全国書店新聞
             

平成17年3月21日号

ホテルメンテルス平日宿泊料を改定

日書連共済会が契約している宿泊施設「ホテルメンテルス」は、平成14年8月に民事再生の手続きをとったあとも、従来通り巣鴨、大塚、六本木の3ヵ所でホテルを営業してきたが、4月1日から六本木館の閉館と、宿泊料金の改定を行うことを通知した。
新しい料金は会員料金を平日(火・水・木)と、それ以外(月・金・土・日祭日)に分け、平日利用料金が大塚シングル7350円、ツイン1万4280円、巣鴨シングル6825円、ツイン8925円となる。月・金・土・日祭日の料金は従来通りに据え置く。実施は4月1日利用からとなる。

東京BFでもPR/夏休み雑誌愛読月間

2005年「雑誌愛読月間キャンペーン」の概要が決まった。今年は7月7日から10日まで東京ビッグサイトで開かれる東京国際ブックフェアに雑協として出店、読者から直接年間定期購読を受け付けるほか、書店店頭キャンペーンはトーハン、日販、大阪屋の定期予約システムと連動し、7月1日から8月20日まで実施することになった。
今年のキャンペーンは雑誌販売の低迷を打開するため、「毎号読むから、読み比べるから楽しく面白い」と雑誌定期購読を多角的にPRする。
東京ブックフェアには雑協として4ブースを確保。キャンペーン対象誌の年間定期購読を受け付け、会場限定のサービス品も提供する。また、読者を表紙モデルにしたマガジンカード(図書カード)製作、キッズ向けエコ・コーナー、今年のイメージキャラクター、岩佐真悠子さんコーナーなどを展開する。
雑協、取協、日書連の共催で行う定期購読キャンペーンは、トーハン、日販、大阪屋の定期購読システムに参加している雑誌から対象誌を出してもらい、一括前払いで申し込むと定価の1カ月分をサービスする。書店の参加申し込み制で実施、5月20日までに取次に申し込む。昨年は36社、75誌が定期購読キャンペーンに参加しており、今年も同程度の参加が見込まれる。
イメージキャラクターは2003年ミスマガジン・グランプリに選ばれ、第42回ゴールデン・アロー賞グラフ賞を受賞した岩佐真悠子さん。岩佐さんをモデルにした特製マガジンカード(図書カード)を抽選で2005名にプレゼント。

春の書店くじ申込みは大至急

4月23日の「世界本の日=サン・ジョルディの日」「子ども読書の日」をはさんで4月20日から30日まで実施する「春の書店くじ」の申し込みがお済みでない書店は、大至急、所属都道府県組合までお申し込み下さい。頒価は1束5百枚単位で3571円(消費税別)。読者謝恩、販売促進にお役立て下さい。

各県に情報化資金交付/審査で上限20万円限度に/日書連

日書連スタートアップ21特別委員会(井門照雄委員長)は3月15日の会合で、希望する各都道府県組合に情報化資金として1組合20万円を限度に補助金を付けることを決めたほか、組織強化の件では「取引慣行改善のための実態調査」の考え方が鈴木副会長から説明された。情報化資金は都道府県組合のIT化促進のため、平成14年度、15年度と2年間にわたって補助金を出してきたが、2月上旬に各県組合を対象に実施した「情報化推進状況調査」の結果、「今年も継続してほしい」という声が多く寄せられたため、今年も交付を決めたもの。
情報化資金を希望する組合は資金を必要とする理由と費用の概算を添えて3月24日までに日書連に申し込み、審査の結果、資金を交付する。
取引慣行改善の実態調査の件では、鈴木組織強化委員長が委員会の考え方を中間報告。経営・取引問題にポイントを絞り、①支払いサイト、②入金報奨、③返品入帳、④正味、⑤発売日の各項目を重点調査したいと説明した。
日書連では10年に一度程度「書店経営実態調査」を行っており、前回調査は6年前の1999年。過去の実態調査の調査項目も加え、全法人を対象に行う方向で日書連4月理事会までに具体化を図っていく方針を確認した。
責任販売制の件では主婦の友社村松社長が「新文化」2月24日号に「書店の雑誌返品率を5%下げてくれれば、正味を3・5%下げる」という試案を発表したことで、15日午前、井門委員長が主婦の友社に村松社長を訪問。意見交換したことが報告された。
この席で村松社長は、「返品率が下がれば、それが原資となって書店に相応の還元ができる」と発言したという。また、この責任販売制を検証するため①4月から規模の異なる5法人でテストする、②対象は雑誌20誌に限定する、③現在の返品率によって目標返品率の下げ幅を変える、④POSレジがあり、販売データの提供が条件、⑤報奨金はスリップ報奨に上乗せする、⑥半年経過した10月に実験店舗名と結果を公表する――とし、「新文化」報道の後、複数の取次から照会があったほか、同社のシステムに乗りたいという出版社があったことを明らかにした。
JPO関連の報告では、①2007年1月からISBNコード13桁化、②商品基本情報センターの設置、③ICタグ実証実験などの進行状況について報告があり、情報化を担当する志賀副会長は「三越百貨店が靴にICタグをつけて管理したところ、色・サイズの異なる靴を探すのに平均5分かかっていたものが30秒に短縮した。導入後、2ヵ月連続で2桁台の売上げアップになった」と、流通段階におけるICタグの効果を強調した。
コミックの貸与権問題は改正著作権法が成立し、著作権団体とレンタル業者との間で許諾料の徴収については合意ができたものの、許諾料と新刊貸出し禁止期間をめぐり話し合いが難航しているところ。
井門委員長は「話し合いがつかなければ7月にも文化庁の裁定が出る可能性がある」と指摘。レンタルブック店に商品を供給し、許諾シールを貼付、使用料を徴収する管理業務代行店の資格を日書連として申請することを報告した。

ISBN、2007年から13桁に移行/JPOが実施方針発表

日本出版インフラセンター(JPO)は3月10日の記者会見で、2007年のISBNコード13桁への移行やICタグ実証実験の中間報告、商品基本情報センター設立などを発表した。
今回のISBNコードの規格改定は米英など英語圏の国々でデジタルコンテンツへの付番が激増し、発行番号の不足が決定的になった状況を受けて4年にわたり検討されてきたもので、国際ISBN機関が昨年11月に決定。同2月には13桁化に向けた実行ガイドライン(勧告書)が各国に示されており、このほどJPOが発表した実施方針はこの勧告を受けて検討してきたもの。改定13桁は現行10桁コードの頭に書籍・出版業をあらわす「978‐」を挿入し、C/D(チェックデジット)を再計算。計算式は書籍JANコードと同じなので、ISBNコードはC/Dを含めて書籍JANコードの1行目とまったく同じ番号になる。
07年1月1日以降の新刊本・重版本は改定13桁を表示。同日以降に出荷する既刊本も可及的速やかに書き換える。今回の改定では大幅な基本システム変更の必要はないとしている。また、現在標準化されているOCR‐BフォントによるISBN表示を止め、読み取り対応表示は書籍JANコードにシフトすることを検討している。
ICタグ実証実験の中間報告では、製本段階でのICタグ装着による耐久性を試験するためハガキ大のICタグを約8900冊のコミックに装着して製本したところ、約140冊のICタグが壊れ破損率は1・61%だったと発表した。
商品基本情報センターは4月1日に稼動。ISBNや書名、著者名、長期品切れなどの商品基本情報だけを取次各社のデータベースに反映してもらい、各社間の流通上の格差や誤差を解消、業界全体の書誌情報が豊かになることを目的とする。運営はJPOがあたり、実務は書協に委託。出版社は新刊見本日以前に書協に商品基本情報を送信し、取次窓口で活用。書協データベースにないものは取次各社から書協に送信され、さらに各取次に差分が送信される相互補完的なネットワークが築かれる。07年までを目途に普及・促進を図りたいとしている。

「コノ星ニハ本ガアル…。」/4月23日からこどもの読書週間

読書推進運動協議会(野間佐和子会長)が主催する2005・第47回「こどもの読書週間」のマークと標語がこのほど決まった。今年の標語は「コノ星ニハ本ガアル…。」。同週間は4月23日の「子どもの読書の日」から「こどもの日」をはさんで5月12日まで3週間の日程で開催される。

4月2日は国際子どもの本の日

国際児童図書評議会(IBBY)が主催する「国際子どもの本の日」の4月2日、世界中でお祝いや催しが行われる。日本でもIBBYインド支部が作成したメッセージを翻訳、日本語で「4月2日は、子どもの本の日」と加えた日本語版ポスターを作って全国の公共図書館などに配布。また、3月27日に東京・大崎のゲートシティホールで記念事業「本をひらけばたのしい世界」を開催。国際アンデルセン賞受賞画家・アンソニー・プラウン氏のワークショップ、マザー・グースの展覧会、世界の子どもの本展などが行われる。
「国際子どもの本の日」は1966年、IBBYの創設者イエラ・レップマンが子どもの本を通して国際理解を深めるために、アンデルセンの誕生日4月2日に毎年、世界中でお祝いや催しを行い、子どもの本に対する一般の関心を呼び起こそうと提案。IBBYが67年に正式決定したもの。69年からはIBBY加盟国が順番にポスターとメッセージを作っており、95年には日本が担当国になって日本国際児童図書評議会(JBBY)がポスターとメッセージを作成している。

人権擁護法案で意見書発表/雑協

雑協は3月2日、一昨年廃案になった人権擁護法案の今国会への再提出に対する意見書を発表した。
政府・与党は「メディア条項は当分凍結、凍結解除には別の法案を作らなければならない」としているが、雑協は「メディアの報道・表現のあり方次第ではいつでも凍結解除できるという余地を残し、メディアに対する圧力が生じてくる」と問題点を指摘し、同法案に「全面的な反対」を表明。メディアによる人権侵害条項の完全削除を求めている。

昨年に続き図書館の業務委託/大田ブックチェーン

3年計画で民間への図書館業務委託を進めている大田区で、最終年度にあたる今年4月から六郷図書館の図書館業務を区内書店で作る「大田ブックチェーン」が受託することになった。
大田区では平成14年、非常勤職員等の人件費削減のため図書館業務の一部を民間会社に委託することを決め、同15年から3年にわたり毎年5館ずつ、計15館の業務を委託している。大田ブックチェーンは一昨年こそ落札できなかったものの、昨年は多摩川図書館、今年は大森南、大森東、浜竹、六郷、蒲田5館のうち六郷図書館の図書館業務を受託した。
同社は昭和42年、大田区立図書館へ図書納入することを目的に、東京組合大田支部の書店で設立した株式会社。同支部では区立図書館第1館目の池上図書館が開館した同31年以来、支部事業として図書館納入業務を行っていたが、図書館15館建設計画策定で区側から「今後、法人格のない任意団体との契約は難しくなる」との指導を受けて設立したもの。現在、中心館の大田図書館を含む区内16館に図書納入している。

日書連のうごき

2月1日企業フィランソロピー大賞贈呈式典へ萬田会長出席。
2月3日e‐Booksワーキンググループ会議へ岩瀬委員他出席。
2月4日第50回青少年読書感想文コンクール表彰式典へ萬田会長。ISBN規格改定委員会へ柴崎委員他出席。
2月7日雑誌発売日本部山口県地区説明会へ藤原委員長出席。
2月8日出版サロンの会へ萬田会長。出版在庫情報整備研究委員会へ柴崎委員他出席。
2月9日JPО運営委員会へ志賀委員。日本放送出版協会企画説明会へ萬田会長他出席。
2月10日再販問題で萬田会長、公取委山木取引部長を訪問、懇談。読推協事業委員会へ舩坂委員長他出席。
2月15日出版平和堂維持会世話人会へ白幡専務出席。
2月16日指導・教育、増売・読書推進、流通改善、組織強化、消費税問題、再販研究、公取協専門委、広報、情報化推進各種委員会。JPО出席委員合同連絡会。JPОマネジメント委員会へ井門委員他出席。児童図書増売運動で児童図書出協、取協との3者会議開催。
2月17日日書連定例理事会。共済会理事会。公取協理事会開催。主婦連参与和田氏を招き「消費税を考える」講演会。
2月18日情報化推進委員会。再販問題で神奈川県組合顧問弁護士増本氏を招き、岡嶋委員長他と懇談。芥川・直木賞贈呈式典へ萬田会長他出席。
2月21日出版平和財団役員総会、出版クラブ理事・評議員会へ萬田会長出席。消費税問題で書協との懇談へ下向委員長他出席。
2月24日中小小売商連絡会幹事会へ丸岡委員出席。
2月25日SJ実行委「本のある風景」審査会、同実行委員会。情報化推進委員会開催。
2月28日読推協事業委員会へ舩坂委員他出席。

「声」/読書好きの子ども皆で増やす努力を/北海道・高野名書店・高野名正治

北海道新聞の「今日の話題」に「減る本屋さん」とあった。明日は吾が身かと深刻な実態を感じます。
本屋に不況なしと言われ定価販売の「再販制度」や返品可能な「委託制度」が書店の経営を守ってきましたが、販売環境が激変し、それに頼るだけでは経営が難しくなってきたことへの反省が必要でしょう。
総合初等教育研究所が教育漢字の読み書きについて1万5千人の小学生を対象に行った調査を発表し、読み書き能力の低下が指摘されていました。日本語をしっかり身につけなければ、考えることも感ずることも意思を伝え合うこともできない。とりわけ小学校では「読み書き」を繰り返し教えることが脳を刺激し、読書の思考にも影響しているようです。
新聞の投書欄に高三の三上さんという方が「信じられない活字離れ」と題し、1年間で約百冊の本を読み、読書のない人生などあり得ないとの体験を語り、読書によって得るものの大きさを書かれていました。大切な1冊との出会いの感動を、本を読まない人の人生はつまらないだろうと書かれていて、とてもすてきな若人だと思います。
このような読書好きの子どもを増やす努力を、国も学校も親たちも真剣に考えて対策を講じ、活字離れを返上するようにしたいものです。

カメラ・声かけで万引き防止/埼玉県万引き防止推進協議会が実態調査

埼玉県書店商業組合などの商業団体や、県・市町村・教育・警察関係団体で構成する「埼玉県万引き防止推進協議会」と埼玉県青少年課は、県内の店舗を対象に昨年10月「万引き防止に関するアンケート調査」を実施し、このほど結果を発表した。
対象店舗は、コンビニエンスストア820店、スーパーマーケット322店、書店188店、ドラッグストア177店、CDビデオレンタル店81店、ホームセンター54店など合計1877店。
調査店で平成15年度中に発生した万引き1万8104件を学齢別に分類すると、中学生3017件、高校生2383件、小学生2365件で、未就学児も316件にのぼった。このほか、大学・専門330件、有職少年397件、無職少年996件、成人3987件、不明4313件だった。書店は発生件数1500件のうち、中学生が404件で最も多く、高校生269件、小学生252件、無職少年185件と続く。成人は114件、不明が170件で、書店は他業界と比較すると成人や不明の件数が少なく、小・中・高校生や無職少年の件数が多かった。
「万引きした者を発見した時の対応の仕方」については、「決めている」店が1152店と全体の6割超。学齢別に対応状況を見ると、全体的な傾向として年齢が上がるにつれて「説諭」「家庭連絡」が減り、「警察連絡」「商品買取」が増えている。
店で行っている防止策について聞くと、「防犯カメラの設置」1405店、「お客への声かけ励行」1331店、「防犯ミラーの設置」1134店がトップ3。以下は、「商品陳列の工夫」812店、「ポスター等の掲示」479店、「防犯ゲートの設置」338店、「保安員・ガードマンの配置」230店。またこれらの防止策のうち、自店での実施の有無に関わらず「特に効果があると思うもの」を挙げてもらうと、「お客への声かけ励行」1177店、「防犯カメラの設置」1169店が双璧で、3位は「保安員・ガードマンの配置」491店。「防犯ミラーの設置」は371店と少なかった。
万引き防止に向けた関係機関等への要望・意見としては、「再犯防止のために罰則を強化してほしい」「週末の深夜に定期的な巡回をして実態を知ってほしい」(警察関係)、「小学生の万引きが多いので幼少からの教育も重要」「夏・冬・春休み期間前には万引き防止について指導してほしい」(教育関係)、「古書買取店への指導をしてほしい」「地域住民による巡回活動を推進することが必要」(行政関係)などが寄せられた。

「声」/私の店の節約法/埼玉県・いづみ書店・山田順子

2月21日号「声」欄の「閉店後の節約法」を拝読いたしました。私は開店中の節約法として実施していることがあります。
クーラー(エアコン)からの空気の流れを考え、店の中央に天井近くまであった本棚を替えてみました。同業者の知り合いより譲り受けた本棚があったので入れ替えました。この本棚は大人の背丈ほどです。空気の循環が特に夏に上手く行くようになり、以前ほどクーラーを強くしないでもすむようになりました。
また、省エネとして外気との差を考えるようにしました。現在2階は使用しないので、契約電源(動力電源)も下げました。基本料金も下がり、消費電力も違ってきました。(工事費もかかりましたが、差額で1年ほどでペイできました。)
コピーのリースも契約完了したのでやめました。包装も簡略化し、包装袋も、通販カタログの配布実績でいただける広告入りも使っています。いろいろ不必要な支払いを減らそうと思っております。

「声」/健康の為にも深夜営業はほどほどに/松原市・文潮堂書店・勝田冨士夫

1人のコンビニの経営者は「こんな商売、誰か代わってくれる人がいたら、代わってほしい。しんどい」と語る。コンビニの本部だけが儲かっているようだ。
深夜営業を続けると身体に変化が起こる。まず体内時計が狂う→自律神経失調症になる→神経遮断薬、抗不安剤、抗うつ剤などを飲む→病院通いが続く→医療費が増大する。
このように、夜型になった若者のライフスタイルに合わせて深夜まで営業すると、売上げは上がるが健康を害することになる。
郊外型の大きな書店で夜遅くまで営業している店があるが、やめた方がよい。コンビニではない別の業種の人だが、糖尿病になって病院通いを続けている人がいる。一種の生活習慣病である。

「声」/ハリポタ5巻は一旦返品可能にして/小山市・進駸堂・渡辺順一

2月11日号の「声」欄に東久留米の野崎さんが、大胆にも「ハリー・ポッター」5巻を在庫800冊持っていると告白?して、版元の静山社に広告を出してもらえるもととなった。また、3月1日号にも日書連として、発売から半年経過したので話し合いを持つとの理事会報告もあった。
小店にも約百冊の在庫がある。単品では最大の在庫金額であり、今の動きでは1年分以上になり弱っている。それより問題なのは、各メディアに取り上げられたこともあって、お客様から「ハリー・ポッターが売れないんだってねぇ」と言われることである。万引問題もそうだが、業界の弱点、恥として信頼を弱めることとなってしまった。また、各書店主も元気を失うもとともなった。
しかし何だかんだ言っても、あれだけ大部数が売れた商品はやはり業界の宝だ。次巻も、少しは減るだろうが大部数の期待はある。そこで大岡裁きではないが、書店・取次・版元の三者が、三方一両損で市中在庫をいったん解消して、読者の信用・希望を回復すべきではないだろうか。
書店は、例えば5掛けでも返品したい店は多いように思う。取次さんが優越的地位を濫用しないよう調整していただければ、実現可能ではないだろうか。ご検討、推進いただきたいものです。

図書券の使用期限設定は不可能/日本図書普及から

平素は図書券、図書カードのお取り扱いありがとうございます。
2月11日号の本欄に、「せっかく図書カード化をするなら、図書券の回収を早目に終了したら」というご提案がございました。
この点につきまして、図書券、図書カードの監督官庁である財務省に確認いたしました。「使用期間を明記しないで発行された商品券は、無期限に回収しなければならない。これは法律で義務付けられたものであり、例外なく期限の無い総ての商品券が該当する。」とのことでした。
今回のご提案の趣旨は十分理解できますが、残念ながら実現は不可能かと思います。しかし、これを機会にご利用者がお手持ちの図書券の早期利用を喚起する告知方法を検討して行きたいと思います。
誕生して45年を迎える図書券、いつでもご使用になれるという安心感が、年間600億円を超えるご利用に繋がったと思います。この信頼感を壊さない意味でも、10月のカード化時には不安を残さないよう、書店さんのご協力を得まして、慎重に切換えを進めます。今後とも宜しくお願いいたします。

SDメモリープレゼント3月末まで延長

パナソニックは電子書籍端末「シグマブック」を購入すると①夏目漱石94作品②芥川龍之介223作品③大菩薩峠41巻など6種のSDメモリー(64MB)が付いてくるキャンペーンを3月末まで延長する。

お父さんが読む絵本90冊を紹介

お父さんが読めば、こんなに楽しい――仕事で知り合った現役の育児パパ3人組が「何か面白いことをやろう」と始めた休日「出張お話し会」。そこでウケた絵本90冊とお話しのツボを公開したのが『子どもにウケるお話し大作戦絵本であそぼ!』(小学館、定価1260円)。
「僕らのファーストブック」「コワイ話は、パパにまかせろ」「ナンセンスのたのしみ」などのテーマごとに、実体験を交えて父親ならではの絵本レビューを紹介する

角川、韓国CJEと提携/日韓の映画事業で相互支援

角川グループは韓国最大手の映画制作・配給・興行会社、CJエンターテイメント(CJE)と、映像部門を中心に事業提携する。
CJEは韓国最大のシネコンチェーンなどを子会社に持ち、映画・音楽・ケーブルテレビ・オンラインゲーム事業などを展開。スピルバーグ監督らが設立したドリームワークスに投資し、韓国・香港・中国での配給権を保有する。
今回の提携により、両社は①映画作品の共同出資/共同制作②作品配給の相互支援③CJEの出版事業支援④角川のシネマ・コンプレックス事業支援⑤アジアにおけるシネマ・コンプレックス事業相互支援――の各事業を展開していく。
3月15日に東京會舘で行われた説明会で、角川ホールディングス・角川歴彦社長は「CJEをパートナーとして映画や出版分野でともに歩み、日韓のみならずアジア、アメリカでも事業展開を」とあいさつ。CJEパク・ドンホCEOは「両者の強みを活かし、交流・協力を通じて両国のマーケット拡大とグローバルなビジネスチャンスを作り出したい」と述べた。

イタリア語で散歩/山渓『wandel』

「散歩でみつける都会の自然、愉快な毎日」をキャッチフレーズに、山と渓谷社から4月20日に季刊『wandel』が創刊される。A4変型・平綴じ、予価780円。
誌名の「ワンデル」はイタリア語で「散歩」。創刊号では、朝もやと新緑の軽井沢散策を特集するほか、多摩川、荒川土手、相模川など身近な川歩きと春の過ごし方を提案する。対象読者は自然と健康に関心のある30代から40代女性。

取次

◆1500円からe―hon宅配無料
トーハンの書籍通販サイト「e―hon」は、3月13日より1500円以上の購入は宅配料を無料にするサービスを開始した。
「e―hon」は平成12年11月にスタート。読者が会員登録時に加盟書店の中からMy書店を指定し購入するシステムだが、一定額以上の購入は宅配料金を無料にしてという読者の声に応えて実施する。近隣に書店がないという読者や、受取が困難という顧客にもアピールする。
同サイトでは4月以降、CD、DVDの本格的取り扱いも予定している。
◆北京図書展受付開始
第12回北京国際図書展示会が9月1日から5日まで北京市の中国国際展覧センターで開かれることが決まった。日本事務局はトーハンと東方書店が主宰し、日本からの出展窓口として出展を募集中。問合せはトーハン海外事業部内、北京国際図書展日本事務局へ。
◆NOCS9000
日販は「PC―NOCSⅡ」に代わる新しいSAシステムとして、2月28日より新サービス「NOCS9000」を開始した。
これまでの「PC―NOCSⅡ」はイントラネットで、常時接続のため専用ルーターが必要だったが、「NOCS9000」はインターネット回線を利用するため、専用ルーターは不要。書店SA利用料金の大幅な削減が実現した。
機能面でも検索エンジンを全面リニューアルし、あいまい検索機能などがスタートする。

人事

◇マガジンハウス
(3月9日付、○昇格)
〔組織名変更〕
*販売企画部を書店営業部とする。
*販売部を雑誌営業部とする。
*販売管理部を書籍営業部とする。
〔新役職〕
書籍営業部長今井宏佳
書店営業部長稲垣学
雑誌営業部長大沢好之
雑誌営業部長代理
○高木直人
書籍営業部課長斑石悦夫
同○長尾達憲
雑誌営業部課長宮越菜苗
書店営業部課長浪花寛通

若い読者にブーム『夕凪の街桜の国』/双葉社、重点企画に

原爆投下から10年後の広島を舞台にしたコミック『夕凪の街桜の国』(こうの史代著、双葉社、定価840円)が平成16年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞。朝日新聞の書評欄や『ダ・ヴィンチ』でも取り上げられるなど話題を集めている。
著者のこうのさんは1968年、広島生まれ。文化庁芸術祭審査員評では「戦後世代の作家が描いたヒロシマの物語だが、戦争の影を見事に描き、力強いメッセージ性を持ちつつも、押し付けがましくならず読者の受容を喚起する」と高く評価。若い読者がインターネットのブログや、アマゾンのカスタマーレビューに推薦コメントを掲載して広がりを見せている。
昨年10月に初版発行後、今月下旬の重版で12万5千部。「コミックコーナーだけでなく、戦後60年フェアや話題の新刊コーナーにも並べて」と双葉社。来夏映画化も決まっており、今夏で30万部、来年に向け50万部が目標。20代、30代の女性を中心に中高校生の朝の読書にも薦められる。

販売上位30社発表/日本ヴォーグ社50周年

日本ヴォーグ社「創立50周年販売企画」は売行良好書100点を対象に昨年4月から12月まで1冊50円の報奨を実施した。参加全国5千店の集計の結果、売上げ上位30社は以下の通り。①紀伊国屋書店②ブックバーン③宮脇書店④くまざわブックチェーン協同組合⑤カルチュア・コンビニエンス・クラブ⑥有隣堂⑦アシーネ⑧リブロ⑨ジュンク堂⑩文教堂⑪旭屋書店⑫マイカル⑬キクヤ図書販売⑭三省堂書店⑮トップカルチャー⑯丸善⑰三洋堂書店⑱明林堂書店⑲ブックファースト⑳精文館書店21オー・エンターテイメント22フタバ図書23平坂書房24文真堂書店25平安堂26明屋書店27アミーゴ28ダイレクトショップ29積文館書店30京王書籍販売

本屋のうちそと

「○○書店さんでしょうか?代表者の方か店長様はいらっしゃいますか?」の声に「またか!」と身構える毎日。こちらの都合などお構いなしでマニュアルを読み上げるようなトーンで電話料金を節約できるサービスのことを話し出します。社長に取り次ぐまでもなく私が応対することになりますが、「ほっといて」と言いたくなるほど毎日頻繁にかかって来るようになりました。
半年前くらいまでは責任者がいないと居留守を使っていたのですが、再度応対するのが苦痛だとわかり、一度でちゃんと応対することにしました。「うちの店はIP電話にしていますのでお話をお伺いしなくてもいいと思います」と言うとすぐに電話を切ってくれることがわかりました。市内、県内、県外の料金設定も一昔前に比べるとずいぶん安くなりました。それでも地方に住んでいると取次さんや出版社さんへの電話代はバカになりません。それを解消できたのがIP電話でした。市内と同じ通話料金で全国に電話できるわけですから時間や経費を気にせず電話をすることができます。インターネットのおまけ機能のような感覚なのに、IP電話にしてからの通話料金は以前に比べると四分の一になりました。
電話料金の割引サービスの他にもいろいろな営業の電話を受けます。証券会社、先物取引、消費者金融、化粧品、明太子など、縁もゆかりもない会社ばかりです。人によってはしつこく食い下がられたり、朝9時から夜7時まではそんな電話も来るぞと身構えて受話器を取ります。よそのお店やお宅にもこんなに電話が来るのでしょうか。ことごとくお断りしている自分の性格がなんだか悪くなりそうです。でも、そんなお話をお受けするわけにはまいりませんから。残念!(あかり)