハン調べ〕
①色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年(文藝春秋)②聞く力心をひらく35のヒント(文藝春秋)③医者に殺されない47の心得(アスコム)④とびだせどうぶつの森かんぺきガイドブック(エンターブレイン発行/角川グループホールディングス発売)⑤海賊とよばれた男(上・下)(講談社)⑥できる大人のモノの言い方大全(青春出版社)⑦とびだせどうぶつの森ザ・コンプリートガイド(アスキー・メディアワークス発行/角川グループホールディングス発売)⑧置かれた場所で咲きなさい(幻冬舎)⑨謎解きはディナーのあとで(3)(小学館)⑩とびだせどうぶつの森超完全カタログ(アンビット発行/徳間書店発売)⑪スタンフォードの自分を変える教室(大和書房)⑫世界のなめこ図鑑(通常版)/続・世界のなめこ図鑑(ブックマークつき)(エンターブレイン発行/角川グループホールディングス発売)⑬夢をかなえるゾウ(2)ガネーシャと貧乏神(飛鳥新社)⑭別れる力大人の流儀(3)(講談社)⑮とびだせどうぶつの森(小学館)⑯未来の法新たなる地球世紀へ(幸福の科学出版)⑰世界から猫が消えたなら(マガジンハウス)⑱雑談力が上がる話し方30秒でうちとける会話のルール(ダイヤモンド社)⑲間抜けの構造(新潮社)⑳あたしンち(18)(メディアファクトリー)
〔日販調べ〕
①色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年(文藝春秋)②聞く力心をひらく35のヒント(文藝春秋)③とびだせどうぶつの森かんぺきガイドブック(エンターブレイン発行/角川グループホールディングス発売)④医者に殺されない47の心得医療と薬を遠ざけて、元気に、長生きする方法(アスコム)⑤できる大人のモノの言い方大全(青春出版社)⑥謎解きはディナーのあとで(3)(小学館)⑦世界のなめこ図鑑(通常版)/続・世界のなめこ図鑑(ブックマークつき)(エンターブレイン発行/角川グループホールディングス発売)⑧とびだせどうぶつの森ザ・コンプリートガイド(アスキー・メディアワークス発行/角川グループホールディングス発売)⑨スタンフォードの自分を変える教室(大和書房)⑩海賊とよばれた男(上・下)(講談社)⑪置かれた場所で咲きなさい(幻冬舎)⑫とびだせどうぶつの森超完全カタログ(アンビット発行/徳間書店発売)⑬夢をかなえるゾウ(2)ガネーシャと貧乏神(飛鳥新社)⑭別れる力大人の流儀(3)(講談社)⑮任天堂公式ガイドブックとびだせどうぶつの森(小学館)⑯雑談力が上がる話し方30秒でうちとける会話のルール(ダイヤモンド社)⑰「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方(サンマーク出版)⑱間抜けの構造(新潮社)⑲世界から猫が消えたなら(マガジンハウス)⑳未来の法新たなる地球世紀へ(幸福の科学出版)

武雄市図書館問題などを報告/佐賀理事会

佐賀県書店商業組合は5月21日午後2時より、佐賀市のアバンセで理事会を開催した。
高田悟副理事長の開会に続いて、岩永藤房理事長は「新学期の後、書店の店頭も閑散としており、諸々思案してもこれといった有効な方策が見つからない。武雄市図書館のカルチュア・コンビニエンス・クラブへの指定管理者委託に関しては、日書連の理事の方々も大きな関心を持っている」とあいさつした。
報告事項では、同日精算問題の最近の動向や、九州雑誌センターの総会と決算内容、日書連実用書増売企画、武雄市図書館の開館後の状況などの報告があった。武雄市図書館については、「これから多くの自治体へ拡大していく懸念がある。4月の開館以来、図書館周辺の道路は混雑し、広域から多くの人々が訪れている様子だ。樋渡啓祐武雄市長には同図書館の拡張や時間延長の考えもあるそうで、地元書店は更に売上ダウンは必至と警戒している。樋渡市長はこれまで反対意見には烈しく反発しており、地元書店ではマスコミの取材にも市側を刺激しないよう、自制している」と報告があった。
協議事項では、組合事務所の移転、消費税軽減税率署名の協力要請や、佐賀大学「佐賀ブックレット」のシリーズ発刊を紹介したほか、次年度の収支予算案で緊縮予算になることを説明。また、次の理事会を移動理事会として6月29日開催、通常総会を佐賀市・朝風で7月27日に開催することを決定した。
(古賀嘉人広報委員)

移動理事会での武雄市図書館見学を企画/鹿児島理事会

鹿児島県書店商業組合は5月24日、鹿児島書籍会議室で第2回理事会を開催。
始めに楠田哲久理事長が日書連報告を兼ねてあいさつし、「大変厳しい業界の中で、組合員に少しでも有益な情報を提供できるようアンテナをいっぱいに広げて情報収集したい」と話した。
事務局の庶務報告の後、各委員会報告があり、黒木総務委員長が、6月の理事会を自費による移動理事会とし、武雄市図書館と九州雑誌センターを見学したいと提案して了承された。また高尾情報化推進委員長は、7月に開催する日書連全国情報化推進会議に出席することを説明したほか、リニューアルした組合ホームページの改善運用に当たりたいと述べた。
(和田豊広報委員)

委員会編成を決定/東京組合

東京都書店商業組合は6月4日午後2時半から書店会館で、舩坂良雄理事長体制になってから初の定例理事会を開催、各委員会の編成を決定した。
委員会編成は、総務・財務委員会以外の8委員会をA・B・C・Dの4グループに分けるグループ制をとっており、副理事長が各グループ内委員会を担当。舩坂理事長が担当していたDグループを本間副理事長が担当する。また書店再生委員会を特別委員会として、担当を舩坂理事長、委員長を片岡副理事長が務める。
日書連の第2回実用書増売企画は、支部別の参加目標店数を決定、東京組合として120店を目標に参加を働きかけることにした。
〔東京組合各委員長〕
▽総務・財務=舩坂良雄理事長
▽Aグループ(担当=小泉忠男副理事長)組織=田島敏幸常務理事、指導・調査=小林洋常務理事
▽Bグループ(担当=柴﨑繁副理事長)取引・流通改善=渋谷眞常務理事、デジタル戦略推進=岩瀬且敏常務理事
▽Cグループ(担当=片岡隆副理事長)厚生=越石武史常務理事、再販・発売日・倫理=梅木秀孝常務理事
▽Dグループ(担当=本間守世副理事長)事業・読書推進=永井博理事、共同受注=安藤弘理事
▽特別委員会(担当=舩坂良雄理事長)書店再生=片岡隆副理事長

5月期は3・1%減/文芸書2ヵ月連続で2桁増/日販調べ

日販営業推進室調べの5月期書店分類別売上調査は、対前年売上増加率が3・1%減と先月を0・1ポイント下回った。
雑誌は全体で2・3%減と先月を0・3ポイント上回った。週刊誌は3・4%減で、先月の0・5%増から一転してマイナスに。分冊百科が2点創刊されたが、前年は4点の創刊で売上も良好だったため。コミックは1・0%減。前年は『ONEPIECE66』(集英社)など有力銘柄が売上を牽引。今月はメディア化銘柄が売上好調を維持したが、前年には届かなかった。
書籍は全体で4・1%減と先月を0・7ポイント下回った。文芸書は村上春樹著『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(文藝春秋)が売上好調をキープしたほか、『暦物語』『海賊とよばれた男』(ともに講談社)が好調で、16・5%増と2ヵ月連続の2桁伸長になった。

『水木しげる大全集』など新刊企画を説明/講談社

講談社は5月30日、東京・文京区の本社で報道関係者を対象に「2013年初夏新刊書籍説明会」を開催した。
始めに野間省伸社長が「百田尚樹さんの『海賊とよばれた男』が現在127万部まで、文庫の『永遠の0』が240万部となっている。コミックも『進撃の巨人』が10巻までで2千万部に達する勢いと、景気のいい話が多少出てきた。この後編集者がプレゼンテーションをするが、これらを超えるような作品が出てきてくれればと思っている」とあいさつした。
企画説明では、各編集局の書籍担当者がプレゼンテーションを行った。『ゲゲゲの鬼太郎TVアニメDVDマガジン』は、ファンの間で人気の高い第1期と第2期の全110話を完全収録し、全27巻で刊行予定。『水木しげる漫画大全集』は京極夏彦氏監修のもと第1期33巻を刊行。作品を出版社別の発表順に編集し、単行本収録時に改変されたセリフ等も初出時に戻した決定版となっている。また、『オメガ警察庁諜報課』の著者・濱嘉之氏が自著を紹介したほか、『もっとスゴイ!大人のラジオ体操決定版』の著者・中村格子氏が登壇し、ラジオ体操第2で間違えやすいポイントを解説した。

21日から雑誌愛読月間/定期購読キャンペーン実施

今年も雑誌愛読月間(7月21日~8月20日)が始まる。
7月1日から最大9月末まで実施される年間定期購読キャンペーン(雑協、日書連、取協共催)では、期間中、雑協加盟出版社50社126誌の年間定期購読を申し込んだ読者は1ヵ月分割引になり、参加書店には予約実績に応じて出版社から割戻還元する。

受賞

◆向田邦子賞
優れたテレビドラマの脚本家を表彰する第31回向田邦子賞(向田邦子賞委員会、東京ニュース通信社主催)の贈賞式が5月28日、東京・千代田区の帝国ホテルで開かれた。
受賞したのは、「はつ恋」(NHK総合)、「ドクターX~外科医・大門未知子~」(テレビ朝日)を書いた中園ミホ氏。
中園氏は「学生時代から向田さんのファンで、脚本家を目指した。向田さんは私にとって特別な作家で、この賞も特別な賞。欲しくてたまらなかった」と喜びを語った。中園氏と親交がある秋元康氏は「温かい客観性の持ち主。良い所も悪い所もすべて見通した上で付き合いをする人。だから素敵なドラマをいくつも書くことができる」と祝福の言葉を述べた。
◆大学読書人大賞
全国の大学文芸サークルが、大学生に読んでほしい本を評論と議論によって選ぶ「2013大学読書人大賞」(「大学読書人大賞」実行委員会、出版文化産業振興財団=JPIC主催)の贈賞式が6月7日、東京・新宿区の日本出版クラブ会館で行われた。
今回大賞を受賞したのは、野尻抱介著『南極点のピアピア動画』(ハヤカワ文庫JA)。贈賞式には大学生140名が参加し、JPICの矢作孝志専務から、最終候補作品の討論会に参加した6名の学生に賞状と図書カードを贈呈。続いて早稲田大学の森本珠央実行委員長から野尻氏に賞状と記念品の学帽が贈られた。野尻氏は受賞あいさつで、「前途洋洋たる学生さんばかりが集まっているという風景は圧巻で、本当に素晴らしい」と語った。

出版社説明会に2百社/書店大商談会、10月9日開催

今秋10月9日に開催される第4回「書店大商談会」の出版社説明会が、6月10日に東京・新宿区の日本出版会館で行われ、約200社が出席した。
冒頭で「書店大商談会」実行委員会の奥村弘志実行委員長(南天堂書房)は「過去の経験を生かし、出展する出版社と来場する書店がお互いにメリットのある商談会にしたい。皆さんのご協力を得ながら、我々も一生懸命努力していく」とあいさつした。
「書店大商談会」は10月9日午前10時~午後6時、前回と同じ東京・新宿区のベルサール新宿グランドホールで開催。出展社140社、来場者700名、商談成立1億円を目標に取り組む。出展料は3万円。
開催概要を説明した出版文化産業振興財団(JPIC)の中泉淳事務局長は、前回からの改善点として、①開催時間を見直し、終了を1時間繰り上げ。②パンフレットを改善し、営業ツールとして活用できる内容にした。③荷物置き場の設置。④来場者用の宅配サービス所を設置。⑤来場書店名簿の事前提示――の5点について改善、対応したことを説明。
また出展社には、①おすすめ既刊本のPR。②おすすめ商品の現物の用意。③パンフレットに掲載する各社の営業情報。④商談会限定の来場者特典。⑤書店で開催可能なイベント支援策。⑥書店へチラシ、招待状での案内――の6点に取り組んでほしいと要請した。

楽天など5社と資本提携協議/友の会連合大会で南雲社長が発表/大阪屋

第47回大阪屋友の会連合大会が6月5日・6日の両日、石川県七尾市の和倉温泉「あえの風」で開催され、会員書店、出版社、大阪屋など総勢331名が出席した。
冒頭であいさつした大阪屋の南雲隆男社長は、日本経済新聞などが「楽天が大阪屋を傘下に」と報道した件について「楽天、講談社、小学館、集英社、DNP(大日本印刷)と業務・資本提携について協議に入っているのは事実」と明かした。
具体的な出資額や出資比率、時期等についての詳細は未確定であり、業務提携内容についても実務的なすり合わせが始まったばかりの状況だとして、順調に合意が整えば7、8月頃に臨時株主総会を開催して具体的な形を整えることになるとの見通しを示した。
南雲社長は、「『新しい大阪屋の創造』を経営方針に掲げる当社が、アライアンスを結ぶことで可能性を拓く道があり、出版取次の価値ある第三極として業界にその大義を立てられるならば、覚悟と勇気を持ってその一歩を踏み出すことを決意した」と経緯を説明し、「電子書籍、会員ポイントサービスなど楽天の基盤を活かした書店向けの新しいサービスや、ネットビジネスのインフラを活用したリアル書店の店頭活性化支援、物流改革に挑戦していく」と語った。
第66期決算については、売上高は948億8800万円(前期比79・1%)、返品率は37・9%(同4・67ポイント増)と報告。「1千億円を大きく下回り、残念ながら半年で25年前の売上に逆戻りした。段階利益面でも大きく前年を下回ったが、赤字決算は回避した」と述べた。
続いてあいさつした大阪屋友の会連合会の田村定良会長(田村書店)は、「報道を見て驚愕し不安がよぎったが、今は喜びへと変わっている。楽天との提携で魅力ある店舗作りができるのではないかと期待する。簡単なことではないだろうが、厳しい状況を乗り越えたその先に未来が開けてくるのではないか。大阪屋が歩もうとしている道を取引書店としてバックアップする」と期待を寄せた。
祝辞を述べた日書連の面屋龍延副会長は、書店を巡る懸案事項として、消費税増税と、佐賀県武雄市図書館がカルチュア・コンビニエンス・クラブに業務委託した件に言及。消費税問題について、「税率が5%に引き上げられて以降、出版業界は毎年前年割れを続けている。この10月には来年の増税について決定するという重要な局面に来ており、軽減税率適用を求める日書連の50万人署名運動に協力をお願いする」と呼びかけた。

中央社機構改革・人事

(6月3日付)
〈機構改革・組織変更〉
1.総合経営計画本部に中長期経営計画推進室、株式法務室を新設する。
2.営業本部に営業統括部を新設する。
3.営業統括部に市場開発課を置く。
4.第三営業部に営業促進課を新設する。
5.第三営業部の市場開発課を廃止する。
6.第三営業部の開発営業課を廃止し、その機能を営業促進課へ移管する。
〈役員人事〉
委嘱・中長期経営計画室長兼任取締役大谷敏夫
委嘱・株式法務室長兼任
取締役矢下晴樹
委嘱・中長期経営計画推進室推進担当兼営業統括部長兼任
上席執行役員山本章雄
委嘱・新規事業課長兼任執行役員斎藤進

軽減税率署名運動に協力を

日書連は、消費税増税の際に出版物への軽減税率適用を求める「50万人署名」運動を展開しています。4月初旬に各書店に直送した署名用紙で、運動へのご協力をお願いします。署名は日書連事務局まで、同封の返信用封筒にてご送付ください(切手貼付不要)。

書店再生が最重要課題/新会長に舩坂良雄氏/日書連通常総会

日本書店商業組合連合会(日書連)は6月20日、東京都千代田区の書店会館で第25回通常総会を開催。任期満了に伴う役員改選で3期6年務めた大橋信夫会長が退任し、新会長に舩坂良雄副会長(東京都渋谷区・大盛堂書店)を選出した。舩坂氏は初代大曾根銈治会長から数えて第9代目の会長になった。就任あいさつで舩坂会長は「厳しい時代だが、書店業界を良くするため、日書連会長として全身全霊を捧げて頑張る」と抱負を語った。
会員43名(委任状含む)が出席して開かれた通常総会は小橋川篤夫理事(沖縄)の司会で進行、鈴木喜重副会長(千葉)の開会の辞で始まり、大橋信夫会長(東京)が「賑やかに、かつスムーズな審議をお願いしたい」とあいさつした。
議長に佐藤光弘理事(愛知)を選び、議案審議では第1号議案の平成24年度事業報告、第3号議案の平成25年度事業計画案について、各委員会委員長が委員会ごとに一括して報告と提案を行い、質疑応答のあと、拍手で承認した。
第2号議案の平成24年度決算報告と第4号議案の平成25年度予算案は大橋会長が説明し、中村宣勝、藤田彰、影山稔各監事の監査報告のあと、原案通り承認された。なお、藤田、影山両監事から適正意見、中村監事から限定意見付きの監査報告が出された。中村監事の監査報告について大橋会長は「政策委員会の今後の課題にしたい」と答えた。佐藤議長は「新執行部は監査意見を真摯に受け止め、新年度以降の日書連運営に適切妥当に反映してほしい」と述べた。
第5号議案の平成25年度借入金残高の最高限度額決定に関する件では、大橋会長が1億円の提案を諮り、承認された。
第6号議案の任期満了に伴う役員改選では、成田耕造(青森)、竹内靖博(群馬)、安部悟(福井)、光永和史(愛媛)、大川哲夫(事務局)の5氏を選考委員に指名推薦制で理事候補53名、監事候補3名を選出。これを承認したあと初理事会を開き、舩坂良雄副会長(東京)を新会長に選出した。副会長は鈴木喜重(千葉)、藤原直(宮城)、中山寿賀雄(長崎)、面屋龍延(大阪)、柴﨑繁(東京)、木野村祐助(岐阜)、西村俊男(新潟)の7氏が留任し、小泉忠男理事(東京)を新任した。また、大川哲夫専務理事が退任。専務理事は当面、空席にすることとした。このほか顧問、事務局人事を決定した(3面に掲載)。
第7号議案のその他に関する件では、員外役員報酬について、員外監事60万円を報酬限度額とすることを承認した。
中山副会長の閉会の辞で総会を終了した。
〔舩坂会長の就任あいさつ〕
私の店は渋谷のハチ公側の駅前にある。明治45年創業で、私で3代目。3代目は「飲む、打つ、買う」で身上を潰すと言われるが、お酒は一滴も飲めない。
子供の頃ひ弱だったらしく、軍隊上がりの父に、武道で身体を鍛えられた。剣道に始まり、居合道、空手道とずっと武道をやってきた。武道で培われたのは、礼節を重んじること、年長者を敬うこと、謙譲の美徳を失わないこと。人間は慢心になることもあるが、そういう気持ちが言葉の端々に出てきたら、厳しく指摘してほしい。父から十分鍛えられているので、そうした気持ちはいつまでも持とうと思っている。
大変厳しい時代だが、日書連会長として、全国の傘下組合員の力を借りながら、この業界を良くしていきたい。全身全霊を捧げて頑張る。
〔新会長の略歴〕
舩坂良雄氏(ふなさか・よしお)
東京都渋谷区・大盛堂商事㈱大盛堂書店代表取締役社長。昭和24年1月22日生まれ、64歳。昭和43年駒澤大学経済学部中退。同年大盛堂書店入社、52年取締役専務、58年代表取締役社長。平成7年東京都書店商業組合理事、11年副理事長、25年理事長。11年日本書店商業組合連合会常任委員、21年理事、23年副会長。
〔新副会長の略歴〕
小泉忠男氏(こいずみ・ただお)
東京都足立区・㈲コイズミ小泉書店代表取締役社長。昭和18年10月24日生まれ、69歳。昭和37年足立学園高等学校卒業。同年小泉書店入店、47年法人設立、取締役社長。平成6年東京都書店商業組合理事、11年常務理事、19年副理事長。平成17年日本書店商業組合連合会常任委員、23年理事。

日書連通常総会の主な報告事項

〔書店再生委員会〕
24年2月定例理事会で承認した「書店再生のための提案5項目」は、①責任仕入と責任販売で書籍、雑誌ともに2%の収益改善②雑誌の付録綴じは書店業務からなくす(出版社が費用負担)③万引きロスの負担軽減④取次特急便の書店負担をなくす(出版社、取次が費用負担)⑤実験販売200書店計画(ロングセラー、実用書増売)――から成る。このうち実施順として、書店の販売実績を示す企画から取り組む方針を決め、「食と健康」をテーマとするロングセラー・実用書の増売企画を24年11月~25年2月に実施した。池田書店、NHK出版、主婦の友社、新星出版社、日本文芸社の5社の実用書セット50点75冊を増売し、418書店から456セットの注文があった。今年度も同テーマで第2弾の実用書フェアを25年8月~11月に実施することが決まっている。参加出版社は12社で、セット内容は計48点72冊。舩坂良雄委員長は「当初の目標を超える書店が参加し、出版社から高い評価を得ることができた。増売企画を足掛かりに5項目の提案に1つひとつ取り組み、書店再生を実現したい」と意欲を示した。
「春の書店くじ」と秋の読書週間「書店くじ」は、継続的な販売枚数の減少傾向を食い止めるため、当選率や商品の見直し、くじ50枚とPRポスターを封入した「書店くじセット」を日書連傘下組合加入書店の全店に無料配布などを実施している。
児童書増売運動「心にのこる子どもの本新学期・夏休みセール」の販売金額は前年比101・69%の1億836万円、「同秋・冬セール」の販売金額は同93・61%の9316万円だった。
〔取引改善委員会〕
送品・返品同日精算の実現に向けてトーハン、日販両社と話し合いを続けてきたが、事態の進展が望めないと判断し、公正取引委員会に優越的地位の濫用の有無について調査依頼することを決定。24年5月14日に公取委に申告書を提出した。柴﨑繁委員長は「本件は審査中。判断がくだされるのを待ちたい」と述べ、中小書店の経営環境改善には送品・返品同日精算の実現が急務と強調した。
有事出版社問題については「書店ばかりが負担を強いられることのないよう、取次にはすべての書店に対し一律に情報提供することを望む」とした。雑誌付録問題では「これまで通り完成品での納品を求めていく」との方針を示した。
〔広報委員会(消費税問題)〕
今後予定されている消費税増税に対して、出版物への軽減税率適用を求めていく方針と「50万人署名運動」の具体的活動について面屋龍延委員長が説明。「消費税は出版業界に打撃を与え続けてきた。日本もヨーロッパ先進国並みに出版物へ軽減税率を適用することが必要だ。日書連は25年4月から、軽減税率適用を目指す署名運動を全国規模で展開。6月19日に与党公明党の山口代表を訪れ、出版物への軽減税率適用を要望した。公明党をはじめ紹介議員20名に集めた署名のうち1万名分を提出し、今国会に上程されることになった。今後は活字文化議員連盟などを通して超党派の運動に広げたい。『心の糧である読書に課税するな』という基本方針を確認し、50万人署名の達成を目指したい」との方針を示した。
〔流通改善委員会〕
雑誌発売日問題では、全国同日発売を目指して北海道・九州の3日目地区から2日目地区への改善、年末年始とゴールデンウィークの合併号の廃止とレギュラー発売の励行などを粘り強く求めていく考えを藤原直委員長が示した。特に、北海道組合は24年11月に全国同時発売の早急な実現を求める決議を採択し、25年2月の日書連定例理事会に提出しており、「雑誌発売日励行本部委員会へ改善の申し入れを続ける」と強調した。
店頭コミック試し読みシステム「ためほんくん」は、フューチャー・ブックストア・フォーラムの実証実験で、絵本の試し読みがコミックを上回るアクセス実績をあげたことを受け、コミックに続くジャンルとして絵本を扱うこととし、24年10月から絵本版のお試し期間を開始した。25年9月30日までの期間中、参加書店数を増やし、環境を整えて、データ収集と導入効果の検証を行っている。また、この事業は継続的に費用が発生していくことから、日書連から日本出版インフラセンター(JPO)に運営機能を移管する方向で準備に入ることを25年5月の定例理事会で承認した。JPOに運営主体となる管理委員会の準備会を設置し、年内に結論を出す。
〔組織委員会〕
24年4月1日現在の日書連傘下組合加入書店数は前年より259店(5・5%)減の4459店。昭和61年の1万2953店をピークに26年連続減少となった。脱退店の内訳は、廃業・閉店70・0%、自由脱退11・1%、その他・不明18・9%。中山寿賀雄委員長は「この10年間で約3000店減少した。加入促進に努力しているが減少に歯止めがかからない」と危機感を示し、今年度は各組合の加入メリットのほかに「ためほんくん」「20歳の20冊」などを勧誘の材料にしたいとの考えを示した。
日書連オリジナル薄型手帳「ポケッター」は24年度7万部製作斡旋したが、販売数が伸びず完売しなかった。このため今年度は1万部減の6万部製作を予定。
書店の空きスペース活用を目的に24年3月に業務提携した軒先株式会社については、24年4月1日から25年3月31日までの登録は130店・829スペース。利用実績は延べ43店・144スペース。手数料は組合が3万6832円、日書連が2万4595円だった。「空きスペース活用で書店は副収入を得ることができ、日書連、貸出書店の所属する組合に報酬が支払われる。長く続ければ効果が出る事業。積極的にスペース登録を呼びかけていきたい」と述べた。
〔広報委員会〕
日書連定例理事会の内容、各都道府県組合の動き、出版業界全般のニュースを中心に、日書連が重要課題として取り組んでいる送品・返品同日精算の実現、書店再生のための5項目の提案、東日本大震災被災書店の声などで全国書店新聞の紙面を構成したと面屋委員長が報告した。
24年10月に開催した第40回全国広報委員会議は、今回初の試みとしてパネルディスカッションを行い、広報委員5氏が「日書連広報活動のあり方」をテーマに討議した。同会議は今後、経費削減のため隔年開催となる。次回開催は26年。
日書連ホームページ「本屋さんへ行こう!」のリニューアルについては、メトロコンピュータサービスと結んでいるHP運営事業契約を25年3月末で終了。安価なサーバーに移行し、同年4月1日より新HPをスタートした。現行HPから移行したのは①書店くじの告知・当選番号発表②書店向けeラーニング③全国書店新聞記事の3項目。「HPの収支改善を図り、日書連財政健全化に寄与できる段階に達しつつある」とした。
〔読書推進委員会〕
「サン・ジョルディの日PR企画推進」の募集を行い、独自企画を提出した14組合に総額260万円を拠出。各組合で地元に密着した多種多様な催しが行われたと西村俊男委員長が報告した。今年度は14組合に総額265万円を拠出することが決まっている。
出版文化産業振興財団(JPIC)との協賛事業「20歳の20冊」を実施した。新成人が選んだ1冊を成人式で自治体から贈る運動で、本は自治体が地元書店から定価で購入する。25年1月は25自治体・1校の2723名の新成人に本を贈った。
〔政策委員会〕
通常総会の設営については、ホテルを会場とした従来の設営を改め、経費削減の一環として23年から会場を書店会館に変更した。また、オブザーバーも参加して発言可能としていたが、議決権・選挙権を行使できる会員代表のみが参加する総会に改めた。
日書連財政立て直しでは、24年6月の通常総会で約1800円の赤字予算案を審議した中で様々な発言があり、期中にいっそうの経費削減を実施していくことを条件に予算案を承認した。24年度は11月の各種委員会・定例理事会の中止、くじ抽選会場の書店会館への変更などで400万円を削減。25年度からは全国広報委員会議と全国情報化推進会議の隔年開催への変更、書店くじWチャンス賞の中止を決定している。
〔東北地方太平洋沖地震日書連対策本部〕
〈大震災〉出版対策本部の進める出版復興基金の募金箱設置活動を続け、25年3月25日現在、全国の書店から集められ基金に届けられた募金額は693万6375円となった。
〔出版販売年末懇親会実行委員会〕
今年度は12月18日午後6時から帝国ホテルで開催を予定していると木野村祐助委員長が報告した。
〔指導教育委員会〕
ウェイズジャパンと提携して進めてきた書店店頭での電子書籍販売事業で、電子書籍端末「イストーリア」を含む店頭販売用大型什器セットの出荷を24年5月に終了。同年12月定例理事会で、ウェイズジャパンから電子書籍関連事業を雑誌オンライン株式会社の名称で分社化し、新会社の全株式をインテア・ホールディングスが取得したと報告があった。また、「イストーリア」を回収し、今後はプリペイドカード主体の小型什器セットに切り替えたいとの申し出があり、同社は25年3月で切り替え作業を終了した。鈴木喜重委員長は「ウェイズジャパンとの事業展開は大きく変化した。同社から今後の明確な事業見通しは出ていない。出版業界全体の動きを注視しながらこの分野の研究を続けたい」と述べた。
万引き防止対策では「全国万引犯罪防止機構と連携し、万引きロスが書店の財務状況を大きく圧迫していることを出版業界内外に問題提起していきたい」と強調した。
また、今年度は会員とその組合加入書店の教育に資するため、研修会を活発に開催する方針を示した。
【総会スローガン】
・「書店再生のための提案」五項目の実現を図ろう!
・法定再販の下、出版文化の普及と読者の利益を守ろう!
・「送品・返品同日精算」の実現で中小書店の経営を守ろう!
・「ためほんくん」の充実と普及拡大で店頭の活性化を図ろう!
・書店の組合加入を促進し、組織強化と財政健全化を図ろう!
・雑誌の全国同時発売を実現し、増売を図ろう!
・50万人署名の達成で、消費税の軽減税率を実現しよう!
・書店発信の読書推進企画で「文字・活字文化」の振興に努めよう!
・ネット通販業者に負けない客注品迅速化を実現しよう!
【平成25年度日書連新役員】
▽会長=舩坂良雄(東京・大盛堂書店)
▽副会長=鈴木喜重(千葉・ときわ書房)藤原直(宮城・金港堂)中山寿賀雄(長崎・好文堂書店)面屋龍延(大阪・清風堂書店)柴﨑繁(東京・王様書房)木野村祐助(岐阜・東文堂本店)西村俊男(新潟・文信堂書店)小泉忠男(東京・小泉書店)
▽理事=久住邦晴(北海道・久住書房)成田耕造(青森・成田本店)加賀谷龍二(秋田・加賀谷書店)玉山哲(岩手・東山堂)五十嵐太右衞門(山形・八文字屋)西猛(福島・西沢書店)塚越賢次(茨城・大塚書店)杉山和雄(栃木・杉山書店)竹内靖博(群馬・シロキヤ書店)川嶋孝文(埼玉・川島書店)筒井正博(神奈川・伊勢治書店)井上俊夫(同・井上書房)片岡隆(東京・ブックスページワン)大橋信夫(同・東京堂)東浦澄夫(山梨・徴古堂)江﨑直利(静岡・藤枝江﨑書店)佐藤光弘(愛知・光書店)岡森泰造(三重・岡森書店)丸田茂(富山・清明堂書店)森井清城(石川・紀陽館森井書店)塩川明人(長野・花屋書店)安部悟(福井・安部書店)吉田徳一郎(滋賀・ヨシダ書店)戸和繁晴(大阪・トーワブックス)中村晃造(京都・桂書房)櫻井晃二(奈良・櫻井誠文堂)宇治三郎(和歌山・宇治書店)山根金造(兵庫・巌松堂書店)杉嶋運一(鳥取・杉島書店)今井直樹(島根・今井書店)小野正道(岡山・小野書店)山本秀明(広島・金正堂)西尾文士(香川・西尾誠文堂)平野惣吉(徳島・平惣)光永和史(愛媛・松山堂書店)五藤栄一郎(高知・冨士書房)長谷川澄男(福岡・ブックイン金進堂)大石宏典(同・大石金文堂)岩永藤房(佐賀・鹿島書房)長﨑晴作(熊本・熊文社)福田健太郎(大分・福田書店)田中隆次(宮崎・田中書店)楠田哲久(鹿児島・楠田書店)小橋川篤夫(沖縄・いしだ文栄堂)
▽監事=高橋千尋(北海道・ザ・本屋さん)足立岳彦(愛媛・愛媛県官報販売所)影山稔(員外)
▽顧問=高島瑞雄(福島・高島書房)深田健治(大阪・ブックスふかだ)
【事務局人事】
事務局長石井和之
総務部長小澤誠
編集長白石隆史
会計主任川端直美

新成人に本を贈る「20歳の20冊」/JPIC・日書連読書推進事業/5億円の贈呈品市場獲得を

成人式で自治体から新成人に本を贈る事業「20歳の20冊」(出版文化産業振興財団=JPIC主催、日書連協力)が今年度も実施される。前年度は31市町村1校で実施し、3100名の新成人に本を手渡した。今年度は取次各社の協力を得て地域書店から自治体へ促進を行い、40ヵ所の市区町村・団体で採用を目指す。
6月20日の日書連定例理事会で同事業について説明した読書推進委員会の西村俊男委員長は「日書連の読書推進事業として促進を行いたい」と強調。日書連読書推進委員会の委員が率先して各自治体に採用を働きかける意向を示した。
6月中下旬にJPICから全国の基礎自治体(1968市区町村)に資料を送付。同下旬以降、日書連読書推進委員会とJPICが協力して、新成人推定数100名~299名の自治体463市町村を対象に、成人式の記念品贈呈状況の調査と同事業の紹介促進を電話・訪問により行う。
日書連読書推進委員会では、北海道(39市長)、埼玉(11町)、神奈川(8町)、新潟(5市長)、山梨(7市長)、長野(19市町村)、和歌山(11町)、島根(6市長)、愛媛(5町)、高知(11市町)、鹿児島(12市町)、計134市町村に促進を図る。JPICは上記以外329市町村に加え、対象を拡大して促進するとしている。
実施までのスケジュールは、8月に成人式を実施する自治体は、6月中に採用決定、7月末に希望書籍取りまとめ、8月10日前後に書籍納品。1月実施の自治体は10月中に採用決定、11月下旬に希望書籍取りまとめ、12月中下旬に書籍納品。
JPICによると成人式で贈呈される記念品は5億円の市場規模を持つと推定され、商品特性上、本は採用されやすいという。地域密着型の書店には大きなビジネスチャンスとなる。
問い合わせは出版文化産業振興財団まで。℡03―5211―7282

公明党山口代表に要望/小学館、署名1万3千名分集める/出版物への軽減税率

日書連の大橋信夫会長、面屋龍延副会長(消費税問題担当)らは6月19日、国会に公明党の山口那津男代表を訪れ、消費税率引き上げの際、書籍、雑誌など出版物に軽減税率を適用するよう要望した。
日書連の大橋会長は「出版物に平等に触れる機会を持つことは民主主義に不可欠。欧州各国を範に出版物に軽減税率を適用してほしい」と要望。公明党の山口代表は「国民の理解を得る形で軽減税率の制度設計をしたい。活字文化の重要性を踏まえ検討する」と述べた。
6月20日の日書連定例理事会で、面屋副会長は「今国会会期中の委員会で審議されるには、19日までに紹介議員を通じて衆参両議院に請願署名を提出する必要があった」として、公明党を訪問した経緯を説明した。
また、書協、雑協、取協、児童出協に協力を求めた結果、出版社や取次など関連各社から署名が続々と集まっているとして、小学館が6月18日に1万3614名分の署名用紙を日書連事務局に持参したことを紹介。「50万人署名達成に向け引き続き努力してほしい」と求めた。

中村晃造理事長が7選/消費税軽減税率署名に全力/京都総会

京都府書店商業組合(中村晃造理事長)は、5月29日午後3時から、京都市中京区の京都ホテルオークラで第29回通常総会を開催、組合員107名(委任状含む)が出席した。
総会は森武紀明氏(山城書店)の司会で進行。あいさつで中村理事長は、「消費税増税について、日書連を中心に4団体が一丸となり出版物の軽減税率適用を求めて運動を行っているが、出版業界はまだまだ他の業界と比べて主張が弱いと言わざるを得ない。国民にとって読書がこれまでと変わらず身近な存在であるために、軽減税率の適用を目指して業界を挙げてさらに取り組んでいく。京都組合の運営については今後も厳しい状況が予想されるが、皆の力を借りながら元気に運営できるよう尽力したい」と述べた。
議長に犬石吉洋氏(犬石書店)、副議長に神戸太郎氏(交庸堂)を選出して議事を進行し、全ての議案を原案通り承認した。
平成24年度の会計報告では、経費削減の結果、実質黒字決算となったこと、平成25年度予算案は、さらに経費を見直し圧縮することを前提に、福利厚生事業を充実すること、各種事業費も概ね昨年度と同様としたことなどが報告された。
各種事業については、組織情報委員会が組合員数について、平成24年3月末日現在で議決権のある有資格組合員数が161、組合員総数は184になったと報告。また、活性化委員会は、2月から年度を跨いだ企画「文庫で読むご近所小説in京都」を実施。事業委員会は、組合事業の抜本的な見直しを検討。ITサポート委員会は、京都市の公立小中学校で図書館に導入されている図書貸出管理システム「図書ナビ情報BOX」のパソコンについて、今年度までの3年間でパソコンを入れ替える作業を地元書店が請け負っており、書店向けに勉強会を実施している――とそれぞれ報告した。
役員改選では理事25名、監事2名を選出。第1回理事会で、代表理事に中村晃造氏を再選した。中村理事長は、「新たに選出された理事をはじめ、組合員のほか、出版社、取次など業界団体、そして行政など各位から協力と支援を仰ぎながら力を結集して2年間の任期を務めたい」と述べた。中村氏は7期13年目の理事長職となる。
引き続き会場では、京都組合から10名に「役員・従業員表彰」が、また京都新聞社からは3店舗に第42回京都新聞お話を絵にするコンクール販売促進キャンペーンの表彰が行われた。午後5時からは懇親会を開催し、全日程を終了した。
(澤田直哉広報委員)

川嶋孝文理事長を再選/書店実務の研修会を企画/埼玉総会

埼玉県書店商業組合は5月28日、さいたま市浦和区の埼玉書籍で第29回通常総会を開き、組合員101名(委任状含)が出席した。
総会は山口洋事務局長の司会で始まり、川嶋孝文理事長があいさつ。続いて野澤恒雄常任理事を議長に議案審議を行い、平成24年度事業報告・決算報告の承認、平成25年度事業計画・予算の決定など全ての議案を原案通り承認可決した。
任期満了による役員選挙では、植村稔常任理事、萩原喜八常任理事、奥田淳理事の3名が退任し、新たに植村能久氏、山畑雅浩氏、野村徹氏の3名が選出された他は全員重任。川嶋孝文理事長をはじめ副理事長、専務理事は重任、常任理事は新たに矢島剛氏、山畑雅浩氏が就任し、他は全員重任となった。
また、指導教育について、昨年は研修会を開催できなかったが、本年度は消費税率引上げを睨み書店の実務・運営のための実践的・具体的な内容で開催するとした。
引き続き、出版物小売業公正取引協議会埼玉県支部総会を開催し、全ての議案を承認した。
議事終了後、埼玉県中小企業団体中央会組合支援部副部長の清水要氏より祝辞をいただき、本総会を閉会した。
このあと、トーハン埼玉支店・松浦和夫支店長のあいさつ、日本出版販売北関東支店・池田芳雄支店長の乾杯で、懇親会を開催。また、中央会・清水要副部長を交え、情報交換など有意義な一時を過ごした。
(山口洋事務局長)

東浦理事長以下役員を再任/県立文学館の展示に協力/山梨総会

山梨県書店商業組合の第25回通常総会が5月20日に甲府市の奥村本店会議室で開かれ、組合員25名(委任状含む)が出席した。
総会は後藤雅利専務理事の司会で進行。東浦澄夫理事長は総会の冒頭、「組合の皆様には、国民読書年シンポジウム、県立文学館飯田蛇笏展、全国リレーシンポジウム、国民文化祭等の組合活動にご協力をいただき、感謝申し上げたい。今年の夏も県立文学館より『かいけつゾロリ』展開催に対して協力要請があり、詳細は後日連絡する。出版業界は曇り空の中、書店に追い打ちをかけるような、佐賀県武雄市の図書館による〝過剰サービス〟や、県外からの販売攻勢、値引き等の問題が発生し、書店は一段と厳しい経営状況が続いている。来年の消費税8%引き上げへの対策については、消費税軽減税率適用を求める請願書のとりまとめを組合員の方々にお願いしたい」とあいさつした。
総会は佐々木勉理事を議長に審議を進め、事業報告、決算報告、事業計画など全ての議案を承認。役員改選では全役員の再任を決めた。(牛奥正己事務局長)
〈山梨組合執行部〉
▽理事長=東浦澄夫(徴古堂)▽副理事長=小林安治(文光堂書店)▽専務理事=後藤雅利(ブックスアマノ)

森井理事長の再選決める/図書館納入問題で地元優先訴え/石川総会

石川県書店商業組合は5月24日午後2時より金沢市の金沢勤労者プラザで第25期通常総会を開催、組合員37名(委任状含む)が出席した。
総会では、第25期決算書・事業報告書、第26期予算案及び事業計画案、任期満了に伴う役員改選案の審議を行い、原案通り可決した。その他の事項として、県立図書館の図書購入入札において㈲ほるぷ21が約35%引きで落札した件について、図書館等関係各所へ抗議と地元優先を訴えていくことで一致した。
総会終了後、理事会を開催し、理事長に森井清城氏(紀陽館森井書店)、副理事長に忠谷久志(忠谷書店)、宮本秀夫(ブック宮丸)、菊沢平光(きくざわ書店)の各氏を選任した。
(事務局・吉田良一)

訂正

6月15日付4面「日書連第25回通常総会議案平成24年度事業報告2、組織」の記事中、「平成24年度の組合員数の動向」の部分で誤りがありました。正しくは「前年より259店(5・5%)減少して4459店となった。年間の新規加入数19店に対して、脱退数は278店」です。訂正します。

安部体制4期目がスタート/日書連企画に参加求める/福井総会

福井県書店商業組合通常総会が5月27日、芦原温泉「灰屋」で組合員41名(委任状含む)が出席して開催された。
総会は京籐敏実副理事長の司会で進行し安部悟理事長があいさつ。昨年の商業組合設立30周年、書店組合創立100周年のイベント等の企画の準備について、福井県組合100年史制作の中心だった角谷和男前理事長の死去等で中断せざるを得なくなった状況を謝罪し、「何らかの組合員還元の事業を企画していく」と説明。また、日書連傘下組合員の減少と同様に、福井県も10年で20軒近く減少していると述べ、書籍、雑誌の売上げも大幅に落ち込んでいる現状を踏まえ、「日書連企画の子どもの本セールと実用書の増売企画及び書店くじへ積極的に参加を」と呼びかけた。
議長に勝木伸俊理事(勝木書店)を選任し各議案を承認可決。役員改選では理事長に安部悟氏(安部書店)を再選、4期目をスタートした。また、副理事長は京籐敏実氏(ひしだい書店)、清水祥三氏(じっぷじっぷ)が再任された。
その後、来賓の川本克則トーハン北陸支店長、伊藤知正日本出版販売北陸支店長、前田三男福井県教科書供給所総務部長、田村一郎小学館PS主任、川上和浩聖教新聞社福井支局長よりあいさつや出版物の説明が行われた。懇親会では情報交換や親睦を深める会話がはずみ、二次会まで続いた。(清水祥三広報委員)