全国書店新聞
             

平成13年8月22日号

『日書連55年史』

日書連は出版評論家・小林一博氏の責任編集により『日書連五十五年史』を発行した。
B5判上製箱入り四〇六頁・定価本体四千七百六十二円。
小林氏は『日書連三十年史』『日書連四十年史』に引き続き三度目の執筆。
第一部「編年史」は日書連、出版界、一般社会の出来事に分け一年分をの動きを見開き二頁にまとめ、第二部は正味、運賃・荷造費、月一払い、再販制などの問題別史、第三部では「書店21世紀ビジョン報告書」と座談会で日書連の未来像を探る構成。
巻末に都道府県組合の沿革と現況、各種資料を付した。
ご注文は消費税込み五千円に送料四百五十円を添えて日書連事務局まで。

入帳の遅れは輸送?

日書連流通改善委員会が行った調査で、書店の返品出しから取次入帳まで書籍で四週間、雑誌で三週間かかっている実態が報告になったが、これを受けてトーハンは同社取引の書店についてエリア別の平均返品所用日数を調査。
手書き伝票を利用した書籍で十一・六日、雑誌は五・一日というデータを発表した。
先に発表した日書連調査は五月期の入帳日数を取次別に調べたもので、トーハンは回答のあった十六店の平均で書籍が最短二十二・八日、最長三十六・九日、雑誌は最短十八・二日、最長三十・七日という結果だった。
この数字に対し、トーハンは「調査店にかたよりがあり、実態を反映しているとは言いがたい」として、日書連と同じ五月期を対象に返品所用日数を調査。
東部、首都圏、中部など営業エリア別に雑誌百十八店、書籍五十七店を無作為抽出し、■書店が輸送会社に渡した日からトーハン到着日まで、■トーハン到着日から入帳処理日数、■輸送会社渡しから入帳処理までの日数を算出した。
これによると、トーハン到着後の入帳処理日数は雑誌で平均〇・六日、書籍も手書き一・〇日、ハンディ・ターミナル(HT)〇・六日と即日ないし翌日処理が行われていることが改めて確認された。
しかし、書店出しから入帳処理までの日数を地域別に見ると、雑誌では首都圏が三・三日で最短。
九州は十・七日と最長になり、書店から東京ロジスティックスセンターまでの輸送日数が二・六日から十・六日までバラつきがある実態が浮かび上がっている。
一方、書籍の返品では、手書き伝票が平均十一・六日に対し、HT利用は九・四日と約二日の差が出た。
手書き伝票の場合、最短は首都圏の六・五日、最長は九州の十七・七日。
トーハン到着後の処理日数も〇・二日から三・〇日までに処理されている。
HT利用が手書き伝票より到着日が早くなっていることについては、書店段階の返品作業効率化が図られているため伝票起票日と到着日の間が短縮されていると推測される。
同調査結果について、トーハンは「返品部門は当社が先行して改革を手掛けている分野。
入帳業務は原則を順守して最短スピードで行っている。
入帳締切りの作為的な変更は不可能」とコメントしている。

月額7百円で使い放題

インターネット・サービス・プロバイダーの・ノビネットは、日書連と提携して格安のインターネット接続サービスを都道府県組合加盟店と従業員に提供することになった。
利用料金は使いたい放題でダイアルアップが月額七百円(最寄りのアクセスポイントまでの通話料は利用者負担)、年払い七千円、フレッツISDNが月額千百八十円、年払い一万一千八百円(別途、NTTとの契約、定額料金が必要)。
ダイアルアップのアクセスポイントは全国に二百二十七カ所あり、電話料金はほとんど市内電話対応できる。
メールアドレス一つ、ホームページ容量五メガバイトまで無料。
申し込み・問い合わせは港区南青山5−10−2第2九曜ビル4F・ノビネットまで。
フリーダイアル0120−816−950、フリーFAX0120−518−379

読書週間書店くじ申込みは今すぐに

一等一万円の図書カードが三千名に、四等の当選本数も十本に一本と大幅に増加した「読書週間書店くじ」の申し込みは八月二十日までになっていました。
まだお申し込みがお済みでない書店は、至急、所属都道府県組合までご注文を。
一束(五百枚)三千五百七十一円で頒布しています。
読者謝恩、店頭活性化のためご活用下さい。

二日目発売へ協力を

鳥取県書店商業組合(永井伸和理事長)、島根県書店商業組合(今井直樹理事長)の両組合は八月三日、日書連萬田会長あてに「雑誌発売日改善のお願いについて」を送付。
雑誌発売日本部委員会に提出した「お願い」文書を添えて、岡山・広島両県なみの発売日繰上げについて理解と協力を求めた。
岡山・広島両県では今年三月から雑誌発売日が一日繰り上がった結果、隣接する鳥取・島根両県の発売日は東京より二日、岡山・広島とは一日遅くなった。
島根と岡山は一日十五往復の特急でつながり、交通の便もよく、日帰りビジネス圏。
このため発売日格差に対する読者の不満がひろがっている。

催し

◇トーハン総研カルチャーフォーラム「永井伸和との熱き2時間」トーハン総研は本年度第二回の「カルチャーフォーラム」を十月四日午後二時から東京・東池袋の「かんぽヘルスプラザ東京」で開催する。
今回は「永井伸和との熱き2時間−読書推進から出版文化創造まで−」と銘打ち、今井書店グループ社長で日書連理事の永井伸和氏が業界の将来を見据えたこれからの行動について、現状を踏まえて縦横に語り尽くす。
永井氏は二十一世紀に向けて「本の学校」を設立し、五年間にわたり「大山緑陰シンポジウム」を開催。
出版関係者に広く開かれた議論・研修の場を提供するなど、書店人のオピニオン・リーダーとして精力的に活動している。
さらに、来年十月十二日から開催される第十七回国民文化祭「夢フェスタとっとり」のメインイベントとして「出版文化展」が鳥取県で大々的に展開されることが決定している。
このセミナーで、永井氏は「出版文化展」の構想はもちろん、今日の業界についての考察、今井書店グループの地域と共生する行動力、これからの学校図書館の課題などを語る予定。
受講料一名五千円(消費税含む)、定員百名。
問い合わせ・申し込みはトーハン総研・セミナー事務局まで。
03−3268−073103−3268−0756

4年連続で減収に

日経流通新聞は八月二日付で「第三十回日本の卸売業調査」を発表した。
これによると、卸売業全体の二〇〇〇年度売上高は前年比〇・六%減と四年連続の減少、経常利益も九九年度の三五・五%増から一転して一二・三%減となった。
同紙では、デフレ進行、消費不振、小売とメーカーが直接取引する卸「中抜き」などが、卸売業の業績に影を落としていると分析している。
この調査で出版物卸売業は「書籍・CD・ビデオ・楽器」に分類。
同業界全体の売上伸び率は二・六%減で四年連続マイナス。
各社は販売費の削減を進めたが補い切れず、経常利益率も五・七%減となった。
この分類から書籍卸売業だけをまとめたのが別表。
日販(〇・三%減)、トーハン(五・二%減)をはじめ各社が減収となるなかで、キクヤ図書販売(一一・九%増)、図書館流通センター(〇・二%増)の二社が増収となった。
営業利益の伸びをみると、プラスとなったのは図書館流通センター(一一・五%増)、日販(二・二%増)の二社。
太洋社は五四・三%減と大きく落ち込んだ。
経常利益の伸び率では、図書館流通センター(九・二%増)、日販(四・八%増)の二社がプラス。
一方、中央社(五一・〇%減)、太洋社(四四・八%減)は大幅減となった。
粗利益率は図書館流通センターが二六・九%と突出。
他は軒並み一〇一一%台で、この中では中央社が一一・七%で最も高かった。

敬老の日読書のすすめ選定図書

▽『血脈(上・中・下)』佐藤愛子、文藝春秋、各2000円▽『歌の風景』安野光雅、講談社、3000円▽『生きることばあなたへ』瀬戸内寂聴、光文社、1238円▽『さんずいづくし』別役実、白水社、1600円▽『ホタル帰る』赤羽礼子/石井宏、草思社、1500円▽『幸福論』吉本隆明、青春出版社、1400円▽『白の闇』ジョゼ・サラマーゴ、日本放送出版協会、2300円▽『草を●に小説牧野富太郎』大原富枝、小学館、1800円▽『お年寄りに役立つ道具案内』銀ちゃん便利堂編、学陽書房、1800円▽『微光の道』辻邦生、新潮社、1900円▽『さよならパイプのけむり』団伊●磨、朝日新聞社、2500円▽『歴史をあるく、文学をゆく』半藤一利、平凡社、1500円▽『あるがままに老いる』大原健士郎、毎日新聞社、1400円▽『人生の賞味期限』藤本義一、岩波書店、1600円▽『姥ざかり花の旅笠』田辺聖子、集英社、1700円▽『仰臥と青空』水上勉、河出書房新社、1500円▽『シニア時代を楽しむサークルライフ100』前田波留代、東京書籍、1500円▽『真贋』小林秀雄、世界文化社、2000円▽『華齢な女たち』吉田ルイ子、中央公論新社、2400円▽『すべての人の心に花を』喜納昌吉、双葉社、1600円▽『鈴木真砂女全句集』鈴木真砂女、角川書店、3600円▽『日本人の心』河合隼雄、潮出版社、1400円▽『勢津子おばあさんの元気に暮らす魔法の杖』西川勢津子、主婦の友社、1500円▽『じいちゃんの伝説』清水ちなみ、筑摩書房、1200円▽『黄砂と桜』安西篤子、徳間書店、1600円▽『101歳、人生っていいもんだ。
』ジョージ・ドーソン/リチャード・グローブマン、飛鳥新社、1700円

−無題−

*山形鶴岡支部が暑気払いの会山形県書店商業組合鶴岡支部は八月六日、「サン・ジョルディ記念講演会」の総括と郷土出版物の企画説明会を兼ねて暑気払いの会を開き、少数ながら精鋭揃いのメンバー八名が集まった。
併せて春に加入した新組合員、昭文堂書店の歓迎会も実施した。
会では、八月三日に東北最大規模のジャスコに一八〇坪の書店が出店したことなど、多岐にわたる話題が取り上げられた。
そして、「待つ商い」では小規模書店は淘汰されるとして、「攻める積極的外商」で協力し合うことを確認。
拡売商品の共同仕入れや商品開発にも話が発展するなど、難局を乗り越えるための知恵を出し合った。
さらに、地域に依拠する地元書店として、売るだけではなく、知識人の力を借りながら地域文化向上に貢献する方策について話し合った。
また、一月「庄内の歴史出版記念講演会」や六月「サン・ジョルディ記念佐高信講演会」の成功で書店は自信を深め、活力を得ることができたとの意見が出された。
(鶴岡書店・佐藤一雄)

分別販売徹底で青少年育成に協力

神奈川県書店商業組合(中村宣勝理事長)は八月七日午後二時から、神奈川区のトーハン神奈川支店で定例理事会を開催した。
始めに中村理事長から七月の活動について報告があり、ポイントカードに厳正な対応を求めて、日書連役員が出版社を訪問し趣旨説明を行ったことなどが報告された。
総務・財務では、八月二十三日に箱根湯本・南風荘で開催される総会の審議事項について、賛助会員規定の制定にともなう定款変更や、決算報告の説明が行われた。
発売日問題では、現在少年ジャンプとヤングマガジンについて七月から八月にかけてコンビニで調査を実施しているが、サンクスとローソンで違反があったことが報告された。
倫理については中村理事長から「県青少年条例の趣旨を神奈川の取次担当者に周知徹底した。
不必要な送品は取次に言ってもらえれば止まるはず。
青少年の育成は大切なので分別販売の徹底をお願いする。
成人コーナーステッカーも九月には配布できると思う」と説明があった。
再販問題では、日書連が行うポイントカードの実施状況調査について、各支部で調査を行い、書店に限らず他業種の店も対象とすること、八月二十日までに組合に送付してもらうことなどの要請があった。

「すぐ役立つ」と好評

大阪府書店商業組合(今西英雄理事長)は八月七日、組合会議室でパソコン超入門講座と、日書連柴崎繁常任委員の講演を開き、猛暑のなか二十七名が参加した。
パソコン超入門講座は、盆明けに予定されている政府助成の六回十八時間のパソコン講習会の総論と位置付けされるもの。
講師は大阪組合IT担当理事・深田健治氏(ブックスふかだ)がつとめ、大阪組合ホームページやS−BOOKを例として解説。
「すぐに役立つ」と好評だった。
なお、盆明け講習会はすでに満席となり締め切られた。
柴崎氏の講演のテーマは「取次への支払い−こんな形で払ってます」と「TS流通から見る協業化」。
支払いを通して見えてくる書店、取次間の不合理を次々と指摘、その小気味よい語り口に一同酔いしれ、しばし暑さを忘れる一時を過ごした。
(田中順二広報委員)

頑張る書店に支援を

8月8日号の安井さんの投稿「書店に不公平、年間予約購読の割引き」を拝見しました。
当店も同じような思いをしています。
出版社は書店に一切の連絡もなく、こういった割引販売を行っていることが多く、大変困っております。
結果的に長年のお客様を目の前で失うケースがあるのです。
「読者の声として本屋が近所にない、配達をしてくれない、品切れの時の応対が悪い」。
これに関してはそういった書店もあるでしょうが、頑張っている書店に対して出版社の協力がないのはいかがなものでしょうか。
今は電子メールを利用するなどすれば、特に頑張っている書店からの意見を収集することなどが安く簡単にできるのではないかと思います。
出版社は、もっと書店の意見を積極的に取り入れる姿勢をつくって下さい。
積極的に働く出版社に対しては、書店組合も協力姿勢を強化されるとよいのではないかと思います。
組合費は頑張っている書店に対しての優遇措置にも使っていただきたいものです。

キャラクター商品をコーナー展開

トーハンはマルショウ産業・(本社・東京都東大和市)と提携し、取引先書店に人気コミック、ゲーム関連のキャラクター商品の売場提案を開始した。
「MEDIAMAX」の名称で店内に小スペースを確保、玩具・雑貨・トレーディングカード等の商品をそろえたラックを設置するもので、コミックや関連書籍との相乗効果を狙う。
商品の選定は、トーハンがコミック等の売れ筋商品情報をマルショウ産業に提供。
同社がトレーディングカード、ストラップ、フィギュア、ステーショナリー、キーホルダー等の関連商品を随時追加投入する。
初期導入金額は、販売什器一台当たりの在庫推定金額二十〜二十五万円。
専用ディスプレイラックを無償貸与する。
コーナー設置後はマルショウ産業の専任担当者が定期的に書店を訪問し、情報提供や商品入れ替え、販売相談などを行う。
また、電話やFAXで、在庫・売行状況のチェックや補充商品の吸い上げ、販売相談を随時行う。
取り扱い窓口は東販商事で、当面は首都圏、中部エリアを対象に二百書店での導入をめざす。

天球儀「スターナビ」

トーハンは、簡単な操作で星を探し出せる天球儀「スターナビゲーションMAX−SSS」の販売を七月下旬から全国書店で開始した。
発売元はサイエンスアイ(本社・福岡県飯塚市)。
スターナビゲーションは、従来の星座盤や早見表と違い、天球の形をした本体に実際の星空に対応した星座が描かれているのが特徴。
方位・日時をセットし、天球儀上で観察したい星座に針を合わせてファインダーを覗けば、めざす星や星座を簡単に見つけることができる。
八月三十一日までキャンペーン期間限定で特別価格を設定。
本体にアルミ製三脚、星座カードを含む五つのオプションを付属したフルセット標準価格四万二千二百八十円のところ一万九千八百円で販売する。
キャンペーン終了後は二万九千八百円(すべて税別価格)。
今年十月には土星食やオリオン座流星群、十一月にはしし座流星群、十二月にはふたご座流星群と、秋冬に向けて夜空を観察する機会が増えると予想され、書店販売で幅広い顧客の取り込みを図る。

−無題−

小澤さんのこと杉本貞幸「オーチャン」とは小澤淳男前日書連会長のことである。
面と向かっては「オーチャン」とは言わないが、われわれの間ではそう呼ぶ。
最大限の親しみと畏敬が込められている。
ちなみに八田さんは「ハッチャン」であり、影山さんは「カゲチャン」である。
大正十二年生まれで、男の数が最も少ない(一番多く戦争で死んだ)年代である。
「オーチャン」の魅力はさらっとしていること。
優しさと寂しさが同居している。
「オーチャン」は女性にも男性にももてるが孤独でもあった。
最愛のお嬢さんを早く亡くし、奥さまにも先立たれた。
日書連会長に就任したとき、「号令をかけるのは苦手だ」と言った。
号令を掛けなくても心が通うから、人々は「オーチャン」を中心に動くのである。
「まだ生かされているよ」と飄々としているが決断すれば仕事は早い。
昭和五十九年、銀座のリクルートを舞台にして出版業界が初めて「時限再販本」を販売した時の実行委員長である。
不思議な魅力と指導力で多くの書店人や取次人を動かし、三日間のイベントを最大限に盛り上げた男。
サン・ジョルディの日の事務総長となり、松信構想を華やかに開花させたのも「オーチャン」である。
海外旅行の額が問題視されたとき、「阿波踊り」のテレホンカードをさりげなく相手に渡して話を柔らかにした男。
その「阿波踊り」を東京組合の新年会会場に繰り広げたのには驚いた。
言うまでもなく「オーチャン」は東京(高円寺)阿波踊り振興協会の会長さんである。
「酒席」でのことは沢山あり過ぎて書きようもない。
「スーさん(私のこと)のおつむはピカピカで、何か塗っているのかな」と真面目な顔でおっしゃる。
歌はお好きで、どこで仕入れるのか極めてお上手である。
「おまえに」なんか絶品である。
去年の十月にお訪ねした時(あの時は元気だった)「今度いっしょに歌うからギターかついで来てよ」と言った、その「オーチャン」はもういない。
鳴呼。

三日間で5千6百人

トーハンと京都トーハン会は、七月二十一日から二十三日まで京都三井ホールに児童図書を中心に三万点五万冊を揃え「二〇〇一こどもの本ブックフェア」を共催。
夏休み最初の土日とあって、三日間に五千六百三十四人が訪れた。
会場はジャンル別、テーマ別企画、学校図書館、イベントの四ゾーンに分けられ、「朝の読書」「京都地区推薦図書」「ドリームブックスコレクション」「ファンタジーワールド」の人気が高かった。
「那須正幹・動物ものがたり発行記念サイン会」では、サイン本を大事に抱えて会場を後にする子どもの姿が見られ、仕掛け絵本教室、読み聞かせ、地域文庫の会による大型紙芝居、パネルシアター、光の工作などのイベントに大勢の子どもが参加した。
今年のこどもの本ブックフェアは、京都会場で全日程を終了した。
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日販は鹿児島でこどもワールド

日販は八月三日から五日まで鹿児島市の鹿児島卸団地組合会館で「本と遊ぼう!こどもワールド2001児童図書展示会」を開催、五千七名が来場した。
初日のセレモニーで日販伊藤専務は「今年も全国三会場で開催するが、鹿児島は地元書店の強い要望で昨年に引き続き五回目の開催。
日販は一昨年から『おはなしマラソン』を全国で展開しており、九州でも二十五店舗で継続開催中。
この会場でもたくさんの児童書に出会っていただきたい」とあいさつ。
児童図書出版協会・竹下副会長、鹿児島日販会・井之上会長、日販伊藤専務らでテープカットを行った。
展示会では「ファーストブック」「夏休み課題図書」「世界の絵本」「椋鳩十」などのテーマ別に本を展示し、イベント会場では「かごしま文庫の会」が歌とお話の会を連日開催、わらべ歌遊びやお絵描き教室も開かれ、昨年を千五百人上回る入場者だった。
日販と日販労組は社会福祉・教育施設に本を贈る運動を展開しており、日販からは若葉学園に、日販労組からは知覧児童学園に図書が寄贈された。
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−無題−

新古書籍の併売に反対杉並区・文彰堂書店能一彦業界紙「新文化」7月26日号によれば、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が新刊書籍販売と平行して新古書販売を始めるにあたって、講談社に「リサイクル法に基づいたフィー」を払うので、新古書販売を行うことへの了解を求める陳情に行ったとのことである。
「リサイクル法に基づいたフィー」とは、著作者に対する著作権料に相当するものとのことである。
さすがに講談社では強硬に反対を表明されたというが、私はその奇抜な発想と、それを実行する行動力には感服した。
新刊書と新古書籍を同一書店で販売すれば、種々の問題が生ずることはよく知られている。
併売店で新刊書を売った時に回収したスリップを、同じ題名、同じ巻数の新古書籍にはさみこんで取次に返品したらどうなるのだろうか。
多少汚れていても、取次は返品に応ぜざるを得ないことになるのではないか。
書店業界も取次業界も新刊書籍販売と新古書籍販売を併せ営業する店舗に対して甘すぎたのではないか。
街を歩くと、この併売店にお目にかかることがある。
また、併売はしていなくても新刊販売店と新古書籍販売店が同一経営者であったり、経営者は異なっていても壮語に業務提携している場合もあるようだ。
日書連の定款にも会員資格には古書籍販売業者は除くと明記されている。
古書籍販売業を兼業したり、その業者と提携している会員は除名すべきではないか。
賦課金収入が減るので大目に見ているとすれば、本末を転倒した間違った考え方と言わざるを得ない。
取次に対してもこのような業者とは取引を中止するよう要求すべきではないか。
新刊書籍販売業も年々厳しさを増しており、ルールを守らない業者は取次と相携えて排除すべきであろう。

週間売行き情報

なかにし礼の『赤い月』(上・下)、著者の実母をモデルにし、この作品を書くために小説家となったとまでいわせた作品。
売切品切がうらめしい。
(ぺ)(1)『ハリー・ポッターと賢者の石』静山社4‐915512‐37‐1……15冊
(2)『遊・戯・王デュエルモンスターズ5エキスパート1(下)』集英社4‐08‐779122‐X……12冊
(3)『黄金の太陽開かれし封印』集英社4‐08‐779119‐X……10冊
(4)『ハリー・ポッターと秘密の部屋』静山社4‐915512‐39‐8……9冊
(5)『KinkiKidreturns!』ワニブックス4‐8470‐2670‐5……8冊
”『赤い月(上)』新潮社4‐10‐445101‐0……8冊
”『FromTVanimationONEPIECEとびだせ海賊団!』集英社4‐08‐779124‐6……8冊
(8)『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』静山社4‐915512‐40‐1……6冊
”『新しい歴史教科書』扶桑社4‐594‐03155‐2……6冊
”『愛の領分』文藝春秋4‐16‐320060‐6……6冊
(11)『ファイナルファンタジーX最速攻略本FORBEGINNERS』デジキューブ4‐8878‐7000‐0……5冊
”『十二番目の天使』求龍堂4‐7630‐0106‐X……5冊
”『赤い月(下)』新潮社4‐10‐445102‐9……5冊
”『ミロとしましまねずみ』講談社4‐06‐262179‐7……5冊
(15)『13階段』講談社4‐06‐210856‐9……4冊
”『墜落現場遺された人たち』講談社4‐06‐210746‐5……4冊
(8月12日〜18日調べ)

週間売行き情報

お盆休み中は店内も静寂だ。
十二番目の天使が一位に返り咲いた。
中吊ポスターのパワーと商品力の強さがうかがえる。
POP見出は、夏休み最後の感動この一冊!(隆)(1)『十二番目の天使』求龍堂4‐7630‐0106‐X……13冊
(2)『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』静山社4‐915512‐40‐1……12冊
(3)『市販本新しい歴史教科書』扶桑社4‐594‐03155‐2……11冊
(4)『ハリー・ポッターと秘密の部屋』静山社4‐915512‐39‐8……6冊
”『あたしンち(7)』メディアファクトリー4‐8401‐0308‐9……6冊
”『聞き取り用・書き取り用CD付英語は絶対、勉強するな!』サンマーク出版4‐7631‐9388‐0……6冊
”『ZERO(上)』幻冬舎4‐344‐00106‐0……6冊
”『赤い月(上)』新潮社4‐10‐445101‐0……6冊
”『赤い月(下)』新潮社4‐10‐445102‐9……6冊
”『13階段』講談社4‐06‐210856‐9……6冊
(11)『ハリー・ポッターと賢者の石』静山社4‐915512‐37‐1……5冊
”『TheBlueDayBook』竹書房4‐8124‐0610‐2……5冊
”『夢の島』双葉社4‐575‐00700‐5……5冊
”『ザ・ゴール』ダイヤモンド社4‐478‐42040‐8……5冊
”『藤原主義』幻冬舎4‐344‐00100‐1……5冊
”『指揮官たちの特攻』新潮社4‐10‐310812‐6……5冊
”『十津川警部ある女ヘの挽歌』小学館4‐09‐379651‐3……5冊
(8月12日〜18日調べ)

9月20日にパワーアップセミナー開催

トーハン・コンサルティングは、トーハン書店大学「書店経営パワーアップセミナー」を九月二十日、トーハン本社大ホールで開催する。
このセミナーは書店経営者・役員・後継者・店長クラスを対象としており、参加者が自ら店の課題を発見し、それを分析することで今後の具体策を策定することを目的とする。
講師は志磨経営総合事務所代表の志磨宏彦氏。
開催要領は以下の通り。
▽日時=九月二十日(木)午前十時〜午後六時半▽プログラム=イントロダクション自社の現状分析書店経営者に必要な決算書分析のノウハウ自社の経営分析と戦略立案情報交換会▽受講料=全国書店共助会加入店一万三千円、非加入店二万六千円(昼食・テキスト・資料代・消費税含む)問い合わせ、申し込みはトーハン・コンサルティング内「トーハン書店大学」事務局(03−3267−8686、URL=http://www.tohan−c.co.jp/)またはトーハン各支店まで。

本屋のうちそと

買い物に行くと、ポイント制がブーム。
百円に一ポイントというシステムで、デパートも商店街もドラッグ・チェーンもポイントを付けてくる。
大きく言えば割引だろうが、商品を買ったときに割引するのでなく、何度も買い物に来て頂いたお客様に還元する。
商店街は集まったポイントを買い物をした商店のみならず、何処でも買える商品券と変えてくれる。
地元の商店街で買って頂きたいのだが、客はこの町の住民だけではないから、何処でも使える商品券は便利。
商店街でのポイント制は広い範囲のお客様への還元だ。
商店街全体の活性化のため、小さな商店街も横のつながりでスタンプを始めている。
この地区は商店街とのお付き合いもあり、全体の約半数が何かのポイントスタンプ制を行っている。
一方、書店が独自にポイントを付ければ、再販契約で禁止されている割引になる。
ポイント制ではないが、日書連の書店くじは年に二回行う読者サービス。
本の売行きに貢献も出来るのではないだろうか。
しかし、現在の一枚七・五円は高い。
せめて四円程度にして欲しい。
五百円で一枚とすると、一・五%の負担になる。
これが原資になることはわかっているが、参加率が悪いのは、この辺が原因ではないか。
より一層改善して定着して欲しい。
安くなれば、参加書店も増えると思う。
書店くじの扱い店には入り口に貼るステッカーを配って欲しい。
扱い店と非扱い店の差が出てもやむを得ないのではないか。
(とんぼ)

『わかもとの知恵』

戦前、わかもと製薬が販促用に無料配布していた小冊子『重宝秘訣絵本』を下敷きに、作家・筒井康隆が『わかもとの知恵』(B6判二二四頁・定価九百円)を金の星社から書き下ろした。
出そうなあくびを止める知恵、洗った犬の体を早く乾かす知恵など、健康編、食べもの・飲み物編、身のまわり編、屋外編の各章に分け「覚えておくと一生役に立つ」生活の知恵を紹介する。
各編に添えられた「きたやまようこ」のユーモラスなイラストが秀逸で、子どもから大人まで楽しめる一冊。
筒井康隆が朝日新聞に書いたエッセーで思い出の絵本として『重宝秘訣絵本』を紹介したのを、金の星社の斉藤社長が目に止め、執筆を依頼、一年かけてまとめたもの。
八月三日の発売を前に、オンライン書店BK1では堂々の予約三位。
同社では販促用のPOP、陳ビラ、しおりを用意して配布している。

教養路線の光文社新書

岩波新書、中公新書、文春新書など色地のカバーに対し、最近ブームを呼んでいるのが宝島新書、集英社新書など「白」を基調とした新書。
この白の新書のジャンルに光文社が十月十七日、光文社新書で参入する。
創刊ラインナップは田崎真也の『本格焼酎を究める』など別掲の十点。
「現場」という細部に目線を置いた二十一世紀の新しい教養新書を目指す。
十一月以降、毎月五点刊行、本体価格六百八十円から七百二十円。
八月六日、業界紙説明会で、書籍ノンフィクション部門編集担当の松下厚取締役は「カッパブックスは生活実用新書として読者の支持を得てきた。
『ドイツ節約生活の楽しみ』などのヒットで古い服を脱ぎつつある。
しかし、岩波の教養に対抗してきたコンセプトが暑苦しくなってきたことは否めない。
今回は白の新書のジャンルで宝島、集英社に対抗し、新しい知の創造を目指す。
生産現場の無名な人の体験、ひらめきを新書にしていく」と創刊意図を説明。
光文社新書古谷俊勝編集長は「読者対象は三十代の男女を中心にゼネラリストでなく、スペシャリスト。
装丁は香港の国際的デザイナー、アラン・チャン氏を起用し、立体感あるデザインになった。
新書では一番軽く、持ち運びしやすい」と、述べた。
販売面は中川由紀夫販売部長が説明。
■初回配本はカッパブックスを参考に、新たに光文社新書のランクを設定する、■セット受注でなくバラ配本する、■光文社新書販売に関するパートナーショップ制度を考えたい−−とした。
創刊ラインナップ『Zカー』片山豊・財部誠一/『本格焼酎を究める』田崎真也/『知のディズニーランド・ハーバード』田中宇・大門小百合/『駅弁大会』京王百貨店駅弁チーム/『チラシで読む日本経済』澤田求・鈴木隆祐/『アロマフレスカの厨房から』原田慎次・浅妻千映子/『思い通りの家を造る』林望/『温泉教授の温泉ゼミナール』松田忠徳/『ビジネス英語を速く読む』古藤晃/『怪文書』六角弘68L

業界全体で万引き対策を

神奈川県書店栗田会は八月六日午後三時半から、横浜市中華街の華正樓本店で第十一回定例総会を開催。
会員書店、栗田出版販売、出版社など総勢二十三名が出席した。
総会は岡本順太郎氏(大野屋書店)の司会で進行。
冒頭であいさつした草薙立哉会長(ブックスアミ)は出版業界を始め低迷する日本経済に触れて、「小泉改革は痛みを押し切ってやると言われているが、本当に新聞やメディアの言う通りの数字で行くのか。
表向きの話を見るのでなく、シビアに見る眼力を養って自らどうするのか考えていく必要がある」と述べたほか、万引き対策として、製本段階で装置を挿入する防止センサーシステムに業界全体で取り組むべきではないかと指摘した。
引き続き、草薙会長を議長に選出して議案審議に移り、会計・監査報告、事業計画を承認。
役員改選では山村信一副会長(山村書店)の退任に伴い、堀田暁氏(ともえ書店)が新たに副会長に就任、他の役員の留任を決定した。
祝辞を行った栗田・土屋正三取締役は、「他社と取り組んでいる返品協業化は来年一杯で雑誌を一本化する。
現在各社で詰めを行っている段階で、協業化のよい部分には積極的に行動したい。
今年上半期は雑誌の売上げ、特に月刊誌が下がっており、店頭の活性化が必要。
九月三日に『書店の数字』研修会を開催するので積極的に取り組みを」と述べた。
五時からは出版社、輸送会社を交えて懇親会を開催。
草薙会長のあいさつ、土屋取締役の祝辞に続き、小学館PS福井雄治首都圏支社長代理の発声で乾杯した。

人事

◇大阪屋(8月1日付)〈部次長級〉経営推進室EC事業部iブックシティ所長・部長待遇(同・次長待遇)薮内寛司管理統括部総務人事部次長兼人事課長兼能力開発課長(総務人事部人事課長兼能力開発課長)北口明彦第一営業統括部第二営業部次長(第二営業統括部特販第一部長席付・課長待遇)浦田元雄第二営業統括部特販第二部長(特販第二部長兼マルチメディア商品販売課長)阿部修嘉営業推進統括部営業推進部長(営業推進統括部長席付・部長待遇)渡辺秀夫営業推進統括部企画調整部次長兼書籍企画課長(企画調整部書籍調整課長兼書籍企画課長)西岡和人取引部長(取引部長代行・次長待遇)川合正記東京本部東京業務部長兼東京流通センター所長兼新座流通センター所長(同兼物流業務課長)枦太津義東京本部仕入部長席付・部長待遇(東京本部仕入部長席部長)山本良文