全国書店新聞
             

平成25年8月1日号

「書店再生」活動の基幹に/舩坂新体制が本格始動/日書連理事会

日書連は7月18日、東京・千代田区の書店会館で、6月の日書連通常総会で舩坂良雄新会長が選出されたのを受けて初めての定例理事会を開催。各種委員会編成と委員長人事を決めた。委員会編成では出版販売年末懇親会実行委員会と東北地方太平洋沖地震日書連対策本部の2特別委員会を政策委員会に統合。また、書店再生委員会が担当していた書店くじ、児童書増売、JPIC対応を読書推進委員会に移管した。舩坂会長は「書店再生が日書連活動の基幹になる」との方針を示し、「小泉委員長、片岡理事と三本柱で力を入れたい」と意気込みを話した。
〔政策委員会〕
委員会編成では、政策委員会と常設7委員会の委員長を以下の通り決めた。政策委員会=舩坂良雄(東京)、指導教育委員会=鈴木喜重(千葉)、広報委員会=面屋龍延(大阪)、流通改善委員会=藤原直(宮城)、取引改善委員会=柴﨑繁(東京)、読書推進委員会=西村俊男(新潟)、書店再生委員会=小泉忠男(東京)。小泉委員長は新任。他は全員留任。
政策委員会は従来通り正副会長とブロック会長で構成。常設7委員会の所属委員については、「各理事が十分に力を発揮できる編成にしたい」との舩坂会長の方針により、全理事にどの委員会に所属したいかの希望届けを7月末日までに提出してもらい、会長と各委員長が調整の上、9月の定例理事会・委員会までに最終決定する。原則的に1人2委員会に所属する。
特別委員会の出版販売年末懇親会実行委員会と東北地方太平洋沖地震日書連対策本部は政策委員会に統合した。また、電子書籍対応部会とホームページ部会は解散し、図書館サポート部会と「ためほんくん」部会は現在のメンバーで継続することとした。
また、書店再生委員会の主な担当事項のうち、書店再生研究、再販研究、ポイントカードは引き続き担当し、書店くじ、児童書増売、JPIC対応は読書推進委員会に移管した。舩坂会長は「書店再生が日書連活動の基幹になる。私も会長として引き続き関わり、小泉委員長、東京組合書店再生委員長を務める片岡理事と三本柱で力を入れて取り組む」と述べた。
また、大橋信夫前会長と大川哲夫前専務理事に感謝する会を9月18日午後5時、東京・千代田区の山の上ホテルで開催することが報告された。
〔書店再生委員会〕
書店再生の一環として昨年に引き続き実施する第2回「実用書増売企画」について舩坂良雄会長が報告した。今回も「食と健康」をテーマに選書したロングセラー実用書を中心にセット組みし、出版社12社のセットで各社4点6冊(平積み用は1点3冊)の計48点72冊で構成。実施期間は8月上旬~11月30日。出品条件は4ヵ月長期委託。6月21日に注文を締め切り、全国385書店から408セットの注文があった。
前回はPOS未導入店からの売上スリップ回収率が低かったため、今回は11月末日の販売期間終了後にスリップを送付するよう求めるお願いの文書を作成。11月中旬にはスリップ送付用の封筒を日書連から直送、スリップ回収率アップに努め、報奨金の精算、実績データ作成に役立てる。
舩坂会長は「モノを言うだけでなく、増売という書店としてやるべきことをやり、書店再生5項目の実現に結び付けたい」と述べ、協力を求めた。
日本児童図書出版協会とタイアップして行う「心にのこる子どもの本秋・冬セール」は224点・259冊を「絵本」「読物」「あそびと学習」「読み聞かせにふさわしい絵本」の4ジャンルに分けて用意。送品条件は7ヵ月長期委託。申込締切9月5日(必着)。発送10月中旬予定。
春の書店くじ特賞当選者は以下の7名に決まり、図書カード5万円分を贈呈する。カッコ内は発券店名。
神奈川県横浜市・野田正義、神奈川県足柄下郡・柏木隆、東京都豊島区・藤井千晴(創生社書店)、東京都台東区・春日秀夫、兵庫県豊岡市・村尾万里、兵庫県姫路市・堀健太(Begin誠心堂)、熊本県人吉市・木村美智子(清藤書店)
〔広報委員会〕
出版物への軽減税率を求める「50万人署名」の回収状況は、7月17日現在、日書連4万7679人、出版社5万134人、取次3万7152人、その他1万8762人、合計15万3727人分の署名が集まった。
面屋委員長は「この問題への業界の関心は高い」と指摘し、今後の方針として①署名運動は軽減税率実現まで続ける②10月に召集される予定の秋の臨時国会に合わせ、署名運動の第2次締切を9月末日に設定する③第2次締切までに日書連分の署名を少なくとも10万人集める。そのため1店あたり10人の署名(署名用紙1枚分)を送付してもらう④各組合ごとに、まだ署名運動に参加していない書店に電話等で協力をお願いする⑤臨時国会召集後、各党に請願活動を行う――などを説明した。また、出版社や取次などの協力に改めて謝意を表し、講談社が多数の署名を持参したこと、取協から署名用紙の追加要請があったことを話した。
〔指導教育委員会〕
「全国小売書店経営実態調査報告書」を06年5月に発行してから7年経過した。この間、書店を取り巻く状況も大きく変化したことから、改訂版を出したいとの考えを鈴木喜重委員長が示した。「支払問題」「入荷状況」「正味問題」などテーマ別にアンケートを作り、全国の傘下組合加入書店に送付。集計・分析・報告書作成の各作業は外部の専門家に依頼する。テーマについては半年から1年かけて委員会で検討する。
〔組織委員会〕
6月期加入・脱退状況は、加入2店、脱退18店、前月比16店の純減となり、全国の傘下組合加入書店数は4403店になった。今後の組織強化の基本政策について、中山寿賀雄委員長は①取次各社に既存店、新規店への組合加入促進を依頼する②ナショナルチェーンに加入を働きかける――の2点に重点的に取り組む方針を示した。舩坂会長は「組合員減少を食い止めることが私の任務。各都道府県に足を運び組合加入を働きかけることも考えている」と話した。
日書連オリジナル薄型手帳「ポケッター」14年版は6万部製作する。8月上旬に申込書を送付する。申込締切は8月25日。中山委員長は「完売を目指している。早めの申し込みをお願いしたい」と述べた(2面に実施要項を掲載)。
賃貸スペース仲介サイト運営の「軒先」が行う書店空きスペース紹介事業は、5月期は13店舗が利用。空きスペース活用の実例としてスイーツのアウトレットが増えているという。中山委員長は「改めて登録を呼びかけるキャンペーンを行いたい」と述べた。
〔流通改善委員会〕
雑誌発売日問題で、日書連の要望として①北海道、九州地区の3日目発売を2日目発売に繰り上げてほしい②沖縄地区の週刊誌航空輸送の早期実現に尽力してほしい③年間購読など、出版社が読者に販売する雑誌の着荷については、該当地区の発売日に合わせて調整してほしい③読者目線に立って合併号を廃止し、年間を通してレギュラー発売が出来るようなシステムを構築してほしい――など7項目を雑誌発売日励行本部委員会に提出すると藤原委員長が報告した。
学校から受注した書籍を登録することで児童図書巡回グループへ発注するデータを自動で抽出し仕分けるASPサービス「発注ツール」は、7月16日現在、51書店から利用申込があった。
宮城県多賀城市が駅前に移転する市立図書館の企画をカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)に委託することを決めたと報告があった。CCCが公立図書館の企画を行うのは佐賀県武雄市図書館に次いで2か所目となる。
〔取引改善委員会〕
送品・返品同日精算問題について柴﨑繁委員長が報告した。
〔読書推進委員会〕
読売新聞東京本社と日書連のコラボレーション企画「読売新聞本屋さんへ行こう!キャンペーン」を9月11日~10月14日に実施する。書店で購入した書籍・雑誌のレシートを応募ハガキ、郵便ハガキに貼って応募してもらい、抽選で図書カードを260名(総額30万円分予定、5千円×10名、1千円×250名)にプレゼントするもの。実施エリアは東京、埼玉、千葉、神奈川、茨城、栃木、群馬、山梨、静岡の1都8県。約2000店の店頭でポスターを掲示し、応募ハガキを配布・設置する。

軽減税率署名運動に協力を

日書連は、消費税増税の際に出版物への軽減税率適用を求める「50万人署名」運動を展開しています。4月初旬に各書店に直送した署名用紙で、運動へのご協力をお願いします。署名は日書連事務局まで、同封の返信用封筒にてご送付ください(切手貼付不要)。第2次締切は9月末日必着です。

「ポケッター」14年版申し込みはお早めに!

日書連組織委員会(中山寿賀雄委員長)は年末年始の贈答・販売用に「ポケッター14」、名入れ印刷の代用に便利な「店名刷込シール」を斡旋します。どうぞご活用ください。価格はすべて本体価格。
◇ポケッター14(78×127×3㍉、のし袋付)
①店名なし=百部単位。百部9500円②店名入り=5百部以上、百部単位(印刷場所は後ろ見返し。のし袋への印刷は不可)。5百部以上・百部あたり1万1500円、1千部以上・百部あたり1万700円、3千部以上・百部あたり1万200円
◇店名刷込シール(55×25㍉、5百枚以上・百枚単位)
5百枚以上・百枚あたり1050円、1千枚以上・百枚あたり950円、3千枚以上・百枚あたり600円
※「ポケッター店名入り」「店名刷込シール」の書体は細ゴシックまたは明朝体に限る。
ご注文は所定の申込書に必要事項を記入の上、所属の都道府県組合へ。11月上旬頃に取引取次より配送。

光永和史理事長を再選/消費税署名に協力求める/愛媛総会

愛媛県書店商業組合は6月4日、松山市の松山全日空ホテルで第25回定時総会を開催し、組合員25名が出席した。
総会では冒頭、光永和史理事長があいさつし、6月4日付日本経済新聞朝刊に掲載された「楽天、大阪屋を傘下に」との報道について、組合員への影響に言及した。また、組合員数が大幅に減少している状況を説明した。
続いて光永理事長を議長に議案審議を行い、平成24年度事業報告、収支決算、平成25年度事業計画案、収支予算案などすべての議案を原案通り承認した。
役員改選では光永理事長を再選。また、組合員数減少により役員数も減らす方向で県中小企業団体中央会から了承を受けたことから役員変更を決議した。
また、日書連の第2回書店再生実用書増売企画の拡販、消費税軽減税率50万人署名への協力を要請した。
議事終了後、愛媛新聞社主催「第25回愛媛新聞小学生読書感想文コンクール」の実施要領を同社の五島遵也氏が発表し、目標数達成へ決意を述べた。
総会終了後、出版社、取次など19名を交えて合同懇親会を行った。
(松岡省自広報委員)
〔愛媛組合役員〕
▽理事長=光永和史(松山堂書店)
▽副理事長=日吉英夫(マスヤ書店)松岡省自(アテネ書店)
▽専務理事=足立岳彦(愛媛官報販売所)

書店経営で得する勉強会開催/県中央会事務局長を講師に/岡山総会

岡山県書店商業組合は6月25日、岡山県教科図書販売藤原営業所で第26回通常総会を開き、組合員80名(委任状含む)が出席した。
総会は事務局の林氏を司会に進行。小野正道理事長を議長に選任して進行し、平成24年度事業報告、収支決算報告、平成25年度事業計画案、予算案などすべての議案を原案通り承認可決した。
引き続き、岡山県中小企業団体中央会の森事務局長を講師に招き、「書店経営マル得情報」と題して勉強会を開催。中小企業施策、特に助成金について詳しく説明を受けた。
(荒木健策広報委員)

各県組合総会スケジュール

◆神奈川県書店商業組合第36回通常総会
8月22日(木)午後2時から横浜市中区の神奈川平和会館で開催。
◆滋賀県書店商業組合第30回通常総会
8月27日(火)午後2時から大津市の琵琶湖ホテルで開催。

岐阜出身作家を増売/おすすめ本コンクール開催へ/岐阜組合総会

岐阜県書店商業組合は6月17日、岐阜市の十八楼で第30回総会を開催した。
冒頭、木野村祐助理事長は「出版界は相変わらず不況だが、県内書店はいっそう努力してほしい」と激励のあいさつを述べた。
議案審議ではすべての議案を原案通り承認可決。岐阜県では教職員互助組合の図書購入補助券事業が今年も実施され、組合員書店は図書販売額の促進が見込まれると報告があった。また、11年に第145回直木賞を受賞した池井戸潤、13年に第148回直木賞を受賞した朝井リョウなど、近年、岐阜県出身作家の直木賞受賞が続いているのを機会に、岐阜県ゆかりの作家の作品を選び、「ぎふけん・おすすめの1冊コンクール」と銘打ち、県内書店での増売計画推進を検討することになった。
総会終了後、懇親会を開き、出席した来賓、出版社、組合員書店が相互に親睦を深めた。
(司馬豪久広報委員)

新会長に舩坂良雄氏/出版物小売公取協が臨時総会

出版物小売業公正取引協議会は7月18日、東京・千代田区の書店会館で臨時総会を開催。新会長に舩坂良雄氏を選出し、以下の通り役員を決定した。
〔出版物公取協新役員〕
▽会長=舩坂良雄(東京)
▽副会長=鈴木喜重(千葉)藤原直(宮城)柴﨑繁(東京)
▽理事=久住邦晴(北海道)成田耕造(青森)加賀谷龍二(秋田)玉山哲(岩手)五十嵐太右衞門(山形)西猛(福島)塚越賢次(茨城)杉山和雄(栃木)竹内靖博(群馬)川嶋孝文(埼玉)筒井正博、井上俊夫(神奈川)小泉忠男(東京)東浦澄夫(山梨)江﨑直利(静岡)佐藤光弘、谷口正和(愛知)木野村祐助(岐阜)岡森泰造(三重)西村俊男(新潟)丸田茂(富山)森井清城(石川)塩川明人(長野)安部悟(福井)吉田徳一郎(滋賀)面屋龍延、戸和繁晴、深田健治(大阪)中村晃造(京都)櫻井晃二(奈良)宇治三郎(和歌山)山根金造(兵庫)杉嶋運一(鳥取)今井直樹(島根)小野正道(岡山)山本秀明(広島)西尾文士(香川)平野惣吉(徳島)光永和史(愛媛)五藤栄一郎(高知)長谷川澄男(福岡)岩永藤房(佐賀)中山寿賀雄(長崎)長﨑晴作(熊本)福田健太郎(大分)田中隆次(宮崎)楠田哲久(鹿児島)小橋川篤夫(沖縄)
▽専務理事=影山稔
▽監事=片岡隆、大石宏典

緊デジ、6万5千冊電子化/相賀代表理事を再任/JPO総会

日本出版インフラセンター(JPO)は6月20日午後3時から東京・新宿区の日本出版会館で平成25年度定時総会を開催した。
総会は相賀昌宏代表理事を議長に審議を行い、平成24年度活動報告、決算・監査報告、平成25年度活動計画、予算など全ての議案を原案通り承認可決した。
経済産業省から受託した「コンテンツ緊急電子化事業」は、6万4833冊を電子化したことを報告。今年度は第三者で構成した有識者委員会を設置し、東北復興支援への寄与や電子書籍の流通経路・市場動向について検証する。
グッズ・電化製品・食品などISBN付与対象外商品にISBNをつけている事例が多数発生している件については、出版物へ消費税軽減税率の適用を求めていく立場から、間違った運用をしている出版者に注意を喚起し、改善してもらうよう周知徹底を継続して図っていく。
電子出版コードは、策定した電子書籍書誌情報60項目について、電子出版制作・流通協議会と連携して運用の実証実験を行う。
書店活性化事業は、第3期フューチャー・ブックストア・フォーラムを実施。①電子書籍販売環境整備②魅力的な書店作り環境整備の2つの分科会を設置して様々な検証を行い、リアル書店の活性化に向けて取り組む。
役員選任では、理事8名と監事1名を選出。相賀代表理事の再任を決定した。
〔JPO役員〕○新任
▽代表理事=相賀昌宏(小学館)
▽専務理事=永井祥一(JPO事務局長)
▽理事=安西浩和(日本出版販売)佐藤隆信(新潮社)○正能康成(トーハン)西村彩枝子(日本図書館協会)野間省伸(講談社)藤原直(日書連)
▽監事=○菊池明郎(筑摩書房)

税制専門委を設置/書協と雑協

書協と雑協は税制専門委員会を設置し、6月26日に第1回会議を開催した。
会議では大竹深夫氏(講談社)を委員長に選出し、前回消費税率引き上げ時の対応について情報共有を図った。今後、ワーキングチームを立ち上げ、価格表示や返品等の課題について検討する。
〔税制専門委員会委員〕
▽委員長=大竹深夫(講談社)▽書協委員=伊藤富士男(農山漁村文化協会)大坪嘉春(税務経理協会)臼井幸夫(岩波書店)中島治久(同文舘出版)▽雑協委員=大木武志(小学館)佐野修(新潮社)金丸徳雄(講談社)早川三雄(小学館)

生活実用書/注目的新刊

まず何事も健康でなければ始まらない。こう不景気な世の中では、特に我が身は自分で守らなくてはいけない。
林洋著/重松洋監修『食と健康の話はなぜ嘘が多いのか』(日経プレミアムシリーズ203日本経済新聞出版社850円)は医師が語る食と健康の基礎知識。
栄養に関する様々な情報が飛び交い、多種多様な商品や書籍が出ているが中には「本当かな?」と首を傾げてしまうものが少なからず存在するので、いきなり特定の商品に飛びつく前に、少しでも自分で判断できる力を身につけようという提案が本書のスタートラインである。
ある食品にこういう栄養素が含まれると表示されていたとして、それを食べたら、その表示通りの栄養が体内に入るかというと、そううまくはいかない。書いてある量がすべて胃腸で吸収されることはあり得ないという。体の構成成分には食べ物に頼る必要がないものもあって、典型例はコレステロール。一方で、体の中で作ることができず、食事からしか手に入れられないものもある。この辺がなかなか難しい問題である。
サプリメントとは医学用語でも医療用語でもなく、意味は「補助する物」。微量栄養素を指すイメージにすぎないので、たとえばビタミンCは普通の食事をしていれば、不足することはないという。むしろ、摂りすぎの被害があるというのだから恐ろしい。
幕内秀夫著『「粗食」で10歳若返る』(知的生きかた文庫ま―34―3三笠書房571円)は、当たり前の食生活が、体にも心にも一番であるという食事術である。見かけが実年齢より若い人や疲れにくい人は、決まって食生活が違う。
著者の言う粗食とは、日本の豊かな風土から生まれた豊かな食生活のこと。戦後、欧米化したカロリーの高い食生活は、日本人に糖尿病、高血圧、アトピー性皮膚炎、アレルギー性疾患などの急増をもたらしてきた。そこで、かつて庶民が普通に食べていた食生活に立ち返る。①日本人の体に適した食材を食べる②腸内環境を整え、便秘を解消する③食べ過ぎないようにする④咀嚼できる食事をする⑤食の安全に気をつける⑥微量栄養素を過不足なく取る、が10歳若返るポイントである。食の大切さを見直す2冊。
(遊友出版斎藤一郎)

塩川明人理事長を再選/「生き残れる書店」テーマに討論会

長野県書店商業組合は6月11日、上諏訪温泉RAKO華乃井で第29期通常総会を開催し、組合員53名(委任状含む)が出席した。
物故者に黙祷を捧げた後、塩川明人理事長があいさつ。「私が組合に加入した40年前、組合員数は200名を超えていたが、現在は77名となった。人数は少なくなったが一騎当千の方々が揃っており、組合はこうあるべきという気持ちを強く持って活動している。今後の組合存続についてどうしたらいいか考えていただきたい」と述べた。
森副理事長を議長に選出して議事を行い、第28期事業報告、収支決算報告、第29期事業計画案、収支予算案を承認した。役員改選では塩川理事長が再任され、専務理事に柳沢輝久氏が選任された。事業計画の中で、販促・拡販委員会ではサン・ジョルディの日PR企画として作家・原田マハさんの講演会を10月13日に松本市で開催することを予定している。
総会終了後、第2部として書店経営活性化委員会が企画したパネルディスカッション「書店の未来は?~生き残れる書店とは~」を行った。パネリストには、独自の個性を持ち特色を出している書店として、塩尻市・中島書店、松本市・興文堂、松本市・ちいさいおうち書店が参加した。
パネルディスカッションでは、「お客様に利益を還元し、楽しんでもらうという思いで日々商売している。1冊1冊の本を深く掘り下げ、棚、平台作りにこだわりを持つ。本を読む時間を取って、読者と共感できるようにすることが大事」(中島書店)、「関連商品を導入して利益を上げる努力が必要。異業種との組み合わせを考えるなど、自営業でなく会社として生き残れるように考えていくべき」(興文堂)、「子供の本を専門に販売しているが、本屋オンリーでなく異業種との組み合わせも必要と思い、一部改装してカフェを設置した。本だけでなく関連する商品も一緒に陳列するなど工夫し、客の満足度を上げることを第一に考えて提案していく」(ちいさいおうち書店)などの発言があった。パネリストの発言に加え、取次、出版社からも意見が出され、有意義な企画となった。
(渡辺学広報委員)

『日書連年史』進呈します

『日書連四十年史』『日書連五十五年史』を希望者に無料で進呈します。送料自己負担(着払いの宅配便)で送付。希望する年史の書名と部数、住所、氏名、電話番号を明記の上、「日書連年史係」(FAX03―3295―7180)までお申し込みください。

「リアル書店が生き抜くために必要なこと」/北海道書店商業組合副理事長、帯広市ザ・本屋さん高橋千尋氏/東京国際BFセミナーから

北海道帯広市を中心に「ザ・本屋さん」を経営する高橋千尋氏(北海道書店商業組合副理事長)が、7月3日の東京国際ブックフェア専門セミナーで「小売業は『時代変化対応業』~リアル書店が生き抜くために必要なこと~」と題して講演。大手チェーン店が進出する中で地域書店としてどのように生き残ってきたのか、宣伝・企画の工夫や宅本便サービス、社員教育などの取組みを語った。
〔地域密着経営で存在価値示す〕
私は1947年に帯広の愛国で生まれました。東京の通信技術会社に就職して、検査と保守業務で10年、そのうち海外で5年勤務しました。1977年、帯広に戻って父が経営する高橋書店に入社。1983年に緑図書企画という会社を作り、「ザ・本屋さん」を開店しました。商店街や郊外、複合店、地元スーパーや大型店に20坪~750坪の店舗を出店しています。
商圏環境は、帯広市が17万人、周辺3町と合わせ24万人、十勝管内19市町村の総計で35万人。帯広を中心に東西南北1時間の商圏となっています。帯広の店は「ザ・本屋さん」5店と、㈱キクヤ図書販売と提携して出店した大型店「帯広喜久屋書店/ザ・本屋さん」になります。
出版物の販売金額は、1996年の2兆6000億円をピークに下がり続けています。書店業界、特に地方書店を支えている雑誌の売上がどんどん減り、あと数年で書籍の売上以下になってしまうのではないかと認識しています。大型チェーン店との競合や、図書館の機能が地域のエンターテインメント空間となろうとしている中で、我々のような地域に根差したリアル書店が、今後どう生き残っていくかが問われています。
「ザ・本屋さん」というネーミングは、1983年に企画会社を設立して出店店舗の企画をした際、一つのお店を商品として考える中で「ザ・本屋さん」という名前が出てきて、後にはそれを社名としました。
宣伝についての考えですが、お店のお客さんは、進学、就職、転勤、競合店出店などにより年10%以上は減り続けます。そのため、お店の存在価値を示していかなければなりません。地域密着経営をして、いろいろな活動をすることが投資となってお客さんに店に来てもらえる。新聞やコミュニティ放送などのパブリシティを利用して、視覚や聴覚に訴えることを絶えずやり続けています。
ホームページやFacebookも比較的早い段階から利用を始めました。また、出版社のPOPコンテストに積極的に参加しています。路線バスへのバス広告も、10年以上前からやっています。十勝では2つのフリーペーパーが各10万部配布されていて、合同でフェアを開催したりする協力関係になっています。
出版社と提携して作家の講演会やサイン会を開催するほか、図書館とも連携して多目的視聴覚室を無料で使わせてもらい、講演会や「本屋さん公開講座」を実施しています。文化サークルや経営者団体の講演会なども地域の顔を作るということで積極的に行っています。「本屋さん公開講座」は、当社の社員が講師となって書店の今後の動向や業務について解説するもので、今年から始めました。
外商や宅本便は、他の書店が面倒な活動として撤退する中で、地域密着活動として行ってきました。配達は、店に来ないお客さんをどうやって動機づけて買っていただくかということです。お客さんのロングテール化をやっているようなものですから、「全顧客の2割に売上の8割が依存している」としても、地域密着の書店が他の8割を捨てていいのか。それを捨てたことが、老舗書店がだんだんなくなっていった一つの原因ではないかと思います。
官公庁や学校、事業所、個人宅などに車5台の宅本便で配達しています。集金については、本部や店頭に持参してもらったり、地元の金融機関、郵便局の振込みや自動引落しなどが利用できるようにしました。配達して不在の時は、お客さんと打ち合わせて車庫に置いたりするなど、二重手間にならないように工夫しました。
ルート外商がだめになってきたのは、一人ひとりがノルマを持って外商の売上を作っていく方式にして、お客さんをつなぎ止めるために色々なことをして効率が悪くなっていったことがあると思います。外商についてはノルマを作らず、細かいものは配達の方に任せるということで分業化させました。
学校のインターンシップは、コミックス『銀の匙』の作者が出た農業高校から生徒を受け入れたことをきっかけに、今は小学校から中学、高校までのインターンシップに協力しています。
〔時代に合った経営形態求める〕
採用についてですが、業界や店舗、個人の生活のインフラもどんどん変化してきています。先月は、若い人に応募してもらうために「スマートフォンが使える方」という一言を入れました。読み取り計算や、業界用語の入った漢字テスト、応募アンケートを行うほか、面接における採用評価表によって、電話をかけてきた時や電話を折り返した時、面接の時の態度などを全部評価します。私が面接する本部面接のあと、現場に回して店長が本人ともう一度会って出勤日を決めます。パートやアルバイトには、多忙期に突然退職されるのを防止するため、3ヵ月ごとに雇用の申請を出してもらいます。
採用後の教育では、1年以上の勤務者全員に販売士3級、長期の勤務者には2級の資格取得を奨励しています。また、社内研修会を決算後と秋の2回開催します。コスト意識については、削るのではなくて、あるものを利用しなければならないということをしつこく言っています。
万引対策は、現行犯の捕捉を主体にする業界が多いと思いますが、そうすると、従業員は忙しいから、面倒だからと見て見ぬふりになります。私どもは無理な捕捉をさせないで、Webカメラなどの防犯カメラで犯人の顔を撮影し、皆に認識させて、各店へ写真を手配します。警察には被害が判明したものは必ず届けるようにします。これによって常習犯や集団の窃盗犯を捕えていきました。
出版業界が1兆円を超えた頃から30年経営してきていますが、その中でお客さんには比較的支持されている本屋だと外からは見られます。しかし、働いている人の労働環境などを改善できているかというとなかなか難しいです。それでもうちの場合は良い人に来て働いてもらっています。
経営は、勝とうとしないで負けない戦いをするということが大事です。スクラップ&ビルドの3歩前進2歩後退を信条として、郊外への出店やインショップ展開など、時代の変化に対応してこれまでやってきました。少子高齢化、縮小均衡の中で、時代に合った規模や経営形態を求めることが必要です。
地域に書店があることの意味についてですが、書店は地域教育の場だという認識がなく、書店がなくなってから大変だと大騒ぎされます。いくら電子書籍、オンラインと言っても、幼児から高校生くらいまでは、リアル書店がないと困るわけです。電子書籍端末がどんどん発達しても、ついていけない人は少なくないと思います。
出版社が苦労して作っている本を理解して売るために、末端の書店員がきちっとしなければならない。しかし、そのような教育機関も資格制度もないのは残念です。小さな書店が地域で生き残っていないと、出版社が作った本が、お客さんの手に届かなくなります。そういう意味で、どうして「本屋の日」がないのかと思います。一斉休配と一斉休業をやってくれれば、私も従業員も楽なのに、と思います。
アマゾンやオンライン書店は、運輸業者が発達させてきた流通機能を使って本を売っているわけですが、それに出版業界が追いついていない。北海道の場合はいまだに雑誌は2日遅れですし、雪の事故があって一地方で荷物が止まると、北海道全域の発売が止まってしまう。昔と違って「明日入ります」と言っても、お客さんが明日来るわけがないです。ですから一刻も早く届けることが必要です。
出版業界は「合成の誤謬」を起こしていると思います。出版社も取次も書店も生き残るために正しいことをやっています。しかし、アマゾンやネット販売に負けている。それは、お客さんのためということになると、正しいことをやっていないからです。全体を考えないで自分のところだけの業績を守っている。お客さんから見放されないように、アマゾンにできることは出版業界もきちっとやっていかなければいけないと思います。

日書連のうごき

6月4日日本出版インフラセンター理事会に藤原副会長が出席。
6月5日大阪屋友の会連合大会に面屋副会長が出席。
6月7日小売連絡会に大川専務理事が出席。
6月10日出版平和堂委員会に大川専務理事が出席。書店再生委員会。
6月11日読書推進運動協議会総会に西村副会長、舩坂副会長が出席。ためほんくん部会、同全体会。
6月13日日本出版インフラセンター運営委員会に柴﨑副会長が出席。文字・活字文化推進機構理事会に大橋会長が出席。
6月14日書店再生「実用書増売」で舩坂副会長、片岡理事が取次協会事務局を訪問。日本出版者協議会が来局して意見交換。
6月17日雑誌コード管理委員会に柴﨑副会長が出席。公取協連合会総会に柴﨑副会長、影山公取協専務理事が出席。
6月19日子どもの本3者会議。消費税軽減税率で公明党に請願行動。各種委員会。
6月20日6月定例理事会、第25回通常総会。
6月22日取引改善委員会。
6月24日全国万引犯罪防止機構総会に舩坂会長が出席。
6月26日取引改善委員会。
6月27日公正取引委員会を訪問。日本図書コード管理センターに藤原副会長が出席。
6月28日書店再生「実用書増売」幹事会。「20歳の20冊」打合せに西村副会長が出席。日本図書普及株主総会に日書連幹部が出席。

6月は2・8%減少/コミックが3ヵ月ぶりに増加/日販調べ

日販営業推進室調べの6月期書店分類別売上調査は、対前年売上増加率が2・8%減と先月を0・3ポイント上回った。
雑誌は全体で0・9%減と先月から1・4ポイント上昇した。週刊誌は前年に分冊百科等の総合ジャンルの売上が良好だった反動を受け、7・3%減と落ち込んだ。コミックは6・2%増。『ONEPIECE70』(集英社)など前年に発売のなかった銘柄を中心に売上が好調で、3ヵ月ぶりにプラスとなった。
書籍は全体で5・1%減と、先月から1・0ポイント下落。実用書は、前年に『実はスゴイ!大人のラジオ体操』(講談社)が売上を伸ばしたのを始め、『美木良介のロングブレスダイエット』(徳間書店)などの売上良好銘柄が影響し13・2%減となった。新書は21・8%の大幅減。前年は『聞く力』(文藝春秋)が好調だったため、反動でマイナス幅が拡大した。

コミック企画に力点/11月8日、156ブースで開催/BOOKEXPO

「BOOKEXPO2013」実行委員会は6月27日、大阪市の大阪府書店商業組合会議室で記者会見を開き、今秋開催する「BOOKEXPO」の概要を発表した。
3年目を迎える「BOOKEXPO2013秋の陣」は「動け!書店人」をサブテーマに、11月8日(金)午前11時から午後5時半まで、前回と同じ大阪市北区の梅田スカイビルで開催。今回は会場を拡張し、10階「アウラホール」の136ブースは全て出版社として、22階A会議室でコミック関連と第三商材を各10ブース、B会議室でイベントの開催を予定している。出展料は2万円。前回の「BOOKEXPO2012」は、出版社など141社が136ブースを出展、書店人711名が来場し、成立商談3669件・6979万1479円の実績を上げている。
会見の席上、「BOOKEXPO2013」世話人会の長谷川政博代表(ダイハン書房)は、「関西日販会出版博覧会(パンパク)を主催していることもあって世話人を務めていなかったが、BOOKEXPOを見学し、7百人もの書店人が来場し商談している姿を見て、こういう流れを大きな形へもっと推進していきたいと思った。世話人代表をやる以上、いろいろなことにチャレンジし、昨年よりもっと書店や出展社に『やってるな』と感じてもらえる会にしたい」とあいさつ。
開催概要を説明した実行委員会の萩原浩司代表幹事(宮脇書店大阪柏原店)は「今年は、書店人自らもっと動いてお客様に喜ばれる店作りをしていこうと、『動け!書店人』をサブテーマに掲げた。コミックはまだ売上を伸ばす余地があるのではないかということで、今回の目玉としてコミック部会を立ち上げた。コミックのカリスマ店員たちに集まってもらい、テクニックを伝授してもらえないかと企画を検討している」と述べた。

トーハン人事

トーハンは6月27日開催の定時株主総会及び取締役会で以下の役員体制を決定した。○新任。
代表取締役社長
藤井武彦
代表取締役副社長
近藤敏貴
専務取締役川上浩明
同正能康成
常務取締役清水美成
取締役本川幸史
同谷川直人
同小宮秀之
同吉田尚郎
同栃木裕史
同藤原敏晴
同豊田広宣
同高見真一
同○小野晴輝
同○田仲幹弘
同鈴木敏文
同朝倉邦造
監査役(常勤)馬場章好
同加藤悟
監査役相賀昌宏
同岩瀬徹
顧問上瀧博正
同小林辰三郎
同山﨑厚男
相談役赤尾文夫
同佐藤隆信
同平尾隆弘
同坂井宏先
鈴木仁取締役は退任しデジタルパブリッシングサービス社長専任。金田万寿人顧問は退任した。
〈執行役員〉
副社長(営業統括本部長)
近藤敏貴
専務(管理本部長兼情報戦略本部長)川上浩明
同(複合事業本部長渉外担当兼図書館事業部門担当)正能康成
常務(支社総括担当兼外販推進担当)清水美成
上席執行役員(九州支社長)本川幸史
同(商品本部長兼仕入企画推進室長)谷川直人
同(海外事業部門担当)
小宮秀之同(経理部長)吉田尚郎
同(物流部門担当、ロジスティックス部長兼東京ロジスティックスセンター長)
栃木裕史
同(特販支社長)藤原敏晴
同(市場開発担当、営業統括推進部長)豊田広宣
同(情報戦略本部副本部長兼プラットフォーム事業部長)高見真一
同(CVS部門担当)
小野晴輝
同(総務人事部長)
田仲幹弘
執行役員(首都圏支社長)
森岡憲司
同(特販第二部長)
庄司和人
同(市場開発部長)
髙田聡
同(情報システム部長)
中村勉
同(名古屋支社長)
石川二三久
同(デジタル事業部長)
鵜澤吉記
同(近畿支社長)
小川慎二郎
同(経営戦略部長)
大西良文
同(秘書室長)○須崎浩
同(中国四国支社長)
○塚田達夫
同(複合事業本部副本部長)○渡辺勝也

物流関係会社と本社物流部門を統合/トーハン

トーハンは、関係会社のベストアシストとトーハン・ロジテムを合併し、合併後の新社とトーハンの物流業務部門を統合すると発表した。
存続会社はベストアシストとし、合併の効力発生は今年8月1日。さらにトーハンの書籍流通業務部と雑誌流通業務部の業務を、9月1日に合併後の新社に移管する。
今回の統合を機に、グループ外からの物流事業を積極的に受託し、事業領域を一層拡大していく。また、3PL(サードパーティロジスティクス)事業の拡大を通じて得た物流ノウハウをトーハンの出版物流に還元し、高品質な出版物流を提供する。さらに、文具・雑貨など複合商品や他商材を一括して取引先に提供するオールインワン型物流の実現を目指していく。

「伊能図大全」11月に刊行/河出書房新社の13年度下期企画

河出書房新社は6月17日に東京・新宿区の日本出版クラブ会館で「企画説明会2013」を開催。『伊能図大全』など今年後半に刊行する大型企画等について説明した。
『伊能図大全』は11月下旬刊行、A4判化粧函入り全7巻(分売不可)。10月31日までの予約申込み特価本体9万5千円、以降は本体12万円。基本図の大図214枚、編集図の中図8枚、小図3枚を全て収録、地域別にコンパクトにまとめた。報奨金として1冊につき5000円、5冊以上は7000円を支払う。
『FASHION世界服飾大図鑑』は10月中旬刊行、B4変形オールカラー480頁。本体1万8千円。古代エジプトから現代までのファッションの変遷を写真・図版1500点以上を用いて解説する。
また、『文藝』が今年創刊80周年、「文藝賞」が創設第50回を迎えるのを記念し、『文藝』の秋季号(7月発売)と冬季号(10月発売)で特集を企画。『文藝』関連フェアを書店で展開する。
児童書は、知育をテーマにおいた絵本『だいすき!トム&ジェリーわかったシリーズ』の刊行を6月下旬からスタート。「めいろえほん」「たびのえほん」「アニメおはなしえほん」の各シリーズを順次刊行する。
説明会で小野寺優社長は、「昨年刊行した古今亭志ん朝のCDブックは、本体4万円という高価格だったにもかかわらず、累計8千部をほぼ完売している。出版界全体の売上が低下し、書店のマージン問題が大きく取り上げられる中で、高額の大型企画はますます重要性を増していく。書店と企画や販売について話をし、内容に納得いただいた上で仕入れ、読者に本が渡っていく。こうした販売方法が、厳しい状況にある出版界の活路を開くのではないか」と述べた。

「NOCS7」がリニューアル稼働/日販

日販は書店向けオンラインシステム「NOCS9000」のサービス名称を「NOCS7」に改め、リニューアル稼働した。
新サービスの第一弾として、「NOCS7」のトップページを日販から書店への情報発信スペースとして活用し、さまざまな情報を届ける「コミュニケーションパーク」を稼働。書店宛に従来FAX送信していた「注文書」や、営業担当者経由で書店に届けていた「売場計画情報(MD計画書)」、書店から要望が高かった「パブリシティ情報」「POP」など、店頭活性化や業務の省力化に役立つ情報を掲載している。

日販人事

日販は6月27日開催の定時株主総会並びに臨時取締役会で以下の役員を決定した。○新任。
代表取締役会長
古屋文明
代表取締役社長
平林彰
専務取締役〔マーケティング本部長(流通改革推進グループ、書籍部、雑誌部担当)、物流部門総括、取協担当〕安西浩和
同〔営業全般(支社、営業推進室、CRM事業部、取引部)、商品開発部担当〕
吉川英作
同〔管理部門(人事部、総務部、経理部)、CVS部担当、ネット事業部総括〕
加藤哲朗
常務取締役〔特販支社長〕
吉島哲夫
同〔中四国・九州支社長〕
根岸眞
同〔ネット事業部担当〕
大河内充
取締役〔特販支社特販第一部長〕髙瀬伸英
同〔物流部門担当、王子流通センター所長〕髙田誠
同〔経理部長〕久保朗
同〔関西・岡山支社長〕
奥村景二
同〔東部支社〕大久保元博
同〔経営戦略室長〕
宮路敬久
同〔MPD代表取締役社長〕清地泰宏
同〔システム部長〕
○酒井和彦
同〔首都圏支社長〕
○竹山隆也
同〔カルチュア・コンビニエンス・クラブ代表取締役社長〕増田宗昭
常勤監査役石田正樹
同兼子信之
監査役〔新潮社代表取締役社長〕佐藤隆信
同〔税理士法人髙野総合会計事務所総括代表社員、公認会計士〕髙野角司
廣谷繁樹常務取締役は退任し顧問に就任。