全国書店新聞
             

平成13年12月19日号

子どもの読書フォーラム・アピール文

本日、私たちは、フォーラム「子どもの読書振興のために今なにをすべきか」を開催いたしました。
私たちは、本フォーラムにおいて、歓びを感じ心を豊かにする読書が、子どもの成長にとって欠くことのできないものであり、私たちは、それぞれの立場と役割において、子どもの読書環境の整備に努める責務があることを確認いたしました。
私たちが生きた二十世紀は、科学技術が飛躍的に進歩し、人間の尊厳と自由と平和が希求され、文化を創造するたえまない努力の道程でしたが、私たちの新世紀は、新たな戦乱が起こり、地球規模の環境破壊が進む、きびしい経済・社会環境のなかで始まりました。
子どもの世界では、衝動的な行動やいじめ、学びからの逃避など、さまざまな心の荒廃が問題となってきました。
しかしながら西暦二〇〇〇年は、子どもにとって希望がめばえた年でした。
「国際子ども図書館」が開館し、衆参両院の「子ども読書年に関する決議」の趣旨に沿い、政治、行政、民間がそれぞれの領域で努力し、また協力しあい、多様な読書推進活動が展開されました。
「朝の読書」や「読み聞かせ」など、草の根の読書活動が広がり、「ブックスタート」の運動も始まりました。
「子ども読書年」は、読書を通して子どもの言葉と知と想像力を育む運動であり、私たちが、子どものためになにをなすべきかを学ぶ貴重な機会でありました。
私たちはいま、「子どもの読書活動の推進に関する法律」を得ることができました。
本法律は、歴史的な「子ども読書年に関する決議」の理想と理念を法的に実体化したものであります。
その「基本理念」には、「子どもの読書活動は、子どもが、言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身に付けていく上で欠くことのできないものであることにかんがみ、すべての子どもがあらゆる機会とあらゆる場所において自主的に読書活動を行うことができるよう、積極的にそのための環境の整備が推進されなければならない」と、うたっております。
本法律は、二十一世紀を真に子どもの世紀として拓く指針となるものです。
私たちは、この基本理念を生かすために、それぞれの立場と役割において、子どもに歓びを感じ心を豊かにする本を贈り、より充実した読書環境を創る責務があることを銘記したいと思います。
子どもが本を読む国に、未来はかがやきます。
以上、本フォーラムを終了するにあたり、子どもの未来と子どもの読書にかかわるすべての人びとへのアピールといたします。
二〇〇一年十二月十日

「子ども読書環境整備を」

日書連を含む14団体で構成する「子どもの読書推進会議」(野間佐和子代表)は12月10日、東京・永田町の憲政記念館で緊急フォーラム「子どもの読書振興のために今なにをなすべきか」を開催。
先頃衆参両院で可決成立した「子どもの読書活動の推進に関する法律」の基本理念を生かすため、政官民が協力しそれぞれの立場から充実した子どもの読書環境整備に努めるとするアピールを採択した。
子どもの読書活動推進法は超党派の国会議員でつくる「子どもの未来を考える議員連盟」が提出したもので、子どもの読書活動の推進に関する施策を策定し実施することを国および地方公共団体の責務とし、事業者や保護者の役割、学校、図書館その他の関係機関および民間団体との連携強化を定めている。
また、子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画の策定を政府および都道府県に義務づけ、4月23日を「子ども読書の日」に定めている。
今回のフォーラムは同法を実体あるものにしようと開催したもので、各界の代表者がそれぞれの立場から子どもの読書推進について見解を披露した。
「子どもの未来を考える議員連盟」事務局次長の肥田美代子衆議院議員、子どもの読書推進会議の小峰紀雄副代表が司会進行をつとめ、初めに同議連事務局長の河村建夫衆議院議員、同議連事務局次長の松あきら参議院議員があいさつ。
河村衆議院議員は「子ども読書年を1年限りのこととして終わらせないため、法律にして永続的な運動にしようと法案を提出し、成立にこぎつけた。
積極的な読書環境整備は政治家の責務。
皆さんとともに実りあるものにしたい」と述べた。
また、岸田文雄文部科学副大臣は「子ども読書活動推進法は自主的読書活動のための環境整備に資するもの。
法の趣旨を踏まえ、政策の充実に努める」と話した。
子どもの読書推進会議の松居直副代表は「子ども読書年に関する決議はわが国の政治史・文化史上画期的な出来事。
その理念をどう発展させたらいいかずっと考えてきた。
法の趣旨に基づき、21世紀を読書の世紀にしたい」とあいさつ。
総務省自治財政局官房審議官の瀧野欣●氏が「学校図書整備に対する地方交付税措置」、国立国会図書館国際子ども図書館長の富田美樹子氏が「国際子ども図書館の全面開館と今後の活動」、鳥取県教育委員で日書連理事の永井伸和氏が「子どもの読書推進を図る自治体の取り組み」、大正大学教授の中多泰子氏が「公共図書館の現状と課題」、全国学校図書館協議会理事長の笠原良郎氏が「学校図書館整備の中長期計画策定を」をテーマにスピーチした。
このほか児童文学者の角野栄子、ブックスタート支援センター事務局代表の白井哲、朝の読書推進協議会理事長の大塚笑子、親子読書・地域文庫全国連絡会代表の広瀬恒子、講談社読書推進事業部長の安田●雄、出版文化産業振興財団専務理事の奥田修久各氏が、それぞれの立場から子ども読書推進への取り組みを説明した。
最後に子どもの読書推進会議の小峰紀雄副代表が別掲のアピールを提案し、満場の拍手で採択した。

坂口理事長を再選

鹿児島県書店商業組合は12月5日午後4時から鹿児島市のサンロイヤルホテルで第16回通常総会を開き、組合員155名(委任状含む)が出席した。
総会は井之上専務理事の司会で進行。
楠田理事の開会あいさつに続き、坂口洋右理事長があいさつ。
「相変わらず厳しい状態が続いているが、こんな時こそ元気を出そう」と訴えた。
議長に西之園一郎副理事長を選出して、平成13年度事業、収支決算、監査報告、新年度事業計画、予算案をいずれも原案通り承認した。
役員改選では坂口理事長、西之園副理事長、井之上専務理事が再選された。
永年にわたって組合のリーダーを務め、今回理事を退任した浜田、楠田、和田の3氏からお別れの言葉があり、組合員からねぎらいの言葉と拍手があった。
総会終了後、日書連大川事務局長が「日書連諸活動雑感(閉塞感をぶっ飛ばせ、売上増に向けての独断専行私案)」と題して講演が行われた。
この時期をとらえた大川氏の「図書カード」「書店くじ」などでの売上増を図るなど、組合員が身近で気付かなかった販売事例と「書店活性化21世紀維新は鹿児島組合から」の過激熱弁に万雷の拍手が送られた。
このあと、テジマ手島社長の発声で乾杯し、和やかなうちに親睦を深めた。
新理事は坂口洋右、新添重利、石井光夫、村永直美、野添裕允、西之園一郎、井之上博忠、浜田春樹、長谷場勇、楠田哲久、和田豊、小柳一郎、浜田一郎、山口まり子、大牟礼和人の15氏。
監事は野田典男、前畑浩志両氏。

−無題−

印刷・製本・取次・書店・製紙に関する野間賞受賞者▽印刷=家永覚(図書印刷)、岡田憲明(三松堂印刷)、高橋恭介(東海大学)▽製本=大野隆祥(本多製本)、内田猛(内田紙工業)▽取次=高野正栄(トーハン)、渡辺勝喜(日販)▽書店=上妻隆良(ときわ書房)、永井正人(松江今井書店)▽製紙=桂徹(三菱製紙)

長野増売商品

長野県書店商業組合が増売に取り組んでいる『写真探訪信州の原風景』(郷土出版社・全9巻)のうち、7月中旬に刊行した第・期・自然編3巻は10月末までに実売数が1528セットとなった。
実売30セット以上、上位20位まで入賞する販売コンクールでは、上田市・平林堂書店が525セットを販売、2位以下を大きく引き離してのトップ。
以下、入賞書店は■波田町・カルチャーショップささき(102セット)、■佐久市・住吉屋書店(65セット)、■茅野市・今井書店、松本市・鶴林堂書店、信州新町・前沢書店(50セット)、■中野市・森田書店(43セット)、■大町市・大町塩原書店、小海町・嶋屋書店(30セット)第・期民俗編は11月中旬に刊行、第・期歴史編は来年3月中旬刊行予定。
各期3冊セット本体定価2万4千円。

ともに難局突破を

栃木県書店商業組合(小山田昭一理事長)は11月26日、宇都宮市内の「ホテル丸治」で第15回通常総会を開催した。
総会で小山田理事長は「県内の信用金庫の相次ぐ破産などで、不況がますます足元に近付いているのを実感する。
書店の環境も組合財政も大変苦しく、組合として何をすればよいのかむずかしくなってきたが、皆さんと一緒にこの難局を乗り越えたい」と、あいさつした。
議事は長谷川功一副理事長を議長に、平成13年度事業報告、収支報告、平成14年度事業計画案、予算案を審議し、全会一致で承認した。
役員改選では小山田理事長以下、全役員が留任した。
総会終了後、県中央会、青少年課、地元出版社の来賓をまじえて懇親会を行った。
(亀田二郎広報委員)

新古書店店長ら送検

18歳未満の青少年から保護者の同意なく本を買い取ったのは、神奈川県青少年育成条例違反として、神奈川県青少年課と座間署は11月20日、本を買い取った海老名市と座間市の大手新古書店2店と店長ら4人を書類送検した。
朝日、読売の地方版によると、大手新古書店は今年3月と4月に座間市内の中学生8人から文庫本やコミック、雑誌を買い取った疑い。
少年らは書店で万引きした本を大手新古書店で換金し、ゲーム代などにあてていたという。
この件で中学3年生の少年3人も窃盗容疑で書類送検された。
神奈川県の青少年条例では、18歳未満の青少年からは保護者の承諾がない限り物品買い受けを禁止している。

日販おはなしマラソン

日販は11月24日、埼玉、茨城、栃木、群馬の関東4県の取引書店9店で読み聞かせ会「おはなしマラソン」を開催。
414名(子ども282人、大人174人)が参加した。
◇さいたま市・須原屋武蔵浦和店参加した子どもの年齢が予想異常に低かったため、書店店頭の絵本を活用し、一部プログラムを変更して対応した。
『おおきなかぶ』のエプロンシアターには子どもたちが熱心に見入っていた。
床に敷いたクッションシートが座りやすいと好評だった。
◇同・さきたま書店当日、近所の公園でチラシを配布した。
終了後のアンケート回答者の4割がりピーターであった。
◇同・井原書店(写真)前月配布した「スタンプカード」を持って来店した子どもが多く、前月を30人上回る盛況だった。
お母さん方が子どもと一緒にお話を聞いてくれたため、子どもたちは少し長い民話も集中して聞いていた。
その他、大里郡・グリーンブックTSUTAYA妻沼店、日立市・ブックエース日立鮎川店、ひたちなか市・浜田ブックセンター田彦店、下都賀郡・宮脇書店野木店、今市市・ビッグワンTSUTAYA今市店、佐波郡・タマムラブックセンターでも、同様のおはなし会が行われた。

2002若い人に贈る読書のすすめ

読書推進運動協議会は、2002年に成人の日、新社会人となる日を迎える若い人に向けてリーフレット「2002若い人に贈る読書のすすめ」を作成、書店、図書館に配布した。
掲載の書名は以下の24点。
▽『「自分の木」の下で』大江健三郎著・大江ゆかり画、朝日新聞社▽『模倣犯(上・下)』宮部みゆき、小学館▽『わかもとの知恵』筒井康隆著・きたやまようこ画、金の星社▽『この地球(ほし)を受け継ぐ者へ』石川直樹、講談社▽『シェイクスピアを盗め』ゲアリー・ブラックウッド、白水社▽『愛蔵判・冷静と情熱のあいだ』江國香織・辻仁成、角川書店▽『十二番目の天使』オグ・マンディーノ、求龍堂▽『僕は、涙の出ないめで泣いた。
』川畠成道、扶桑社▽『エンデュアランス号大漂流』エリザベス・コーディー・キメル、あすなろ書房▽『Q&A経済のしくみ100の常識』小塩隆士、日本経済新聞社▽『敗北を抱きしめて』ジョン・ダワー、岩波書店▽『虚空の旅人』上橋菜穂子、偕成社▽『プロジェクトXリーダーたちの言葉』今井彰、文芸春秋▽『二十歳の法律ガイド第4版』木村晋介他、有斐閣▽『宮崎駿の<世界>』切通理作、筑摩書房▽『二十世紀』橋本治、毎日新聞社▽『川の上で』ヘルマン・シュルツ、徳間書店▽『ぼくらはみんな生きている』坪倉優介、幻冬舎▽『未来のたね』アイリック・ニュート、NHK出版▽『泣く大人』江國香織、世界文化社▽『人生の価値』飯田史彦、PHP研究所▽『無言館ノオト』窪島誠一郎、集英社▽『あなたはひとりじゃない』大平光代、光文社▽『スター・ガール』ジェリー・スピネッリ、理論社

−無題−

*江東・江戸川忘年会東京組合江東・江戸川支部は12月13日午後5時から都営新宿線・船堀駅前の「築地植むら」で忘年会を実施、32名が出席した。
開会にあたって佐藤有宏支部長(藤書店)は「今年は同時多発テロなどが起きて暗い1年だったが、年末にきて愛子内親王のご誕生で少しは明るさが戻ってきた。
らいねんこそ希望のもてる年にしていきたい」とあいさつ。
勝山守東京組合相談役(勝山書店)の「1年間ご苦労様でした」の発声で乾杯し、開宴した。

発売日違反の措置

大阪府書店商業組合は12月8日、定例理事会を開催した。
雑誌発売日違反の措置について、違反申告店以外に多数の組合員から強い関心が寄せられたので、申告後の調査、進捗状況、出版社が行った警告・前渡し一時停止などの措置を従来以上に大きく「大阪組合だより」に取り上げることにした。
関西地区私鉄売店の同時発売のための雑誌前渡しについては、雑誌発売日問題近畿地区連絡協議会に出版社の本部委員が出席し、新ルールがほぼまとまった。
文書化されるのを待って発表する。
大阪組合の通信がパソコン・ウィルスの被害にあった件では、理事会当日、対策のための講習会を実施した。
大阪組合のパソコン講習は好評のため、引き続き追加講習する。
年明けの日程として、1月5日午後4時半から大阪市梅田のホテルモントレで大阪出版業界新年互礼会、1月28日12時半から大阪市北区のウエスティンホテルで婦人組合員のランチ会を実施する。
(辻山昌佑広報委員)

週間売行き情報

今年広く認知され多くの読者を獲得したと思われる作家が江國香織さん。
新作『東京タワー』も彼女らしい繊細さと何気ない大胆さが作品を包み込んでいます。
(文)(1)『ハリー・ポッターと賢者の石』静山社4‐915512‐37‐1…13冊
(2)『V字回復の経営2年で会社を変えられますか』日本経済新聞社4‐532‐14934‐7……10冊
(3)『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』静山社4‐915512‐40‐1……8冊
”『HARRYPOTTER&THEGOBLETOFFIRE』BLOOMSBURY0‐7475‐5442‐0……8冊
(5)『新世紀エヴァンゲリオン(7)』角川書店4‐04‐713469‐46冊
(6)『ルネッサンス』ダイヤモンド社4‐478‐32100‐0……5冊
”『日本経済生か死の選択』徳間書店4‐19‐861429‐6……5冊
”『君に成功を贈る』日本経営合理化協会4‐89101‐020‐75冊
”『歴代天皇総覧』中央公論新社4‐12‐101617‐3……5冊
”『ダレン・シャンバンパイア・クリスマス』小学館4‐09‐290303‐0……5冊
”『HARRYPOTTER&THEPRISONEROFAZKABAN』BLOOMSBURY0‐7475‐4950‐8…5冊
(12)『問屋と商社が復活する日』日経BP出版センター4‐8222‐4258‐7……4冊
”『やがて中国の崩壊がはじまる』草思社4‐7942‐1089‐2…4冊
”『こんな人いませんか』PHP研究所4‐569‐61958‐4…4冊
”『この世で一番の贈り物』PHP研究所4‐569‐61942‐84冊
”『世界がもし100人の村だったら』マガジンハウス4‐8387‐1361‐4……4冊
(12月9日〜15日調べ)

週間売行き情報

新時代の教養教育について、中教審の答申案によると国語力の育成が重要視されているとのこと。
読書の推進には書店の役割も大きいと思わなければならない。
(井)(1)『ハリー・ポッターと賢者の石』静山社4‐915512‐37‐1…24冊
(2)『ハリー・ポッターと秘密の部屋』静山社4‐915512‐39‐8……17冊
(3)『新世紀エヴァンゲリオン(7)レイ』角川書店4‐04‐713462‐7……16冊
(4)『新世紀エヴァンゲリオン(7)アスカ』角川書店4‐04‐713463‐5……14冊
(5)『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』静山社4‐915512‐40‐1……13冊
(6)『ドラゴンクエストIV』集英社4‐08‐779137‐8……7冊
”『このミステリーがすごい!2002年版』宝島社4‐7966‐252‐8‐3……7冊
(8)『SMAPドキュメンタリーフォトブックsnap』ビクターブックス4‐89389‐171‐55冊
”『安倍なつみ写真集なつみ』ワニブックス4‐8470‐2685‐3……5冊
”『月刊松山SAGA11』アミューズブックス4‐906613‐92‐6……5冊
”『愛と復讐の桃源郷』双葉社4‐575‐00707‐2……5冊
”『霊の柩』祥伝社4‐396‐20729‐8……5冊
(13)『ハリー・ポッターの魔法世界ガイド』早川書房4‐15‐208380‐8……4冊
”『GEとともにウェルチ経営の21年』ダイヤモンド社4‐478‐37384‐1……4冊
(12月9日〜15日調べ)

人事

◇有隣堂11月27日開催の株主総会ならびに取締役会で左記の役員を選任した。
(◎昇任、○新任)代表取締役会長篠・孝子同副会長田宮隼人同社長松信裕同副社長(情報システム担当・人事総務担当・経理財務担当)松信一雄常務取締役(経営企画室担当・営業担当・労務担当)笹島克彦取締役(第一営業副本部長・営業推進室長)早見文雄同(第二営業本部長)山形正利同(第一営業本部長・本店長)村越武同(経理部長)猿渡二三夫同(財務部長)○桑原康高常勤監査役大谷忠弘同○田中紀一郎監査役佐藤忠夫同横地敏雄*田中紀一郎取締役は退任し、監査役に就任。
◇婦人生活社平成14年1月1日付で社内組織の改編を行う。
〈機構改革〉1、営業本部を営業統括本部と名称変更する。
2、業務部、営業企画室を新設する。
3、営業企画室は営業統括本部付とする。
〈人事異動〉常務取締役(取締役営業本部長)平出勲取締役営業統括本部長兼広告部部長(広告部部長)坂本博取締役営業統括副本部長兼販売部部長(販売部部長)伊藤信二業務部部長(宣伝部副部長)藤田博秋営業企画室室長兼生産部副部長(生産部副部長)嶋津喜義

読者が選ぶ広告大賞

読者の投票で入賞作品が決まる第23回「読者が選ぶ・講談社広告賞」は、男性誌・情報誌部門の広告大賞にJR東海、女性誌部門の広告大賞にルイ・ヴィトンジャパン、12誌の金銀銅賞に合わせて27社が選ばれ、12月10日、東京虎の門のホテルオークラで贈賞式と、広告感謝の会が開かれた。
この広告賞は4月、5月の2カ月間、『週刊現代』『TOKYO1週間』『MINE』『with』など12誌に掲載された広告を対象に、読者が投票で選ぶ読者参加型の広告賞。
今年も6万通の投票により各雑誌賞を決定。
さらに第2次審査で大賞を選んだ。
贈賞式で講談社野間社長は「11月末の決算は売上が前年を下回る厳しい年だったが、広告は前年並で、まずまずの成績を収めた。
この賞が雑誌広告の発展の一助となることを願っている」とあいさつした。

トーハン『書店実務手帳2002年版』発売

トーハンの『書店実務手帳2002年版』(頒価本体619円)が発売された。
週間・月間の見開き予定表のほかに、書店の実務に役立つ情報や資料をコンパクトに収録。
特別付録として四つ折り式の年間催事計画表を付けており、店のフェア企画を書き込むなど年間を通して計画を見渡せる作りになっている。

催し

◇少年倶楽部展講談社野間記念館は2002年1月19日(土)から3月24日(日)まで、新春企画として「少年倶楽部展」を開催する。
『少年倶楽部』は講談社の前身である大日本雄弁会が1914年に創刊、約50年にわたって愛読された日本で最も長い歴史をもつ少年雑誌。
人気作家の名作が次々に登場した昭和前期に黄金時代を築き、児童出版文化史上に大きな業績を残した。
同展では、懐かしい挿絵の原画を中心に、自筆原稿や付録、ポスター等を展示する。
開館時間は10時〜17時、月・火曜が休館。
入館料は一般500円、中・高・大学生300円(小学生以下無料)。

携帯入力端末の新システム開始

トーハンは、書店SAシステム「SUPERTONETS」の一環となる新ハンディターミナルシステム「Flash−HT8」のサービスを12月4日から開始した。
これにより、9月にスタートしたインターネット利用の書店支援システム「Web−TONETS」や、オンライン型POSレジシステム「Assist−POS」と合わせて、基本3種のSA機器リニューアルが完了した。
「Flash−HT8」は、発注・定期改正・返品入力といった書店の日常業務の省力化・効率化に活躍する携帯型入力端末機。
約300と小型・軽量ながらスキャナ・本体一体型のハンディターミナルで、プリンターも小型サーマルプリンターを採用して省スペース化を図っている。
快適な操作性を追及し低価格を実現した。
月額利用料は、最寄りのアクセスポイントまでの通信料を除き、定額1万5500円(機器一式、標準構成)。
設置時に導入一時費用3万6000円がかかるが、平成14年3月までに設置すると5000円以下に割引となる。
トーハンでは3000台を目標に導入を促進する。

2001新書オブ・ザ・イヤー

トーハンは「2001新書オブ・ザ・イヤー」と題して、教養新書13点をそろえた店頭フェアを12月上旬から全国200書店で展開している。
教養新書は相次ぐ創刊で点数が増加し、店頭での商品管理が煩雑になっている。
こうした市場の変化をとらえて、トーハンでは出版社・シリーズを越えたテーマ別のフェアや棚陳列の提案など店頭活性化策を展開しており、今回も新書売場の平台用フェアとして企画したもの。
このフェアでは、ベストセラーのみならず今年の収穫といえる話題になった新書をそろえた。
『中坊公平・私の事件簿』(集英社)、『アラブとイスラエル』(講談社)、『民族の世界地図』(文藝春秋)など13点61冊をセットに、POP、帯付きで展開する。

大阪屋友の会

第36回「大阪屋友の会連合大会」は、平成14年6月4日(火)、5日(水)の2日間、石川県加賀市の山代温泉ホテル百万石で開催することが決まった。
スケジュールは以下の通り。
6月4日=大阪9時出発、名所観光・昼食後ホテルへ。
総会は15時30分から、懇親会は18時30分から。
6月5日=観光組はホテル出発8時30分、観光と昼食ののち大阪着17時30分。
ゴルフ組はゴルフクラブツインフィールズでプレー。

ファンタジーコーナー企画の第3弾

トーハンは、書店のファンタジーコーナーを推進するオリジナル企画「ファンタジーがとまらない!」の第3弾を年末年始にかけて実施する。
この企画は今年7月、『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』の発売に先駆けて、全国550書店で行ったのが第1弾。
書店や出版社からの強い要望を受けて、第2弾を10月に400書店で開催した。
今回は書籍24点をセットにして全国500書店で展開する。
またトーハンでは、ワーナー・ブラザーズの特別協力を得て、映画「ハリー・ポッターと賢者の石」予告編ビデオと映画館用ポスター、映画徹底攻略ガイドの提供を受け、首都圏主要書店で特別コーナーを設置。
関連商品の販売と合わせて展開している。
さらに、コカ・コーラとワーナー・ブラザーズが実施する読書感想文コンテスト「ハリー・ポッターとコカ・コーラ読書の旅コンテスト」に協力、全国300書店に対象図書コーナーを設けて子どもの読書推進を図っている。

芳文社も加入

芳文社は、注文品の迅速化と正確な注文管理を図るため、オンライン発注システム「s−book.net」に加入、12月20日から注文受付を開始する。

本屋のうちそと

12月11日の朝日新聞に「朝の読書」の話が載っていた。
決まりは四つ、「みんなでやる」「毎日やる」「好きな本でよい」「ただ読むだけ」と単純な活動だが、今ここに来て広がりを見せている。
小学校では読書が増えているのに高校生は1カ月に1冊も読まない者が多いという。
組合活動では青少年のためにと諸々の努力をしている。
成人図書にビニールがけしたりコーナーを作って読ませない運動もしている。
この年頃は、アダルト本、タバコ、お酒、すべてに興味を示す時期だ。
酒などはちょっとぐらいなら良いだろうなんて勧める親もいる。
それが事の始まりでタバコも酒もやっている。
これをまた大人が注意できない。
昔のように素直ならともかく逆恨みされたくないので、つい黙ってしまう。
自由のはき違いから、何をやっても良いだろうと開き直る子どもたち。
どこかで歯車が狂ってきた感じもする。
現在の子どもに合った指導の仕方が必要だ。
昔の子どもは一部に変な者もいたが、みんな素直ではなかっただろうか。
今、物は何でもある。
その何でもあることが、自由を何でも可能とはき違えることになるのではないだろうか。
先の国会では「子どもの読書活動の推進に関する法律」が成立したらしい。
朝日新聞には“席に落ち着いて座れなくなっている子供たちを落ち着かせる。
そんな苦肉の策の面があったとはいえ、朝の読書は爽やかだ”と書いてある。
(とんぼ)

「サイトで立ち読み」サービスを試験稼働

日販が運営するインターネットブックモール「本やタウン」は、サイト上で本の立ち読みが体験できる日本初のサービスを11月27日からテスト稼働した。
このサービスは、アメリカのリアルリード社が開発したオンライン立ち読み機能を用いたもの。
インターネット上で実際に本をめくる感覚で読むことができるツールで、レイアウトや字の大きさなども実際の本に近い形で見ることができる。
このシステムはサイト側に組み込むため、ユーザーはパソコンにソフトを導入せずに利用可能。
本やタウンでは11月16日からクリスマスフェアを開催中だが、ここで扱っている本の中から7社19点を対象に、立ち読みサービスによる商品紹介を行った。
これにより、書籍ネット販売における“立ち読み”の販売促進効果や方向性を模索し、ブロードバンド時代に向けた今後のサービス強化につなげたい考え。