全国書店新聞
             

平成16年8月21日号

第3回ネット・フェア/定価の半額で2ヵ月間販売/書協

書協は再販制度弾力運用の一環として、今秋の読書週間を中心に10月15日から12月15日までの2ヵ月間、インターネット・サイトによる謝恩価格本フェアを行う。ネットによるバーゲン・フェアは昨年秋、今春に続いて3回目。今回は非会員社にも呼びかけ、100社・1000点の参加を目標にしている。読者謝恩を目的にした謝恩価格本フェアは1998年から2002年まで合計9回実施されたが、経費・宣伝費がかさむ上に、返品率が70~90%と高率だったためいったん中止された。昨年秋にはインターネットにサイトを開設。直接読者に販売することで流通経費・広告費を削減、出版社の負担を軽減することにした。第1回目の昨秋は24社343点が出品され、3244冊、347万円を販売。第2回の今春は52社562点の出品で5034冊、542万円を販売し、販売冊数、金額とも5割以上の大幅増を示した。
従来は定価の3割引と5割引の2種類の設定があったが、今回はオール定価の50%引き。配送・決済はブックサービスが行うほか、第1回に引き続き販売書籍にICタグをつけて物流管理する実験を検討している。9月3日には参加者説明会を開催する予定。
今春のバーゲンブックでの注文ベストは以下。
①小学館「アンパンマンのあいうえおあそび」②小学館「ドラえもんのどうぶつえん」③小学館「アンパンマンのはたらくくるま」④講談社「ディズニーおはなしだいすき55話」⑤小学館「アンパンマンのめいろあそび」⑥小学館「ドラえもんののりもの大たんけん」⑦講談社「くまのプーサンおはなしプレゼント」⑧小学館「キッパーのおもちゃばこ」⑨小学館「WELCOMEFLOWERS30」⑩講談社「くまのプーサンおはなしきかせて」

05年ポケッターと雑誌袋斡旋

日書連共同購買委員会は週刊誌袋、雑誌袋、ポリ手提袋、A5判袋各種と、年末年始の贈答・販売用に「ポケッター05年版」、名入れ印刷の代用に便利な「店名刷込シール」を斡旋します。どうぞご利用ください。
◇雑誌袋(消費税別)
①週刊誌袋(純白40㌘、240×320㍉)無地5千枚単位、名入れ1万枚以上、単価各2円45銭
②雑誌袋(半晒再生紙50㌘、270×350㍉)無地4千枚単位、名入れ1万枚以上、単価各3円20銭③ポリ手提袋(小判抜き、290×400㍉)無地6千枚単位・単価5円、名入れ2万枚以上・単価6円50銭
④A5判袋(半晒再生紙50㌘、180×250㍉)無地5千枚単位、名入れ1万枚以上、単価1円85銭
ご注文は日書連受注センター、FAX03―3295―7180まで。送料無料、代引き決済。無地は1週間以内にお届け、名入れは原稿到着後1ヵ月かかります(指定書体は別途版代を申し受けます)。オリジナルデザインは5万枚単位にて承ります。
◇ポケッター05(78×127㍉・64頁、のし袋付き、送料・消費税込み)
①店名なし=1セット(百部)7665円
②店名入り=5百部以上(印刷場所は後見返し。のし袋への印刷は不可)。5百部以上・1セット(百部)当たり9345円、1千部以上・1セット当たり8610円、3千部以上・1セット当たり8190円
◇店名刷込シール(1枚55×25㍉、5百枚以上・百枚単位、消費税込み)5百枚以上・百枚当たり1102円50銭、1千枚以上・百枚当たり997円50銭、3千枚以上・百枚当たり630円
※「ポケッター店名入り」「店名刷込シール」の書体は細ゴシック体または明朝体に限る。
ご注文は所定の申込用紙に必要事項記入の上、所属都道府県組合へ。11月上旬頃に取引取次店より配送されます。

青山ブックセンター民事再生へ

東京地裁は7月30日に民事再生手続きを申請していた青山ブックセンターに対し、手続き開始を決定した。この決定を受けて、先に再生支援を表明している日本洋書販売は青山ブックセンター各店舗が入居していたビル所有者と交渉を進め、早期営業再開を目指す。

「落ち葉をしおりに、読書の秋」

今年も文化の日をはさんで10月27日(水)から11月9日(火)まで2週間にわたって行われる読書週間(第58回)の標語は「落ち葉をしおりに、読書の秋」に決まった。野間読書推進賞、全国優良読書グループの表彰はじめ、読書推進の様々な行事が展開される。

TRC経常利益6.8%/日経流通調べ、日本の卸売業調査

日経流通新聞は8月5日号で「第33回日本の卸売業調査」を発表した。同紙で「書籍・CD・ビデオ・楽器」として発表された分類のうち、書籍卸売業8社の数字を抜き出したのが別表。
売上高では太洋社、日本地図共販を除く6社が軒並み減収となり、同紙では「取次各社、苦戦続く」と論評している。日販は1・5%、トーハンは3・0%の減収。しかし、税引後利益を比較すると、日販が厚生年金基金の代行返上損で特別損失を計上、税引後利益が33%減少したのに対し、トーハンは厚生年金基金の代行返上益を計上して税引後利益が5割増となった。
売上高対経常利益率では図書館流通センターが6・8%でトップ。トーハンの1・1%、日販の0・9%に大きく水をあけている。
1人当たり売上高は上から①大阪屋2億1226万円、②栗田1億8125万円、③日教販1億1937万円、④太洋社1億36万円の順。

井狩春男の必殺まるす固め

☆いい本は、時間がかかるかも知れないが、必ず売れる。そう信じて、人文書を出版されている社長さんをボクは今でも尊敬している。でも、「いい本、必ずしも売れるわけではないよ」と夢も希望もなく悪魔がささやく。思わずうなづいてしまいそうになるのだが、激しく首を左右に振り、「いい本は売れなければいけない」とか「いい本は売らなければいけない」と、誰かに笑われてしまいそうなことを考えてしまうのである。
ここに、フランスで2002年の年間ベストセラー2位になり、2003年には1位に輝いた本がある。50万部を超えて売れ続けている。優れている本なので、エスペラント語版、ドイツ、イタリア、ギリシア、アイルランド、スペイン、オーストラリア、オランダ、イスラエル、イギリスなど15ヵ国で出版されている。日本では、あのヴィンセント・ギャロのイラスト入りで、大月書店から出版された。
フランク・パヴロフ著『茶色の朝』という48頁のうすい本だ。ごく普通の人を主人公にした寓話。主人公は、友人が飼い犬を始末したことを聞かされる。理由は、ただ毛色が茶色じゃなかったから。その国の政府は、「茶色の犬や猫のほうがより健康で都市生活にもなじむ」ということで、茶色以外のペットは飼わないことを奨励する声明を発表したのだった。主人公は、白黒の猫を処分したばかりで、友人も同じような始末をしたことに軽いショックを受ける。しかし、なにもせずに、いつも通りの日々が過ぎていく。友人は茶色の犬を、主人公も茶色の猫を飼いはじめるが…。かつて、茶色でない犬を飼っていたという理由で、ある朝友人は逮捕されてしまい、個人も次々と捕まってしまう――。そして、茶色の朝、「主人公の家のドアをノックする音がする…」。
「茶色」は、ナチの制服の色。2004年3月25日付の朝日新聞(夕刊)は、「ちょっと変だと思っても日々やり過ごしていると、危機はある朝、ドアをノックする…。」という書き出しで、この本を紹介している。
2年前、フランスの政治に影響を与えたほどの本が、日本で大売れしないのはオカシイと思う。イイ本は、当然のように売れて欲しい。どうか書店さん、応援してください!

全国学校図書館大会に協賛/滋賀

小中高の教諭らが学校図書館のあり方などを議論する「第34回全国学校図書館研究大会」(滋賀県教委、全国学校図書館協議会主催)が、8月4日~6日の日程で草津市にある立命館大学びわこ・くさつキャンパスで開かれ、滋賀県書店商業組合も協賛した。
大会は、今回は「ひろがる、つながる、学びを変える学校図書館」をテーマに開催、全国から2100人が参加した。一般にも開放された書籍展示・即売ブースでは児童書・ヤングアダルト約8千点を展示。親子連れも目立つなか約270万円の売上があり、大盛況のもと全日程を終了した。
(石岡英明広報委員)

能勢仁氏の経営研修会に26名/山形組合

山形県書店商業組合(五十嵐太右衛門理事長)は7月29日午後3時から、山形市グランドホテルで「商売繁盛のための10の提案」のタイトルで特別研修会を開催、組合員26名が参加した。
この研修会は、山形県中小企業団体中央会の後援を受け、ノセ事務所・能勢仁先生による組合書店の個別カウンセリング事業の一環として実施。山形県内のマーケットの分析から、書店らしいサービス(情報提供)・雑誌の売れ行き分析による顧客分析の方法・取次会社との上手な取引のやり方・仕掛け販売や顧客管理など、能勢先生から「今書店としてすべき事」を10の視点から解説・提案していただいた。
翌30日は個別コンサルティングをスタート、8月から10月まで20書店を訪問し、書店ごとの報告書(提案書)を作成していく。
(五十嵐靖彦専務理事)

学校図書館対策で成果/第21回滋賀県組合定期総会

滋賀県書店商業組合(西川忠夫理事長)は7月23日午後4時より、大津市梅林「かすが」において第21回定期総会を開催した。
総会は上田理事(三信堂)の司会により総会の成立宣言と議長の選出が行われ、山田理事(山田耕雲堂)を選出。西川理事長のあいさつの後、各議案が審議された。
西川理事長はあいさつの中で、3月3日に琵琶湖ホールで行われた「第20回平和の日びわこの集い」(日本ペンクラブ主催・滋賀県と大津市共催)が1300人余の聴衆を集め成功裡に終了したこと、また学校図書館問題では、大津市の「学校図書充実事業に係る図書購入(5年計画)」を受けて、組合員8店による「本屋ツール」を使用したラベル・ブッカー装備後の納入や、栗東市では県下初となる日書連マークを使用したシステムが導入されたことなど、1年間の実績を報告した。続いて各議案が上程審議され、すべて満場一致で承認した。
引き続き会場を移し、取次各社など来賓に参加をいただき、京都新聞社主催の「第33回お話を絵にするコンクール」の表彰式を開催。その後組合員ともども懇親会を行った。
(石岡英明広報委員)

勉強会で活路見出そう/奈良総会で西本理事長

奈良県書店商業組合(西本功理事長)は7月24日土曜日午後3時より、第20回通常総会を奈良市春日ホテルで開催、47名(委任状含む)が出席した。
総会は吉岡章理事の司会進行で開始し、冒頭のあいさつで西本理事長が「長く続く出版不況の中で、どのようにして街の書店が生き延びていくかが課題だが、個々のお店で努力をしておられる中で、組合員の皆様と共に共同の勉強会などで活路を見出し前向きに進んで行きたい」と述べた。
議長に辻本照洋理事を選任して各議案を審議。平成15年度事業報告では西本理事長より「情報推進化研究会」「経営者セミナー」(大阪組合・甲川氏を迎え「書店経営の今後」)「POP講習会」「先進書店見学」(県内・啓林堂書店西大寺店の見学)「婦人部親睦研修会」(児童作家加藤輝治氏の講演)などの活動報告があった。このほか決算報告、次年度事業計画案、予算案その他の案件も説明が行われ、原案通り決定了承して審議を終了した。
引き続き別室で出版社、取次など来賓多数をまじえて和やかに親睦会が行われ、宴は午後7時頃まで続いた。(森谷勝則広報委員)

第4土曜・情報化の研修会開く/福井組合

福井県書店商業組合(角谷和男理事長)は7月20日、福井県職員会館で「第4土曜日は、子どもの本の日実施説明会」及び「日書連情報化推進(日書連マーク)研修会」を開催した。
これは、5月の第21回通常総会で角谷理事長が青年部を主体とした事業展開を提唱、今年度事業計画案に盛り込まれたもの。「第4土曜日は子どもの本の日」実行委員会よりJPICの小林千春氏が、全国各地で行なわれている店頭お話し会の実施方法について細かく説明。当地での9・10・11月の実施に向けて、参加者の不安を払拭するような力強い説明会になった。
続いて行なわれた日書連情報化推進研修会は、専門委員の長尾幸彦氏が初歩的なマークの説明や司書ツールの使い方を解説。また、TRCの公共・学校図書館への戦略の説明と各地での組合及び組合員の活動の現状を分析・報告した。集まった書店は13名と少なかったものの反応は良く、「これだけ実のある研修会は今までになかった。もっとやってほしい」等、今後に期待する声が大半だった。長尾氏の帰りの列車時刻まで場所を変えて懇親会を開き、最後まで熱心な意見が交わされた。
角谷理事長は参加できなかった組合員からの強い要望を受け、書店情報化に関する研修会の第2弾の開催を予定している。
(清水祥三広報委員)

売上高2.03%マイナス/営業利益率7年連続で赤字/日販『書店経営指標』

日販は全国502店舗の経営資料を収集分析した2004年版『書店経営指標』(B5判67頁、頒価1575円)を刊行した。これによると、売上高前年比は2・03%減と7年連続マイナス。損益面では、売上総利益率は再び減少に転じ、販売費及び一般管理費も減少傾向に。営業利益率は前年比0・02ポイント減少のマイナス0・26%で、7年連続の赤字となった。
〔小規模店で落ち込み/売上高前年比〕
調査店502店舗の売上高前年比は2・03%減と、7年連続マイナス成長になった(表1)。
売場規模別では51~100坪店が0・71%増だったほかは軒並みマイナス。特に20坪以下店は9・84%減と落ち込みが大きく、小規模店に厳しい結果になった。立地別に見ると、商店街7・92%減、SC内4・14%減、郊外2・27%減だったものの、駅ビル・駅前が1・90%増、住宅地1・00%増とプラスとなった。地域別では三大都市圏が3・10%減、地方が1・58%減とともにマイナスとなり、業態別では専業2・14%減に対し複合1・66%減だった。売上増加率別店舗数構成比を見ると、増加率がプラスの店舗は30・6%で前年より8・8ポイント減少した。
〔粗利益減少に転じる/損益計算書〕
損益面では、売上総利益率(粗利益率)が23・18%となり、減少傾向に歯止めがかかった前年に比べ1・16ポイントの減少となった(表2)。売場規模別ではすべての区分で前年を下回った。特に「3億円以上5億円未満」で2・57ポイント低下しているのが目立つ。
販売費及び一般管理費は
前年比1・14ポイント減の23・44%。3年連続の減少からわずかに増加に転じた前年から減少している上、「人件費」0・33ポイント減、「販売費」0・31ポイント減、「設備管理費」0・11ポイント減など、すべての項目で前年を下回っており、再び減少傾向に入ったと見られる。営業利益率はマイナス0・26%で前年より0・02ポイント減少して、7年連続の赤字となった。経常利益率は0・28%で、前年より0・08ポイント減少した。
〔自己資本比率が低下/貸借対照表〕
財務体質の健全性を示す自己資本比率は高いほうがよいとされるが、11・29%と0・08ポイント低下したものの98年以来の11%台を守った(表3)。支払い能力の目安の流動比率は150%以上が理想だが、前年比7・65ポイント大幅改善して128・80%。設備投資等の固定資産をどれだけ自己資本で賄っているかをみる固定比率は低いほうが安全性の高い企業とされるが、前年より11・99ポイント悪化して399・22%と引き続き高い数値。
〔勤務日数は前年並み/勤務日数・労働時間〕
正規従業員の年間勤務日数は278日で前年並みだった(表4)。正規従業員の年間総労働時間は2320時間と37時間減少、パート・アルバイトも1124時間と65時間減少した。業態別に見ると「専業」「複合」ともに正規従業員、パート・アルバイトのいずれも前年より減少した。
〔労働生産性が上昇/生産性と分配率〕
従業員1人当たりの年間粗利益額を示す労働生産性は前年を64万6千円上回って643万3千円となり、この5年で最高の数字になった。従業員1人1時間当たり粗利益額を示す人時生産性は前年を178円下回る2856円で、2年連続維持した3千円台を割り込んだ。粗利益額に占める人件費の割合を見る労働分配率は1・11ポイント上昇して51・40%となった。
〔10年連続して減少/坪当たり売上高〕
売場1坪当たり店売売上高(年間)は230万5千円で、前年を19万6千円下回って10年連続減少。立地別では全立地で減少。特に減少が大きいのは「駅ビル・駅前」50万3千円減、「SC内」51万7千円。客単価は1213円で、前年より99円増加した。

[調査店の内訳]
〈年商別〉(%)
1億円未満14・5
1億~3億円未満25・5
3億~5億円未満15・5
5億~10臆円未満12・7
10億円以上31・8
〈地域別〉
三大都市圏161店舗
地方341店舗
〈業態別〉
専業335店舗
複合167店舗
〈収益別〉(%)
経常利益率3%以上
10・9
同1%~3%未満30・9
同0%~1%未満32・7
同0%未満 25・5

トーハンコンサルティング秋のセミナー

トーハン・コンサルティングは書店店長向けにトーハン書店大学「自店の問題解決セミナー」を9月7日、10月14日、11月11日の3回に分けて開催。また、「接客セミナー」を9月15日に開催する。
「自店の問題解決セミナー」は9月に「販売力強化のための問題点を発見する店舗診断法」、10月「解決策立案」、11月実施後の検証法と問題解決活動の活性化」。全3コース受講者には講師による店舗診断を受けられる特典が付く。
講師はカスタマーズ・アイ代表取締役の池田誠氏。会場はトーハン本社大ホール。時間は3日とも午後1時半から6時半まで。受講料は3コース受講で全国書店共助会加入店3万円、非加入店8万1千円。
一方、「お客様をファンにする接客セミナー」はクレーム対応や接客関係の著書多数があるマネジメントサポート代表取締役古谷治子を講師に9月15日午後1時半から開催。
内容は「クレーム応対の心構えと6大タブー」「怒りを静める魔法の言葉」「ケース別応対」など。受講料は全国書店共助会加入店5千円、非加入店1万3千円。申し込みはいずれもトーハン・コンサルティング教育事業部。電話03―3267―8686番

敬老の日読書のすすめ選定図書/読書推進運動協議会

▽『九十三齢春秋』北林谷栄/岩波書店▽『沖縄上手な旅ごはん』さとなお/文藝春秋▽『百の旅千の旅』五木寛之/小学館▽『老いてほどほど』中村メイコ/家の光協会▽『仏教が好き!』河合隼雄・中沢新一/朝日新聞社▽『昭和史1926―1945』半藤一利/平凡社▽『一葉の恋』田辺聖子/世界文化社▽『65歳からの食卓』NHK出版▽『大久保彦左衛門』津本陽/光文社▽『おばあちゃんの恋文』永島トヨ・森岡道人/主婦と生活社▽『十三の冥府』内田康夫/実業之日本社▽『不死を売る人びと』阪急コミュニケーションズ▽『世界でいちばん大切な思い2』東洋経済新報社▽『博士の愛した数式』小川洋子/新潮社▽『シーボルトの眼』ねじめ正一/集英社▽『底のない袋』青木玉/講談社▽『神も仏もありませぬ』佐野洋子/筑摩書房▽『定年後を極める』日本経済新聞社▽『三浦家のいきいき長生き健康法』三浦敬三他/廣済堂出版▽『映画行脚』池波正太郎他/河出書房新社▽『70歳からのひとり暮らし』遠藤順子/祥伝社▽『死に花』太田蘭三/角川書店▽『智慧の実を食べよう』糸井重里/ぴあ▽「九十一歳の人生論』日野原重明/扶桑社▽図書館に行ってくるよ」近江哲史/日外アソシエーツ▽『元気』五木寛之/幻冬舎

有利子負債2億円圧縮/経常利益1億2千万円に/中央社決算

中央社は8月16日、板橋区の本社で平成15年度定時株主総会を開催。平成15年度営業報告、利益処分案などを承認した。また、経営責任を明確化するため取締役任期を2年から1年に短縮、執行役員制度を導入した。取締役選任では新取締役に大谷敏夫氏を選ぶとともに、総会終了後の取締役会で外山義朗取締役を常務取締役に昇格させた。
中央社の15年度決算は昨年12月1日に子会社、中央ブックセンターと合併したため、株主総会での決算数値は子会社の1年分と中央社の半期分。このため、定時総会終了後のプレス発表では、中央社、子会社をともに1年分とした通算年間損益として説明があった。
これによると、今期の売上高は前年比11・1%増の278億5462万円。雑誌164億2700万円(96・0%)、書籍65億8300万円(99・8%)、その他営業収入が40億円弱。
営業面では「コミックの中央社」「街の本屋さん支援卸」を2枚看板にコミック専門店マーケットへの販売増が125%、セレクトショップへの業態転換支援12店、新取引条件契約締結25店などの成果をあげた。
経費面はトーハンへの雑誌発送業務委託などの効果で前年比90・3%と大幅な削減。この結果、営業利益は前年より1億5千万円多い3億5903万円を計上。計画を1千万円上回った。営業外収益では合併による消費税還付金がプラス要因、書店への報奨金支払いがマイナス要因となったが、経常利益では前年比1億円増の1億2224万円を計上した。
ストック面では財務リストラによって有利子負債を削減、1年間で2億円強の借入金を圧縮した。未処分利益14億円は全額資本の部に繰り入れ自己資本率を14%に高めた。
〔中央社通算年間損益〕
(単位百万円)
売上高27、854
売上原価24、994
売上総利益2、860
販売費・管理費
2、501
営業利益359
営業外収益244
営業外費用480
経常利益122
特別損益1、321
税引前当期利益1、443
法人税及び住民税1
当期純利益1、442
〔取締役管掌〕
(◎昇任、○新任)
代表取締役社長
秋山秀俊
代表取締役専務(社長補佐、営業本部長)
引野喜三
常務取締役(管理・物流・渉外兼総務人事部長兼営業倉庫部長)◎外山義朗
取締役(営業副本部長兼名阪支社長)新谷喜代春
同(営業副本部長兼仕入部長)○大谷敏夫
〔執行役員〕
執行役員(市場開発部長)佐藤誠三
同(販売部長兼特販部長)斎藤進
同(取引部長)矢下晴樹
同(業務部長)小暮豊博

日販書店社員セミナー

日販は9月28日の東京会場を皮切りに全国9会場で「書店社員セミナー」を開催する。今回は「お客様の心をとらえる売場づくりと陳列」をメインテーマに売場担当者が実践ですぐ活用できる内容にした。
講師は日本コンサルタントグループの池田章氏、書店実務家としてリブロ・矢部潤子チーフマーチャンダイザー、平安堂・長崎深志商品企画部長ら。受講料は昼食代込みで日本出版共済会加盟店6千円、未加盟店1万1千円。各会場とも午前10時から午後4時15分まで。申し込みは日販営業担当者または経営相談室まで。開催日程は以下。
9月28日=東京、日販本社、29日=東京、日販本社、10月8日=仙台、日販東北支店、12日=名古屋、日販名古屋支店、19日=岡山、ピュアリティまきび、20日=広島、RCC文化センター、11月4日=大阪、日販大阪支店、9日=福岡、セントラルホテルフクオカ、10日=那覇、那覇セントラルホテル

本屋のうちそと

8月は「平和」と「スポーツ」の季節、オリンピックも始まった。国を意識させられる季節でもある。国民は金メダルを期待し、参加202国のすべての選手が「国を背負って」戦うと言えるだろう。
中国で開かれたアジアカップサッカーでは、国どころか「歴史」まで背負った中国チームサポーターによる日本ブーイングが衝撃をもたらした。それは戦後59年、日中国交回復32年を経て経済・文化・人の交流が安定しているという思い込みの中での衝撃であった。その背景に、学校での歴史教育があげられているが、踏みつけられた人の痛みを、踏みつけた側がとっくに忘れてしまったギャップなのかも知れない。
同じような痛みを持つ韓国とは、2年前の共同開催のワールドカップで、韓国国民の心を動かす出来事があった。決勝トーナメント1回戦でトルコに敗れた日本に、韓国では歓声が上がった。それに対し同じ日の韓国対イタリアの試合で、日本のファンは無心に韓国を応援し勝利を喜び合ったのだ。もし同じポジションに中国がいても、同じことが起っていたに違いない。
若い世代による日中韓新時代が始まっている今、旧世代の「戦争責任」を彼らに背負わせないためにも、相手への思いやりの心が問われている。わが島倉千代子的首相は、まだ癒えない彼らの古傷に塩を塗るように毎年靖国神社へ出かけるが、中国が反応しなくなるのは、日本を見限ったときだろう。
(どんこ水)