全国書店新聞
             

平成14年6月1日号

情報共有し新しい枠組み構築

日書連は5月24日午前11時から台東区・池之端文化センターで第14回通常総会を開催。
「『個人情報保護法案』『人権擁護法案』は言論・出版・表現の自由、国民の知る権利を損なう」として、メディア規制法に反対する見解を決議したほか、■組織強化と財政健全化、■情報・物流ネットワークによる流通改善、■取引慣行の弊害是正と新しいシステムの構築、■読書推進と活字文化の振興−−などの新年度の取り組みを承認した。
理事51名、常任委員22名、各県代表98名、総勢171名が出席して開かれた日書連通常総会は、冨永信理事(山口県)の司会、井門副会長の開会あいさつで始まり、萬田会長が書店を取り巻く経営環境と日書連の活動を中心にあいさつを行った。
この中で萬田会長は「日書連傘下組合員数は13年度も6・38%減。
この4年間、平均して毎年500店が減少しており、今年の8288店は10年前の28%減になる。
廃業の大半を占めるのは従業員5人以下の小規模店」と、厳しい経営環境が続く中で小書店の廃業が進んでいることを指摘。
「再販存置」の結論が出たあとの日書連の課題として、昨年度は再販契約書の改訂、公正競争規約の見直しに取り組み、公正規約はベタ付7%の案がまとまったことを報告。
今年の重点課題6項目を説明したあと、「逆風を乗り越えるには柔軟で新しい枠組みのもと、版元・取次・書店が情報を共有し、生産と販売を直結し、書店機能の強化をはかる必要がある。
これを支援するため、組合運営は透明性確保、エネルギー集中、スピード重視であたる」と述べた。
福岡県組合・山口尚之氏を議長に議案審議に入り、平成13年度事業報告と14年事業計画案は各種委員会委員長が一括して報告と提案を行った。
このうち、メディア規制3法の問題では、法案に反対の態度を明確にする「見解」を総会決議したほか、書協・雑協の呼びかけによりポスターを店頭掲示する方針を承認した。
流通改善では藤原委員長が「業界全体が儲からない体質を改善するには新しい仕組みが必要。
リスクがなければ、リターンもない」として、責任販売制の議論に踏み込んでいく方針を説明した。
情報化推進問題は、「図書館納入に使える日書連マークを開発したことでTRCの攻勢に対抗できる」と志賀委員長が報告。
会場入口では日書連マークを使って学校図書館に納入する「図書装備ナノ」「教育システム」のデモが行われ、情報化推進をテーマに早い時期に全国委員会を開くことなどを決めた。

メディア規制3法に反対のポスター

書協、雑協、取協、日書連の出版4団体は「報道・出版・言論の自由なくして国民の知る権利は守れません」という意見広告を作成した。
本紙9、10ページをポスターとして店頭に掲示していただきたい。

手帳大賞

◇手帳大賞第6回「手帳大賞」の表彰式が5月20日午後二時半より東京・日比谷の帝国ホテルで開かれ、作文・エッセイ部門大賞、商品企画部門優秀賞、審査員各賞を受賞した6作品を表彰した。
この賞は手帳・日記・家計簿文化のさらなる普及とお客様への謝恩を目的に高橋書店が毎年開催しているもの。
受賞作品は以下の通り。
▽大賞=門馬昌道「聖なるアークよりも」▽優秀賞=中村晴人「手帳の企画」▽浅井●平賞=大角二三郎「黒い手帳」▽麻木久仁子賞=森下祥子「父のうどん」▽黒鉄ヒロシ賞=君島光「ばあちゃんごめん」▽村松友●賞=山根英樹「時の贈りもの」

講談社出版文化賞

◇講談社出版文化賞平成14年度講談社出版文化賞の受賞作が決まり、5月21日午後6時から千代田区のホテルニューオータニで贈呈式と披露祝賀会が行われた。
受賞は以下の各氏。
▽さしえ賞=安里英晴(浮かれ坊主法界『小説新潮』)▽写真賞=長谷川健郎(シリーズ病んだニッポン『FRIDAY』)▽ブックデザイン賞=木村裕治(文藝春秋『文学を探せ』)▽絵本賞=武建華・千葉幹夫(小学館『舌ながばあさん』)▽科学出版賞=宮治誠(講談社『カビ博士奮闘記』)

上野からブームに

若手作家、本多孝好のミステリー『MISSING』(双葉文庫)が、新刊発売後1か月経過した昨年12月頃から明正堂丸井上野店で売れ始め、週平均40冊、4月末には累計で750冊を販売した。
『MISSING』に火が付いたのは、同小説を読んだ田中店長(当時)が「若い女性の琴線に触れる秀逸なミステリー」と惚れ込み、手書きの帯を巻き、文庫平台で多面展開したのがきっかけ。
双葉社では、これにヒントを得て2月から同書を全国60店でテスト販売したところ、ブックガーデンディラ上野店は5週間で646冊、東武ブックス朝霞台店は10週間667冊、テスト店全店で65%の実売率と、手書き帯と多面展開の効果が裏付けられたという。

太宰治賞

◇太宰治賞筑摩書房と三鷹市が主催する第18回太宰治賞の受賞作が小川内初枝氏の「緊縛」に決定、5月23日午後6時から東京会館で贈呈式が行われた。
贈呈式で安田養次郎三鷹市長は「今後もすばらしい作品を発表し、活躍して賞を盛り上げてほしい」とあいさつ。
筑摩書房菊池明郎社長は「文芸は上向いている感触がある。
いい本をぶつけて読者を本の世界に呼び戻したい。
賞がそのきっかけになれば」とあいさつした。
加藤典洋氏による選考経過報告の後、小川内氏に賞状と賞品が授与された。
小川内氏は「いただいた選評は勉強を続けるに当たって心の支えになり、迷うことなく精進できる」と語った。

トリプル・ウイン実現を

「トリプル・ウインの実現」をテーマに2002年度日販懇和会が5月21日午後2時から水道橋の東京ドームホテルで開かれ、書店116店、出版社107社が出席した。
冒頭にあいさつした日販菅社長は、ネオステージ21の2年目にあたる第54期の決算概況について「売上高は市場低迷の影響を受けて4期連続の減少。
先期減少した返品率も、残念ながら雑誌を中心にして再び増加に転じたが、この2年間に実施してきた革新的な施策が功を奏し、最終利益は大幅な増加。
安定して利益を出せる体質になった」と報告。
また、中期経営計画の最終年度にあたる今期の取り組みについて「中心になるのはwwwプロジェクト。
業界三者が開かれたネットワークを通じて情報を共有し、SCMを実現する。
データを駆使して書店を支援するモバイル営業、契約に基づいた責任販売の概念も取り入れ、書店1500店のネットを目指す。
4月に取次5社で設立した「出版共同流通」は今年末から雑誌の無伝返品処理を埼玉県蓮田で開始する。
書店の省力化、入帳処理迅速化だけでなく、単品の返品データをネットワークに乗せられるメリットがある。
ぜひ注目してほしい」などと述べた。
続いて、「日販が目指す新しいパートナーシップwwwプロジェクト」を大久保東京支店長が報告。
■日販取引店のうち2千店がPOSを導入し、日販全体の45%を占有する、■POSサポート店の約9割で売上げが増加した、■www店を現状の70店から1500店に拡大していく、■営業マンに400台のモバイル・パソコンを持たせ、書店の営業を支援していく−−とし、日販SA機器の導入とオープンネットワークへの参加を呼びかけた。
このあと、経営コンサルタントの大前研一氏が「21世紀に生き残る企業経営とリーダーシップ」を記念講演。
「インターネット環境の進展は、書店にとっても大きなビジネスチャンス」と強調した。

総付景品7%に改訂

出版物小売業公正取引協議会は5月23日に書店会館で開催した定時総会で、6月30日に期限の切れる景品規約の改訂について、総付け景品は現行の「5%以内」を「7%以内」に引き上げる方針を決めた。
ただし、景品類の提供は「原則として年2回、60日以内」という期間制限の条項は、現行通りとする(総会概要4面掲載)。
出版小売公取協は6月1週にも規約改定案を公取委に提出する運び。
これを受けた公取委は6月18日に公聴会を開き、出版小売公取協の改定案について学者、消費者などの意見を聞いた上で、6月末までに改定案を認定する予定。

日書連通常総会特集号

1面…通常総会概要2、3面…各委員会の報告と計画説明、質疑応答4面…萬田会長あいさつ、小売公取協総会5面…大阪、福島、石川組合総会6面…ふるさとネットワーク(九州)7面…世界の老舗書店8面…日販懇話会、出版業界ニュース

積極的参加呼びかけ

書店21世紀ビジョン、アクションプランを受けて昨年発足した同委員会の活動について、井門委員長は雑誌年間定期購読の取り組みを中心に報告を行った。
井門委員長は「書店店頭で雑誌の年間購読を取るスキームそのものが、これまで存在しなかった」と指摘してから、小学館『和楽』、日経BP『日経ビジネスアソシエ』、講談社定期購読キャンペーンと、新しい枠組みが次々に生まれてきたことを報告。
直販で大幅なサービスを行っているダイヤモンド社、東洋経済新報社については、井門委員長が2社を訪問して、書店を経由した年間購読サービスの実現を申し入れたことを明らかにした。
一方、雑協は2年前から夏休みの雑誌月間にあわせて目黒・世田谷地区、宮城県で「雑誌定期購読獲得キャンペーン」を実施。
今年は全国展開することになった。
このキャンペーンは、読者が書店でキャンペーン参加雑誌を前金一括払いすると、1カ月分の定価がサービスされる仕組み。
書店は1年分の前金をもらうメリットがあり、サービス分は出版社が書店に割戻しする。
井門委員長は「こういうキャンペーンを糸口に、書店から読者にアタックしていきたい。
雑協のキャンペーンは書店の参加申込制なので、各県で積極的な取り上げを働きかけてほしい」と述べた。
このほか、学校図書館納入については「基本的仕組みが出来上がった」として、今後は情報化委員会が分担すること、雑誌発売日は読者の立場を原点に、引き続き全国同時発売をめざして運動を続けていくことを説明した。

−無題−

総会スローガン*法定再販制を維持し、出版文化の普及と読者の利益を守ろう!*取引慣行の弊害是正と自主仕入れ促進で中小書店の経営を守ろう!*情報・物流ネットワーク化による流通改善で業界3者の共生を図ろう!*書店の組合加入を促進し、組織強化と財政健全化を図ろう!*輸送改善による全国同時発売で雑誌の増売を図ろう!*読書推進運動に積参加し、読書普及と活字文化の振興に努めよう!*4月23日「世界本の日=S・Jの日=こども読書の日」を広めよう!*全組合員の1口以上の加入促進で、日書連共済会の充実を図ろう!*スタートアップ21・アクションプラン15項も久野実現をめざそう!

「個人情報保護法案」「人権擁護法案」に対する見解

出版物販売に携わる私ども全国書店は、出版文化の向上、出版物に普及によって広く社会の発展に寄与することの重大使命を深く認識し、日夜努力しているところであります。
日書連は、メディア規制3法案のひとつ、「青少年有害社会環境対策基本法案」については、平成12年11月、永年にわたる業界の自主規制の努力を無視して、行政の恣意的運用に委ねることは極めて遺憾として、同法案の撤回を求める見解を発表しました。
幸いにも同法案の今国会への上程は見送りとなりましたが、今後もその動向を注視していく必要があります。
今、政府は、衆参両院において「個人情報保護法案」「人権擁護法案」の審議に入り、今国会での成立をめざしております。
近年の急激なIT社会の進展のなか、個人情報を保護する法制の整備は急務であり、また、新たな人権救済機関の設置も時代の要請に応えるものであります。
しかしながら、仮にも、出版界をはじめ、文芸家協会、日本ペンクラブ等々、多くの団体、個人の反対表明を無視するような事態を招くことがあっては、わが国民主主義社会の基盤をなす「言論・出版・表現の自由」にとって、極めて深刻な危機であり、更には、言論・出版への不当な干渉につながり、国民の知る権利をも損なうことになると危惧されるところであります。
私ども全国書店は、出版業界を構成する一員として、(社)日本書籍出版協会ならびに(社)日本雑誌協会が発表した意見書、更に平成14年4月25日の両協会名による共同談話を強く支持するものであります。
右、決議する。
平成14年5月24日日本書店商業組合連合会第14回通常総会

日書連マークを提供

学校図書館の納入問題で志賀委員長は「図書館流通センター(TRC)が小・中学校に攻勢をかけている。
中央図書館はTRCマークが主流で、学校図書館が同じマークで電算化し、つながれてしまうと地元書店には対抗策がなかった。
ようやく大阪屋の協力でNDC分類の入った日書連マークが実現した。
書籍データセンター、書協BOOKS、大阪屋OPLマークの3つを組み合わせてできており、かなり精度は高い」と報告。
書店への提供価格については「コスト計算すると月額5千円になるが、2千円程度で考えている」と説明した。
また、小学館の協力により京都組合にパソコンを百台貸与した導入実験については、小学館から「ハードは十分安くなってきた。
今後、ソフト、運用面で協力していく」という申し入れがあり、今年から調査研究費を毎年6百万円、3年間支援してくれると発表があった。
これに次いで集英社も同額の支援が決まり、何社かに同様の支援を呼びかけている。
3年目を迎えた日書連ホームページは、今年1月にサイトをリニューアルし、検索・注文を中心に月間1万弱のアクセスがある。
志賀委員長は「読者のインターネット注文を無償で取り次ぐサービスを行っているが、登録書店が増えない」として、各県毎にメールアドレスの登録を促進するよう求めた。
この報告に対して、奈良組合・庫本氏から「全国情報化委員会を早急に開いてほしい。
日常的な情報交換が必要だ」と提言があり、志賀委員長は「早期に開催する」と約束した。

責任販売制の具体化

返品入帳が遅いという声を受けて、流通改善委員会では昨年4月から9月まで全国93店で入帳日数の調査を行い、調査結果をもとにトーハン、日販と懇談。
返品入帳を早める手段について考え方を聞きたいと文書回答を求めた。
日販からは今年1月、トーハンからは4月に回答があったが、藤原委員長は両社の文書について「回答になっていない。
月末までの請求は月末までの入帳を原則に今後も交渉を重ねていく」と報告した。
スタートアップ21委員会の過大にも掲げる責任販売制の取り組みでは「30年前から議論し、総論は賛成でも各論で反対が出る、古くて新しい問題。
業界全体が儲からない体質の改善には、新しい仕組みが必要だ。
出版社の返品というマイナスをなくして、果実を求めたい」とする考えを明らかにした。
さらに藤原委員長は今後の取り組みについて「皆さんの意見を踏まえて議論していく。
できるという社があれば、テストケースとしてもやってみたい」と強い意欲を示した。
質疑応答では「コミック誌の中にセブン・イレブンには付いている付録のオモチャが書店では付いていない」という問題提起に、藤原委員長は「事実を確認して理事会で報告する。
販売の差別かであれば抗議を申し込みたい」と述べた。
また、日書連でDVDを斡旋できないかという提案には「メーカーとどう交渉するか。
1つの取次、販社を選ぶと集金、配送面でむずかしい問題があるのではないか」と回答した。

中小書店の廃業続く

〔組織強化〕今年4月1日現在の傘下組合員数は8288店。
組織強化委員会鈴木委員長は各県組合の調査結果から中小書店の廃業が続いている事実を指摘した。
組織強化対策として鈴木委員長は「返品運賃の軽減、発売日、図書館データベースの提供など、組合活動そのものが加入のメリットであることを訴えていきたい。
既存店で声をかけあい、脱会しないよう働きかけていく」と説明。
新年度は定款見直しも検討するとした。
〔指導教育〕昨年10月から施行された東京都青少年条例で青少年有害図書は区分陳列が義務づけられた。
東京組合丸岡副理事長は、「都条例を受けて石川県、鳥取県でも区分陳列が求められている」と報告して、全国的波及が懸念されている。
国会で審議入りした個人情報保護法案、人権擁護法案については、書協、雑協より反対運動の支援要請があったことを高島委員長が報告。
両法案の対する日書連の見解を白幡専務理事が朗読し、拍手で可決した。
〔出店〕丸岡委員長は大店法廃止後の対応として、京都・島津製作所跡地に出店したジャスコを例にあげ、当初3万6千平米の計画が2万2千平米に縮小したことを紹介。
今後も街づくり条例、地域との連携が必要なことを強調した。
万引き問題では、古物営業法、県条例などで青少年からの買い上げ禁止を求める運動を推進していく。
〔読書推進〕学校図書館整備の問題で「子ども読書推進法」を受けて5年間で650万円の地方交付税措置がとられたが、予算措置が取られた自治体は30%強。
各自治体に予算の完全消化を求めるよう高須委員長が呼びかけた。
JPICの協力で展開している「第4土曜はこどもの読書の日」キャンペーンは、書店で読み聞かせができるよう、講習会への参加を求めた。
〔増売運動〕書店くじは昨年秋の読書週間書店くじから当選本数増加など、大幅な内容見直しを行ったた結果、春の書店くじでは20組合が前年より増加したことを船坂委員長が報告した。
〔経営・取引〕書店の経営にかかわる問題、業界全体の課題など、委員会の扱う課題が広範に及ぶため、新年度は委員会の強化を図る方針を下向委員長が説明した。
〔発売日〕安井副委員長から昨年作成された発売日ハンドブック、本部委員会議事録について報告があり、近畿地区の私鉄売店問題では「現地地区委員会で疑念があれば各出版社に働きかけてほしい」と説明した。
〔共済会〕平成14年度加入優秀地区として人員比率50%以上、口数比率100%以上の13組合を表彰した。

4月は0・7%減

日販経営相談センター調べの4月期書店売上げは3月の2・2%減から1・5ポイント上昇し、0・7%減となった。
2月の2・9%減を底に2カ月連続の上昇。
書店規模別では121坪以上のクラスで1・2%の増加。
81〜120坪も1・3%減とまずまずだが、40坪以下の規模は4・3%減と落ち込みが大きい。
立地別では商店街が3・8%減でと良くない。
ジャンル別では児童書が8%増、実用書2・6%増、学参書3・8%増と3ジャンルが前年を上回った。
児童書は小学館の『ダレン・シャン4』が好調。
雑誌は121坪以上のみ前年を上回ったが、41〜80坪、81〜120坪店は3、4%減、40坪以下は6%近いマイナスになった。
客単価は平均1030・7円で、前年比3・1%増加した。

共済会給付

(14・4・17〜14・5・22)▼病気傷害・死亡弔慰余市郡余市町大川町3−65大関商店大関幹一殿2口大里郡川本町大字田中37−1ブックスたかはし高橋竹男殿5口▼病気傷害常陸太田市内堀町2357宮田書店宮田欣三殿10口平塚市明石町24−3サクラ書店高橋誠一殿5口東海市富木島町外面20−5修学堂安藤純子殿1口上野市三田町946−3芳文堂書店山本義雄殿3口京都市東山区五条通大橋東2−9都堂書店三宅千代蔵殿4口西宮市甲子園口2−24−24大盛堂書店藤崎秀雄殿3口尼崎市昭和南通り7−161三和書房中島卯三郎殿6口諫早市山川町1−5奈良谷書店奈良谷悦子殿1口▼死亡弔慰新宿区新宿3−38−1山下書店山下重之殿1口鹿児島市中央町1−13佐東書店佐藤剛殿4口(14・2・21〜14・3・22)▼病気傷害浜松市住吉1−41−15開明堂果糖暢克殿3口隠岐郡西郷町西町八尾1−13隠岐堂牧尾和嘉殿3口▼前名義人死亡(糟谷茂男)鹿足郡六日市町大字六日市785カスヤ糟谷俊輔殿2口▼配偶者死亡(吉野はつ子)葛飾区堀切3−3−1ブックスヨシノ吉野秀男殿1口

総会の質疑応答

庫本善夫氏(奈良)全国情報化推進委員会を早急に開いてほしい。
近畿ブロックは各県ごとにメーリング・リストで活発に情報交換している。
出版社、読者のIT化が進む中で、書店だけ取り組みが遅れている。
日常的な情報交換が必要ではないか。
日書連MARCは小書店でも使える金額に設定してほしい。
志賀健一情報化推進委員長早急に全国委員会を開催するべく準備する。
日書連MARCはコスト計算すると月額5千円程度かかるが、2千円程度にしたい。
井門照雄スタートアップ21委員長ご提案のあった全国情報化委員会を早急に開き、全国の声を聞いた上で価格を決定したい。
万納昭一郎理事雑誌の配本が厳しくなっている。
出版社は取次が配本を絞っていると言っている。
5冊の配本が4冊、3冊と減っていく一方で、売れない雑誌は2冊、3冊と増えていく。
売れる機会を失してしまう。
藤原直流通改善委員長その通りだと思う。
取次に改善を要望する。
平井弘一氏(神奈川)組合員への広報は書店新聞しかない。
その辺を配慮して予算づけしてほしい。
萬田貴久会長書店新聞の旬刊化は予算だけではない。
IT化の促進にもつながる。
理事会で何度も議論し、全国広報委員会にも諮って決めた。
週刊化は昭和60年から。
再販問題も決着し、日書連の赤字体質を早急に解決したい。
郵政事業の見直しで3種郵便が廃止されれば経費がさらに1千万円増額する。
早い時期に決断した。
内容は維持しながら発行回数を減らした。
今後も皆さんの目線で編集していく。
戸和繁晴氏(大阪)大阪組合で「ハリー・ポッター」のDVDを斡旋したが、第2弾の「千と千尋の神隠し」は取次との仕入れ交渉に限界を感じた。
日書連でサポートするなり、自主仕入れできないか。
藤原委員長日書連で斡旋するとすれば、メーカーとの交渉、集金、配送などむずかしい問題がある。
船坂良雄増売委員長東京組合では大手5社から新刊を一括して仕入れている。
日書連として出版社と交渉して注文窓口はできるかもしれない。
具体的な提案があれば検討したい。
武藤武久氏(千葉)他県に本社がある書店が、支店だからと組合に加入しないのは問題ではないか。
鈴木喜重組織強化委員長各県組合は地道な努力で組合加入を促進している。
加入のメリットをさらに訴えていきたい。
萬田会長日書連共済会には組合員でなければ入れない。
支店加入に当たっては賦課金を通常より安くする方法もある。
規約を整備する必要がある。
長谷部泰三氏(千葉)セブン・イレブンでしか売っていないコミック誌がある。
日書連で対応できないか。
藤原委員長書店で販売している雑誌とCVSで販売している雑誌の内容が違うという話は、内容を確認して理事会で報告する。

ふるさとネットワーク

◇福岡正にお国自慢だが、私の住む久留米の御井町は山間の人口9千人の町である。
高校、短大、大学と6校ある学園の町でもある。
戦前は工兵第18大隊があった所で、「爆弾三勇士」が出た所といったほうが有名である。
そんな御井町の人が東京に60人くらい住んでいるという。
今回、私の友人の音頭取りで「東京御井町会」の旗揚げをやった。
地元からも5人参加したが、東京にいる同郷人の肩書のすばらしさに圧倒された。
会社の社長あり、大企業の重役あり。
前の主婦の友社長の笠伊次郎氏も同郷であったとは愕いた。
昭和32年NHK会長在任中に急逝された永田清、近代三越デパートを創った社長の日比翁助、立教大学創設者元田作之進の3氏も同郷の人だということを今回参加して初めて知り、ただただ恐れ入った。
改めて自分の生まれた町の先輩たちの偉業を識り、感銘した次第である。
(鹿子島慶正広報委員)◇佐賀焼きものの里佐賀県。
中でも磁器発祥の地として知られる有田の陶器市は、毎年ゴールデンウィーク期間中行われ、全国の陶器ファンが集まります。
今年も連日の雨にもかかわらず、98万人の人手で過去最高を記録したそう。
リュックにスニーカー、手には軍手という独特の陶器市スタイルの焼きものファンも多く、沿道に軒を連ねる650軒もの店に、趣味と実益を兼ねて掘り出し物を求めて廻る行楽客で終日ごった返しました。
有田焼きは、17世紀始めに李朝の陶工李参平が有田で良質の陶石を発見したことに始まり、その後酒井田柿右衛門の赤絵付け、伊万里港から輸出されヨーロッパの王侯貴族を魅了した古伊万里、鍋島藩の御用窯から生み出された色鍋島など400年の歴史と伝統に育まれて発展しました。
この町の県立九州陶磁文化館に行けば、九州の焼きもののすべてが分かります。
(近藤甲平広報委員)◇長崎雲仙岳災害記念館「がまだすドーム」は、噴火災害の脅威と教訓を風化させることなく後世に伝承し、全国から寄せられたご支援に対し感謝の気持ちを伝えるとともに、火災や防災について楽しく学習できる施設として7月1日にオープンします。
主な展示は次の通り。
☆平成大噴火シアター雲仙普賢岳噴火に伴う「火砕流」と「土石流」を直径14mのドーム型スクリーンで再現。
映像と連動して床が動き、吹き出す熱風とともに災害を疑似体験することができる。
☆火砕流の道火砕流によってなぎ倒された木々を長さ40mにわたって再現。
走り去る光により火砕流のスピードを体感する。
その他、いろいろの施設を整備し、2002年7月1日にいよいよオープンです。
是非、災害から復興した島原にお出で下さい。
(古瀬寛二広報委員)◇熊本5月31日キックオフのサッカーワールドカップ。
今、熊本はベルギーチームの熊本キャンプの歓迎ムードでいっぱいです。
熊本市内商店街では、4月下旬から一角をベルギー通りに模様替えし、小学生が描いたサッカーの絵を展示。
学校の給食にはベルギー料理が登場。
市内の百貨店ではベルギー産のビール、ワッフル、チョコレート、応援グッズからクリスタルガラスまで揃え、即売会を開催中。
また、キャンプ熊本招致委員会がベルギーチーム来熊10日前記念パレードを開いて、市内中心部の目抜き通りを行進した。
ありとあらゆる所でベルギーカラーを打ち出し、キャンプ受け入れは準備万端。
初戦が日本と対戦するベルギーチーム。
6月4日の日本戦以外は熊本県民あげてベルギーの応援体制。
サッカーを通じてお互いの国の友好関係が深まることを願うところです。
(宮崎容一広報委員)◇大分全国4万余りの八幡社の総本社で、国宝の本殿を持つ大分県宇佐市の宇佐神宮。
八幡神を起源とする神仏習合は独特の宗教システム。
明治初年の神仏分離政策で神と仏が分けられた。
宇佐八幡神は日本のあらゆる神々を率いて東大寺の大仏造立に協力し、大仏の完成と同時に紫の輿に乗ってはるばる奈良の都まで出かけて参拝した。
この神輿が、わが国神輿の第1号として続日本紀にも記されている。
東大寺の開眼供養(752年)から1250年の節目の本年10月5日には、宇佐八幡の東大寺参拝をしのぶ行事「転害会」が行われる。
東大寺の境内を宇佐八幡神輿が勇壮に練り歩き、大仏と手向山八幡宮を参拝する予定。
参加人数は若宮神輿をかつごう会総勢350人が見込まれている。
本年はワールドカップサッカー九州会場とともに、全国に神輿発祥の地大分県をアピールするよい機会となる。
(金光直明広報委員)◇宮崎ルピナスパーク(宮崎県農業科学公園)は農業について楽しみながら学べる体験型のテーマ館で、最新技術を駆使した学習コーナーでは、ゲーム感覚で農機具の仕組みや歴史を知ることができます。
この中でロボットのモグラ博士が土のこと、土の中に棲む生物のこと、生物と作物の関係をわかりやすく説明。
花は球根11種類、12年生草12種類、宿根草24種類と、太陽の広場の中に四季折々のさまざまな花たちが、いつもやさしく迎えてくれます。
体験館ではアイスクリーム、ソバ打ち、野菜せんべい等の農畜産加工体験や料理教室が楽しめます。
ふれあい広場はヤギ、ウサギなどかわいい小動物がいるミニ牧場。
太陽の広場ではイベントなども開かれています。
敷地内の駐車場は乗用車800台、大型バス14台。
場所はJR高鍋駅から車で8分、国道10号線の右側です。
(今村栄広報委員)◇鹿児島我が県が誇れるものを自分勝手に挙げてみます。
〔屋久島〕林芙美子をして「ひと月に35日雨が降る」と言わせた嫌な島だが、反省することもなく図々しくも世界遺産に登録され、立派な島に変身できたこと。
〔桜島〕火山灰が降りしきる時は電話の声まで邪魔するほど恨めしい島だが、一番格好いい正面の姿を一番人の多い鹿児島市に向けて鎮座し、好かれようとしているいじらしさがいい。
〔離島の人々〕書籍・雑誌をはじめすべての物資が早く手に入らない不便さの中でも、強烈な台風の集中攻撃を果敢にクリアしていくたくましさがいい。
〔ラ・サール高校〕数多い進学校の中でも東大から一番遠いくせに、毎年開成、灘高などに次ぎ多数の合格者を出していること。
因に私もここのOBで東京大学に行きました。
すみません。
東京の大学でした。
(濱田晴樹広報委員)◇沖縄数年前から沖縄で注目されているビジネスマンの服装を紹介しよう。
「かりゆしウェアー」である。
県庁や市役所、上場3企業(沖縄電力、琉球銀行、沖縄銀行)では毎週金曜日を「トロピカルデー」に設定し、「かりゆりウェアー」の着用を義務付けている。
「かりゆしウェアー」は暑い沖縄の夏を快適に過ごすための、「アロハ」のような形のネクタイの必要のない開襟シャツ。
ハワイではアロハシャツは公式な場所での着用も認められているようだが、沖縄県知事や議員も議会で「かりゆしウェアー」を着用している。
スーツにネクタイのお堅い格好より、ラフで涼しい「かりゆしウェアー」を着れば仕事の効率は上がり、クーラー電気料金の節約にもなる。
まさに一石二鳥である。
ちなみに、「かりゆし」とは沖縄の方言で、「めでたい」とか「縁起がよい」という意味である。
(安仁屋博一広報委員)

ベタ付き7%、年2回60日

出版物小売業公正取引協議会(萬田貴久会長)は5月23日に2002年度総会を開き、出版物小売業公正競争規約見直しを審議。
ベタ付景品について現行5%を7%に引き上げる期間制限を年2回60日以内の現行通りとする施行期間は定めず社会的・経済的情勢の変化による見直し規定を入れる−−とする最終改正案を承認した。
同改正案は6月中旬に予定されている公聴会を経て、公取委が認定することになる。
総会は丸岡義博理事の司会で進行。
井門照雄副会長が開会の辞を述べ、萬田会長があいさつ。
「小規模事業者が多い出版小売業の世界は非常に厳しい状況が続いており、日書連組合員も毎年500名が脱退、約8200名まで落ち込んでしまった。
そんななか再販存置以降の問題として再販契約書の改訂と公正競争規約の見直しに取り組んできたが、残るは規約問題」として改正案を上程した。
来賓の公取委消費者取引課の寺川祐一課長は「景品規約は景品の提供を推奨するものではなく、本来価格、品質、内容面で競争するのが本筋との考えから過大な景品提供を規制するもの。
ただ、なるべく一般ルールを尊重して運用していただきたいと、すべての業界にお願いしている。
また、運用基準などあまりにも細かいとの意見もあるので、細かくなり過ぎた部分をスキップしたルール見直しを進めたい」とあいさつした。
このあと萬田会長を議長に議案審議を行い、平成13年度事業報告、収支決算報告、平成14年度事業計画案、予算案などをいずれも原案通り承認。
事業計画として平成14年6月30日までの延長期間内に規約見直しを行うための最大限の努力をする公正競争規約に対する理解、正しい運用と普及のための活動、研修会等の開催値引きと景品の明確化とポイントカードへの対応−−などを承認した。
また、任期満了に伴う役員改選で萬田会長を再選した。

景品、PC問題解決を

福島県書店商業組合は5月28日午後1時半からいわき市「小名浜スプリングスホテル」で第18回通常総会を開き、組合員104名(委任状含む)が出席した。
総会は田辺博通理事の司会、小野久太郎副理事長の開会宣言で始まり、高島季雄理事長があいさつ。
再販存置決定後の課題として景品、ポイントカード問題をあげ、「これが解決しなければ書店の商売が完全に明るくなったとは言えない」と指摘した。
読書推進については「子ども読書活動推進法が成立するなど読書推進運動には今、追い風が吹いている。
真剣に取り組もう」と呼びかけた。
議長に櫻田徳忠理事を選出して議事を行い、事業報告、事業計画、決算報告、収支予算などすべての議案を原案通り承認した。
恒例の県北、県中、県南、会津、相双、いわき各支部提出議案の審議では、「新古書店での未成年からの買い取りに規制を」「月末が土日にあたるときの支払いは週明けに」「取次は100%支払い強要をやめて」「返品処理を早く」「再販を脅かす公正競争規約改訂に反対」など切実な意見が相次いだ。
これを受けて来賓の日書連・下向磐副会長は、「公正競争規約見直し」は「再販存置」と車の両輪であると指摘し、出版小売公取協総会で最終改正案が承認されるまでの経緯を説明した。
また、取次の100%支払い強要については「不公正取引、優越的地位の濫用と思われる事例があったときは、各県組合で議論し、日書連経営・取引委員会に提出を」と求めた。
書店東北ブロック会・藤原直会長は「返品入帳は月末で締めるのがスジ。
入帳を早める方法の検討が必要。
新古書店問題は各県の青少年保護条例に基づき要望書を出すことが一定の歯止めになる」との考えを示した。
最後に高島理事長が、今秋911月に実施される「第4土曜日はこどもの本の日」キャンペーンの重点地区に福島が指定されたと報告。
同キャンペーンへの積極的参加を求める緊急動議を採択した。
総会終了後、第21回出版物小売業公正取引協議会福島県支部総会、永年勤続者表彰式、出版社新企画発表会、合同懇親会を行った。
〈福島県永年勤続者〉▽勤続5年=岡田州平、一條雅俊(博向堂書店)

萬田会長の総会あいさつ

4月1日のペイオフ解禁を前にして3月危機が叫ばれたが、大量の通過供給によって、予定通りペイオフは実施された。
政府の月例報告では、今年2月は「悪化を続けている」であったが、在庫調整の進展や、輸出の回復により、生産が下げ止まりを見せてきて、5月17日月例報告で「依然厳しい状況にあるが、底入れしている」との宣言を行った。
しかし、デフレは続いており、雇用情勢は厳しく、個人投資や設備投資が回復力を欠いており、本格回復への国民の実感は乏しい、と言わざるを得ない。
21世紀最初の年、2001年を不安の中にも希望を見出そうと迎えたが、9月、米国同時多発テロの未曾有の大事件に見舞われ、グローバリズムと民族・宗教、市場経済と貧困などの諸相を見直す契機となった。
2001年の出版物販売額(出版科研調べ)は、前年比3・0%減の2兆3250億円と、5年連続のマイナスである。
書籍販売額は、9456億円、2・6%の減少になり、ベストセラーの傾向としては翻訳書、女性向け、癒し系、常識にとらわれない生き方、考え方の内容の本が好調であった。
イスラム関連や経済学入門書も増刷された。
雑誌販売額は、1兆3794億円、3・3%の減少で、昨年5月から「雑誌作成上の留意事項」が大幅に改訂されたにもかかわらず、女性誌、パソコン誌、コミック誌をはじめ情報誌、ゲーム誌等の落ち込みが目立った。
日書連傘下組合員数の推移は、総会資料の14頁に掲載されている。
これをみると組合員総数で、1011年(10年度)にかけて4・04%減で、11年度が4・62%減、12年度が5・88%減、13年度が6・38%減となっていて、この4年間の減少率は著しく、平均して毎年約500店が減少している。
更にこの推移を10年で見てみると、平成14年の8288店は平成5年の1万1537店と比べると28・2%減になる。
この28・2%を平均水準として、各ブロック別に平均水準を超える場合は高減少率、下回る場合は低減少率とに分けてみると、北海道の39・4%を最高に、関東34・7%、北陸31・8%、中部29・9%、東北29・8%の5ブロックが高減少率を示しており、東京は辛うじて26・2%で水準を若干下回っている。
近畿以西のブロックでは、いずれも平均水準を大きく下回って近畿19・2%、山陰21・0%、四国23・7%、九州20・2%で、東高西低が鮮明に出ている。
傘下組合員は、各組合の商業組合化がほとんど進んだ1986年(昭和61年)に1万2935名をピークにその後は毎年減少を続け、2000年には9406名になり、1973年(昭和48年)当時の水準に戻った。
日書連は引き続き組合員数の減少対策に心を砕き、全国代表者会議の開催、組合員会費負担額の調査等を行ってきた。
昨年9月に組織強化委員会が実施した調査報告(2000年度)によれば、組合の脱退理由は、売上減少・営業不振が220名、老齢・後継者なしが112名、経費節減(64名)・加入のメリットがない(44名)が108名で、は営業継続をしている場合である。
近年の傾向として、老舗店、中規模店の倒産・廃業が増えてる他に、大型店の早期撤退がみられる。
しかし、廃業の大半を占めているのは、従業員5人以下の小規模企業である。
長引く不況、コンビニの乱立、新業態の出現などにより、小規模企業の状況はとりわけ厳しいものがある。
2002年版中小企業白書によれば、小売業における小規模企業の割合は、企業数で86・9%、従業員数で15・3%になっており、我が国経済にとって小規模企業は大きな役割を担っており、景気動向を見る上でも注視すべき存在であると指摘している。
再販存置の結論以降の問題として、再販契約書の改訂と公正競争規約の見直しがあった。
再販契約書(取次−小売)については、出版4団体で構成する出版再販研究委員会が公取委との間で折衝の結果、覚書で補足した再販契約書を公取委が確認し、今年2月から施行されている。
今年3月末が施行期限の公正競争規約は、3月29日に6月30日までの延長が確認され、公取協4月理事会で会長を含む4名に交渉が一任された。
昨日の出版物小売業公正取引協議会総会において、最終改正案が侃侃諤諤の議論の末承認された。
改正案の内容はベタ付景品について現行5%を7%に引き上げる、期間制限を年2回60日以内の現行通りとする、施行期限は定めず社会的・経済的情勢の変化による見直し規定を入れる、である。
いま何故引き上げるかの疑問が投げかけられている。
今回も10%の一般ルールが公取委から求められたが、書店経営の困難と今日までの経緯を訴えてきた。
現在行われているポイントカードは多くの場合、値引きになるが、金銭の使途を制限すると景品になる。
公正競争規約を正しく運用することによって、再販契約書で規制している値引類似行為をはっきりさせる効果が期待できるものと考えている。
公正競争規約の改正案は、6月に予定されている公聴会を経て、公取委が認定することになる。
さて、頭上に重くのしかかっていた2つの宿題が解決した今、困難な経済環境におかれている書店の現状を打破し、21世紀を生き抜く書店のあるべき姿を明確にし、出版業界の新しい枠組みの中で、その実現をはかっていくことに全力を傾注しなければならない。
平成14年度の事業計画の、重要目標を次の項目に絞り推進していく所存である。
1、組織強化と財政健全化都道府県組合の強化と支援廃業・脱退書店の分析と対策財務体質の見直しと健全化2、情報・物流ネットワーク化による流通改善パソコン利用による書誌情報検索と受発注オンライン化地方出版物のデータベース化日書連ホームページと各県組合ホームページのリンク3、再販制度下における書店の役割強化時限・部分再販商品の積極的取り扱い再販制と公正競争規約の運用明確化ポイントカードに厳正な対処4、取引慣行の弊害是正と新しいシステムの構築「責任販売制」「委託制」の問題提起雑誌年間購読予約システムによる店頭活性化SCM(サプライ・チェーン・マネージメント)導入による3者の共生5、読書推進と活字文化の振興子どもの読書活動推進の積極的支援「世界本の日=サン・ジョルディの日」文化講演会の開催ブックスタート運動支援6、スタートアップ21特別委員会・アクションプラン15項目の具体化コンビニの乱立、新古書店や100円ショップの出現、インターネット書店の普及とゲーム・ビデオ・携帯電話・電子ブックなどへの消費流出の増大により、書店の廃業と書籍・雑誌販売額の逓減が続いている。
さらに、少子化が進んでいる。
こうした逆風を乗り越えるためには、柔軟で新しい枠組みのもとで、版元・取次・書店が情報を共有し、生産と販売を直結し、地域読者の満足度を高める書店機能の強化をはかる必要がある。
これを支援するために、組合運営には透明性の確保、エネルギーの集中、スピード重視を基本に、業界改革の理想を揚げ、その実現に向けて組合員皆様の全面的なご協力を仰ぎたいと願っている。
何卒よろしくご支援をお願い申し上げる次第である。

童門冬二氏講演会5百名動員目標に

神奈川県書店商業組合(中村宣勝理事長)の定例理事会が5月7日、横浜駅前ビルで行われた。
会議に先立ち、7月1日から実施される青少年保護条例による有害図書陳列法について、神奈川県青少年課の係員が説明に来られた。
理事会の主たる議題は次の通り。
1、増売企画として小学館の図鑑『ネオ』、主婦の友社『新実用ブックス』を取り上げることにした。
2、増加する万引き対策としてタグをコミックに取り付けるよう大手チェーン店が出版社に要請しているが、組合としても協力することにした。
また、有害雑誌を入れるビニール袋を出版社が無料提供するよう東京組合が働きかけていると報告があった。
3、童門冬二氏の講演会を7月16日、横浜銀行本店ホールにて開催する。
当日5百名の動員目標を掲げ、書店関係のみならず、歴史愛好者、商工会議所関係にも働きかけることにした。
4、神奈川大学で7月30日から8月1日まで開催される全国学校図書館研究会に、組合として協力することを決めた。
(平井弘一広報委員)

SJ啓蒙事業の実施を検討

石川県書店商業組合(森井清城理事長)は5月16日午後1時半から金沢市の勤労者プラザで第14回通常総会を開催、組合員96名(委任状含む)が出席した。
総会で森井理事長は、不景気で会員が減少しつつあるなか、何とかして切り抜けていきたいとして、前年度の報告を兼ねて新年度事業計画を述べた。
そして、前年度は「利家とまつ」の講演会をサン・ジョルディ行事の一環として行い成果を見たが、新年度はサン・ジョルディの日を啓蒙する事業を何か実施することに決めた。
また、一般会員からの発言もあって、例年行っている養護学校等への図書館寄贈運動について、書店の売上に結び付くような方法を加えることも検討することにし、午後4時頃散会した。
(横野浩広報委員)

IT、協業化推進を継続

大阪府書店商業組合は5月18日午後1時半から、西区の大阪厚生年金会館で第20回通常総代会を開催、総代99名(委任状含む)が出席した。
総代会は並河昂二副理事長の司会で進行。
今西英雄理事長は冒頭あいさつで組合活動への日頃の協力に謝意を表し、「大阪組合は組合員の目線でというスタンスで運営している。
各種委員会は活発な動きでよい方向性を打ち出し、その結果が議案書に載っている。
組合員の代表として忌憚のない意見をお願いしたい」と述べた。
議長に戸和繁晴(トーワブックス)、副議長に坂井親宗(学之友社)、舟津外夫(ブックスみくに)の各氏を選出し、平成13年度事業報告、平成14年度事業計画案、決算・予算案などの議案を審議していずれも原案通り承認した。
事業計画では前年度に打ち出したIT推進、協業化推進を今年も継続して実施する方針を決めた。
組織強化委員会からは、レディースランチの会が好評を博したことや、組合活動の原点は支部であるとの視点から、支部と組織委の活動をリンクして強化策を図っていきたいと説明があった。
経営活性化では、パソコン講習会が好評で計87名が参加、引き続き今年も実施すると報告。
「ハリー・ポッター」のDVD・ビデオ斡旋を行った共同仕入れは、今後扱い品目を増やす研究をしていくことにした。
また組合ホームページをリニューアルして一層充実させることにしたほか、メーリングリストへの登録が呼びかけられた。
質疑応答では、「雑誌発売日違反発見の際の通知方法について組合員に周知徹底を」「図書カード読み取り機の料金引き下げを要請してほしい」「日書連本体のリストラをもっと進めるべき」「2004年に雑誌コードが変更されるが、ソフトの変更等で書店に負担がかからないように」などの意見・要望が出された。
このほか役員1名補充の件では、辻康夫氏(辻清ヤシマ書店)の理事就任を了承。
また再三の督促にかかわらず平成7年10月より組合費を滞納している吹田市の千里ブックスの組合員除名を承認した。
総代会終了後、別室で来賓を交えて優良従業員表彰、家族従業員表彰式と懇親会が行われた。
〈優良従業員表彰〉▽20年=澤井嘉子(カペラ書店)岩永幸代(清城堂書店)▽10年=吉見順子(ブックスふかだ)▽5年=中東美津穂、中村美貴子(ブックスサトウ)小西澄子(ホビーアリモト)▽家族従業員=松田育子(ふたば書店)