全国書店新聞
             

平成14年6月11日号

全国3千店で万引調査

青少年の本の万引きが全国的に増えている問題で、経済産業省は万引きの実態把握のため全国書店3千店を対象に万引き事例収集のアンケート調査を行う。
この調査は6月1日から30日までの1カ月間にわたって万引きの個別事例を報告してもらうもの。
チェーン店2500店と単独店500店を調査する。
調査対象3千店のうち、チェーン店2500店分は取協を通じて配布、単独店500店は各県組合から配布する。
回収は7月15日。
調査内容は個別事例報告書のほか、書店の意識調査票として■過去1年間の被害額、■万引きが増えた原因、■万引き事件に関する意見を聞くことにしている。
経済産業省の「お願い」は以下の通り。
書店等における万引き(窃盗)事例収集についてのお願いここ数年来の書店等における青少年の万引きが、書店・出版業界等の大きな問題となっております。
また、万引きの原因として、盗品を容易に換金できる新古書店の増加を指摘する声もあります。
経済産業省といたしましては、このような状況に対応する方策を検討するため、日本出版取次協会、日本書店商業組合連合会のご協力を得て、書店等における万引きの実態を調査することにいたしました。
調査期間は平成14年6月1日から6月30日までの1カ月間とします。
書店の皆様には「万引き事例報告書」と「意識調査票」に所定事項をご記入のうえ、ご提出いただきたくお願い申し上げます。
「万引き事例報告書」は平成14年6月1日から6月30日までに発生した万引きについて、事例1件につき1部ご提出下さい。
「意識調査票」は各店舗毎に1部ご提出下さい。
上記調査を通して、全国各地で発生している様々な事例を収集して実態の把握を行い、今後の対策に反映させてまいりたいと存じます。

子ども読書推進本部を設置

公明党の太田昭宏国会対策委員長は5月31日午後4時、書店会館を訪れ、日書連萬田会長と読書推進運動、メディア規制3法について意見交換を行った。
この中で太田国対委員長は「子ども読書活動推進法が昨年末成立したが、党としてもこれまで各地の読み聞かせ運動やブックスタート事業支援の取組を推進してきた。
これをさらに推進するため、『子ども読書活動推進対策本部』を設置した」として、党の今後の取組に理解と協力を求めた。
顧問に浜四津敏子参院議員、本部長に西博義、副本部長に池坊保子、松あきら(参)、山本保(参)、事務局長に斉藤鉄夫の各議員が就任した。
また、メディア規制3法の見通しについては、「個人情報保護法案、人権擁護法案の今国会成立は困難」との見方を示した。

34誌の定期購読促進

雑誌協会は今年の愛読月間キャンペーンの一環として、日書連、取協と共催で「年間定期購読キャンペーン」を全国展開する。
このキャンペーンは、書店の参加申込制で行われ、7月21日から8月20日の実施期間中、対象雑誌28社34誌の月刊誌を一括前払いで書店に注文いただくと、1号分割引きするもの。
割引分は1年後に出版社から割戻しがある。
参加申込の締切りは6月末日で、店頭用ポスターと読者申込用チラシが配布される。
昨年は目黒・世田谷支部と宮城県で実施、26誌で1300部の予約を獲得しており、昨年以上の予約獲得が期待されている(参加申込書と対象雑誌の誌名は3頁)。
このほか、雑誌愛読月間のキャンペーンとして、今年のゴールデンアロー賞グラフ賞の井川遥さんをイメージガールに起用した「オリジナルマガジンカード」2002名プレゼントを実施するほか、8月28日には日本出版クラブ会館で「環境にやさしい雑誌づくりを目指して」というセミナーを開催する。

新理事長に朝倉邦造氏

書協は5月30日に理事会を開き、新役員体制を決めたが、4期8年理事長を勤めた渡邊隆男氏が退任し、後任に朝倉邦造副理事長(朝倉書店)が昇格した。
また、新副理事長に学研の古岡秀樹常務が就任した。
書協の新しい役員体制は以下の通り。
なお、5月22日の評議員会で専務理事の五味俊和氏が退任、後任に山下正氏(元東京大学出版会専務理事)が就任した。
○は新任。
同日夕方から行われた記者発表の席で、渡邊前理事長は「服部さんのあとを8年間勤めた。
再販問題が一番大きかった。
弾力運用、新再販制度をどう生かしていくかが、今後の大きな課題」と引退の弁。
朝倉新理事長は「昨年暮れぐらいから渡邊さんにくどかれて決めた。
北の湖親方が相撲協会の理事長になった第一声は、お客が来るような土俵を目指すと。
本の販売も不振で、ぜひ売上を元に戻すような販売促進策を考えていく」と抱負を述べた。
理事長=○朝倉邦造(朝倉書店)副理事長=前田完治(三修社)小峰紀雄(小峰書店)金原優(医学書院)相賀昌宏(小学館)○古岡秀樹(学研)専務理事=○山下正常任理事=○志村幸雄(工業調査会)浜田博信(講談社)○鯉渕年祐(弘文堂)佐藤隆信(新潮社)大坪嘉春(税務経理協会)菊池明郎(筑摩書房)上野幹夫(東京布井出版)岡本健(ひかりのくに)○新田満夫(雄松堂出版)及川清(養賢堂)朝倉邦造氏略歴昭和11年10月21日生れ、昭和34年3月慶応義塾大学法学部卒。
同年4月三菱製紙入社、43年3月朝倉書店入社、51年12月副社長、55年11月から代表取締役社長。
出版厚生年金基金理事長、自然科学書協会理事長。

京都総代会

京都府書店商業組合(中村晃造理事長)は5月28日午後2時から京都ホテルオークラで第18回通常総代会を開き、総代38名(委任状含む)が出席した。
総代会は野村理事の司会で進行し、中村理事長があいさつ。
「新古書店の台頭、インターネットによる本の販売、出版社の読者への直販の拡大、大手書店のポイントカードによる実質の値引き販売、コンビニ、駅、スーパーの雑誌・書籍取扱量の増加といった厳しい現状の中で、書店が生き残るための策を考えていきたい」と述べ、読書離れへの対応として「子ども読書の日」への積極的な取り組みについて話した続いて正副議長に冨田、中田両理事を選出して議案審議を行い、平成13年度事業報告、平成14年度事業計画案、決算、予算などすべての議案を原案通り承認。
京都出版三者交流会、お話しを絵にするコンクール、本屋へ行こうキャンペーン、小学1年生の増売コンクールと飾りつけコンクールを継続する学校図書館納入でTRC対策の勉強会を行う組合加入のメリットを客注品の早期入荷にしぼって活動する京都組合メーリングリストで有益な情報交換を行う−−などの事業計画が示された。
最後に役員・従業員勤続表彰、お話しを絵にするコンクールスリップ表彰、小学1年生飾りつけコンクール、小学1年生増売コンクールの表彰を行った。
(梅澤マサミ広報委員)〈役員勤続表彰〉▽5年=中西裕(三盛堂書店)〈従業員10年勤続表彰〉西浦清水(ジュンク堂書店)定岡義雄、吉田友恵(紀伊國屋書店)高嶋悦夫(タカシマ書店)大西よし枝(三福堂書店)鹿野美代子(京都府書店商業組合事務局職員)

生活実用書・注目的新刊

「前代未聞。
100歳!出版」という、帯の惹句に誘われて買い求めてしまった。
塩谷信男著『幸福論』(ゴルフダイジェスト社1400円)である。
著者は明治35(1902)年生まれ。
平成14年にちょうど100歳を迎えた。
東京渋谷で昭和6年から内科医院を開業し、82歳の時に廃院した。
その後は自身考案した、酸素を最大効率で簡単に取り入れられる「正心調息法(せいしんちょうそくほう)」を普及しようと、講演や執筆を続けている。
哺乳動物は成長の止まる年齢の5倍が寿命というのは科学の常識。
人間の体は25歳位まで成長するので125歳ともいわれるが、人間の脳細胞は20歳で止まるため、100歳が人間らしく健康でいられる年齢であるという。
「私の100歳は決して長寿などと呼べるものではなく、平均的な年齢でしかないわけだ。
」そう言うのだから驚いてしまう。
ゴルフも現役であるし、何より文章が若々しい。
現代人にモラルがなくなったのは、感謝の心を忘れて、無意識に不遜になったからだと指摘しながらも、元気を出せ!大丈夫だと読者を励まし続ける本である。
前著の『大健康力』も合わせ読むと面白い。
必ず元気が出てくる。
吉行あぐり著『「あぐり美容室」とともに−94歳の美容師、心は老いずがモットーです。
』(PHP研究所1400円)は、94歳でなお現役の美容師が語る「心のありようや暮らしぶり」である。
著者はNHKドラマ「あぐり」の原作者。
長男の吉行淳之介氏と次女吉行理恵氏は作家、長女吉行和子氏は女優。
自ら率先して行く初めての海外旅行は90歳の時。
支度は下着の替えだけ、梅干しや味噌を持っていくなどということもなく、実に身軽にメキシコに旅立ってしまう。
この恐るべき、肩から力の抜けた自然なスタイル。
「新しい体験をすると、寿命が七十五日のびるというそうですが、本当ね」などと、穏やかに涼しく書くのである。
同時期に発売の『あぐり95年の奇跡』(集英社be文庫571円)も併読を勧めたい。
和子氏との交換日記もあり、母子の会話が心暖まる。
いずれも「亀の甲より年の劫」で、生きる知恵が随所にちりばめられている。
しかし、書店ではこの吉行あぐり氏の二点ですら同じ場所に並べてくれない。
(遊友出版斎藤一郎)

埼玉総会

埼玉県書店商業組合(植村稔理事長)は5月25日午後2時よりさいたま市・埼玉書籍で第18回通常総会を開催。
組合員153名(委任状含む)が出席した。
総会は野澤恒雄副理事長の司会、茂木孝一副理事長の開会の辞で始まり、植村理事長があいさつ。
「埼玉県の昨年の新規出店は21店、廃業店は58店と廃業店が大きく上回っており、より深刻度が増している。
組合員数も前年比9・5%減の316名で、6年連続の減少」と、書店を取り巻く環境の厳しさを訴えた。
また、万引き問題について「新古書店の台頭もあり今や換金目的で、防止策が業界の大きな悩み。
県組合ではユニパルスの万引防止機器導入を検討している」と述べた。
議案審議では平成13年度事業報告、収支決算報告、平成14年度事業計画、収支予算などすべての議案を原案通り承認した。
事業報告では昨年6月23日にさいたま市文化センターで作家・瀬戸内寂聴氏を講師に文化講演会今年1月21日に浦和市ワシントンホテルで田辺企画社長・田辺聡氏を講師に研修会「勝ち残る書店トップの課題」−−を開き、それぞれ盛況のうちに終了したとの報告があった。
また、高橋竹男氏逝去にともない押田浩氏(押田謙文堂)を新監事に選任した。
総会終了後、出版物公正取引協議会埼玉県支部総会、懇親パーティーを催した。
(長谷川正夫広報委員)

情報共有化、読書推進が課題

東京都書店商業組合青年部は6月5日、アルカディア市ケ谷で第12回通常総会を開き、会員107名(委任状含む)が出席した。
総会は吉田寿夫理事の司会で始まり、鈴木康弘会長があいさつ。
「ホームページの掲示板を使ってより迅速な情報提供を行いたい。
地域に根差した中小書店は読み聞かせを行うことで読者の掘り起こしを図り、10年、20年後に子どもたちが本屋に戻ってきてくれる環境作りを」と話した。
正副議長に新倉修、内山孝寿両氏を選んで議案審議を行い、平成13年度活動報告、会計報告、平成14年度活動計画、収支予算などすべての議案を原案通り承認した。
このうち活動計画では、ホームページの充実とネットワークによる情報交換拡大、掘り出し選書の継続などが提起された。
また、ティーエス流通協同組合・片岡隆理事長から東京組合との連携を具体化する小学館の協力を得て今の受発注システムをより使いやすいものに改善する−−との方針が示された。
東京組合・奥村弘志副理事長からの「出版部を作り独自の事業活動を行ってはどうか」との提案については、鈴木会長が「地図を念頭に書店が企画発行するプロジェクト案を検討中。
事業・組織再編の一環として取り組みたい」と述べた。
このあと東京組合・丸岡義博副理事長があいさつ、「若い世代が頑張らねば厳しい時代は生き残れない」として、青年部の活動に期待を表した。

北から南から

◆第54回書店東北ブロック大会7月11日(木)午後1時半から山形市・蔵王温泉「ホテル樹林」で開催。
午後二時半からノセ事務所・能勢仁氏をコーディネーターに第2部特別シンポジウム「東北の書店今そして未来」。
午後6時半から第3部懇親会。
翌12日(金)は観光、ゴルフを設定。
(原田吉則広報委員)

新BIRDネットPOSデータ

〔ムック〕『世界戦記2002第5巻』文藝春秋800円4-16-008123-1『私でももっと面白いほどわかる決算書』宝島社838円4-7966-2657-3『じゃらんウエルカムトゥ北海道’02春夏』リクルート714円4-89807-707-2『じゃらんDEデート&ドライブ北海道’02』リクルート838円4-89807-717-X『smartgirlsvol.3』宝島社857円4-7966-2656-5『江國香織ヴァラエティ』新潮社900円4-10-790096-7『ミニ英会話とっさのひとこと海外編’02』日本放送出版協会350円4-14-187982-7『るるぶドライブ北海道’02〜’03』JTB出版事業局905円4-533-04160-4『初めてのたまごクラブ2002年春夏号』ベネッセコーポレーション571円4-8288-5618-8『カンタンおかずレシピ春』オレンジページ476円4-8730-3181-8〔単行本〕『常識として知っておきたい日本語』幻冬舎1300円4-344-00168-0『ベラベラブックVol.1』ぴあ952円4-8356-0040-1『ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本』幻冬舎1300円4-344-00140-0『鬼武者2解体真書』エンターブレイン1300円4-7577-0850-5『ゼノサーガエピソード力への意志オフィシャルコンプリートガイド』エンターブレイン1300円4-7577-0849-1『uraayu』ワニブックス2381円4-8470-2696-9『キングダムハーツFASTESTEDITION』集英社952円4-08-779160-2『盲導犬クイールの一生』文藝春秋1429円4-16-357260-0『生きかた上手』ユーリーグ1200円4-946491-26-0『世界がもし100人の村だったら』マガジンハウス838円4-8387-1361-4〔新書〕『風化水脈』光文社895円4-334-07461-8『暁の天使たち』中央公論新社900円4-12-500755-1『三毛猫ホームズの仮面劇場』光文社762円4-334-07464-2『蒼い千鳥花霞に泳ぐ』講談社820円4-06-182243-8『四月は霧の00(ラブラブ)密室』講談社760円4-06-182244-6『英語「超基本」を一日30分』角川書店571円4-04-704064-9『恐れに満ちた再会』ハーレクイン640円4-596-11763-2『多重人格探偵サイコ』講談社840円4-06-182225-X『日本語を反省してみませんか』角川書店571円4-04-704066-5『小説スパイラル〜推理の絆〜2』エニックス857円4757506708〔文庫〕『劫火』早川書房540円4-15-030691-5『宝船まつり』文藝春秋448円4-16-716876-6『白い犬とワルツを』新潮社552円4-10-249702-1『指輪物語1旅の仲間(上1)』評論社700円4-566-02362-1『影メグル地ノ邂逅者タチ』富士見書房520円4-8291-1424-X『大戦勃発4』新潮社743円4-10-247224-X『大戦勃発3』新潮社819円4-10-247223-1『鄙の記憶』幻冬舎600円4-344-40213-8『楽毅第1巻』新潮社590円4-10-144427-7『図解「儲け」のカラクリ』三笠書房495円4-8379-6087-1〔実用書〕『英語で日記を書いてみる』ベレ出版1500円4-93907685-7『ディノス2002夏号』扶桑社429円4-594-03433-0『ザ・ゴール2』ダイヤモンド社1600円4-478-420416『疾走!琢朗主義』ベースボール・マガジン社1429円4-583-03693-0『ザ・ゴール』ダイヤモンド社1600円4-478-42040-8『持って歩くGI値』西東社650円4-7916-1139-X『いぬ占い2ネガティブ編』遊美堂580円4-946554-29-7『この差はなにか?勉強のできる人できない人』中経出版1200円4-8061-1590-8『朝日キーワード2002』朝日新聞社1000円4-02-227702-5『超図解WindowsXPHomeEdition総合編』エクスメディア1380円4-87283-239-6〔児童書〕『ダレン・シャンバンパイア・マウンテン』小学館1500円4-09-290304-9『トレジャ−・スト−ン28号』デアゴスティーニ・ジャパン752円4-8135-0324-1『トレジャ−・スト−ン29号』デアゴスティーニ・ジャパン752円4-8135-0325-X『えいごとともだちアルクのabc創刊号』アルク980円4-7574-0582-0『ぐりとぐらのおおそうじ』福音館書店800円4-8340-1796-6『ダレン・シャン奇怪なサーカス』小学館1600円4-09-290301-4『ホビットの冒険上』岩波書店720円4-00-114058-6『パスワード春夏秋冬上』講談社620円4-06-148578-4『ミッケ!たからじま』小学館1360円4-09-727357-4『ダレン・シャン若きバンパイア』小学館1600円4-09-290302-2〔コミック〕『ONEPIECE23』集英社390円4-08-873252-9『HUNTER×HUNTER14』集英社390円4-08-873262-6『名探偵コナン37』小学館390円4-09-126167-1『テニスの王子様13』集英社390円4-08-873247-2『GTO25』講談社390円4-06-313098-3『GTO24』講談社390円4-06-313097-5『烈火の炎33』小学館390円4-09-126333-X『からくりサーカス22』小学館390円4-09-126362-3『八雲立つ17』白泉社390円4-592-17437-2『天は赤い河のほとり27』小学館390円4-09-138027-1〔辞書〕『ジーニアス英和辞典〔第3版〕』大修館書店3200円4-469-04158-0『新明解国語辞典第5版』三省堂2800円4-385-13099-X『旺文社国語辞典〔第9版〕』旺文社2700円4-01-077711-7『三省堂全訳読解古語辞典第2版』三省堂2600円4-385-13343-3『例解新国語辞典第6版』三省堂2500円4-385-13685-8『新明解国語辞典第5版』三省堂2800円4-385-13104-X『フェイバリット英和辞典』東京書籍2800円4-487-39514-3『ジーニアス和英辞典』大修館書店3250円4-469-04150-5『旺文社古語辞典第9版』旺文社2700円4-01-072116-2『全訳古語例解辞典第3版』小学館2500円4-09-501553-5

出版販売金額3%の減少

出版科学研究所が発行した『2002出版指標年報』によると、2001年の取次ルートを経由した出版物(書籍・雑誌)の推定販売金額は前年比3・0%減の2兆3250億円となり、5年連続のマイナス成長となった。
内訳は書籍が2・6%減の9456億円、雑誌が3・3%減の1兆3794億円。
書籍は5年連続、雑誌は4年連続の前年割れ。
●書籍/販売金額10年前の水準に書籍の推定販売金額は前年比2・6%減の9456億円。
5年連続の前年割れで、10年前の水準に戻ってしまった。
消費活動の停滞が最大の要因と考えられる。
推定販売部数は3・2%減の7億4874万冊。
推定販売部数に比べて推定販売金額のマイナス幅が小さいのは、書籍の出回り平均価格1206円より約700円高い『ハリー・ポッター』シリーズ(各1900円)の大ヒットの影響。
同シリーズは1年間で720万部、137億円を売り上げた。
金額返品率は0・3ポイント減の39・1%。
送品(推定出回り金額)が3・0%減った結果、若干改善された。
新刊点数は2・2%増の6万9003点。
昨年より1481点多く、2年連続の増加だった。
書店店頭の販売低迷を受けて、出版各社は98年、99年と新刊発行点数を抑制したが販売は上向かず、00年、01年と増え続けることになった。
新刊推定発行部数は0・4%減の4億1658万冊と微減。
1点当たりの発行部数も3・2%減の6000冊と、1点当たりの部数引き締めは続いている。
平均価格は、新刊が前年比0・6%減の1181円、出回りでは0・1%減の1206円と、いずれも微減。
新刊平均価格の下落は、比較的安価な文庫が創刊ラッシュで増加したことと、絵本の発行部数が増加したのが原因。
一方、出回り平均価格が0・1%減に止まったのは、1900円の『ハリー・ポッター』シリーズが大量に出回り、底上げされたため。
2001年のベストセラーは翻訳物が好調だった。
ナンバーワンは『チーズはどこへ消えた?』(扶桑社)で、発売1年で350万部。
他にも『十二番目の天使』(求龍堂)、『ザ・ゴール』(ダイヤモンド社)などがヒットした。
また、ベストセラー作家の著書と文学賞受賞作品が部数を伸ばした。
ノンフィクションは素人自伝ブームが去り、新たな大ヒットも生まれなかった。
年間売れ行き良好書ベスト5は以下の通り。
チーズはどこへ消えた?(扶桑社)ハリー・ポッターシリーズ(静山社)奇跡の法(幸福の科学出版)金持ち父さん貧乏父さん(筑摩書房)新・人間革命(聖教新聞社)●雑誌/休刊点数が創刊点数上回る雑誌の推定販売金額は3・3%減の1兆3794億円となり、4年連続のマイナス成長。
内訳は、月刊誌が3・4%減の1兆374億円、週刊誌が3・0%減の3419億円、定期誌は引き続き低迷、特に週刊誌は大部数誌が軒並み崩れて厳しい状況。
これを補うためムック、増刊・別冊といった不定期誌はさらに増加し、これが定期誌不振に拍車をかけるという悪循環が続いている。
推定販売部数は月刊誌が3・1%減の20億3928万冊、週刊誌は4・2%減の12億4687万冊。
金額返品率は月刊誌が0・5ポイント増の31・3%、週刊誌が0・8ポイント増の23・2%と、いずれも悪化した。
休刊点数は前年より35点多い170点で、85年の151点を更新して史上最多となった。
一方、創刊点数は167点で、209点の前年から大幅減。
創刊点数を休刊点数が初めて上回る事態となった。
休刊誌のうち創刊3年以内で休刊したのは65点、約4割を占める。
タイミングを逸した創刊や小規模マーケットでの競合で、短命に終わるケースが多い。
また、『週刊宝石』『FOCUS』の2誌が20年の歴史に終止符を打ったほか、『歴史と旅』『リイドコミック』『ロッキンF』『つりトップ』『MCシスター』など著名な雑誌の休刊が目立った。
ジャンル別の動向を見ると、創刊が集中した女性誌は前年を上回り、ローティーン向けファッション誌も成長市場として注目されている。
中高年男性誌も年ごとに良くなっている。
一方、市場が爛熟期を迎えたゲーム誌は非常に低迷。
定期購読に結びつかないコミック誌も厳しい状況で、読者は作品で選択買いできるコミックスへシフトしている。
パソコン誌は急下降した。
特にインターネット関連の落ち込みが激しく、初心者向けも漸減した。

「声」

ここ最近、取次から入荷する補充商品に汚れの目立つものが増えている。
また、明らかに本のカバーがずれているにもかかわらず、商品の箱入れの段階で段ボール箱に無理に入れたためにカバーが折れてしまい、商品として店に出せる状態ではなく、即返品の憂き目に遭う本もある。
はたまた、カバーのかかっていない裸の文庫本やら、お菓子のゴミの挟まったままのムック、足跡のついた白いカバーの書籍、他の書店でビニールがかけられてそれが少し破れているけどそのままの攻略本。
一つには、出版社が業務委託している倉庫業者の作業で、検品やカバーの掛け替えなど細かい作業が、以前ほどできていないのかもしれない。
二つ目は、取次の出庫作業が以前は社員が直接やっていたものが、今は経費節減のため外部委託し、取次の社員が何人かは見ているとはいえ、検品・箱入れの作業を行うのは業務委託された会社がその日集めてきたバイト君。
アルバイトそのものの存在が悪いなどとは言わないが、検品・箱詰め作業にはそれなりの熟練が必要なはず。
ま、ここまで細かいことをいう書店なんて、多分ウチくらいのもので、昨今のチェーン店では検品なんて人件費のムダだからと検品せずに店出ししているお店も知っているし、それでウチ以上に十分売上があって取次のためになっているのだから、こんなこと言ってる書店なんて嫌われて当たり前だろうなと思う。
でも「最近のブックオフの商品てきれいですよね」と言う取次の人の発言を聞くと、じゃあそれより汚い商品を平気で売っている新刊正常ルート書店の存在意義は一体どこにあるのと思ってしまう。
ぶつぶつ小言を言いながら、今日も入荷してきた本を段ボール箱から取り出し、一生懸命、消しゴムをかけて汚れを落としている僕。
暗いなー。
新刊書店の未来もこれでは暗いぞッと。
仕事に対するモラルの低下は何も「食肉」だけではないと思う。

「声」

昨年6月27日号のこの欄に載っていた、福岡県の高野書店様の投稿「自作ソフト配布します」を読み、送っていただきました。
体験版で操作方法などを覚え、10月から正規版を使い出しました。
納品書に60文字までメッセージが書ける機能を使い、K社の家庭医学書『D』の紹介を書いたところ、4名から問い合わせがありました。
そのうちの1名はファッション誌を取っている茶髪の若者で、今までは先入観からまずパンフレットを渡さない対象でした。
これは使えると思い、さっそく年間使用料5000円を送金し正規登録しました。
新年には、顧客に出す年賀状の枚数を減らし、納品書に新年の挨拶を印刷しました。
経費を落とした上に、今まで年賀状を出さなかったお客様にもまんべんなくこちらの気持ちが伝わり、喜ばれました。
手書きの時とは違い、格段に楽になりましたが、紙に記録が残らないのが何となく不安でもありました。
みずほ銀行のシステムトラブルが大きく報道され、もしデータが消えてしまったらどうしようと心配になり、まずCD−Rへの書き込み方を勉強することにしましたが、なかなか前に進みません。
連休明け、高野書店様よりソフトの改良版が送られてきました。
同封の手紙には、ボタンを押すだけで簡単にバックアップが取れるようにした旨、書かれていました。
「これからパソコンで顧客管理をされるということは、パソコン初心者であり、もしもの時の為に初心者でも簡単にバックアップが取れるようにしておく責任がある」と考え、昨秋から作成にとりかかったそうです。
さっそく、手紙に書かれていたUSB接続のフラッシュメモリなるものをパソコンショップで買い求め、閉店時に簡単にバックアップを取り、フラッシュメモリを自宅に持ち帰っています。
高野書店の問い合わせは〒807−1261北九州市八幡西区木屋瀬1−20−10093−617−6060/FAX093−618−0565/メールtakanob@hkg.odn.ne.jp

「声」

図書普及は、図書券を全面廃止して図書カードオンリーにする準備を進めている、というニュースに、大賛成いたします。
計画では、一本化達成を平成17年度とされているようですが、準備に今から3年も必要でしょうか。
既にかなり知られてきているカードがあるわけですから、発行済みの従来の券は永久に引換え可能にしておけばいいと思います。
なお、注文が500円単価の場合には1000円カードでは応じられないという心配があるようですが、500円カードを作る計画が無いのであれば、注文単価を1000円まで引き上げてもらうように書店が働きかけます。
応じてくれない場合にはあきらめるしかありませんが、全書店が単価引上げの努力をすれば、必ず効果があるものと思います。
今から3年もかけて認知の為の宣伝費を使わずに、券の発行を早く止めることが、一本化達成の近道ではないでしょうか。
何年前になりますか、100円券が廃止された時に、大して問題もなかったことを思い出します。
現行500円券でつり銭にいやな思いをすることに比べれば、切換時のしばらくの不便は何でもありません。
早い実行を切望いたします。

人事

★小学館(5月29日付)代表取締役社長相賀昌宏専務取締役〔管理、営業統括〕梅沢慎司同〔編集統括、週刊誌局〕白井勝也常務取締役〔コミック局、情報誌局、コミュニケーション局、マルチメディア局〕中村滋同〔女性誌局〕増井昌弘同〔マーケティング局〕蜂谷紀生同〔総務局〕五十嵐光俊同〔経理局〕堀内茂樹取締役〔マーケティング局宣伝〕植松国雄同〔児童学習局、コミック局〕千葉和治同〔情報誌局〕猪俣光一郎同〔コミュニケーション局〕田辺茂男同〔広告局〕後藤庄三同〔女性誌局〕山岸博同〔出版局〕田部井満男同〔制作局〕川島隆雄同〔非常勤〕大竹靖夫同〔非常勤〕上野明雄常勤監査役井上敬三監査役野口晴男同谷山尚義★小学館パブリッシング・サービス(5月28日付、◎昇任、〇新任)代表取締役社長〔総務本部担当〕国近紘一代表取締役相賀昌宏専務取締役今野勝介常務取締役〔営業本部長、CSC本部担当〕◎小泉明充取締役蜂谷紀生同〔関西支社担当、関西支社長〕〇加藤醇司監査役本多隆正★日本出版取次協会(4月25日付)▽会長=金田万寿人(トーハン)▽常務理事=菅徹夫(日販)、鈴木一郎(大阪屋)、亀川正猷(栗田出版販売)、秋山秀俊(中央社)、大藤耕治(日教販)、國弘晴睦(太洋社)、雨谷正巳(協和出版販売)▽理事=風間賢一郎(トーハン)、橋昌利(日販)、茂手木一二三(鉄道弘済会)、吉見壽文(東邦書籍)▽監事=佐藤千晴(日本雑誌販売)、山本和夫(公認会計士)(5月1日付)▽事務局長=黒澤正雄(トーハン)★太洋社(5月25日付)取引管理部長代理永澤克彦

日書連のうごき

5月7日雑誌社協賛「共同懸賞」予備抽せん会へ舩坂委員、各事務局出席。
5月8日「春の書店くじ」「共同懸賞」合同抽せん会開催(於出版クラブ)。
出版物公取協監査会へ村田、中田両監事出席。
5月10日全出版人大会へ萬田会長他出席。
5月14日雑誌年間予約問題で井門委員長他で東洋経済新報社を訪問。
図書普及役員会へ萬田会長他出席。
5月16日情報化推進問題で萬田、志賀正副会長、白幡専務で集英社を訪問、谷山社長他と懇談。
情報化推進委員会開催。
5月20日雑誌年間予約問題で井門委員長他でダイヤモンド社を訪問。
図書普及監査会へ井門役員出席。
5月21日出版再販研究委員会開催。
5月22日図書コード管理センター理事会へ白幡専務出席。
JPIC評議員会、理事会へ日書連役員出席。
5月23日日書連定例、同共済会理事会。
出版物小売業公正取引協議会通常総会開催。
第4土曜日は子どもの本の日実行委員会。
学校図書館整備推進会議総会へ高須副会長出席。
5月24日九州雑誌センター株主総会へ萬田会長他出席。
日書連第14回通常総会開催(於池之端文化センター)。
5月27日出倫協ゾーニング委員会へ丸岡委員出席。
5月28日出版物公正競争規約問題で影山専務、白幡局長、岡本顧問で公取委訪問。
福島県組合総会へ下向副会長出席。
紀伊國屋書店75周年記念へ萬田会長出席。
5月29日読進協理事会、総会へ白幡専務出席。
全国中小企業団体中央会総会へ萬田会長出席。
再販問題で中村委員長、白幡専務で公取委を訪問。
5月30日出版倫理協議会開催。
国際図書展運営取締役会へ萬田会長出席。
出版物公正競争規約「申請書」を白幡局長、岡本顧問で公取委へ提出。
5月31日出版クラブ監事会へ白幡専務出席。
公明党国対委員長太田衆議院議員が「子ども読書活動推進対策本部」設置の件で来局、萬田会長と懇談。

本屋のうちそと

「ハメマラ」という言葉を聞いたのは20代のとき、確か定年間近の大先輩からであった。
歯・目・魔羅を意味し、人の機能が衰えていく順序だという。
当時笑い流したこの言葉が思い出されるのは、いよいよ身に迫ってきたからである。
「ハ」は耐えられない段階ではないが、レジ打ちでこたえるのは「メ」。
何故か新聞社系週刊誌は、定価より本体価格の数字が申し合わせたように小さい。
近眼鏡をはずしたり、目を細めたり、確認するのに苦労する。
ボールペンなどの小物文具などは数字の位置をさがすのが一仕事だ。
因みに雑誌の定価と本体表示には同じ大きさ、本体が大きいなどいくつかのパターンがあるが、ゴシックの大きな活字で、本体だけが表示されている雑誌に出会ったりすると、涙が出るほどうれしくなる。
「マラ」は性機能のことと思っていたが、それだけでないらしい。
突然尿意を催しがまんできなくなり、お客をほったらかして便所にかけこむ。
失禁寸前だ。
機能の衰えはハメマラに止まらない。
パソコン、携帯電話、デジカメなど機能満載のニューメディアが使いこなせない。
解説書が理解できず、物忘れだけが抜群に良くなり、店のハメマラ状態が心配になる。
さらに心配なのが日本国のハメマラ状態。
出生率の低下がこのまま進むとやがて日本国は滅びるという。
国会では有事法制案が審議されているが、国民がいなくなった国の何を守ろうというのか。
今が「有事」の真っ最中だ。
(どんこ水)

日販損益計算書

(百万円単位)売上高744、167売上原価677、001売上総利益77、165販売費及一般管理費64、720営業利益12、445営業外収益1、115受取利息299その他収益816営業外費用9、615支払利息395売上割引9、035その他費用185経常利益3、945特別利益225特別損失696税引前当期利益3、475法人税、住民税及事業税30法人税等調整額1、493当期利益1、951前期繰越利益438再評価差額金取崩額113当期未処分利益2、503

最終利益は過去最高

日販は6月27日に第54回定時株主総会を開催するが、これに先立って第54期(平成13年4月1日〜14年3月31日)決算概況と役員人事を発表した。
第54期決算で売上高は7441億6700万円、前年比2・2%減で4期連続の減収。
内訳は書籍2489億4300万円(1・0%減)、雑誌3853億円7900万円(1・8%減)、開発商品1098億4400万円(6・2%減)。
返品率は書籍が前年と同率の37・8%、雑誌が1・6ポイント上昇して31・5%、全体では31・0%で、1・0ポイント悪化した。
販売管理費は販売費を1・5ポイント、管理費を3・8ポイント削減した結果販管費全体で2・7ポイント抑制した。
売上減少と返品率上昇の結果、営業利益は0・1%減の124億4500万円、経常利益は2・1%減の39億4500万円。
しかし、税引前利益は19億5100万円で、過去最高益となった。
期中の新規取引店は376店、3万815坪、中止はは457店、2万1336坪。
従業員数は前年より119名減の2158名。
取締役改選の件では、阿部専務が副社長に、柴田常務が専務に、古屋取締役が常務に昇格するほか、高見吉弘、小林利夫の両氏が取締役に就任する予定。
退任する伊藤専務は日販製函社長に、斎藤常務は日販ブックサービス社長に就任を予定している。
また、取締役の任期は従来の2年から1年に短縮化を図る。

日販取締役

(◎は昇任、○は新任)代表取締役社長菅徹夫代表取締役副社長(経営戦略室・不動産事業部・ネット事業部総括)鶴田尚正取締役副社長(営業本部長)◎阿部洋一郎専務取締役(営業本部副本部長)野谷清同(秘書室・管理部門・物流部門・システム部総括)◎柴田克己常務取締役(営業本部副本部長)大野隆樹同(仕入部門・取協担当)橋昌利同(経営戦略室長・経理部担当)◎古屋文明取締役(商品開発部長)鎌谷照夫同(関西支社長・大阪支店長)遠藤光一同(特販支社長)鈴木暁同(雑誌部長・CVS部長)高橋滋世同(システム部長・ネット事業部長)井上顯一同(物流部門担当・新会社準備室長)○高見吉弘同(関東支社長)○小林利夫常勤監査役笠井三千男同黒岩紘司監査役(秋田書店社長)秋田貞美同(公認会計士)和井内清*退任する伊藤茂樹氏は日販製函社長に、斎藤和保氏は日販ブックサービス社長に就任予定。

今期は増収増益決算

大阪屋友の会連合大会が6月4日、加賀市山城温泉「ホテル百万石」で開かれ、書店181名、出版社160名、大阪屋17名など、これまでで最も多い362名が出席した。
4日午後4時前から行われた総会は冨士原純一幹事(冨士原文信堂)の司会、京滋地区本間昌治幹事長(ブックス新京都)の開会で始まり、田村定良連合会長があいさつ。
田村会長は「出版業界はマイナスの話ばかりで、一丸となって目指すものがない。
書店間、出版社間の競争より、物販、飲食など他業界と競争して少しでもこちらに取り込む努力が必要だ。
そのためには営業時間の延長や商品構成の見直し、月末、月初めにかたよる雑誌の発売日も考え直してほしい。
デフレ時代だからこそ、友の会はパイを少しでも大きくする施策を考えていきたい」と述べた。
議事では毛利元治総務委員長(毛利書店)、工藤恭孝経営委員長(ジュンク堂)、高坂喜一増売委員長(高坂書店)の事業報告、北中弘会計幹事(北中書店)の会計報告を承認。
友の会の運営では、今年1月より山陽・山陰地区を合併して「中国地区友の会」に改めたことが報告された。
議案審議に続いて大阪屋鈴木一郎社長が祝辞。
鈴木社長は大阪屋の現況について「3月末に終了した第55期決算は、売上面では1千億円をキープし、市場規模縮小の中で前年をクリアできた。
損益面でも前期を多少上回り、増収増益になった」と報告。
さらに、今期から始まる第6次中期経営計画について「営業基盤・収益基盤・人材基盤の足固めをする新たなスタート。
そのためにも友の会と一層の連携強化を図っていく」と述べ、■新雑誌コード変更、■KBC改革、■新東京物流センターによる注文品改革、■大阪屋パートナーシステムの確立−−を重点課題に掲げた。
そして「開設から7年経過したKBCシステムの強化と、在庫精度の向上を柱に出版流通改革を進めていく」とあいさつした。
講談社保月滋常務に続いて、日書連井門副会長が祝辞。
学校図書館に地元書店が納入するシステムとして、日書連MARCを開発したが、「大阪屋MARCがこのための原動力になった」と感謝を述べた。
また、7月に行われる雑誌愛読月間のキャンペーンに触れ、「書店を通じて雑誌の年間予約を取りたい。
読者とのパートナーシップづくりにも役立つ。
ぜひキャンペーンに参加して、友の会の力を示してほしい」と、協力を呼びかけた。

20日に店長入門ゼミ

トーハン・コンサルティングはトーハン書店大学「店長入門セミナー」を6月20日、トーハン本社大ホールで開催する。
公開経営指導協会の小松美雄チーフコンサルタントを講師に、書店の新任店長や中堅社員などを対象に、スタッフの活用と教育、売上アップ、販売効率アップの手法などを習得する。
受講料(テキスト、資料、昼食代、消費税含む)全国書店共助会加入店1万2千円、非加入店2万4千円。
問い合わせ、参加申込はセミナー事務局まで。
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