全国書店新聞
             

平成17年4月21日号

参加出版社79社に/ネット謝恩価格本フェア

書協がインターネット上で4月20日から2ヵ月間実施する「期間限定謝恩価格本フェア」の参加出版社は、前回を12社上回る79社となり、出品数も1千点以上になったことが明らかになった。
このフェアは書協流通委員会(菊池明郎委員長)が実施するもので、インターネットの専用サイト「バーゲンブックjp」にアクセスし、出品図書を定価の半額で販売するもの。注文書籍はブックサービスを通じて読者に配送する。2003年10月の読書週間以来、春と秋の年2回開催しており、今回で4回目。
第1回フェアの参加出版社は24社340点で3244冊、347万円を販売した。以後、第2回は52社562点参加、売上げ4994冊、539万円。第3回は67社、897点参加、売上げ7301冊、711万円と出品冊数の増加に従って確実にアップしている。一人当たりの購入単価は1回目4121円、2回目4069円、3回目4330円と、3回とも4千円を超えている。

17年度は7038店に/新規加入上回る脱退書店/組合員数

今年4月1日現在の日書連加盟、各都道府県組合の書店数は、前年の4月1日より425店、5・7%少ない7038店になったことが日書連組織強化委員会(鈴木喜重委員長)の調べで明らかになった。1年間の加入数合計は全国で48店、脱退は加入の10倍近い473店にのぼっている。
各都道府県組合ごとに組合員数の増減をまとめたのが別表。前年対比で組合員数が増加した組合はゼロ。増減なしが山形、徳島、高知の3組合。残る44組合は組合員数を減少させている。
加入の内訳は27組合が1年間に新規加入なしの状態。ブロック別では中国ブロックと四国ブロックが年間の新規加入ゼロ。加入数が多いのは大阪9店、東京7店、兵庫5店、千葉、京都、福岡各3店などの都市部となっている。
一方、脱退は山形、徳島、高知の3組合のゼロをのぞき44組合で動きがあった。脱退数の多かったのは東京組合63店を筆頭に、福岡33店、大阪32店、神奈川29店、愛知27店、北海道23店、宮城20店。
加入と脱退を合わせた増減で見ると、上から①東京56店減、②福岡30店減、③神奈川29店減、④愛知25店減、⑤大阪23店減、⑥北海道22店減の順。増減率では減少率の大きい順に①奈良11・4%減、②群馬・広島10・5%減、④沖縄9・5%減、⑤秋田9・4%減、⑥宮城8・6%減と都市部以外の地域が目立つ。
日書連傘下組合員数は1986年(昭和61年)の1万2935店をピークに、翌年から19年連続で減少を続けている。今年度の組合員数7038店はピーク時の5割強の数字で、記録の残る1964年(昭和39年)の7416店をも下回っている。
「既存店の廃業による組合脱退が増加している」と分析する日書連組織強化委員会は、取引条件改善を通じた個々の書店の経営改善が不可欠として、早急に「書店経営実態調査」の実施と、調査結果に基づく具体的な取引条件改善を業界に提案していく意向だ。

こども読書フォーラム

文部科学省は4月23日午後1時から渋谷区代々木の国立オリンピック記念青少年総合センターで「子ども読書の日」を記念して「子どもの読書活動推進フォーラム」を開催する。
童話作家・末吉暁子さんが「子どもの本を書く楽しさ」を基調講演したあと、学校、図書館、団体による読書活動実践事例の報告で交流を図る。入場無料。参加申し込みは読進協内、フォーラム係。電話03・3260・6833番。

ポイントカード問題で活発な討議/大阪組合

大阪府書店商業組合は4月9日午後2時から組合会議室で定例理事会を開催。
5月総代会に向けてこの1年を総括する会議になった。今年度は役員改選期にあたるため理事推薦、ブロック推薦、理事会推薦の理事候補40名を決定し、総代会に提案することになった。
このあと委員会報告を割愛して、「ポイントカード問題について大坂組合の態度をどうするか」と問いかけがあり、「公取委との議論については決着してしまっているのではないか」「一大阪組合が発言したところでどうなるものでもない状勢ではないのか」「公取委とどういうやり取りがあったのかを詳らかにしないかぎり判断材料がない。もっと情報公開を」と迫る声があった。また、「協同組合法では中小企業者の団体交渉権は認められているのではないのか。共同不法行為で攻めてくるのはやりすぎではないか」「還元率の少ないポイント制は景表法の範囲であるということを認めると歯止めがなくなり、再販制度が崩れるだろう」等々の意見が出た。
(中島俊彦広報委員)

初の7月開催で商談活発に/東京国際BF、過去最大規模で開催へ

「東京国際ブックフェア(TIBF)2005特別説明会」が4月11日、東京・有明の東京ビッグサイト「レセプションホール」で開かれ、出版社、報道関係者など約600名が出席。TIBF実行委員会の朝倉邦造実行委員長が「ビジネスに結びつけて、フェアの意義を高めてほしい」とあいさつし、出版関連8団体と共同で主催するリードエグジビションジャパンから現状報告、新企画・併催イベント、前回来場者分析等の説明があった。
第12回目となる今回は会期をこれまでの4月から、書店、教育関係者や海外出版社が来場しやすいとの理由で7月7日より10日までの4日間に変更。会場は昨年と同じく東京ビッグサイト。出展社は昨年の587社を上回り過去最高の650社、このうち国内500社(昨年470社)、海外150社(同117社)となる見通し。また、来場者も昨年の4万8千人から今年は5万3千人に拡大することが見込まれている。仕入・著作権取引など商談のために来場する真剣な業界関係者が増えており、今回は7月開催となることで書店来場者は昨年4200人から今年5千人、図書館関係者は昨年4千人から今年4800人に増える見通し。さらに活発なビジネスの場になる。また、出展社750社、来場者4万5千人を目標としている同時開催の国際文具展の来場者はTIBFへも来場できるため、相乗効果で実質10万人規模のフェアに拡大することが期待されている。リードエグジビションジャパンでは「2010年に出展社1千社、来場者8万人の、世界有数のブックフェアにする計画」としている。
専門書コーナーでは自然科学書、人文・社会科学書、児童書、編集制作プロダクション、学習書・教育ソフト、デジタルパブリッシングの各フェアが行われる。万引き防止システムなど書店向け店舗管理システムの特別コーナーも設置される。また、会期中は各種イベントが開かれる。7月7日は開会式、VIPのためのレセプションパーティー。出版業界関係者を対象とした専門セミナー(7月7日~8日)の書店員コースでは①売り場作り②魅力的な児童書売り場③バーゲンブック④万引き防止をテーマに講演が行われる。

「本のある風景」入賞作掲載/SJ実行委がリーフレット作成

サン・ジョルディの日実行委員会(萬田貴久実行委員長)が4月13日、書店会館で開かれ、キャンペーン企画の進行状況などについて報告があった。
はじめに萬田実行委員長があいさつ。続いて「本のある風景」平成17年度入賞作品20点を掲載したリーフレット、全国の読者1万1千枚のアンケートを集計して上位158点を掲載した「心が揺れた1冊の本」のリーフレットをそれぞれ1万5千部作成したことや、東京駅八重洲口の大型ビジョンで「世界本の日サン・ジョルディの日」をPRするなどの報告があった。
日本縦断記念文化講演会については、4月13日現在、北海道、宮城、東京、兵庫、愛媛、長崎の6ヵ所で開催予定と説明があった。また、独自で活発なキャンペーンを展開している愛知組合は今年も4月22日、23日の両日、ОASIS21銀河の広場、2005年日本国際博覧会「ささしまサテライト会場」で「サン・ジョルディフェスティバル名古屋2005」を開催する。北海道組合十勝支部も4月22日に帯広市・とかちプラザレインボーホールで記念講演会を開催する。講師は作家・角田光代氏。
雑誌共同企画については58社・123誌の協賛を得たとの報告があった。

万引き防止協議会、中田横浜市長に提言書

「万引き防止横浜モデル協議会」は4月14日、神奈川・関内の横浜市庁舎で、中田宏横浜市長に「青少年の明るい未来のために~STОPthe万引き横浜モデル『今後の提言』」を提出した。3月30日の第5回協議会で同協議会の活動を新たな団体に引き継ぐことになったため、これまでの活動を総括し、提言としてとりまとめたもの。提言書提出には同協議会の濱田博信会長(講談社相談役)、松本保夫(横浜市青少年指導員連絡協議会会長)、松信裕両副会長(有隣堂社長)、柴田未来幹事(21世紀のコミック作家の著作権を考える会)らが出席した。
同協議会は青少年の書店での万引き防止の取り組みを行うことにより、非行防止に向けた環境作りを進めることを目的に、平成15年10月21日に設置。青少年育成・保護関係団体、書店関係者、関係行政機関から成り、これまで協議会を5回開催したほか、シンポジウム開催、標語募集などの活動を行ってきた。提言書では①子供達自身に万引きを「しない」という思いを持たせる②子供や大人達が万引きを「させない」環境を作る③万引きは「見逃さない」という毅然とした態度でのぞむ――ことを主眼に『万引きを「しない」、「させない」、「見逃さない」』をスローガンに掲げ、子供、保護者、大人、販売店、青少年から買取を行う業者、学校、警察、行政、マスコミの各関係者に対して提言を行っている。
このうち販売店に対しては①防止策に努める(見通しをよくする、万引きされやすい商品はレジの近くに置く、声をかける、従業員教育を徹底する、防犯設備を強化する)②学校や地域での意識啓発に協力する③販売店間の意見交換を行う――と提言。また、青少年から買取を行う業者に対しては①少年の年齢確認を厳格に行う②従業員の教育を徹底する③リサイクルブックストア協議会の自主ルールと同様に、非加盟店に対しても同様の買取基準を設けることを求める――としている。
濱田会長から提言概要の説明を受けた中田市長は、「万引きは経営上はもちろん社会的にも由々しき問題。モラルの問題ではなく犯罪であり、社会の傷口はここから広がっている。市として効果的な取り組みを行い、万引き防止の機運を高めていきたい。まずは提言にある内容を実践する必要がある。青少年対策として重要な問題なので、市として引き続き各方面に協力を呼びかけていきたい」とコメントした。また、松信副会長は書店の立場から「本屋が万引き犯製造機にならないため、いろいろな立場の人たちが参画した息の長い社会活動を展開する必要がある」と話した。

訃報

高橋徹氏(元日書連理事、元群馬県書店組合理事長、前群馬県教科書特約供給所会長)
4月6日病気のため逝去した。84歳。通夜は故人の意思により身内で行われる。告別式は8日午後12時半から前橋市大友町1―1―5メモリード前橋典礼会館で。喪主は妻の通乃(みちの)さん。高橋氏は昭和37年から平成10年まで36年間にわたって日書連理事を勤めた。群馬県書店商業組合理事長高橋元理氏の父。前橋市・煥乎堂元会長。
古澤徳三氏(沼津市・マルサン書店会長、元日書連理事)
4月5日、死去した。78歳。前夜式は4月7日、告別式は8日、沼津市の沼津協会で営まれた。喪主は妻の美智子さん。昭和61年、62年に日書連理事、63年、平成元年は日書連常任委員を勤めた。静岡県書店商業組合理事長、古澤隆氏の父。

活字文化振興へ法整備を/活字議員連盟がシンポジウム

超党派の活字文化議員連盟は4月11日午後3時から、永田町の憲政記念館で「文字・活字文化振興法シンポジウム」を開催した。同法は、文字・活字文化の振興は国や地方公共団体の責務と明記し、総合的な施策を推進しようというもの。学校教育における環境整備や、利用しやすい公立図書館作り、出版活動への支援などを求めている。議員連盟では今国会に提出し、成立を目指す方針。
シンポジウムでは始めに河村建夫前文部科学大臣が「これまでに制定された子どもの読書活動推進法や文化芸術振興基本法と重複しない部分で、文字・活字文化振興の法的基盤を作ろうというのが狙いだ。OECD(経済協力開発機構)の調査で日本の子どもの学力が前回より低下した。考える力は日本語の豊かさから来る。書籍・雑誌・新聞などの文字に触れることが大事だ。出版活動への国の支援も考えている。国民運動に展開できるよう協力を」と同法の必要性を訴えた。
続いて、劇作家で東亜大学学長の山崎正和氏が「活字文化と民主主義」をテーマに基調講演を行った。山崎氏はシェイクスピアの戯曲『ジュリアス・シーザー』から、シーザー暗殺後、アントニーがローマ市民を反ブルータスへと扇動するシーンを「話し言葉」による演説の例として紹介。「話し言葉は相手から何らかの効果を引き出すという点では優れているが即物的だ。聞き手に考える余裕を与えず賛同を求める政治技法はポピュリズムに傾きがちで、一歩踏み出すとファシズムになってしまう。ヒトラーはラジオという新メディアを使って民衆を興奮させた」と指摘した。
これに対し「書き言葉」の演説としてリンカーンのゲティスバーグ演説を例に挙げ、「書き言葉は話し手が自分の考えを整理して組み立て、静かに提示するものであり、受け取り手に考える時間を与え解釈をゆだねる。書き言葉は読み返して批評し、自分の考えで政治に参加できる。これが本当の民主主義だ。書き言葉と活字文化は民主主義の根底であると訴えたい」と述べた。
午後4時からは「今なぜ文字・活字文化の法律なのか」と題し、パネルディスカッションを開催。コーディネーターに俳優の児玉清氏、パネリストとして河村前文科相、書協・小峰紀雄副理事長、活字文化議員連盟・鈴木恒夫代表幹事、同・肥田美代子事務局長、日本ペンクラブ理事・広報室長で作家の松本侑子氏が出席した。
河村氏は、OECDの調査結果について「ゆとり教育が学力低下を招いたというのは本当だろうか。読解力がかなり落ちているように見えるが、読解力とは自分で考え、答えること。詰め込み式ではない勉強がこのテストでも問われている。読解力トップのフィンランドは先生の質を高め、落ちこぼれを作らない教育に力を入れている。日本もそういう方向に行くことが必要。総合学習がうまく行われているのかの検証が大事だ」と述べた。
鈴木氏は「経済至上主義、治安の悪化など現代日本社会の乱れに心を痛めている。日本文化の崩壊を目の当たりにしている思いだ。歯止めを掛けねばとの気持ちで法案に取り組んでいる」と意気込みを語ったほか、子どもの学力低下について「昔より今の子の方が能力が高い点はいっぱいある。トータルの力で子どもを見なければならない。一番のポイントは日本語を中心とした活字文化で、読み書きの学習が重要だ」と指摘した。
肥田氏は、学校図書館整備5ヵ年計画や学校図書館法の改正、子ども読書活動推進法などこれまでの活動を振り返り、「政官民が協力して取り組んできたということが重要で、実りの10年だった。朝の読書は現在1万8千校で行われ、ブックスタートも広がりを見せている。この流れを大きなものにする正念場だ。人生のそれぞれのステージで読書環境を整えたい。振興法はその第一歩」と述べた。
松本氏は中小書店・出版社の経営悪化や、新古書店、レンタルブック店の増加など出版業界の現状を説明。「いま、良質の書籍を生み出す力が出版業界から失われつつある。出版物の貸与権が認められたが、使用料を払う仕組みがまだできていない。また図書館の貸出が出版業界にダメージを与えている面もある。多くの先進国で公共貸与権が設定され、図書館で貸し出す本の著者にお金が払われている。前向きに議論してほしい」と求めた。
小峰氏は、「日本語をより豊かにするには読書の質を高めること。メディアリテラシーの観点からも必須だと思う。いま専門性が高い出版物ほど不振に苦しんでいる。これは活字文化の衰退を意味し、看過してはならない。原因の一つとして出版物が容易に複写される問題がある。出版者の権利を確立することが必要だ。また再販制度の維持が必要。活字振興のために、公立図書館や学校図書館の整備が必要と考える」と述べた。

人事

(◎昇任、○新任、☆昇格)
◆有斐閣(3月29日付)
代表取締役副社長(専務取締役)◎淀川和也
常務取締役営業部長(取締役営業部長)
◎木村和康
※山内昇取締役副社長は退任し相談役に就任。
◆文藝春秋
(4月1日付)
〔営業局新編成〕
取締役営業担当(取締役営業担当兼営業局長)
名女川勝彦
営業局長(広告局長)
五井幹雄
雑誌営業部長(雑誌営業部統括次長)山本喜由
書籍営業部長
濱宏行
文庫・新書営業部長
渡辺郁夫
営業推進部長
勝野聡
流通企画部長〈新設〉
(雑誌営業部長)
羽田昭彦
◆ポプラ社
(4月1日付)
執行役員販売担当(販売部部長)☆森猛
同☆矢ヶ部博
同☆遠藤正夫
執行役員一般書・宣伝広告担当(販売部部長)
☆奥村傳
◆東京大学出版会
(4月1日付)
理事長岡本和夫
専務理事山口雅己
◆大和出版
代表取締役会長・社長
大和謙二
代表取締役専務
◎塚田太郎
常務取締役◎佐藤晴美
取締役総務部長
飯野芳雄
取締役南暁

携帯電話にコミックを配信/小学館、NTTソ社

小学館とNTTソルマーレはデジタルコンテンツの提供で業務提携を発表。4月7日からNTTソルマーレの運営する携帯電話向けサイト「コミックi」に小学館が刊行しているコミックの配信を開始した。
「コミックi」はFOMA900iシリーズ専用のコミック配信サイト。携帯電話画面でも読みやすく、作品の魅力を最適な形で表現する制作技術を用いてデジタル化しており、月間コンテンツダウンロード数は現在20万超。小学館は『人間交差点』『東京ラブストーリー』『六三四の剣』『闇のパープル・アイ』『快感フレーズ』『B・B』の人気作品6タイトルを毎週1点ずつ配信する。
6日に行われた記者発表でNTTソルマーレ廣瀬雄二郎社長は「携帯向けコミックは急速に成長しており、両社が手を結ぶことで市場をさらに拡大できる。小学館は名作コミックの提供や品質、販売に関するノウハウを提供し、当社はコミックのデジタル化、配信プラットフォーム、ノウハウを提供する」と説明。小学館の中村滋常務は「携帯電話のハードの進歩やストーリー漫画を表現できる良いビューワーの登場で、デジタル化の仕組みがようやく形になった。今後一つのビジネスとして成り立つと判断した」と述べた。

書店限定パック販売/シグマブック

電子書籍端末「シグマブック」は、端末本体に買ってすぐ読める文学作品入りSDメモリー、パソコンと接続するSDカードリーダーライター、専用ブックカバーを付けた4点セットを書店限定パッケージとして3万9795円(税込み)で販売中。SDメモリーは①夏目漱石94作品②芥川龍之介223作品③大菩薩峠④宮沢賢治ほか童話集⑤時代小説作品集⑥名作150選から1つを選べる。

統合マーケティング室新設/トーハン

トーハンは4月12日付で機構改革と役員人事、職制人事異動を発表した。機構改革では桶川計画のスタートを踏まえて、営業本部に統合マーケティング室を新設。室長には中央公論新社に出向していた小林進氏が就いた。
記者発表で風間常務は「今年は桶川計画スタートの年で、新しいビジネススタイルのための営業改革を目指した。①返品のない注文送品、②売り損じのない体制を目標に少ないチャンスを効率よく営業活動していく。その最大の目玉が統合マーケティング室」と機構改革の狙いを説明した。
〔役員人事〕
解・名古屋支店長兼名古屋営業センター所長兼中部ロジスティックスセンター所長兼任委嘱
執行役員佐久間英雄
〔退任役員〕
執行役員取引部長
小倉俊一
〔人事異動〕部次長級
(○昇任)
解・休職、命・統合マーケティング室長○小林進
統合マーケティング室GM(企画推進部GM)
岩田新治
開発営業部GM西日本担当(開発営業部GM)
豊田広宣
取引部長(首都圏営業部SM)○柴豊
名古屋支店長兼名古屋営業センター所長兼中部ロジスティックスセンター所長
(首都圏営業部GM)
鵜澤吉記
輸送管理部長(開発営業部GM)関川立男
輸送管理部GM(輸送管理部長)宮下洋二
任・職員、命・休職、トーハン総研出向(取引部長)小倉俊一
開発営業部SM(九州営業部SM九州営業グループ)鈴木林蔵
東部営業部SM兼任(東北支店長兼東北メディア営業センター所長)
○藤原敏晴
九州営業部SM兼九州支店長(特販第1部SM)
川畑幸巳
特販第1部SM(九州支店長)○奥村晴治
流通管理部SM兼総合専門書センター所長(流通管理部M上尾センター)
○新井正英
休職・他社出向(雑誌部SM)松原憲仁

北原亜以子さんに吉川英治文学賞

平成17年度吉川英治賞の贈呈式が11日、日比谷の帝国ホテルで行われ、吉川英治文学賞に北原亜以子さん『夜の明けるまで』(講談社)、同文学新人賞に恩田陸さん『夜のピクニック』(新潮社)、瀬尾まいこさん『幸福な食卓』(講談社)、同文化賞に名取美和、平沢保治、松田富士弥、山之内義一郎の4氏が受賞した。
講談社野間省伸副社長から各受賞者に賞状と副賞が手渡されたあと、選考委員を代表して渡辺淳一、大沢在昌、三浦朱門の3氏が選評。渡辺氏は北原さんの作品について「江戸でしか表現できない庶民の哀歓をひたすら描いている。さらに一層北原ワールドを深めてほしい」と述べた。
吉川英治文化賞受賞者の受賞理由は以下の通り。◇名取美和=HIV感染孤児の施設「バーンロムサイ」を設立。子どもたちの自立と教育に尽力
◇平沢保治=元ハンセン病患者の人権回復運動の中心となり活動を続ける
◇松田富士弥=高信頼性はんだ付け技術に取り組み、後進の指導に尽力
◇山之内義一郎=「学校の森」づくり運動を提唱し、実績をあげる

部門責任を明確化/大阪屋

大阪屋は11日、第7次経営計画を発表。初年度に当たる第59期の機構改革と役員の担当変更、人事異動を発令した。
機構改革では、営業本部、4統括部体制を発展的に解消し、部門責任を明確にする業務執行体制に再編。営業部門にあった3統括部、6部を営業本部として一括して掌管する集中営業体制とし、担当部長制による12課3支店での営業組織に再編成した。
流通本部は関西ブックシティ、大阪流通センター、茨木流通センターの掌管に加え、iブックシティ、東京書籍流通センター、東京業務部との連携を密にして流通業務全般に対処する業務体制を確立する。
〔取締役担当〕
常務取締役(東京本部副本部長)青木高次
取締役(営業本部長兼同本部教科書課担当)高岡博
同(流通本部東京業務部EC事業部分室CVS事業部担当兼東京書籍流通センター所長)上高牧正一
同(管理本部担当兼社長室長広報室長経営推進室長)南雲隆男
同(東京本部仕入部長兼東京営業部担当)伊勢久雄
同(営業本部副本部長・同本部取引部長兼特販第1課特販第2課大阪屋友の会事務局担当)西洋一郎
〔部次長級異動〕
経営推進室副室長兼EC事業部長兼管理本部情報システム部担当
荻田日登志
同副室長件管理本部総務人事部長川合正記
管理本部情報システム部長兼システム開発課長
八田彰
営業本部部長(雑誌調整課・書籍調整課・システム営業課・特販第3課・CVS課担当)中田知己
同(営業第1課・図書館課担当)伊東廣道
同(営業第2課・3課・支店担当)池田俊治
営業本部次長西岡和人
同次長兼書籍調整課長
秋山隆博同取引部次長兼取引課長兼取引審査課長
北口明彦
流通本部関西ブックシティ所長森田俊郎
同大阪流通センター所長兼茨木流通センター所長
阿部修嘉
東京本部総務経理部長兼総務経理課長
青木英二郎
同仕入部次長兼計算事務課長相澤勝彦
同東京営業部長
和田年正
同東京業務部長兼東京流通センター兼新座流通センター兼朝霞作業所長兼浮間作業所長山本良文

本屋のうちそと

朝10時開店と同時に来店の75歳前後の男性のお客様。ゆっくり本を選んでいる様子で、平台に単行本を何冊も積んでいきます。
一時間後、ポリの手提げ袋が欲しいとおっしゃるのでお渡しすると、積み上げていた本をその手提げ袋にどんどん詰め込んでいます。行動の意味がわからなくて、もしかしたら認知症かとしばらくじっとながめていました。そのまま持って店を出て行かれたら万引きになってしまう行動なので気が気ではありません。
袋ごとレジカウンターに持ってきてくれて一安心。ところが同じ本が2冊、3冊と混じっています。重複するものは要らないようなことをおっしゃるので、それを省いて9冊のお買い上げでした。
翌日夕方、顔見知りの女性のお客様が来店し、「昨日うちの主人がお宅から本を買ってきたけど、行動が変だったでしょう」というのです。
夜眠れず、朝方睡眠薬を飲んだのに2時間ほどで起床し、本屋に行くと言って出かけたのだそうです。2時間ほど経っても帰宅せず、警察のご厄介にでもなっているのかしらと心配している時に帰宅したのだそうです。意識が朦朧としていたらしく、直接話を聞けずにレシートを探したらうちの店だったので一安心したのだそうです。
奥様とは顔見知りということもあり、余計な買い物だったら返品をお受けすることを話すと「そんなことしませんよ。いい本ばかりでしたね」一件落着。
(あかり)