全国書店新聞
             

平成26年2月1日号

増税後の消費低迷を懸念/宮城県合同新年会で藤原理事長

平成26年度宮城県書店商業組合・出版・取次・運輸合同新年会が1月8日午後5時から、仙台市のホテルメトロポリタン仙台3階星雲の間で開催、出版・取次運輸38名、書店24名の合計62名が出席した。
始めに司会のトーハン・佐藤和博氏が開会を宣言、続いて宮城組合・藤原直理事長が新年のあいさつ。藤原理事長は経済状況について「デパートなどでは初売りが好調で今年の景気に期待が持てると報道されてはいるが、4月からの消費税増税で消費が低迷するのではないかという不安がある」と指摘。また、今年の干支である午年に起きたこととして、2002年のワールドカップ日韓共同開催、1990年のバブル経済やイラクのクウェート侵攻、1978年の宮城県沖地震を振り返り、「良いことと同じく災厄も起こっている年。人間万事塞翁が馬を肝に銘じ、今年1年を送っていきたい」と述べた。
祝辞を述べたトーハンの金子俊之東部支社長は、年末年始の取引書店の売上状況を報告。特に雑誌の落ち込みがひどいことから、雑誌の見直しを始め、外販プロジェクト、ブックライナー、e―honなどのツールを活用して書店店頭活性化を支援すると説明した。
日販の大久保元博東部支社長は、今年の日販のスローガンの「書店と共に」を目標に、お客様の立場で販売活動を行っていくと述べて乾杯した。
恒例の年男・年女の発表は、ヤマト屋書店仙台八幡店店長の桑田亜希子氏と宮脇書店鹿島台店の照井貴広氏が紹介され壇上であいさつ。引き続き各社・各書店の新年あいさつを名簿順に行った。
中締めでは小関真助副理事長が、今年は笑って商売が出来る「笑売」の年にしたいと話し、一本締めを行って幕を閉じた。
(佐々木栄之広報委員)

軽減税率署名運動に協力を

日書連は、消費税増税の際に出版物への軽減税率適用を求める「50万人署名」運動を展開しています。昨年4月初旬に各書店に直送した署名用紙で、運動へのご協力をお願いします。署名は日書連事務局まで、専用の封筒(切手貼付不要)にてご送付ください。

組合活動の3つの柱を紹介/面屋理事長が新年あいさつ/大阪

大阪出版販売業界新年互礼会が1月9日午後4時から、大阪市北区のホテルグランヴィア大阪で開催され、出版社、取次、書店、協力会社の関係者など111名が出席した。
新年互礼会は大阪府書店商業組合・萩原浩司副理事長の司会で進行。先ず、大阪組合・面屋龍延理事長が「業界の方から、書店組合がどういう活動をしているか解らないというご指摘を受けたので、ここで改めて説明させていただく」と前置きし、組合活動の3つの柱として①業界全体に関わる問題の解決、②調整、③親睦を挙げて、その例として消費税軽減税率問題、再販制度擁護運動等を行っていることを報告。組合活動への理解と協力を求めて新年のあいさつとした。次いで、面屋理事長からの指名でポプラ社・奥村傳社長が祝辞を述べた。
乾杯の発声では、大阪屋・中田知己常務が、年末年始の売上状況について対前年比98・3%だったと報告、業界が苦境から完全には脱出できていない旨の話があった。
しばらく歓談の後、出席者の中からくじ引きでリレー形式の祝辞が述べられた。中締めでは、創元社・矢部敬一社長が、「消費税軽減税率問題、電子書籍問題等の業界の諸問題を消化しながら増売に取り組んで行きたい。増売については、書店組合が中心になって取り組んでいる『BOOKEXPO』『本の帯創作コンクール』は良い活動だ。何事も積み重ね、継続が大事。一層の発展を期待する」とあいさつした。

問題解決へ一心同体で前進/舩坂理事長が決意示す/東京組合新年会

東京都書店商業組合は1月15日、東京・文京区の東京ドームホテルで新年懇親会を開催し、出版社、取次、組合員ら総勢250名が出席。舩坂良雄理事長は年頭あいさつで、書店再生や消費税軽減税率の署名運動など諸施策を説明し、「問題山積だが、皆様のご協力をいただき一心同体で前進していきたい」と話した。
新年懇親会は越石武史実行委員の司会で進行し、本間守世実行委員長が開会の辞。年頭あいさつを行った舩坂理事長は、日書連が昨年取り組んだ諸施策を説明し、書店再生の実用書増売企画について「出版社12社の協力を得て第2回『食と健康』のセット販売を実施し、書店の皆様に大変好評をいただいた。『食と健康』のテーマを継続するとともに、今後は出版社単独でもテーマを考え、増売を進めたい。これ以上の書店減少を食い止め、利益が出る構造を作らなければいけない。また、書店は今以上にお客様に合った店作りを行わなければならない。書店店頭からベストセラーを生み出すことを期待する」と述べた。
4月からの消費税引上げについては、出版物に軽減税率適用を求める署名運動への協力に感謝を述べるとともに、昨年6月に公明党、11月に各政党の国会議員15名に請願を行ったことを報告し、署名と請願活動を今年も継続すると説明。さらに東京組合の活動について、「日書連とともにあらゆる提案、読書推進、販売増進策を考えていく」と今後の方針を述べた。
また舩坂理事長は、電子書籍を巡る問題として、『脳を創る読書』(酒井邦嘉著・実業之日本社)を紹介し、「紙の本を読み、紙の辞書を引くことは脳の活性化に繋がる。子どもに紙の本を読むことの大切さを話し、その上で機械の便利さや、機械との使い分けを教えていただきたい」と訴えた。最後に「問題山積ではあるが、皆様のご協力をいただき、今年は三位一体ではなく一心同体で前進してまいりたい」と結んだ。
来賓の日本雑誌協会・石﨑孟理事長(マガジンハウス)は、「4月からの消費税増税は我々にとって死活問題。出版文化を守るために、出版物の軽減税率適用を業界一丸となってやっていきたい。雑誌協会では、出版各社が4月12日に一斉に『おもしろ増刊』を発売するという企画を立案した。税率アップに負けない取り組みにご支持を」とあいさつ。続いてトーハンの正能康成専務が「日本の景気は持ち直してきているが出版業界は景気回復には至っていない状況だ。舩坂理事長がおっしゃる通り、一心同体で我々もやっていかなければいけない」と述べて乾杯の音頭を取った。
歓談の後、最後に小泉忠男副理事長が閉会の辞を述べて正副理事長が登壇。出席者全員で三本締めを行って終了した。

文化普及に軽減税率必須/SJフェスは原点回帰へ/愛知組合賀詞交歓会

愛知県書店商業組合は1月14日、名古屋市千種区のルブラ王山で、平成26年新春賀詞交歓会を開催。組合員、出版社、取次など総勢97名が出席した。
冒頭のあいさつで、佐藤光弘理事長は「今年は、他業界の大企業では100%近く景気が良くなると予想している。一方、書店業界では8割が悪くなるとの予想もある。年末年始も売り上げは伸びず、4月から消費税が上がるなど大変厳しい状況のなかではあるが、前向きに建設的な話ができる年にしたい」と述べた。サン・ジョルディフェスティバルについては「第30回目となる今年は、会場をオアシス21からテレビ塔下に変え、4月20日の1日のみ開催とする。一度原点に戻って『本と花を贈り合う』ことにチャレンジしよう」と協力を呼びかけた。消費税率引き上げの際の出版物への軽減税率の導入については、「本は文化。諸外国では軽減税率を導入している。文化普及を促進するなら軽減税率を導入するべき。日書連の運動として議員へのアプローチを続ける」と決意を語った。
乾杯のあいさつでは、トーハン執行役員の石川二三久名古屋支社長が年末年始の売上げ状況を説明し、「出版業界にとって輝かしい1年に」と述べた。
宴席では、恒例の景品の抽選会が行われ大盛況となった。小学館PS東日本営業部の今野拓也中部エリアマネージャーがあいさつし、一本締めで閉会した。
(太田武志広報委員)

軽減税率へ業界一丸で/消費税増税のショック緩和を/京都組合新年互礼会

京都府書店商業組合は1月8日、京都市中京区の京都ホテルオークラで平成26年京都出版業界新年互礼会を開催した。この会は日本書籍出版協会京都支部、京都出版取次京栄会、京都組合が共催で毎年行っているもの。今年は書店、取次、業界団体関係者など総勢165名が出席した。
中村晃造理事長はあいさつで消費税問題に言及。「消費税率引き上げの際、出版物に軽減税率を適用するよう、出版業界をあげて議員に請願を行っているが、実現のためには乗り越えるべき課題が多く存在する。適用対象をすべての出版物にするのか。対象商品の線引きをするならば、明確で統一された基準が必要となる。また、軽減税率が適用されると伝票内に複数税率が混在することになり、作業が煩雑になる上、システム構築も必要となる。限られた時間に様々な課題を克服しなければならない。右肩下がりの出版業界が受ける消費税増税によるショックを緩和するため、業界全体が一丸となって活動していく必要がある」と協力を呼びかけた。
書協京都支部の杉田啓三支部長(ミネルヴァ書房)は「4月からの消費税増税、ネット書店の拡大、電子書籍の普及など、出版業界には逆風となる様々な問題が山積している。解決に妙案はなく、地道に読者を開拓する方策を考えるしかない。1年と言わず100年の計を立て、読者を取り戻す意気込みで、本の大切さを伝える努力をしたい」とあいさつし、乾杯した。
中締めでトーハンの小川慎二郎執行役員近畿支社長は「関西はBOOKEXPO、OsakaBookOneProject、京都本大賞などが実施されるなど、熱心な地区。このチャレンジ精神を全国に広げていただきたい」と述べ、三本締めで閉会した。(澤田直哉広報委員)

春の書店くじ実施要領

▽実施期間平成26年4月20日(日)より30日(水)まで。書籍・雑誌500円以上購入の読者に「書店くじ」を進呈
▽発行枚数300万枚。書店には1束(500枚)3571円(税別)で頒布
▽申込方法と申込期限注文ハガキに必要事項を記入し、束単位で所属都道府県組合宛に申し込む。締切は2月20日(厳守)
▽配布と請求方法くじは取引取次経由で4月18日前後までに配布。代金は取引取次より請求。
▽当せん発表5月23日。日書連ホームページ並びに書店店頭掲示ポスターで発表
▽賞品総額4290万円
当せん確率は9・7本に1本
特等賞=図書カード5万円30本
1等賞=同1万円600本
2等賞=図書カード
又は図書購入時充当1千円900本
3等賞=同5百円9000本
4等賞=図書購入時に充当百円30万本
▽賞品引換え特等賞は当せん券を読者より直接日書連に送付。1、2、3、4等賞は取扱書店で立替え。図書カード不扱い店または品切れの場合は、お買い上げ品代に充当
▽引換え期間読者は5月23日より6月30日(消印有効)まで。書店で立替えたくじは7月31日までに「引換当せん券・清算用紙(発表ポスターと同送)」と一緒に日書連事務局に送付
▽無料配布店頭活性化活動の一環として組合加盟店全店に無料の「書店くじセット」(くじ50枚、ポスター1枚)1組を直送
▽PR活動「春の書店くじ」宣伝用ポスター。全国書店新聞に実施要綱を掲載。日書連ホームページで宣伝

増売と読書推進、大きな柱に/日書連で積極的に提言/神奈川組合新年懇親会

神奈川県書店商業組合は1月17日、横浜市中区・中華街の華正楼で新年懇親会を開き、書店、出版社、取次など91名が出席した。
冒頭、あいさつした筒井正博理事長は「4月に消費税率が引き上げられたあとの消費の落ち込みを心配している。業界を盛り上げなければならない。増売に全力で取り組み、増売の環境を作るための読書推進の施策を進めることを今年の大きな柱とする」として、①「ファミリー読書の日」を県や教育委員会と一緒に推進する②若い人たちが取り組んでいる「神奈川本大賞」を応援する③神奈川新聞社と協力して取り組んでいる「大好きな本絵画コンテスト」、夏休みの神奈川県推薦図書を増売につなげる――などの方針を説明した。また、「中小書店の心の拠り所である日書連を良くするため、日書連と協力しながら、きちんと物を言っていく組合でありたい」と強調した。
来賓の神奈川県中小企業団体中央会の稲野達也調査役は「消費税率引き上げの影響は深刻に受け止めねばならない。出版物に軽減税率を導入することは、本や雑誌にアクセスしやすい環境を作り、国民の知る権利を保障する。文化と民主主義の根幹に関わる重要な問題」と指摘した。栗田出版販売の鈴木て津雄営業第二部部長の発声で乾杯した。

「行動プラス実行の年に」/福岡新年の会で長谷川理事長

平成26年福岡県出版業界の「新年の会」が1月8日、福岡市博多区のホテルオークラ福岡で開かれ、96名が出席した。
NHK出版福岡事務所の秋葉担当部長は、福岡にゆかりの深い「軍師官兵衛」に触れ、「関連出版物の多さから推測しても地元への経済効果が期待できる。特に後半から主人公が九州入りすることで、より一層の期待感が持てる。出版業界も頑張っていこう」と力強く祝辞を述べた。
書店を代表してあいさつした福岡県書店商業組合の長谷川澄男理事長は、組合活動とともに新しい催しにも積極的に参加し、多様な文化事業と接触を図っていると報告。「今年は行動プラス実行の年にしよう」と呼びかけた。
取次を代表して日販九州支店の越智支店長が、年末年始の売行き動向を報告。「全国的に厳しい数字だった」と述べた。
乾杯のあと、抽選会を行い、出席者の中から年男・年女4名に記念品が贈呈された。新たな1年の始動にふさわしい楽しい宴となり、祝い目出度・博多手一本で締め宴を閉じた。
(西村勝広報委員)

児童書など447冊県内福祉施設に寄贈/埼玉組合

埼玉県書店商業組合は12月11日、川嶋孝文理事長、山口洋事務局長が埼玉県福祉部こども安全課を訪問。山崎達也課長、庄司正樹主幹、元吉拓也主任に平成25年度寄贈本について趣旨説明を行い、児童書や辞典など447冊の本を寄贈した。本は県内福祉施設に贈られる。
山崎課長は「長年にわたり毎年多くの本を寄贈していただき、県内福祉施設も大変感謝している。施設の子供たちにとって本は何よりの贈り物。毎年楽しみにしている」とお礼の言葉を述べ、「子供たちには活字を通しての教育が必要」と強調した。また、庄司主幹は「各施設では、本の寄贈で蔵書も充実し、大変喜んでいる」と施設の状況を説明し、「クリスマスに合わせ、よいプレゼント」と話した。
寄贈本は、こども安全課より、県内の児童養護施設、母子生活施設などに配本され、毎年各施設ならびに子供たちから心温まる礼状が数多く届いている。
(山口洋事務局長)

総合読書率1ポイント増加/家の光協会・全国農村読書調査

家の光協会は昨年7月に実施した第68回「全国農村読書調査」の結果をまとめた報告書『2013農村と読書』を発表した。これによると総合読書率は59%で、前年の58%から1ポイント増加した。雑誌読書率は1ポイント減少し49%になり、3年連続で過去最低を更新した。書籍読書率は2ポイント減少して30%になった。
〔雑誌読書率は過去最低更新/書籍読書率、若年層ほど高く〕
■総合読書率
総合読書率(月刊誌、週刊誌、書籍のいずれかを読んでいる割合)は59%で、前年比1ポイント増加したものの、調査開始以降初めて60%を下回った前年に続き60%に届かなかった。
性別では男性が前年比変わらずの55%に対して、女性は同3ポイント増の63%となり、26年連続で女性の総合読書率が男性を上回った。
年齢別では40代が最も高く70%。以下、10代・50代が64%、20代が60%、30代が56%、70代が53%、60代が最も低く52%だった。
職業別では学生が最も高く69%。以下、自営業が66%となり、前年同様、無職が最も低く52%だった。
■雑誌読書率
雑誌読書率(月刊誌か週刊誌を読んでいる割合)は同1ポイント減の49%だった。
性別では男性が前年比変わらずの46%に対して、女性は同1ポイント減の52%。男女ともほとんど変動はなく、総合読書率と同じく女性の雑誌読書率が男性を26年連続で上回った。
年齢別では50代が最も高く57%。以下、40代が55%、20代が50%、70代が47%、60代が46%、10代・30代が最も低く42%だった。
職業別では自営業が最も高く56%。以下、農業が53%、給料生活が50%の順。
■月刊誌の読書状況
月刊誌読書率は前年比3ポイント増の38%だった。
性別では男性が同5ポイント増の34%に対して、女性は同1ポイント増の42%と、女性が男性を8ポイント上回った。
年齢別では40代が最も高く45%。以下、50代が44%、10代が39%、20代が38%、30代・70代が36%。60代が最も低く32%だった。
職業別では学生が43%と最も高く、以下、農業が42%の順で、主婦・無職が31%と最も低かった。
毎月読む人の割合は15%。毎月ではないがときどき読む人は23%だった。
同じ月刊誌を毎号読んでいる定期読書率は同1ポイント減の14%だった。
■週刊誌の読書状況
週刊誌読書率は前年比2ポイント減の30%だった。
性別では男性が同7ポイント減の29%だったのに対して女性は同1ポイント増の30%。
年齢別では50代が33%と最も高く、以下、20代・40代が32%の順となり、最も低い10代は15%だった。
職業別では自営業が42%と最も高く、最も低い学生は23%だった。
毎週読む人の割合は5%。毎週ではないがときどき読む人の割合は24%だった。
同じ週刊誌を毎号読んでいる定期読書率は前年と変わらずの5%だった。
■書籍の読書状況
書籍読書率(この半年間で書籍を読んだ人の割合)は30%で、前年比2ポイント減少した。
性別では男性が30%(同1ポイント増)だったのに対して女性も30%(同4ポイント減)と、男女同率だった。
年齢別では10代が52%と最も高く、一方、70代が22%、60代が21%と落ち込んでいる。
職業別では学生が断然高く57%。以下、給料生活が33%、自営業が32%。
過去1ヵ月の平均読書冊数は、前年より0・3冊減って0・9冊だった。男性は1・1冊、女性は0・8冊。冊数は「0冊」が22%、「1~4冊」が圧倒的に高く54%、「5~9冊」が7%、「10~14冊」が8%、「15冊以上」が3%。書籍を読んだ人に限定した読書冊数は前年より0・8冊減って4・3冊だった。
■雑誌・書籍の入手法
月刊誌の購入先または借覧先と入手法は、1位書店55%、2位スーパー・コンビニ32%、3位JA(農協)16%、4位予約購読13%。週刊誌は1位スーパー・コンビニ49%、2位書店39%、3位美容院・食堂・病院34%。書籍は1位が書店83%で他を圧倒している。前年比でも5ポイント増と盛り返した。以下、2位スーパー・コンビニと図書館・公民館21%、4位インターネット15%。
■1ヵ月当たりの本代
本を読まない人も含めた本への月額支出金額構成をみると、最も高いのは「買わなかった」55%で、前年比2ポイント増加した。支出金額別では500円未満が3%、500円以上3000円未満が28%、3000円以上が6%。本を買う人の平均支出額は前年より143円減の1968円。
■1日平均の読書時間
1日平均の本(月刊誌、週刊誌、書籍)の読書時間は、読まない人も含めた全員の平均は14分で前年比2分減。本を読んだ人の1日平均読書時間は前年より9分短くなり32分だった。
新聞の平均閲読時間は同3分減の20分、テレビの平均視聴時間は同4分減の147分、ラジオの平均聴取時間は同8分増の51分。インターネットは35%が利用していると回答し、平均利用時間は同5分増の23分だった。
電子書籍、電子雑誌の読書率は15%。読んでいない人の読書意向は10%で、58%が読んでみたいと思わないと回答した。

消費税署名1万2千名超える/「帯コン」茨木、堺でも/大阪組合

大阪府書店商業組合(面屋龍延理事長)は12月2日、大阪市北区の大阪組合会議室で定例理事会を開催した。各委員会からの報告事項は以下の通り。
〔消費税問題委員会〕
日書連で消費税問題担当副会長を務める面屋理事長は11月20日、自民党の左藤章衆議院議員(大阪1区)を衆議院第二議員会館に訪ね、消費税率引き上げに際し出版物に軽減税率を適用するよう求める請願書を手渡した。大阪組合の署名数は12月19日現在、1万2000名を超えた。
〔読書推進委員会〕
「本の帯創作コンクール」(帯コン)の表彰式が11月16日、大阪市中央区のエルおおさかで開催された。また、「帯コン」茨木市版の作品展示会が11月29日~1月13日に阪急茨木市駅2階ロサヴィア内3カ所、堺市版の作品展示会が12月17日~18日に堺市役所本館エントランスホールで開催された。
〔図書館委員会〕
11月22日午後2時、大阪市内の学校図書館へ納入している書店と理事18名が集まり意見交換を行った。同日午後4時、大阪府内公共図書館問題の実態と対策について議論した。
〔出版販売倫理委員会〕
環境問題協議会制作の「万引き防止啓蒙カレンダー」400枚と大阪府警、損保協会制作の「26年度防犯しおり」13万2000枚を組合員に配布する。
〔事業・増売委員会〕
西和工業、環境ライフの2社がLED照明の説明で来局した。両社は組合会議室でモデル照明を行っているので見学してほしいとの要請があった。
(金田喜徳郎事務局長)

生活実用書/注目的新刊

飽食が当たり前になり、四六時中食べ物が提供される時代になって久しいが、時には食本来の素朴で慎ましやかな味覚を取り戻すのも、本物のグルメの道かもしれない。
青江覚峰著『料理僧が教えるほとけごはん』(中公新書ラクレ483840円)は副題が食べる「法話」十二ヵ月。寺を継ぐのを嫌ってアメリカに行き、経営学を学んでMBAを取得。しかし9・11を目の当たりにして生きづらさを感じ、日本に戻って仏教を学んだという異色の僧が向き合う、食の実践である。
一~三月は氷解の章。精進出汁、3種人参の炊き合わせに始まって、二月は大豆の甘辛煮。鰹節や昆布の出汁でなく、大豆から出汁を取る。三月は菜の花の昆布〆め。これが「菜」。月ごとにもてなしの「饗」、「甘」と続く。
二月の饗応は乾物づくし。地味と思われがちだが、お客の心と体を温めてくれる。もてなしは自分の欲を満たすためでなく、相手に本当に喜んでもらうものでなくてはいけないのである。二月の甘いものはわらび餅。蕨の若芽の毒をぬくように、外部の毒性には敏感なのに、人間は体内の毒には無頓着になりがちである。体内の毒とは怒りや憎しみ。それは、今、心から毒が出始めていると、認識することが知恵を身につける第一歩であると語る。
一年のすべての料理にレシピとイラストがついている。
町田宗鳳著『人の運は「少食」にあり』(講談社+α新書186―4C876円)も14歳で出家し、20年間、寺で修行の後、ハーバード大学、ペンシルバニア大学で学んだ比較宗教学者が語る食の慎みである。
少食開運には①腹七分②一汁一菜③食べる量の一定④時間を決める⑤酒、肉をひかえめに⑥青菜はいくらでも良い⑦非常時の大食は可⑧食欲がない時は無理して食べない⑨残すのはもったいないと思って食べない。食べないことが徳をなす。さらに、食は天から与えられたものと心得、むやみに食い散らかしてはいけない、など12項目がある。
指導者でありながらつい食べ過ぎたり、飲み過ぎたりしてしまうと著者は言う。そんな時は翌日食事を抜いたり、運動をすれば構わないのだとつけ加える。飽食に流されない、知恵が詰まっている。
(遊友出版斎藤一郎)

心にのこるこどもの本新学期・夏休みセール

日本児童図書出版協会加盟社がお薦めする、売行き良好書221点260冊を、4つのセットに分けてご用意しました。送本条件は、前回に引き続き7ヵ月長期となっております。お店の児童書コーナーにぜひご活用ください。
【絵本セット】
▽やじるし▽みどりのカーテンをつくろう(あかね書房)▽おにいちゃんといもうと▽てん(あすなろ書房)▽世界がわかるちずのえほん改訂版▽くうこうのいちにち(学研マーケティング)▽おほしさま▽ちいさなちいさなおかしのまち▽富士山にのぼる▽かぶと3兄弟五十郎・六十郎・七十郎の巻▽3びきこりすのおたんじょうびケーキ▽おトイレさん▽おべんとうさんいただきます▽キャベツがたべたいのです(教育画劇)▽にんぎょひめ▽ギリギリかめん(金の星社)▽しにがみちゃんの ほねほねじま うたうたのたび▽ぴーかーぶー!(くもん出版)▽ほいくえんのいちにち▽ようちえんのいちにち▽カブクワれっしゃ(佼成出版社)▽ハイジ▽でんせつのいきものをさがせ!▽えんそくおにぎり(講談社)▽ぱんつくったよ。(国土社)▽バスがくるまで(小峰書店)▽マングローブの木(さ・え・ら書房)▽おじいさんとヤマガラ▽WASIMO(小学館)▽あめふりうさぎ▽スミス先生と海のぼうけん(新日本出版社)▽なりたいものだらけ▽きょうりゅうのたまごにいちゃん▽どうしたのブタくん(鈴木出版)▽ウリオ▽なんでやねん(世界文化社)▽ちいさなともだち▽赤い実かがやく(そうえん社)▽きょうはみんなでクマがりだ▽ニモのビッグレース(大日本絵画)▽おばけのチョウちゃん▽ぴっちゃんぽっちゃん(大日本図書)▽おなかいっぱい、しあわせいっぱい▽フウちゃんクウちゃんロウちゃんのふくろうがっこう―さかなをとろうのまき―▽おばあちゃんのひみつのあくしゅ▽うみべのいえの犬 ホーマー▽もう、おおきいからなかないよ(徳間書店)▽すいかくんがね‥▽おしいれのぼうけん▽ようちえんいやや▽ばななせんせい(童心社)▽なつやさいのなつやすみ▽イルカようちえん▽くすのきだんちのなつやすみ(ひかりのくに)▽おとなりはそら(ひさかたチャイルド)▽デイビッドがっこうへいく(評論社)▽ポットさんのぼうし▽さかさまになっちゃうの(BL出版)▽かぶとむしランドセル▽ぼくのトイレ▽10ぴきのかえるのたなばたまつり(PHP研究所)▽おやおや、おやさい▽おばけかぞくのいちにち▽ぐりとぐら(福音館書店)▽かいじゅうたちのいるところ(冨山房)▽カエルのおでかけ▽はだかのサイ(フレーベル館)▽いかすぜ!ブブヒコ(文溪堂)▽おれはワニだぜ(文研出版)▽みんなであそぼ(平凡社)▽ぼくの手わたしの手▽たべものたべたら(保育社)▽アブナイかえりみち(ほるぷ出版)▽いのちの木▽あいすることあいされること▽わたしのいちばんあのこの1ばん(ポプラ社)▽ミアはおおきなものがすき!▽みて、ほんだよ!(光村教育図書)
【読物セット】
▽妖怪道中膝栗毛④船で空飛ぶ妖怪クルーズ(あかね書房)▽スチュアートの大ぼうけん(あすなろ書房)▽声が聞こえたで始まる七つのミステリー(アリス館)▽10分で読める友だちのお話▽サッカー少女サミー①魔法のシューズでキックオフ!(学研マーケティング)▽ともだちはなきむしなこいぬ▽空とぶペンギン▽キャベたまたんていほねほねきょうりゅうのなぞ▽さくら(金の星社)▽ぼくは、いつでもぼくだった。(くもん出版)▽八月の髪かざり▽ぼっちたちの夏(佼成出版社)▽かさねちゃんにきいてみな▽おはなし12ヶ月ドキドキ新学期▽おはなし12ヶ月ミラクルうまいさんと夏(講談社)▽怪談図書館ガイドブック①はじめてのたんけん(国土社)▽オガサワラオオコウモリ森をつくる(小峰書店)▽伝記シリーズ愛をつたえる人ナイチンゲール/ヘレン・ケラー/マザー・テレサ▽新訳オズの魔法使い(集英社)▽いじめ―明日へのキズナ―▽田んぼの一年(小学館)▽500円玉の旅▽はじめましてモグラくん(少年写真新聞社)▽もえろっ!卓球部(新日本出版社)▽がんばれゆうくん一年生▽クレイジー・サマー(鈴木出版)▽母ちゃんのもと▽ジャンピンライブ!!!(そうえん社)▽トミーは大いそぎ(大日本図書)▽あしたは晴れた空の下でぼくたちのチェルノブイリ(汐文社)▽ふしぎな声のする町でものだま探偵団▽やさしい大おとこ(徳間書店)▽雨ふる本屋▽かあちゃん取扱説明書(童心社)▽斉藤洋の日本むかし話ふしぎな生きものの巻(ひさかたチャイルド)▽にじ・じいさん(BL出版)▽ぜんぶ夏のこと▽願いがかなうふしぎな日記(PHP研究所)▽いやいやえん▽おおきなおおきなおいも(福音館書店)▽かぜのふえ▽クシャラひめ(フレーベル館)▽ワンダ*ラ①地下シェルターからの脱出▽ドキドキッズ小学校1時間目トキメキの予感(文溪堂)▽夏っ飛び!▽べんり屋、寺岡の夏。(文研出版)▽ボリガペッパとゼラ(平凡社)▽ガウディの青い海(星の環会)▽子ヒツジかんさつノート(ほるぷ出版)▽恋する和パティシエール③キラリ!海のゼリーパフェ大作戦▽おつかいまなんかじゃありません▽ぼくらの七日間戦争(ポプラ社)
【あそびと学習セット】
▽トリックアートたからさがし▽世界の国旗・クイズ図鑑(あかね書房)▽野の花えほん春と夏の花(あすなろ書房)▽ずら~りイモムシならべてみると…(アリス館)▽実験おもしろ大百科▽なぜ?どうして?生き物NEWぎもんランキング▽どこにでももっていこう!スーパーおでかけ図鑑(学研マーケティング)▽あさがお▽ABCのえほん(金の星社)▽すごいぞ!「しんかい6500」▽元気な脳が君たちの未来をひらく(くもん出版)▽しらべ図鑑マナペディア世界の国旗▽都会のトム&ソーヤゲーム・ブック修学旅行においで▽おしごと制服図鑑(講談社)▽武装恐竜トリケラトプス(国土社)▽恐竜トリケラトプスの大ぼうけんめいろ(小峰書店)▽チャレンジミッケ!⑨タイムトラベル▽おしりをしりたい(小学館)▽メダカ▽ザリガニ(少年写真新聞社)▽NHKスペシャル深海の超巨大イカ(新日本出版社)▽ねんドル岡田ひとみのはじめてのねんど(鈴木出版)▽昆虫びっくり観察術①顔からみえる虫の生き方▽昆虫びっくり観察術②体からみえる虫の能力(誠文堂新光社)▽最新版こども科学わくわく新聞(世界文化社)▽はばたけ!ツバメ(そうえん社)▽氷河時代(大日本絵画)▽NHKすイエんサー(汐文社)▽舟をつくる(徳間書店)▽切り紙12か月▽今森光彦の昆虫教室とりかた・みつけかた(童心社)▽イネとともに▽肥料と土つくりの絵本①身近な有機物を生かそう(農山漁村文化協会)▽かがくのふしぎひゃっか(ひかりのくに)▽おこめができた!(ひさかたチャイルド)▽地球のてっぺんに立つ!エベレスト(評論社)▽ひとりひとりのやさしさ(BL出版)▽ぼうけん図鑑▽富士山の大図鑑▽にほんいっしゅうちずのえほん(PHP研究所)▽どうぶつえんガイド▽もりのえほん(福音館書店)▽約束しよう、キリンのリンリン▽しょくぶつのさいばい(フレーベル館)▽木のなまえノート(文化出版局)▽探し絵ツアー世界地図(文溪堂)▽アリの目日記▽食べもの日本地図鑑(平凡社)▽いしのはなし(ほるぷ出版)▽バンジのにゃむにゃむ日記いちごのまき▽ウォルト・ディズニー(ポプラ社)▽雲をみようよ(光村教育図書)
【読み聞かせにふさわしい絵本セット】
▽しんかんくんでんしゃのたび(あかね書房)▽アナベルとふしぎなけいと(あすなろ書房)▽ほっぺおばけ(アリス館)▽ふたつの勇気たくさんの命を救ったお医者さんの話(学研マーケティング)▽おひさまとかくれんぼ(教育画劇)▽へんしんオバケ▽スーフと白い馬(金の星社)▽おひさん(くもん出版)▽ふりかけの神さま(佼成出版社)▽おばけサーカス(講談社)▽おばけやしきなんてこわくない(国土社)▽ちーちゃいチーチャ(小峰書店)▽松の子ピノ~音になった命~(小学館)▽あいうえおばけ(少年写真新聞社)▽ぱんだぱんだ(新日本出版社)▽かぶとん▽たなばたバス(鈴木出版)▽たなばたセブン(世界文化社)▽ぶたラッパ(そうえん社)▽愛蔵版どうぶつえんのおじさんへ(大日本絵画)▽マギマギのともだち(大日本図書)▽モリス・レスモアとふしぎな空とぶ本(徳間書店)▽うまれてきてくれてありがとう▽ももんちゃんぎゅっ!(童心社)▽まほうのでんしレンジ(ひかりのくに)▽どうぞのいす(ひさかたチャイルド)▽りんごちゃん(BL出版)▽もっと!考える力を育てるお話366▽ポポくんのかきごおり(PHP研究所)▽ピリカ、おかあさんへの旅(福音館書店)▽おにいちゃんになるひ(フレーベル館)▽とうさんおはなしして(文化出版局)▽すなばのスナドン(文溪堂)▽あかいセミ(文研出版)▽世界一ばかなわたしのネコ(平凡社)▽おひさまみたいに(ほるぷ出版)▽のせてのせて100かいだてのバス▽おふろにいれて(ポプラ社)▽にぎやかなほん!(光村教育図書)

変化に対応し反転攻勢へ/トーハン

2014年トーハン新春の会は1月7日に東京・文京区の椿山荘で開かれ、書店、出版社など総勢2499名が出席した。
開会に先立ち、社員による「よさこいソーラン」ライブパフォーマンスが披露された。あいさつで藤井武彦社長は、年末年始の店頭売行き動向について、文芸書、文庫が好調だった一方、雑誌が低迷したと報告し、「今一度業界全体で雑誌対策に取り組む必要がある」と指摘。4月の消費税率引き上げについて、「個人消費の冷え込みに備えた対策が求められる。軽減税率実現へアピールを強めていくと同時に、複数税率への対応で予測される問題点を洗い出し、研究を進める必要がある」と述べた。
トーハンの施策について藤井社長は、「現在を大きな変換点としてとらえ、変化対応を強く意識した取り組みを展開していく。TONETSネットワークの進化、アライアンス契約、外商支援活動の展開、複合提案の進展など、各施策がそれぞれ力を発揮しており、今年はこれらの施策をさらに強力に推進し、マーケットの縮小に歯止めをかけ、業界全体の反転攻勢を成し遂げたい」と述べ、施策の柱として①書籍・雑誌を中心とした既存マーケット対策②デジタル事業③複合化推進――の3つに取り組むと説明した。
来賓あいさつで三省堂書店・亀井忠雄社長は「リアル書店の店舗空間をどのように活用していくかが非常に重要だ。今年はゼロから書店業を見つめ直してみたい。日本の識字率の高さは国の重要な富であり、もっと大事に考える必要があるのではないか」と述べ、地元市民の活動に応えて出店した北海道留萌市の例を紹介。「本屋の一つの生き方を知ることができ、励みになっている」と語った。
特別ゲストの作家・百田尚樹氏のあいさつに続き、KADOKAWA・角川歴彦会長の発声で乾杯した。

物流改善など3施策掲げる/栗田

「2014年栗田新春あいさつの会」は1月9日に東京・千代田区のアルカディア市ヶ谷で開かれ、書店、出版社など732名が出席した。
冒頭で、昨年10月に就任した山本高秀社長があいさつ。「昨年を振り返ると、アベノミクス効果による景気回復は一部業種にとどまり、出版業界では書籍でベストセラーが多く出た年ではあったが、前年対比マイナスという形で終わりそうだ。雑誌はダウントレンドが継続し、なかなか改善できない。栗田は『書店とともに読者のために』のスローガンのもと第3期中期経営計画を策定、2年目が昨年スタートしている」と前置きし、栗田が今年進める3つの重点施策を説明。
「1つ目は、物流改善による品質向上とスピードアップだ。販売会社の永遠のテーマだが、皆様の満足できるレベルまで達していないと考えている。物流を担当するOKCとともにまだやるべきことがあるので、しっかりやっていきたい。
2番目は、昨年発足した児童書プロジェクトチームのさらなる進化だ。絵本ガールズの愛称で、おはなし会や店頭活性化フェアの展開、おすすめ絵本リストの作成などに1年間取り組んだ。こうした下地を作りつつ、今年は売場の提案をしていきたい。
3番目は、生き残りをかけて同業・他業種とコラボレーション、アライアンスを模索していく。あらゆる可能性を追求し、将来の栗田の方向性を決めたいと考えている」と述べた。
書店を代表して南天堂書房・奥村弘志社長は「山本社長は一見優しそうだが、前社長の郷田さんと同じように芯が強い方で、なかなか頑固おやじだ。書店大商談会は、版元に応援していただいて4回無事に終わった。何らかの形で出版業界を元気づけないと、生き残りができなくなってしまう。今年もよろしくお願いする」と述べて乾杯した。

事業再生5ヵ年計画を発表/大阪屋

大阪屋の「新春おでんの会」は1月10日に東大阪の関西ブックシティで行われ、書店、出版社など総勢1332名が出席した。
あいさつした南雲隆男社長は、年末年始の売上状況について前年比1・7%減、分野別では雑誌3・2%減、書籍0・8%減と報告。「雑誌は週刊誌・一般誌が発売日の関係でマイナス、コミックが年始に大きく伸び、書籍は文庫が全体の売上げに寄与した」と述べた。
昨年実施した施策については、丸の内で本と雑貨、カフェの複合形態として開店した「マルノウチリーディングスタイル」が売上面・収益面ともに順調に推移したと述べ、今年1月27日に2号店を大阪阿倍野に出店し、ノウハウを取引書店に還元していくと説明。流通面では、KBCにコミック追送用の在庫を整備し、タイムリーに商品を送る取り組みについて、対応書店やジャンルを拡大して返品削減と実売の向上を図っていくと語った。
また南雲社長は、資本・業務提携問題について、出資団と連携のもと、5年間の「事業再生計画」策定を進めていると発表。1年目は財務・収益構造改革、2年目は需要創出・書店継続支援強化、3年目以降はネットと連携した新サービスの創造に取り組むとして、1年目となる今年は、本社売却や大規模な希望退職を実施すると述べた。また、出資団出版社から取締役招聘を準備しており、早期に臨時株主総会を開催して新経営体制を実現したいとして、「そこまでが私の最後の仕事と考えている」と退任の意向を明らかにした。
このあと、講談社・森武文専務、小学館・山岸博常務、日書連・面屋龍延副会長、栗田出版販売・山本高秀社長、大阪屋友の会連合会・田村定良会長、ジュンク堂・工藤恭孝社長、大阪屋・南雲社長の7名で鏡開きを行い、田村会長の発声で乾杯した。

教育改革と書店をつなげる/日教販

第63回日教販春季展示大市会は、1月7日に東京・新宿区のホテルグランドヒル市ヶ谷で開催された。
展示場では学習参考書・辞典約4千点を陳列したほか、情報コーナーでは、売れ筋商品リスト「MOST」を使用した欠本ゼロの品揃えの活用例や、書店向け情報のダウンロードコーナー、書籍に無料アプリを付けたハイブリッドブックコーナーなどを展示。「平成27年度以降の大学入試の変更点と店頭展開について」をテーマに書店研修会が行われた。
午後0時45分からのセレモニーでは、日教販・河野隆史社長が年頭あいさつ。「ゆとり教育からの脱却により、学習内容の充実、授業時間数の増加が引き続き行われており、業界にとって売上増のチャンスは継続している。教育改革や学習環境の変化と書店の売場をつなげ、書店の地域性や店頭規模に合わせた提案をしていきたい」と学参商戦への意気込みを語った。
日教販の経営課題については、教育分野や経営資源の集中の観点から、家電量販店との取引から撤退すると説明。日販との業務提携では、これまで協業による合理化施策等で成果を上げており、今後は学参ノウハウを活かした営業施策拡大などの増強推進を図っていくと述べた。
続いて来賓を代表し日書連の舩坂良雄会長があいさつ。電子辞書等の普及について、子どもが紙の本を読み、調べることの大切さを訴え、「本の良さ、機械の良さを分かった上でご指導いただければと思う。日書連は児童書による読書推進に力を入れており、皆さんと一緒になって子どもを育てていきたい」と話した。
この後、学習参考書協会・北口克彦理事長の発声で乾杯。福島日教販会の西猛会長(福島県書店商業組合理事長)から河野社長に白河ダルマが贈呈され、来賓全員で片目を入れて新春の学参商戦を祝った。

効率販売と需要創出に力点/日販

日販は1月7日、東京・港区のザ・プリンスパークタワー東京で「2014新春を祝う会」を開き、書店、出版社、日販グループ関係者など2214名が出席した。
冒頭、あいさつした平林彰社長は、POS店の年末年始の実績について、書籍は前年比5・5%減、雑誌は7・5%減、合計6・5%減だったと報告。今年は「店頭に拘って場面を変えよう!」をキャッチフレーズに、祭企画、店頭の売上アップ、マージンアップの施策に取り組むと意欲を示した。さらに、同社が推進する出版流通改革について「効率販売と需要創出が2本柱」として、「返品減少によって業界コストを低減させ、プロフィットを創出していく。また、優先販売や仕上がりの保証により、書店の売る力をアップさせ、プロフィットを生み出す」と強調。「業界の利益の源泉は店頭にある。ここを起点とした戦略を打ち出していきたい」と抱負を語った。
来賓を代表してあいさつした紀伊國屋書店の高井昌史社長は、4月からの消費税率引き上げについて「インパクトは大きい」と指摘。「読者がどれだけ本にお金を回してくれるか。他の消費財とパイの取り合いになる。店頭がショールームとなり、外資のネット書店で買うという倒錯した購買行動に拍車がかかってしまう。業界にとって計り知れないダメージだ。三位一体となり、危機意識とスピード感をもって制度を変革するしかない。業界各団体が読書環境の整備、販売環境の正常化、様々なイベントを通して読書人口の拡大に努めているが、さらに地道な努力が必要。今年は業界の力を結集して、より良い出版文化をつないでいくためのエポックメイキングな年にしたい」と述べた。
このあと、紀伊國屋書店の高井社長、光文社の丹下伸彦社長、日販の古屋文明会長、平林社長による鏡開きが行われ、丹下社長の発声で乾杯した。
〔日販大阪・神戸支店新春を祝う会に387名〕
日販大阪支店・神戸支店は1月9日、大阪市北区の日販堂島ビルで「2014年大阪支店・神戸支店新春を祝う会」を開催、書店・出版社など387名が出席した。
冒頭、日販の奥村景二取締役関西・岡山支社長が年頭あいさつ。「最近、社内外を問わず、マイナスのテーマを取り上げる際、自分ではなく周りのせいにする発言が目につく。しかし、他責を積み重ねても発展性はない。今年の支店のキャッチフレーズは『前進』。他責の反対は協働であり、共に動き共に働くことが今年のテーマだ。今年も皆さんと一緒に、店頭にこだわって売場を変えていきたい」と述べた。
続いて、関西日販会・長谷川政博会長(ダイハン書房)、三水会・岡西郁夫代表幹事(扶桑社)、奥村支社長、椎木康智日販大阪支店長、重野美信日販神戸支店長の5氏による鏡開き。その後椎木支店長の乾杯の発声で懇親会に入り、出席者を交えた餅つきが行われ、つきたての餅や豚汁が振る舞われた。

減収減益の赤字決算/売上高は9・0%減の371億円/栗田

栗田出版販売は12月20日、東京・千代田区の本社で定時株主総会を開き、第76期(12年10月~13年9月)決算と役員人事を承認した。
売上高は371億円で前期比9・0%減と9期連続の減収となった。新規店の寄与を上回る既存店の不振、廃業が大きく影響した。物流費を中心に経費を同10・5%減少させたが、減収を補填できず、営業利益は同1億300万円減の2億300万円、経常損失は同1億800万円減の2億7600万円。子会社合併益などの特別利益、固定資産除去損の特別損失を計上し、当期純損失は同7900万円減の5500万円で、減収減益の赤字決算となった。当期末の純資産は株価上昇の影響でプラスを維持した。
返品率は、書籍が同0・3ポイント悪化の44・1%、雑誌が同0・3ポイント悪化の36・7%、合計が同0・3ポイント悪化の40・0%だった。
期中の新規店は5店、増床と合わせて1243坪。中止・廃業店は46店、改装減床を含めて3288坪で、差し引き41店2045坪の減少となった。経営悪化と後継者不足による中小書店の転廃業が続いていることが原因。
今期は、徹底した返品減少と取引採算管理、物流費の更なる削減を実施し、収益の確保による本業での黒字化を目指す。また、効率販売の諸施策とともに「えほんガールズ」の児童書をはじめ、新商材開発・促進など書店販売力向上支援を一層推進する。
同日の記者会見で、山本高秀社長は「減収の最大の原因は雑誌の落ち込み。返品率は書籍が業界平均より悪く、今後の課題。返品減少と経費削減を徹底して黒字化を目指す。生き残るためには同業・他業種とのコラボ、アライアンスも必要」と述べた。
〔役員体制〕
代表取締役社長
山本高秀
取締役専務執行役員下村賢一
取締役相談役郷田照雄
監査役河本正美
執行役員(営業第1部・営業推進部担当)高梨秀一郎
同(営業第二部・営業第四部担当)森岡忠弘
同(営業第三部・営業第五部担当)森孝弘
同(書籍仕入部長・雑誌仕入部担当)塩沢衛
同(総務部・取引部・システム部・関係会社担当)
小出直之
同(ニューウエイブディストリビューション担当)
黒田敬三
監査役の米沢明男氏は退任した。

童心社に出版文化賞贈呈/今村正樹氏が新理事長就任/出版梓会

出版梓会が主催する第29回梓会出版文化賞の贈呈式が1月16日、東京・新宿区の日本出版クラブ会館で開かれた。今回は本賞に童心社、特別賞に赤々舎、深夜叢書社が選ばれた。第10回出版梓会新聞社学芸文化賞は幻戯書房が受賞した。
冒頭、井村寿人理事長(勁草書房)は「受賞者のスピーチを聞くと、失いがちな出版に対する熱い思いを聞くことができる。今年も楽しみにしている」とあいさつ。井村理事長から受賞4社の代表に賞状と記念品・副賞が手渡された。
『さがしています』『くつがいく』『さくら』などの戦争に関する出版や中国、韓国との共同出版が評価された童心社の酒井京子会長は「子供を愛すること、平和を大切にすることが童心社の理念。決意もあらたに頑張る」と喜びを語った。
なお、贈賞式の席上、同日の臨時総会で、井村理事長が退任し、新理事長に今村正樹理事(偕成社)を選出したことが報告された。

「活字文化、絶やさない」/書店新風会新年懇親会で高須会長

書店新風会は1月7日、東京・新宿区のハイアットリージェンシー東京で第48回新風賞贈賞式・新年懇親会を開き、会員書店、出版社、取次など179社・266名が出席した。
冒頭、あいさつした高須博久会長(豊川堂)は、会員20店の今年初日の売上は前年比1・1%減で、最高は同15・9%増、最低は同24%減だったと報告。「楽しくてためになる本がもっと出てくれば、活字を読んでくれる人は増えると信じている。書店は知的好奇心を読者に伝える伝道師となって頑張らねばならない。文字・活字文化を絶やさないために使命を受けて仕事をしている。皆さんと気持ちを1つにして、光の当たる出版業界にしたい」と抱負を語った。
来賓を代表して日本雑誌協会の石﨑孟理事長は「4月から消費税率が上がる。消費が冷え込み、業界の縮小につながるのではないか不安。業界あげて軽減税率の適用を求めて活動している。税率が3%上がるなら、読者にとって3%以上面白い雑誌を作ろうと言っている。自信を持って提供できる雑誌を作って、読者に評価してもらえれば、厳しい中でも上がり目が見えてくる」と祝辞を述べた。
新風賞贈賞式では、小林卓郎拡販委員長(煥乎堂)が受賞作を発表。高須会長が、『人生はワンチャンス!―「仕事」も「遊び」も楽しくなる65の方法』を刊行した文響社の山本周嗣社長と著者の水野敬也、長沼直樹の両氏に賞状と記念品を贈呈した。

12月期は4・2%減/書籍コミック10ヵ月ぶりプラス/日販調べ

日販営業推進室調べの13年12月期書店分類別売上調査は、雑誌・書籍合計で対前年売上高増加率が4・2%減となった。
雑誌の売上田は4・0%減。月刊誌は、13年12月1日が日曜日だったことによる発売日繰り上げの影響を受け、6・8%減となった。コミックは『進撃の巨人』(講談社)が牽引したが、前年売上良好だった『聖☆おにいさん8』(講談社)、『HUNTER×HUNTER3』(集英社)などの反動で、3・5%減となった。
書籍は4・3%減。文芸書は、前年売上好調だった『謎解きはディナーのあとで3』(小学館)、『夢をかなえるゾウ2』(飛鳥新社)の反動で、10・4%の2桁減となった。新書も12・0%の2桁減。一方、書籍コミックは9・6%増と10カ月ぶりにプラスに転じた。前月に続き『坂本ですが?2』が好調で、1巻も売上を伸ばした。

候補10作品が決定/本屋大賞

「2014年本屋大賞」のノミネート10作品が1月21日、発表された。1次投票は13年11月1日~14年1月5日に行った。今後、書店員が1人3作品を選んで順位をつける2次投票を2月28日まで行い、4月8日に大賞を発表する。ノミネート10作品は以下の通り。
▽長岡弘樹『教場』小学館▽中村文則『去年の冬、きみと別れ』(幻冬舎)▽岩城けい『さよなら、オレンジ』筑摩書房▽辻村深月『島はぼくらと』講談社▽森見登美彦『聖なる怠け者の冒険』(朝日新聞出版)▽いとうせいこう『想像ラジオ』(河出書房新社)▽万城目学『とっぴんぱらりの風太郎』文藝春秋▽和田竜『村上海賊の娘』(新潮社)▽木皿泉『昨夜のカレー、明日のパン』(河出書房新社)▽柚木麻子『ランチのアッコちゃん』