全国書店新聞
             

平成27年11月1日号

会員所属員数3906店に/日書連組織委調べ

今年10月1日現在で日書連の会員(46書店商業組合)に所属する組合員数の合計は、今年4月1日対比で109店、2・7%少ない3906店になったことが、日書連組織委員会(中山寿賀雄委員長)の調べで明らかになった。
この半年間における新規加入は全国で13店に対し、脱退は122店。加入数が脱退数を上回ったのは、岩手、鳥取の2組合。増減なしが栃木、山梨、岐阜、長野、島根、岡山、愛媛、宮崎、沖縄の9組合で、残る35組合は組合員が減少している。
各組合ごとに加入の内訳をみると、この半年間に新規加入があったのは、大阪の3店をトップに、鳥取が2店、青森、岩手、栃木、神奈川、東京、静岡、長野、京都が各1店。残りの36組合は新規加入ゼロとなっている。
一方、脱退が最も多かったのは大阪の12店。次いで茨城の9店、神奈川、三重、兵庫の各8店がワースト5で、以下脱退の多い順に長崎6店、北海道、東京、鹿児島各5店、宮城、愛知、京都、奈良各4店、埼玉、静岡、新潟、香川、福岡各3店となった。

書店820名が来場/過去最多の244社250ブース出展/第6回書店大商談会

第6回「書店大商談会」が10月19日に東京・文京区の東京ドーム・プリズムホールで開催された。来場書店は前年より116名少ない820名で、成立した商談は4332件、9057万8246円(前年比88・3%)となった。
この商談会は「書店大商談会」実行委員会(実行委員長=奥村弘志・南天堂書房社長)が主催、出版文化産業振興財団(JPIC)が事務局を担当して開催。会場には一般書、ビジネス書、児童書、コミック、第三商材の各コーナーを設置。出展社は前年より11社増加して過去最多の244社が250ブースを展開し、初出展は41社だった。総来場者は前年より146名少ない2433名(書店820名、出展社1184名、取次281名、その他148名)。成立した商談は4332件、金額は9057万8246円で、前年実績の5008件、1億260万2979円には届かなかった。
コミックコーナーは、前回までのサロン形式を変更し各社がブースを設置して17社が出展。商談会終了後に情報交換会が行われた。児童書コーナーは30社が出展し、児童書ブースを回って集めたスタンプの数に応じて、特別提供の拡材等をプレゼントするスタンプラリーを実施。さわださちこ氏によるラッピングや店頭装飾の講習も好評だった。
セミナー会場では、JPIC企画による書店員向け勉強会「視点を変えて増売!~書店員にはまだまだやれることがある~」を開催。ブックエースの奥野康作社長が、地域に密着したイベントや雑誌定期購読獲得の取り組みについて、豊川堂の高須大輔専務が、本屋・雑貨・カフェからなる新しい複合業態店の展開について話した。
イベントはこのほか、増澤美沙緒氏の「手書きPOP」ミニ講座や、作家・川上未映子氏の最新刊『あこがれ』(新潮社)の特別サイン会を開催。また、数量限定・先着順で特別受注する著者サイン本を集めたサイン本コーナー、「料理レシピ本大賞」受賞作品の展示とスタンプラリーなども行われた。

BOOKEXPO2015/11月13日に大阪で大商談会

第5回を迎える大阪の大商談会「BOOKEXPO2015秋の陣」は、「挑め!書店人」をサブテーマとして、大阪市北区の「グランフロント大阪」を会場に開催されます。
今回は、過去最大の231社・234ブースでの開催。一般書、コミック、児童書、第三商材のコーナーが設けられ、商談や貴重な情報交換の場となります。明日につなげる書店人トークイベントを開催するほか、作家・朝井まかてさんのトークセッション、絵本作家・長谷川義史さんのサイン会、㈱コルク・佐渡島庸平さんの講演会を開催。ネット書店に勝つ!売場演出講座やコミック交流会などイベントが目白押しです。また、先着5百名に限定プレゼントを用意。ぜひ会場にお越しください。
▽日時2015年11月13日(金)10時30分~18時
▽会場グランフロント大阪地下2階「ナレッジキャピタルコングレコンベンションセンター」(JR・大阪駅、地下鉄御堂筋線・梅田駅、阪急・梅田駅より徒歩3分、阪神・梅田駅より徒歩6分)
▽出展231社・234ブース
▽主催「BOOKEXPO2015」実行委員会〔世話人代表=出版文化産業振興財団(JPIC)・肥田美代子理事長、実行委員長=堀廣旭堂・堀博明専務取締役〕
▽問い合わせ帳合の取次担当者または「BOOKEXPO2015」実行委員会事務局(JPIC)まで。℡03―5211―7282FAX03―5211―7285

組合員の負担軽減策を討議/神奈川理事会

神奈川県書店商業組合(筒井正博理事長)は9月9日、横浜市中区のかながわ労働プラザで定例理事会を開催した。
庶務報告では、2店の脱退と、8月に開催した総会および総会終了後に開催した懇親会の会計報告があった。日書連報告では、出倫協の担当の変更が報告された。また、再販についてもう一度原点に帰った考え方で、書店側は取次側に物申すべきとの意見が出た。
議案としては、今年度は年6回の理事・監事会を開催することと、来年の総会開催日程を承認した。また、組合員の負担軽減と加入団体費、現在徴収している賦課金制度について、神奈川組合が日書連に加盟しているメリットと、長期にわたる書店売上減少による組合費の負担増に鑑み、より負担の軽減できるシステムの構築、抜本的改革の方法論の意見が出た。今後、常務委員会や定例理事会で継続審議することとした。
(山本雅之広報委員)

訂正

10月15日付3面に掲載した大分県書店商業組合通常総会の記事と見出しで、新理事長の氏名が「二階堂衛司」とあるのは、正しくは「二階堂衞司」です。お詫びして訂正します。

今井直樹理事長を再選/島根総会

島根県書店商業組合は7月23日、松江市の更生保護法人しらふじで通常総会を開き、組合員26名(委任状含む)が出席。平成26年度事業報告、収支決算報告、平成27年度事業計画案、予算案などすべての議案を原案通り承認した。役員改選では今井直樹理事長を再選した。
総会終了後、山陰中央新報社・須田泰弘氏、今井印刷・田淵康成社長を招き、『山陰駅旅』(定価本体1852円)の企画商品説明会を行った。
[島根組合役員体制]
▽理事長=今井直樹(今井書店)
▽副理事長=岡田豊彦(昭和堂書店)、糸川吉彦(糸川書店)
▽専務理事=福田寛
(福田寛広報委員)

9月期は4・1%減/児童書は8・2%の大幅増に/日販調べ

日販営業推進室調べの9月期分類別売上調査は、雑誌・書籍・コミック合計で対前年売上増加率が4・1%減(先月4・0%減)となった。
雑誌は6・3%減(同8・3%減)。週刊誌は『リバティプリントでハンドメイド』(デアゴスティーニ・ジャパン)が売上を牽引したが、『少年ジャンプ』(集英社)を含む月曜日発売の週刊誌の発売本数が少なかった影響もあり、マイナスに転じた。
書籍は1・6%減(先月2・6%減)。児童書はメディアで紹介された『ママがおばけになっちゃった!』(講談社)が売上を伸ばした効果で、プラス幅が拡大した。一方、売上構成比の高い文庫、実用書は引き続き低迷した。
コミックは5・4%減(同1・2%減)。青年分野は好調だったが、前年『ONEPIECE75』(集英社)が発売された影響でマイナス幅が拡大した。

丸田茂理事長を再選/SJの日図書カードを販売/富山総会

富山県書店商業組合は8月26日、富山市電気ビルで第28期通常総会を開催し、組合員31名(委任状含む)が出席した。
総会は丸田茂理事長を議長に選出して議案審議を行い、平成27年度事業報告、収支決算報告、平成28年度事業計画案、収支予算案などすべての議案を原案通り承認可決した。役員改選では丸田理事長を再選した。第29期事業計画案は以下の通り。
①サン・ジョルディの日の推進企画として、組合員の販売促進のためにオリジナル図書カードの作成、販売を実施する。実施時期を1ヵ月早めて、新学期プレゼント用として利用促進を図る。今まで約10絵柄のカードを作成しており、現在は氷見の梅、黒部の桜、秋の立山、冬の立山の4種類ある。富山県に立ち寄った際、最寄の書店で購入してもらうよう促進する。
②日本児童図書出版協会加盟社が刊行した選りすぐりの219点255冊、2015年度「心にのこる子どもの本秋~冬セール」のセットを積極的に展開していく。
③書店再生のための増売企画、第2回「書店金賞『和~日本のこころ』」を実施し、増売につなげる。
④日書連や出版物小売業公正取引協議会に出席し、意見具申を行う。
(澁谷英史広報委員)

売上伸び率マイナス3・37%/前年割れは20年連続に/トーハン書店経営の実態

トーハンは、全国182企業654店舗の経営資料を集計分析した平成27年度版『書店経営の実態』を発行した。これによると、平均売上高伸長率はマイナス3・37%(前年マイナス3・2%)で、20年連続のマイナス成長に。収益面では、売上高対営業利益率が0・47%(同マイナス0・3%)、売上高対経常利益率が1・70%(同0・6%)になった。
〔損益状況〕
『書店経営の実態』は、売上高対経常利益率が0・0%以上の企業を「健全企業」、0・0%未満の企業を「欠損企業」として分析している。売上高伸長率をみると、健全企業がマイナス2・35%(前年マイナス0・9%)、欠損企業がマイナス6・46%(同マイナス7・4%)で、総平均ではマイナス3・37%(同マイナス3・2%)と、20年連続の前年割れになった。
企業の営業力の指標といえる売上高対営業利益率は総平均で0・47%(前年マイナス0・3%)。健全企業は1・21%だったが、欠損企業はマイナス2・11%。売上高対経常利益率は健全企業が2・90%、欠損企業がマイナス2・50%で、総平均は1・70%(同0・6%)になった。
売上高対販売費・管理費率は総平均で22・51%(前年22・5%)。健全企業は21・89%、欠損企業は24・68%だった。また、売上高対人件費率は総平均で11・33%(同11・7%)。健全企業は11・15%、欠損企業は11・98%だった。
粗利益対経費率は、販売費及び一般管理費が粗利益に占める割合をみるもので、収益が厳しい低成長期には特に重要になる。総平均では97・95%(前年101・4%)で、健全企業が94・76%に対し欠損企業が109・35%だった。労働分配率は50%以下が目標とされるが、健全企業が48・27%、欠損企業が53・08%で、総平均では49・30%(同52・7%)と前年より悪化した。
売上高伸長率を売場規模別にみると、最も下げ幅が大きかったのが61~100坪のマイナス5・2%。立地環境別では、住宅地がマイナス5・5%と振るわなかった。売上規模別では、5000万~1億円未満がマイナス5・0%と不振が目立った。地域別では北海道・東北の下げが最も大きく、マイナス4・8%と落ち込んだ。
複合型書店の調査では、書籍・雑誌以外の売上構成比が20%以上の店舗を複合型書店、20%未満を本専業店に分類。複合型書店の売上高伸長率を部門別にみると、全ての部門がマイナスに。AVレンタルがマイナス5・4%、書籍・雑誌がマイナス4・0%、セルCDがマイナス3・2%、文具がマイナス1・4%で、総平均はマイナス3・8%。本専業店は総平均でマイナス4・2%だった。
〔販売効率〕
従事者1人当りの月間売上高は、健全企業が195万3千円、欠損企業が162万4千円で、総平均では187万円と前年比7万6千円増加した。従事者1人当りの月間粗利益高をみると、健全企業45万1千円に対し欠損企業36万7千円。総平均で同3万1千円増の43万円だった。
商品回転率は健全企業4・80回、欠損企業3・68回で、総平均は前年比0・01回減の4・53回。売上高対粗利益率に商品回転率を掛けた商品投下資本粗利益率は、収益性と商品投資効率を総合的に判断する指標だが、健全企業110・88%、欠損企業83・06%で、総平均では同3・13ポイント増加して104・10%になった。
〔財務状況〕
総資本に占める純資産(自己資本)の割合を示す自己資本比率は、健全企業が27・84%、欠損企業が13・35%で、総平均は前年比4・18ポイント増の24・22%だった。事業に投下された資本総額の回転速度を表す総資本回転率は、書店経営では約2回転が目安。総平均は同0・14回減の1・64回で、健全企業が1・67回、欠損企業が1・56回だった。
流動比率は、1年以内に回収される資産である流動資産と、返済義務を負う流動負債のバランスをみることで短期支払能力を表す指標で、130%以上の確保が望ましい。健全企業は前年比14・09ポイント減の137・10%、欠損企業は同60・37ポイント増の253・15%で、総平均は同5・22ポイント減の158・63%となった。
固定資産への投資が適正かを判断する尺度となる固定比率は、100%以下が目標。健全企業は前年比19・95ポイント増の162・86%、欠損企業は同104・98ポイント減の233・78%で、総平均は同24・87ポイント減の172・63%だった。

外販企画の強化図る/出版社16社と合同決起大会/トーハン

トーハンは10月2日、東京・新宿区の本社で第5回「出版社様合同外販企画決起大会」を開催し、出版社16社が外販企画商品のプレゼンテーションを行った。トーハンからは東日本、西日本、首都圏、特販の営業担当者ら153名が出席し、出版社16社62名と合わせて、合計215名が参加した。
この決起大会は、外販企画の取り組みに際し、出版社とトーハン営業担当者が情報や目標の共有化を図るため、6月、10月の年2回開催しているもの。
冒頭、川上浩明専務は「雑誌は定期的に送られてくる米のようなものだが、定期誌の状況は厳しく、店頭で籠城しているだけでは食べていけない。外販企画は外に打って出る武器となる。各出版社の説明を聞いて今後の販売活動につなげたい」とあいさつし、出版社16社が5分間の持ち時間で外販企画の説明を行った。このあと谷川直人取締役は「1冊でも多く予約を取り、販売することを誓う」と締め括った。
第2部懇親会であいさつした藤井武彦社長は「外販部門は2ケタ成長を続けており、今期も118%と伸長している。客注や店頭活性化の施策に取り組むことで売上増を図っているが、外販は大きな軸になる」と期待を語った。
出版社を代表して小学館パブリッシング・サービスの川原章三社長が乾杯の音頭をとり、トーハンの営業担当者4名が拡販に向けて決意表明を行った。
参加出版社は朝倉書店、NHK出版、河出書房新社、学研プラス、講談社、集英社、主婦の友社、小学館、世界文化社、創元社、宝島社、日東書院本社、PHP研究所、平凡社、ベースボールマガジン社、ポプラ社。

基本に戻って「本」を売る/甲府で書店新風会地方総会

書店新風会は10月8日、山梨県甲府市の山梨県立図書館で第56回地方総会を開き、会員書店33名をはじめ出版社98名、取次8名など総勢150名が出席した。柳正堂書店(大塚茂社長)が幹事店を務めた。
はじめに会員書店のみによる総会を開催。9月14日に逝去した島森信寿元会長(神奈川県鎌倉市・島森書店)に黙祷を捧げた後、大垣守弘会長(京都市・大垣書店)、幹事店の柳正堂書店の大塚社長があいさつ。来年の地方総会を9月29日~30日、北陸地方で開催することを決めた。
総会終了後、作家で山梨県立図書館館長の阿刀田高氏が「やまなし読書活動促進事業から地域書店へつなぐ」と題して講演した。
阿刀田氏は、書店と図書館の関係について「読書する人を大切にすることでは同じ」と述べ、昨年から同図書館と地元書店が協力して読書活動促進事業「贈りたい本大賞」に取り組んでいると説明した。
また、ベストセラー等の複本購入に否定的な考えを示し、「今すぐ読みたければ書店で購入する、無料で読みたければ順番を待つのが当然。それが社会のルールだ」と指摘。「図書館の役割は高額な本、知的スタンダードとなる本を揃えること。そうすれば小売店と競合せず、読書する人に奉仕できる。書店が街の若者を育てる文化機関であることを大切に考えていかねばならない」と話した。
柳正堂書店オギノバリオ店で臨店研修を行った後、常磐ホテルで懇親会を開催。柳正堂書店の大塚社長は、社長に就任した18年前は債務超過状態で、11店舗を閉店し、残った本店も50坪と縮小したが、外商とカフェの利益で乗り切り、現在は3店舗を展開、7年連続増収、実質無借金経営となったと報告。「新風会の会員書店のアドバイスがなければ復調できなかった。疲弊した業界で光明を見出した書店が地方にあることを分かってほしい。地方書店は厳しい環境だが、バックアップがあればまだまだやれる」と述べた。
大垣会長は「会員書店を増やし、皆で知恵を出し合い、地方書店でもやっていけることを結果で示したい。書店業界は複合化が進み、本の売場・売上が縮小しているが、新風会では基本に戻って本を売っていくことを勉強する機運が高まっている。時限再販など、書店が工夫してお客様に足を運んでもらえる企画を行っていきたい」と述べた。
このあとトーハンの藤井武彦社長、集英社の堀内丸恵社長があいさつし、日販の古屋文明会長の発声で乾杯した。

生活実用書/注目的新刊

光岡知足著『腸を鍛える―腸内細菌と腸内フローラ』(祥伝社新書438780円)はサブタイトルが腸内細菌と腸内フローラ。著者は東京大学名誉教授、微生物学者で1930年生まれ。
腸の表面積はテニスコート一面分とも、バドミントンコートの半分ともいわれるが、いずれにしてもかなりなスケールである。ここに働きや性質の似た菌が集まって言わば集落を形成している。全体を見るとまるで花畑のようで、それを腸内フローラという。
善玉菌2・悪玉菌1・日和見菌7が健康な人の状態。基準になるのは便の量、臭い、堅さである。悪玉菌の増殖を促す肉類などを取り過ぎず、善玉菌と相性のいい野菜、果物、発酵食品の摂取を心がければ、便の状態が変わり、やがて体調が上向きになる。
便を調べていくと病気によって腸内フローラが異なり、腸内細菌そのものが病気の発症と深くかかわっている。便秘・下痢からアレルギー、うつ、糖尿病、がんなど、あらゆる病気の原因が腸にある。
小腸で分解、吸収されず、大腸に共生するビフィズス菌の増殖を促す食品、食物繊維やオリゴ糖が最適で、新しい研究では生きた乳酸菌にこだわらず死菌を含めた乳酸菌も同じ効果があることがわかってきた。乳酸菌サプリも有効だし、ヨーグルト、味噌、糠漬け、納豆など発酵食品と食物繊維を日頃から意識して食べるのが肝心なのである。
斎藤糧三著『慢性病を根本から治す―「機能性医学」の考え方』(光文社新書783800円)は日本ではまだあまり知られていない新しい医療である。糖尿病や高血圧といった発症メカニズムが複雑な慢性的生活習慣病を、治療薬に頼ることなく、根本原因に立ち返って完治を目指そうというのが基本である。著者は同医学をアメリカで学び、日本人初の認定医の資格を持つ。1973年生まれ。
コレステロール値が高いと心臓に悪いは間違いで、動脈硬化は値の高さでなく酸化コレステロールが原因。ビタミンB群やオメガ3脂肪酸の摂取など、次々に対策が示される。疾患に繋がる腸内フローラの異常など、慢性疾患の原因が解読される。悪しき生活習慣を治して、病気だけを投薬で治そうとする医療は欺瞞でしかないと言い切る。最新の次世代医療である。
(遊友出版斎藤一郎)